JP7063147B2 - 酵素発電デバイス用導電性基材、酵素発電デバイス用電極及び酵素発電デバイス - Google Patents
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Description
さらに、酵素発電デバイスの原理を用いて、対象物を検知しつつ、同時に発電が起こる自己発電型センサーとしても使用が可能である。
酵素反応を利用した酵素発電デバイスは、電池の構造をシンプルにでき、室温での作動が可能で、環境及び生体への親和性が高いなどの酵素燃料電池の特長が挙げられる、また、自己発電型センサーは電源とセンサーを兼ねていることから、小型・軽量化、低コスト化が可能となることに加え、酵素による高い基質選択性などに由来する高いセンシング精度を得ることができる。
上記から、酵素発電デバイスは、ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等の従来の電池には適さない分野における電源やセンサーデバイスとしての検討がなされている。
高い出力や高いセンシング精度を得るためには、導電性が良好な導電性基材が必要となるが、金属を用いる導電性基材はコストの点や経時酸化等の点で課題が残る。さらにウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合において、環境面や安全性、生体親和性などの観点でも課題となる。一方、金属を用いない導電性カーボンを用いた導電性組成物も様々な検討がなされているが、導電性が不十分である場合が多く、課題が残る。
特許文献1では、導電層にカーボンペーストを、特許文献2では、不織布上にカーボンブラック、バイオカーボン、気相法炭素繊維および活性炭からなる導電ペーストを使用する方法が記載されている。しかし、導電性が十分ではないため、安定的に高い出力を発揮することが困難であるという課題が残る。
特許文献3では、電極にカーボンペーパーやカーボンクロス、カーボンスポンジ等を使用する方法が記載されている。導電性に優れるものの、変形に対するクラックや、薄膜化が困難など、ウエアラブルデバイスへの使用には課題が残る、
すなわち、本発明は、非導電性基材と、該非導電性基材上に配置された導電層とを有する酵素発電デバイス用導電性基材であって、前記導電層が導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)とを含み、前記導電層の体積抵抗率が1×10-2Ω・cm以下であり、前記酵素発電デバイス用導電性基材を180°に折り曲げた前後での体積抵抗率の変化が200%以下である酵素発電デバイス用導電性基材に関する。
本発明の酵素発電デバイス用導電性基材は、例えば、紙やPET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム等の非導電性基材の少なくとも片側の表面に、導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)と、必要に応じて溶剤とを含有する導電性組成物を塗工、必要に応じてプレス処理等を行って、導電層を形成して導電性基材を得ることができる。
本発明において、使い捨て性や生体適合性等の観点から、導電性材料として導電性の炭素材料(A)を用いる。炭素材料としては導電性を有する炭素材料であれば、特に制限されない。導電性の炭素材料(A)としては、黒鉛、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、グラフェン、フラーレン等が挙げられる。これらを単独で、もしくは2種類以上併せて使用することが出来る。
カーボンの酸化処理は、カーボンを空気中で高温処理したり、硝酸や二酸化窒素、オゾン等で二次的に処理したりすることより、例えばフェノール基、キノン基、カルボキシル基、カルボニル基の様な酸素含有極性官能基をカーボン表面に直接導入(共有結合)する処理であり、カーボンの分散性を向上させるために一般的に行われている。しかしながら、官能基の導入量が多くなる程カーボンの導電性が低下することが一般的であるため、酸化処理をしていないカーボンの使用が好ましい。
また、用いるカーボンブラックの粒径は、一次粒子径で0.005~1μmが好ましく、特に、0.01~0.2μmが好ましい。ただし、ここでいう一次粒子径とは、電子顕微鏡などで測定された粒子径を平均したものである。
