JP5056291B2 - 光学ガラス及び光学素子 - Google Patents

光学ガラス及び光学素子 Download PDF

Info

Publication number
JP5056291B2
JP5056291B2 JP2007237857A JP2007237857A JP5056291B2 JP 5056291 B2 JP5056291 B2 JP 5056291B2 JP 2007237857 A JP2007237857 A JP 2007237857A JP 2007237857 A JP2007237857 A JP 2007237857A JP 5056291 B2 JP5056291 B2 JP 5056291B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
glass
optical
temperature
optical element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007237857A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009067631A (ja
Inventor
学 出来
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Original Assignee
Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Advanced Layers Inc filed Critical Konica Minolta Advanced Layers Inc
Priority to JP2007237857A priority Critical patent/JP5056291B2/ja
Priority to US12/207,193 priority patent/US7947618B2/en
Priority to CN200810160888XA priority patent/CN101386468B/zh
Publication of JP2009067631A publication Critical patent/JP2009067631A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5056291B2 publication Critical patent/JP5056291B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/062Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
    • C03C3/064Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron
    • C03C3/068Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing boron containing rare earths

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)

Description

本発明は光学ガラス及び該光学ガラスからなる光学素子に関し、特に、プレス成形に適した光学ガラス及び該光学ガラスをプレス成形して製造した光学素子に関する。
CD、DVD、BD、HD−DVDなどの光ピックアップレンズ、携帯電話に搭載される撮像用レンズなど、種々の光学ガラスからなる光学素子が広く用いられている。近年では、光ディスク記録再生装置やカメラ付き携帯電話の急速な普及に伴って、このような光学ガラスからなる光学素子の需要が急速に拡大しており、かかる光学素子の生産性の向上と低コスト化が要求されている。
また、光ディスク記録再生装置においては、昨今の高度情報化に伴い、記録情報の高密度化、大容量化が加速している。大容量光ディスク内の情報を素早く読みとるには、ピックアップレンズの低重量化によってピックアップレンズの駆動速度を大きくすることが必須でありことから、比重の小さい光学ガラスの開発が求められている。
このような光学素子はプレス成形法によって製造することができる。プレス成形法の1つのタイプとして、予め所定質量及び形状を有するガラスプリフォームを作製しておき、該ガラスプリフォームを成形金型とともに再度加熱してプレス成形する方法(以下、「リヒートプレス法」ともいう)が知られている。
一方、プレス成形法の別のタイプの製造方法として、滴下ノズルを介して溶融ガラス滴を成形金型上に滴下し、滴下した溶融ガラス滴が冷却されて固化するまでの間にプレス成形する方法(以下、「滴下プレス成形法」ともいう)が知られている。この方法は成形金型等の加熱と冷却を繰り返す必要がなく、溶融ガラス滴から直接ガラス成形体を製造することができるので、1回の成形に要する時間を非常に短く、リヒートプレス法と比べても更に高い生産性が期待できることから注目されている。
