JP5298695B2 - 光学ガラス及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス及び光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5298695B2
JP5298695B2 JP2008202883A JP2008202883A JP5298695B2 JP 5298695 B2 JP5298695 B2 JP 5298695B2 JP 2008202883 A JP2008202883 A JP 2008202883A JP 2008202883 A JP2008202883 A JP 2008202883A JP 5298695 B2 JP5298695 B2 JP 5298695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
glass
optical
content
transition temperature
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008202883A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010037154A (ja
Inventor
禄人 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2008202883A priority Critical patent/JP5298695B2/ja
Priority to US12/462,117 priority patent/US8008219B2/en
Priority to CN200910161181.5A priority patent/CN101643314B/zh
Publication of JP2010037154A publication Critical patent/JP2010037154A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5298695B2 publication Critical patent/JP5298695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • C03C3/066Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing zinc
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus
    • C03C3/17Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus containing aluminium or beryllium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus
    • C03C3/19Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus containing boron
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/12Silica-free oxide glass compositions
    • C03C3/16Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus
    • C03C3/21Silica-free oxide glass compositions containing phosphorus containing titanium, zirconium, vanadium, tungsten or molybdenum

Description

本発明は光学ガラス及び該光学ガラスからなる光学素子に関し、より詳細には、中屈折率且つ低分散の光学定数を有し、プレス成形に適した光学ガラス及び該光学ガラスからなる光学素子に関する。
各種光ディスク用のピックアップレンズや、携帯電話に搭載される撮像用レンズなど、光学ガラスからなる種々の光学素子が広く用いられている。近年では、かかる光学素子の需要が急速に拡大しており、生産性の向上と低コスト化が要求されている。そのため、このような光学素子の製造方法として、従来の研磨による方法に比べて製造工程が少なく、その結果短時間且つ安価に光学素子を製造することができるプレス成形法が広く用いられるようになってきている。
プレス成形法は、再加熱方式とダイレクトプレス方式とに大別できる。再加熱方式は最終製品に近似した形状を有するゴブプリフォームあるいは研磨プリフォームを作製した後、これらのプリフォームをガラスの軟化点以上の温度に再び加熱し、加熱した上下一対の成形金型によりプレス成形して最終製品形状とする方式である。一方、ダイレクトプレス方式は、加熱した成形金型の上にガラス溶融炉から溶融ガラス滴を直接滴下し、プレス成形することにより最終製品形状とする方式である。
