JP5300173B2 - 樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 - Google Patents

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Description

本発明は樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体に関する。
近年、環境保全の見地から、ポリ乳酸をはじめとする生分解性ポリエステル樹脂が注目されている。生分解性樹脂のなかでも、ポリ乳酸は耐熱性が高い樹脂の1つであり、大量生産が可能なためコストも安く、有用性が高い。さらに、ポリ乳酸はトウモロコシやサツマイモ等の植物を原料として製造することが可能で、石油等の枯渇資源の節約に貢献できる。
しかし、生分解性樹脂の中で耐熱性の高いポリ乳酸であっても、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(以下、「ABS樹脂」と略称することがある)、ポリエステル樹脂などの汎用樹脂と比べると、耐熱性は必ずしも十分とはいえない。また、機械物性、とりわけ衝撃強度が低く、耐湿熱性も悪く、高温多湿環境では劣化が顕著である。このため、汎用樹脂が使用されている自動車部品や家電材などに使用する場合、その製品の寿命に到達する前に生分解性ポリエステル樹脂の性能が低下してしまうという欠点がある。
このようなポリ乳酸樹脂を代表とする生分解性ポリエステル樹脂の欠点を補うために、生分解性ポリエステル樹脂耐熱性の高いポリカーボネート樹脂(以下、「PC樹脂」と略称することがある)とのアロイが提案されている。
例えばJP−A−07−109413には、ポリ乳酸樹脂と芳香族ポリカーボネート樹脂とからなる樹脂組成物が提案されており、またJP−A−11−140292には、ポリ乳酸と架橋ポリカーボネートとを含む樹脂組成物が提案されている。いずれも、耐熱性の点では、ポリ乳酸単独に比べ実用的なレベルまで向上している。
また、ポリ乳酸樹脂と他の樹脂とを均一に相溶化させるために、ポリ乳酸系アロイ樹脂組成物にポリメタクリル酸メチルをグラフト共重合させた変性オレフィン化合物を相溶化剤として使用することが提案されている(JP−A−2001−123055)。
しかしながらJP−A−07−109413では、耐熱性、機械物性の点からは、芳香族ポリカーボネート樹脂を高い割合で配合することが望ましいとされ、このため石油資源の節約という点では十分と言えない。また、ポリ乳酸とポリカーボネートを単純に溶融混練するだけでは、溶融粘度の差が大きいため、均一な相溶化が難しく、例えば、混練押出機のノズルから溶融樹脂が脈動を伴って吐出され、安定したペレット化が困難であるという問題がある。
JP−A−11−140292でも、ポリ乳酸樹脂の改質効果という点では、架橋ポリカーボネートの使用が望ましいとされ、直鎖状のポリカーボネートでは、耐衝撃性の大幅な改質効果は得られていない。また、成形性の点では、ポリ乳酸に比べポリカーボネートは溶融粘度が高いため、厚み1mm未満の薄物の成形は難しい。架橋ポリカーボネートの場合は、さらに溶融粘度が高くなるため、実用的な成形材料としては好ましくない。
JP−A−2001−123055では、ポリ乳酸樹脂とアロイ化する成分が脂肪族ポリエステル樹脂に限られており、このため耐衝撃性は改良できても耐熱性が低いという問題がある。さらに、本発明者によると、JP−A−2001−123055において相溶化剤として使用されている変性オレフィン化合物をポリ乳酸系樹脂とPC樹脂のポリマーアロイまたはポリ乳酸系樹脂とPC樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイに混合してみても、相溶化の効果としての耐衝撃性の向上がほとんど得られなかった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、相溶性に優れたポリ乳酸系生分解ポリエステル樹脂とPC樹脂のアロイ、および、相溶性に優れたポリ乳酸系生分解ポリエステル樹脂とPC樹脂とABS樹脂のアロイであって、耐熱性、耐衝撃性に優れ、かつ石油資源を節約できて環境負荷の低い樹脂組成物を提供することを目的とする。
さらに本発明は、耐湿熱性、成形加工性に優れた樹脂組成物を得ることを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、架橋生分解性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂とからなる樹脂組成物、または、さらにアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂が配合された樹脂組成物、およびこれらの樹脂組成物にさらにシリコーン化合物や特定構造のエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体を配合した樹脂組成物により上記目的が達成されることを見出し、本発明に到達した。
本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とし、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部あたりさらにシリコーン化合物(D)0.05〜10質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
(2)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とし、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部あたり、さらに変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体(E)0.1〜20質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
(3)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)が、生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、0.01〜20質量部の(メタ)アクリル酸エステル化合物と0.01〜20質量部の過酸化物とを反応させて得られたものであり、(メタ)アクリル酸エステル化合物が分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
(4)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸あるいはポリ乳酸を主成分とするものであることを特徴とする樹脂組成物。
(5)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部に対し、さらに末端基としてイソシアネートを有するカルボジイミド化合物0.01〜5質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
