JP2016192399A - 燃料電池用ペースト組成物、及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、触媒層のガス拡散性に課題がある非白金系炭素系触媒において、疎水性の炭素材料を添加することで、ガス拡散性の良い燃料電池用触媒層を作製する燃料電池用触媒ペーストを提供することである。また前記燃料電池用触媒ペースト組成物から形成されてなる燃料電池用触媒層を具備する燃料電池用触媒電極ならびに燃料電池用電極膜接合体と、電池性能に優れた燃料電池を提供することである。【解決手段】非白金系炭素系触媒と、炭素材料と、溶剤とを含んでなる燃料電池用触媒ペースト組成物であって、前記炭素材料の親水度(水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)との比(BETH2O/BETN2))が0.5以下であり、前記非白金系炭素系触媒に対する前記炭素材料の質量比が0.1〜50質量%であることを特徴とする燃料電池用触媒ペースト組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池用の触媒ペースト組成物に係り、それらを用いた触媒層及びそれらを具備する触媒電極ならびに電極膜接合体および燃料電池に関する。
燃料電池は、電気化学システムを用いて化学エネルギーを電気エネルギーに直接変換できるシステムであり、高効率であるため次世代エネルギーとして期待されている。燃料電池には、ガス燃料としての水素や液体燃料としてのメタノール等を利用する固体高分子形燃料電池や、電子供与微生物を利用する微生物燃料電池等が知られているほか、負極活物質として金属を用いる金属‐空気電池も、金属を負極側に補給することにより放電性能を維持することができるため、広義には燃料電池の1種として捉えることができる。中でも、固体高分子形燃料電池は作動温度が低く、高効率である点から自動車用、定置用、小型モバイル用に活発に開発が進められている。
従来より、これら燃料電池の電極触媒には、正極側活物質である酸素を水もしくは水酸化物イオンへ変換するため、高い酸素還元活性を有する白金や白金合金等を用いる白金系触媒が用いられているが、コスト、資源量、供給安定性の面から、白金系触媒以外の触媒(非白金系触媒と呼ぶ)の開発が求められている。しかし、現状の非白金系触媒の性能は、白金系触媒に比べて十分ではないため、白金の使用量を大幅に低減した触媒や、白金を使用しない非白金系触媒の技術開発が進められている。(非特許文献1、特許文献1〜3など)
そのような非白金系触媒として、例えば、特許文献2では、高分子金属錯体に炭素添加物を混合し熱処理した炭素化物に、窒素をドープした炭素材料が提案されている。このような窒素をドープした炭素材料は、酸素還元活性を有する非白金系触媒として利用することができる。また、特許文献3では、表面処理した炭素材料にイオン交換性官能基をグラフト化反応により導入した炭素材料が、非白金系触媒として使用できることが提案されている。
非白金系触媒は、白金系触媒よりも、経済的でコスト優位性が高いため積極的な開発が進められているが、その性能はまだ十分ではなく、白金系触媒を使用した場合に近い電池性能を得るためには、触媒層の厚みを増加させ、触媒層中の触媒粒子を増加させる必要がある。また、厚みが増加することでガスの透過性が悪化し、電流量の低下や起電力の低下を引き起こしてしまうという問題がある。このような技術課題があるが、これを解決する手段が見出せていなかった。
特開2011−6283号公報 特開2008−282725号公報 特開2009−295441号公報
SCIENCE(VOL.332、第443〜447頁、2011年)
本発明が解決しようとする課題は、触媒層のガス拡散性に課題がある非白金系炭素系触媒において、疎水性の炭素材料を添加することで、ガス拡散性の良い燃料電池用触媒層を作製する燃料電池用触媒ペーストを提供することである。また前記燃料電池用触媒ペースト組成物から形成されてなる燃料電池用触媒層を具備する燃料電池用触媒電極ならびに燃料電池用電極膜接合体と、電池性能に優れた燃料電池を提供することである。
本発明者らは、前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に至った。
第一の発明は、非白金系炭素系触媒と、炭素材料と、溶剤と、バインダーを含んでなる燃料電池用触媒ペースト組成物であって、
前記炭素材料の親水度(水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)との比(BETH2O /BETN2))が0.5以下であり、
前記非白金系炭素系触媒に対する前記炭素材料の質量比が0.1〜50質量%であることを特徴とする燃料電池用触媒ペースト組成物に関する。
第二の発明は、非白金系炭素系触媒の親水度が0.6〜2.5であり、かつ炭素材料のBETN2が100m2/g以上、細孔容積が0.4cm/g以上、かさ密度が0.4g/cm以下であることを特徴とする上記燃料電池用触媒ペースト組成物に関する。
第三の発明は、炭素材料の親水度が0.15以下、BETN2が500m2/g以上であることを特徴とする上記燃料電池用触媒ペースト組成物に関する。
第四の発明は、上記燃料電池用触媒ペースト組成物から形成されてなる燃料電池用触媒層に関する。
第五の発明は、上記燃料電池用触媒層と導電性支持体とを具備してなる燃料電池用触媒電極に関する。
第六の発明は、固体高分子電解質膜と、上記燃料電池用触媒電極を具備してなる燃料電池用電極膜接合体に関する。
第七の発明は、上記燃料電池用触媒電極または上記燃料電池用電極膜接合体の少なくとも一方を具備してなる燃料電池に関する。
本発明によれば、非白金系炭素系触媒、溶剤、バインダーに疎水性の炭素材料を添加することで、ガス拡散性の良い燃料電池用触媒層を作製する燃料電池用触媒ペーストを提供することが可能となる。また前記燃料電池用触媒ペースト組成物から形成されてなる燃料電池用触媒層を具備する燃料電池用触媒電極ならびに燃料電池用電極膜接合体を得ることで、ガス拡散性の良い電池性能に優れた燃料電池を提供することが可能となる。
<非白金系炭素系触媒>
非白金系炭素系触媒とは、炭素(C)原子の集合体を主体とした多成分系からなり、それらの構成単位間に物理的・化学的な相互作用(結合)を有し、異種元素、たとえば窒素(N)、ホウ素(B)、リン(P)などのヘテロ原子や卑金属元素が含まれる触媒で、1種または2種以上の、炭素材料または窒素元素および卑金属元素を有する化合物を混合、熱処理して、得ることができ、従来公知のものを使用することができる。
ヘテロ原子と卑金属元素を含有することは、酸素還元活性を有するうえで重要な意味をなす。一般的に非白金系炭素系触媒の場合、その触媒活性点として、炭素材料表面に卑金属元素を中心に、例えば、4個の窒素が平面上に並んだ構造(卑金属−N4構造と呼ぶ)部分における卑金属元素や、炭素材料表面のエッジ部に導入されたヘテロ原子近傍の炭素原子などが挙げられる。
このような非白金系炭素系触媒は、従来公知の白金を担持させた炭素材料と同様に、酸素還元触媒能を有し、燃料電池用電極触媒として好適に使用することができる。非白金系炭素系触媒は、正極、負極の両方に使用することができるが、正極として通常用いられることが多い。
本発明に係る非白金系炭素系触媒においては、窒素やホウ素、リンなどのドープ量(非白金系炭素系触媒中の窒素やホウ素、リンなどの含有量)が、それぞれ0.1〜40モル%であるときに、酸素還元に関して良好な触媒活性を示す。また、窒素とホウ素とを同時にドープしたときには、両者の相互作用により、より一層高い電極活性を示す。また、窒素とホウ素の双方をドープする場合には、原子比(B/N)は、0.2〜0.4、好ましくは0.06〜1.5であり、またモル比((B+N)/C)は、好ましくは0.03〜0.4である。これらの範囲内において、活性の高い非白金系炭素系触媒を得ることができる。
<非白金系炭素系触媒の製造方法>