上記いずれの方式による場合であっても、プレス成形を行う際には、成形金型を、成形する光学ガラスのガラス転移温度Tg近傍又はそれ以上の温度に加熱する必要がある。そのため、成形する光学ガラスのガラス転移温度Tgが高いほど、成形金型の表面酸化や金属組成の変化が生じやすく、成形金型の寿命が短くなるため、生産コストの上昇を招く。窒素などの不活性ガス雰囲気下で成形を行うことにより、そのような成形金型の劣化を抑制する方法も考えられるが、雰囲気制御をするためには成形装置が複雑化し、また不活性ガスのランニングコストも必要となるため生産コストが上昇してしまう。
従って、プレス成形法に用いる光学ガラスとしては、ガラス転移温度Tgのできるだけ低いものが望ましい。また、製造時の作業環境に配慮し、PbO、As、TeO、Sb及びフッ化物成分は、いずれも含有しないことが望ましい。
このような観点から、中屈折率、低分散で、且つ、ガラス転移温度Tgの低い光学ガラスが、いくつか提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
特開2004−217513号公報 特開2007−145613号公報 特開平2−124743号公報 特開2002−211949号公報 特開2005−53749号公報
しかしながら、上記の特許文献1〜5に記載された光学ガラスは、いずれもガラス転移温度Tgを下げることを重要視した成分比となっており、靱性が低い(脆い)という欠点を有している。そのため、プレス成形の際や、プレス成形の後に行う心取りなどの後工程の際に受ける衝撃によってクラック(き裂)が入りやすいという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、中屈折率且つ低分散の光学定数を有し、ガラス転移温度Tgが低く、クラック(き裂)が入りにくい光学ガラス、及び、かかる光学ガラスからなる光学素子を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. ガラス成分全体に対して、
:35〜45質量%(但し、45質量%を含まない)、
:0.5〜10質量%(但し、10質量%を含まない)、
Al:0〜16質量%、
SiO:0〜2.5質量%、
BaO:0〜26質量%、
SrO:0〜20質量%、
ZnO:23〜49質量%、
CaO:6〜20質量%(但し、6質量%を含まない)、
MgO:0〜16質量%、
但し、BaO、SrO、ZnO、CaO及びMgOの合計含有量は55質量%以下、
LiO:0〜1質量%(但し、1%を含まない)、
NaO:3〜19質量%、
O:0〜20質量%、
但し、LiO、NaO及びKOの合計含有量は24質量%以下、
の各ガラス成分を含有することを特徴とする光学ガラス。
2. ガラス成分全体に対して、
TiO:0〜5質量%(但し、5質量%を含まない)、
ZrO:0〜10質量%、
Ta:0〜10質量%、
の各ガラス成分を含有することを特徴とする前記1に記載の光学ガラス。
3. PbO、As、TeO、Sb及びフッ化物成分を、いずれも含有しないことを特徴とする前記1又は2に記載の光学ガラス。
4. 屈折率ndが1.55〜1.62、アッベ数νdが55〜62の範囲の光学定数を有し、
ガラス転移温度Tgが450℃以下であり、
ビッカース圧子を押し込むことにより得られる圧痕の対角線長さL1を、当該圧痕の四隅から伸びるき裂の長さL2で除した値(L1/L2)が、0.38以上であることを特徴とする前記1〜3のうちいずれか1項に記載の光学ガラス。
ここで、L1=(A1+A2)/2
A1、A2:直交する2方向における前記圧痕の対角線長さ
L2=(B1+B2)/2
B1:A1方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
B2:A2方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
5. 前記1〜4のうちいずれか1項に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
6. 成形金型でプレス成形することにより製造したことを特徴とする前記5に記載の光学素子。