分散型樹脂微粒子は、樹脂微粒子が水系または非水系の分散媒中で溶解せずに、微粒子の状態で存在するもので、その分散体は、一般的にエマルジョンとも呼ばれる。これらは1種単独で用いても良く、2種以上併用しても良い。
樹脂微粒子の平均粒子径は、結着性や粒子の安定性の観点から、10~1000nmであることが好ましく、10~300nmであることが好ましい。なお、本発明における平均粒子径とは、体積平均粒子径のことを表し、動的光散乱法により測定できる。
動的光散乱法による平均粒子径の測定は、以下のようにして行うことができる。樹脂微粒子の固形分に応じて、分散媒と同じ分散液で200~1000倍に希釈しておく。該希釈分散液約5mlを測定装置(日機装社製名黒トラック)のセルに注入し、サンプルに応じた分散媒および樹脂の屈折率条件を入力後、測定を行う。この時得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークによって測定することができる。
なお、(メタ)アクリルは、メタクリルまたはアクリルを意味する。
導電性の炭素材料(A)と、分散型樹脂微粒子(B)とを均一に混合する場合、溶剤を適宜用いることが出来る。そのような溶剤としては、樹脂を溶解できるものや、樹脂微粒子エマルジョンを安定に分散できるものであれば特に限定されず、水や有機溶剤を挙げることが出来る。
また、溶剤は水と有機溶剤または有機溶剤を2種以上用いてもよい。
導電性組成物は導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)と必要に応じて溶媒(分散媒)を含有し、分散機や混合機などを用いてスラリー化(塗料化、インキ化)したものである。
導電性組成物を得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
基材の性質は特に制限されず、天然材料であっても合成材料であっても良い。環境および生体への親和性の観点から、天然もしくは生分解性材料を用いた紙、不織布、布等が好ましく、可とう性の基材の選定することで、ウエアラブル用途に好適である。上記以外にも、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、ポリイミド、ポリ塩ビニル、ポリアミド、ナイロン、OPP(延伸ポリプロピレン)、CPP(未延伸ポリプロピレン)などの樹脂基材を用いても良い。基材の厚みは特に制限されず、酵素発電デバイスの形状等に合わせて選択できる。
前記非導電性基材に、前記導電性組成物を塗工、必要に応じてプレス処理等を行って、導電層を形成することができる。
非導電性基材上に導電性組成物を塗工する方法としては、特に制限はなく公知の方法を用いることができる。
本発明に用いる導電層の体積抵抗率は、1×10-2Ω・cm以下である。体積抵抗率が、1×10-2Ω・cm以下であることで、導電性基材として好適に利用することができる。
また、非導電性基材上に導電層を設けた導電性基材を180°に折り曲げた後の体積抵抗率の変化は200%以下である。体積抵抗率の変化が200%以下であることで、フレキシブルデバイスの導電性基材として好適に利用することができる。
本発明に用いる分散型樹脂微粒子(B)の割合は、導電性や非導電性基材への密着性等の観点から、導電層中の全固形分に対して、10~30質量%が好ましく、15~25質量%がより好ましい。
導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)以外の成分として、溶解性樹脂やそれ以外の任意の成分を含んでも良い。導電性や密着性などの観点から、導電層中の全固形分に対する導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)の合計の割合は、好ましくは50~100質量%であり、より好ましくは80~100質量%である。
酵素発電デバイスは、酵素を電極触媒として利用し、糖類、アルコール及びその他のバイオマス資源を燃料として発電する発電デバイスである。糖やアルコールなどの有機物を燃料として、アノードで発生したe-(電子)およびイオンにより、カソード側の酸素還元反応を利用して発電することができる。又、発電の有無や発電量を検知することにより対象物(燃料)をセンシングすることが可能となり、電源とセンサーを兼ねるセンサーとして機能することができる。前記機能を有する発電型センサーは酵素発電デバイスの一種に含まれる。酵素発電デバイスの構成としては、燃料を酸化するアノードと、酸素還元が起こるカソードと、アノードとカソードを分離するセパレータを含む。但し、アノードとカソードを電気的に分離することができればセパレータは必ずしもなくても構わない。
