JPWO2011093375A1 - 光学ガラス及び光学素子 - Google Patents

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Abstract

質量%で、P25:38〜55%、Al23:1〜10%、B23:0〜5.5%、SiO2:0〜4%、BaO:3〜24.5%、SrO:0〜15%、CaO:1〜10%、ZnO:0.5〜14.5%、Na2O:1〜15、Li2O:1〜4%、K2O:0〜4.5%、TiO2:0〜0.4%、Ta25:0〜5%、BaO+SrO+CaO+ZnO:25〜39%、Na2O+Li2O+K2O:5〜20%、Al23+SiO2+CaO+Ta25:9〜18%、P25+B23+Al23+SiO2+BaO+SrO+CaO+ZnO+Na2O+Li2O+K2O+TiO2+Ta25:98%以上、の各ガラス成分を有する。

Description

本発明は光学ガラス及び光学素子に関するものである。更に詳しくは、精密プレス成形に適した光学ガラス及びその光学ガラスから成る光学素子に関するものである。
光ディスク(CD,DVD,BD,HD−DVD等)用の光ピックアップレンズ、携帯電話に搭載される撮像用レンズ等、光学ガラスから成る種々の光学素子が広く用いられている。近年では、光ディスク記録再生装置やカメラ付き携帯電話の急速な普及に伴って、このような光学ガラスから成る光学素子の需要が急速に拡大しており、かかる光学素子の生産性の向上と低コスト化が要求されている。
ガラスレンズ等の光学素子の製造方法としては、屈伏温度(At)以上に加熱したガラスを、加熱した一対の上型と下型から成る成形金型を用いてプレスすることにより、光学素子の直接成形を行う、いわゆるプレス成形法が知られている。このプレス成形法は、従来のガラスを研磨する成形法と比較して製造工程が少なく、その結果、短時間でなお且つ安価で光学素子を製造することができることから、近年では光学素子の製造方法として広く使用されるようになっている。
このプレス成形法は、再加熱方式とダイレクトプレス方式の2つに大別できる。再加熱方式は、ほぼ最終製品形状を有するゴブプリフォーム又は研磨プリフォームを作製した後、これらのプリフォームを軟化点以上に再び加熱し、加熱した上下一対の金型によりプレス成形して最終製品形状とする方式である。一方、ダイレクトプレス方式は、加熱した金型上にガラス溶融炉から溶融ガラス滴を直接滴下し、プレス成形することにより最終品形状とする方式である。これらいずれの方式のプレス成形法でも、ガラスを成形する際にプレス金型をガラス転移温度(Tg)近傍又はそれ以上の温度に加熱する必要がある。
上記ダイレクトプレス方式にて溶融ガラス滴を滴下する際には、通常、白金等から成るノズルが用いられる。滴下するガラスの重量は、このノズルの温度で制御される。液相温度(TL)が低いガラスの場合には、高温から低温まで幅広い温度範囲でノズル温度を設定することができるので、大きなものから小さなものまで様々な大きさの光学素子を作製することが可能になる。逆に、液相温度(TL)が高いガラスの場合には、ノズル温度を液相温度(TL)以上の温度に保持しておかないとガラスが失透するため、安定した滴下を行うことができない、という問題がある。
ガラスの転移温度(Tg)が高い場合、また液相温度(TL)が高いガラスの場合には、滴下するガラス自体の温度も高くなるため、プレス金型の表面酸化や金属組成の変化が生じやすく、金型寿命が短くなる。これが生産コストの上昇を招いてしまう。窒素等の不活性ガス雰囲気下で成形を行うことにより金型劣化を抑制することもできるが、雰囲気制御をするためには成形装置が複雑化し、また不活性ガスのランニングコストも必要となるため、生産コストが上昇する。したがって、プレス成形法に用いるガラスとしては、ガラス転移温度(Tg)と液相温度(TL)はできるだけ低いものが望ましい。例えば、ガラスの転移温度(Tg)の低い光学ガラスとしては、特許文献1〜3で提案されているTg:450℃以下の光学ガラスが挙げられる。
ダイレクトプレス方式で成形する際に溶融ガラスの粘性が低いと、表面の曲面が滑らかで均一な球面又は非球面のレンズに近い形状が得られにくい。よって、成形時においては溶融ガラスの粘性は十分検討されなければならない。また、滴下時に失透しないガラスでなければならない。溶融ガラスの粘性が低い場合は溶融ガラスの粘性を上げるため、溶融ガラスの温度を下げなければならないが、温度を下げた場合に液相温度(TL)を下回ってしまい、失透が発生する。したがって、液相温度(TL)での粘性は高いものが望ましい。
