JP2016157532A - 微生物燃料電池用電極積層体及び微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池用電極積層体及び微生物燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】微生物燃料電池のエネルギーの回収効率を高めることができる微生物燃料電池用電極積層体を提供する。【解決手段】本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体は、微生物燃料電池に用いられ、アノードと、前記アノードの表面上に、前記アノードに接するように配置された絶縁体と、前記絶縁体の前記アノード側とは反対の表面上に、前記絶縁体に接するように配置されたカソードとを備え、前記絶縁体は液を透過可能であり、前記絶縁体は、水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積あたりの電気抵抗値が1×102Ω/cm2以上である絶縁体であり、前記アノード及び前記カソードの内の少なくとも一方が、基材と、前記基材の表面を被覆している導電部とを有し、前記基材が前記導電部で被覆されることで構成されており、前記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物燃料電池に用いられる微生物燃料電池用電極積層体に関する。また、本発明は、上記微生物燃料電池用電極積層体を用いた微生物燃料電池に関する。
近年、廃水等の有機性廃棄物を分解する際にエネルギーを回収する方法として、燃料電池のしくみを利用した微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池では、廃水及び廃棄物等に含まれる有機性物質を分解する際に微生物が放出した電子を、電極により回収することによって、直接的に電気エネルギーを回収することが可能である。
上記微生物燃料電池の一例が、下記の特許文献1〜3に開示されている。具体的には、特許文献1〜3では、アノード(負電極)と、イオン透過性膜と、カソード(正電極)とがこの順で並べられており、かつアノードとカソードとが導線により負荷回路に接続されている微生物燃料電池が開示されている。
上記微生物燃料電池を使用する際には、アノードの表面上の空隙の流路に、嫌気性下で生育可能な微生物及び有機性物質を含む液を流す。また、カソードの表面上の流路に空気を流し、カソードに空気を接触させる。アノードでは、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成される。水素イオンは、イオン透過性膜を透過して、カソード側に移動して、アノードとカソードとの間に電位差が生じる。この状態で、アノードとカソードとが導線によって負荷回路に接続され、閉回路が形成されていると、生じた電位差と負荷回路に流れた電流との積の分の電気エネルギーを回収できる。
また、上記のような微生物燃料電池に用いられる電極(アノード及びカソード)の材料に関して、特許文献1では、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト及びグラファイトクロスなどの導電性基材が挙げられている。また、特許文献1では、アノードとして、グラファイトフェルトを用い、かつカソードとして、酸素還元触媒である二酸化マンガンを電解析出によって担持させたカーボンペーパーを用いた微生物燃料電池が開示されている。
また、カーボン材料以外の材料が電極に使用されることがある。特許文献2では、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリエチレンテレフタレート等のプラスチックに、炭素又はグラファイトなどの導電性パウダーを混ぜて得られた導電性プラスチックシートを用いて、該導電性プラスチックシートを金属製導電体の両面にコーティングすることによって得られた電極(アノード及びカソード)を用いた微生物燃料電池が開示されている。
また、上記のような微生物燃料電池に用いられるカソードには、液中の溶存酸素を利用する方式のカソードと、空気中の酸素を利用する方式のカソードとがある。空気中の酸素を利用する方式のカソードは、エアカソードと呼ばれている。エアカソードでは、エアカソードに空気を流通させるだけでよく、カソード液中へのばっ気の必要がないという利点がある。
また、上記エアカソードの一方の表面は、酸素を含有する気体と接する。上記エアカソードの他方の表面は、プロトンを供給する廃水等と接する。このため、上記エアカソードの表面は、疎水化、撥水化又は防水化する必要がある。
特許文献1では、導電性基材であるグラファイト系基材が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂によって撥水処理されたエアカソードが例示されている。
また、下記の特許文献3では、アノード(負電極)と、イオン透過性膜と、カソード(正電極)とが積層され、かつ環状に配置されている微生物燃料電池用電極が開示されている。
特開2010−9772号公報 WO2010/049936A1 特開2004−342412号公報
特許文献2では、アノードとカソードとの距離が大きく離れる。このため、アノードで発生する水素イオンがカソードに供給される速度が遅い。一方で、アノードとカソードとの距離が近すぎると、アノードとカソードとが短絡しやすくなり、この場合に、エネルギーの回収効率が低下するという問題がある。
特許文献1に記載のようなグラファイトペーパー、グラファイトフェルト及びグラファイトクロス等のカーボン材料は、上記電極の材料として好適ではあるが、カーボン材料は高価であるという問題がある。
また、特許文献2に記載のような導電性プラスチックシートのハンドリング性を高めるためには、導電性パウダーの含有量を多くすることは困難であり、かつ、導電性プラスチックシートの厚みを薄くすることも困難である。従って、導電性プラスチックシートを金属製導電体の両面にコーティングすることによって得られた電極では、導電性が低くなったり、厚みが厚くなったりするという問題がある。
また、特許文献3に記載のようなカソードを用いると、水処理に十分な酸素透過性能が十分に得られないことがある。このため、従来のカソードを用いた微生物燃料電池では、エネルギーの回収効率が低いことがある。
また、特許文献1では、導電性基材の表面を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂によって撥水処理することが記載されている。しかしながら、フッ素樹脂は高価であり、特許文献1に記載のエアカソードは大量生産には不向きである。
また、カソードに用いる導電性基材としては、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト及びグラファイトクロス等のグラファイト系基材や、チタン及びステンレス等の金属メッシュ等が用いられるために、上記導電性基材の表面の凹凸が比較的大きい。このような表面の凹凸が大きい導電性基材に、フッ素樹脂を塗布する場合には、均一な厚さで塗布することは困難である。このため、フッ素樹脂を厚く塗布しなければならず、カソードの表面の酸素透過性能が低くなり、カソードへの酸素供給が不足し、エネルギー回収効率が低下するという問題がある。
本発明の目的は、微生物燃料電池のエネルギーの回収効率を高めることができる微生物燃料電池用電極積層体を提供することである。また、本発明の目的は、上記微生物燃料電池用電極積層体を用いた微生物燃料電池を提供することである。
本発明の広い局面によれば、微生物燃料電池に用いられ、アノードと、前記アノードの表面上に、前記アノードに接するように配置された絶縁体と、前記絶縁体の前記アノード側とは反対の表面上に、前記絶縁体に接するように配置されたカソードとを備え、前記絶縁体は液を透過可能であり、前記絶縁体は、水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積あたりの電気抵抗値が1×10Ω/cm以上である絶縁体であり、前記アノード及び前記カソードの内の少なくとも一方が、基材と、前記基材の表面を被覆している導電部とを有し、前記基材が前記導電部で被覆されることで構成されており、前記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されている、微生物燃料電池用電極積層体が提供される。