(6)樹脂(B)と樹脂(C)との質量比が(B)/{(B)+(C)}≧0.3の関係
をみたす(1)から(5)までのいずれかの樹脂組成物。
(7)架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の生分解性ポリエステル樹脂が、植物由来原料から製造されたものである(1)から(6)までのいずれかの樹脂組成物。
(8)(1)から(7)までいずれかに記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
本発明によれば、優れた耐熱性、耐衝撃性、耐湿熱性を有し石油系製品への依存度の低い樹脂組成物および成形体が提供される。
特に、PC樹脂とABS樹脂を併用することにより、成形性(流動性、反り)が改善される。
本発明の樹脂組成物は、射出成形等により各種成形体とすることができる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、生分解性ポリエステル樹脂として天然物由来の樹脂を利用できるので、石油等の枯渇の可能性のある資源の節約に貢献でき、産業上の利用価値は極めて高い。
(発明の詳細な説明)
本発明の樹脂組成物は、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)と、ポリカーボネート樹脂(B)と、必要に応じさらにアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)とが混合されたものである。
本発明の樹脂組成物において、樹脂成分である架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の混合比率つまり配合割合は、樹脂成分である樹脂(A)〜(C)の合計100質量%のうち30〜90質量%、より好ましくは50〜70質量%である。樹脂(A)の混合比率が30質量%より小さくなると、生分解性原料の比率が小さくなり環境面でのメリットが小さくなる。逆に樹脂(A)の配合量が90質量%を超えると、耐熱性、耐衝撃性などの物性が損なわれる。
架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)は、生分解性ポリエステル樹脂に架橋構造が導入されたものである。
樹脂(A)の骨格となる生分解性ポリエステル樹脂としては、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリグルコール酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペートテレフタレート、ポリブチレンサクシネートテレフタレート等が挙げられ、これらを2種以上使用してもよい。なかでも、耐熱性、成形性の面から、ポリ(L−乳酸)や、ポリ(D−乳酸)や、これらの混合物または共重合体を用いること望ましい。生分解性の観点からは、ポリ(L−乳酸)を主体とすることが好ましい。また、石油資源節約という観点からは、植物由来原料から製造された生分解性ポリエステル樹脂が好ましく、ポリ(L−乳酸)はこの条件を満たす。
ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸は、含まれるD−乳酸成分の比率によってその融点が異なる。本発明において、ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸を用いる場合は、樹脂組成物から得られる成形体の機械的特性や耐熱性を考慮すると、その融点を160℃以上とすることが好ましい。ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸において、融点を160℃以上とするためには、D−乳酸成分の割合を約3モル%未満とすることが好適である。
単体の生分解性ポリエステル樹脂あるいは複数の生分解性ポリエステル樹脂混合物の、190℃、荷重21.2Nにおけるメルトフローレートは、0.1〜50g/10分であることが好ましく、より好ましくは0.2〜20g/10分であり、いっそう好ましくは0.5〜10g/10分である。メルトフローレートが50g/10分を超える場合は、溶融粘度が低すぎて成形物の機械的特性や耐熱性が劣る場合がある。一方、メルトフローレートが0.1g/10分未満の場合は、成形加工時の負荷が高くなりすぎて、操業性が低下する場合がある。
生分解性ポリエステル樹脂(A)は、通常公知の溶融重合法で、あるいは、さらに固相重合法を併用して、製造される。生分解性ポリエステル樹脂のメルトフローレートを所定の範囲に調節する方法として、メルトフローレートが大きすぎる場合は、少量の鎖長延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、ビスオキサゾリン化合物、エポキシ化合物、酸無水物等を用いて樹脂の分子量を増大させる方法が使用できる。逆に、メルトフローレートが小さすぎる場合は、メルトフローレートの大きな生分解性ポリエステル樹脂や低分子量化合物と混合する方法が使用できる。
架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の架橋構造は、特に限定されるものではなく、生分解性ポリエステル樹脂分子同士が直接架橋したものでも、架橋助剤を介して間接的に架橋したものでも、また、これらの架橋構造が混在したものでもよい。
生分解性ポリエステル樹脂に架橋構造を導入する方法としては、電子線を照射する方法や、多価イソシアネート化合物等の多官能性化合物を使用する方法などの、公知の方法を適用できる。なかでも、架橋効率の点で、過酸化物の使用によるラジカル架橋が好ましい。
過酸化物の具体例としては、ベンゾイルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘキサン、ビス(ブチルパーオキシ)シクロドデカン、ブチルビス(ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキサイド、ブチルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジメチルジ(ブチルパーオキシ)ヘキシン、ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。過酸化物の配合量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、さらに好ましくは0.1〜10質量部である。20質量部を超えても使用できるが、効果が飽和するばかりか、経済的でない。過酸化物は、樹脂との混合の際に分解して消費されるため、たとえ配合時に使用されても、得られた樹脂組成物中には残存しない場合がある。