特開平9−301735号公報 特開2004−217513号公報 特開2007−145613号公報
特許文献1〜3で提案されている光学ガラスは、Tgの低いものではあるが、化学的耐久性のうち耐候性が良好でないという問題がある。特許文献2と3の光学ガラスは、さらに液相温度(TL)での粘性が低いという問題もある。耐候性が悪いガラスは、研磨や精密モールドプレスによる光学面成形の工程そのものや、光学面成形後の洗浄工程や表面に形成される光学薄膜を成形するコーティング工程等で、ガラス表面に悪影響を与えるため、製造における歩留まりを低下させる、という問題が発生する。粘性の低いガラスは、プレス成形の際に良品が得られにくい。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、d線に対する屈折率(nd)が1.54〜1.60、かつ、アッベ数(νd)が58〜67の光学恒数を持ち、ガラス転移温度(Tg)が420℃以下、液相温度(TL)が800℃以下、液相温度(TL)での粘性が0.8Pa・s以上で、耐候性及び精密プレス成形性に優れた光学ガラス及びその光学ガラスから成る光学素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明の光学ガラスは、質量%で、P25:38〜55%、Al23:1〜10%、B23:0〜5.5%、SiO2:0〜4%、BaO:3〜24.5%、SrO:0〜15%、CaO:1〜10%、ZnO:0.5〜14.5%、Na2O:1〜15、Li2O:1〜4%、K2O:0〜4.5%、TiO2:0〜0.4%、Ta25:0〜5%、BaO+SrO+CaO+ZnO:25〜39%、Na2O+Li2O+K2O:5〜20%、Al23+SiO2+CaO+Ta25:9〜18%、P25+B23+Al23+SiO2+BaO+SrO+CaO+ZnO+Na2O+Li2O+K2O+TiO2+Ta25:98%以上、の各ガラス成分を有することを特徴とする。以下、特に断りのない限り「%」は「質量%」を意味するものとする。
第2の発明の光学ガラスは、上記第1の発明において、屈折率(nd)が1.54〜1.60、かつ、アッベ数(νd)が58〜67の光学恒数を持ち、ガラス転移温度(Tg)が420℃以下、液相温度(TL)が800℃以下、液相温度(TL)での粘性が0.8Pa・s以上であることを特徴とする。
第3の発明の光学素子は、上記第1又は第2の発明に係る光学ガラスから成ることを特徴とする。このような光学素子の例としては、レンズ,プリズム,ミラーが挙げられる。
第4の発明の光学素子は、上記第1又は第2の発明に係る光学ガラスを精密プレス成形して作製されたものであることを特徴とする。
本発明の光学ガラスでは、所定のガラス成分を特定量含有させることにより、人体への悪影響が懸念されるPbO,CdO,As23,Sb23等の化合物を用いることなく、屈折率(nd)が1.54〜1.60、かつ、アッベ数(νd)が58〜67の光学恒数を持ち、ガラス転移温度(Tg)が420℃以下、液相温度(TL)が800℃以下、液相温度(TL)での粘性が0.8Pa・s以上で、耐候性及び精密プレス成形性に優れた光学ガラスを得ることができる。また、本発明の光学素子は、前記光学ガラスを精密プレス成形することにより作製されるので、前記光学ガラスの特性を有しながら、高い生産効率と低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の光学ガラスにおける各成分の組成範囲について、前記のように限定した理由等を説明する。
25は、ガラス骨格を構成する成分(ガラスフォーマー)であり、その含有量が38%未満であると、ガラスが不安定になり、失透傾向が強くなる。他方、P25の含有量が55%よりも多くなると、耐失透性やガラスの安定性は向上するが、所望の光学恒数が得られない。また、耐候性が著しく悪化する。そこで、P25の含有量を38〜55%の範囲に定めた。より好ましいP25の含有量は、40〜54%の範囲である。最も好ましい含有量は、42〜53%の範囲である。