前記導電部が前記導電性カーボン材料及び樹脂を用いて形成されていることが好ましい。
前記絶縁体の材料が樹脂であることが好ましい。前記絶縁体が、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜であることが好ましい。
前記基材の材料が樹脂であることが好ましい。前記基材の材料は金属であってもよい。前記基材が、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜であることが好ましい。前記基材が、液を通過可能であることが好ましい。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記導電部が、前記導電性カーボン材料、及び、導電性カーボン材料以外の導電性材料を用いて形成されている。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記微生物燃料電池積層体は、前記導電部の内部又は前記導電部の表面上に配置された酸素還元触媒を備える。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記導電部が、前記基材の両側の表面を被覆している。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記アノード及び前記カソードの内の双方が、前記基材と、前記基材の表面を被覆している前記導電部とを有し、前記基材が前記導電部で被覆されることで構成されている。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記絶縁体が、前記アノード及び前記カソードと熱融着されている。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体のある特定の局面では、前記微生物燃料電池用電極積層体は、前記カソードの前記絶縁体側とは反対側の表面上に配置された透気性防水性フィルムを備え、前記カソードと前記透気性防水性フィルムとでエアカソードが構成されている。
本発明の広い局面によれば、上述した微生物燃料電池用電極積層体と、前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池が提供される。
本発明に係る微生物燃料電池用電極積層体は、アノードと、上記アノードの表面上に、上記アノードに接するように配置された絶縁体と、上記絶縁体の上記アノード側とは反対の表面上に、上記絶縁体に接するように配置されたカソードとを備え、上記絶縁体は液を透過可能であり、上記絶縁体は、水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積あたりの電気抵抗値が1×10Ω/cm以上である絶縁体であり、上記アノード及び上記カソードの内の少なくとも一方が、基材と、上記基材の表面を被覆している導電部とを有し、上記基材が上記導電部で被覆されることで構成されており、上記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されているので、微生物燃料電池のエネルギーの回収効率を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用電極積層体を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池用電極積層体を模式的に示す断面図である。 図3は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第1の例を模式的に示す断面図である。 図4は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第2の例を模式的に示す断面図である。 図5は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第3の例を模式的に示す断面図である。 図6は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第4の例を模式的に示す断面図である。 図7は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第5の例を模式的に示す断面図である。 図8(a)〜(d)は、微生物燃料電池用電極積層体の形状の例を説明するための模式図である。 図9(a)及び(b)は、導電部の形成方法の例を説明するための模式図である。 図10(a)及び(b)は、導電部の形成方法の例を説明するための模式図である。 図11は、図1に示す微生物燃料電池用電極積層体を用いた微生物燃料電池を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用電極積層体を模式的に示す断面図である。
電極積層体31は、微生物燃料電池に用いられる。電極積層体31は、アノード32と、絶縁体33と、カソード34とを備える。アノード32と、絶縁体33と、カソード34とがこの順で並んで配置されている。
絶縁体33は、アノード32の表面上に、アノード32に接するように配置されている。カソード34は、絶縁体33のアノード32側とは反対の表面上に、絶縁体33に接するように配置されている。
図1では、アノード32及びカソード34は、略図で示されている。アノード32及びカソード34の内の少なくとも一方として、例えば、後述する図3〜7に示すような電極(微生物燃料電池用電極)1,1A,1B,1C,1Dを用いることができる。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池用電極積層体を模式的に示す断面図である。
電極積層体31Aは、微生物燃料電池に用いられる。電極積層体31Aは、アノード32Aと、絶縁体33Aと、カソード34Aと、透気性防水性フィルム35Aを備える。アノード32Aと、絶縁体33Aと、カソード34Aと、透気性防水性フィルム35Aとがこの順で並んで配置されている。
絶縁体33Aは、アノード32Aの表面上に、アノード32Aに接するように配置されている。カソード34Aは、絶縁体33Aのアノード32A側とは反対の表面上に、絶縁体33Aに接するように配置されている。透気性防水性フィルム35Aは、カソード34Aの絶縁体33A側とは反対側の表面上に配置されている。透気性防水性フィルム35Aは、カソード34Aに接するように配置されている。
図2では、アノード32A及びカソード34Aは、略図で示されている。アノード32A及びカソード34Aの内の少なくとも一方として、例えば、後述する図3〜7に示すような電極(微生物燃料電池用電極)1,1A,1B,1C,1Dを用いることができる。
上記絶縁体は、水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積あたりの電気抵抗値が1×10Ω/cm以上である絶縁体である。電気抵抗値は、後述する実施例1の評価の欄の記載に従って、測定することができる。上記電気抵抗値は、好ましくは1×10Ω/cmである。上記電気抵抗値の上限は特に限定されない。
電極積層体を得るために、絶縁体とアノードとを有する複合部材を用いてもよい。例えば、上記複合部材として、例えば、基材の第1の表面が、アノードを構成する導電性カーボン材料などで被覆され、基材の第1の表面とは反対の表面が、絶縁体となる非導電性材料で被覆された複合部材を用いてもよい。
上記絶縁体の材料は樹脂であることが好ましい。上記絶縁体の材料である上記樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。絶縁性に優れることから、上記絶縁体の材料である樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリ塩化ビニル樹脂であることが好ましい。
上記絶縁体は、液を透過可能であることが好ましい。上記絶縁体は、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜であることが好ましい。
絶縁体の剥離を抑える観点からは、上記絶縁体が、上記微生物燃料電池用電極と熱融着されていることが好ましい。
上記透気性防水性フィルムを積層することで、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等を用いて撥水処理を行わなくても、空気層から導電性基材(カソード)に酸素を供給し、導電性基材の上記第1の表面とは反対側の第2の表面側からの廃水の漏れを抑え、防水性能を付与することができる。