本発明の光学ガラスは、所定のガラス成分を所定量含有しているため、中屈折率且つ低分散の光学定数を有し、ガラス転移温度Tgが低く、クラック(き裂)が入りにくいという特性を有している。従って、プレス成形法によって生産性良く低コストで光学素子を製造することができる。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、P系のガラスにおいて、ZnOを多く含有させることにより、所定の光学定数を維持し、かつ、靱性を大きく低下させることなく、ガラス転移温度Tgを下げることができるという知見を得た。更に検討を重ねた結果、LiOの含有量を1質量%未満に抑制した上で、R’O成分(R’=Li、Na、K)を合計量を限定することで、靱性を大きく向上できることを突き止めた。その上で、Bを所定量含有させることにより、ガラス転移温度Tgが低く、靱性が高くてクラック(き裂)が入りにくいガラスが得られることを見いだし、本発明をなすに至った。加えて、耐候性を向上させるため、CaOを6質量%よりも多く含有させた。また、製造時の作業環境に配慮し、PbO、As、TeO、Sb及びフッ化物成分は、いずれも含有しないことが望ましい。
すなわち、本発明の光学ガラスは、上記のように各成分を所定の割合で含有しているため、中屈折率且つ低分散の光学定数を有し、ガラス転移温度Tgが低く、クラック(き裂)が入りにくい(靱性が高い)という特性を有している。屈折率ndが1.55〜1.62の範囲、アッベ数νdが58〜62の範囲の光学定数を有し、ガラス転移温度Tgが450℃以下であることが好ましい。また、クラック(き裂)の入りにくさ(靱性の高さ)を表す指標として、下記に示す(L1/L2)を用いたとき、(L1/L2)が0.38以上であることが好ましい。
(L1/L2)
本明細書では、ビッカース圧子を押し込むことにより得られる圧痕の対角線長さL1を、当該圧痕の四隅から伸びるき裂の長さL2で除した値(L1/L2)を、クラック(き裂)の入りにくさ(靱性の高さ)を表す指標として用いている。ここで、L1及びL2は、それぞれ下記の式によって求める。
L1=(A1+A2)/2
A1、A2:直交する2方向における前記圧痕の対角線長さ
L2=(B1+B2)/2
B1:A1方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
B2:A2方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
図1は、ガラスの表面にビッカース圧子を押し込むことにより得られる圧痕(ビッカース圧痕10)の模式図である。ビッカース圧痕10の四隅から、それぞれ、き裂11a〜11dが伸びている。図1に示すように、直交する2方向におけるビッカース圧痕10の対角線長さ(A1、A2)、A1方向に伸びた2本のき裂(11a、11b)の両端の長さ(B1)、A2方向に伸びた2本のき裂(11c、11d)の両端の長さ(B2)をそれぞれ測定し、上記の式によってL1とL2を求める。上記の式から分かるように、(L1/L2)は、0〜1までの値をとり、クラック(き裂)が入りにくいほど大きくなって1に近づく。
(ガラス成分)
次に、本発明の光学ガラスの各成分の含有量を上記のように限定した理由について、詳細に説明する。なお、特に断らない限り、各成分の含有量は、ガラス成分全体に対する含有量を表す。
はガラス骨格を構成する成分(ガラスフォーマー)であり、含有量が35質量%未満であるとガラスが不安定となり失透傾向が強く見られる。他方、Pの含有量が45質量%以上になると所望の光学定数が得られず、また、耐候性が著しく悪化する。そのため、Pの含有量は35〜45質量%(但し、45質量%を含まない)の範囲とする必要がある。その中でも、40〜44.5質量%の範囲がより好ましい。
は、ガラスを安定化する効果と、靱性(L1/L2)を高めてクラック(き裂)が入りにくくする効果とを有しており、0.5質量%以上含有させる必要がある。また、線膨張係数を小さくする効果も有している。他方、Bの含有量が10質量%以上になるとガラス転移温度Tgが上昇し、耐失透性が低下する。そのため、Bの含有量は0.5〜10質量%(但し、10質量%を含まない)の範囲とする必要がある。その中でも、1〜5質量%の範囲がより好ましい。
Alは、線膨張係数を小さくする効果と共に、ガラスの耐候性を向上させる効果を有している。しかし、Alの含有量が16質量%を超えると、ガラス転移温度Tgが高くなると共に、ガラスが不安定になり耐失透性が低下する。そのため、Alの含有量は0〜16質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。その中でも、1〜6質量%の範囲がより好ましい。
SiOは、屈折率ndを下げる効果と、耐候性を向上させる効果とを有している。しかし、SiOの含有量が2.5質量%を超えると、ガラス中に未溶物が残りやすくなる。そのため、SiOの含有量は0〜2.5質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。
BaOは、屈折率ndを高める効果と、ガラスの安定性を向上させる効果とを有している。しかし、BaOの含有量が26質量%を超えると、線膨張係数が大きくなりすぎる。そのため、BaOの含有量は0〜26質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。その中でも、1〜15質量%の範囲がより好ましい。