Al23は、線熱膨張係数を小さくすると共にガラスの耐候性を向上させる効果を奏する。また、粘性を高くする効果もある。Al23の含有量が1%より少ないと、前記効果が十分には得られない。他方、Al23の含有量が10%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が高くなると共にガラスが不安定になり、失透傾向が増大する。このため、Al23の含有量を1〜10%の範囲に定めた。より好ましい含有量は、1.5〜9%の範囲である。最も好ましい含有量は、2〜8%の範囲である。
23は、ガラスを安定化し、線熱膨張係数を小さくする効果を奏する。B23の含有量が5.5%を超えると、ガラス転移温度(Tg)が上昇し、粘性を低くし、耐失透性が低下するおそれがある。このため、B23の含有量を0〜5.5%の範囲に定めた。より好ましい含有量は、0〜5%の範囲である。最も好ましい含有量は、0〜4.5%の範囲である。
SiO2は、屈折率を下げる効果と耐候性を向上させる効果があるが、含有量が4%を超えると、ガラスに未溶が残りやすくなる。このため、SiO2の含有量を4%以下の範囲に定めた。より好ましい含有量は、3.5%以下である。最も好ましい含有量は、3%以下である。
BaOは、ガラス転移温度(Tg)を低下させ、屈折率を高める効果とガラスの安定性を向上させる効果を奏する。BaOの含有量が3%より少ないと、前記効果が十分には得られない。他方、BaOの含有量が24.5%より多くなると、線熱膨張係数が大きくなる。このため、BaOの含有量を3〜24.5%の範囲とした。より好ましいBaOの含有量は、5〜24%の範囲である。最も好ましい含有量は、7〜23.5%の範囲である。
SrOは、ガラスの安定性を向上させる効果を奏する。SrOの含有量が15%を超えると、ガラスが不安定となり失透傾向が大きくなり、比重が大きくなる。そこで、SrOの含有量を0〜15%の範囲とした。より好ましいSrOの含有量は、0〜13%の範囲である。最も好ましい含有量は、0〜12%の範囲である。
CaOは、線熱膨張係数を小さくし、ガラスの化学的耐久性や耐候性を向上させる効果を奏する。CaOの含有量が1%より少ないと、前記効果が得にくく、10%を超えるとガラス転移温度(Tg)が上昇し、ガラスが不安定となって失透傾向が大きくなる。このため、CaOの含有量を1〜10%の範囲とした。より好ましいCaOの含有量は、3〜9.5%の範囲である。最も好ましい含有量は、4〜9.5%の範囲である。
ZnOは、線熱膨張係数を増大させることなく、ガラス転移温度(Tg)を低下させる効果を奏する。ZnOの含有量が0.5%より少ないと、ガラス転移温度(Tg)を低下させる効果が十分には得られない。他方、ZnOの含有量が14.5%を超えると、ガラスの安定性が低下し、失透傾向が大きくなる。このため、ZnOの含有量を0.5〜14.5%の範囲とした。より好ましいZnOの含有量は、1〜14%の範囲である。最も好ましい含有量は、2〜14%の範囲である。
前記のRO成分(R=Ba、Sr、Ca、Zn)の総量は、ガラス転移温度(Tg)の低下、ガラスの安定性、及び耐失透性の向上の観点から25〜39%の範囲とした。RO成分の総量が25%より小さくなると、前記効果が得られない。他方、RO成分の総量が39%を超えると、ガラスの安定性が悪化し、失透傾向が大きくなる。より好ましいRO成分の総量は、27〜38.5%の範囲である。最も好ましい範囲は、28〜38.5%の範囲である。
Li2Oは、ガラス転移温度(Tg)を強力に低下させる効果を奏する。Li2Oの含有量が1%より少ないと、前記効果が十分には得られない。他方、Li2Oの含有量が4%を超えると、線熱膨張係数が大きくなると共に、ガラスの耐候性が著しく低下する。また、粘性が低くなる。このため、Li2Oの含有量を1〜4%の範囲とした。より好ましいLi2Oの含有量は、1.5〜3.5%の範囲である。
Na2Oは、前記のLi2Oに劣るもののガラス転移温度(Tg)を低下させる効果を奏する。Na2Oの含有量が1%より少ないと、前記効果が得にくく、ガラスの安定性が低下する。Na2Oの含有量が15%を超えると、化学的耐久性が低下すると共にガラスの粘性が低くなる。このため、Na2Oの含有量を1〜15%の範囲とした。より好ましいNa2Oの含有量は、2〜13%の範囲である。最も好ましい含有量は、2.5〜12%の範囲である。
2Oは、前記のNa2Oと同様にLi2Oに劣るものの、ガラス転移温度(Tg)を低下させる効果を奏する。K2Oの含有量が4.5%を超えると、耐失透性が低下する。このため、K2Oの含有量を0〜4.5%の範囲とした。より好ましいK2Oの含有量は、0〜4%の範囲である。