上記エアカソードに用いられる上記透気性防水性フィルムは、酸素などの気体を透過する透気性を有するとともに水を通さない性質(防水性)を有する。上記透気性防水性フィルムは、必要に応じて、片面又は両面に、不織布、クロスヤーン及び他のフィルム等が積層された状態で用いられてもよい。上記透気性防水性フィルムは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記導電性基材の上記第1の表面に透気性防水性フィルムを積層することにより、PTFE等の高価な撥水層を用いなくても、空気層から導電性基材に酸素を供給し、かつエアカソード外部に廃水を漏洩しない防水性能を付与することが可能である。
上記透気性防水性フィルムの加工方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂と無機材料とを含む樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸加工する方法等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。上記無機材料としては、炭酸カルシウム等が挙げられる。
上記透気性防水性フィルムの市販品としては、積水フィルム社製「セルポア」、三菱樹脂社製「KTF」及び「エクセポール」、並びに、トクヤマ社製「ポーラム」及び「NFシート」等が挙げられる。
上記エアカソードに用いられる上記透気性防水性フィルムの厚みは、好ましくは15μm以上、好ましくは1mm以下である。上記透気性防水性フィルムの厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記透気性防水性フィルムの厚みが上記上限以下であると、酸素透過性がより一層高くなる。
次に、基材と、上記基材の表面を被覆している導電部とを有し、上記基材が上記導電部で被覆されることで構成されており、上記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されている電極について、具体的に説明する。
図3は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第1の例を模式的に示す断面図である。
図3に示す電極1は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる。電極1は、微生物燃料電池用電極積層体において、アノード及びカソードの内の少なくとも一方に用いられる。電極1は、アノード及びカソードの双方に用いられることが好ましい。
電極1は、基材11と、基材11の表面を被覆している導電部12とを備える。導電部12は、基材11の少なくとも一方の表面上に、基材11に接するように配置されている。
電極1は、基材11が導電部12で被覆されることで構成されている。導電部12は、基材11の厚み方向の両側の表面上に配置されている。導電部12は、例えば被膜である。なお、図示の便宜上、図3では、導電部12は、ある程度の厚みで図示されているが、導電部12の厚みは特に限定されない。
導電部12は、導電性カーボン材料を用いて形成されている。導電部12は、導電性カーボン材料及び樹脂を用いて形成されていることが好ましい。
図4は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第2の例を模式的に示す断面図である。
図4に示す電極1Aは、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる。電極1Aは、微生物燃料電池において、アノード及びカソードの内の少なくとも一方に用いられる。電極1Aは、アノード及びカソードの双方に用いられることが好ましい。
電極1Aは、基材11と、基材11の少なくとも一方の表面を被覆している導電部12Aとを備える。導電部12Aは、基材11の少なくとも一方の表面上に、基材11に接するように配置されている。導電部12Aは、少なくとも導電性カーボン材料を用いて形成されている。
導電部12Aは、第1の導電部16Aと、第2の導電部17Aとを有する。第1の導電部16Aと、第2の導電部17Aとは、別の領域に形成されている。第1の導電部16Aは、第2の導電部17Aより導電性が高く、例えば金属を含む材料により形成されていることが好ましい。第2の導電部17Aは、導電性カーボン材料により形成されている。第2の導電部17Aは、導電性カーボン材料及び樹脂により形成さていることが好ましい。
電極1Aは、基材11と導電部12Aとで構成されており、基材11と第1の導電部16Aと第2の導電部17Aとで構成されている。
導電部12Aは、基材11の厚み方向の両側の表面上に配置されており、基材11の厚み方向の両側の表面を被覆している。なお、図示の便宜上、図4では、導電部12A、第1の導電部16A及び第2の導電部17Aは、ある程度の厚みで図示されているが、導電部12A、第1の導電部16A及び第2の導電部17Aの厚みは特に限定されない。
第1の導電部16Aは、面状に形成されている。第1の導電部16Aは、導電層である。第1の導電部16Aは、基材11に接している。第1の導電部16Aは、基材11の表面上の全体に形成されている。
第1の導電部16Aの基材11側とは反対側の表面上に、第2の導電部17Aが形成されている。第2の導電部17Aは、面状に形成されている。第2の導電部17Aは、導電層である。第2の導電部17Aは、第1の導電部16Aに接している。第2の導電部17Aは、基材11に接していない。第2の導電部17Aは、第1の導電部16Aの基材11側とは反対の表面上の全体に形成されている。
電極1Aでは、第2の導電部17A、第1の導電部16A、基材11、第1の導電部16A及び第2の導電部17Aがこの順で並んで配置されている。
第1の導電部16Aの表面は、第2の導電部17Aにより覆われている。例えば、第1の導電部16Aが金属を含む材料により形成されている場合には、第1の導電部16Aの腐食が生じやすい傾向がある。しかし、第1の導電部16Aの表面を、第2の導電部17Aにより覆うことで、第1の導電部16Aの腐食を抑えることができる。
図5は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第3の例を模式的に示す断面図である。
図5に示す電極1Bは、基材11と、基材11の少なくとも一方の表面を被覆している導電部12Bとを備える。導電部12Bは、基材11の少なくとも一方の表面上に、基材11に接するように配置されている。導電部12Bは、少なくとも導電性カーボン材料を用いて形成されている。
導電部12Bは、第1の導電部16Bと、第2の導電部17Bとを有する。第1の導電部16Bと、第2の導電部17Bとは、別の領域に形成されている。第1の導電部16Bは、導電性カーボン材料以外の導電性材料により形成されており、例えば金属を含む材料により形成されていることが好ましい。第2の導電部17Bは、導電性カーボン材料により形成されており、導電性カーボン材料及び樹脂により形成さていることが好ましい。
電極1Bは、基材11と第1の導電部16Bと第2の導電部17Bとで構成されている。
導電部12Bは、基材11の厚み方向の両側の表面上に配置されており、基材11の厚み方向の両側の表面を被覆している。
第1の導電部16Bは、基材11の表面上において、直交する2方向に線状に延びており、パターン状に形成されており、網状に形成されている(形状の例として、後述する図10参照)。第1の導電部16Bは、基材11に接している。第1の導電部16Bは、基材11の表面上の一部の領域に形成されている。
第1の導電部16Bの基材11側とは反対側の表面上に、第2の導電部17Bが形成されている。第2の導電部17Bは、面状に形成されている。第2の導電部17Bは、導電層である。第2の導電部17Bは、第1の導電部16Bがない領域において、基材11に接している。第2の導電部17Bは、第1の導電部16Bに接している。第2の導電部17B内に、第1の導電部16Bが埋め込まれている。第2の導電部17Bは、第1の導電部16Bの表面上の全体に形成されている。第2の導電部17Bは、基材11の第1の導電部16Bがない領域と第1の導電部16Bとの表面上の全体に形成されている。
電極1Bでは、第1の導電部16Bがある部分において、第2の導電部17B、第1の導電部16B、基材11、第1の導電部16B及び第2の導電部17Bがこの順で並んで配置されている。電極1Bでは、第1の導電部16Bがない部分において、第2の導電部17B、基材11及び第2の導電部17Bがこの順で並んで配置されている。