プレス成形法による光学素子の製造に用いる光学ガラスであって、屈折率nd(ヘリウムd線(波長587.56nm)に対する屈折率をいう。以下同じ。)が1.56〜1.63、アッベ数νdが56〜63という光学特性を有するものとして、
SiO2−B23−R2O−R’O−La23系(但し、Rはアルカリ金属、R’はアルカリ土類金属)の光学ガラスが提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
特開平8−12368号公報 特開2003−89543号公報 特開2004−137145号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された光学ガラスは、いずれも熱膨張係数が非常大きい(100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが90×10-7/K以上)。そのため、プレス成形の際の熱収縮によって光学素子に割れ、カン等の欠陥が発生しやすいという問題があった。とくに、滴下プレス成形法による場合には、成形金型に滴下されてプレス成形される間に溶融ガラスが急激に冷却されるため、かかる欠陥の発生が特に顕著であった。
また、特許文献1、3に記載された光学ガラスは、溶融ガラス滴の滴下に適した粘度(5〜30ポアズ)となる温度が非常に高い。例えば、溶融ガラス滴の粘度を5ポアズにするためには1300℃よりも高温にする必要がある。そのため、このような高温の溶融ガラス滴と接触することによる成形金型の劣化が顕著となり、成形金型の寿命が非常に短くなるという問題があった。
更に、特許文献2に記載された光学ガラスは比重が大きい(例えば、2.98)ため、要求される光学素子の低重量化に十分に対応することができない。また、滴下ノズルから滴下する溶融ガラス滴は、滴下ノズルの先端に溜まった溶融ガラスが所定の質量となった時点で滴下ノズルから分離、滴下する。そのため、比重が大きい光学ガラスの場合には、体積の大きな溶融ガラス滴の滴下が困難という問題もあった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、屈折率ndが1.56〜1.63、アッベ数νdが56〜63という光学特性を有し、プレス成形法による光学素子の製造に適した光学ガラスを提供することである。
また、本発明の別の目的は、かかる光学ガラスからなり、プレス成形法によって生産性良く製造することができる光学素子を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1. ガラス成分として、SiO225〜29質量%、B2325〜35質量%、但し、SiO2/B23の質量比が0.8〜1.2、Al232〜7質量%、Li2Oを4〜7質量%、BaOを〜9質量%、La238〜15質量%、Nb25を0.5〜質量%、Na2Oを質量%、K2Oを質量%、CaOを2〜5質量%、SrOを質量%、ZnOを0〜2質量%、ZrO2質量%、WO3質量%、Ta25質量%、Yb23を0〜質量%、Sb23を0〜1質量%、を含有し、屈折率ndが1.5837〜1.5958、アッベ数νdが59.68〜61.32、比重が2.77〜2.88、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが72×10 -7 /K〜84×10 -7 /Kであり、液相温度TL<T (30P) 、且つ、T (5P) ≦1150℃であることを特徴とする光学ガラス。但し、屈折率ndは、ヘリウムd線(波長587.56nm)に対する屈折率、T (30P) は、前記光学ガラスの粘度が30ポアズになるときの温度、T (5P) は、前記光学ガラスの粘度が5ポアズになるときの温度。
. 前記に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
. 成形金型に滴下した溶融ガラス滴をプレス成形して製造したことを特徴とする前記に記載の光学素子。
本発明の光学ガラスは、所定の成分を含有しているため、屈折率ndが1.5837〜1.5958、アッベ数νdが59.68〜61.32、比重が2.77〜2.88、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが72×10 -7 /K〜84×10 -7 /Kであり、液相温度TL<T(30P)、且つ、T(5P)1150℃という特性を有している(但し、T(30P)は光学ガラスの粘度が30ポアズになるときの温度、T(5P)は光学ガラスの粘度が5ポアズになるときの温度である。以下同じ。)。従って、プレス成形法によって生産性良く光学素子を製造することができ、中でも、滴下プレス成形法によって特に高い生産性で光学素子を製造することができる。
(ガラス成分)
本発明の光学ガラスは、SiO2−B23−Li2O−BaO−La23系組成であり、各成分を所定の割合で含有しているため、上記のようにプレス成形に適した特性を有している。以下、本発明の光学ガラスに含まれる各成分について詳細に説明する。