架橋効率をあげるために、過酸化物とともに架橋助剤を使用するのが好ましい。架橋助剤としては、ジビニルベンゼン、ジアリルベンゼン、ジビニルナフタレン、ジビニルフェニル、ジビニルカルバゾール、ジビニルピリジンおよびこれらの核置換化合物や近縁同族体;エチレングリコールジアクリレート、ブチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレート等の多官能性(メタ)アクリル酸系化合物;ジビニルフタレート、ジアリルフタレート、ジアリルマレエート、ビスアクリロイルオキシエチルテレフタレート等の脂肪族および芳香族多価カルボン酸のポリビニルエステル;ポリアリルエステル、ポリアクリロイルオキシアルキルエステル、ポリメタクリロイルオキシアルキルエステル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ヒドロキノンジビニルエーテル、ビスフェノールAジアリルエーテル等の脂肪族および芳香族多価アルコールのポリビニルエーテルやポリアリルエーテル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のシアヌール酸又はイソシアヌール酸のアリルエステル;トリアリルホスフェート、トリスアクリルオキシエチルホスフェート、N−フェニルマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系化合物;フタル酸ジプロパギル、マレイン酸ジプロパギル等の2個以上の三重結合を有する化合物などの多官能性モノマーを使用することができる。これらの架橋助剤の使用量は、特に限定されないが、効果的に架橋構造を付与する観点からは、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して30質量部以下が好ましい。
上記架橋助剤中、架橋反応性の点から(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましい。この成分を介して、生分解性ポリエステル樹脂成分が架橋され、それによって機械的強度、耐熱性、寸法安定性が向上する。(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、生分解性樹脂との反応性が高くしたがってモノマーが残りにくく、毒性が比較的少なく、樹脂の着色も少ないことから、分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物であることが必要である。具体的な化合物としては、グリセロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジメタクリレート、または、これらのアルキレングリコール部が異種のアルキレン基をもつアルキレングリコールの共重合体等が挙げられる。
架橋助剤として(メタ)アクリル酸エステル化合物を配合する場合、その量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましく、0.05〜10質量部がさらに好ましく、0.1〜5質量部がよりいっそう好ましい。操業性に特に支障が出ない範囲で、20質量部を超えて使用することもできる。
生分解性ポリエステル樹脂に、上記した過酸化物などの架橋剤や、架橋助剤を配合する手段としては、一般的な押出機を用いて溶融混練する方法を挙げることができる。混練状態をよくする意味で二軸の押出機を使用することが好ましい。混練温度は(生分解性ポリエステル樹脂の融点+5℃)〜(生分解性ポリエステル樹脂の融点+100℃)の範囲が、また、混練時間は20秒〜30分が、それぞれ好ましい。この範囲より低温や短時間であると、混練や反応が不充分となり、また高温や長時間であると樹脂の分解や着色が起きることがある。配合に際しては、過酸化物などの架橋剤や架橋助剤が固体状であればこれらをドライブレンドや粉体フィーダーを用いて供給する方法が好ましく、液体状であれば加圧ポンプを用いて押出機のバレルに直接注入する方法が好ましい。
架橋助剤と過酸化物などの架橋剤とを併用して配合する場合の好ましい方法として、架橋助剤および/または過酸化物などの架橋剤を媒体に溶解又は分散して混練機に注入する方法が挙げられる。これによれば、操業性を格段に改良することができる。すなわち、生分解性ポリエステル樹脂成分と過酸化物などの架橋剤とを溶融混練しているときに架橋助剤の溶解液または分散液を注入したり、ポリエステル樹脂成分を溶融混練いるときに、架橋助剤と過酸化物などの架橋剤との溶解液又は分散液を注入したりして、溶融混練することできる。
架橋助剤および/または過酸化物などの架橋剤を溶解または分散させる媒体としては、一般的なものが用いられ、特に限定されない。なかでも、本発明にもとづく生分解性ポリエステル樹脂との相溶性に優れた可塑剤が好ましい。例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル誘導体、脂肪族多価アルコールエステル誘導体、脂肪族オキシエステル誘導体、脂肪族ポリエーテル誘導体、脂肪族ポリエーテル多価カルボン酸エステル誘導体などから選ばれた1種以上の可塑剤などが挙げられる。具体的な化合物としては、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセトモノカプレート、ジメチルアジペート、ジブチルアジペート、トリエチレングリコールジアセテート、アセチルリシノール酸メチル、アセチルトリブチルクエン酸、ポリエチレングリコール、ジブチルジグリコールサクシネートなどが挙げられる。分散媒体としての可塑剤の使用量は、生分解性ポリエステル樹脂100質量部に対し30質量部以下が好ましく、0.1〜20質量部がさらに好ましい。架橋助剤や、過酸化物などの架橋剤の反応性が低い場合は、可塑剤を使用しなくてもよいが、反応性が高い場合は、0.1質量部以上用いることが好ましい。この分散媒体は、樹脂との混合時に揮発することがあるため、たとえ製造時に使用しても、得られた樹脂組成物中には残存しない場合がある。
本発明におけるポリカーボネート樹脂(B)の成分は、ビスフェノール類残基とカーボネート残基とで構成される繰り返し単位からなる。
原料のビスフェノール類としては、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロドデカン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジチオジフェノール、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジクロロジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−2,5−ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。その他にも、米国特許明細書第2,999,835号、第3,028,365号、第3,334,154号および第4,131,575号に記載されているジフェノールが使用できる。これらは単独で使用してもよいし、あるいは2種類以上混合して使用してもよい。
カーボネート残基単位を導入するための前駆物質としては、例えばホスゲン、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(B)の極限粘度は、0.40〜0.64の範囲にあることが好ましい。0.64を超えると、樹脂組成物の溶融粘度が高くなって、混練押出や射出成形が困難になる場合がある。一方0.40を下回ると、得られる成形品の衝撃強度が不足する場合がある。