第1の導電部16Bの表面は、第2の導電部17Bにより覆われている。例えば、第1の導電部16Bが金属を含む材料により形成されている場合には、第1の導電部16Bの腐食が生じやすい傾向がある。しかし、第1の導電部16Bの表面を、第2の導電部17Bにより覆うことで、第1の導電部16Bの腐食を抑えることができる。
第1の導電部16Bは網状でありかつ一部の領域に形成されているので、電極1Bの第1の導電部16Bにおける導電性材料の使用量は、電極1Aの第1の導電部16Aにおける導電性材料の使用量よりも少ない。このため、コストを低減することができる。
また、基材11が樹脂基材である場合に、導電性カーボン材料により形成された第2の導電部17Bは、導電性材料により形成された第1の導電部16Bと比べて、樹脂基材に対して強固に接合させることができる。
図6は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第4の例を模式的に示す断面図である。
図6に示す電極1Cは、基材11と、基材11の少なくとも一方の表面を被覆している導電部12Cとを備える。導電部12Cは、基材11の少なくとも一方の表面上に、基材11に接するように配置されている。導電部12Cは、少なくとも導電性カーボン材料を用いて形成されている。
導電部12Cは、第1の導電部16Cと、第2の導電部17Cとを有する。第1の導電部16Cと、第2の導電部17Cとは、別の領域に形成されている。第1の導電部16Cは、導電性カーボン材料以外の導電性材料により形成されており、例えば金属を含む材料により形成されていることが好ましい。第2の導電部17Cは、導電性カーボン材料により形成されており、導電性カーボン材料及び樹脂により形成さていることが好ましい。
電極1Cは、基材11と第1の導電部16Cと第2の導電部17Cとで構成されている。
導電部12Cは、基材11の厚み方向の両側の表面上に配置されており、基材11の厚み方向の両側の表面を被覆している。
第2の導電部17Cは、面状に形成されている。第2の導電部17Cは、導電層である。第2の導電部17Cは、基材11に接している。第2の導電部17Cは、基材11の表面上の全体に形成されている。
第2の導電部17Cの基材11側とは反対側の表面上に、第1の導電部16Cが形成されている。第1の導電部16Cは、直交する2方向に線状に延びており、パターン状に形成されており、網状に形成されている。第1の導電部16Cは、基材11と接していない。第1の導電部16Cは、第2の導電部17Cと接している。第1の導電部16Cは、第2の導電部17Cの基材11側とは反対の表面上の一部に形成されている。
電極1Cでは、第1の導電部16Cがある部分において、第1の導電部16C、第2の導電部17C、基材11、第2の導電部17C及び第1の導電部16Cがこの順で並んで配置されている。電極1Cでは、第1の導電部16Cがない部分において、第2の導電部17C、基材11及び第2の導電部17Cがこの順で並んで配置されている。
第1の導電部16Cは網状でありかつ一部の領域に形成されているので、電極1Cの第1の導電部16Cにおける導電性材料の使用量は、電極1Aの第1の導電部16Aにおける導電性材料の使用量よりも少ない。このため、コストを低減することができる。
また、基材11が樹脂基材である場合に、導電性カーボン材料により形成された第2の導電部17Cは、導電性材料により形成された第1の導電部16Cと比べて、樹脂基材に対して強固に接合させることができる。
図7は、微生物燃料電池用電極積層体に用いられる微生物燃料電池用電極の第5の例を模式的に示す断面図である。
図7に示す電極1Dでは、導電部12Dが基材11の厚み方向の両側ではなく、基材11の片側の表面上のみに配置されている。導電部12Dが基材11の片側の表面上のみに配置されていることを除いては、電極1Dは、電極1と同様に形成されている。
導電部は、基材の厚み方向の片側の表面上のみに配置されていてもよい。導電部は、基材の片側の表面の全体を被覆していてもよく、基材の片側の表面の一部を被覆していてもよい。導電部は、基材の両側の表面の全体を被覆していてもよく、基材の両側の表面の一部を被覆していてもよい。
電極積層体の形状は特に限定されない。図8(a)〜(d)は、微生物燃料電池用電極積層体の形状の例を説明するための模式図である。
図8(a)に示すように、電極積層体51は、板状であってもよく、長尺状であってもよい。図8(b)に示すように、電極積層体52は、折り返し部を有していてもよく、ジグザグ状であってもよい。図8(c)に示すように、電極積層体53は、環状であってもよく、円環状であってもよい。図8(d)に示すように、電極積層体54は、渦巻き状であってもよい。電極は、フレキシブル性を有することが好ましく、折り曲げ可能であることが好ましい。基材が金属板ではない場合には、電極にフレキシブル性を付与し、電極を折り曲げ可能にすることができる。
導電部及び第2の導電部は、導電性カーボン材料、樹脂及び有機溶剤を含む導電性カーボン材料含有液を、基材に塗布した後、上記有機溶剤を蒸発させて除去することにより形成されていることがより好ましい。電極は、導電性カーボン材料、樹脂及び有機溶剤を含む導電性カーボン材料含有液を、基材に塗布した後、上記有機溶剤を蒸発させて除去することにより得られていることが好ましい。この場合に、電極の抵抗率を、良好な範囲に制御することが容易である。
微生物燃料電池用電極は、基材と、上記基材の少なくとも一方の表面を被覆している導電部とを備え、上記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されている。このような電極を備える電極積層体では、導電性を高くし、耐腐食性を高くし、かつ安価にすることができる。さらに、本発明では、微生物燃料電池用電極積層体を用いた微生物燃料電池の電気エネルギーの回収効率を高めることができる。
電気エネルギーの回収効率をより一層高め、上記導電部の耐久性を高める観点からは、上記微生物燃料電池用電極の抵抗率は、好ましくは10−5Ω・cm以上、より好ましくは10−4Ω・cm以上、好ましくは10Ω・cm以下、より好ましくは10Ω・cm以下である。なお、上記抵抗率は、後述する実施例1の評価の欄の記載に従って、測定することができる。
電極をより一層安価にすることができることから、本発明では、基材の材料は、金属ではないことが好ましい。但し、基材の材料は、金属であってもよい。基材の材料は、導電性カーボン材料ではないことが好ましい。
従来、金属や、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト及びグラファイトクロス等のカーボン材料が、導電性材料として用いられている。このような金属や、カーボン材料により形成された基材を用いた場合には、電極のコストが高くなる。これに対して、本発明では、基材の表面上に配置する材料として、導電性カーボン材料を用いている。このため、電極全体に含まれる導電性カーボン材料の使用量を少なくすることができる。この結果、電極のコストがかなり低くなる。
上記基材は、導電性基材であってもよい。電極をより一層安価にすることができることから、本発明では、導電性基材の材料は、カーボン材料ではないことが好ましい。
上記導電性基材の材料としては、金属等が挙げられる。上記導電性基材は、金属製導電性基材であることが好ましい。上記金属としては、ステンレス、チタン、銅及びアルミニウム等が挙げられる。電極のコスト及び耐腐食性をより一層良好にする観点からは、上記金属は、ステンレスであることが好ましい。
上記基材は、非導電性基材であることが好ましい。非導電性基材の抵抗率は、一般に1010Ω以上である。
上記基材は、金属基材ではないことが好ましい。上記基材の材料は、金属ではないことが好ましい。上記金属には、金属の合金が含まれる。非導電性能に優れることから、上記基材は、樹脂基材であることが好ましい。上記基材の材料は、樹脂であることが好ましい。上記基材の材料である上記樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。非導電性能に優れることから、上記基材の材料である樹脂は、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂又はポリ塩化ビニル樹脂であることが好ましい。