SrOは、ガラスの安定性を向上させる効果を有している。しかし、SrOの含有量が20質量%を超えると、ガラスが不安定となって失透傾向が大きくなる。そのため、SrOの含有量は0〜20質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。その中でも、0〜10質量%の範囲(0を含む)がより好ましい。
ZnOは、靱性(L1/L2)を大きく低下させることなく、ガラス転移温度Tgを低下させる効果を有している。また、線膨張係数を増大させることもない。ZnOの含有量が23質量%未満であると、ガラス転移温度Tgを低下させる効果が十分に得られない。他方、ZnOの含有量が49質量%を超えると、ガラスの安定性が低下し失透傾向が大きくなる。そのため、ZnOの含有量は23〜49質量%の範囲とする必要がある。その中でも、23.5〜38質量%の範囲がより好ましい。
CaOは、線膨張係数を小さくし、ガラスの化学的耐久性や耐候性を向上させる効果を有している。CaOの含有量が6質量%以下では、これらの効果が十分に得られない。他方、CaOの含有量が20質量%を超えると、ガラス転移温度Tgが上昇し、ガラスが不安定となって失透傾向が大きくなり、更に、靱性(L1/L2)も低下する。そのため、CaOの含有量は6〜20質量%(但し、6質量%を含まない)の範囲とする必要がある。その中でも、6.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
MgOは、線膨張係数を小さくし、ガラスの耐候性を向上させる効果を有している。しかし、MgOの含有量が16質量%を超えると、ガラスが不安定となって失透傾向が大きくなり、更に、靱性(L1/L2)も低下する。そのため、MgOの含有量は0〜16質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。その中でも、0〜7質量%の範囲(0を含む)がより好ましい。
ここで、上記RO成分(BaO、SrO、ZnO、CaO及びMgO)の合計含有量が55質量%を超えると、ガラスが不安定となって失透傾向が大きくなる。そのため、上記RO成分の合計含有量は55質量%以下とする必要がある。その中でも、48質量%以下がより好ましい。
LiOは、ガラス転移温度Tgを低下させる効果が非常に高い。しかし、LiOの含有量が1質量%以上になると、靱性(L1/L2)が著しく低下する。また、線膨張係数が大きくなり、ガラスの耐候性も大きく低下する。そのため、LiOの含有量は0〜1質量%の範囲(0を含む。但し、1質量%を含まない。)とする必要がある。その中でも、0.2〜0.6質量%の範囲がより好ましい。
NaOは、ガラス転移温度Tgを低下させる効果を有しており、3質量%以上含有させる必要がある。他方、NaOの含有量が19質量%を超えると、靱性(L1/L2)が低下すると共に、化学的耐久性が低下する。そのため、NaOの含有量は3〜19質量%の範囲とする必要がある。その中でも、3.5〜10質量%の範囲がより好ましい。
Oは、NaOと同様に、ガラス転移温度Tgを低下させる効果を有している。しかし、KOの含有量が20質量%を超えると、靱性(L1/L2)が低下すると共に、耐失透性が低下する。そのため、KOの含有量は0〜20質量%の範囲(0を含む)とする必要がある。その中でも、1〜10質量%の範囲がより好ましい。
ここで、上記R’O成分(LiO、NaO及びKO)の合計含有量が24質量%を超えると、靱性(L1/L2)が低下すると共に、耐候性が悪化する。そのため、上記R’O成分の合計含有量は24質量%以下とする必要がある。その中でも、12質量%以下がより好ましい。
TiOは、屈折率ndを上昇させ、ガラスを安定化させる効果を有している。しかし、TiOの含有量が5質量%以上になると、アッベ数νdが小さくなり所望の光学定数を得るのが難しくなる場合があり、また、ガラスが着色するおそれもある。そのため、TiOの含有量は0〜5質量%の範囲(0を含む。但し、5質量%を含まない)が好ましい。
ZrOは、光学定数を調整する効果と、耐候性を向上させる効果とを有している。しかし、ZrOの含有量が10質量%を超えると、所望のアッベ数νdを維持することが困難となる場合がある。そのため、ZrOの含有量は0〜10質量%の範囲(0を含む)が好ましい。
Taは、光学定数を調整する効果と、化学的耐久性を向上させる効果とを有している。しかし、Taの含有量が10質量%を超えると、ガラスが不安定となり失透傾向が増大する場合がある。そのため、Taの含有量は0〜10質量%の範囲(0を含む)が好ましい。
本発明の光学ガラスにおいては、一般的に光学ガラスに使用されることのある成分のうち、上記以外の成分(例えば、La、MnO、Nb、Bi、WOなど)は含有しないことが好ましい。但し、本発明の光学ガラスの特性に影響を与えない程度に含有することは許容される。この場合、P、B、Al、SiO、BaO、SrO、ZnO、CaO、MgO、LiO、NaO、KO、TiO、ZrO、及びTaの合計含有量は98質量%以上であることが好ましい。より好ましくは99質量%以上であり、さらに好ましくは99.9質量%以上である。