非白金系炭素系触媒の製造方法は特に限定されず、炭素材料表面に大環状化合物を担持させ炭化させる方法、大環状化合物と有機材料との混合物を炭化させる方法、大環状化合物を含まない有機材料を炭化させる方法、無機炭素材料由来の炭素粒子を用いる方法など、従来公知の方法を使用できる。好ましい製造方法としては、無機炭素材料由来の炭素粒子と窒素元素および卑金属元素を含有する化合物とを混合後に不活性ガス雰囲気中で熱処理して非白金系炭素系触媒を得る方法である。前記熱処理は、複数の温度で多段階に行ってもよく、また、熱処理工程の後若しくは途中に、酸で洗浄、及び乾燥する工程を含んでも良い。
非白金系炭素系触媒を製造する際に、原料を混合する場合では、原料同士が均一に混合・複合されている方が好ましく、混合法としては、乾式混合及び湿式混合が挙げられる。混合装置としては、以下のような乾式混合装置や湿式混合装置を使用できる。
乾式混合装置としては、例えば、2本ロールや3本ロール等のロールミル、ヘンシェルミキサーやスーパーミキサー等の高速攪拌機、マイクロナイザーやジェットミル等の流体エネルギー粉砕機、アトライター、ホソカワミクロン社製粒子複合化装置「ナノキュア」、「ノビルタ」、「メカノフュージョン」、奈良機械製作所社製粉体表面改質装置「ハイブリダイゼーションシステム」、「メカノマイクロス」、「ミラーロ」等が挙げられる。
乾式混合装置を使用する際には、母体となる原料粉体に他の原料を粉体のまま直接添加してもよいが、より均一な混合物を作製するために、前もって他の原料を少量の溶媒に溶解、又は分散させておき、母体となる原料粉体の凝集粒子を解しながら添加する方法が好ましい。更に、処理効率を上げるために、加温することが好ましい場合もある。
原料の中には、常温では固体であるが、融点、軟化点、又はガラス転移温度が100℃未満と低い材料がある。それらの材料を用いる場合、常温で混合するより、加温下で溶融させて混合する方がより均一に混合できる場合もある。
湿式混合装置としては、例えば、ディスパー、ホモミキサー、若しくはプラネタリーミキサー等のミキサー類;
エム・テクニック社製「クレアミックス」、若しくはPRIMIX社製「フィルミックス」等のホモジナイザー類;
ペイントコンディショナー(レッドデビル社製)、ボールミル、サンドミル(シンマルエンタープライゼス社製「ダイノミル」等)、アトライター、パールミル(アイリッヒ社製「DCPミル」等)、若しくはコボールミル等のメディア型分散機;
湿式ジェットミル(ジーナス社製「ジーナスPY」、スギノマシン社製「スターバースト」、ナノマイザー社製「ナノマイザー」等)、エム・テクニック社製「クレアSS−5」、奈良機械製作所社製「マイクロス」等のメディアレス分散機;
その他ロールミル、ニーダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、湿式混合装置としては、装置からの金属混入防止処理を施したものを用いることが好ましい場合がある。
例えば、メディア型分散機を使用する場合は、アジテーター及びベッセルがセラミック製又は樹脂製の分散機を使用する方法や、金属製アジテーター及びベッセル表面がタングステンカーバイド溶射又は樹脂コーティング等で処理された分散機を用いることが好ましい。メディアは、ガラスビーズ、又は、ジルコニアビーズ、若しくはアルミナビーズ等のセラミックビーズを用いることが好ましい。また、ロールミルを使用する場合は、セラミック製ロールを用いることが好ましい。分散装置は、1種のみを使用してもよいし、複数種の装置を組み合わせて使用してもよい。また、原料の溶媒への濡れ性、分散性を向上させるために、一般的な親水性官能基を有する分散剤を一緒に添加し、分散、及び混合することができる。
湿式混合する際、各原料が均一に溶解しないケースにおいては、各原料の溶媒への濡れ性、及び分散性を向上させるために、市販の分散剤を一緒に添加し、分散して混合してもよい。
湿式混合の場合、混合前駆体を乾燥させる工程が必要となる。この場合、乾燥装置としては、棚式乾燥機、回転乾燥機、気流乾燥機、噴霧乾燥機、撹拌乾燥機、凍結乾燥機などを好適に使用することが出来る。
炭素材料と窒素元素および卑金属元素を有する化合物の混合物を熱処理する方法においては、原料となる炭素材料、窒素元素および卑金属元素有する化合物によって異なるが、活性点の構造が安定しやすい観点から加熱温度は500〜1100℃が好ましい。
熱処理における雰囲気は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気や、不活性ガスに水素が混合された還元性ガス雰囲気が好ましい。原料をできるだけ不完全燃焼により炭化させ、窒素元素、卑金属元素等を非白金系炭素系触媒表面に残存させる必要性があるためである。また、熱処理における非白金系炭素系触媒中の窒素元素の低減を抑制するために、窒素元素を多量に含むアンモニアガス雰囲気下で熱処理を行うこともできる。
また、熱処理は、一定の温度下、1段階で処理を行う方法に限定されない。例えば、分解温度の異なる炭素材料または窒素元素および卑金属元素を有する化合物を2種類以上混合する場合は、各成分の熱分解温度に合わせて、加熱温度の異なる数段階に分けて熱処理を行なうことも可能である。これにより、活性点をより効率的に多く残存させられることがある。
非白金系炭素系触媒の製造方法としては、更に、前記熱処理により得られた非白金系炭素系触媒を酸で洗浄、及び乾燥する工程を含む方法が挙げられる。ここで用いる酸は、前記熱処理により得られた非白金系炭素系触媒の表面に存在する活性点として作用しない卑金属成分を溶出させることができるものであれば特に限定されない。非白金系炭素系触媒との反応性が低く、卑金属成分の溶解力が強い濃塩酸や希硫酸等が好ましい。具体的な洗浄方法としては、ガラス容器内に酸を加え、非白金系炭素系触媒を添加し、分散させながら数時間撹拌させた後、静置し、上澄みを除去する。そして、上澄みの着色が確認されなくなるまで上記方法を繰り返し行い、最後に、ろ過、水洗により酸を除去し、乾燥する方法が挙げられる。触媒活性点としてエッジ部の窒素元素近傍の炭素元素を有する非白金系炭素系触媒は、酸で洗浄することにより、表面の活性点として作用しない卑金属成分が除去され触媒活性が向上するため好ましい場合がある。
<炭素材料>
本発明における炭素材料としては、無機材料由来の炭素粒子および/または有機材料を熱処理して得られる炭素粒子であれば特に限定されない。
無機材料由来の炭素粒子としては、カーボンブラック(ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ミディアムサーマルカーボンブラック)、活性炭、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、グラフェンナノプレートレット、ナノポーラスカーボン、炭素繊維等が挙げられる。炭素材料は、種類やメーカーによって、粒子径、形状、BET比表面積、細孔容積、細孔径、かさ密度、DBP吸油量、表面酸塩基度、表面親水度、導電性など様々な物性やコストが異なるため、使用する用途や要求性能に合わせて最適な材料を選択する。
熱処理して炭素粒子となる有機材料としては、熱処理後炭素粒子となる材料であれば特に限定されない。熱処理後の炭素粒子に活性点となるヘテロ元素を含有させるため、予め同へテロ元素を含有する有機材料の使用が好ましい場合がある。具体的な有機材料としては、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアニリン系樹脂、フェノールホルムアルデヒド樹脂系樹脂、ポリイミダゾール系樹脂、ポリピロール系樹脂、ポリベンゾイミダゾール系樹脂、メラミン系樹脂、ピッチ、褐炭、ポリカルボジイミド、バイオマス、タンパク質、フミン酸等やそれらの誘導体などが挙げられる。
これら炭素材料は、一種類または二種類以上で用いられる。
市販の炭素材料としては、例えば、
ケッチェンブラックEC−300J、及びEC−600JD等のライオン社製ケッチェンブラック;
