JP5056332B2 - 光学ガラス及び光学素子 - Google Patents

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Description

本発明は光学ガラス及び該光学ガラスからなる光学素子に関し、特に、高屈折率且つ高分散の光学恒数を有し、プレス成形に適した光学ガラス及び該光学ガラスをプレス成形して製造した光学素子に関する。
CD、DVD、BD、HD−DVDなどの光ピックアップレンズ、携帯電話に搭載される撮像用レンズなど、種々の光学ガラスからなる光学素子が広く用いられている。近年では、光ディスク記録再生装置やカメラ付き携帯電話の急速な普及に伴って、このような光学ガラスからなる光学素子の需要が急速に拡大しており、かかる光学素子の生産性の向上と低コスト化が要求されている。そのため、このような光学素子の製造方法として、従来の研磨による方法に比べて製造工程が少なく、その結果短時間且つ安価に光学素子を製造することができるプレス成形法が広く用いられるようになってきた。
プレス成形法は、再加熱方式とダイレクトプレス方式とに大別できる。再加熱方式は最終製品に近似した形状を有するゴブプリフォームあるいは研磨プリフォームを作製した後、該プリフォームを成形金型とともにガラスの屈伏温度At以上に再度加熱してプレス成形することにより最終製品形状とする方式である。
一方、ダイレクトプレス方式は、ガラスのガラス転移温度Tg近傍の温度に加熱した成形金型の上に、ガラス溶融槽から滴下ノズルを介して溶融ガラス滴を滴下し、滴下した溶融ガラス滴が冷却されて固化するまでの間にプレス成形することにより最終製品形状とする方式である。この方法は成形金型等の加熱と冷却を繰り返す必要がなく、溶融ガラス滴から直接最終製品である光学素子を製造することができるので、1回の成形に要する時間を非常に短く、上述の再加熱方式と比べても更に高い生産性が期待できることから注目されている。
このように、プレス成形法においては、成形金型をガラスの屈伏温度At以上(再加熱方式)あるいはガラス転移温度Tg近傍(ダイレクトプレス方式)の温度に加熱する必要がある。そのため、ガラスの屈伏温度Atやガラス転移温度Tgが高いほど、成形金型の劣化が進行しやすく、成形金型の寿命が短くなるため生産コストの上昇を招くことになる。従って、プレス成形法に用いる光学ガラスとしては、屈伏温度Atやガラス転移温度Tgができるだけ低いものが望ましい。特に、ダイレクトプレス方式の場合には、ガラス転移温度Tgの低い(例えば、540℃以下)光学ガラスを用いることで、大気中での成形が可能となり、製造設備を簡素化することができるため、生産コストを低く抑えることができる。
また、製造時の作業環境に配慮し、作業者の安全性を確保するという観点から、PbO、As23、TeO2、フッ化物は含有しないことが望ましい。
高屈折率、高分散で、且つ、ガラス転移温度Tgの低い光学ガラスが、従来、いくつか提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2005−306733号公報 特開2006−131480号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載された光学ガラスを用いて、ダイレクトプレス方式により光学素子を製造する場合、繰り返しプレスを行っていくと製造された光学素子の光学面に曇りが発生するという問題があった。
この曇りは、成形金型が溶融ガラス滴と直接接触する際に、微量のガラス成分が成形金型に付着し、次に製造する光学素子の表面にこのガラス成分が再付着することによって発生するのではないかと考えられる。その後、更にプレスを繰り返すと、付着物によって成形金型の表面の粗さが増大し、それが光学素子に転写するため、光学素子の表面粗さが大きくなるという問題も発生した。