上記基材は、液を透過可能である。液を透過可能であり、かつ導電部の保持性に優れることから、上記基材は、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜であることが好ましい。
上記導電性カーボン材料含有液は、上記導電性カーボン材料を含む。上記導電性カーボン材料含有液中に、上記導電性カーボン材料は分散されている。上記導電部は、上記導電性カーボン材料を含む。上記導電性カーボン材料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電性カーボン材料としては、炭素繊維、チョップドカーボン、ミルドカーボン、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、グラファイト及びカーボンナノチューブ等が挙げられる。電極の導電性をより一層高くする観点からは、上記導電性カーボン材料は、炭素繊維、チョップドカーボン、ミルドカーボン、カーボンブラック、活性炭、黒鉛、グラファイト又はカーボンナノチューブであることが好ましい。これらの好ましい導電性カーボン材料を用いる場合に、導電性カーボン材料は2種以上が併用されてもよい。
上記導電性カーボン材料のアスペクト比は好ましくは3以上、より好ましくは10以上である。上記導電性カーボン材料のアスペクト比は、100以下であってもよく、10以下であってもよい。上記導電性カーボン材料のアスペクト比が大きいほど、導電性カーボン材料の含有量が同じであるときに、導電性がより一層高くなる。上記アスペクト比は、長軸長さの短軸長さに対する比を示す。
上記導電性カーボン材料含有液において、上記樹脂100重量部に対して、上記導電性カーボン材料の含有量は好ましくは10重量部以上、より好ましくは30重量部以上、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下である。上記導電部又は上記第2の導電部において、上記樹脂に由来する樹脂成分100重量部に対して、上記導電性カーボン材料の含有量は好ましくは10重量部以上、より好ましくは30重量部以上、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下である。上記導電性カーボン材料の含有量が上記下限以上であると、電極の導電性がより一層高くなる。上記導電性カーボン材料の含有量が上記上限以下であると、電極が脆くなり難い。
上記導電性カーボン材料含有液は、上記樹脂を含む。上記導電部及び上記第2の導電部を形成するために、上記樹脂を用いることが好ましい。上記樹脂は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記導電性カーボン材料含有液に含まれる上記樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、メチルセルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂及びポリビニルブチラール樹脂等が挙げられる。導電性カーボン材料の分散性がよく、水への溶解性が低く、水以外の多くの有機溶剤への溶解性が高く、蒸発除去が容易であり、更に微生物により分解されにくいため、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂又はポリビニルブチラール樹脂が好ましい。
上記導電部、上記第2の導電部及び上記導電性カーボン材料含有液に含まれる上記樹脂は、架橋性樹脂であることが好ましい。上記第2の導電部を形成するために、上記架橋性樹脂を架橋させることが好ましい。上記有機溶剤を蒸発させて除去した後に、上記架橋性樹脂を架橋させることが好ましい。但し、上記有機溶剤を蒸発させる前又は蒸発させる時に、上記架橋性樹脂を架橋させてもよい。上記架橋性樹脂を架橋させることで、電極の耐久性が高くなる。また、緻密な導電部及び第2の導電部を形成でき、導電部及び第2の導電部の基材又は第1の導電部の表面からの剥離を抑えることができ、更に電極の導電性をより一層高めることができる。上記導電部及び上記第2の導電部は、上記樹脂(架橋性樹脂など)に由来する樹脂成分を含む。上記導電部及び上記第2の導電部は、上記架橋性樹脂が架橋した樹脂(樹脂成分)を含むことが好ましい。
上記架橋性樹脂を架橋させる方法としては特に限定されず、ラジカル開始剤を用いる架橋方法、紫外線、電子線又は放射線等の活性放射線による架橋方法、硬化剤を用いる架橋方法、並びに架橋剤を用いる架橋方法等が挙げられる。
上記導電性カーボン材料含有液は、上記有機溶剤を含む。上記有機溶剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記有機溶剤としては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−オクタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ナフサ、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチレンクロライド、プロピレンクロライド、エチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素、トルエン、キシレン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、酢酸、テルピネオール、ブチルカルビトール及びブチルカルビトールアセテート等が挙げられる。なかでも、適度な温度で蒸発させることができ、更に導電性カーボン材料の分散性に優れていることから、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン又はナフサが好ましい。
上記導電性カーボン材料含有液において、上記樹脂100重量部に対して、上記有機溶剤の含有量は好ましくは30重量部以上、より好ましくは50重量部以上、好ましくは1000重量部以下、より好ましくは500重量部以下、更に好ましくは300重量部以下である。上記有機溶剤の含有量が上記下限以上であると、導電性カーボン材料含有液の粘度がより一層低くなり、導電性カーボン材料含有液の塗布性がより一層高くなる。上記有機溶剤の含有量が上記上限以下であると、有機溶剤を蒸発させるための時間がより一層短くなる。
上記導電性カーボン材料含有液における有機溶剤の含有量は、導電性カーボン材料含有液を塗布する際に適用される塗布方法に適した粘度となるように適宜調整することができる。
上記基材又は上記第1の導電部に上記導電性カーボン材料含有液を塗布する方法は、特に限定されない。この塗布方法としては、スプレー塗布、カーテンフロー塗布、ロールコート、ハンドレイアップ、スプレーアップ、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、及びインクジェット印刷等が挙げられる。有機溶媒の蒸発による除去は常温で行われてもよく、加温により行われてもよい。
導電部を形成する材料は、金属もしくは少なくとも一部が金属で構成される材料であることが好ましい。上記第1の導電部は、導電性カーボン材料以外の導電性材料により形成されていることが好ましく、上記第1の導電部の材料は金属を含むことが好ましい。上記金属は、銀、銅、金、アルミニウム、マグネシウム、タングステン、コバルト、亜鉛、ニッケル、黄銅、カリウム、リチウム、鉄、白金、錫、クロム、鉛、チタン、水銀等、これらの少なくとも1つを含む合金、又は、ステンレス等であることが好ましい。耐腐食性を高める観点から、銀、金、タングステン、白金、錫、クロム、チタン、ステンレスがより好ましい。
良好な上記導電部を形成可能であることから、上記基材上に、上記導電部を形成するための上記導電性カーボン材料を配置する方法は、ロール・ツー・ロール方式であることが好ましい。良好な上記第2の導電部を形成可能であることから、上記基材又は上記第1の導電部に、第2の導電部を形成するための上記導電性カーボン材料及び樹脂を配置する方法は、ロール・ツー・ロール方式であることが好ましい。良好な第1の導電部を形成可能であることから、上記基材又は上記第2の導電部に、第1の導電部を形成するための導電性材料を配置する方法は、ロール・ツー・ロール方式であることが好ましい。導電部により被覆される前の上記基材は、ロールの形態であることが好ましい。
図9(a)及び(b)は、導電部の形成方法の例を説明するための模式図である。
図9(a)に示すように、電極61を得るために、基材62の表面上に、ロール状の導電部63を展開することで、基材62の表面上に、導電部63を形成してもよい。
次に、図9(b)に示すように、電極61Aを得るために、ロール状の基材62Aを展開し、基材62Aの表面上に、例えば導電性カーボン含有液を塗布し、基材62Aの表面上に、導電部63Aを形成してもよい。
図10(a)及び(b)は、導電部の形成方法の例を説明するための模式図である。
図10(a)に示すように、ロール状の基材62Bを展開し、基材62Bの表面上に、ロール状の第1の導電部63Bを展開することで、基材62Bの表面上に、第1の導電部63Bを形成してもよい。ここでは、第1の導電部63Bは、基材の表面上において、直交する2方向に線状に延びており、網状に形成されている。
次に、図10(b)に示すように、電極61Bを得るために、第1の導電部63Bが形成された基材62B上に、ロール状の第2の導電部64Bを展開し、基材62B及び第1の導電部63Bの表面上に、第2の導電部64Bを形成してもよい。
上記基材には、酸素還元触媒が坦持又は塗布されていることが好ましい。上記電極は、上記基材の内部又は上記基材の表面上に配置された酸素還元触媒を備えることが好ましい。上記電極は、上記導電部の内部又は上記導電部の表面上に配置された酸素還元触媒を備えることが好ましい。
上記酸素還元触媒としては、白金等の貴金属触媒、鉄系触媒、マンガン系触媒及びカーボンアロイ系触媒等が挙げられる。上記白金等の貴金属触媒を用いた場合には、酸化還元性能がより一層高くなる。上記鉄系触媒、上記マンガン系触媒及び上記カーボンアロイ系触媒を用いた場合には、コストがより一層低くなる。
上記基材の厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。上記基材の厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記基材の厚みが上記上限以下であると、内部抵抗が低く、効率的に電気エネルギーを回収できる。
上記基材又は上記第1の導電部の上記導電性カーボン材料及び上記樹脂による被覆重量(上記基材又は上記第1の導電部の単位外形面積あたりの上記導電性カーボン材料及び上記樹脂による被覆重量)は好ましくは5g/m以上、好ましくは1,000g/m以下である。上記基材又は上記第1の導電部の表面上において、上記導電性カーボン材料及び樹脂に起因して形成される導電部又は第2の導電部の厚みは、好ましくは3μm以上、好ましくは300μm以下である。上記被覆重量、及び、上記導電部及び上記第2の導電部の厚みが上記下限以上であると、電極の導電性がより一層高くなる。上記被覆重量、及び、上記導電部及び上記第2の導電部の厚みが上記上限以下であると、電極のコストがより一層低くなる。また、上記導電性カーボン材料は、上記基材内に含まれてもよい。
上記基材又は上記第1の導電部の上記導電性カーボン材料及び上記樹脂による被覆重量(上記基材又は上記第1の導電部の単位外形面積あたりの上記導電性カーボン材料及び上記樹脂による被覆重量)は好ましくは5g/m以上、好ましくは1,000g/m以下である。上記基材又は上記第1の導電部の表面上において、上記導電性カーボン材料及び樹脂に起因して形成される第2の導電部の厚みは、好ましくは3μm以上、好ましくは500μm以下である。上記被覆重量及び上記第2の導電部の厚みが上記下限以上であると、電極の導電性がより一層高くなる。上記被覆重量及び上記第2の導電部の厚みが上記上限以下であると、電極のコストがより一層低くなる。また、上記導電性カーボン材料は、上記基材内に含まれてもよい。
上記基材の上記導電性カーボン材料及び上記樹脂、並びに上記導電性材料による被覆重量(上記基材の単位外形面積あたりの上記導電性カーボン材料及び上記樹脂、並びに及び上記導電性材料による被覆重量)は好ましくは5g/m以上、好ましくは1,000g/m以下である。上記基材の表面上において、上記導電性カーボン材料及び樹脂、並びに上記導電性材料に起因して形成される導電部の厚み(第1の導電部及び第2の導電部の合計の厚み)は、好ましくは10μm以上、好ましくは2,000μm以下である。上記被覆重量及び上記導電部の厚みが上記下限以上であると、電極の導電性がより一層高くなる。上記被覆重量及び上記導電部の厚みが上記上限以下であると、電極のコストがより一層低くなる。
電極における酸化還元性能をより一層高める観点からは、上記導電性カーボン材料含有液が、酸素還元触媒を含むことが好ましい。また、電極における酸化還元性能をより一層高める観点からは、上記電極は、上記有機溶剤を蒸発させて除去した後、酸素還元触媒を塗布することにより得られることが好ましい。電極における酸化還元性能をより一層高める観点からは、上記電極において、上記基材は、酸素還元触媒を担持していることが好ましい。上記酸化還元触媒は、上記導電部内に含まれることが好ましい。
上記酸素還元触媒としては、白金等の貴金属触媒、鉄系触媒、マンガン系触媒及びカーボンアロイ系触媒等が挙げられる。上記白金等の貴金属触媒を用いる場合には、酸化還元性能がより一層高くなる。上記鉄系触媒、上記マンガン系触媒及び上記カーボンアロイ系触媒を用いる場合には、コストがより一層低くなる。上記酸素還元触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
アノード及びカソードの内の少なくとも一方として、上述した微生物燃料電池用電極を用いて、微生物燃料電池を得ることができる。
図11は、図1に示す微生物燃料電池用電極積層体を用いた微生物燃料電池を模式的に示す断面図である。
図11に示す微生物燃料電池21は、図1に示す電極積層体31と、複数の空気供給部36とを備える。空気供給部36から、電極積層体31に、空気を供給可能である。空気供給部36は、空気室37と、空気室37を取り囲む透気性防水性フィルム38とを有する。2つの透気性防水性フィルム38の外周縁は、密閉されている。電極積層体31と、複数の空気供給部36と接している。
複数の空気供給部36は間隔を隔てて、並んで配置されている。電極積層体31は、長尺状である。電極積層体31は、複数の空気供給部36をまたがるように、配置されている。第1の空気供給部36に接している電極積層体31は、第1の空気供給部36の隣の第2の空気供給部36に向かって延びており、第2の空気供給部36に接している。さらに、第2の空気供給部36に接している電極積層体31は、第2の空気供給部36の隣の第3の空気供給部36に向かって延びており、第3の空気供給部36に接している。さらに、第3の空気供給部36に接している電極積層体31は、第3の空気供給部36の隣の他の空気供給部36に向かって延びており、他の空気供給部36に接している。
微生物燃料電池21では、透気性防水性フィルム38に、カソード34が接している。透気性防水性フィルム38とカソード34とで、エアカソードが構成されている。
電極積層体31は、有機性物質を含む液の入った容器26内に配置されている。
図11では、電極積層体31は略図的に示されている。電極積層体31のアノード32とカソード34とは、図示しない導線により接続されている。
なお、微生物燃料電池21では、アノード32に、有機性物質を含む液を接触させるために、これを流入及び流出させるための開口が容器26に設けられている。さらに、カソード34に空気を接触させるために、空気供給部36に空気を流入及び流出させるための開口が容器26に設けられている。
微生物燃料電池21のように、上記微生物燃料電池は、上述した微生物燃料電池用電極積層体と、上記アノードと上記カソードとを接続している導線とを備える。
上記アノードでは、表面に微生物が付着していることで、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成可能になる。また、必要に応じて、上記アノードにメディエータ(電子伝達体)が担持されていてもよく、微生物にメディエータ(電子伝達体)を加えてもよい。
微生物を効果的に担持可能であるように、アノードの比表面積が大きいことが好ましく、すなわちアノードの体積に対するアノードの面積の比率が大きいことが好ましい。また有機性物質を含む液を通過可能であるように、上記アノードは、孔を有することが好ましく、多孔質体であることが好ましい。上記微生物燃料電池用電極以外のアノードを用いる場合に、上記アノードの材料は、微生物を担持可能でありかつ導電性材料であれば特に限定されない。導電性材料としては、炭素繊維やチタンなどの各種の導電性金属が挙げられる。上記アノードの形態としては、網状体、織布、不織布、クロス及びフェルト等が挙げられる。したがって、アノードの具体例としては、カーボンペーパー、カーボンフェルト、ポーラスカーボン、カーボンクロス(炭素織布)、金属メッシュ、及び金属メッシュにカーボンブラック又は炭素繊維をコーティングしたコーティング物等が挙げられ、上記金属メッシュとしては、ステンレス及びチタン等が挙げられる。上記アノードは、比表面積を高めるために表面処理されていてもよい。
上記アノードの厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。上記アノードの厚みが上記下限以上であると、微生物をより一層効果的に担持可能である。上記アノードの厚みが上記上限以下であると、内部抵抗が低くなり、効率的に電気エネルギーを回収できる。
上記カソードの上記アノード側の表面と、上記アノードの上記カソード側の表面との間の間隔は、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。上記間隔が上記上限以下であると、内部抵抗が低くなり、効率的に電気エネルギーを回収できる。
上記有機性物質を含む液としては特に限定されないが、廃水、廃液、し尿、食品廃棄物、その他の有機性廃棄物及び汚泥等が挙げられる。上記微生物燃料電池は、電気エネルギーを回収可能な廃液処理装置として好適に用いられる。
上記微生物としては、嫌気性微生物及び好気性微生物が挙げられる。微生物は、嫌気性微生物であることが好ましい。嫌気性微生物は、嫌気性下で生育可能である。微生物は、好気性微生物であってもよい。
上記微生物としては、微生物の細胞膜内で電子伝達系を終結しない微生物が望ましい。細胞膜外で電子をアノードで捕捉しやすく、アノードへの電子伝達を触媒する微生物を利用することが望ましい。上記微生物として、硫黄S(0)還元菌、三価鉄Fe(III)還元菌、二酸化マンガンMnO還元菌、及び脱塩素菌などが好ましく用いられる。上記微生物として、例えばDesulfuromonas sp.、Desulfitobacterium sp.、Geobivrio thiophilus sp.、Clostridium thiosulfatireducens sp.、Thermoterrabacterium ferrireducens sp.、Geothrix sp.、Geobacter sp.、Geoglobus sp.、及びShewanella putrefaciens sp.などが特に好ましく用いられる。これらの微生物は、有機性物質中において主要な微生物ではないことが多い。このため、アノードにこれらの微生物を植菌し、アノードにこれらの微生物を担持させてもよい。
また、微生物燃料電池の使用開始時には微生物反応室内にこれらの微生物の増殖に適当な培地を供給することが望ましい。さらに、上記アノードの電位を高く維持することにより、上記アノードでのこれらの微生物の増殖を促すことがより望ましい。これらの微生物(群)を前培養もしくは微生物反応室内で培養するための方法として、スラリー状の硫黄、三価鉄、二酸化マンガンなどを電子受容体とする培地が各種報告されている。例えば、Ancylobacter/Spirosoma培地、Desulfuromonas培地、及びFe(III) Lactate Nutrient培地などが好ましく用いられる。
上記微生物燃料電池は、導電性が高く、耐腐食性が高く、かつ安価である微生物燃料電池用電極を備えていることから、電気エネルギーの回収効率が高く、長期使用に耐え、かつ安価であるという利点を有する。上記微生物燃料電池では、曝気の必要がなく、電気エネルギーの回収効率が高いので、省エネルギーの廃水処理装置として有効利用することができ、環境負荷の低減に大きく寄与する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
アノードとして、下記の手順にて導電性基材(ステンレスメッシュ、材質SUS304、80メッシュ、線径0.12mm)の表面に、導電性カーボン材料(粉体状の炭素)を固定したものを用いた。
導電性カーボン材料含有液として、JELCON CH−8(十条ケミカル社製、粉体状の炭素を含有、樹脂を含有、有機溶剤を含有)を用意した。
上記JELCON CH−8を上記ステンレスメッシュの表面に塗布し、120℃のオーブン内にて15分間静置することで、微生物燃料電池用電極を作製した。得られた微生物燃料電池用電極では、導電性基材の上記粉体状の炭素と上記樹脂とによる被覆重量は7g/mであった。
(抵抗率の評価)
抵抗率の測定:
得られた電極の電気抵抗率を、下記の独自の手順に従って測定した。
4探針法の測定の原理に関しては、JIS K7194−1994の図2に示されるように、試験片に4本の針状の電極を直線上に設置した。探針Aと探針Dとの間に電流(I)を流したときに、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差(V)を測定し、その抵抗(V/I)を求めた。次に、求めた抵抗(R)と試験片の厚さ(電極の厚さ)(t)とを乗じて、抵抗率(ρ)を算出した。
試験装置は、JIS K7194−1994の図3に示されるように、定電流源、電圧計、探針及び切替スイッチにより構成した。
定電流源は、試験片の抵抗によって印加電流Iを流すことのできる電流源である。印加電流Iの決め方は、次の通りとした。電流Iを探針Aから探針Dに向かって流したとき、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差をVとすると、抵抗は、V/Iとなる。この抵抗に対応する電流を選び、これを印加電流Iとした。印加電流Iは、試験片の抵抗によって選び、200mΩ未満のとき100mA、200mΩ以上、20Ω未満のとき10mA、20Ω以上、2kΩ未満のとき1mA、2kΩ以上、20kΩ未満のとき100μA、20kΩ以上、200kΩ未満のとき10μA、200kΩ以上、2MΩ未満のとき1μAを選んだ。
探針は、直径が0.5〜0.8mmの金属製の棒であり、棒の先端を球面状に加工した探針とした。4本の探針は、一直線状に等間隔に配列し、球面状に加工した一端を試験片に接触させた。隣り合う探針の間隔は5mmとし、隣り合う探針間の絶縁抵抗は1010Ω以上とした。測定中、各探針には、適切な力、例えば、1〜2Nの力を加えた。探針が試験片に深くめり込むような場合には、各探針に加える力を減じた。
試験片の形状及び寸法に関しては、長さ80.0±0.2mm、幅50.0±0.2mm及び厚さ20mm以下の直方体とした。なお、今回は上記寸法にて測定したが、上記寸法の試験片が得られない場合、寸法を変更することも可能である。ただし、寸法を変更した場合、寸法に応じて抵抗率を補正する必要がある。
抵抗率の測定方法に関しては、JIS K7194−1994の図3に示された測定回路を用いて、印加電流Iを探針Aから探針Dに向かって流し、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差Vを測定した。このときの探針Bと探針Cとの間の抵抗RはV/lとなる。次に、切替スイッチによって印加電流Iを逆方向(探針Dから探針A)に流し、探針Bと探針Cとの間に生じる電位差Vを測定した。このときの抵抗Rは、V/lの絶対値となる。探針Bと探針Cとの間の抵抗Rは、RとRの平均値とした。この抵抗Rは、抵抗率を算出するときに用いた。なお、印加電流Iの方向を切り替えると、電位差Vは負の値として電圧計に表示される。この場合、抵抗Rとして、V/Iの絶対値を採用する。
被膜と導電性基材とで構成される電極の抵抗率(ρ)は、式(1)により求めた。測定は、5つの試験片について行い、平均値を抵抗率として採用した。
ρ=t・R (1)
(ρ:抵抗率(Ω・cm)、t:試験片の厚さ(cm)、R:抵抗(Ω))
本測定手順は独自の手法であり、JIS K7194−1994を参考にしているが、補正係数(F)を用いない点はJIS K7194−1994と異なる。一方、明示していない部分はJIS K7194−1994に従う。
実施例1のアノードの抵抗率ρは、2×10−3Ω・cmであった。
カソードは下記の手順で得た。カーボンクロス(東レ社製、CO6343)の一方の面に透気性防水性フィルム(積水化学工業社製、セルポア、厚み30μm)を積層し、シーラーにより加熱融着した。上記カーボンクロスの他方の面に白金塗布量が4mg/cmとなるように白金触媒を塗布、乾燥しエアカソードを得た。
上記アノードと上記カソードとの間に絶縁体として2枚の不織布(オレフィン系材料、目付量60g/m)を、上記アノードと上記絶縁体を構成する2枚の不織布と上記カソードとがそれぞれ接触するように配置して、微生物燃料電池用電極積層体を得た。
(絶縁抵抗率の評価)
得られた電極積層体の絶縁抵抗率(水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積当たりの電気抵抗値)を下記の手順に従って測定した。
第1の導電性のないPETフィルム、第1の測定用集電体であるステンレスメッシュ(材質SUS304、80メッシュ、線径0.12)カソード、絶縁体、アノード、第2の測定用集電体であるステンレスメッシュ(上記第1の測定用集電体と同じ材料)、第2の導電性のないPETフィルムをそれぞれ接触するように、底部が平面である水槽に設置し、測定用電極積層体を構成した。さらにその上に、錘(1kg)を設置した。
第1、第2のPETフィルムの寸法は、7cm×7cmであった。第1、第2の集電体の寸法は、2.5cm×9cmであった。カソードとアノードの寸法は同一で5cm×5cmであった。絶縁体の寸法は6cm×6cmであった。なお、今回は上記寸法にて測定したが、上記寸法の試験片が得られない場合、寸法を変更することも可能である。上記の寸法は、アノードとカソードとがそれぞれ直接接しないようにすれば変更することができる。
水槽にはイオン交換水を入れ、水深は1cmとした。
測定装置は定電圧源、測定用抵抗、電圧計、測定用電極積層体により構成した。定電圧源の各端子を、測定用抵抗の一方の端子と測定用電極積層体の第1の測定用集電体とに接続し、測定用抵抗のもう一方の端子と第2の測定用集電体とを接続し、回路を構成した。電圧計は測定用抵抗の両端にかかる電圧を測定できるように、測定用抵抗の各端子に並列に接続した。
絶縁抵抗率Bの測定方法に関しては、上記回路を用いて、定電圧源から電圧Vを印加したまま静置し10分が経過したときの電圧計が示す電圧Vと、測定用抵抗Rと、測定用電極積層体におけるアノードの面積Aから、式(2)により求めた。測定は、20個の試験片について行い、最低値を絶縁抵抗率として採用した。
B=R・(V−V)/(A・V) (2)
(B:絶縁抵抗率(Ω/cm)、R:測定用抵抗(Ω)、V:定電圧源の電圧(V)、V:電圧計の測定電圧(V)、A:アノードの面積(cm))
実施例1の微生物燃料電池用電極積層体において、絶縁抵抗率Bは3×10Ω/cmであった。
(電気エネルギーの回収効率の評価)
得られた微生物燃料電池用電極積層体を用い、下記の手順に従って微生物燃料電池の出力密度を測定した。出力密度が高いほど、電気エネルギーの回収効率は高い。
得られた微生物燃料電池用電極積層体を用いて微生物燃料電池を作製し、スターチ等の有機性高分子を含む人工廃水(BOD濃度:800mg/L)を、上記電極積層体のアノードに接触するように30日間にわたり連続的に流入させた。流量は、アノードの外形面積当たりのBOD負荷量であるBOD面積負荷が、16g/m/日になるように設定した。上記人工廃水中には、発電を担う嫌気性微生物として土壌微生物を植種した。このときの負荷回路の両端における電位差を測定した。出力密度は式(2)により求めた。
P=V/R/A (2)
(P:出力密度、V:負荷回路の両端における電位差、R:負荷回路の抵抗値、A:アノードの外形面積)
出力密度Pは、100mW/mであった。得られた微生物燃料電池では、導電性に優れており、耐腐食性が高く、電気エネルギーの回収効率が高かった。また、得られた微生物燃料電池は、優れた有機物除去性能を示した。
(比較例1)
絶縁体である不織布の枚数を1枚にした以外は実施例1と同様の微生物燃料電池用電極積層体を作製し、実施例1と同様の方法で、電極の抵抗率と、電極積層体の絶縁抵抗率と、上記電極積層体を用いた微生物燃料電池の出力密度とをそれぞれ測定した。
結果、絶縁抵抗率Bは、9×10Ω/cmであった。出力密度Pは10mW/mであった。
1,1A,1B,1C,1D…電極
11…基材
12,12A,12B,12C,12D…導電部
16A,16B,16C…第1の導電部
17A,17B,17C…第2の導電部
21…微生物燃料電池
26…有機性物質を含む液の入った容器
31,31A…電極積層体
32,32A…アノード
33,33A…絶縁体
34,34A…カソード
35A…透気性防水性フィルム
36…空気供給部
37…空気室
38…透気性防水性フィルム
51〜54…電極積層体
61,61A,61B…電極
62,62A,62B…基材
63,63A…導電部
63B…第1の導電部
64B…第2の導電部

Claims (15)

  1. 微生物燃料電池に用いられ、
    アノードと、
    前記アノードの表面上に、前記アノードに接するように配置された絶縁体と、
    前記絶縁体の前記アノード側とは反対の表面上に、前記絶縁体に接するように配置されたカソードとを備え、
    前記絶縁体は液を透過可能であり、
    前記絶縁体は、水中における絶縁体の第1の主面と第2の主面との間の単位面積あたりの電気抵抗値が1×10Ω/cm以上である絶縁体であり、
    前記アノード及び前記カソードの内の少なくとも一方が、基材と、前記基材の表面を被覆している導電部とを有し、前記基材が前記導電部で被覆されることで構成されており、
    前記導電部が、導電性カーボン材料を用いて形成されている、微生物燃料電池用電極積層体。
  2. 前記導電部が前記導電性カーボン材料及び樹脂を用いて形成されている、請求項1に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  3. 前記絶縁体の材料が樹脂である、請求項1又は2に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  4. 前記絶縁体が、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  5. 前記基材の材料が樹脂である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  6. 前記基材の材料が金属である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  7. 前記基材が、メッシュ、織布、不織布又は細孔膜である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  8. 前記基材が、液を通過可能である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  9. 前記導電部が、前記導電性カーボン材料、及び、導電性カーボン材料以外の導電性材料を用いて形成されている、請求項1〜8のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  10. 前記導電部の内部又は前記導電部の表面上に配置された酸素還元触媒を備える、請求項1〜9のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  11. 前記導電部が、前記基材の両側の表面を被覆している、請求項1〜10のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  12. 前記アノード及び前記カソードの内の双方が、前記基材と、前記基材の表面を被覆している前記導電部とを有し、前記基材が前記導電部で被覆されることで構成されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  13. 前記絶縁体が、前記アノード及び前記カソードと熱融着されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  14. 前記カソードの前記絶縁体側とは反対側の表面上に配置された透気性防水性フィルムを備え、
    前記カソードと前記透気性防水性フィルムとでエアカソードが構成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体。
  15. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用電極積層体と、
    前記アノードと前記カソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池。
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