トーカブラック#4300、#4400、#4500、及び#5500等の東海カーボン社製ファーネスブラック;
プリンテックスL等のデグサ社製ファーネスブラック;
Raven7000、5750、5250、5000ULTRAIII、5000ULT
RA、Conductex SC ULTRA、975 ULTRA、PUER BLACK100、115、及び205等のコロンビヤン社製ファーネスブラック;
#2350、#2400B、#2600B、#30050B、#3030B、#3230B、#3350B、#3400B、及び#5400B等の三菱化学社製ファーネスブラック;
MONARCH1400、1300、900、VulcanXC−72R、及びBlackPearls2000等のキャボット社製ファーネスブラック;
Ensaco250G、Ensaco260G、Ensaco350G、及びSuperP−Li等のTIMCAL社製ファーネスブラック;
デンカブラック、デンカブラックHS−100、FX−35等の電気化学工業社製アセチレンブラック;
VGCF、VGCF−H、VGCF−X等の昭和電工社製カーボンナノチューブ;
名城ナノカーボン社製カーボンナノチューブ;
xGnP−C−750、xGnP−M−5等のXGSciences社製グラフェンナノプレートレット;
Easy−N社製ナノポーラスカーボン;
カイノール炭素繊維、カイノール活性炭繊維などの群栄化学工業社製炭素繊維;
等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書において、比表面積とは試料単位質量あたりの表面積のことであり、ガス(N又はHO)吸着法によって求めることができる。解析法はBET法を用い、相対圧(P/P=0.05〜0.3)とガス吸着量のプロットより得られる直線の切片と勾配から、単分子吸着量を求めることで、BET比表面積を算出できる。
<親水度>
親水度(BETH2O /BETN2)は、非白金系炭素系触媒及び炭素材料の全表面の親水性の指標である。窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)を触媒の全表面積とし、水を吸着質としたBET比表面積(BETH2O)を求めることで、非白金系炭素系触媒及び炭素材料の全表面に対する親水面の割合を出すことができる。
非白金系炭素系触媒表面の親水度が0.6〜2.5の範囲内にあると、非白金系炭素系触媒表面は十分に親水性であり、高い吸湿性に誘引され、燃料電池の発電に必要なプロトンの伝導性が向上するため、好ましい。
炭素材料表面の親水度が0.5以下、より好ましくは0.15以下であると、炭素材料表面が疎水性であり、反応によって生成した水分子を弾きやすくなることで水によるフラッディングを防ぐため、好ましい。
非白金系炭素系触媒に対する炭素材料の質量比が0.1〜50質量%であると、燃料電池用触媒層内の親水性部と疎水性部とのバランスが良く、触媒へのプロトンの輸送性及び、反応によって生成した水分子の排水性の効率が向上するため、好ましい。
<細孔容積>
細孔容積が大きいほど空隙率が高く、触媒層でのガスの輸送性が向上するため好ましい。ここで好ましい細孔容積は0.4cm/g以上である。
<かさ密度>
かさ密度はJIS M 8811に従い、気乾試料に調整した後に、メスシリンダーに試料を投入し、タッピングした後の試料容積で試料重量を除して求めることができる。かさ密度が0.4g/cm以下であれば、触媒層内の酸素ガスの拡散性が向上するため、好ましい。さらに触媒層内で生成される水をより良く排出することが可能である。
<溶剤>
溶剤としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、ターピネオールなどのアルコール系溶剤;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶剤;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶剤;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤;炭酸ジエチル、炭酸プロピレン等の炭酸エステル系溶剤;ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−ジメチルイミダゾリノン、N−メチルピロリドン、水等を用いることができるがこれに限らない。また、二種類以上の溶剤を混合して用いても良い。
バインダーとしてプロトン伝導性ポリマーを使用する場合、主溶剤としては、水または水と親和性が高い溶剤が好ましく、特にアルコールが好適に使用できる。このようなアルコールとしては、例えば、沸点80〜200℃程度の1価のアルコールないし多価アルコールが利用でき、好ましくは炭素数が4以下のアルコール系溶剤が挙げられる。具体的には、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノールなどが挙げられる。アルコールは、1種単独で又は2種以上混合して使用される。これらの1価のアルコールの中でも、2−プロパノール、1−ブタノール及びt−ブタノールが好ましい。多価アルコールとしては具体的には、プロトン伝導性を有する樹脂との相溶性、及び触媒ペーストとした場合の乾燥効率の問題から、例えば、プロピレングリコール、エチレングリコールなどが好ましく、中でもプロピレングリコールが特に好ましい。
<バインダー>
バインダーとしては、従来公知のものを使用することができ、例えば、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、カルボキシメチルセルロース等のセルロース樹脂、スチレン−ブタジエンゴムやフッ素ゴム等の合成ゴム、ポリアニリンやポリアセチレン等の導電性樹脂等、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、及びテトラフルオロエチレン等のフッ素原子を含む高分子化合物が挙げられる。又、これらの樹脂の変性物、混合物、又は共重合体でも良く、水溶性の樹脂であっても、水分散型の樹脂であっても良い。これらバインダーは、1種または複数を組み合わせて使用することも出来る。また溶剤の種類よって分散効果があるものを使用しても良い。
燃料電池用触媒層のバインダーとしては、膜中にプロトンを伝導する観点からプロトン伝導性を有するポリマーがより好ましいが、金属−空気電池や微生物燃料電池でもみられるように、液体電解質が使用される場合はこの限りではない。プロトン伝導性ポリマーとしては、親水性官能基を有するバインダーを指し、プロトン伝導度として100%RH、25℃で10−3Scm−1以上を示すものが好ましい。
ここで、親水性官能基としては、スルホ基、カルボキシ基、りん酸基等の酸性官能基、水酸基、アミノ基等の塩基性官能基が挙げられるが、プロトン解離性の観点から、スルホ基、カルボキシ基、りん酸基、及び水酸基がより好ましい。
プロトン伝導性を示すポリマーとしては、スルホ基を導入した、オレフィン系樹脂(ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸等)、ポリイミド系樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、ポリベンズイミダゾール系樹脂、及びポリスチレン系樹脂、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体のスルホン酸ドープ品、パーフルオロスルホン酸系樹脂等のスルホン酸を有する樹脂;
ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等のカルボン酸を有する樹脂;
ポリビニルアルコール等の水酸基を有する樹脂;
ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウム塩、イミダゾール部分で酸と塩形成したポリベンズイミダゾール系樹脂等のアミノ基を有する樹脂;
ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール等の、その他の親水性官能基を有する樹脂が挙げられる。特に、パーフルオロスルホン酸系樹脂は、電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に非常に安定し、スルホ基の解離度が高く、高いプロトン導電性が実現できる。このようなプロトン伝導性ポリマーの具体例としては、デュポン社製の「Nafion」等が挙げられる。通常、プロトン伝導性ポリマーは、ポリマーを5〜30質量%程度含むアルコール水溶液として使用される。アルコールとしては、例えば、メタノール、プロパノール、エタノールジエチルエーテル等が使用される。
また正極側の触媒層において酸素と水素イオンが反応して生じる水、この余剰水の排水という観点から、撥水性のバインダーがより好ましい場合がある。撥水性バインダーとしては、親水性官能基を有さないバインダーを指し、表面張力が水の表面張力(約72dyn/cm)より低いものが好ましい。例えば、フッ素系樹脂や、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコン樹脂が使用できる。
<燃料電池用触媒ペースト組成物>
本発明の燃料電池用ペースト組成物は、少なくとも非白金系炭素系触媒、炭素材料、溶剤及びバインダーを含有するものである。炭素材料の親水度が0.5以下であり、非白金系炭素系触媒に対する炭素材料の質量比が0.1〜50質量%の範囲内であれば、他の割合は特に限定されるものではなく、広い範囲内で適宜選択される。
<燃料電池用触媒層>
燃料電池用触媒層は、前述の燃料電池用触媒ペースト組成物を導電性支持体(カーボンペーパなど)に直接塗布及び乾燥することにより形成されてもよく、また燃料電池用触媒ペースト組成物をテフロン(登録商標)シート等の剥離可能な転写基材に塗布乾燥したものである。
燃料電池用触媒ペースト組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、ナイフコーター、バーコーター、ブレードコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スクリーン印刷等の一般的な方法を適用できる。
塗布した後、乾燥することにより、塗膜(燃料電池用触媒層)が形成される。乾燥温度は、通常40〜120℃程度、好ましくは75〜95℃程度である。また、乾燥時間は、乾燥温度にもよるが、通常5分〜2時間程度、好ましくは30分〜1時間程度である。塗布乾燥後の燃料電池用触媒層の厚みは、10μm以上あると発電性能が良い。
上記の燃料電池用触媒層を固体高分子電解質膜に転写する場合の加圧レベルは、転写不良を避けるために、通常0.5〜30MPa程度、好ましくは1〜20MPa程度がよい。また、この加圧操作の際に、加圧面を加熱することがより好ましい。加熱温度は、固体高分子電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは120〜150℃程度がよい。
<燃料電池用触媒>
本発明における、正極側の燃料電池用触媒層の触媒は、前述のとおり、非白金系炭素系触媒を使用する。一方で、負極側の燃料電池用触媒層に用いられる触媒としては、公知もしくは市販のものを使用することができる。
固体高分子形燃料電池用の触媒としては、触媒粒子が、触媒担持体上に担持してなるものが挙げられる。
触媒粒子としては、水素の酸化を促進するものであれば特に限定されないが、例えば、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム又はこれらの合金が挙げられる。
触媒担持体としては、例えば、炭素粒子、酸化物粒子、窒化物粒子が挙げられる。
炭素粒子としては、上述の非白金炭素系触媒の主構成成分に使用される炭素材料の説明で例示したものと同様のものが挙げられる。
酸化物粒子としては、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ等が挙
げられる。
窒化物粒子としては、例えば、窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ニオブ、窒化タンタル、窒化クロム、窒化バナジウム等が挙げられる。
触媒粒子の触媒担持体上への担持率は特に限定されない。触媒粒子として白金、触媒担持体として炭素粒子を用いた場合は、触媒粒子100質量%に対して、通常1〜70質量%程度までの担持が可能である。
市販の燃料電池用触媒材しては、例えば、
TEC10E50E、TEC10E70TPM、TEC10V30E、TEC10V50E等の白金担持炭素粒子;
TEC66E50、TEC62E58等の白金−ルテニウム合金担持炭素粒子;
をいずれも田中貴金属工業社より購入することができるが、これらに限定されるものではない。
<燃料電池用電極膜接合体>
本発明における燃料電池用電極膜接合体とは、プロトン伝導性の固体高分子電解質膜の片面もしくは両面に、燃料電池用触媒層が密着して形成され、さらに、その片面もしくは両面に、カーボンペーパ等の導電性支持体が密着して具備したものを意味する。
燃料電池用電極膜接合体の製造方法としては、固体高分子電解質膜の片面もしくは両面に、転写基材上に予め形成された燃料電池用触媒層を転写後、導電性支持体を熱圧着することで燃料電池用電極膜接合体を作製する方法が挙げられる。また、固体高分子電解質膜の片面もしくは両面に、導電性支持体上に予め形成された燃料電池用触媒層を、熱圧着することで燃料電池用電極膜接合体を作製してもよい。
上述の燃料電池用電極膜接合体において、導電性支持体と燃料電池用触媒層及び固体高分子電解質膜間を熱圧着する場合の、加圧レベルは、通常0.1〜50MPa程度、好ましくは1〜30MPa程度がよい。また、加熱温度としては、固体高分子電解質膜の破損、変性等を避けるために、通常200℃以下、好ましくは120〜150℃程度がよい。
<固体高分子電解質膜>
固体高分子電解質膜としては、例えば、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂等が挙げられる。電気陰性度の高いフッ素原子を導入する事で化学的に非常に安定し、スルホ基の解離度が高く、高いイオン導電性が実現できる。具体例としてはデュポン社製の「Nafion」、旭硝子社製の「Flemion」、旭化成社製の「Aciplex」、ゴア(Gore)社製の「Gore Select」等が挙げられる。電解質膜の膜厚は、通常20〜250μm程度、好ましくは10〜80μm程度である。
<導電性支持体>
導電性支持体は、負極又は正極を構成する各種の導電性支持体を使用できるが、固体高分子形燃料電池に代表される多くの燃料電池では、正極側では空気中の酸素を取り入れ、負極側では水素を取り込めるように気体が通過および拡散できるような多孔質または繊維状の支持体であることが好ましい。更に電子の出し入れが必要なため導電性を有する材料を用いらなければならない。好ましくは炭素素材からなるカーボンペーパや、カーボンフェルト、カーボンクロスなどがよい。具体例としては東レ社製の「TGP−H−090」等が挙げられる。これら導電性支持体は、燃料電池ではガス拡散層あるいはGDLとも呼ばれる。
<燃料電池用触媒電極>
本発明における燃料電池用触媒電極は、前述の燃料電池用触媒層が導電性支持体上に形成されたものを意味し、前述の燃料電池用触媒ペースト組成物を導電性支持体に直接塗布及び乾燥することにより形成されてもよく、固体高分子電解質膜上で燃料電池用触媒層と導電性支持体が密着され、燃料電池用電極膜接合体の一部として形成されてもよい。
<転写基材>
転写基材は燃料電池用触媒ペースト組成物を塗布することで燃料電池用触媒層を形成し、転写基材上にある触媒層をナフィオンなどの固体高分子電解質膜に転写するためのフィルム基材である。転写基材としては、安価で入手が容易な高分子フィルムが好ましく、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート等がより好ましい。具体例としてはテフロン(登録商標)シート等が挙げられる。転写基材の厚さは、取り扱い性及び経済性の観点から、通常6〜100μm程度、好ましくは10〜50μm程度、より好ましくは15〜30μm程度とするのがよい。