また、これらの光学ガラスを再加熱方式に用いた場合においても、繰り返しプレスを行うことで、光学素子の光学面に同様の曇りが発生するという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高屈折率且つ高分散の光学恒数を有し、繰り返しプレスを行っても光学素子に曇りが発生しにくく、プレス成形法による光学素子の製造に適した光学ガラスを提供することである。また、本発明の別の目的は、かかる光学ガラスからなり、プレス成形法によって生産性良く低コストで製造することができる光学素子を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. P25 15〜40質量%、Li23.3〜10質量%、Na2O 0〜20質量%、K2O 0〜20質量%、但し、Li2O、Na2O及びK2Oの合計含有量が20質量%、TiO2 2質量%を超えて15質量%以下、CaO 0〜15質量%、BaO 0〜32質量%、SrO 0〜20質量%、ZnO 0〜15質量%、Bi23 0〜3質量%未満、Nb25 0〜31.5質量%、WO3 15.6〜20質量%未満、Sb23 0〜1質量%、を含有し、B23を含有せず、屈折率ndが1.7〜2.0、アッベ数νdが16〜32の範囲の光学恒数を有し、ガラス転移温度Tgが540℃以下であることを特徴とする光学ガラス。
2. PbO、As23、TeO2及びフッ化物のいずれの成分も含有しないことを特徴とする前記1に記載の光学ガラス。
. 前記1又は2に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
. 成形金型に滴下した溶融ガラス滴をプレス成形して製造したことを特徴とする前記に記載の光学素子。
本発明の光学ガラスは、所定の成分を含有しているため、高屈折率且つ高分散の光学恒数を有し、ガラス転移温度Tgが低く、繰り返しプレスを行っても光学素子に曇りが発生しにくいという特性を有している。従って、プレス成形法によって生産性良く低コストで光学素子を製造することができ、中でも、ダイレクトプレス方式によって特に高い生産性と低いコストで光学素子を製造することができる。
本発明者は、前記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、B23を含有しない光学ガラスを用いることで曇りの発生を抑制できるという知見を得た。これは、B23を含有しないために、溶融ガラス滴が成形金型と接触する際に、ガラス成分が成形金型に付着しにくくなるためであると考えられる。このような知見に基づいて更に検討を重ねた結果、P25−TiO2−アルカリ金属酸化物系のガラス組成において、各成分を所定の割合とすることにより、曇りの発生を抑制すると共に、高屈折率且つ高分散の光学恒数を有し、プレス成形法による光学素子の製造に適した特性を有する光学ガラスが得られることを見いだした。
すなわち、本発明の光学ガラスは、上記のように各成分を所定の割合で含有しているため、屈折率ndが1.7〜2.0、アッベ数νdが16〜32の範囲の光学恒数を有し、ガラス転移温度Tgが540℃以下であり、繰り返しプレスを行っても光学素子に曇りが発生しにくいという特性を有している。また、PbO、As23、TeO2及びフッ化物のいずれの成分も含有しないため、製造時の安全性にも問題がない。従って、本発明の光学ガラスを用いることで、プレス成形法によって生産性良く低コストで光学素子を製造することができる。
(ガラス成分)
次に、本発明の光学ガラスに含まれる各成分の含有量を前記のように限定した理由について詳細に説明する。
ガラス成分としてB23を含有すると、ガラスが成形金型に非常に付着しやすくなり、繰り返しプレスを行うことで光学素子に曇りが発生する。そのため、本発明の光学ガラスでは、B23を含有しないこととした。但し、他成分の原料に不純物として含有される程度の微量の含有は許容される。この場合、B23の含有量は、1000ppm(質量比)未満が好ましく、700ppm(質量比)未満がより好ましい。
25はガラス形成酸化物であるが、含有量が40質量%を超えると屈折率ndが低くなる。また、15質量%未満ではガラスが失透しやすくなる。このため、P25の含有量は15〜40質量%の範囲とする必要がある。その中でも20〜36質量%の範囲がより好ましい。
2O(アルカリ金属酸化物)成分であるLi2O、Na2O、K2Oは、いずれもガラス転移温度Tgを低下させると共に、ガラスを失透しにくくし、比較的低温でガラス化させる効果がある。しかし、R2O成分の合計含有量が3質量%未満ではそれらの効果が十分ではなく、30質量%を超えると逆にガラスが失透しやすくなる。このため、R2O成分(Li2O、Na2O及びK2O)の合計含有量は3〜30質量%の範囲とする必要がある。その中でも5〜20質量%の範囲がより好ましい。
