JP5298589B2 - 微生物発電装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機物を微生物に酸化分解させる際に得られる還元力を電気エネルギーとして取り出す微生物発電装置に関する。
近年、地球環境に配慮した発電方法へのニーズが高まり、微生物発電の技術開発も進められている。微生物発電は、微生物が有機物を資化する際に得られる電気エネルギーを取り出すことにより発電する方法である。
一般的に、微生物発電では負極が配置された負極室内に、微生物、微生物に資化される有機物、および電子伝達媒体(電子メディエータ)を共存させる。電子メディエータは微生物体内に入り、微生物が有機物を酸化して発生する電子を受け取って負極に渡す。負極は外部抵抗(負荷)を介して正極と電気的に導通しており、負極に渡された電子は外部抵抗(負荷)を介して正極に移動し、正極と接する電子受容体に渡される。このような電子の移動により正極と負極との間に電流が流れる。
微生物発電では、電子メディエータが微生物体から直接、電子を取り出すため、理論上のエネルギー変換効率は高い。しかし、実際のエネルギー変換効率は低く、発電効率の向上が求められている。そこで、発電効率を高めるため、電極の材料や構造、電子メディエータの種類、および微生物種の選択等について様々な検討および開発が行われている(例えば特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、正極室と負極室とを固体電解質よりなるアルカリイオン導電体で隔て、正極室内及び負極室内をリン酸緩衝液(バッファ)でpH7とし、正極室内に空気を吹き込んで発電を行うことが記載されている。
特許文献2には、正極室と負極室とを区画するイオン交換膜等の電解質膜に接触するように、正極及び負極を設置し、正極室に空気を流通させることが記載されている。
特開2000−133326号公報 特開2004−342412号公報
上記特許文献2のように微生物発電装置の区隔材と正極及び負極とが単に接触しているだけでは、プロトンの移動抵抗が大きく、発電効率が低くなる。
また、イオン交換膜はコスト高である。
本発明は、正極及び負極が区隔材に密着しており、微生物発電の効率を高くすることができる微生物発電装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、その一態様において、区隔材のコストダウンを図ることができる微生物発電装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の微生物発電装置は、負極を有し、微生物および電子供与体を含む液を保持する負極室と、該負極室に対しプロトン透過性を有した区隔材を介して隔てられており、正極を有した正極室とを備えた微生物発電装置において、該正極及び負極が前記区隔材に密着している微生物発電装置であって、前記区隔材は、非導電性物質よりなる紙、織布、不織布、ハニカム成形体、または格子状成形体よりなり、前記正極は、スペーサに押圧されることにより前記区隔材に押し付けられて密着しており、前記スペーサによって形成されるスペースに酸素含有ガスを供給する手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項2の微生物発電装置は、請求項1において、前記区隔材は、厚さ10mm以下であることを特徴とするものである。
請求項3の微生物発電装置は、請求項1又は2において、前記負極は繊維体よりなり、それ自身の弾性により前記区隔材に密着していることを特徴とするものである。
請求項4の微生物発電装置は、請求項3において、前記負極は、前記負極室の厚さよりも大きいものを押し縮めて負極室内全体に充填されたものであり、該負極室内に供給された液はすべて該負極を透過するよう構成されていることを特徴とするものである。
請求項5の微生物発電装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記スペーサは弾性を有することを特徴とするものである。
本発明は、正極及び負極を区隔材に密着させることにより、プロトンの移動抵抗を小さくし、微生物発電の発電効率を高く維持するようにしたものである。
本発明によれば、区隔材がイオン交換膜に比べて安価なものとなる。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
