JP6186959B2 - 触媒インキの製造方法、触媒インキ、触媒電極、燃料電池、および空気電池 - Google Patents

触媒インキの製造方法、触媒インキ、触媒電極、燃料電池、および空気電池 Download PDF

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Description

本発明は、ヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒を分散させた触媒インキの製造方法、触媒インキを用いた触媒層を備えた燃料電池、および空気電池の製造方法に関する。
燃料電池は、電気化学システムを用いて化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換できるシステムであり、高効率であるため次世代エネルギーとして期待されている。特に、固体高分子型燃料電池は自動車用、定置用、小型モバイル用に活発に開発が進められている。従来、これらの固体高分子型燃料電池の電極触媒には、高い酸素還元活性を有する白金や白金合金等を用いる白金系触媒が用いられているが、コスト、資源量、供給安定性の面から、白金系触媒以外の触媒(非白金系触媒と呼ぶ)の開発も求められている。しかしながら、現状では非白金系触媒の性能は、白金系触媒に比べて十分ではないため、非白金系触媒の特性向上と同時に、非白金系触媒の使いこなし技術の開発を行う必要がある。
非白金系触媒としては、例えば、特許文献1では、高分子金属錯体に炭素添加物を混合し熱処理した炭素化物に、窒素をドープした炭素材料が提案されている。このような窒素をドープした炭素材料は、酸素還元活性を有する非白金系触媒として利用することができる。また、特許文献2では、表面処理した炭素材料にイオン交換性官能基をグラフト化反応により導入した炭素材料が、非白金系触媒として使用できることが提案されている。
燃料電池や空気電池用の電極触媒から構成される触媒層は、触媒を液状媒体中に分散させた触媒インキをシート状基材上に塗工して作製することができる。通常は、シート状基材として転写基材を用い、転写基材上に触媒層を形成した後に、電極基材上に転写して触媒電極が作製されている。しかし、触媒粒子の分散性の悪い触媒インキを転写基材上に塗工すると、触媒粒子の凝集に起因して塗膜(触媒層)に塗工ムラやピンホールが生じ、好適な触媒層を得ることができないといった課題があった。また、その結果、触媒層の電極基材に対する密着性の低下や電池特性の低下(電流量低下、起電力低下等)を引き起こしてしまうという問題が生じている。
これらの問題を解決するために、白金系触媒を用いた触媒インキの分散性を改善する検討がなされている。例えば、特許文献3には、固体高分子型燃料電池用の白金系触媒、含フッ素イオン交換樹脂、アニオン系分散剤、及び分散媒を含む触媒インキが開示されている。また、特許文献4には、固体高分子型燃料電池用の白金系触媒、含フッ素イオン交換樹脂、ノニオン系分散剤、及び分散媒を含む触媒インキが開示されている。これらの発明によれば、分散剤を用いることにより触媒インキの塗工性、分散安定性が改善されている。しかしながら、さらなる触媒インキの分散性改善が求められており、また、これらの触媒インキでは触媒層の電極基材に対する密着性が不十分であるといった課題があった。
一方、非白金系の炭素触媒は、触媒インキ中で分散性が悪く凝集を引き起こし易いといった特性を有している。そのため、非白金系触媒インキの分散性及び分散安定性を改善することにより、上記の技術的課題を解決する手段が望まれている。
また、これら触媒は、空気電池用の触媒としても利用でき、電池性能の向上のためには同様の課題を解決する必要があった。
特開2008−282725号公報 特開2009−295441号公報 特開2003−45437号公報 特開2003−45440号公報
本発明が解決しようとする課題は、ヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒の分散性が良好であり、低粘度で保存安定性、塗工性に優れる触媒インキを提供することである。また、これらのインキを用いることにより、塗工ムラの発生が極めて少なく、電極基材との密着性が良好な触媒層、及び電池特性に優れる燃料電池、または空気電池を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。本発明は、触媒層を備えた電池に使用する触媒インキの製造方法であって、あらかじめ、ヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒(A)を分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを用いて分散させた分散体を作製する工程と、前記分散体にバインダー(D)を加える工程とを有する触媒インキの製造方法に関する。
に、本発明は、前記触媒インキを塗工して形成された触媒層の製造方法に関する。
更に、本発明は、前記触媒層を備えた燃料電池または空気電池の製造方法に関する。
本発明によれば、ヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒の分散性が良好であり、低粘度で保存安定性、塗工性に優れる触媒インキを提供することが可能となる。これらのインキを用いることにより、塗工ムラの発生が極めて少なく、電極基材との密着性に優れる触媒層、それを具有する燃料電池、および空気電池を得ることが可能となる。したがって、電池性能に優れた燃料電池、および空気電池を提供することが可能となる。
本発明の触媒インキは、少なくともヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒(A)と、分散剤(B)と、水性液状媒体(C)とを含有するものである。
そこで、まず本発明におけるヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒(A)(以下、非白金系炭素触媒(A)と記す。)について説明する。
<非白金系炭素触媒(A)>
非白金系炭素触媒とは、炭素原子の集合体を主体とした多成分系からなり、それらの構成単位間に物理的・化学的な相互作用(結合)を有し、異種元素、たとえば窒素(N)、ホウ素(B)、リン(P)などのヘテロ原子や遷移金属が含まれる触媒材料で、従来公知のものを使用することが出来る。具体例としては、ヘテロ原子や遷移金属が含まれる原料を焼成して得られる非白金系炭素触媒や、ヘテロ原子や遷移金属が含まれる原料と炭素材料を混合した後に焼成して得られるヘテロ原子や遷移金属がドープされた非白金系炭素触媒などが挙げられる。
ヘテロ原子と遷移金属を含有することは、酸素還元活性を有するうえで重要な意味をなす。一般的に非白金系炭素触媒の場合、その触媒活性点として、触媒表面に遷移金属を中心に、例えば、4個の窒素(N)が平面上に並んだ構造(遷移金属−N4構造と呼ぶ)部分における遷移金属や、炭素材料表面のエッジ部に導入されたヘテロ原子近傍の炭素原子などが挙げられる。
このような非白金系炭素触媒は、従来公知の白金を担持させた炭素材料と同様に、酸素還元触媒能を有し、燃料電池用電極触媒として好適に使用することができる。非白金系炭素触媒は、カソード、アノードの両方に使用することができるが、カソードとして通常用いられることが多い。
本発明に係る非白金系炭素触媒においては、非白金系炭素触媒中の窒素やホウ素、リンなどのドープ量が、それぞれ0.1〜40モル%であるときに、酸素還元に関して良好な触媒活性を示す。また、窒素とホウ素とを同時にドープしたときには、両者の相互作用により、より一層高い電極活性を示す。また、窒素とホウ素の双方をドープする場合には、原子比(B/N)は、0.2〜0.4、好ましくは0.06〜1.5であり、またモル比((B+N)/C)は、好ましくは0.03〜0.4である。これらの範囲内において、活性の高い非白金系炭素触媒を得ることができる。
(ヘテロ原子、遷移金属が含まれる原料)
本発明における非白金系炭素触媒として、窒素やホウ素等のヘテロ原子や、遷移金属が含まれる原料としては、ヘテロ原子及び/又は遷移金属を含有する材料であれば使用可能であり、有機化合物(色素、ポリマーなど)、無機化合物(金属単体、金属酸化物、金属塩など)を問わないものである。ヘテロ原子及び/又は遷移金属を含有する有機ポリマーとしては、フェノール系ポリマー、ポリイミド系ポリマー、ポリアミド系ポリマー、ポリアミドイミド系ポリマー、ポリアクリロニトリル系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、フェノールホルムアルデヒド樹脂系ポリマー、ポリイミダゾール系ポリマー、ポリピロール系ポリマー、ポリベンゾイミダゾール系ポリマー、メラミン系ポリマー、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、石炭、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。遷移金属としては、コバルト、鉄、ニッケル、マンガン、銅、チタン、バナジウム、クロム、亜鉛、スズ、アルミニウム、マグネシウムから選ばれる一種以上を含有することが好ましい。