また、Li2Oは含有量が10質量%を超えるとガラスの耐久性が悪化する。このため、Li2Oの含有量は0〜10質量%の範囲(但し、0を含む)とする。Na2OとK2Oは、それぞれの含有量が20質量%を超えると屈折率ndが低下する。このため、Na2OとK2Oの含有量は、それぞれ0〜20質量%の範囲(但し、0を含む)とする。ただし、請求項1に記載の発明では、Li 2 Oの含有量を3.3〜10質量%とする。
TiO2は、目的とする高屈折率、高分散の光学恒数を得るために不可欠な成分であり、ガラスの失透を防ぎ安定化させる効果もある。しかし、TiO2の含有量が2質量%以下ではそれらの効果が十分ではなく、逆に15質量%を超えるとガラスが着色しやすくなり、ガラス転移温度Tgも上昇してしまう。このため、TiO2の含有量は2質量%を超えて15質量%以下とする必要がある。
CaOは、屈折率ndを高め、且つ、ガラス転移温度Tgを低下させる効果がある。しかし、CaOの含有量が15質量%を超えるとガラスが不安定になる。そのため、CaOの含有量は0〜15質量%の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。その中でも、0〜10質量%の範囲(但し、0を含む)がより好ましい。
BaOは、屈折率ndを高め、ガラスを安定にする効果がある。しかし、BaOの含有量が32質量%を超えると高分散の特性を維持するのが困難になる。そのため、BaOの含有量は0〜32質量%の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。
SrOは、BaOと同様に、屈折率ndを高め、ガラスを安定にする効果がある。しかし、SrOの含有量が20質量%を超えるとガラスが失透しやすくなる。そのため、SrOの含有量は0〜20質量%の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。
ZnOは、屈折率ndを高め、且つ、ガラス転移温度Tgを低下させる効果がある。しかし、ZnOの含有量が15質量%を超えるとガラスが失透しやすくなる。そのため、ZnOの含有量は0〜15質量%の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。
Bi23は、屈折率ndを高め、且つ、高分散の特性を得ることができ、また、ガラス転移温度Tgを低下させ、ガラスを失透しにくくする効果がある。しかし、Bi23の含有量が3質量%以上になると、ガラスが成形金型に付着しやすくなる。そのため、Bi23の含有量は0〜3質量%未満の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。
Nb25は、ガラスの屈折率ndを高め、且つ、高分散の特性を得ることができ、ガラスの耐久性を高める効果がある。しかし、Nb25の含有量が50質量%を超えるとガラスが失透しやすくなり、また、ガラス転移温度Tgが高くなる。そのため、Nb25の含有量は0〜50質量%の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。その中でも、0〜40質量%の範囲(但し、0を含む)がより好ましい。ただし、請求項1に記載の発明では、Nb 2 5 の含有量を0〜31.5質量%とする。
WO3は、ガラスの屈折率ndを高め、且つ、高分散の特性を得ることができる。また、ガラス転移温度Tgを低下させる効果もある。しかし、WO3の含有量が20質量%以上になると、ガラスが成形金型に付着しやすくなる。そのため、WO3の含有量は0〜20質量%未満の範囲(但し、0を含む)とする必要がある。その中でも、0〜18質量%の範囲(但し、0を含む)がより好ましい。ただし、請求項1に記載の発明では、WO 3 の含有量を15.6〜20質量%未満とする。
Sb23は、脱泡や着色防止の目的で使用することができる。本発明の光学ガラスにおけるSb23の含有量は0〜1質量%(但し、0を含む)である。
また、本発明の光学ガラスにおいては、一般的に光学ガラスに使用されることのある成分のうち、上記各成分以外の成分(例えば、SiO2、MgO、Y23、Al23、Ta25など)は含有しないことが好ましい。但し、本発明の光学ガラスの特性に影響を与えない程度に含有することは許容される。この場合、P25、Li2O、Na2O、K2O、TiO2、CaO、BaO、SrO、ZnO、Bi23、Nb25、WO3及びSb23の合計含有量が95質量%以上であることが好ましく、98質量%以上であることがより好ましい。
更に、PbO、As23、TeO2及びフッ化物については、製造時の作業環境に配慮し、作業者の安全性を確保するという観点から、何れの成分も含有しないことが好ましい。