SiO2は本発明の光学ガラスの主成分であり、ガラスの網目構造を形成する重要な成分であるため、ガラスの化学的耐久性にも寄与するところが大きい。SiO2の含有量が22質量%より少ないと化学的耐久性が劣化する恐れがある。逆に29質量%を超えると溶融性が悪化するだけでなく、T(5P)が1200℃よりも高くなるため滴下プレス成形に適切でない。このためSiO2の含有量は22〜29質量%の範囲としなければならない。その中でも好ましくは25〜29質量%の範囲である。
23もSiO2と同様に本発明の光学ガラスの主成分であり、ガラスの安定化に寄与する。B23の含有量が15質量%より少ないと液相温度TLが上昇してガラスの失透傾向が増加し、逆に38質量%を超えると化学的耐久性が劣化する。このためB23の含有量は15〜38質量%の範囲としなければならない。その中でも好ましい範囲は25〜35質量%の範囲である。
本発明においては、SiO2/B23の質量比を0.7〜1.5とする必要がある。質量比が0.7より小さくても或いは1.5より大きくても滴下プレス成形に適した粘性曲線が得られにくい。ここで、滴下プレス成形に適した粘性曲線とは、液相温度TL<T(30P)、且つ、T(5P)≦1200℃を満足するという意味である。また、質量比が0.7より小さいとガラスの化学的耐久性が劣化し、逆に1.5を超えるとガラスの溶融性が悪化するとともに、耐失透性が悪化し均一なガラスが得られにくい。そのため、SiO2/B23の質量比は0.7〜1.5である必要があり、その中でも0.8〜1.2の範囲が特に好ましい。
Al23は本発明の光学ガラスの必須成分であり、化学的耐久性を向上させ、ガラスの粘性を調整することができる。Al23の含有量が0.1質量%より少ないとこれらの効果がなく、逆に8質量%を超えると液相温度TLが上昇して失透傾向が大きくなり、液相温度TL<T(30P)を満足できなくなる。このためAl23の含有量は0.1〜8質量%の範囲にしなければならない。その中でも好ましくは2〜7質量%の範囲である。
Li2Oは本発明の光学ガラスの必須成分であり、ガラスを安定化し、ガラス転移温度Tgを下げると共に比重を小さくする効果をもつ。Li2Oの含有量が2質量%より少ないとこれらの効果がなく、逆に10質量%より多いと化学的耐久性の劣化や粘性の低下を及ぼす。以上からLi2Oの含有量は2〜10質量%の範囲でなければならない。より好ましくは耐失透性や化学的耐久性の観点から4〜7質量%の範囲である。
BaOは本発明の光学ガラスの必須成分であり、ガラスの安定化に大きく寄与すると共に光学恒数(屈折率nd、アッベ数νd)の調整にも用いることができる。BaOの含有量が1質量%より少ないとガラスの安定化への効果が乏しく、逆に9質量%を超えると比重が大きくなるとともに化学的耐久性が劣化する。以上からBaOの含有量は1〜9質量%の範囲としなければならない。好ましくは6〜9質量%の範囲である。
La23は本発明の光学ガラスの必須成分であり、低分散を維持しながら屈折率ndを向上させると共にガラスの化学的耐久性を向上させる効果をもつ。La23の含有量が5質量%より少ないと屈折率ndが低くなり所望の光学恒数が得られにくいとともに化学的耐久性が劣化する。逆に20質量%を超えると屈折率ndが高くなり所望の光学恒数が得られにくくなるとともに液相温度TLが上昇して失透傾向が増加し、比重も大きくなる。そのためLa23の含有量は5〜20質量%の範囲としなければならない。また、本発明においてはBaOとLa23とを同時に含有しているため、比重の観点からLa23の含有量を8〜15質量%の範囲とするのが望ましい。
Nb25は本発明の光学ガラスの必須成分であり、化学的耐久性の強化とガラスの安定化、更に屈折率ndを上昇させる効果をもつ。Nb25の含有量が0.5質量%より少ないとこれらの効果が乏しく、逆に4質量%より多いとアッベ数νdが小さくなりすぎて所望の光学恒数が得られなくなる。以上からNb25の含有量は0.5〜4質量%の範囲としなければならない。より好ましくは0.5〜2質量%の範囲である。
本発明の光学ガラスには、更に任意成分としてNa2O、K2O、CaO、SrO、ZnO、ZrO2、WO3、Ta25、Yb23、Sb23を、それぞれ所定の割合で加えることができる。以下、各成分について説明する。
Na2OとK2Oは、Li2Oと同様にガラス転移温度Tgを下げる効果があるが、それぞれ含有量が5質量%を超えると化学的耐久性が劣化する。そのため、本発明においてNa2OとK2Oの含有量はそれぞれ0〜5質量%(但し、0を含む)とする必要がある。より好ましくは、それぞれ0〜2質量%の範囲である。
CaOは屈折率ndの調整、ガラスの安定化および軽量化、また溶融性を向上させる効果を併せ持つ成分であるが、含有量が10質量%を超えると化学的耐久性が劣化する傾向が出てくる。このためCaOの含有量は0〜10質量%(但し、0を含む)とした。より好ましくは0〜8質量%の範囲である。
SrOは屈折率ndの調整のために5質量%まで含有させることができる。含有量が5質量%を超えると比重や失透傾向が大きくなる。そのため、本発明においてSrOの含有量は0〜5質量%(但し、0を含む)とする必要がある。より好ましくは0〜3質量%の範囲である。
ZnOは耐候性を向上させるとともに屈折率の調整、ガラス転移温度Tgの低下に効果があるが、2質量%を超えて含有すると液相温度TLが上昇して失透傾向が大きくなる。このためZnOの含有量は0〜2質量%(但し、0を含む)とした。