<燃料電池>
燃料電池は使用する電解質により、いくつかのタイプに分類することができるが、本発明の燃料電池には、固体高分子形燃料電池、微生物燃料電池、金属‐空気電池が好ましい。
<固体高分子形燃料電池>
固体高分子形燃料電池は、固体高分子電解質4を挟むように、対向配置されたセパレータ1、ガス拡散層2、負極触媒層(燃料極)3、正極触媒層(空気極)5、ガス拡散層6、及びセパレータ7とから構成される。
上記セパレータ1、7は、燃料ガス(水素)や酸化剤ガス(酸素)等の反応ガスの供給、排出を行う。そして、負極及び正極触媒層3、5に、ガス拡散層2、6を通じてそれぞれ均一に反応ガスが供給されると、両電極に備えられた触媒と固体高分子電解質4との境界において、気相(反応ガス)、液相(固体高分子電解質膜)、固相(両電極が持つ触媒)の三相界面が形成される。そして、電気化学反応を生じさせることで直流電流が発生する。
上記電気化学反応において、
正極側:O+4H+4e→2H2
負極側:H→2H+2e
の反応が起こり、負極側で生成されたHイオン(プロトン)は固体高分子電解質4中を正極側に向かって移動し、e(電子)は外部の負荷を通って正極側に移動する。
一方、正極側では酸化剤ガス中に含まれる酸素と、負極側から移動してきたHイオン及びeとが反応して水が生成される。この結果、上述の燃料電池は、水素と酸素とから直流電力を発生し、水を生成することになる。
負極の燃料源として、水素ガスを使用せず、メタノールやエタノール等の液体燃料を使用する場合がある。この際、メタノールやエタノール等の液体燃料が負極触媒層により酸化され、e−(電子)およびH+イオン(プロトン)が発生し、正極側では上述の水素ガスを使用した燃料電池と同様の反応が生起することで発電することができる。
<燃料電池のセル電圧低下>
理論起電力からのセル電圧低下を分極といい、その大きさを過電圧という。過電圧は3種類あり、活性化過電圧、抵抗過電圧、濃度過電圧がある。活性化過電圧は反応を進行させるために消費される活性化エネルギーの損失分の電圧降下である。抵抗過電圧は構成部材の接触抵抗と電池内部のセパレータ、電極、電解質などを電子やイオンが移動する際に発生する電圧降下である。濃度過電圧は電気化学反応に伴い生じる生成水による触媒層細孔の閉塞(フラッディング)や、反応ガスの濃度低下により、反応部位である触媒表面に反応ガスが到達しにくくなるために生じる電圧降下である。
<過電圧の分離>
抵抗過電圧は電流遮断法、交流インピーダンス法などにより計測できる。これを補正した出力電力をIR−freeとして報告することが多い。負極側の反応は正極側に比べて非常に速く、IR−freeでのI−V特性は正極側の特性と見なす事が出来る。IR−freeのセル電圧を縦軸、電流密度を対数で表示したものを横軸にしたものがターフェルプロットである。IR−freeのセル電圧は低電流密度領域ではほぼ直線的に低下し、高電流密度領域では徐々にこの直線からずれていく。この直線の傾きをターフェル勾配という。活性化過電圧はIR−freeのセル電圧900mVを基準とし、試験時の対数で表示した電流密度と直線的に低下するセル電圧特性との交点Aにおけるセル電圧差である((1)式)。

式中、η:活性化過電圧、b:ターフェル勾配、i:試験時の電流密度、i0.9:IR−freeのセル電圧900mV時の電流密度である。
濃度過電圧は(2)式によって算出される。

式中、η:濃度過電圧、V:IR−freeのセル電圧である。
<微生物燃料電池>
微生物燃料電池は、微生物が有機物を嫌気分解する代謝活動から生成される電子を回収しつつ有機物の分解を促進させる電池である。負極には、電子供与微生物が保持されており、有機排水中などに含まれる有機物を利用して代謝を行い、e(電子)およびHイオン(プロトン)を発生させる。正極側では発生したe(電子)およびHイオン(プロトン)を利用した酸素還元反応により発電することができる。
微生物燃料電池の構成としては、電子供与微生物が保持された負極となる導電性支持体と、燃料電池用触媒を塗布した正極となる導電性支持体を、有機排水等を含む液槽に差し込んだ一槽型構成や、固体高分子形燃料電池のように、固体高分子膜を利用して、負極槽と正極槽を隔てた二槽型構成でもよい。
正極としては、本発明における燃料電池用触媒ペースト組成物を導電性支持体に塗布した燃料電池用触媒電極、燃料電池用電極膜接合体も好適に使用することができる。
<微生物燃料電池用電子供与微生物>
微生物燃料電池用の電子供与微生物としては、Shewanella属、Pseudomonas属、Rhodoferax属、Geobacter属等を用いることができる。
<金属‐空気電池>
金属‐空気電池は、負極活物質として金属を使用し、発生したe(電子)および金属イオンにより、正極側の酸素還元反応を利用して発電することができ、充放電させることで2次電池としても機能する。
金属‐空気電池の構成としては、負極活物質としての金属を有する負極と、燃料電池用触媒等を塗布した正極となる導電性支持体、前記正極と負極の間で金属イオンの伝導を担う電解質層、及びセパレータよりなる。
正極としては、本発明における燃料電池用触媒ペースト組成物を導電性支持体に塗布した燃料電池用触媒電極、燃料電池用電極膜接合体も好適に使用することができる。
<金属‐空気電池用負極>
金属‐空気電池用負極は、負極活物質を有する負極槽と接触するように電解質層が配置されている。負極活物質は、通常、伝導するイオンとなる金属元素を有している。上記金属元素としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、マンガン(Mn)、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、クロム(Cr)及びバナジウム(V)などを挙げることができる。中でも、エネルギー密度が高い電池を得ることができるため、Liであることが好ましい。また、金属単体だけでなく、合金や金属酸化物、金属窒化物なども挙げることができるが、これらに限定されるものではなく、金属-空気電池に適用される従来公知のものを適用することができる。
<金属‐空気電池用電解質層>
電解質層は、上記の金属-空気電池の正極と負極の間で金属イオンの伝導を行うものである。金属イオンの種類は、上述した負極活物質の種類によって異なり、その形態も金属イオン伝導性が有するものであれば特に限定されるものではない。例えば、水溶液や非水溶液を適用することもできるし、それらをポリマーマトリクスで保持したゲル状高分子電解質や、ポリマー電解質及び無機固体電解質を使用してもよい。また、固体電解質やセパレータを使用して、正極側、負極側で異なる電解液を使用してもよい。
リチウムイオンの伝導を考えた場合、電解液としては、リチウムを含んだ電解質を水または非水系の溶剤に溶解したものを用いる。
電解質としては、LiBF、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiCFSO、Li(CFSON、LiCSO、Li(CFSOC、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF、LiSCN、又はLiBPh等が挙げられるがこれらに限定されない。
非水系の溶剤としては特に限定はされないが、例えば、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、及びジエチルカーボネート等のカーボネート類;
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、及びγ−オクタノイックラクトン等のラクトン類;
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−メトキシエタン、1,2−エトキシエタン、及び