その中でも、遷移金属元素を分子中に含有することが可能な、窒素を含有した芳香族化合物は、炭素触媒中に効率的に窒素元素と遷移金属元素を導入しやすいため好ましい。具体的には、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ポルフィリン系化合物、テトラアザアヌレン系化合物等が挙げられる。上記芳香族化合物は、電子吸引性官能基や電子供与性官能基を導入されたものであってもよい。特に、フタロシアニン系化合物は、様々な遷移金属元素を含んだ化合物が入手可能であり、コスト的にも安価であるため、原料としては特に好ましい。中でも、コバルトフタロシアニン系化合物、ニッケルフタロシアニン系化合物、鉄フタロシアニン系化合物は、高い酸素還元活性も有することで知られていることから、これらを原料に使用した場合、安価で高い酸素還元活性を有する炭素触媒を得ることができるためより好ましい。
(炭素材料)
本発明における非白金系炭素触媒の焼成前駆体として用いられる炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック及びミディアムサーマルカーボンブラック等のカーボンブラック、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン及び炭素繊維等が挙げられる。炭素粒子は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、嵩密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性などの様々な物性や、コストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択することができる。
市販の炭素材料としては、例えば、
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のアクゾ社製ケッチェンブラック;
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULT
RA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック;
VGCF、VGCF−H、VGCF−X等の昭和電工社製カーボンナノチューブ;
名城ナノカーボン社製カーボンナノチューブ;
xGnP−C−750、xGnP−M−5等のXGSciences社製グラフェンナノプレートレット;
Easy−N社製ナノポーラスカーボン;
カイノール炭素繊維、カイノール活性炭繊維などの群栄化学工業社製炭素繊維;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、上述のヘテロ原子や遷移金属が含まれる原料と炭素材料を混合した後に焼成して得られるヘテロ原子や遷移金属がドープされた非白金系炭素触媒の製造例について、以下に示すことが出来るが、これらに限定されるものではなく、従来公知の方法により製造することが出来る。
(a)窒素がドープされた炭素系触媒材料の製造方法
窒素がドープされた炭素系触媒材料を製造するには、まず、窒素源としての、フタロシアニン、アクリロニトリル、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)、メラミンなどの含窒素化合物と、フラン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の前駆体とを混合し、加熱反応させて、窒素化合物含有熱硬化性樹脂を得る。
例えば、含窒素化合物としてフタロシアニンを用い、熱硬化性樹脂の前駆体としてフルフリルアルコールを用いる場合には、これらの混合物に塩酸等の酸を添加し、好ましくは80〜200℃の範囲内の温度で加熱して、重合反応させることで、窒素化合物含有熱硬化性樹脂であるフタロシアニン含有フラン樹脂を得ることができる。上述した窒素のドープ量を0.1〜40モル%にするためには、フルフリルアルコールとメラミン又はフタロシアニンの配合比をC:N(モル比)を1:(0.07〜3)、好ましくは1:(0.1〜0.5)にする。
次いで、得られたフタロシアニン含有フラン樹脂を、窒素やヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、所定の温度で熱処理して炭素化する。この熱処理温度は炭素化可能な温度であれば、特に制限はないが、好ましい温度は400〜1500℃、より好ましい温度は500〜1200℃である。次いで、好ましくは遊星型ボールミル等の分散機で、微粉砕することにより、窒素がドープされた平均粒径45μm以下、好ましくは0.1μm以下の炭素系触媒材料を得ることができる。
また、窒素がドープされた炭素系触媒材料の別の製造方法としては、炭素材料としてアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、導電性炭素繊維、活性炭などを用い、窒素原子を有する化合物と混合して上記と同様に所定の温度で熱処理して炭素化することで得ることができる。この際、上記炭素材料は単独で用いても良いし、いくつかを混合してから用いることができる。
(B)ホウ素がドープされた炭素系触媒材料の製造方法
ホウ素がドープされた炭素系触媒材料を製造するには、まず、ホウ素源としての、BF3メタノール錯体又はBF3テトラヒドロフラン(THF)錯体等の含ホウ素化合物と、フラン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の前駆体とを混合し、加熱反応させて、ホウ素化合物含有熱硬化性樹脂を得る。
例えば、含ホウ素化合物としてBF3メタノール錯体を用い、熱硬化性樹脂の前駆体としてフルフリルアルコールを用いる場合には、好ましくは80〜200℃の範囲内の温度で加熱して、重合反応させることで、BF3含有フラン樹脂を得ることができる。上述したホウ素原子のドープ量を0.1〜40モル%にするためには、フルフリルアルコールとBF3の配合比をC:B(モル比)で1:(0.1〜1)、好ましくは1:(0.15〜0.6)にする。
次いで、得られたBF3含有フラン樹脂を、窒素やヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、上記(a)で述べた所定温度で熱処理して炭素化する。次いで、好ましくは遊星型ボールミル等のボールミルで、微粉砕することにより、ホウ素原子がドープされた平均粒径45μm以下、好ましくは0.1μm以下の炭素系触媒材料を得ることができる。
(C)窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料の製造方法(熱重合法)
窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料を製造するには、まず、含ホウ素化合物および含窒素化合物と、フラン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂の前駆体とを混合した後、加熱反応させて、ホウ素−窒素化合物含有熱硬化性樹脂を得る。
例えば、含ホウ素化合物としてBF3メタノール錯体を、含窒素化合物としてメラミンをそれぞれ用い、熱硬化性樹脂の前駆体としてフルフリルアルコールを用いる場合には、好ましくは80〜200℃の範囲内の温度で加熱して、重合反応させることで、BF3含有フラン樹脂を得ることができる。上述した窒素原子及びホウ素原子のドープ量をそれぞれ0.1〜40原子%にし、かつB/Nの原子比を0.2〜0.4にするためには、フルフリルアルコールとメラミンとBF3メタノール錯体の配合比をC:N:B(モル比)で1:(0.04〜2):(0.02〜1)、好ましくは1:(0.3〜0.7):(0.4〜1.5)にする。次いで、得られたフラン樹脂を窒素やヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、上記(a)で述べた所定の温度で炭素化することにより、窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料を得ることができる。
(d)窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料の製造方法(亜臨界法)
窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料を製造する別の方法としては、次の亜臨界法がある。この方法では、まず、フルフリルアルコール又はレゾール型フェノール樹脂の溶液に、含窒素化合物と、ホウ素源としてのBF3メタノール錯体又はBF3テトラヒドロフラン(THF)錯体等の含ホウ素化合物とを溶解して、重合反応を行う。
例えば、フルフリルアルコールのメタノール溶液、含窒素化合物としてのメラミン、及び含ホウ素化合物としてのBF3メタノール錯体を用いた場合には、200〜350℃のメタノール亜臨界又は超臨界条件下で、フルフリルアルコールの重合反応を行う。上述した窒素及びホウ素のそれぞれのドープ量を0.1〜40モル%にするためには、フルフリルアルコールとメラミンとBF3メタノール錯体の配合比をC:N:B(モル比)で、1:(0.2〜0.8):(0.1〜0.4)、好ましくは1:(0.3〜0.7):(0.15〜0.4)にする。次いで、得られた重合物を窒素やヘリウム等の不活性ガス雰囲気下、上記(a)で述べた所定温度で炭素化することにより、窒素及びホウ素がドープされた炭素系触媒材料を得ることができる。
本発明に係る炭素系触媒材料は、ゾルゲル法で作られた平均粒径10〜100nmのカーボン超微粒子を前駆体として用いる形態であってもよい。ここで、カーボン超微粒子は、以下のようにして製造される。まず、フェノールとホルムアルデヒドと炭酸ナトリウムのような塩基触媒を含む水溶液を調製する。この水溶液を所定の温度で所定の時間保持することにより、フェノールとホルムアルデヒドを反応させると、反応溶液中で高分子超微粒子が生成される。所定の温度は60〜90℃が好ましく、80〜90℃が更に好ましい。また所定の時間は1〜20時間が好ましく、8〜18時間が更に好ましい。次にこの反応溶液を液体窒素温度に冷却して、凍結し、乾燥することにより高分子超微粒子を回収する。更に続いて回収した高分子超微粒子を100〜250℃で0.5〜10時間、好ましくは200〜230℃で3〜6時間加熱硬化させる。この硬化した高分子超微粒子を上記(a)で述べた炭素化熱処理条件で加熱することにより炭素化して平均粒径10〜100nm、好ましくは10〜30nmのカーボン超微粒子を得ることができる。このような超微粒子を得るためには、フェノールとホルムアルデヒドと炭酸ナトリウムの配合重量比(フェノール:ホルムアルデヒド:炭酸ナトリウム)を1:(1〜2):(0.05〜0.2)、好ましくは1:(1.4〜1.6):(0.05〜0.1)にする。
<分散剤(B)>
本発明製造方法では、あらかじめ分散剤(B)で分散することで非白金系炭素触媒の凝集を緩和し、インキ中に触媒を均一に分散することができ、その結果、塗工後の触媒層においても膜中に触媒を均一に分布させることが可能となる。
本発明の分散剤(B)としては、水性液状媒体中で非白金系炭素触媒に作用するものであれば特に限定されるものではないが、カチオン性分散剤、アニオン性分散剤、ノニオン性分散剤などを使用することが出来る。
上記分散剤の中でも、水溶性を示す高分子系の樹脂が好ましく、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリルアミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等の多糖類の樹脂を含む高分子化合物が挙げられ、特に、エチレン性不飽和単量体を重合または共重合した水溶性の樹脂が好ましい。また、水溶性であれば、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良い。これら分散剤は、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
本発明で言う水溶性を示す樹脂とは、25℃の水99g中に樹脂1gを入れて撹拌し、25℃で24時間放置した後、分離・析出せずに水中で樹脂が完全に溶解可能なものである。
(カチオン性分散剤)
市販のカチオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。
ビックケミー社製のカチオン性分散剤としては、Disperbyk−108、109、112、116、130、161、162、163、164、166、167、168、180、182、183、184、185、2000、2001、2050、2070、2150、又はBYK−9077が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製のカチオン性分散剤としては、SOLSPERSE9000、13240、13650、13940、17000、18000、19000、20000、24000SC、24000GR、28000、31845、32000、32500、32600、33500、34750、35100、35200、37500、38500、又は39000が挙げられる。
エフカアディティブズ社製のカチオン性分散剤としては、EFKA4008、4009、4010、4015、4020、4046、4047、4050、4055、4060、4080、4300、4330、4400、4401、4402、4403、4406、4500、4550、4560、4570、4580、又は4800が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製のカチオン性分散剤としては、アジスパーPB711、アジスパーPB821、又はアジスパーPB822が挙げられる。
楠本化成社製のカチオン性分散剤としては、ディスパロン1850、1860、又はDA−1401が挙げられる。
共栄社化学製のカチオン性分散剤としては、フローレンDOPA−15B、フローレンDOPA−17等が挙げられる。
(アニオン性分散剤)
市販のアニオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。
ビックケミー社製のアニオン性分散剤としては、Anti−Terra−U、U100、203、204、205、Disperbyk−101、102、106、107、110、111、140、142、170、171、174、180、2001、BYK−P104、P104S、P105、9076、及び220S等が挙げられる。
日本ルーブリゾール社製のアニオン性分散剤としては、SOLSPERSE3000、21000、26000、36000、36600、41000、41090、43000、44000、及び53095等が挙げられる。
エフカアディティブズ社製のアニオン性分散剤としては、EFKA4510、4530、5010、5044、5244、5054、5055、5063、5064、5065、5066、5070、及び5071等が挙げられる。
味の素ファインテクノ社製のアニオン性分散剤としては、アジスパーPN411、及びアジスパーPA111等が挙げられる。
ELEMENTIS社製のアニオン性分散剤としては、NuosperseFX−504、600、605、FA620、2008、FA−196、及びFA−601等が挙げられる。
ライオン社製のアニオン性分散剤としては、ポリティA−550、及びポリティPS−1900等が挙げられる。
楠本化成社製のアニオン性分散剤としては、ディスパロン2150、KS−860、KS−873SN、1831、1860、PW−36、DA−1200、DA−703−50、DA−7301、DA−325、DA−375、及びDA−234等が挙げられる。
BASFジャパン社製のアニオン性分散剤としては、JONCRYL67、678、586、611、680、682、683、690、52J、57J、60J、61J、62J、63J、70J、HPD−96J、501J、354J、6610、PDX−6102B、7100、390、711、511、7001、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630、352J、252D、538J7640、7641、631、790、780、及び7610等が挙げられる。
三菱レイヨン社製のアニオン性分散剤としては、ダイヤナールBR−60、64、73、77、79、83、87、88、90、93、102、106、113、及び116等が挙げられる。
市販のノニオン性分散剤としては、特に限定されないが、例えば、以下のものが挙げられる。これらは単独で用いても、併用してもかまわない。
花王社製のアニオン性分散剤としては、エマルゲン 104P、エマルゲン 106、等のポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられる。
ISPジャパン社製のアニオン性分散剤としては、PVP K−15、PVP K−30、PVP K−60、及びPVP K−90等のポリビニルピロリドンが挙げられる。
(分散剤の分子量)