前記のR’2O成分(R’=Li、Na、K)の総量は、耐失透性と耐候性の向上の観点から、5〜20%と定めた。R’2O成分の総量が5%より少ないと、ガラス転移温度(Tg)を低くする効果が十分に得られない。他方、R’2O成分の総量が20%を超えると、ガラスの粘性が低下し、耐候性が悪化する。より好ましいR’2O成分の総量は、6〜18%の範囲である。最も好ましい含有量は、7〜16%の範囲である。
TiO2は、屈折率を上昇させ、ガラスを安定化させる効果を奏するが、TiO2の含有量が0.4%より多くなると、アッベ数が小さくなり、所望の光学恒数が得られず、またガラスが着色するおそれがある。このため、TiO2の含有量は0〜0.4%の範囲である。より好ましい含有量は、0〜0.3%の範囲である。
Ta25は、光学恒数の調整と化学的耐久性を向上させる効果を奏する。Ta25の含有量が5%を超えると、ガラスが不安定になり、失透傾向が増大するおそれがある。このため、Ta25の含有量を0〜5%の範囲とした。より好ましい含有量は、0〜4%である。最も好ましい含有量は、0〜3%である。
高耐候性を維持するため、Al23、SiO2、CaO、及びTa25の合計量は、9〜18%と定めた。合計量が9%より少ない場合は、高耐候性を維持することが難しく、18%よりも多くなると、耐失透性が悪化する。より好ましい含有量は、9.5〜17%である。最も好ましい含有量は、10〜16%である。
本発明の光学ガラスにおいては、一般的に光学ガラスに使用されることのある成分のうち、上記以外の成分(例えば、MgO、La23、Y23、Gd23、ZrO2、GeO2、MnO、Nb25、Bi23、WO3等)は実質的に含有しない。ただし、本発明の光学ガラスの特性に影響を与えない程度に含有することは許容される。この場合、P25、B23、Al23、SiO2、BaO、SrO、ZnO、CaO、Li2O、Na2O、K2O、TiO2、及びTa25の合計含有量は98.0%以上にするのが望ましい。より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
Nb25、Bi23、及びWO3は着色の観点から、実質的に含有しない。また、MgO、La23、Y23、Gd23、ZrO2、及びGeO2は、耐失透性の観点から、実質的に含有しない。
PbO、CdO、As23、TeO2、及びフッ化物については、製造時の作業環境に配慮し、作業者の安全性を確保するという観点から、どの成分も含有しないことが好ましい。
各成分の組成範囲を前述したように限定することにより、人体への悪影響が懸念されるPbO,CdO,As23,Sb23等の化合物を用いることなく、屈折率(nd)が1.54〜1.60、かつ、アッベ数(νd)が58〜67の光学恒数を持ち、ガラス転移温度(Tg)が420℃以下、液相温度(TL)が800℃以下、液相温度(TL)での粘性が0.8Pa・s以上で、耐候性及び精密プレス成形性に優れた光学ガラスを実現することができる。低い液相温度(TL)により、失透が発生しにくくなり、安定した滴下を行うことが可能になる。低いガラス転移温度(Tg)により、プレス金型の温度を低くすることができるので、金型寿命が長くなり、生産コストを下げることができる。また、液相温度(TL)での高い粘性により、プレス成形時における良品の割合が増して、生産性の向上を図ることができる。
本発明に係る光学ガラスを、デジタルカメラ,カメラ付き携帯電話等の光学機器に搭載される光学素子(レンズ,プリズム,ミラー等)の材料として用いれば、耐候性及び精密プレス成形性の向上による光学素子の生産性の向上と低コスト化が可能になるため、光学機器の低コスト化等に寄与することができる。
本発明の光学素子は、前記光学ガラスを精密プレス成形することによって作製される。この精密プレス成形法としては、前述したように、溶融したガラスをノズルから、所定温度に加熱された金型へ滴下しプレス成形するダイレクトプレス成形法、及びプリフォーム材を金型に載置してガラス軟化点以上に加熱してプレス成形する再加熱成形法が挙げられる。このような方法によれば研削・研磨工程が不要となり、生産性が向上し、また自由曲面や非球面といった加工困難な形状の光学素子を得ることができる。したがって、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明を実施した光学ガラスの構成等を、実施例1〜24,比較例1〜3等を挙げて更に具体的に説明する。なお、比較例1は前記特許文献1の実施例12、比較例2は前記特許文献2の実施例11、比較例3は前記特許文献3の実施例9、をそれぞれ追試したものである。