ポリカーボネート樹脂(B)の配合割合は、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量%中、10〜70質量%である。樹脂(B)分の配合量が10質量%未満のときには、得られる樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性能が不足し、70質量%を超えると、原料の石油資源依存度が高くなって、環境貢献度が低くなる。
本発明の樹脂組成物においては、既述の架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)に加えて、さらに、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)を使用してもよい。樹脂(C)の添加によって、得られる樹脂組成物の成形時の流動性が高まり、成形品内部の残留歪みが小さくなる結果、成形品の反りを小さくすることができる。また、成形品の外観を優れたものとすることができる。
樹脂(C)の配合割合は、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量%に対して0〜50質量%の範囲である。また、樹脂(B)、(C)の配合割合の関係は、質量比で、(B)/{(B)+(C)}≧0.3を満たすことが好ましい。この式をみたすところの、樹脂(B)と樹脂(C)との合計量におけるポリカーボネート樹脂(B)の割合が0.3以上のときには、得られる樹脂組成物の耐熱性、耐衝撃性がさらに向上する。
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)は、上述のように一般に「ABS樹脂」と略称される樹脂であり、脂肪族共役ジエン系単量体を必須成分とする単量体を重合してなるゴム状重合体5〜70質量%の存在下に、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体を必須成分とする単量体30〜95質量%を重合してなるグラフト共重合体である。
ここで用いられる脂肪族共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられる。特に、耐衝撃性の点から1,3−ブタジエンを好ましく用いることができる。ゴム状重合体を製造するために用いる単量体の合計100質量部を基準として、脂肪族共役ジエン系単量体の割合は、30〜100質量部であることが好ましい。この割合を30質量部以上にすることで、良好な耐衝撃性を有するグラフト共重合体が得られる。
ゴム状重合体を製造するために用いる単量体として、脂肪族共役ジエン系単量体と他の単量体を併用する場合に、他の単量体としては、ジエン系単量体と共重合可能な各種単量体を用いることができる。その具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;スチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−メチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、2−エチルヘキシルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル等が挙げられる。
ゴム状重合体にグラフト重合させる単量体は、上述のように、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体を必須成分とする。シアン化ビニル系単量体の具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアン化ビニリデン等が挙げられる。なかでも、特に、アクリロニトリルが好ましい。芳香族ビニル系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、p−クロルスチレン等のハロゲン化スチレン類、p−t−ブチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタレン類等が挙げられる。なかでも、特に、スチレン、α−メチルスチレンが好ましい。
グラフト重合用単量体として、シアン化ビニル系単量体および芳香族ビニル系単量体以外に、さらに、所望に応じて他の単量体を併用することもできる。その具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等の不飽和カルボン酸エステル系単量体;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸無水物;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和ジカルボン酸のイミド化合物等が挙げられる。これらは、一種単独で用いることも二種以上を併用することもできる。
これらの単量体の使用割合は、通常、全体の質量を100として、シアン化ビニル系単量体/芳香族ビニル系単量体/その他の単量体(質量比)=10〜50/50〜90/0〜40、好ましくは15〜45/55〜85/0〜20である。
さらに、グラフト重合用単量体には、必要に応じて、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート等を、グラフト重合用単量体合計100質量%を基準として、20質量%以下、好ましくは15質量%以下併用することも可能である。
グラフト共重合体の製造において、ゴム状重合体とグラフト重合用単量体混合物との比率は、上述のように、ゴム状重合体/単量体混合物(質量比)=5〜70/30〜95、好ましくは10〜65/35〜90である。ゴム状重合体が5質量%未満の場合は、樹脂中のゴム状重合体の割合が必然的に低くなり、耐衝撃性が低下する。一方、70質量%を超える場合はゴム状重合体へのグラフト率が低くなって、樹脂中のゴム状重合体の分散が不十分となり、耐衝撃性を発現し得ない。
アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂の重合時に金属触媒を使用する場合は、重合後に、これを除去することが好ましい。金属触媒は、生分解性ポリエステル樹脂の加水分解を促進し、耐湿熱性能を低下させる場合があるからである。
本発明の樹脂組成物において、各成分としての樹脂(A)〜(C)は、最終的な樹脂組成物中において所定の割合で配合されていればよい。それらの混合順序や混合方法は、特に限定されない。例えば、(A)、(B)および(C)成分の各樹脂原料を同時に溶融混合してもよいし、いずれか2種を先に混合したのち、他の1種を混合してもよい。しかしながら、ポリカーボネート樹脂(B)とアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)とは、架橋生分解ポリエステル樹脂(A)の配合に先立って予め混合しておくことが好ましい。このようにすれば、最終的な樹脂組成物の成形時の流動性をさらに良好にして、成形品外観を優れたものとすることができる。ポリカーボネート樹脂(B)とアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)との混合物は、市販されているものを用いることもできる。