1,2−ジブトキシエタン等のグライム類;
メチルフォルメート、メチルアセテート、及びメチルプロピオネート等のエステル類;
ジメチルスルホキシド、及びスルホラン等のスルホキシド類;並びに、
アセトニトリル等のニトリル類等が挙げられる。又これらの溶剤は、それぞれ単独で使用しても良いが、2種以上を混合して使用しても良い。
さらに上記電解液を、ポリマーマトリクスに保持しゲル状とした高分子電解質とする場合、ポリマーマトリクスとしては、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するアクリレート系樹脂、ポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリホスファゼン系樹脂、及びポリアルキレンオキシドセグメントを有するポリシロキサン等が挙げられるがこれらに限定されない。
<金属‐空気電池用セパレータ>
セパレータとしては、例えば、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、ポリアミド不織布及びそれらに親水性処理を施したものが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
以下に、燃料電池の性能を評価する方法の一例を示す。燃料電池用電極膜接合体を5cm角の試料とし、その両側からガス漏えい防止のため、ガスケットを2枚、次いでセパレータとしてグラファイトプレート2枚ではさみ、更に両側から集電板を2枚装着して単セルとして作製する。正極(空気極)側から加湿した酸素ガスを供給し、負極(燃料極)側から加湿した水素ガスを供給して電池特性を測定する。
なお、本発明における触媒ペースト組成物、触媒層、触媒電極の用途は、上述の燃料電池に限定するものではなく、排ガス浄化、水処理浄化等にも用いることが可能である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
<非白金系炭素系触媒の合成>
非白金系炭素系触媒の分析は以下の測定機器を使用した。
・BET比表面積;窒素吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)、水蒸気吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−18)
窒素吸着量測定は、非白金系炭素系触媒を前処理150℃、4時間行い脱水させ、液体窒素温度(−196℃)における窒素吸着量を測定した。窒素吸着量から窒素吸着等温線を求め、BET法にてBET比表面積(BETN2)を算出した。
水蒸気吸着量測定は非白金系炭素系触媒を真空中で前処理150℃、4時間行い脱水させ、25℃における水蒸気吸着量を測定した。水蒸気吸着量から水蒸気等温線を求め、BET法にてBET比表面積(BETH2O)を算出した。
[製造例1:非白金系炭素系触媒(X1)]
グラフェンナノプレートレット(XGscience社製、xGnP−C−750)とコバルトフタロシアニン(東京化成社製)を、質量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、非白金炭素系触媒(X1)を得た。親水度は1.8であった。
[製造例2:非白金系炭素系触媒(X2)]
グラフェンナノプレートレット(XGscience社製、xGnP−C−750)とコバルトフタロシアニン(東京化成社製)を、質量比1/1で秤量し、粒子複合化装置メカノフュージョン(ホソカワミクロン社製)にて乾式混合し、混合物を得た。上記混合物を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、400℃で2時間熱処理を行い、非白金系炭素系触媒(X2)を得た。親水度は4.9であった。
[製造例3:非白金系炭素系触媒(X3)]
鉄フタロシアニン(山陽色素社製)とケッチェンブラック(ライオン社製、EC−600JD)を、質量比1/1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、700℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し非白金系炭素系触媒(X3)を得た。親水度は3.7であった。
[製造例4:非白金系炭素系触媒(X4)]
フェノール樹脂(群栄化学社製、PSM−4326)と鉄フタロシアニン(山陽色素社製)を質量比3.3/1で秤量し、アセトン中で湿式混合した。上記混合物を減圧留去した後、乳鉢で粉砕し、前駆体とした。上記前駆体粉末をアルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、600℃で2時間熱処理を行い、炭素焼結体(1)を得た。上記炭素焼結体(1)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素燒結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行い、ろ過、水洗、乾燥した後、乳鉢で粉砕し、アルミナ製るつぼに充填、電気炉にてアンモニア雰囲気下、800℃で1時間熱処理し、炭素焼結体(2)を得た。上記炭素焼結体(2)を濃塩酸中でリスラリーし、静置させ、炭素焼結体沈殿後、上澄み液を除去した。上記操作を上澄みの着色がなくなるまで、繰り返し行った後、ろ過、水洗、乾燥し、乳鉢で粉砕し、非白金系炭素系触媒(X4)を得た。親水度は2.1であった。
[製造例5:非白金系炭素系触媒(X5)]
ポリビニルピリジン(PVP、アルドリッチ社製)をジメチルホルムアミドに溶解させ、PVPに対して質量比2/1の塩化鉄六水和物を加え、室温で24時間攪拌し、ポリビニルピリジン鉄錯体を得た。上記ポリビニルピリジンとケッチェンブラック(ライオン社製、EC−600JD)を、質量比1/1で秤量し、乳鉢にて乾式混合を行い前駆体とした。上記前駆体粉末を、アルミナ製るつぼに充填し、電気炉にて窒素雰囲気下、800℃で2時間熱処理を行い、得られた炭化物を乳鉢にて粉砕し非白金系炭素系触媒(X5)を得た。親水度は1.9であった
<炭素材料>
表1に炭素材料の特性を示す。
炭素材料の分析は以下の測定機器を使用した。
・BET比表面積、細孔容積の測定;窒素吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−mini)、水蒸気吸着量測定(日本ベル社製 BELSORP−18)
窒素吸着量測定は、炭素材料を前処理150℃、4時間行い脱水させ、液体窒素温度(−196℃)における窒素吸着量を測定した。窒素吸着量から窒素吸着等温線を求め、BET法にてBET比表面積及びBJH法にて細孔容積を算出した。
水蒸気吸着量測定は炭素材料を真空中で前処理150℃、4時間行い脱水させ、25℃における水蒸気吸着量を測定した。水蒸気吸着量から水蒸気等温線を求め、BET法にてBET比表面積(BETH2O)を算出した。
かさ密度はJIS M 8811に従い、気乾試料に調整した後に、メスシリンダーに試料を投入し、タッピングした後の試料容積で試料重量を除して求めた。


炭素材料(1):ケッチェンブラック(ライオン社製、EC−300J)
炭素材料(2):グラフェンナノプレートレット(XGscience社製、xGnP−C−750)
炭素材料(3):アセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラックHS−100)
炭素材料(4):製造例6で作製
[製造例6:炭素材料(4)<改質ケッチェンブラックの合成>]
ケッチェンブラック(ライオン社製、EC−300J)を、無水酢酸(200ml)と96%硫酸(10ml)から調整した酢酸スルホネート溶液に室温で加え、70℃にて6時間撹拌することによりスルホン化させた炭素材料(4)を得た。
<燃料電池用触媒ペースト組成物の調製>
[実施例1−a]
非白金系炭素系触媒(X1)を10.0質量%と、炭素材料(1)を3.0質量%と、溶剤として超純水30質量%、1−プロパノール30質量%と、バインダーとして20質量%ナフィオン(Nafion(登録商標))分散溶液(デュポン社製、CStypeDE2020)27質量%を添加し、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合し、本発明の燃料電池用触媒ペースト組成物(1)(固形分濃度18.4質量%)を調製した。
[実施例2−a〜実施例14−a、比較例1−a〜8−a]
非白金系炭素系触媒(X1)と炭素材料(1)の種類と組成を、表2の様に変更した以外は、実施例1と同様にして燃料電池用触媒ペースト組成物(2)〜(22)を調製した。

<正極用燃料電池用触媒層の作製>
[実施例1−b正極用燃料電池用触媒層(1)の作製]
燃料電池用触媒ペースト組成物(1)を、ドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるようにテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、大気雰囲気下、95℃で60分間乾燥することにより、本発明の正極用燃料電池用触媒層(1)を作製した。正極用燃料電池用触媒層(1)の膜厚は膜厚計(Nikon社製 デジマイクロMH−15)を用いて計測した。
[実施例2−b〜実施例16−b、比較例1−b〜比較例8−b]
燃料電池用触媒ペースト組成物(1)の代わりに、燃料電池用触媒ペースト組成物(2)〜(22)に変更、もしくは乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量を変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、表3に示す正極用燃料電池用触媒層(2)〜(24)を作製した。正極用燃料電池用触媒層(2)〜(24)の膜厚は膜厚計(Nikon社製 デジマイクロMH−15)を用いて計測した。
<負極用燃料電池用触媒層の作製>
ここでは、燃料電池用電極膜接合体の作製に使用する負極用燃料電池用触媒層の作製方法について以下に述べる。
白金触媒担持カーボン4質量%(田中貴金属社製、白金量46%)、溶剤として1―プロパノール56質量%、および水20質量%をディスパー(プライミクス、TKホモディスパー)にて撹拌混合することで触媒ペースト組成物(固形分濃度4%)を調製した。次いで、20質量%ナフィオン(Nafion(登録商標))分散溶液(デュポン社製、CStypeDE2020)20質量%を添加し、ディスパー(プライミクス製、T.Kホモディスパー)にて撹拌混合することで触媒インキ(固形分濃度8%)を作製した。得られた触媒インキを白金触媒担持カーボンの目付け量が0.46mg/cmになるようにテフロン(登録商標)フィルム上に塗布し、大気雰囲気中70℃の条件で15分間乾燥することにより、負極用燃料電池用触媒層を作製した。
<燃料電池用電極膜接合体の作製>
[燃料電池用電極膜接合体(1)の作製]
実施例1−bで作製した正極用燃料電池用触媒層(1)と、負極用燃料電池用触媒層とを、それぞれ固体高分子電解質膜(Nafion212、デュポン社製、膜厚50μm)の両面に密着して、150℃、5MPaの条件で狭持した後、テフロン(登録商標)フィルムを剥離した。次いで、更に両側から燃料電池用電極(東レ社製カーボンペーパ基材TGP−H−090)を密着させ、本発明の燃料電池用電極膜接合体(電極/触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層/電極)(1)を作製した。
得られた燃料電池用電極膜接合体(1)を2.5cm角の試料とし、その両側からガスケット2枚、次いでグラファイトプレートであるセパレータ2枚ではさみ、更に両側から集電板を2枚装着して燃料電池(単セル)として作製した。
[燃料電池用電極膜接合体(2)〜(24)の作製]
燃料電池用電極膜接合体(1)と同様に、正極用燃料電池用触媒層(1)の代わりに、正極用燃料電池用触媒層(2)〜(24)に変更した以外は、実施例1と同様にして、それぞれ、本発明の燃料電池用電極膜接合体(2)〜(24)を作製した。
得られた燃料電池用電極膜接合体(2)〜(24)を2.5cm角の試料とし、その両側からガスケット2枚、次いでグラファイトプレートであるセパレータ2枚ではさみ、更に両側から集電板を2枚装着して燃料電池(単セル)として作製した。
<燃料電池用触媒層の評価>
正極用燃料電池用触媒層(1)〜(24)から得られた燃料電池用電極膜接合体(1)〜(24)を用いて作製した燃料電池の発電試験を行うことにより、正極用燃料電池用触媒層を評価した。
測定はAutoPEMシリーズ「PEFC評価システム」東陽テクニカ社製で実施した。燃料電池運転条件として、温度80℃、相対湿度100%の条件下で、負極側に水素を300ml/minで流し、正極側に酸素を300ml/minで流して発電試験を実施した。結果を表3に示す。


表3に示すように非白金系炭素系触媒に対する炭素材料の質量比が0.1〜50質量%を添加した実施例は最大出力密度も良好であった。さらに親水度が0.15以下、BETN2が500m/g以上の炭素材料を添加した実施例1〜4は1A/cmでの濃度過電圧が低く、ガス拡散性が良好であり、最大出力密度も良好であった。これは疎水性で大きい比表面積を持つ炭素材料を触媒層に含有することで、フラッディングの抑制によりガス拡散性が向上したためと推察した。一方、比較例1〜4は濃度過電圧が高く、最大出力密度が良好となるものは得られなかった。
<燃料電池用触媒電極の作製>
以下では、導電性支持体に本発明の燃料電池触媒ペースト組成物を直接塗工して燃料電池用触媒電極を作製する方法について例示する。
[実施例17]
燃料電池用触媒ペースト組成物(1)を、ドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、正極用燃料電池用触媒電極(1)を作製した。
<燃料電池(単セル)の作製>
正極用燃料電池用触媒電極(1)(カーボンペーパ上に燃料電池用触媒ペースト組成物が固着)と負極用燃料電池用触媒層とを、それぞれ固体高分子電解質膜(Nafion212、デュポン社製、膜厚50μm)の両面に密着して、150℃、5MPaの条件で狭持した後、テフロン(登録商標)フィルムを剥離した。次いで、更に負極側から燃料電池用電極(東レ社製カーボンペーパ基材TGP−H−090)を密着させ、本発明の燃料電池用電極膜接合体(電極/触媒層/固体高分子電解質膜/触媒層/電極)(25)を作製した。
<燃料電池(単セル)発電試験>
実施例1−bと同様の方法にて発電特性を測定したところ、最大出力密度0.40W/cm、開放電圧0.81V、1A/cmでの濃度過電圧0.06Vであった。
<微生物燃料電池>
以下では、本発明の燃料電池用触媒ペースト組成物より作製した触媒電極を用いて、微生物燃料電池を作製する方法ついて例示する。
[実施例18 微生物燃料電池用電解槽の調製]
非白金系炭素系触媒(X3)を10.0質量%と、炭素材料(1)を3.0質量%と、溶剤としてトルエン81.6質量%と、バインダーとしポリジメチルシロキサン5.4質量%を添加し、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合し、燃料電池用触媒ペースト組成物(23)(固形分濃度18.4質量%)を調製した。
燃料電池用触媒ペースト組成物(23)を、ドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、正極用燃料電池用触媒電極(2)を作製した。
30mLの容量を持つ電解槽内で、電子供与微生物として、Shewanella oneidenis MR−1(単一培養、10cells/mL)と水田土壌の混合液を30℃で3日間嫌気的に培養した後、電解質溶液としてKHPO/KHPO(pH7.0)の緩衝溶液を使用し、栄養基質としてグルコースを含む生活廃水を2.0gCOD/L/日(COD;化学的酸素要求量)を連続的に流入させた。負極の導電性支持体として、カーボンクロスを、正極としては正極用燃料電池用触媒電極(2)をそれぞれ電解槽へ挿入した。