PbO、As、TeO、及びフッ化物については、製造時の作業環境に配慮し、作業者の安全性を確保するという観点から、何れの成分も含有しないことが好ましい。
(光学素子)
本発明の光学素子は上述のガラス成分を有する光学ガラスからなり、例えば、光ディスク用のピックアップレンズ、デジタルカメラや携帯電話に搭載される撮像用レンズ、レーザービームプリンタのコリメータレンズなどの他、各種ミラーやプリズムなどとして用いることができる。
上述のように本発明の光学ガラスは、ガラス転移温度Tgが低く、クラック(き裂)が入りにくい(L1/L2が大きい)というプレス成形法に適した特性を有しているため、プレス成形法によって生産性良く低コストで光学素子を製造することができる。プレス成形の方法に特に制限はなく、公知の方法によって製造すればよい。プレス成形の方法は、再加熱方式でもダイレクトプレス方式でもよいが、ダイレクトプレス方式によれば、より高い生産性で光学素子を製造することができる。
ダイレクトプレス方式では、成形金型は、光学素子に良好な光学面を転写できるように所定温度に加熱しておく必要がある。製造する光学素子の形状や大きさ等種々の条件によって異なるが、光学ガラスのガラス転移温度Tg近傍の温度に設定するのが一般的である。そのため、通常は、光学ガラスのガラス転移温度Tgが高いほど、成形金型の加熱温度を高くする必要があるため、成形金型の劣化が激しくなる。成形金型の劣化を抑える観点からは、光学ガラスのガラス転移温度Tgはできるだけ低いことが好ましい。本発明の光学ガラスは、ガラス転移温度Tgが非常に低いため、成形金型の劣化を効果的に抑制することができ、高い生産性で光学素子を製造することができるというメリットがある。
また、ダイレクトプレス方式では、下型の上に滴下された溶融ガラス滴は、上下一対の成形金型でプレス成形される。成形金型による加圧の間、溶融ガラス滴は主に成形金型との接触面からの放熱によって急速に冷却・固化して光学素子となる。本発明の光学ガラスは、高い靱性(L1/L2)を有しているため、プレス成形の際の加圧による衝撃や、急激な温度変化を受けてもクラック(き裂)が入りにくいというメリットがある。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
下記の手順に従って、本発明の組成範囲内の光学ガラス30種類(実施例1〜30)、及び、本発明の組成範囲外の光学ガラス5種類(比較例1〜5)を作製した。実施例1〜30のガラス組成を表1〜表3に、比較例1〜5のガラス組成を表4にそれぞれ示す。なお、比較例1は上述の特許文献1の実施例11、比較例2は特許文献2の実施例9、比較例3は特許文献3の実施例4、比較例4は特許文献4の実施例4、比較例5は特許文献5の実施例3をそれぞれ追試したものである。
Figure 0005298695
Figure 0005298695
Figure 0005298695
Figure 0005298695
先ず、酸化物原料、炭酸塩原料、硝酸塩原料、リン酸塩原料など、一般的なガラス原料を用いて、表1〜表4に示す目標組成となるようにガラスの原料を調合し、粉末状態で十分に混合して調合原料とした。これを、900℃〜1300℃に加熱された溶融炉に投入し、溶融・清澄の後、撹拌均質化して予め加熱された鉄製の鋳型に鋳込み、徐冷して各サンプルを製造した。
次に、製造した各サンプルについて、屈折率nd、アッベ数νd、ガラス転移温度Tg及び靱性(L1/L2)を測定した。測定結果を表1〜表4に併せて示す。
ここで、屈折率nd、アッベ数νd、ガラス転移温度Tgの測定は、日本光学硝子工業会規格(JOGIS)に規定された試験方法に準じて行った。屈折率ndとアッベ数νdは、上述のように鋳型に鋳込んだガラスを室温(25℃)まで−2.3℃/時間の冷却速度で徐冷したサンプルを、カルニュー光学工業社製の測定装置「KPR−200」を用いて測定した。ガラス転移温度Tgは、セイコーインスツルメンツ社製の熱機械的分析装置「TMA/SS6000」を用いて、毎分10℃の昇温条件で測定した。また、靱性(L1/L2)は、アカシ社製のマイクロビッカース硬度計「HM−112」を用いて、押し込み時間15秒、押し込み荷重100gの条件でビッカース圧痕を形成した後、圧痕の対角線長さと、圧痕の四隅から伸びたき裂の長さとを光学顕微鏡を用いて測定して求めた。
表1〜表3に示した実施例1〜30の光学ガラスは、いずれも屈折率ndが1.55〜1.62、アッベ数νdが55〜62の範囲の光学定数を有していた。また、いずれも、ガラス転移温度Tgが450℃以下、(L1/L2)が0.38以上という良好な特性を有していることが確認された。
これに対し、表4に示した比較例1〜5の光学ガラスは、いずれも、(L1/L2)が0.34以下であり、十分な靱性を有していないものであった。
ビッカース圧痕の模式図である。
符号の説明
10 ビッカース圧痕
11a、11b、11c、11d き裂