第2図は本発明の微生物発電装置の概略的な構成を示す模式的断面図である。
槽体1内がプロトン透過性の区隔材2によって正極室3と負極室4とに区画されている。正極室3内にあっては、スペーサ5aに押圧されることによって区隔材2に密着するように、導電性多孔質材料よりなる正極5が配置されている。このスペーサ5aによって形成されるスペース(空室)部分に対し、ガス流入口7から空気などの酸素含有ガスが導入され、ガス流出口8から排ガスが流出する。
負極室4内には、導電性多孔質材料よりなる負極6が配置されている。この負極6は、それ自身の弾性により区隔材2に密着しており、負極6から区隔材2にプロトン(H)が受け渡し可能となっている。
この多孔質材料よりなる負極6に微生物が担持されている。負極室4には流入口4aから負極溶液Lを導入し、流出口4hから廃液を排出させる。なお、負極室4内は嫌気性とされる。
負極室4内の負極溶液Lは循環往口9、循環配管10、循環用ポンプ11及び循環戻口12を介して循環される。この循環配管10には、負極室4から流出してきた液のpHを測定するpH計14が設けられると共に、水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ添加用配管13が接続されている。
正極室3に酸素含有ガスを通気すると共に、必要に応じポンプ11を作動させて負極溶液Lを循環させることにより、
(有機物)+HO→CO+H+e
なる反応が進行する。この電子eが負極6、端子22、外部抵抗21、端子20を経て正極5へ流れる。
上記反応で生じたプロトンHは、区隔材2を通って正極5に移動する。正極5では、
+4H+4e→2H
なる反応が進行する。このような反応により、正極5と負極6との間に起電力が生じ、端子20,22を介して外部抵抗21に電流が流れる。
この実施の形態では、正極5及び負極6が区隔材2に対しそれぞれ約0.1kg/cmの圧力で押し付けられて密着している。そのため、負極6及び正極5と区隔材2との間のプロトンの移動抵抗が小さく、発電効率が高い。
負極室4では、微生物による水の分解反応によりCOが生成することにより、pHが低下しようとする。そこで、pH計14の検出pHが好ましくは7〜9となるようにアルカリが負極溶液Lに添加される。このアルカリは、負極室6に直接に添加されてもよいが、循環水に添加することにより、負極室6内の全域を部分的な偏りなしにpH7〜9に保つことができる。
第1図は本発明の特に好ましい形態に係る微生物発電装置の概略的な断面図である。
略直方体形状の槽体30内に2枚の板状の区隔材31が互いに平行に配置されることにより、該区隔材31,31同士の間に負極室32が形成され、該負極室32とそれぞれ該区隔材31を隔てて2個の正極室33,33が形成されている。
負極室32内には、各区隔材31と密着するように、多孔質材料よりなる負極34が配置されている。負極34は、区隔材に対し軽く(例えば約0.1kg/cmの圧力で)押し付けられている。
正極室33内には、区隔材31と接して多孔質材料よりなる正極35が配置されている。この正極35は、ゴム等よりなるスペーサ36に押圧されて区隔材31に軽く(例えば約0.1kg/cmの圧力で)押し付けられて密着している。正極35と区隔材との密着性を高めるために、両者を溶着したり、部分的に接着剤で接着してもよい。
正極35と槽体30の側壁との間は、酸素含有ガスの流通スペースとなっている。
この正極35及び負極34は、端子37,39を介して外部抵抗38に接続されている。
負極室32には、流入口32aから負極溶液Lが導入され、流出口32bから廃液が流出する。負極室32内は嫌気性とされる。
負極室32内の負極溶液は、循環往口41、循環配管42、循環ポンプ43及び循環戻口44を介して循環される。各正極室33には、ガス流入口51から酸素含有ガスが流入し、排ガスがガス流出口52から流出する。この循環配管42に、pH計47が設けられると共に、アルカリ添加用配管45が接続されている。負極室32から流出する負極溶液のpHをpH計47で検出し、このpHが好ましくは7〜9となるように水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリが添加される。