ZrO2は少量の添加で化学的耐久性の向上と屈折率ndの調整を図ることができる。しかし、5質量%を超えると失透傾向が増大するとともにアッベ数νdが小さくなり所望の光学恒数が得られにくくなる。このためZrO2の含有量は0〜5質量%(但し、0を含む)とした。より好ましくは0〜2質量%の範囲である。
WO3はガラスの安定化に寄与するとともに屈折率ndの調整に利用することができる。しかし、含有量が5質量%を超えるとアッベ数νdが小さくなり、所望の光学恒数が得られにくくなるとともに着色の原因になり、また比重も大きくなる。このためWO3の含有量は0〜5質量%(但し、0を含む)とした。より好ましくは0〜3質量%の範囲である。
Ta25はガラスの安定化と屈折率ndの調整などの目的で5質量%まで含有することができる。含有量が5質量%を超えるとアッベ数νdが小さくなり所望の光学恒数を得ることができなくなる。このためTa25の含有量は0〜5質量%(但し、0を含む)とした。より好ましくは0〜3質量%の範囲である。
Yb23は化学的耐久性の向上と屈折率ndの調整などの目的で10質量%まで含有することができる。含有量が10質量%を超えると失透傾向および比重が大きくなる。このためYb23の含有量は0〜10質量%(但し、0を含む)とした。より好ましくは0〜5質量%の範囲である。
Sb23は清澄剤として使用することができる。本発明におけるSb23の含有量は0〜1質量%(但し、0を含む)である。
本発明の光学ガラスは、上記のガラス成分を含有しているため、屈折率ndが1.56〜1.63、アッベ数νdが56〜63、比重が2.9以下、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが87×10-7/K以下であり、液相温度TL<T(30P)、且つ、T(5P)≦1200℃という特性を有している。
(プレス成形)
本発明の光学素子は上記光学ガラスをプレス成形することによって作製される。上述のように本発明の光学ガラスはプレス成形法に適した特性を有しているため、プレス成形法によって生産性良く光学素子を製造することができる。プレス成形法は、リヒートプレス法でも滴下プレス成形法でもよいが、滴下プレス成形法によって特に高い生産性で光学素子を製造することができる。以下、滴下プレス成形法を例に挙げて本発明の光学ガラスからなる光学素子の製造方法について説明する。
滴下プレス成形法は、ガラス溶融後、温度調整された滴下ノズルから予め加熱された成形金型上に溶融ガラス滴を滴下した後、上下一対の成形金型で精密プレスを行うプレス成形法である。
成形金型は、光学素子に良好な光学面を転写できるよう予め所定温度に加熱しておく。製造する光学素子の形状や大きさ等種々の条件によって異なるが、光学ガラスのガラス転移温度Tg程度の温度(例えば、Tg−50℃からTg+50℃)に設定するのが一般的である。そのため、通常は、光学ガラスのガラス転移温度Tgが高いほど、成形金型の加熱温度を高くする必要があり、成形金型の劣化が激しくなる。成形金型の劣化を抑える観点からは、光学ガラスのガラス転移温度Tgは550℃以下であることが好ましい。
成形金型の材質は、耐熱合金(ステンレス等)、炭化タングステンを主成分とする超硬材料、各種セラミックス(炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム等)、カーボンを含む複合材料など、ガラス製の光学素子を加圧成形するための成形金型として公知の材質の中から適宜選択して用いることができる。また、これらの表面に各種金属やセラミックス、カーボンなどの保護膜を形成したものを用いることもできる。
溶融ガラス滴は、滴下ノズルの先端に溜まった溶融ガラスが所定の質量となった時点で滴下ノズルから自然に分離、滴下する。通常は、0.1gから2g程度の溶融ガラス滴の滴下が可能である。本発明の光学ガラスは比重が2.9以下と非常に小さいため、大きな体積の光学素子の製造にも対応することができる。
滴下ノズルから溶融ガラス滴を滴下する際、製造する光学素子の外径や質量などに応じて、溶融ガラス滴の粘度を5〜30ポアズの範囲で適宜調整する必要がある。このときの溶融ガラス滴の温度(粘度が5〜30ポアズとなるときの温度)は、失透を防止するためにガラスの液相温度TLよりも高くなければならないが、1200℃よりも高くなると、溶融ガラス滴と直接接触する成形金型の劣化が著しくなってしまう。本発明の光学ガラスは、液相温度TL<T(30P)、且つ、T(5P)≦1200℃であるため、滴下の際の失透を防止すると共に、成形金型の劣化を効果的に抑制することができる。
また、溶融ガラス滴を滴下ノズルから成形金型に直接滴下するのではなく、滴下ノズルから滴下させた溶融ガラス滴を貫通細孔を設けた部材に衝突させ、衝突した溶融ガラス滴の一部を微小滴として貫通細孔を通過させて成形金型に滴下させてもよい。それにより、例えば1mm3〜100mm3といった微小な光学素子の製造が可能となる。また、貫通細孔の直径を変更することによって、滴下ノズルを交換することなく溶融ガラス滴の体積を調整することができ、多種の光学素子を効率よく製造することができるため好ましい。この方法は、特開2002−154834号公報に詳細に記載されている。