(プレス成形)
本発明の光学素子は上記光学ガラスをプレス成形することによって作製され、CDやDVDなどの光ピックアップレンズ、デジタルカメラや携帯電話に搭載される撮像用レンズ、レーザービームプリンタなどのコリメータレンズの他、各種ミラーやプリズムなどとして用いることができる。上述のように本発明の光学ガラスはプレス成形法に適した特性を有しているため、プレス成形法によって生産性良く低コストで光学素子を製造することができる。
プレス成形法は、再加熱方式でもダイレクトプレス方式でもよいが、ダイレクトプレス方式によって特に高い生産性で光学素子を製造することができる。以下、ダイレクトプレス方式を例に挙げて本発明の光学ガラスからなる光学素子の製造方法について説明する。
ダイレクトプレス方式は、予め所定温度に加熱した成形金型の上に、ガラス溶融槽から滴下ノズルを介して溶融ガラス滴を滴下し、滴下した溶融ガラス滴が冷却されて固化するまでの間にプレス成形することにより最終製品形状とする方式である。
成形金型は、光学素子に良好な光学面を転写できるよう予め所定温度に加熱しておく。製造する光学素子の形状や大きさ等種々の条件によって異なるが、光学ガラスのガラス転移温度Tg近傍の温度(例えば、Tg−50℃からTg+50℃)に設定するのが一般的である。そのため、通常は、光学ガラスのガラス転移温度Tgが高いほど、成形金型の加熱温度を高くする必要があり、成形金型の劣化が激しくなる。成形金型の劣化を抑える観点からは、光学ガラスのガラス転移温度Tgはできるだけ低いことが好ましい。本発明の光学ガラスは、ガラス転移温度Tgが540℃以下と非常に低いため、成形金型の劣化を効果的に抑制することができ、高い生産性で光学素子を製造することができる。
成形金型の材質は、耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含む複合材料など、ガラス製の光学素子を加圧成形するための成形金型として公知の材質の中から適宜選択して用いることができる。また、これらの表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの保護膜を形成したものを用いることもできる。
溶融ガラス滴は、滴下ノズルの先端に溜まった溶融ガラスが所定の質量となった時点で滴下ノズルから自然に分離、滴下する。通常は、0.1gから2g程度の溶融ガラス滴の滴下が可能である。
また、溶融ガラス滴を滴下ノズルから成形金型に直接滴下するのではなく、滴下ノズルから滴下させた溶融ガラス滴を貫通細孔を設けた部材に衝突させ、衝突した溶融ガラス滴の一部を微小滴として貫通細孔を通過させて成形金型に滴下させてもよい。それにより、例えば0.001g〜0.5gといった微小な光学素子の製造が可能となる。また、貫通細孔の直径を変更することによって、滴下ノズルを交換することなく溶融ガラス滴の質量を調整することができ、多種の光学素子を効率よく製造することができるため好ましい。この方法は、特開2002−154834号公報に詳細に記載されている。
溶融ガラス滴が成形金型に滴下された後、上下一対の成形金型で溶融ガラス滴をプレス成形して光学素子を得る。成形金型による加圧の間、溶融ガラス滴は主に成形金型との接触面からの放熱によって急速に冷却・固化して光学素子となる。プレスの荷重及び時間は、製造する光学素子のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。通常、プレス荷重は200N〜6000Nの範囲、プレス時間は数秒〜数十秒の範囲が好適とされている。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。また、実施例2,4はNb 2 5 の含有量が請求項1に記載の範囲を外れているため、この点で実施例2,4は本発明の単なる参考例であり、本発明に属さないものである。
本発明の組成範囲内の光学ガラス7種類(実施例1〜7)、及び、本発明の組成範囲外の光学ガラス2種類(比較例1、2)を作製した。実施例1〜7のガラス組成を表1に、比較例1、2のガラス組成を表2にそれぞれ示す。なお、比較例1は前述の特許文献1に記載された実施例29、比較例2は特許文献2に記載された実施例5をそれぞれ追試したものである。
Figure 0005056332
Figure 0005056332