本発明の分散剤(B)の分子量は特に限定されないが、好ましくは高分子であり、重量平均分子量は1,000〜2,000,000が好ましく、さらに好ましくは3,000〜1,000,000である。界面活性剤等の分子量が小さい分散剤も使用できるが、触媒粒子に対する吸着率が低いため触媒インキの粘度上昇を引き起こしてしまう場合がある。分子量が大きすぎると、粘度上昇を引き起こしてしまう場合がある。重量平均分子量(Mw)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算分子量を示す。
(分散剤の酸価)
本発明の分散剤(B)は、分子全体における酸性官能基を有する単量体の構成比率を酸価で表すと0mgKOH/g以上750mgKOH/g以下の範囲であることが好ましく、更には0mgKOH/g以上500mgKOH/g以下の範囲であることが好ましい。
分散剤(B)の酸価が上記した範囲よりも高いと分散体の分散安定性が低下し、粘度が増加する傾向がある。
なお、酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠して測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<水性液状媒体(C)>
本発明に使用する水性液状媒体(C)としては、水を使用することが好ましいが、必要に応じて、例えば、電極基材もしくは転写基材への塗工性向上のために、水と相溶する液状媒体を使用しても良い。
水と相溶する液状媒体としては、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、アミノアルコール類、アミン類、ケトン類、カルボン酸アミド類、リン酸アミド類、スルホキシド類、カルボン酸エステル類、リン酸エステル類、エーテル類、ニトリル類等が挙げられ、水と相溶する範囲で使用しても良い。特に、プロトン伝導性ポリマーとの相溶性及び触媒インキ組成物とした場合の乾燥効率の問題から、アルコール類が好適に使用できる。アルコール類としては、例えば、沸点80〜200℃程度の1価のアルコールないし多価アルコールが利用でき、好ましくは炭素数が4以下のアルコール系溶剤が挙げられる。具体的には、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール等が挙げられる。これらの1価のアルコールの中でも、2−プロパノール、1−ブタノール及びt−ブタノールが好ましい。多価アルコールとしては具体的には、プロピレングリコール、エチレングリコール等が好ましく、中でもプロピレングリコールが特に好ましい。
<触媒インキの製造方法>
本発明の触媒インキの製造方法は、あらかじめ非白金系炭素触媒(A)を分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを用いて分散させた分散体を作製すれば良く、例えば下記の方法が挙げられる。
(1)非白金系炭素触媒(A)と分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを同時に分散機に投入して分散した分散体を作製する方法。
(2)非白金系炭素触媒(A)と分散剤(B)とを分散機に投入して分散した後、水性液状媒体(C)を混合して分散体を作製する方法。
(3)非白金系炭素触媒(A)と水性液状媒体(C)とを分散機に投入して分散した後、分散剤(B)を混合して分散体を作製する方法。
(4)分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを混合した後、混合液と非白金系炭素触媒(A)とを分散機に投入して分散して分散体を作製する方法。
上記の方法で得られた分散体に、バインダー(D)や、必要に応じて上記以外の他の任意成分を混合したり、さらに水性液状媒体(C)を加えて希釈することにより触媒インキが得られる。
あらかじめ、分散剤(B)を用いた分散体を作製することにより、分散剤が非白金系炭素触媒に対して有効に作用し、触媒活性や導電性を阻害することなく、分散安定性に優れた触媒インキを提供することができる。本発明の製造方法によって得られた触媒インキは、優れた分散安定性を示すだけでなく、保存安定性に優れる。また、前記分散体に必要に応じてプロトン伝導性ポリマーや撥水性材料を混合しても、その良好な分散状態を維持した触媒インキを得ることができる。
(分散機・混合機)
本発明の触媒インキを得る際に用いられる装置としては、顔料分散等に通常用いられている分散機、混合機が使用できる。
例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社「フィルミックス」等のホモジナイザー類;ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、若しくは奈良機械社製「MICROS」等のメディアレス分散機;または、その他ロールミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、分散機としては、分散機からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面をタングステンカーバイド溶射や樹脂コーティング等の処理をした分散機を用いることが好ましい。そして、メディアとしては、ガラスビーズ、または、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合についても、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用しても良いし、複数種の装置を組み合わせて使用しても良い。また、強い衝撃で粒子が割れたり、潰れたりしやすい正または負極活物質の場合は、メディア型分散機よりは、ロールミルやホモジナイザー等のメディアレス分散機が好ましい。
本発明の触媒インキは、少なくとも非白金系炭素触媒(A)と、分散剤(B)と、水性液状媒体(C)とを含有するものであり、非白金系炭素触媒、分散剤、及び水性液状媒体の割合は、特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択され得る。
分散剤(B)の含有量は、触媒インキ中の非白金系炭素触媒(A)に対し、好ましくは0.01〜25重量%、より好ましくは0.02〜10重量%である。この範囲の含有量とすることにより、非白金系炭素系触媒材料の分散安定性を十分に達成できると同時に、非白金系炭素触媒の凝集を効果的に防止でき、かつ触媒層表面へ分散剤の析出を防止できるため好ましい。
また、水性液状媒体(C)は、触媒インキを100重量%としたとき、好ましくは50〜99重量部%、より好ましくは60〜95重量%である。
塗工方法にもよるが、触媒インキの固形分5〜50重量%の範囲で、触媒インキの粘度は、10mPa・s以上、30,000mPa・s以下とするのが好ましい。
<バインダー(D)>
バインダー(D)は、非白金系炭素触媒などの粒子を結着させるために使用されるものである。
バインダーの具体例としては、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。又、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良く、水溶性の樹脂であっても、水分散型の樹脂であっても良い。これらバインダーは、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。
バインダー(D)としては、プロトン伝導性ポリマー、撥水性材料等を使用することもできる。
(プロトン伝導性ポリマー)
プロトン伝導性ポリマーとしては、パーフルオロスルホン酸系等のフッ素系イオン交換樹脂、スルホン酸基などの強酸性官能基を導入したオレフィン系樹脂、ポリイミド系樹脂等が挙げられる。例えば電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に非常に安定し、スルホン酸基の乖離度が高く、高いイオン導電性が実現できる。このようなプロトン伝導性ポリマーの具体例としては、デュポン社製の「Nafion」等が挙げられる。通常、プロトン伝導性ポリマーは、ポリマーを5〜30重量%程度含むアルコール水溶液として使用される。アルコールとしては、例えば、メタノール、プロパノール、エタノールジエチルエーテル等が使用される。
(撥水性材料)
撥水性材料としては、カソード側の触媒層において酸素と水素イオンが反応して生じる水、この余剰水の排水性がよく、ガス拡散性を妨げないものであればよい。撥水性材料の表面張力としては水の表面張力(約72dyn/cm)より低いものが良く、例えば、フッ素系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンが使用できるが、中でもフッ素系樹脂が好ましく、エマルションなどの水分散体の形態をとるものが好ましい。フッ素系樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などが挙げられる。