溶融ガラス滴が成形金型に滴下された後、上下一対の成形金型で溶融ガラス滴をプレス成形して光学素子を得る。成形金型による加圧の間、溶融ガラス滴は主に成形金型との接触面からの放熱によって急速に冷却され、固化して光学素子となる。そのため、熱膨張係数の大きい光学ガラスの場合、プレス成形の際の熱収縮によって光学素子に割れ、カン等の欠陥が発生しやすくなる。本発明の光学ガラスは、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが87×10-7/K以下であるため、このような熱収縮による欠陥の発生を効果的に抑制することができる。
プレスの圧力及び時間は、製造する光学素子のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。通常、プレス圧力は200〜1000kgf/cm2程度、プレス時間は数秒〜数十秒が好適とされている。
本発明の組成範囲内の光学ガラス4種類(実施例1〜4)、及び、本発明の組成範囲外の光学ガラス3種類(比較例1〜3)を作製し、物性値を測定した。実施例1〜4のガラス成分と物性値を表1に、比較例1〜3のガラス成分と物性値を表2にそれぞれ示す。実施例1〜4のガラス成分は、比較例1〜3のガラス成分と比べて、SiO2の含有量及びSiO2/B23の質量比が小さいのが特徴の1つであることが分かる。なお、比較例1は前述の特許文献3に記載された実施例11、比較例2は特許文献2に記載された実施例11、比較例3は特許文献1に記載された実施例8をそれぞれ追試したものである。
Figure 0005056291
Figure 0005056291
光学ガラスの作製は一般的な溶融法により行った。先ず、各成分の酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩からなる原料を所望の比率になるよう秤量・混合した。得られた粉末原料を白金坩堝に投入し、1200℃〜1400℃に加熱された溶融炉で2〜3時間程度溶融した。溶融したガラスは撹拌・均質した後、予めガラス転移温度Tg付近まで加熱しておいた金属製の鋳型に流し込んだ。鋳型内に流し込まれたガラスはガラス転移温度Tg−20℃付近に加熱した電気炉内に入れ、徐冷することによって板状のサンプルガラスを得た。
表1及び表2に記載した物性値の測定方法について説明する。屈折率nd及びアッベ数νdは、ガラス溶融後、毎時−30℃で室温まで徐冷した後に測定した。測定はカルニュー光学社製の測定装置「KPR−200」を用いて行った。ガラス転移温度Tg、屈伏温度At、及び、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αは熱膨張測定装置を使用して毎分5℃で昇温させたときの値である。測定にはセイコーインスツルメンツ社製の測定装置「TMA/SS−6000」を用いた。比重はアルキメデス法によって求めた。液相温度TLは50ml坩堝にガラスを投入し、一旦1200℃〜1400℃に加熱した溶融炉内で1時間溶融した後、所定の温度に降下し12時間保持した。その後溶融炉からガラスを取り出し鋳型に流し込んだ。徐冷して得られたガラスサンプルを鏡面研磨し光学顕微鏡でサンプル内の失透(結晶)の有無を観察した。
図1に粘性曲線のグラフを示す。各温度における粘度の測定は、高温粘度測定装置「VISCOMETER TV−20」を用いて行った。なお、実施例2と実施例3については、実施例1との違いが僅かであるため、図示を省略している。
表1及び図1より、実施例1〜4の光学ガラスは、いずれも、屈折率ndが1.56〜1.63、アッベ数νdが56〜63、比重が2.9以下、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが87×10-7/K以下であり、液相温度TL<T(30P)、且つ、T(5P)≦1200℃であることが分かる。従って、本発明の光学ガラスは、所定の光学恒数を有し、プレス成形法(特に、液滴プレス成形法)による光学素子の製造に適した光学ガラスであることが確認された。
それに対して、比較例1〜3の光学ガラスは、いずれも100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが90×10-7/K以上と大きいため、プレス成形によって割れ、カン等の欠陥が発生しやすい。従って、プレス成形法によって高い生産性で光学素子を製造することはできない。
また、比較例1及び3の光学ガラスは、実施例1〜4に比べて粘性曲線が上方(高粘度側)にシフトしているので、滴下ノズルの設定温度をより高く設定する必要がある。特に、T(5P)は1300℃よりも高くなっている。そのため、液滴プレス成形法によって光学素子を製造する場合には、成形金型に滴下する溶融ガラス滴の温度が非常に高くなって成形金型が激しく劣化する。
更に、比較例2の光学ガラスは、比重が2.98であり、実施例1〜4よりも大きい。これは、BaOがある程度含まれているのに加えてLa23が多量に含有されていることに起因している。そのため、要求される光学素子の低重量化に十分に対応することができず、体積の大きな溶融ガラス滴の滴下も困難である。
粘性曲線のグラフを示す図である。