本発明の樹脂組成物は、シリコーン化合物(D)を配合することによって、耐衝撃性能をさらに向上させることができる。シリコーン化合物とは、シロキサン結合単位(式1)を有する重合体である。RSiO(式2)を基本単位としたものは直鎖状の重合体となるが、RSiO1.5(式3)またはSiO2.0(式4)単位を導入して分岐構造を有したものでもよい。
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ただし、分岐の数が多すぎると、シリコーン化合物が生分解性ポリエステル樹脂およびポリカーボネート樹脂中へ均一に分散しにくくなるため、過度の分岐構造は好ましくない。主鎖以外のケイ素に結合する有機基Rの種類は、特に制限はなく、適宜公知のものを使用できる。例えば、一般的には、メチル基、フェニル基、水素が挙げられる。このほかに、エポキシ基、アミノ基、アルコール基、カルボキシル基等の有機官能基や、アルキル基、ポリエーテル、高級脂肪酸エステル等で変性した変性シリコーン化合物も使用できる。さらにこれらを2種以上併用してもよい。ただし、成形品においてシリコーン化合物のブリードアウトが問題になる場合や、耐熱性が求められる場合は、メチルフェニルシリコーン化合物が、相溶性の点から望ましい。
重合体の末端基に関しても特に制限はなく、メチル基、フェニル基、その他の官能基を有するものを使用できる。
これらのシリコーン化合物の商品名を例示する。ジメチルシリコーンとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF451」シリーズ、信越シリコーン社の「KF96」、「KF96L」、「KF96H」、「KF69」、「KF92」、「KF961」、「KF965」、「KF968」などが挙げられる。メチルフェニルシリコーンとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF431」、「TSF433」、「TSF434」、「TSF437」、「TSF4300」、信越シリコーン社の「KF50」、「KF54」、「KF56」が挙げられる。メチルハイドロジェンシリコーンとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF484」、信越シリコーン社の「KF99」が挙げられる。エポキシ変性シリコーンオイルとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF4730」、信越シリコーン社の「KF100T」、「KF101」、「KF102」、「KF103」が挙げられる。アミノ変性シリコーンとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF4700」、「TSF4701」、「TSF4702」、「TSF4703」、「TSF4704」、「TSF4705」、「TSF4706」、「TSF4707」、「TSF4708」、「TSF4709」、信越シリコーン社の「KF857」、「KF858」、「KF859」、「KF861」、「KF864」、「KF880」が挙げられる。アルコール変性シリコーンとしては、信越シリコーン社の「KF851」が挙げられる。カルボシキル変性シリコーンとしては、GE東芝シリコーン社の「TSF4770」、信越シリコーン社の「X−22−3710」、「X−22−3701E」が挙げられる。アルキル変性シリコーンオイルとしては、GE東芝シリコーン社製の「TSF4421」、「XF42−A3161」が挙げられる。
シリコーン化合物を配合する場合、その量は、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部あたり、0.05〜10質量部である。0.05質量部未満であると耐衝撃性改善効果に乏しく、10質量部を超えると、ブリードアウトが発生しやすくなり、耐熱性も低下しやすくなる。
樹脂組成物には、変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体(E)を相溶化剤として使用することにより、相溶性を高め、また耐衝撃性をよりいっそう向上させることができる。本発明における変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体とは、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル/スチレン共重合体等がグラフト共重合されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体をいう。そのオレフィン重合体又はオレフィン共重合体としては、ポリエチレン、エチレン/グリシジルメタクリレート共重合体、エチレン/エチルアクリレート共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。特に、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体がグラフト共重合されたエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体が、耐衝撃性に優れる。ポリメタクリル酸メチルがグラフト共重合されたエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体の具体的な商品名を例示すると、日本油脂社の「モディパーA4200」、「AT13100」、「AT13130」等が挙げられる。ポリメタクリル酸メチル/グリシジルメタクリレート共重合体がグラフト共重合されたエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体の具体的な商品名を例示すると、日本油脂社の「AT13110」が挙げられる。
変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体(E)の配合量は、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましい。0.1質量部未満では相溶化の効果が発現しにくく、20質量部を超えると耐熱性が低下することがある。
樹脂組成物には、カルボジイミド化合物を配合することができる。カルボジイミド化合物を含有させることによって樹脂組成物の耐湿熱性が向上し、また、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)およびポリカーボネート樹脂(B)間で架橋構造が導入され、溶融混練による相溶性もより良好になり、樹脂組成物の機械物性も向上する。カルボジイミド化合物としては、4,4′−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド、テトラメチルキシリレンカルボジイミド、N,N−ジメチルフェニルカルボジイミド、N,N′−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド等があげられるが、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有するカルボジイミド化合物であれば、特に限定されない。