Claims (6)

  1. ガラス成分全体に対して、
    :35〜45質量%(但し、45質量%を含まない)、
    :0.5〜10質量%(但し、10質量%を含まない)、
    Al:0〜16質量%、
    SiO:0〜2.5質量%、
    BaO:0〜26質量%、
    SrO:0〜20質量%、
    ZnO:23〜49質量%、
    CaO:6〜20質量%(但し、6質量%を含まない)、
    MgO:0〜16質量%、
    但し、BaO、SrO、ZnO、CaO及びMgOの合計含有量は55質量%以下、
    LiO:0〜1質量%(但し、1%を含まない)、
    NaO:3〜19質量%、
    O:0〜20質量%、
    但し、LiO、NaO及びKOの合計含有量は24質量%以下、
    の各ガラス成分を含有することを特徴とする光学ガラス。
  2. ガラス成分全体に対して、
    TiO:0〜5質量%(但し、5質量%を含まない)、
    ZrO:0〜10質量%、
    Ta:0〜10質量%、
    の各ガラス成分を含有することを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. PbO、As、TeO、Sb及びフッ化物成分を、いずれも含有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学ガラス。
  4. 屈折率ndが1.55〜1.62、アッベ数νdが55〜62の範囲の光学定数を有し、
    ガラス転移温度Tgが450℃以下であり、
    ビッカース圧子を押し込むことにより得られる圧痕の対角線長さL1を、当該圧痕の四隅から伸びるき裂の長さL2で除した値(L1/L2)が、0.38以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の光学ガラス。
    ここで、L1=(A1+A2)/2
    A1、A2:直交する2方向における前記圧痕の対角線長さ
    L2=(B1+B2)/2
    B1:A1方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
    B2:A2方向に伸びた2本の前記き裂の両端の長さ
  5. 請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
  6. 成形金型でプレス成形することにより製造したことを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
JP2008202883A 2008-08-06 2008-08-06 光学ガラス及び光学素子 Active JP5298695B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202883A JP5298695B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 光学ガラス及び光学素子
US12/462,117 US8008219B2 (en) 2008-08-06 2009-07-28 Optical glass and optical element
CN200910161181.5A CN101643314B (zh) 2008-08-06 2009-07-31 光学玻璃及光学元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008202883A JP5298695B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 光学ガラス及び光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010037154A JP2010037154A (ja) 2010-02-18
JP5298695B2 true JP5298695B2 (ja) 2013-09-25