Claims (3)

  1. ガラス成分として、
    SiO225〜29質量%、
    2325〜35質量%、
    但し、SiO2/B23の質量比が0.8〜1.2
    Al232〜7質量%、
    Li2Oを4〜7質量%、
    BaOを〜9質量%、
    La238〜15質量%、
    Nb25を0.5〜質量%、
    Na2Oを質量%、
    2Oを質量%、
    CaOを2〜5質量%、
    SrOを質量%、
    ZnOを0〜2質量%、
    ZrO2質量%、
    WO3質量%、
    Ta25質量%、
    Yb23を0〜質量%、
    Sb23を0〜1質量%、を含有し、屈折率ndが1.5837〜1.5958、アッベ数νdが59.68〜61.32、比重が2.77〜2.88、100℃〜300℃における平均熱膨張係数αが72×10 -7 /K〜84×10 -7 /Kであり、
    液相温度TL<T (30P) 、且つ、T (5P) ≦1150℃であることを特徴とする光学ガラス。
    但し、
    屈折率ndは、ヘリウムd線(波長587.56nm)に対する屈折率、
    (30P) は、前記光学ガラスの粘度が30ポアズになるときの温度、
    (5P) は、前記光学ガラスの粘度が5ポアズになるときの温度。
  2. 請求項に記載の光学ガラスからなることを特徴とする光学素子。
  3. 成形金型に滴下した溶融ガラス滴をプレス成形して製造したことを特徴とする請求項に記載の光学素子。
JP2007237857A 2007-09-13 2007-09-13 光学ガラス及び光学素子 Expired - Fee Related JP5056291B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007237857A JP5056291B2 (ja) 2007-09-13 2007-09-13 光学ガラス及び光学素子
US12/207,193 US7947618B2 (en) 2007-09-13 2008-09-09 Optical glass and optical element
CN200810160888XA CN101386468B (zh) 2007-09-13 2008-09-09 光学玻璃以及光学元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007237857A JP5056291B2 (ja) 2007-09-13 2007-09-13 光学ガラス及び光学素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009067631A JP2009067631A (ja) 2009-04-02
JP5056291B2 true JP5056291B2 (ja) 2012-10-24