カルボジイミド化合物として、末端イソシアネート基をモノイソシアネート等で封止したものを使用してもよいが、樹脂組成物の耐湿熱性と機械物性(特に耐衝撃性)の向上の点からは、イソシアネート基を残したカルボジイミド化合物を使用することが好ましい。イソシアネート基は、カルボジイミド基より高い反応性を有し、より高い効果が得られる。
カルボジイミド化合物は、従来から知られている方法で製造でき、ジイソシアネート化合物を原料とする脱二酸化炭素反応を伴うカルボジイミド反応により製造することができる。この際に末端封止処理をおこなわなければ、末端にイソシアネート基を有するカルボジイミド化合物となる。
カルボジイミド化合物の配合量は、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部に対して0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜3質量部が特に好ましい。配合量が0.01質量部未満であると、耐湿熱性と機械物性の向上の効果が見られず、一方、5質量部を超えると耐熱性が低下する場合がある。
樹脂組成物の製造に際して、原料を配合する方法は、特に限定されるものではなく、樹脂組成物中に各成分が均一に分散されている状態になればよい。例えば、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)、ポリカーボネート樹脂(B)、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)、シリコーン化合物(D)、変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体(E)などを、タンブラーあるいはヘンシェルミキサーを用いて均一にブレンドした後に溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。
より均一な分散のために、あらかじめ2種類以上の原料が溶融混練されたペレットを使用してもよい。例えば、ポリカーボネート樹脂(B)とシリコーン化合物(D)とが溶融混練された組成物あるいは共重合された組成物や、ポリカーボネート樹脂(B)とアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)とが溶融混練された組成物を使用してもよい。
カルボジイミド化合物を用いる場合には、他の樹脂原料を溶融混練して、ある程度相溶化が進んだ段階で追加して溶融混練するのが好ましい。同時に溶融混練すると、他の原料成分間の相溶化、特にポリ(メタ)アクリレートがグラフト共重合されたエチレン/グリシジルメタクリレート共重合体を用いたときに、この成分による相溶化反応が阻害される場合がある。混合操作の例としては、カルボジイミド化合物以外の原料を押出機で一度溶融混練したあとに、カルボジイミド化合物を追加して、再度、溶融混練する方法や、または、サイドフィーダ等により、押出機の途中からカルボジイミド化合物を添加する方法などが挙げられる。
樹脂組成物には、機械的強度や耐熱性の向上を目的として、有機または無機の充填材を添加してもよい。その配合量は、樹脂組成物100質量部に対し、1〜50質量部が好ましい。
無機充填材としては、ガラス繊維、金属繊維、炭素繊維、金属ウイスカー、セラミックウイスカー、チタン酸カリウム等の繊維状強化材のほか、タルク、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ワラストナイト、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、ケイ酸カルシウム、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノ珪酸ナトリウム、珪酸マグネシウム、ガラスバルーン、カーボンブラック、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、ゼオライト、ハイドロタルサイト、窒化ホウ素、グラファイトが挙げられる。有機充填材としては、澱粉、セルロース微粒子、木粉、おから、モミ殻、フスマ、ケナフ等の天然に存在するポリマーやこれらの変性品が挙げられる。
なかでも繊維状強化材が好ましく、特にガラス繊維が、耐熱性、耐衝撃性を向上可能という理由から最も好ましい。ガラス繊維は、樹脂成分との密着性を高めるために表面処理を施したものが好ましい。繊維状強化材の添加の方法としては、押出機においてホッパーから他の原料と同時に添加してもよいし、サイドフィーダを用いて混練機の途中から添加することもできる。また、繊維状強化材を高濃度に充填したマスター樹脂を作製しておき、これを成形時にベース樹脂で希釈して所望の濃度となるように使用することもできる。
樹脂組成物には、その特性を大きく損なわない範囲内で、顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、耐光剤、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、結晶核材等を添加することができる。熱安定剤や酸化防止剤としては、たとえばヒンダードフェノール類、リン化合物、ヒンダードアミン、イオウ化合物、銅化合物、アルカリ金属のハロゲン化物、ビタミンEが挙げられる。難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、無機系難燃剤が使用できるが、環境を配慮した場合、非ハロゲン系難燃剤の使用が望ましい。非ハロゲン系難燃剤としては、リン系難燃剤、水和金属化合物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム)、N含有化合物(メラミン系、グアニジン系)、無機系化合物(硼酸塩、Mo化合物)が挙げられる。無機結晶核材としては、タルク、カオリン等が挙げられ、有機結晶核材としては、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩、ロジン化合物等が挙げられる。なお、樹脂組成物にこれらを混合する方法は特に限定されない。
本発明の樹脂組成物は、射出成形、ブロー成形、押出成形、インフレーション成形、およびシート加工後の真空成形、圧空成形、真空圧空成形等の成形方法により、各種成形体とすることができる。とりわけ、射出成形法と採ることが好ましく、一般的な射出成形法のほか、ガス射出成形、射出プレス成形等の成形方法も採用できる。本発明の樹脂組成物に適した射出成形条件は、樹脂組成比によって変動するが、シリンダ温度を180〜260℃、より好ましくは190〜250℃の範囲とするのが適当である。金型温度は140℃以下にするのがよい。シリンダ温度が低すぎると成形品にショートが発生するなど操業性が不安定になったり、過負荷に陥りやすくなったりし、逆にシリンダ温度が高すぎると樹脂組成物が分解し、得られる成形体の強度が低下したり、着色する等の問題が発生する場合がある。