[比較例9 微生物燃料電池用電解槽の調製]
非白金系炭素系触媒(X3)を10.0質量%と、炭素材料(4)を3.0質量%と、溶剤としてトルエン81.6質量%と、バインダーとしポリジメチルシロキサン5.4質量%を添加し、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合し、燃料電池用触媒ペースト組成物(24)(固形分濃度18.4質量%)を調製した。
正極として燃料電池用触媒ペースト組成物(24)をドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、作製した正極用燃料電池用触媒電極(3)を用いた以外は実施例18と同様にして、微生物燃料電池用電解槽を作製した。
(微生物燃料電池の発電試験)
ポテンショ・ガルバノスタット(VersaSTAT3、Princeton Applied Research社製)を用いて電流−電圧測定を行い、評価したところ、実施例18は約0.29W/m2であったのに対し、比較例9では、約0.15W/m2であった。
<金属‐空気電池>
以下では、本発明の燃料電池用触媒ペースト組成物より作製した触媒電極を用いて、金属‐空気電池を作製する方法ついて例示する。
[実施例19 空気電池用評価セルの作製]
非白金系炭素系触媒(X3)を10.0質量%と、炭素材料(1)を3.0質量%と、溶剤としてN−メチルピロリドン81.6質量%と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5.4質量%を添加し、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合し、燃料電池用触媒ペースト組成物(25)(固形分濃度18.4質量%)を調製した。
燃料電池用触媒ペースト組成物(25)を、ドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、正極用燃料電池用触媒電極(4)を作製した。
Li箔上へ、非水系電解液(1M LiPF、エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート=1/1、体積比)を含ませたセパレータ(多孔質ポリプロピレンフィルム)、固体電解質(オハラ社製、LiCGC Plate 1inch×150μmt)を配置し、アルミラミネートフィルムにて固定した。この際、固体電解質側のアルミラミネートフィルムを16mm角の大きさに切り抜き、固体電解質の露出面を作製し、空気電池用負極電極を作製した。
空気電池用負極電極の固体電解質上に、水性電解液として、1MのLiCl水溶液を含浸した不織布を、次いで、正極用燃料電池用触媒電極(4)を配置し、アルミラミネートフィルムにより固定、熱圧着することで、空気電池用評価セルを得た。
[比較例10 空気電池用評価セルの作製]
非白金系炭素系触媒(X3)を10.0質量%と、炭素材料(4)を3.0質量%と、溶剤としてN−メチルピロリドン81.6質量%と、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5.4質量%を添加し、ディスパー(プライミクス社製、T.Kホモディスパー)にて攪拌混合し、燃料電池用触媒ペースト組成物(26)(固形分濃度18.4質量%)を調製した。
燃料電池用触媒ペースト組成物(26)を、ドクターブレードにより、乾燥後の非白金系炭素系触媒の目付け量が2mg/cmになるように導電性支持体として炭素繊維からなるカーボンペーパ基材(TGP−H−090、東レ社製)上に塗布し、大気雰囲気中95℃、60分間乾燥して、正極用燃料電池用触媒電極(5)を作製した。
正極用燃料電池用触媒電極(4)の代わりに、正極用燃料電池用触媒電極(5)を用いた以外は、実施例19と同様にして空気電池用評価セルを得た。
(空気電池の特性評価:容量維持率)
得られた空気電池評価セルを用いて、2.0―4.8Vのカット電圧、0.5mA/cmの電流密度の条件で、3サイクルの慣らし運転を行った。その後、同条件にて、30サイクルの充放電テストを行うことで、容量維持率を求めたところ、容量維持率95.7%であったのに対して比較例10では容量維持率70.3%であった。
[実施例20 マグネシウム空気一次電池用評価セルの作製]
負極としてMg板、正極として正極用燃料電池用触媒電極(4)を使用し、両極でセパレータ(不織布)を挟み込み固定し、マグネシウム空気一次電池評価用セルを得た。
[比較例11 マグネシウム空気一次電池用評価セルの作製]
正極用燃料電池用触媒電極(4)の代わりに、正極用燃料電池用触媒電極(5)を用いた以外は、実施例20と同様にしてマグネシウム空気一次電池評価用セルを得た。
<マグネシウム空気一次電池の特性評価:開放電圧、放電容量>
得られたマグネシウム空気一次電池評価用セルのセパレータに電解液(20%塩化ナトリウム水溶液)を浸し、構成セルの開放電圧(OCV)と放電容量を充放電評価装置により測定した。実施例20では、開放電圧が1.7V、放電容量が1412mAh/gであったのに対して、比較例11では、開放電圧が1.2V、放電容量が755mAh/gであった。
本発明の燃料電池用触媒ペースト組成物を用いて作製される燃料電池用触媒層及び触媒電極は、微生物燃料電池や金属-空気電池などの液体電解質を用いる燃料電池においても、炭素材料がガス拡散路として機能するため、非白金系炭素系触媒上の活性点への酸素供給量が増加し、性能向上に繋がったものと推察される。
本発明の燃料電池用触媒ペースト組成物を用いて作製される燃料電池用触媒層及び触媒電極は、反応によって生成された水によるフラッディングが起こりにくく、ガス拡散性が良好であるため最大出力密度が向上しているものと推察される。加えて、微生物燃料電池や金属-空気電池などの液体電解質を用いる燃料電池においても、炭素材料がガス拡散路として機能し、好適に適用できることがわかった。
図1は、燃料電池の構造の模式図である。
1 セパレータ
2 ガス拡散層
3 負極触媒層(燃料極)
4 固体高分子電解質
5 正極触媒層(空気極)
6 ガス拡散層
7 セパレータ

Claims (7)

  1. 非白金系炭素系触媒と、炭素材料と、溶剤と、バインダーを含んでなる燃料電池用触媒ペースト組成物であって、
    前記炭素材料の親水度(水を吸着種としたBET比表面積(BETH2O)と、窒素を吸着種としたBET比表面積(BETN2)との比(BETH2O /BETN2))が0.5以下であり、
    前記非白金系炭素系触媒に対する前記炭素材料の質量比が0.1〜50質量%であることを特徴とする燃料電池用触媒ペースト組成物。
  2. 非白金系炭素系触媒の親水度が0.6〜2.5であり、かつ炭素材料のBETN2が100m2/g以上、細孔容積が0.4cm/g以上、かさ密度が0.4g/cm以下であることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用触媒ペースト組成物。
  3. 炭素材料の親水度が0.15以下、BETN2が500m2/g以上であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用触媒ペースト組成物。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の燃料電池用触媒ペースト組成物から形成されてなる燃料電池用触媒層。
  5. 請求項4記載の燃料電池用触媒層と導電性支持体とを具備してなる燃料電池用触媒電極。
  6. 固体高分子電解質膜と、請求項5記載の燃料電池用触媒電極を具備してなる燃料電池用電極膜接合体。
  7. 請求項5記載の燃料電池用触媒電極または請求項6記載の燃料電池用電極膜接合体の少なくとも一方を具備してなる燃料電池。
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