また、アノードからカソード側にイオンを伝達するためのイオン伝導体を含んでいても良い。小型・軽量化や保存性等を考慮すると、燃料(センシング対象物)である尿や汗、血液中等に含まれるイオン伝導体を使用する形式の方が好ましい場合がある。
酵素発電デバイスで使用できる燃料としては、酵素によって酸化が促進される物質であればその種類は特に限定はされない。D-グルコース等の単糖類、デンプン等の多糖類、エタノール等のアルコール、有機酸などの有機物等が挙げられ、1種類のみでも2種類以上であってもよい。燃料はそのままの状態でアノードに含まれる酵素によって酸化可能なものであっても、加水分解等により、酸化可能な状態になるものであってもよい。
ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合、安全性や生体親和性などの観点から、燃料は糖を含むことが好ましい。糖の種類は特に制限されず、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコール類糖が挙げられる。
酵素発電デバイスのカソード用電極は、本発明の導電性基材上に酸素の還元を促進する触媒を含むことが好ましい。触媒の種類は特に制限されず、有機物であっても無機物であってもよい。有機物としては、ビリルビンオキシダーゼ、ラッカーゼ等の酵素の還元を促進する酵素が挙げられる。無機物としては、白金等の金属触媒やカーボンアロイ触媒等が挙げられる。使い捨て用途や生体親和性の観点からは、有機物やカーボンアロイ触媒が好ましく、コストや出力の安定性などから、カーボンアロイ触媒がさらに好ましい。
酵素を触媒に用いる場合は、酵素を担持するために、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)、メソポーラスカーボン、カーボンナノチューブ等を本発明の導電性基材上に塗工してもよく、導電性基材上に酵素を担持してもよい。
また、酵素の種類等、必要に応じてメディエータを含んでもよい。
酵素発電デバイスのアノード用電極は、本発明の導電性基材上に燃料の酸化を促進する酵素を含むことが好ましい。酵素の種類は特に制限せれず、酸化の対象となる燃料の種類に応じて選択でき、1種類でも2種類以上であってもよい。
また、酵素を担持するために、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラック等)やカーボンナノチューブ等の比表面積の大きい炭素や、メソポーラスカーボンなど、ミクロ~メソ孔を有する多孔質炭素を本発明の導電性基材上に含んでも良い。
カソード用電極と同様に、メディエータを含んでもよく、担持も同様に行うことができる。
酵素の種類によって、電極に直接電子を伝達できる直接電子移動型(DET型)酵素と直接電子を伝達できない酵素が存在する。DET型以外の酵素は、燃料の酸化によって生じた電子を酵素から電極(アノード)に伝達するまたは、アノードから受け取った電子を電極(カソード)から酵素に伝達する役割を担うメディエータと併用することが好ましい。メディエータとしては、電極と電子の授受ができる酸化還元物質であれば特に制限はなく、従来公知のものを使用できる。
導電性支持体は、アノードで発生した電子をカソードへの伝達や、電池反応で発生した電気を取り出すために用いるために用いられ、導電性を有する材料であれば特に限定されない。ウエアラブルデバイスや使い捨てデバイス等として使用する場合、安全性や生体親和性、易廃棄性などの観点から本発明の導電性基材をそのまま用いてもよく、カーボンペーパーや、カーボンフェルト、カーボンクロスを用いてもよい。
アノードとカソードとを電気的に分離(短絡の防止)できるセパレータを必要に応じて使用することができる。セパレータは特に限定されず従来公知の材料を用いる事ができる。具体的には、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ガラス繊維、樹脂不織布、ガラス不織布、濾紙、和紙等を用いることができる。
本発明におけるイオン伝導体はアノードとカソードの間でイオンの伝導を行うものである。イオン伝導体の形態はイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではない。イオン伝導体としては例えば、リン酸緩衝液などの液体に電解質が溶けている電解液や、固体のポリマー電解質などを使用しても良い。