本発明の樹脂組成物からなる成形体は、射出成形時の条件制御や成形後の熱処理によって結晶化を促進させることにより、その耐熱性を高めることができる。このための方法として、例えば、射出成形時に金型内での冷却にて結晶化を促進させる方法がある。その場合には、金型温度を樹脂組成物の結晶化温度±20℃として、所定時間冷却するのが望ましい。金型からの離型性を考慮して、さらにその後に金型温度を樹脂組成物のガラス転移温度以下まで下げてから、金型を開いて成形品を取り出してもよい。成形後に結晶化を促進させる方法として、得られた成形品を、再度、結晶化温度±20℃で熱処理することが好ましい。結晶化温度が複数存在する場合は、各温度で同様の処理を実施してもよく、ガラス転移温度が複数存在する場合は、成形上の問題ないガラス転移温度を選択すればよい。
成形体の具体例としては、パソコンの筐体、プリンタの筐体、プロジェクターランプの筐体等の電化製品用樹脂部品や、バンパー、インナーパネル、ドアトリム等の自動車用樹脂部品等が挙げられる。また、フィルム、シート、中空成形品などとすることもできる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
1.評価項目
(1)メルトフローレート(MFR):
JIS規格K−7210(試験条件4)に従い、190℃、荷重21.2Nで測定した。
(2)極限粘度(IV):
フェノール/1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒(質量比6/4)を用い、温度20℃で測定した。
(3)熱変形温度(DTUL):
ASTM規格D−648に従い、荷重0.45MPaで測定した。試験片は次のように作成した。すなわち、射出成形機(東芝機械社製IS−80G型)を用い、シリンダ温度210〜240℃で樹脂を溶融して、射出圧力100MPa、射出時間15秒で70℃の金型に充填し、30秒間冷却した。
ただし、ポリ乳酸樹脂に関しては、シリンダ温度190℃、射出圧力100MPa、射出時間10秒、金型温度30℃として、20秒間冷却とした。
架橋ポリ乳酸樹脂または架橋ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート樹脂に関しては、シリンダ温度190℃、射出圧力100MPa、射出時間15秒、金型温度100℃として、60秒間冷却とした。
(4)衝撃強度(IZOD衝撃強度):
ASTM規格D−256に従い、ノッチ(V字型切込み)付き試験片を用いて測定した。試験片は(3)と同様の成形方法により得た。
(5)曲げ弾性率:
ASTM規格D−790に従い、変形速度1mm/分で荷重をかけて測定した。試験片は(3)と同様の成形方法により得た。
(6)曲げ強度:
ASTM規格D−790に従い、変形速度1mm/分で荷重をかけて測定した。試験片は(3)と同様の成形方法により得た。
(7)耐湿熱性:
(6)で得られた曲げ強度試験片を温度60℃、湿度95%RHの環境下で800時間処理した後、曲げ強度を測定して、処理時間0の値に対する強度保持率によって表した。
(8)流動性:
厚み1mmのバー状金型を使用し、射出成形機(東芝機械社製IS−80G型)によって、シリンダ温度220℃、金型温度70℃、射出圧力100MPaで成形をおこない、流動長(mm)を測定した。ポリ乳酸、架橋ポリ乳酸または架橋ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート樹脂の成形条件は、(3)に準じた。流動長が大きいほど流動性に優れている。
(9)反り量:
正方形平板の成形試験を実施した(正方形の一辺がフィルムゲートで60.0mm×60.0mm×厚み1mmの金型を使用)。成形温度は220℃、金型温度は70℃に、それぞれ設定した。ポリ乳酸、架橋ポリ乳酸または架橋ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート樹脂の成形条件は、(3)に準じた。射出速度・射出圧力は、成形収縮率が0.2%となるように設定した。得られた平板成形品を凸側を上にして水平な台の上に置き、その高さを測定した。反り量は、(反り高さ)/(平板対角線長さ)×100(%)で評価した。この値が0.5%以下であれば成形品の実用上問題ない範囲と判断できる。
(10)コンパウンド操業性:
コンパウンド時の状態を観察して、下記のように評価した。
○:押出し機のノズルから溶融樹脂が脈動することなく吐出され、ストランドが切れることがなく、ペレタイザーで連続的にペレット化する工程を問題なく実施可能。
△:押出し機のノズルから溶融樹脂が脈動をもって吐出され、ストランドが切れ易く、ペレット化までの工程が中断されることがある。
(11)成形品外観:
成形品の外観を観察して、下記のよう分類し、○を合格とした。
○:ムラはほとんど目立たない。
△:ムラが目立つ
×:ムラが非常に目立つ。
2.原料
(1)ポリ乳酸樹脂:
カーギルダウ社製 Nature Works 6201DK;MFR=10g/10分、融点168℃(以下、「PLA」と略称する)。
(2)架橋ポリ乳酸樹脂:
次の通りに作製した。
二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を使用してトップフィーダからPLAを供給し、加工温度190℃で溶融混練押出しをおこなった。その際、架橋助剤としてのポリエチレングリコールジメタクリレート(日本油脂社製)(以下、「PEGDM」と略称する)1.0質量部と、架橋剤としてのジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂社製)1.0質量部とを、可塑剤であるグリセリンジアセトモノラカプレート2.5質量部に溶解した溶液を、ポンプを用いて混練機の途中から注入した。そして、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋生分解性ポリエステル樹脂(以下、「架橋PLA」と略称する)を得た。得られた架橋PLAのMFRは1.2g/10分であった。
(3)架橋ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート樹脂:
次の通りに作製した。
二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)を使用して、PLAとポリブチレンサクシネート樹脂(三菱化学社製GS−Pla AZ−71T)とが(PLA)/(ポリブチレンサクシネート樹脂)=90/10の質量比率で混合されたチップをトップフィーダから供給し、加工温度190℃で溶融混練押出しをおこなった。その際に、架橋助剤としてのPEGDM1.0質量部と、架橋剤としてのジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂製)1.0質量部とを、可塑剤であるグリセリンジアセトモノラカプレート2.5質量部に溶解した溶液を、混練機の途中からポンプを用いて注入した。そして、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、架橋ポリ乳酸/ポリブチレンサクシネート樹脂(以下、「架橋PLA/PBS」と略称する)を得た。得られた架橋PLA/PBSのMFRは1.5g/10分であった。