酸化物原料、炭酸塩原料、硝酸塩原料等の一般的なガラス原料を用いて、表1〜4に示す目標組成(質量%)となるように、ガラスの原料を調合し、粉末で十分に混合して調合原料とした。これを800〜1300℃に加熱された溶融炉に投入し、溶融・清澄後、攪拌均質化をして予め加熱された鉄製の鋳型に鋳込み、徐冷して各サンプルを製造した。これらの各サンプルについて、d線に対する屈折率(nd)、アッベ数(νd)、ガラス転移温度(Tg)、液相温度(TL)及び粘性を測定した。また、耐候性試験機にて耐候性試験を実施した。測定結果を表1〜4に合わせて示す。
(1)屈折率(nd)とアッベ数(νd)
上記説明のように、溶融し鋳型に流し込んだガラスを−2.3℃/時間で徐冷した。そのサンプルの測定を、カルニュー光学工業社製「KPR−2000」を用いて行った。
(2)ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメンツ社製の熱機械的分析装置「TMA/SS6000」を用いて、毎分10℃の昇温条件で測定を行った。
(3)液相温度(TL)
液相温度(TL)の測定では、800〜1400℃の温度勾配を有する失透試験炉内に溶融ガラスを鋳型に流し込んだものを12時間保持した後、ガラスを室温まで冷却し、オリンパス社製の光学顕微鏡(BX50)の倍率40倍を用いてガラス内部を観察した。そして、そのガラス内部に失透(結晶)が確認されない温度を液相温度(TL)とした。
(4)粘性
トキメック社製の高温粘度測定装置「TVE−20H」を用いて、TLでの粘性(Pa・s)を測定した。
(5)耐候性試験
エスペック社製の環境試験器「SH−641」を用いて、各サンプルを温度60℃、湿度95%の恒温恒湿槽において168時間保持した。その後、オリンパス社製の光学顕微鏡「BX50」を用いて各サンプルの表面を観察した。光学顕微鏡の倍率は40倍とした。表1〜4では、光学顕微鏡による観察の結果、表面にくもりや析出、溶け等の変化が見られなかった場合(耐候性が良好な場合)は「○」、表面にくもりや析出、溶け等の変化が確認された場合(耐候性に問題がある場合)は「×」と記した。
Figure 2011093375
Figure 2011093375
Figure 2011093375
Figure 2011093375
上記測定結果から分かるように、実施例1〜24(表1〜3)では耐候性が良好であるのに対し、比較例1〜3(表4)では耐候性が不良である。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    25:38〜55%、
    Al23:1〜10%、
    23:0〜5.5%、
    SiO2:0〜4%、
    BaO:3〜24.5%、
    SrO:0〜15%、
    CaO:1〜10%、
    ZnO:0.5〜14.5%、
    Na2O:1〜15、
    Li2O:1〜4%、
    2O:0〜4.5%、
    TiO2:0〜0.4%、
    Ta25:0〜5%、
    BaO+SrO+CaO+ZnO:25〜39%、
    Na2O+Li2O+K2O:5〜20%、
    Al23+SiO2+CaO+Ta25:9〜18%、
    25+B23+Al23+SiO2+BaO+SrO+CaO+ZnO+Na2O+Li2O+K2O+TiO2+Ta25:98%以上、
    の各ガラス成分を有することを特徴とする光学ガラス。
  2. 屈折率(nd)が1.54〜1.60、かつ、アッベ数(νd)が58〜67の光学恒数を持ち、ガラス転移温度(Tg)が420℃以下、液相温度(TL)が800℃以下、液相温度(TL)での粘性が0.8Pa・s以上であることを特徴とする請求項1記載の光学ガラス。
  3. 請求項1又は2記載の光学ガラスから成ることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項1又は2記載の光学ガラスを精密プレス成形して作製されたものであることを特徴とする光学素子。
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