本発明の触媒インキにおいて、必要に応じてプロトン伝導性ポリマーや撥水性材料を併用する場合、非白金系炭素触媒(A)100重量部に対して、分散剤(B)が0.01〜25重量部、好ましくは0.02〜10重量部、プロトン伝導性ポリマーが10〜300重量部、好ましくは20〜250重量部、また、撥水性材料は5〜100重量部、好ましくは10〜90重量部である。また、水性液状媒体(C)は、触媒インキを100重量%としたとき、好ましくは50〜99重量部%、より好ましくは60〜95重量%である。
さらに、触媒インキには、導電助剤、成膜助剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、pH調整剤、粘性調整剤などを必要に応じて配合できる。
(導電助剤)
本発明における触媒インキには、導電性を向上させる目的で、必要に応じて導電助剤を添加することも可能である。導電助剤は、導電性を有する材料であれば特に限定されるものではないが、炭素系の導電助剤が好ましい。そのような例としては、グラファイト、カーボンブラック、導電性炭素繊維(カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンファイバー)、フラーレン等を単独で、もしくは2種類以上併せて使用することができる。導電性、入手の容易さ、およびコスト面から、カーボンブラックの使用が好ましい。
<触媒層>
触媒層は、前述の触媒インキを電極基材(カーボンペーパなど)に直接塗布して乾燥することにより形成しても良く、また触媒インキをテフロン(登録商標)シート等の剥離可能な転写基材に塗布乾燥することにより形成した後、固体高分子電解質膜に転写してもよい。
触媒インキの塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。また、乾燥方法としては放置乾燥、送風乾燥機、温風乾燥機、赤外線加熱機、遠赤外線加熱機などが使用できるが、特にこれらに限定されるものではない。
触媒インキの乾燥温度は、通常40〜120℃程度、好ましくは75〜95℃程度である。また、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。塗布乾燥後の触媒層の厚みは、燃料電池用途を例にとると、通常5μm〜80μm程度、好ましくは10μm〜70μm程度がよい。
<燃料電池>
本発明の触媒層は燃料電池のカソードに好適に使用できる。
燃料電池は、電極膜接合体を備え、電極膜接合体を挟むように、対向配置されたセパレータと集電板より構成される。
電極膜接合体とは、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の片面もしくは両面に、燃料電池用触媒層(カソード及びアノード)が密着して形成され、さらに、その片面もしくは両面に、集電体が密着して具備したものである。
電極膜接合体の製造方法としては、固体高分子電解質膜の片面もしくは両面に、集電体上に予め形成した触媒層を熱圧着する方法が挙げられる。また、固体高分子電解質膜上に、転写基材上に予め形成された触媒層を転写によって形成した後、電極基材(カーボンペーパなど)を熱圧着する方法も挙げられる。
触媒層を固体高分子電解質膜に転写する場合の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5MPa〜30MPa程度、好ましくは1MPa〜20Mpa程度がよい。また、この加圧操作の際に、転写不良を避けるために、加圧面を加熱するのが好ましい。加熱温度は、固体高分子電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは120〜150℃程度がよい。
電極基材と燃料電池用触媒層及び固体高分子電解質膜間を熱圧着する場合の、加圧レベルは、通常0.1MPa〜50Mpa程度、好ましくは1MPa〜30MPa程度がよい。また、加熱温度としては、固体高分子電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは120〜150℃程度がよい。
(燃料電池用アノード用触媒材料)
アノード側の燃料電池用触媒層に用いられる触媒材料としては、公知もしくは市販のものを使用することができる。例えば、触媒粒子が、触媒担持体としての炭素粒子、酸化物粒子、あるいは窒化物粒子上に担持してなるものが挙げられる。
触媒粒子としては、水素の酸化を促進するものであれば特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム又はこれらの合金が挙げられる。
触媒担持体としては、例えば、炭素粒子、酸化物粒子、窒化物粒子が挙げられる。
炭素粒子としては、上述の炭素系触媒材料の主構成成分に使用される炭素材料の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸化物粒子としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙げられる。
窒化物粒子としては、例えば、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化バナジウム等が挙げられる。
触媒粒子の触媒担持体上への担持率は特に限定されない。触媒粒子として白金、触媒担持体として炭素粒子を用いた場合は、触媒粒子100重量%に対して、通常1〜70重量%程度までの担持が可能である。
市販の燃料電池用触媒材料としては、例えば、
TEC10E50E、TEC10E70TPM、TEC10V30E、TEC10V50E等の白金担持炭素粒子;
TEC66E50、TEC62E58等の白金−ルテニウム合金担持炭素粒子;
をいずれも田中貴金属工業社より購入することができるが、これらに限定されるものではない。
(固体高分子電解質膜)
固体高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に非常に安定し、スルホン酸基の乖離度が高く、高いイオン導電性が実現できる。具体例としてはデュポン社製の「Nafion」、旭硝子社製の「Flemion」、旭化成社製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。電解質膜の膜厚は、通常20μm〜250μm程度、好ましくは10μm〜80μm程度である。
(電極基材(ガス拡散層;GDL))
電極基材は、アノード又はカソードを構成する公知の電極基材を使用できる。電極基材はガス拡散層あるいはGDLとも呼ばれ、カソード側では空気中の酸素を取り入れ、アノード側では水素を取り込めるように気体が通過および拡散できるような多孔質または繊維状のものであることが好ましい。更に電子の出し入れが必要なため導電性を有する材料を用いらなければならない。電極基材は導電性を有する材料であれば良いが、好ましくは炭素繊維からなるカーボンペーパなどがよい。具体例としては東レ社製の「TGP−H−090」等が挙げられる。
(転写基材)
転写基材は、触媒インキを塗布することで燃料電池用触媒層を形成し、転写基材上にある触媒層をナフィオンなどの固体高分子電解質膜に転写するためのフィルム基材である。転写基材としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。具体例としてはテフロン(登録商標)シート等が挙げられる。転写基材の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜50μm程度、より好ましくは15μm〜30μm程度とするのがよい。
(燃料電池用撥水層)
電極膜接合体は、触媒層の電極基材と接触する側に微多孔質の層を含んでいてもよい。この層は、触媒層の一部として取り扱われたり、あるいは撥水層やMPL(micro porous layer、マイクロポーラスレイヤー)とも呼ばれ、触媒層へのガス供給の均一化や、導電性の向上に加え、カソード側で発電時に発生する水の排水性を向上させる等の役割を持つ。撥水層あるいはMPLは、例えば、炭素材料もしくは非白金系炭素触媒と、撥水性材料を含む組成物をカーボンペーパ基材上に塗工後、300℃程度で焼成することにより形成でき、本発明の触媒インキも好適に使用することができる。
(セパレータ)
セパレータは、燃料ガス(水素)や酸化剤ガス(酸素)等の反応ガスの供給、排出を行う。そして、アノード及びカソードの触媒粒子にガス拡散基材(集電体)を通じてそれぞれ均一に反応ガスが供給されると、両電極に備えられた触媒粒子とプロトン伝導性ポリマーとの境界において、気相(反応ガス)、液相(プロトン伝導性ポリマー)、固相(両電極が持つ触媒粒子の三相界面が形成される。そして、電気化学反応を生じさせることで直流電流が発生する。
上記電気化学反応において、
カソード側:O+4H+4e→2H2
アノード側:H→2H+2e
の反応が起こり、アノード側で生成されたH(プロトン)は固体高分子電解質膜中をカソード側に向かって移動し、e(電子)は外部の負荷を通ってカソード側に移動する。
一方、カソード側では酸化剤ガス中に含まれる酸素と、アノード側から移動してきたH及びeとが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
<空気電池>
本発明の触媒層は空気電池のカソードに好適に使用出来る。
空気電池は、上記触媒層を有するカソード電極、負極活物質を有するアノード電極、前記カソード電極と前記アノード電極の間で金属イオンの伝導を行う電解質層、およびセパレータより構成されている。
(空気電池用アノード電極)
空気電池用アノード電極は、負極活物質を有する負極層を有しており、必要に応じて負極集電体を使用してもよい。上記負極層と接触するように電解質層が配置されている。負極活物質は、通常、伝導するイオンとなる金属元素を有している。上記金属元素としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)及びバナジウム(V)などを挙げることができる。中でも、エネルギー密度が高い電池を得ることができるため、Liであることが好ましい。また、金属単体だけでなく、合金や金属酸化物、金属窒化物なども挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、空気電池に適用される従来公知のものを適用することができる。
(電解質層)
電解質層は、上記の空気電池用カソード電極と上記の空気電池用アノード電極の間で金属イオンの伝導を行うものである。金属イオンの種類は、上述した負極活物質の種類によって異なり、その形態も金属イオン伝導性が有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、水溶液や非水溶液を適用することもできるし、それらをポリマーマトリクスで保持したゲル状高分子電解質や、ポリマー電解質及び無機固体電解質を使用してもよい。また、固体電解質やセパレータを使用して、カソード側、アノード側で異なる電解液を使用してもよい。
リチウムイオンの伝導を考えた場合、電解液としては、リチウムを含んだ電解質を水または非水系の溶剤に溶解したものを用いる。
電解質としては、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(CFSOC、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、又はLiBPh等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び
1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;
ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とする場合、ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
(セパレータ)
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
なお、本発明の製造方法で得られた触媒インキ、触媒層の用途は、燃料電池や空気電池に限定するものではなく、排ガス浄化、水処理浄化等にも用いることが可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、特に断りの無い限り、「部」とは「重量部」、「%」とは「重量%」を意味する。
非白金系炭素触媒(A)、および分散剤(B)として用いた材料は下記の通りである。
<非白金系炭素触媒(A)>
[製造例1:非白金系炭素触媒(A−1)]
コバルトフタロシアニン(東京化成社製)とケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)を、重量比1:1で秤量し、乳鉢にて混合して前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し非白金系炭素触媒(A−1)を得た。
非白金系炭素触媒(A−1)は、CHN元素分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.06であり、ICP発光分光分析とCHN元素分析より、モル比Co(コバルト)/C(炭素)は0.012であり、BET比表面積は398m/g、タップ密度は0.08g/cmであった。
[製造例2:非白金系炭素触媒(A−2)]
鉄フタロシアニン(山陽色素社製)とケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)を、重量比1:1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し非白金系炭素触媒(A−2)を得た。
非白金系炭素触媒(A−2)は、CHN元素分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.13であり、ICP発光分光分析とCHN元素分析より、モル比Fe(鉄)/C(炭素)は0.013であり、BET比表面積は295m/g、タップ密度は0.08g/cmであった。
[製造例3:非白金系炭素触媒(A−3)]
フェノール樹脂(群栄化学社製PSM−4326)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を重量比3.3/1で秤量し、アセトン中で湿式混合した。上記混合物を減圧留去した後、乳鉢で粉砕し、前駆体とした。上記前駆体粉末をアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、炭素焼結体(1)を得た。上記炭素焼結体(1)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素燒結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行い、ろ過、水洗、乾燥した後、乳鉢で粉砕し、アルミナ製るつぼに充填、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃で1時間熱処理し、炭素焼結体(2)を得た。上記炭素焼結体(2)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行った後、ろ過、水洗、乾燥し、乳鉢で粉砕し、非白金系炭素触媒(A−3)を得た。
非白金系炭素触媒(A−3)は、CHN元素分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.02であり、ICP発光分光分析とCHN元素分析より、モル比Fe(鉄)/C(炭素)は0.002であり、BET比表面積は440m/g、タップ密度は0.13g/cmであった。
[製造例4:非白金系炭素触媒(A−4)]
ポリビニルピリジン(アルドリッチ社製)をジメチルホルムアミドに溶解させ、ポリビニルピリジンに対して重量比2/1の塩化鉄六水和物を加え、室温で24時間攪拌し、ポリビニルピリジン鉄錯体を得た。上記ポリビニルピリジンとケッチェンブラック(ライオン社製EC−600JD)を、重量比1:1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し非白金系炭素触媒(A−4)を得た。
非白金系炭素触媒(A−4)は、CHN元素分析より、モル比N(窒素)/C(炭素)は0.25であり、ICP発光分光分析とCHN元素分析より、モル比Fe(鉄)/C(炭素)は0.01であり、BET比表面積は200m/g、タップ密度は0.08g/cmであった。
また、炭素触媒の分析については、以下の測定機器を使用した。
・窒素元素の検出;CHN元素分析(パーキンエルマー社製 2400型CHN元素分析装置)
・遷移金属元素の検出;ICP発光分光分析(SPECTRO社製 SPECTRO
ARCOS FHS12)
・粒子形状の観察;SEM走査型電子顕微鏡(日立製作所社製 SEM S−4300)
・平均粒子径の測定;粒度分布計(Malvern Instruments社製 マスターサイザー2000)にて求めたd−50の値である。具体的な測定方法は、非白金系炭素触媒の粉末を測定セル内へ投入し、信号レベルが最適値を示したところで測定した。
・BET比表面積の測定;ガス吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)
・タップ密度の測定;(ホソカワミクロン社製 USPタップ密度測定装置)
<分散剤(B)>
・B−1:ポリ−N−ビニルアセトアミド(PNVA GE191、昭和電工社製、重量平均分子量約1〜3万)
・B−2:ポリビニルピロリドン(ビニルアミド系樹脂、K−30、ISPジャパン社製、重量平均分子量約4〜8万)