(4)PC樹脂:
住友ダウ社製200−13(IV=0.49)。
(5)PC樹脂/ABS樹脂の混合体(PC樹脂比率約40質量%):
住友ダウ社製IM−6100(以下、「PC/ABS」と略称する)。
(6)ポリメタクリル酸メチルがグラフト共重合されたエチレングリシジルメタクリレート共重合体:
日本油脂社製モディパーA4200(以下、「EGMA−gf−PMMA」と略称する)。
(7)シリコーン化合物:
・GE東芝シリコーン社製メチルフェニルシリコーンオイル TSF−433
・信越シリコーン社製メチルフェニルシリコーンオイル KF−54
・GE東芝シリコーン社製アミノ変性シリコーンオイル TSF4707
・GE東芝シリコーン社製エポキシ変性シリコーンオイル TSF4730
・GE東芝シリコーン社製ヒドロキシ末端メチルフェニルシリコーン YF3804
(8)カルボジイミド化合物:
・日清紡社製LA−1;イソシアネート基含有率1〜3%
・日清紡社製HMV−8CA;イソシアネート基封止品
実施例1〜34
各原料を、表1、3、4に示す割合で二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)に供給し、加工温度220℃〜240℃で溶融混練押出しをおこない、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、樹脂組成物A〜HHを得た。なおカルボジイミド化合物を添加する場合にサイドフィードで供給した他は、全ての原料をトップフィード口から同時に供給した。
比較例1〜13
各原料を、表2〜4に示す割合で二軸押出機(東芝機械社製TEM−37BS)に供給し、加工温度210℃〜230℃で溶融混練押出しをおこない、吐出された樹脂をペレット状にカッティングして、樹脂組成物II〜UUを得た。この場合に、比較例1、2、4、8、12、13では、ノズルから溶融樹脂が脈動しながら吐出されて、ペレット化が困難であった。なお、比較例6、7では樹脂原料をそのまま各種試験片作成の射出成形に供した。
各種物性評価を行った結果をまとめて表1〜4に示す。
実施例1〜34では、DTUL、IZOD衝撃強度に優れた樹脂組成物が得られた。さらに、次のことが明らかである。
PLAは、それ自体を架橋しただけではIZOD衝撃強度はほとんど向上しない(比較例6と7の対比)。架橋していないPLAとPCとを溶融混練すると操業性に劣る。これに対し、PLAを架橋したうえで、さらにPCと溶融混練した場合は、操業性が改良され、同時にIZOD衝撃強度が大幅に向上している(実施例1と比較例1との対比)。
ABS成分を配合することにより、流動性が改良され、反り量が小さくなり、外観も向上している。DTUL、IZOD衝撃強度も、PLA単独成分に比べれば良好である(実施例3〜7、10、11)。
シリコーン化合物を配合することにより、IZOD衝撃強度が向上している(実施例13〜24)。また、種々のシリコーン化合物において衝撃強度の向上効果が見られる(実施例13〜17)。こうした効果は、PLAを架橋していない比較例8や、架橋PLAの量が本発明の範囲を外れる比較例9では小さい。
EGMA−gf−PMMAを添加することで、IZOD衝撃強度は向上している(実施例25〜34)。こうした効果は、PLAを架橋していない比較例12、13や、架橋PLAの量が本発明の範囲を外れる比較例10、11では小さい。
シリコーン化合物とEGMA−gf−PMMAとを併用すると、IZOD衝撃強度はさらに向上する(実施例28、29、31)。
カルボジイミド化合物の添加により耐湿熱性が改良される(実施例8〜12、20、29、33)。イソシアネート基を有するカルボジイミド化合物は耐湿熱性の改良のほか、IZOD衝撃強度をも向上させる効果を有する(実施例8と12の対比)。
比較例2、4は、比較例1の組成にカルボジイミド化合物を添加したものであり、比較例1と比べて溶融混練の操業性は改善されているが、PLAが架橋されていないため、IZOD衝撃強度は低く、実用的でない。
比較例3、5では、PCの割合が少なすぎるため、DTULとIZOD衝撃強度がほとんど向上していない。
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Claims (8)

  1. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とし、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部あたり、さらにシリコーン化合物(D)0.05〜10質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とし、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部あたり、さらに変性されたオレフィン重合体又はオレフィン共重合体(E)0.1〜20質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
  3. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)が、生分解性ポリエステル樹脂100質量部あたり、0.01〜20質量部の(メタ)アクリル酸エステル化合物と0.01〜20質量部の過酸化物とを反応させて得られたものであり、(メタ)アクリル酸エステル化合物が分子内に2個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物であることを特徴とする樹脂組成物。
  4. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の生分解性ポリエステル樹脂がポリ乳酸あるいはポリ乳酸を主成分とするものであることを特徴とする樹脂組成物。
  5. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)30〜90質量%、ポリカーボネート樹脂(B)10〜70質量%およびアクリロニトリル/ブタジエン/スチレン系共重合樹脂(C)0〜50質量%を含み、樹脂(A)〜(C)の合計を100質量%とした樹脂組成物であり、樹脂(A)〜(C)の合計量100質量部に対し、さらに末端基としてイソシアネートを有するカルボジイミド化合物0.01〜5質量部を含んでいることを特徴とする樹脂組成物。
  6. 樹脂(B)と樹脂(C)との質量比が(B)/{(B)+(C)}≧0.3の関係をみたすことを特徴とする請求項1から5までのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 架橋生分解性ポリエステル樹脂(A)の生分解性ポリエステル樹脂が、植物由来原料から製造されたものであることを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  8. 請求項1から7までのいずれか1項に記載の樹脂組成物を成形してなる成形体。
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