(製造例1)
イオン交換水100質量部に水溶性樹脂(C-1:CMCダイセル#1240 ダイセル化学工業社製)1質量部をディスパーで撹拌しながら添加して溶解させた。その後、導電性の炭素材料(A-1:球状化黒鉛CGB-50 日本黒鉛社製)89質量部を添加した。次いで、サンドミルにて分散を行った。
次に水分散樹脂微粒子(B-1:アクリル樹脂水分散液 W-168 トーヨーケム社製 固形分50質量%)20質量部を添加し、ディスパーで混合し、表1に示す導電性組成物(1)を得た。
表1に示す組成比や材料を変更した以外は、導電性組成物(1)(製造例1)と同様の方法により、それぞれ導電性組成物(2)~(11)を得た。
(導電性の炭素材料(A))
黒鉛(A-a)
・A-1:球状化黒鉛 CGB-50(日本黒鉛社製)
・A-2:鱗片化黒鉛 CB-150(日本黒鉛社製)
・A-3:薄片化黒鉛 UP-20(日本黒鉛社製)
黒鉛以外の炭素材料(A-b)
・A-4:ライオナイト EC-200L(ライオン社製)
・A-5:ケッチェンブラック EC-300J(ライオン社製)
(分散型樹脂微粒子(B))
水分散樹脂微粒子
・B-1:アクリル樹脂水分散液 W-168(トーヨーケム社製 固形分50質量%)
・B-2:ポリオレフィン樹脂水分散液 ザイクセンAC(住友精化社製 固形分30質量%)
・B-3:スチレンブタジエン樹脂水分散液 TRD2001(JSR社製 固形分48質量%)、
(溶解性樹脂(C))
水溶性樹脂
・C-1:CMCダイセル#1240(ダイセル化学工業社製)
・C-2:クラレポバールPVA235(クラレ社製)
非水溶性樹脂
・C-3:KFポリマー#9100(クレハ社製)
(実施例1)
定性ろ紙(No.5C ADVANTEC社製)を室温でロールプレスを行い、厚み約140μmとしたろ紙を非導電性基材として使用した。
導電性組成物(1)を上記非導電性基材上にドクターブレードを用いて塗布した後、加熱乾燥を行った。その後、ロールプレスを行って、導電性基材(1)を得た。
導電層の体積抵抗率はロレスタGP(三菱化学アナリテック社製)を用いて、4端子法で測定(JIS-K7194)にて判定した。評価結果を表2に示す。
◎:「体積抵抗率が5×10-3Ω・cm以下(極めて良好)」
〇:「体積抵抗率が5×10-3Ω・cmを超え、1×10-2Ω・cm以下(良好)」
×:「体積抵抗率が1×10-2Ω・cmを超える(不良)」
導電層側を内側にして、導電性基材を180°の角度まで折り曲げ、割れの有無を確認した。その後、折り曲げた箇所を中心にして、前記導電層の抵抗率測定によって判定した。評価結果を表2に示す。
◎:「折り曲げ後の抵抗率変化が150%未満(極めて良好)」
〇:「折り曲げ後の抵抗率変化が150%を超え、200%以下(良好)」
×:「折り曲げ後の抵抗率変化が200%を超える(不良)」
××:「折り曲げ時に割れる(極めて不良)」
表2に示す導電性組成物を変更した以外は、実施例1と同様の方法により、それぞれ実施例の導電性基材(2)~(3)、(6)、(9)を得た。
定性ろ紙(No.5C ADVANTEC社製)を室温でロールプレスを行い、厚み約140μmとしたろ紙を非導電性基材とした使用した。
導電性組成物(4)を上記非導電性基材上にドクターブレードを用いて塗布した後、加熱乾燥を行って、導電性基材(4)を得た。
表2に示す導電性組成物を変更した以外は、実施例2と同様の方法により、それぞれ実施例の導電性基材(5)、(7)~(8)、(10)~(11)を得た。
本発明の導電性基材の代わりにカーボンペーパー(東レ社製)を用いて導電性基材(12)とした。
(実施例1~9、比較例1~3)
イオン交換水400質量部に水溶性樹脂(C-2:クラレポバールPVA235(クラレ社製))20質量部をディスパーで撹拌しながら添加して溶解させた後、導電性の炭素材料(A-4:ライオナイト EC-200L)60質量部を添加した。次いで、サンドミルにて分散を行った。次に水分散樹脂微粒子(B-1:アクリル樹脂水分散液 W-168(トーヨーケム社製 固形分50質量%))40質量部を添加し、ディスパーで混合し、アノード用電極用ペーストを得た。