・B−3:カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(1)
[B−3の調製]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、n−ブチルメタクリレート100部とベンジルメタクリレート100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、N−メチル−2−ピロリドン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し、反応を終了し、固形分50%のカルボキシル基を有するポリビニル系樹脂B−3溶液を得た。得られたポリビニル系樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は8,500、酸価は43mgKOH/gであった。
・B−4:カルボキシル基を有するポリビニル系樹脂(2)
[B−4の調製]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート180部とメタクリル酸20部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール12部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部を溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。ピロメリット酸無水物19部、N−メチル−2−ピロリドン231部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.40部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了し、固形分50%のカルボキシル基を有するポリビニル系樹脂B−4溶液を得た。得られたポリビニル系樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は8,600、酸価は93mgKOH/gであった。
・B−5:Disperbyk−111(ビックケミー社製、酸価:129mgKOH/g)
・B−6:ヒドロキシエチルセルロース(和光純薬工業社製、酸価:0mgKOH/g)
・B−7:ポリアクリル酸(和光純薬工業社製、平均分子量:約5000、酸価:778mgKOH/g)
・B−8:ジョンクリル679(ジョンソンポリマー社製、酸価:200mgKOH/g)
・B−9:ポリアリルアミン(日東紡社製、PAA−HCL−3L、平均分子量:約15000)
・B−10:ラウリン酸ナトリウム(和光純薬工業社製、分子量230)
酸性官能基を有する樹脂の「重合平均分子量(Mw)」は、装置としてHLC−8320GPC(東ソー株式会社製)を使用して測定を行ったポリスチレン換算値である。
又、塩基性官能基を有する樹脂の「重合平均分子量(Mw)」は、装置としてHLC−8320GPC(東ソー株式会社製)を使用し、さらにカラムとして SUPER−AW3000を使用し、溶離液として30mMトリエチルアミン及び10mM LiBrのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を用いて測定を行って得られたポリスチレン換算値である。
酸価は、JIS K 0070の電位差滴定法に準拠して測定した酸価(mgKOH/g)を固形分換算した値である。
<触媒インキの調製>
[実施例1−1]
非白金系炭素触媒A−1を8重量部、分散剤B−1(ポリN−ビニルアセトアミド)を0.08重量部(固形分で、非白金系炭素触媒に対して1%の量)、水性液状媒体として水を45部、1−プロパノールを16.92重量部、を配合し、ディスパー(プライミクス社製、TKホモディスパー)を用いて非白金系炭素触媒の凝集物がなくなるまで十分攪拌して分散した後、ナフィオン(Nafion;デュポン社製、固形分20重量%の水及び1−プロパノール溶液)20重量部を添加し、さらにディスパー(プライミクス社製、TKホモディスパー)にて攪拌混合することで触媒インキを調製した。
[実施例1−2〜実施例1−13]
非白金系炭素触媒、分散剤、および水性液状媒体の種類を、表1に変更した以外は、実施例1−1と同様にして触媒インキを調整した。
[比較例1−1]
分散剤を使用しない以外は、実施例1−1と同様にして、触媒インキを調製した。
[比較例1−2]
非白金系炭素触媒A−1を8重量部、分散剤B−1(ポリN−ビニルアセトアミド)を0.08重量部(固形分で、非白金系炭素触媒に対して1%の量)、水性液状媒体として水を45部、1−プロパノールを16.92重量部、ナフィオン(Nafion;デュポン社製、固形分20重量%の水及び1−プロパノール溶液)20重量部を添加し、ディスパー(プライミクス社製、TKホモディスパー)にて一括で攪拌混合することで触媒インキを調製した。
[比較例1−3〜1−8]
表1に記載の分散剤を用いて、比較例1−2と同様にして、触媒インキを調製した。
<触媒インキの評価>
触媒インキの分散性は、グラインドゲージによる粒径評価と、粘度評価と、保存安定性、により行った。
(グラインドゲージによる粒径評価)
粒径は、グラインドゲージによる判定(JIS K5600−2−5に準ず)より求めた。表中の数字は粗大粒子の大きさを示し、数値が小さいほど分散性に優れ、均一な触媒インキであることを示している。
(粘度評価)
粘度は、E型粘度計(東機産業社製、「RE80型粘度計」)を使用し、50rpmの回転速度で、温度25℃において測定した。
(保存安定性評価)
触媒インキの保存安定性は、調製直後の粘度(初期粘度)と、40℃、5日保存後の粘度(経時粘度)をそれぞれ測定し、それらの粘度変化率(経時粘度/初期粘度)によって評価した。粘度は、いずれもE型粘度計(東機産業社製、「RE80型粘度計」)を使用し、50rpmの回転速度で、温度25℃において測定した。粘度変化率が小さいもの程、保存安定性が優れていることを示し、下記の基準で判定した。
○:粘度変化率が20%未満(良好)
△:粘度変化率が20%以上、50%未満(不良)
×:粘度変化率が50%以上(極めて不良)
表1に触媒インキの分散性評価の結果を示す。粘度が低く、保存安定性が良く、粒径が小さいものほど、分散性が優れていることを示す。
Figure 0006186959
<カソード用触媒層の作製(転写基材上に塗工する方法)>
[実施例2−1]
テフロン(登録商標)基材上へ、実施例1−1で得た触媒インキをドクターブレードにより、乾燥後の触媒層の目付け量が2mg/cm2になるように塗布し、100℃で乾燥することにより、本発明のカソード用触媒層を作製した。
[実施例2−2〜2−13、比較例2−1〜2−8]
表2に示す触媒インキを用いて、実施例2−1と同様にして、それぞれ、カソード用触媒層を作製した。
(塗工性評価)
触媒層は、下記に示す塗工性評価によって評価した。テフロン(登録商標)フィルム上に形成された触媒層(1)を、ビデオマイクロスコープVHX−900(キーエンス社製)にて500倍で観察し、塗工ムラ(ムラ:触媒層の凝集状態による濃淡を評価)、およびピンホール(触媒層が塗布されていない欠陥の有無により評価)について、下記の基準で判定した。結果を表2に示す。
(ムラ)
○:触媒層の濃淡が確認されない(良好)。
△:触媒層の濃淡が2〜3箇所あるが極めて微小領域である(不良)。
×:触媒層の濃淡が多数確認される、または濃淡の縞の長さが5mm以上のもの1個以上(極めて不良)。
(ピンホ−ル)
○:ピンホールが1つも確認されない(良好)。
△:ピンホールが2〜3個あるが極めて微小である(不良)。
×:ピンホールが多数確認される、または直径1mm以上のピンホールが1個以上(極めて不良)。
(触媒層の密着性評価)
電極基材(ガス拡散層GDL;炭素繊維からなるカーボンペーパ、TGP-H-090、東レ(株)製)へ表2に記載の触媒層を圧着させた後、触媒層の表面に粘着テープを貼り付けて引き剥がし、触媒層の脱落の程度を目視判定で判定した。評価基準を下記の通りであり、評価結果を表2に示す。
○:「剥離なし(実用上問題のないレベル)」
○△:「わずかに剥離(問題はあるが使用可能レベル)」
△:「半分程度剥離」
×:「ほとんどの部分で剥離」
Figure 0006186959
[アノード用触媒層の作製]
ここでは、燃料電池用電極膜接合体の作製に使用するアノード用触媒層の作製方法について以下に述べる。
非白金系炭素触媒材料の代わりに、白金触媒担持カーボン4重量部(田中貴金属社製、白金量46%)、溶剤としてブタノール(キシダ化学社製)56重量部、および水20重量部、ナフィオン(Nafion;デュポン社製、固形分20重量%の水及び1−プロパノール溶液)20重量部を添加し、ディスパー(プライミクス製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合することで触媒インキ(固形分濃度8重量%)を作製した。得られた触媒インキを白金触媒担持カーボンの目付け量が0.46mg/cm2になるようにテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、大気雰囲気中100℃の条件で乾燥することにより、アノード用触媒層を作製した。