この第1図の微生物発電装置においても、正極室33に酸素含有ガスを流通させ、負極室32に負極溶液を流通させ、好ましくは負極溶液を循環させることにより、正極35と負極34との間に電位差が生じ、外部抵抗38に電流が流れる。この実施の形態でも、正極35及び負極34が区隔材31に密着しているので、プロトンの移動抵抗が小さく、発電効率が高い。
次に、この微生物発電装置の微生物、負極溶液などのほか、区隔材、負極及び正極の好適な材料等について説明する。
負極溶液L中に含有させることで電気エネルギーを産生させる微生物は、電子供与体としての機能を有するものであれば特に制限されない。例えば、Saccharomyces、Hansenula、Candida、Micrococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Leuconostoa、Lactobacillus、Corynebacterium、Arthrobacter、Bacillus、Clostridium、Neisseria、Escherichia、Enterobacter、Serratia、Achromobacter、Alcaligenes、Flavobacterium、Acetobacter、Moraxella、Nitrosomonas、Nitorobacter、Thiobacillus、Gluconobacter、Pseudomonas、Xanthomonas、Vibrio、Comamonas及びProteus(Proteus vulgaris)の各属に属する細菌、糸状菌、酵母などを挙げることができる。このような微生物を含む汚泥として下水等の有機物含有水を処理する生物処理槽から得られる活性汚泥、下水の最初沈澱池からの流出水に含まれる微生物、嫌気性消化汚泥等を植種として負極室に供給し、微生物を負極に保持させることができる。発電効率を高くするためには、負極室内に保持される微生物量は高濃度であることが好ましく、例えば微生物濃度は1〜50g/Lであることが好ましい。
負極溶液Lとしては、微生物又は細胞を保持し、かつ発電に必要な組成を有する溶液が用いられる。例えば、呼吸系の発電を行う場合は、負極側の溶液としては、ブイヨン培地、M9培地、L培地、Malt Extract、MY培地、硝化菌選択培地などの呼吸系の代謝を行うのに必要なエネルギー源や栄養素などの組成を有する培地が利用できる。また、下水、有機性産業排水、生ごみ等の有機性廃棄物を用いることができる。
負極溶液L中には、微生物又は細胞からの電子の引き抜きをより容易とするために電子メディエーターを含有させてもよい。この電子メディエーターとしては、例えば、チオニン、ジメチルジスルホン化チオニン、ニューメチレンブルー、トルイジンブルー−O等のチオニン骨格を有する化合物、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等の2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン骨格を有する化合物、ブリリアントクレジルブルー、ガロシアニン、レソルフィン、アリザリンブリリアントブルー、フェノチアジノン、フェナジンエソスルフェート、サフラニン−O、ジクロロフェノールインドフェノール、フェロセン、ベンゾキノン、フタロシアニン、あるいはベンジルビオローゲン及びこれらの誘導体などを挙げることができる。
さらに、微生物の発電機能を増大させるような材料、例えばビタミンCのような抗酸化剤や、微生物中の特定の電子伝達系や物質伝達系のみを働かせる機能増大材料を溶解すると、さらに効率よく電力を得ることができるので好ましい。
負極溶液Lは、必要に応じ、リン酸バッファを含有していてもよい。
負極溶液Lは有機物を含むものである。この有機物としては、微生物によって分解されるものであれば特に制限はなく、例えば水溶性の有機物、水中に分散する有機物微粒子などが用いられる。負極溶液は、下水、食品工場排水などの有機性廃液であってもよい。負極溶液L中の有機物濃度は、発電効率を高くするために100〜10000mg/L程度の高濃度であることが好ましい。
正極室に流通させる酸素含有ガスとしては、空気が好適である。正極室からの排ガスを、必要に応じ脱酸素処理した後、負極室に通気し、負極溶液Lからの溶存酸素のパージに用いてもよい。