前記、導電性基材((1)~(13))を1×3cm(面積:3cm2)に切り出した後、1×2cm(面積:2cm2)をテープでマスキング処理を行った後、マスキング処理を行っていない導電性基材上1×1cm(面積:1cm2)部分に上記アノード用電極用ペーストをドクターブレードを用いて塗布、加熱乾燥を行った後、マスキングテープを剥がした。アノード用電極用ペーストを塗工した1×1cm部分を電極とし、塗工していない1×2cm部分を導電性支持体とした。その後、テトラチアフルバレンのメタノール飽和溶液と、グルコースオキシダーゼ水溶液をそれぞれ滴下、自然乾燥させてアノード用電極(1)~(13)を得た。
(リニアスイープボルタメトリー(LSV)測定)
上記作製したアノード用電極と、対極(白金コイル電極)、参照電極(銀/塩化銀電極)が取り付けられた電解槽に電解液(イオン伝導体)として0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)を入れ、反応基質(センシング対象物)としてD-グルコースを0.1Mとなるように添加し、-0.2V(vsAg/AgCl)から+0.5V(vsAg/AgCl)の範囲でLSV測定を行なった。(電解液中にD-グルコースを添加しない同条件でLSV測定を行い、バックグラウンド補正を行った。)
LSV測定から得られたバックグラウンド補正後の酸化電流曲線から、酸化電流密度の最大値(mA/cm2)を、下記の基準を指標として評価した。評価結果を表3に示す。
(酵素の酸化活性)
◎:「グルコース酸化活性電流密度が10mA/cm2以上(極めて良好)」
〇:「グルコース酸化活性電流密度が5mA/cm2以上、10mA/cm2未満(良好)」
△:「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm2以上、5mA/cm2未満(使用可能)」
×;「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm2未満(不良)」
上記作製したアノード用電極を内側にして、180°の角度まで折り曲げ、割れの有無を確認した。その後、発電特性(1)と同様の方法により、下記の基準を指標として評価した。評価結果を表3に示す。
(酵素の酸化活性)
◎:「グルコース酸化活性電流密度が10mA/cm2以上(極めて良好)」
〇:「グルコース酸化活性電流密度が5mA/cm2以上、10mA/cm2未満(良好)」
△:「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm2以上、5mA/cm2未満(使用可能)」
×;「グルコース酸化活性電流密度が3mA/cm2未満(不良)」
××:「折り曲げ時に割れる(測定不可)」
一方、比較例1および2では、フレキシブル性が不十分であるため、折り曲げ後の抵抗率変化が大きくなる結果、発電特性が低下したと想定している。また、比較例4では折り曲げ時に割れ、評価するに至らず、ウエアラブルデバイス等への使用に大きく制限がかかるため、適当ではないと考える。
Claims (7)
- 非導電性基材と、該非導電性基材上に配置された導電層とを有する酵素発電デバイス用導電性基材であって、前記導電層が導電性の炭素材料(A)と分散型樹脂微粒子(B)とを含み、
前記導電層の体積抵抗率が1×10-2Ω・cm以下であり、前記酵素発電デバイス用導電性基材を180°に折り曲げた前後での体積抵抗率の変化(折り曲げ後の体積抵抗率/折り曲げ前の体積抵抗率)が200%以下である、酵素発電デバイス用導電性基材。 - 導電層の固形分の合計100質量%中の分散型樹脂微粒子(B)の含有率が10~30質量%であることを特徴とする請求項1に記載の酵素発電デバイス用導電性基材。
- 分散型樹脂微粒子(B)が水分散樹脂微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の酵素発電デバイス用導電性基材。
- 導電性の炭素材料(A)が少なくとも黒鉛(A-a)を含むことを特徴とする請求項1~3いずれかに記載の酵素発電デバイス用導電性基材。
- 導電層の固形分の合計100質量%中の炭素材料(A)の含有率が50~90質量%であり、炭素材料(A)に含まれる黒鉛(A-a)の含有率((A-a)/(A)×100)が25~100質量%であることを特徴とする請求項1~4いずれかに記載の酵素発電デバイス用導電性基材。
- 請求項1~5いずれかに記載の酵素発電デバイス用導電性基材を具備することを特徴とする酵素発電デバイス用電極。
- 請求項6に記載の酵素発電デバイス用電極をアノードおよび/またはカソードに具備することを特徴とする酵素発電デバイス。
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