Family

ID=41653484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008202883A Active JP5298695B2 (ja) 2008-08-06 2008-08-06 光学ガラス及び光学素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8008219B2 (ja)
JP (1) JP5298695B2 (ja)
CN (1) CN101643314B (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5672665B2 (ja) * 2009-05-22 2015-02-18 コニカミノルタ株式会社 光学ガラス
CN102745893A (zh) * 2012-06-20 2012-10-24 武汉理工大学 一种复合荧光粉发光玻璃及其制备方法
CN103241940A (zh) * 2013-05-23 2013-08-14 南通向阳光学元件有限公司 光学玻璃组合物
CN110040954B (zh) * 2014-01-23 2021-07-27 成都光明光电股份有限公司 光学玻璃及光学元件
WO2018105279A1 (ja) * 2016-12-07 2018-06-14 株式会社 オハラ 光学ガラス、プリフォーム及び光学素子
CN109734310B (zh) * 2019-03-04 2021-12-03 南通市国光光学玻璃有限公司 一种可见光深截止的高透光学玻璃
CN211857087U (zh) * 2020-02-24 2020-11-03 宁波激智科技股份有限公司 一种减干涉准直膜
CN114644454B (zh) * 2020-12-18 2023-07-18 成都光明光电股份有限公司 光学玻璃、光学元件及光学仪器

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4940677A (en) * 1988-10-17 1990-07-10 Corning Incorporated Zinc-containing phosphate glasses
JP2616980B2 (ja) * 1988-11-01 1997-06-04 株式会社住田光学ガラス 精密プレス成形用光学ガラス
US5256604A (en) * 1992-04-24 1993-10-26 Corning Incorporated Low melting, durable phosphate glasses
US5668066A (en) * 1995-07-24 1997-09-16 Hoya Corporation Near infrared absorption filter glass
JPH09100136A (ja) * 1995-07-24 1997-04-15 Hoya Corp 近赤外吸収フィルターガラス
JP3157458B2 (ja) * 1996-04-10 2001-04-16 株式会社オハラ モールドプレス用光学ガラス
JP2002211949A (ja) * 2001-01-12 2002-07-31 Minolta Co Ltd プレス成形用光学ガラス、プレス成形用プリフォーム材およびこれを用いた光学素子
DE10239572B3 (de) * 2002-08-23 2004-01-08 Schott Glas Blei- und vorzugsweise arsen-freie optische Schwerkrongläser sowie deren Verwendung
JP3982629B2 (ja) * 2002-12-27 2007-09-26 Hoya株式会社 光学ガラス、プレス成形用プリフォームおよび光学素子
JP2004262703A (ja) * 2003-02-28 2004-09-24 Minolta Co Ltd 光学ガラス及び光学素子
JP2005053749A (ja) * 2003-08-05 2005-03-03 Minolta Co Ltd 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP4744795B2 (ja) * 2003-09-04 2011-08-10 Hoya株式会社 精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法並びに光学素子およびその製造方法
US20050188724A1 (en) * 2004-03-01 2005-09-01 Hoya Corporation Process for the production of precision press-molding preform and process for the production of optical element
JP5616566B2 (ja) * 2005-11-24 2014-10-29 株式会社オハラ 光学ガラス

Also Published As

Publication number Publication date
US8008219B2 (en) 2011-08-30
CN101643314B (zh) 2013-08-21
JP2010037154A (ja) 2010-02-18
US20100035743A1 (en) 2010-02-11
CN101643314A (zh) 2010-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5298695B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4759986B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP5454585B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4810901B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP5358888B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP5056332B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP5109488B2 (ja) 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP2005047732A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2006111482A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2007145615A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2007008761A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4997990B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2004231501A (ja) 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP2008179500A (ja) 光学ガラス及び光学素子
EP1275622B1 (en) An optical glass for molding
JP4655502B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2002211949A (ja) プレス成形用光学ガラス、プレス成形用プリフォーム材およびこれを用いた光学素子
WO2011093375A1 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP3896733B2 (ja) プレス成形レンズ用光学ガラス
JP4442168B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2009280429A (ja) 光学ガラス
WO2012086539A1 (ja) 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP4792718B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2005053743A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP6540693B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110621

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110822

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130228

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130418

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5298695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150