区隔材としては、非導電性材料よりなる紙、織布、不織布、いわゆる有機膜(精密濾過膜)、ハニカム成形体、格子状成形体等が使用できる。区隔材としては、プロトンの移動の容易さから親水的な材料で構成されたものを用いるか、もしくは疎水膜を親水化した精密ろ過膜が好ましい。疎水性の材料を使用する場合は、織布、不織布、ハニカム等の形状として水が通りやすいように加工するとよい。上記の非導電性材料としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース、酢酸セルロース等が好適である。プロトンを透過させ易くするために、区隔材は厚さが25μm〜10mm特に50〜100μm程度の薄いものが好ましい。
負極溶液として有機性廃水を用いる場合、懸濁物質等による目詰りを防止するために、区隔材として厚さ1〜10mm程度の通水性に優れる、例えばハニカム状、格子状等のものを用いるのが好ましい。負極溶液として廃水を用いない場合、区隔材としては、厚みおよび価格の点で、厚さが1mm以下の紙が最適である。また、PESやPVDFを親水化した精密濾過膜は厚みが極めて薄いため、高出力を求める場合の区隔材として好適である。さらに、コスト面ではポリエチレンまたはポリプロピレンから作られた不織布が好適である。
負極は、多くの微生物を保持できるよう、表面積が大きく空隙が多く形成され通水性を有する多孔体が好ましい。具体的には、少なくとも表面が粗とされた導電性物質のシートや導電性物質をフェルト状その他の多孔性シートにした多孔性導電体(例えばグラファイトフェルト、発泡チタン、発泡ステンレス等)が挙げられる。このような多孔質の負極を区隔材に密着させた場合、電子メディエータを用いることなく、微生物反応で生じた電子が負極に渡るようになり、電子メディエータを不要とすることができる。
負極は、フェルト等の繊維体よりなることが好ましい。かかる負極は、負極室厚みよりも大きい厚さを有する場合、それを押し縮めて負極室に挿入し、それ自身の復元弾性によって区隔材に密着するようになる。
複数のシート状導電体を積層して負極としてもよい。この場合、同種の導電体シートを積層してもよく、異なる種類の導電体シート同士(例えばグラファイトフェルトと粗面を有するグラファイトシート)を積層してもよい。
負極は全体の厚さが3mm以上40mm以下、特に5〜20mm程度であることが好ましい。積層シートによって負極を構成した場合、シート同士の合わせ面(積層面)に沿って液が流れるように、積層面を液の流入口と流出口とを結ぶ方向に配向させるのが好ましい。
正極としては、導電性材料で構成された多孔質基材に触媒を坦持させたものが好ましく、例えばグラファイトフェルトを基材として白金を坦持させたものが好適である。大きな電力を必要としない場合、安価なグラファイト電極をそのまま(つまり、白金を担持させずに)正極として使用してもよい。また、白金以外の安価な触媒、例えば、コバルト、ニッケル等を使用しても良い。グラファイトフェルトは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で疎水化したグラファイトフェルトであってもよい。
正極を区隔材に押し付けるためのスペーサの材質は、非導電性、耐腐食性及び適度な弾力性を有するものが好適であり、例えば、安価なポリエチレン、ポリプロピレン等を使用できる。
本発明では、負極室を複数の分室に分割し、各分室を直列接続することで各分室でのpH低下を抑制した上で負極室内の液のpHを調整するようにしてもよい。負極室を分割すれば、各分室での有機物分解量が小さくなる結果、炭酸ガスの生成量も小さくなるため、各分室でのpH低下を少なくできる。負極室を流れる液には、前段側の分室から後段側の分室へ流れる際にアルカリを添加すればよい。このようにすれば、前段側の分室でpHが低下した液のpHを上げて後段側の分室へ流入させることができ、負極室内の液のpHを上記範囲に調整することが容易になる。
以下、実施例及び参考例について説明する。
[実施例1]
第1図に示す微生物発電装置を作成した。この発電装置の槽体30の全体の容積は525mL、負極室32の容積は175mL、各正極室33の容積は175mLである。各正極室33には上部に空気供給口を設け、下部に空気流出口を設けた。
区隔材31として日本バイリーン株式会社製のポリプロピレン不織布(厚さ:約0.15mm)を使用した。
負極34としては、250mm×70mmで厚さ10mmのグラファイトフェルト(東洋カーボン株式会社製)を使用した。このグラファイトフェルトの両表面は粗面である。なお、負極34は負極室32の厚さよりも大きい厚さを有したものを押し縮めて図に示すように負極室32内全体に充填し、負極34と区隔材31とを0.1kg/cmの圧力で押し付けて密着させた。