<燃料電池用電極膜接合体及び燃料電池(単セル)の作製>
[実施例3−1]
実施例2−1で作製したカソード用触媒層と、上記のアノード用触媒層とを、それぞれ固体高分子電解質膜(Nafion212、デュポン社製、膜厚50μm)の両面に密着して、150℃、5Mpaの条件で狭持した後、テフロン(登録商標)フィルムを剥離した。次いで、更に両側から電極基材(ガス拡散層GDL、炭素繊維からなるカーボンペーパ、TGP−H−090、東レ(株)製)を密着させ、本発明の燃料電池用電極膜接合体(GDL/触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層/GDL)を作製した。得られた燃料電池用電極膜接合体を4cm角の試料とし、その両側からガスケット2枚、次いでグラファイトプレートであるセパレータ2枚ではさみ、更に両側から集電板を2枚装着して燃料電池(単セル)を作製した。
[実施例3−2〜3−13、比較例3−1〜3−8]
表3に示す触媒層に変更した以外は、実施例3−1と同様にして、燃料電池用電極膜接合体及び燃料電池(単セル)を作製した。
(燃料電池(単セル)特性の評価)
得られた燃料電池(単セル)を用いて、Auto PEMシリース゛「PEFC評価システム」東陽テクニカ製により測定を行った。セル温度を80℃とし、カソード側から温度80℃、相対湿度100%で加湿した空気を流量300mL/minで供給し、アノード側からも同様に、温度80℃、相対湿度100%で加湿した水素ガスを流量300mL/min供給し、発電特性を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006186959
<カソード用触媒層(電極基材に直接塗工する方法)>
[実施例2−14]
実施例1−1で得た触媒インキを、ドクターブレードにより、乾燥後の炭素系触媒材料の目付け量が2mg/cm2になるように電極基材(炭素繊維からなるカーボンペーパ、TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中100℃で乾燥して、本発明のカソード用触媒層を作製した。塗工ムラなく、またカーボンペーパからの液だれもなく良好なカソード用触媒層を形成できた。
[実施例2−15、2−16、比較例2−9、2−10]
表4に示すカソード用触媒層に変更した以外は、実施例2−14と同様にして、カソード用触媒層を作製した。
(塗工性評価)
触媒層を下記に示す塗工性評価によって評価した。カーボンペーパー上に形成された触媒層を、ビデオマイクロスコープVHX−900(キーエンス社製)にて500倍で観察し、塗工ムラ(ムラ:触媒層の凝集状態による濃淡を評価)について、下記の基準で判定した。結果を表4に示す。
(ムラ)
○:触媒層の濃淡が確認されない(良好)。
△:触媒層の濃淡が2〜3箇所あるが極めて微小領域である(不良)。
×:触媒層の濃淡が多数確認される、または濃淡の縞の長さが5mm以上のもの1個以上(極めて不良)。
(カソード用触媒層の密着性評価)
得られた触媒層の表面に粘着テープを貼り付けて引き剥がし、触媒層の脱落の程度を目視判定で判定した。評価基準を下記の通りであり、評価結果を表4に示す。
○:「剥離なし(実用上問題のないレベル)」
○△:「わずかに剥離(問題はあるが使用可能レベル)」
△:「半分程度剥離」
×:「ほとんどの部分で剥離」
Figure 0006186959

<燃料電池用電極膜接合体及び燃料電池(単セル)の作製>
[実施例3−14]
実施例2−14で作製したカソード用触媒層(カーボンペーパに触媒インキ組成物が固着)と上記アノード用触媒層を用いて、固体高分子電解質膜(Nafion212、デュポン社製、膜厚50μm)と接触するようにして150℃、5Mpaの条件で狭持した後、アノード側のテフロン(登録商標)フィルムを剥離し、更にアノード側から電極基材(炭素繊維からなるカーボンペーパ、TGP−H−090、東レ(株)製)すなわちガス拡散層GDLを密着し、本発明の燃料電池用電極膜接合体(GDL/触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層/GDL)を作製した。その後、実施例3−1と同様にして燃料電池(単セル)を作製した。
[実施例3−15、3−16、比較例3−9、3−10]
表5に示す触媒層に変更した以外は、実施例3−14と同様にして燃料電池用電極膜接合体及び燃料電池(単セル)を作製した。
(燃料電池(単セル)特性の評価)
実施例3−1と同様にして電池特性を測定した。表5に評価結果を示す。
<空気電池用評価セルの作製>
[実施例4−14]
Li箔上へ、非水系電解液(1M LiPF、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1、体積比)を含ませたセパレータ(多孔質ポリプロピレンフィルム)、固体電解質(オハラ社製、LiCGC Plate 1inch×150μmt)を配置し、アルミラミネートフィルムにて固定した。この際、固体電解質側のアルミラミネートフィルムを16mm角の大きさに切り抜き、固体電解質の露出面を作製し、空気電池用アノード電極を作製した。
空気電池用アノード電極の固体電解質上に、水性電解液として、1MのLiCl水溶液を含浸した不織布を、次いで、触媒層の表面が不織布と隣り合うように実施例2−13で作製したカソード用触媒層を配置し、アルミラミネートフィルムにより固定、熱圧着することで、空気電池用評価セルを得た。
[実施例4−15、4−16、比較例4−9、4−10]
表5に示す触媒層に変更した以外は、実施例4−14と同様にして、空気電池用評価セルを作製した。
(空気電池の特性評価:容量保持率)
得られた空気電池評価セルを用いて、2.0V−4.8Vのカット電圧、0.5mA/cmの電流密度の条件で、3サイクルの慣らし運転を行った。その後、同条件にて、30サイクルの充放電テストを行うことで、容量保持率を求めた。評価基準を下記の通りであり、評価結果を表5に示す。
○:「変化率が95%以上。特に優れている。」
○△:「変化率が90%以上、95%未満。全く問題なし。」
△:「変化率が85%以上、90%未満。問題はあるが使用可能なレベル。」
×:「変化率が85%未満。実用上問題あり、使用不可。」
Figure 0006186959
以上の実施例の結果により、本発明の、あらかじめ非白金系炭素触媒(A)を分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを用いて分散させた分散体を作製する方法によって得られる触媒インキは、分散性に優れ、触媒インキの塗工性や、インキから形成される触媒層塗膜の密着性が良好であることが明らかとなった。さらには、それら触媒層を用いた燃料電池、および空気電池は、最大出力密度、容量保持率などに優れた電池特性を実現出来ることが明らかとなった。
これら電池特性が向上した結果については、詳細は明らかにはなっていないが、実施例と比較例の結果により、あらかじめ非白金系炭素触媒(A)を分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを用いて分散させることで、非白金系炭素触媒(A)の分散性が良好となることは明らかであり、それに起因した下記の要因によるものではないかと考えている。1点目は、非白金系炭素触媒(A)の分散性が良好であるために、触媒層中で非白金系炭素触媒(A)が緻密に詰まりやすく、粒子間の密着性が向上し、その結果、導電ネットワークが改善されたことである。2点目は、非白金系炭素触媒(A)の分散性が良好であるために、非白金系炭素触媒(A)の有効表面積が向上し、酸素ガスなどの気体との接触が改善されたことである。3点目は、燃料電池の良好な特性を得るためにはガス拡散性が重要であるが、非白金系炭素触媒(A)の分散性が良好であるために、触媒層内のガス拡散性が均一になり、その結果、触媒活性が向上したものと考えられる。

Claims (3)

  1. 触媒層を備えた電池に使用する触媒インキの製造方法であって、あらかじめ、ヘテロ原子及び/又は遷移金属がドープされた炭素触媒(A)を分散剤(B)と水性液状媒体(C)とを用いて分散させた分散体を作製する工程と、前記分散体にバインダー(D)を加える工程とを有する触媒インキの製造方法。
  2. 請求項記載の触媒インキを塗工して形成された触媒層の製造方法
  3. 請求項記載の触媒層を備えた燃料電池または空気電池の製造方法
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