先ず、酸化物原料、炭酸塩原料、硝酸塩原料、リン酸塩原料など、一般的なガラス原料を用いて、表1、表2に示すガラス組成となるようにガラスの原料を調合し、粉末状態で十分に混合して調合原料とした。これを、900℃〜1300℃に加熱された溶融槽に投入し、溶融、清澄、撹拌均質化した後、予め加熱された鉄製の鋳型に鋳込み、徐冷して各サンプルを製造した。
次に、製造した各サンプルについて、屈折率nd(ヘリウムd線(波長587.56nm)に対する屈折率)、アッベ数νd、ガラス転移温度Tgを測定した。測定結果を表1、表2に併せて示す。
ここで、屈折率nd、アッベ数νd、ガラス転移温度Tgの測定は、日本光学硝子工業会規格(JOGIS)に規定された試験方法に準じて行った。屈折率ndとアッベ数νdは、上述のように鋳型に鋳込んだガラスを室温(25℃)まで−50℃/時間の冷却速度で徐冷したサンプルを、カルニュー光学工業社製の測定装置「KPR−200」を用いて測定した。また、ガラス転移温度Tgは、セイコーインスツルメンツ社製の熱機械的分析装置「TMA/SS6000」を用いて、毎分10℃の昇温条件で測定した。
更に、それぞれの光学ガラスを用いて、ダイレクトプレス方式により両平形状の光学素子を作製した。図1は、使用した成形装置10を模式的に示した図である。図1(a)は溶融ガラス滴を滴下している状態を、図1(b)はプレス時の状態を、それぞれ示している。
溶融槽11内の溶融ガラス21は、撹拌棒13によって撹拌、均一化した。溶融ガラス滴は、溶融槽11の下部に連結された滴下ノズル12の先端に溜まった溶融ガラスが所定の質量となった時点で滴下ノズル12から自然に分離、滴下する。滴下ノズル12から滴下した溶融ガラス滴22を、貫通細孔17を設けた板状部材14に衝突させ、衝突した溶融ガラス滴22の一部が貫通細孔17を通過することで得られる微小な溶融ガラス滴23を下型16の上に滴下した(図1(a))。その後、下型16の上に滴下した溶融ガラス滴23を上型15及び下型16でプレスし(図1(b))、光学素子24を製造した。
実施例1〜7、及び比較例1、2の各光学ガラスについて、それぞれ600個ずつの光学素子を作製し、300個目に製造した光学素子と、600個目に製造した光学素子の表面の曇りの有無を評価した。評価は暗室内での透過光観察により行い、曇りが観察されたものを×、曇りが観察されなかったものを○とした。評価結果を表1及び表2に併せて示す。
表1に示すように、実施例1〜7の光学ガラスは、いずれも屈折率ndが1.7〜2.0、アッベ数νdが16〜32の範囲の光学恒数を有していた。また、ガラス転移温度Tgが540℃以下であり、600個のプレスを行っても光学素子に曇りが発生せず、プレス成形法によって生産性良く光学素子を製造できることが確認された。
これに対し、表2に示すように、比較例1、2の光学ガラスはいずれも300個のプレスを行った時点で光学素子に曇りが発生した。
実施例で使用した成形装置を模式的に示した図である。
符号の説明
10 成形装置
11 溶融槽
12 滴下ノズル
13 撹拌棒
14 板状部材
15 上型
16 下型
21 溶融ガラス
22、23 溶融ガラス滴
24 光学素子

Claims (4)

  1. 25 15〜40質量%、
    Li23.3〜10質量%、
    Na2O 0〜20質量%、
    2O 0〜20質量%、
    但し、Li2O、Na2O及びK2Oの合計含有量が20質量%、
    TiO2 2質量%を超えて15質量%以下、
    CaO 0〜15質量%、
    BaO 0〜32質量%、
    SrO 0〜20質量%、
    ZnO 0〜15質量%、
    Bi23 0〜3質量%未満、
    Nb25 0〜31.5質量%、
    WO3 15.6〜20質量%未満、
    Sb23 0〜1質量%、を含有し、
    23を含有せず、屈折率ndが1.7〜2.0、アッベ数νdが16〜32の範囲の光学恒数を有し、ガラス転移温度Tgが540℃以下であることを特徴とする光学ガラス。
  2. PbO、As23、TeO2及びフッ化物のいずれの成分も含有しないことを特徴とする請求項1に記載の光学ガラス。
  3. 請求項1又は2に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
  4. 成形金型に滴下した溶融ガラス滴をプレス成形して製造したことを特徴とする請求項に記載の光学素子。
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