この微生物発電装置は、従って、負極室32に供給された液はすべて多孔性の負極34を透過するように構成されており、負極34内を通らずに負極室32を通過すること(ショートパス)が実質的にないよう構成されている。負極室32には種菌として下水処理場の生物処理槽から採取した活性汚泥を添加して培養し、負極を構成するグラファイトフェルト表面に微生物を付着させた。負極室32内の微生物濃度は約1200mg/Lであった。
正極35は、それぞれ、厚さ3mmの白金担持グラファイトフェルト1枚で構成した。なお、このグラファイトフェルトはPTFE微粒子のキシレン分散液を塗布した後、400℃で熱処理して焼き付けることによって疎水化し、さらに、白金担持カーボン(田中貴金属株式会社製、30%Pt含有)を区隔材31と接する側の表面(液側)に0.5mg/cm担持させたものである。
スペーサ36を配置し、正極35を0.1kg/cmの圧力で区隔材31に押しつけ、両者を密着させた。
正極室33には、空気を1000mL/minにて供給した。負極室32には、1,000mg/Lの濃度の酢酸と、50mMの濃度のリン酸バッファと、塩化アンモニウム300mg/Lとを含む原液を70mL/minの流入量で供給し、同量の廃液を排出させた。
循環配管42の循環流量は10mL/minとした。pH計47の検出pHが約7.5となるように1Nの水酸化ナトリウムを循環液に添加した。外部抵抗は5Ωとした。
上記条件で、運転を開始したところ、3日後に350mVの電圧が得られた。このときの電流は70mA、電力は140W/mであった。同一条件で運転を継続した結果、1ヶ月間ほぼ同様の出力が安定して得られた。なお、負極室32から流出する流出水の全有機物(TOC)濃度が50mg/L以下にならないように負極溶液を随時新液と交換した。
[実施例2〜4,参考例1]
区隔材を以下に変更したこと以外は実施例1と同じ条件で運転した。なお、実施例2については、外部抵抗は10Ωとした。
実施例2:厚さ5mmのポリカーボネート製ハニカム
実施例3:厚さ0.3mmのセルロース製紙
実施例4:厚さ0.05mmの親水化PVDFの精密濾過膜(0.45μm)
参考例1:カチオン交換膜(商品名(登録商標):ナフィオン117)
実施例1〜4および参考例1について、得られた電力、電圧および電流を表1に示す。
Figure 0005298589
以上の実施例より、カチオン交換膜以外の安価な区隔材を用いても大きな電力が得られることが確認された。
本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。
符号の説明
1,30 槽体
2,31 区隔材
3,33 正極室
4,32 負極室
5,35 正極
6,34 負極

Claims (5)

  1. 負極を有し、微生物および電子供与体を含む液を保持する負極室と、
    該負極室に対しプロトン透過性を有した区隔材を介して隔てられており、正極を有した正極室と
    を備えた微生物発電装置において、
    該正極及び負極が前記区隔材に密着している微生物発電装置であって、
    前記区隔材は、非導電性物質よりなる紙、織布、不織布、ハニカム成形体、または格子状成形体よりなり、
    前記正極は、スペーサに押圧されることにより前記区隔材に押し付けられて密着しており、
    前記スペーサによって形成されるスペースに酸素含有ガスを供給する手段を備えたことを特徴とする微生物発電装置。
  2. 請求項1において、前記区隔材は、厚さ10mm以下であることを特徴とする微生物発電装置。
  3. 請求項1又は2において、前記負極は繊維体よりなり、それ自身の弾性により前記区隔材に密着していることを特徴とする微生物発電装置。
  4. 請求項3において、前記負極は、前記負極室の厚さよりも大きいものを押し縮めて負極室内全体に充填されたものであり、
    該負極室内に供給された液はすべて該負極を透過するよう構成されていることを特徴とする微生物発電装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記スペーサは弾性を有することを特徴とする微生物発電装置。
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