Family

ID=40453590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007237857A Expired - Fee Related JP5056291B2 (ja) 2007-09-13 2007-09-13 光学ガラス及び光学素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7947618B2 (ja)
JP (1) JP5056291B2 (ja)
CN (1) CN101386468B (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5671833B2 (ja) * 2010-04-09 2015-02-18 日本電気硝子株式会社 光反射基材用材料、光反射基材およびそれを用いた発光デバイス
CN109775982B (zh) * 2019-03-28 2022-04-15 成都光明光电股份有限公司 光学玻璃
CN111960665B (zh) * 2020-08-31 2022-04-12 成都光明光电股份有限公司 光学玻璃
CN112125511B (zh) * 2020-09-28 2022-04-12 成都光明光电股份有限公司 光学玻璃
CN114907009B (zh) * 2022-06-22 2023-08-01 成都光明光电有限责任公司 光学玻璃和光学元件
CN115028355B (zh) * 2022-06-22 2023-08-08 成都光明光电有限责任公司 特殊色散光学玻璃

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2660012C2 (de) * 1975-06-02 1983-12-22 Hoya Glass Works, Ltd, Tokyo Gläser für Augenlinsen mit einem Brechungsindex von mindestens 1,70, einem Abbe-Wert von 40 und einem spezifischen Gewicht von nicht mehr als 3,0g/cm↑3↑
JPS543115A (en) * 1977-06-09 1979-01-11 Obara Optical Glass Optical glass
JP2872899B2 (ja) * 1993-11-26 1999-03-24 株式会社オハラ 光学ガラス
JP3194835B2 (ja) 1994-06-30 2001-08-06 ホーヤ株式会社 光学ガラス
JP3820486B2 (ja) * 1995-09-18 2006-09-13 Hoya株式会社 ガラス光学素子の製造方法
JP4044213B2 (ja) * 1998-06-09 2008-02-06 株式会社オハラ 光学ガラス
JP4306163B2 (ja) * 2000-09-06 2009-07-29 コニカミノルタオプト株式会社 ガラス微小滴の製造方法およびガラス微小光学素子の製造方法およびそれらの製造装置
JP4923366B2 (ja) 2001-09-13 2012-04-25 日本電気硝子株式会社 モールドプレス成形用光学ガラス
JP4337134B2 (ja) * 2002-04-25 2009-09-30 日本電気硝子株式会社 モールドプレス成形用光学ガラス
JP3982752B2 (ja) * 2002-07-03 2007-09-26 Hoya株式会社 光学ガラス、プレス成形用プリフォームおよび光学素子
JP5047449B2 (ja) 2002-09-25 2012-10-10 日本電気硝子株式会社 モールドプレス成形用光学ガラス
EP1433757B1 (en) * 2002-12-27 2017-02-01 Hoya Corporation Optical glass, press-molding glass gob and optical element
JP2004292306A (ja) * 2003-03-12 2004-10-21 Nippon Electric Glass Co Ltd モールドプレス成形用光学ガラス
JP4140775B2 (ja) * 2004-01-23 2008-08-27 Hoya株式会社 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、ならびに光学素子およびその製造方法
JP2007008761A (ja) * 2005-06-30 2007-01-18 Konica Minolta Opto Inc 光学ガラス及び光学素子
JP2007145615A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Konica Minolta Opto Inc 光学ガラス及び光学素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009067631A (ja) 2009-04-02
US7947618B2 (en) 2011-05-24
CN101386468A (zh) 2009-03-18
CN101386468B (zh) 2012-09-05
US20090072422A1 (en) 2009-03-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4567713B2 (ja) 光学ガラスおよび光学素子
JP5008639B2 (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームとその製造方法および光学素子とその製造方法
JP4751225B2 (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォーム、光学素子およびそれらの製造方法
JP5358888B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4810901B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4334523B2 (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームとその製造方法および光学素子とその製造方法
JP5056332B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
KR101306473B1 (ko) 광학유리, 정밀 프레스 성형용 프리폼 및 그 제조방법과 광학소자 및 그 제조방법
JP2009084059A (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームおよびその製造方法、光学素子およびその製造方法
JP5056291B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2006111482A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2008303112A (ja) 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP2007008761A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2007145615A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4003874B2 (ja) 光学ガラス、プレス成形用プリフォームおよび光学部品
JP2005298262A (ja) 光学素子の量産方法
JP2004231501A (ja) 光学ガラス及びこれから作製される光学素子
JP2008179499A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP4655502B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JPWO2011093375A1 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP2004262703A (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP5318000B2 (ja) 光学ガラス、精密プレス成形用プリフォームとその製造方法および光学素子とその製造方法
JP4792718B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
JP6540693B2 (ja) 光学ガラス及び光学素子
EP1950186A1 (en) Optical glass, preform for precision press-molding, optical element, and methods for manufacturing the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100324

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120417

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120703

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120716

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150810

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees