JP2015041477A - 微生物燃料電池用エアカソード及び微生物燃料電池 - Google Patents

微生物燃料電池用エアカソード及び微生物燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】水処理に十分な酸素透過性能を有する微生物燃料電池用エアカソードを提供する。【解決手段】カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、ステンレス、チタン又はカーボン被覆金属からなる導電性基材11と、前記導電性基材11の第1の表面11aに積層された透気性防水性フィルム12と、前記導電性基材11の前記第1の表面11aとは反対の第2の表面11bに積層された不織布13を備え、前記第1の表面11aと前記透気性防水性フィルム12の間、および前記第2の表面と前記不織布13の間を加熱融着する。【選択図】図1

Description

本発明は、微生物燃料電池に用いられる微生物燃料電池用エアカソードに関する。また、本発明は、上記微生物燃料電池用エアカソードを用いた微生物燃料電池に関する。
近年、廃水等の有機性廃棄物を分解する際にエネルギーを回収する方法として、燃料電池のしくみを利用した微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池では、廃水及び廃棄物等に含まれる有機性物質を分解する際に微生物が放出した電子を電極により回収することによって、直接的に電気エネルギーを回収することが可能である。
上記微生物燃料電池の一例が、下記の特許文献1,2に開示されている。具体的には、特許文献1,2では、アノード(負電極)と、イオン透過性膜と、カソード(正電極)とがこの順で並べられており、かつアノードとカソードとが導線により接続されている微生物燃料電池が開示されている。
上記微生物燃料電池を使用する際には、アノードの表面上の空隙の流路に、嫌気性下で生育可能な微生物及び有機性物質を含む液を流す。また、カソードの表面上の流路に空気を流し、カソードに空気を接触させる。アノードでは、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成される。水素イオンは、イオン透過性膜を透過して、カソード側に移動して、アノードとカソードとの間に電位差が生じる。この状態で、アノードとカソードとが導線によって接続され、閉回路が形成されていると、電位差電流が流れる。この結果、導線に流れる電気エネルギーを回収できる。
上記のような微生物燃料電池に用いられるカソードには、液中の溶存酸素を利用する方式のカソードと、空気中の酸素を利用する方式のカソードとがある。空気中の酸素を利用する方式のカソードは、エアカソードと呼ばれている。エアカソードでは、エアカソードに空気を流通させるだけでよく、カソード液中へのばっ気の必要がないという利点がある。
また、上記エアカソードの一方の表面は、酸素を含有する気体と接する。上記エアカソードの他方の表面は、プロトンを供給する廃水等と接する。このため、上記エアカソードの表面は、疎水化、撥水化又は防水化する必要がある。特許文献2では、導電性基材であるグラファイト系基材が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂によって撥水処理されたエアカソードが例示されている。
特開2004−342412号公報 特開2010−9772号公報
特許文献1に記載のような従来のカソードを用いた場合には、水処理に十分な酸素透過性能が充分に得られないことがある。このため、従来のカソードを用いた微生物燃料電池では、エネルギーの回収効率が低いことがある。
また、上述したように、特許文献2には、導電性基材の表面を、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂によって撥水処理することが記載されている。しかしながら、フッ素樹脂は高価であり、特許文献2に記載のエアカソードは大量生産には不向きである。
また、カソードに用いる導電性基材としては、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト及びグラファイトクロス等のグラファイト系基材や、チタン及びステンレス等の金属メッシュ等が用いられるために、上記導電性基材の表面の凹凸が比較的大きい。このような表面の凹凸が大きい導電性基材に、フッ素樹脂を塗布する場合には、均一な厚さで塗布することは困難である。このため、フッ素樹脂を厚く塗布しなければならず、カソードの表面の酸素透過性能が低くなるという問題がある。
本発明の目的は、水処理に十分な酸素透過性能を有する微生物燃料電池用エアカソードを提供することである。また、本発明は、上記微生物燃料電池用エアカソードを用いた微生物燃料電池を提供することである。
本発明の広い局面によれば、微生物燃料電池に用いられ、導電性基材と、前記導電性基材の第1の表面に積層された透気性防水性フィルムとを備える、微生物燃料電池用エアカソードが提供される。
本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードのある特定の局面では、前記導電性基材が、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、ステンレス、チタン又はカーボン被覆金属である。
本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードのある特定の局面では、前記微生物燃料電池用エアカソードは、前記導電性基材の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された不織布をさらに備える。
本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードのある特定の局面では、前記導電性基材と前記透気性防水性フィルムとが加熱融着されており、かつ、前記導電性基材と前記不織布とが加熱融着されている。
本発明の広い局面によれば、アノードと、上述した微生物燃料電池用エアカソードと、前記アノードと前記微生物燃料電池用エアカソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池が提供される。
本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードは、導電性基材と、該導電性基材の第1の表面に積層された透気性防水性フィルムとを備えるので、水処理に十分な酸素透過性能を発現させることができるとともに、廃水等の空気層への漏洩を防ぐことができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用エアカソードを模式的に示す断面図である。 図2は、図1に示す微生物燃料電池用エアカソードを用いた微生物燃料電池を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池用エアカソードを模式的に示す断面図である。
図1に示すエアカソード1は、微生物燃料電池に用いられる。
エアカソード1は、導電性基材11と、導電性基材11の第1の表面11aに積層された透気性防水性フィルム12とを備える。エアカソード1は、導電性基材11の第1の表面11aとは反対の第2の表面11bに積層された不織布13をさらに備える。
エアカソード1のように、本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードは、導電性基材と、該導電性基材の第1の表面に積層された透気性防水性フィルムとを備えるので、水処理に十分な酸素透過性能を発現させることができるとともに、廃水等の空気層への漏洩を防ぐことができる。本発明に係る微生物燃料電池用エアカソードでは、撥水性、防水性及び耐水性を向上させることができる。
従来、導電性材料として、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、及びグラファイトクロスなどのグラファイト系基材、チタン及びステンレス等の金属メッシュが用いられている。このようなエアカソードに用いられる導電性基材の表面の凹凸が比較的大きく、このため、導電性基材の表面にフッ素樹脂を塗布する場合に、均一な厚さでの塗布を行うことは困難であるという問題がある。従って、必要以上の厚さにフッ素樹脂を塗布しなければならず、結果として、エアカソードの表面の酸素透過性能が損なわれるという問題がある。さらに、フッ素樹脂は、比較的高価であるという問題もある。
これに対して、本発明では、フッ素樹脂を用いなくても、充分な酸素透過性能を発現させることができ、撥水性、防水性及び耐水性を向上させることができ、しかもエアカソードのコストを低くすることもできる。
上記エアカソードの一方の表面は、酸素を含有する気体と接触可能である。エアカソードの他方の表面は、プロトンを供給する廃水等と接触可能である。
上記エアカソードに用いられる上記導電性基材としては、カーボンペーパー、カーボンフェルト、ポーラスカーボン、カーボンクロス(炭素織布)、金属メッシュ、及び金属メッシュにカーボンブラック又は炭素繊維をコーティングしたコーティング物等が挙げられる。上記金属メッシュとしては、ステンレス及びチタン等が挙げられる。電極の導電性をより一層良好にする観点からは、上記導電性基材は、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、ステンレス、チタン又はカーボン被覆金属であることが好ましい。上記導電性基材は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エアカソードに用いられる上記導電性基材には、酸化還元触媒が坦持又は塗布されていることが好ましい。上記酸化還元触媒としては、白金等の貴金属触媒、鉄系触媒、マンガン系触媒及びカーボンアロイ系触媒等が挙げられる。上記白金等の貴金属触媒を用いる場合には、酸化還元性能がより一層高くなる。上記鉄系触媒及び上記マンガン系触媒を用いる場合には、コストがより一層低くなる。上記酸化還元触媒は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記エアカソードに用いられる上記導電性基材の厚みは、好ましくは50μm以上、好ましくは5mm以下である。上記導電性基材の厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記導電性基材の厚みが上記上限以下であると、酸素透過性がより一層高くなる。
上記導電性基材の第1の表面に上記透気性防水性フィルムを積層することで、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂等を用いて撥水処理を行わなくても、空気層から導電性基材(カソード)に酸素を供給し、導電性基材の上記第1の表面とは反対側の第2の表面側からの廃水の漏れを抑え、防水性能を付与することができる。
上記エアカソードに用いられる上記透気性防水性フィルムは、酸素などの気体を透過する透気性を有するとともに水を通さない性質(防水性)を有する。上記透気性防水性フィルムは、必要に応じて、片面又は両面に、不織布、クロスヤーン及び他のフィルム等が積層された状態で用いられてもよい。上記透気性防水性フィルムは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記導電性基材の上記第1の表面に透気性防水性フィルムを積層することにより、PTFE等の高価な撥水層を用いなくても、空気層から導電性基材に酸素を供給し、かつエアカソード外部に廃水を漏洩しない防水性能を付与することが可能である。
上記透気性防水性フィルムの加工方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂と無機材料とを含む樹脂組成物をフィルム状に成形した後、延伸加工する方法等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。上記無機材料としては、炭酸カルシウム等が挙げられる。
上記透気性防水性フィルムの市販品としては、積水フィルム社製「セルポア」、三菱樹脂社製「KTF」及び「エクセポール」、並びに、トクヤマ社製「ポーラム」及び「NFシート」等が挙げられる。
上記エアカソードに用いられる上記透気性防水性フィルムの厚みは、好ましくは15μm以上、好ましくは1mm以下である。上記透気性防水性フィルムの厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記透気性防水性フィルムの厚みが上記上限以下であると、酸素透過性がより一層高くなる。
上記エアカソードは、イオン透過性膜として上記導電性基材の上記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された不織布をさらに備えることが好ましい。不織布の使用により、アノードからカソードへのイオン透過性を付与することができる。上記不織布は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記不織布は、繊維を織らずに絡み合わせた物質である。上記不織布はフィルム状であることが好ましい。フィルム状にはシート状が含まれる。上記不織布の材料としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン、レーヨン及びガラス等が挙げられる。上記ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン及びポリプロピレン等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等が挙げられる。
微生物による分解等を受けないことなどの長期耐久性をより一層良好にする観点からは、上記不織布の材料は、ポリオレフィン樹脂であることが好ましい。廃水の透過性、さらにはイオン透過性をより一層良好にする観点からは、上記不織布は、親水化処理又は透水化処理されていることが好ましい。
上記不織布の目付量は、好ましくは10g/m以上、より好ましくは15g/m以上、好ましくは300g/m以下、より好ましくは100g/m以下である。上記目付量が上記下限以上であると、機械的強度がより一層高くなって破断が生じ難くなる。上記目付量が上記上限以下であると、微生物燃料電池における電気エネルギーの回収効率がより一層高くなる。
上記不織布の厚みは、好ましくは30μm以上、好ましくは2mm以下である。上記不織布の厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記不織布の厚みが上記上限以下であると、イオン透過性がより一層高くなる。
上記導電性基材と、上記透気性防水性フィルムとは積層一体化されていることが好ましい。上記透気性防水性フィルムと上記導電性基材と上記不織布とは積層一体化されていることが好ましい。
上記積層一体化の方法としては、加熱融着を用いる方法、接着剤による接着を用いる方法、粘着剤による粘着を用いる方法等が挙げられる。加工が容易であり、良好な接合体を得ることができることから、加熱融着を用いる方法が好ましい。上記導電性基材と上記透気性防水性フィルムとは加熱融着されていることが好ましい。上記導電性基材と上記不織布とは加熱融着されていることが好ましい。
上記微生物燃料電池用カソードを用いて、微生物燃料電池を得ることができる。
図2は、図1に示す微生物燃料電池用エアカソードを用いた微生物燃料電池を模式的に示す断面図である。
図2に示す微生物燃料電池21は、アノード22と、図1に示すエアカソード1と、導線23とを備える。微生物燃料電池21は、2つのアノード22と2つのエアカソード1とを備え、2つのエアカソード1の間に配置された空気層24を備える。エアカソード1における導電性基材11と空気層24との間に、透気性防水性フィルム12が配置されている。アノード22とエアカソード1における導電性基材11との間に、不織布13が配置されている。また、また、アノード22、エアカソード1及び空気層24は、有機性物質を含む液の入った容器25内に配置されている。なお、図1では、エアカソード1は略図的に示されている。
なお、微生物燃料電池21ではアノード22に、有機性物質を含む液を接触させるために、これを流入及び流出させるための開口が容器25に設けられている。さらに、エアカソード1に空気を接触させるために、空気を流入及び流出させるための開口が容器25に設けられている。
微生物燃料電池21のように、上記微生物燃料電池は、アノードと、上記微生物燃料電池用カソードと、上記アノードと上記微生物燃料電池用エアカソードとを接続している導線とを備えることが好ましい。
上記アノードは、例えば、微生物を担持可能であるとともに、有機性物質を含む液を通過可能である。上記アノードには、微生物が担持されてもよく、担持されていなくてもよい。上記アノードに微生物が担持されていない場合には、使用前又は使用時に、上記アノードに微生物が担持される。上記アノードに微生物が付着していることで、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成可能になる。また、必要に応じて、上記アノードにメディエータ(電子伝達体)が担持されていてもよく、微生物にメディエータ(電子伝達体)を加えてもよい。
微生物を効果的に担持可能であるように、また有機性物質を含む液を通過可能であるように、上記アノードは、孔を有することが好ましく、多孔質体であることが好ましい。上記アノードの材料は、微生物を担持可能で導電性材料であれば特に限定されない。導電性材料としては、炭素繊維やチタンなどの各種の導電性金属が挙げられる。上記アノードの形態としては、網状体、織布、不織布、クロス及びフェルト等が挙げられる。上記アノードは、比表面積を高めるために表面処理されていてもよい。
また、上記アノードは、高い導電性を有することが好ましい。上記アノードの材料としては、カーボンペーパー、カーボンフェルト、ポーラスカーボン、カーボンクロス(炭素織布)、金属メッシュ、及び金属メッシュにカーボンブラック又は炭素繊維をコーティングしたコーティング物等が挙げられる。上記金属メッシュとしては、ステンレス及びチタン等が挙げられる。
上記アノードの厚みは、好ましくは50μm以上、より好ましくは100μm以上、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。上記アノードの厚みが上記下限以上であると、微生物をより一層効果的に担持可能である。上記アノードの厚みが上記上限以下であると、内部抵抗が低くなり、効率的に電気を回収できる。
上記エアカソードにおける導電性基材の上記アノード側の表面と、上記アノードの上記エアカソード側の表面との間の間隔は、好ましくは500mm以下、より好ましくは200mm以下である。上記間隔が上記上限以下であると、内部抵抗が低くなり、効率的に電気を回収できる。
不織布を用いる場合に、上記微生物燃料電池用エアカソードは、不織布側から、アノード側に配置される。
カソード用の上記導電性基材と、上記不織布との間に、さらに不織布以外のイオン透過性膜が配置されてもよい。
上記イオン透過性膜は、上記アノードから発生した水素イオン(H)を透過可能である。上記イオン透過性膜は、電解質膜であることが好ましい。
上記イオン透過性膜の材料は特に限定されない。上記イオン透過性膜としては、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜(陽イオン交換膜)が好ましく用いられる。これ以外のイオン透過性膜を用いてもよい。スルホン酸基は親水性があり、高い陽イオン交換能を持つ。また、より安価なイオン透過性膜として主鎖部のみをフッ素化したフッ素樹脂系イオン交換膜や、芳香族炭化水素系膜も利用できる。有機性物質と上記エアカソードとを陽イオン交換膜で隔離した場合には、上記アノードでの反応で発生した水素イオンが、陽イオン交換膜を介して上記エアカソードに効果的に供給されて、上記エアカソードでの酸素の還元に効果的に用いられる。
上記イオン透過性膜の市販品としては、例えばデュポン社製「Nafion 115」、IONICS社製「NEPTON CR61AZL−389」、トクヤマ社製「NEOSEPTA CM−1」及び「CMB」、旭硝子社製「Selemion CSV」等が挙げられる。
上記イオン透過性膜の厚みは、好ましくは10μm以上、好ましくは1mm以下である。上記イオン透過性膜の厚みが上記下限以上であると、破損がより一層生じ難くなる。上記イオン透過性膜の厚みが上記上限以下であると、水素イオンがより一層効率的に移動する。
水素イオンの移動効率を高めるためには、上記エアカソードと上記イオン透過性膜との間の間隔はなるべく狭いほうがよく、上記エアカソードと上記イオン透過性膜とは接していることが好ましい。特に、上記イオン透過性膜の一部が上記エアカソードの多孔質構造内部の空隙内に網目状に侵入していると、多孔質構造中に含まれる空気と電解質膜などのイオン透過性膜に含まれる水とで形成される水と空気との接触界面の面積が飛躍的に増大する。このため、空気中の酸素を還元する反応効率が増大して、エネルギーの回収効率がかなり高くなる。
上記有機性物質を含む液としては特に限定されないが、廃水、廃液、し尿、食品廃棄物、その他の有機性廃棄物及び汚泥等が挙げられる。上記微生物燃料電池は、エネルギーを回収可能な廃液処理装置として好適に用いられる。
上記微生物としては、嫌気性微生物及び好気性微生物が挙げられる。微生物は、嫌気性微生物であることが好ましい。嫌気性微生物は、嫌気性下で生育可能である。微生物は、好気性微生物であってもよい。
上記微生物としては、微生物の細胞膜内で電子伝達系を終結しない微生物が望ましく、細胞膜外で電子をアノードで捕捉しやすく、アノードへの電子伝達を触媒する微生物を利用することが望ましい。上記微生物として、硫黄S(0)還元菌、三価鉄Fe(III)還元菌、二酸化マンガンMnO還元菌、脱塩素菌などが好ましく用いられる。上記微生物として、例えばDesulfuromonas sp.、Desulfitobacterium sp.、Geobivrio thiophilus sp.、Clostridium thiosulfatireducens sp.、Thermoterrabacterium ferrireducens sp.、Geothrix sp.、Geobacter sp.、Geoglobus sp.、Shewanella putrefaciens sp.などが特に好ましく用いられる。これらの微生物は、有機性物質中において主要な微生物ではないことが多い。このため、アノードにこれらの微生物を植菌し、アノードにこれらの微生物を担持させてもよい。
また、微生物燃料電池の使用開始時には微生物反応室内にこれらの微生物の増殖に適当な培地を供給することが望ましい。さらに、上記アノードの電位を高く維持することにより、上記アノードでのこれらの微生物の増殖を促すことがより望ましい。これらの微生物(群)を前培養もしくは微生物反応室内で培養するための方法として、スラリー状の硫黄、三価鉄、二酸化マンガンなどを電子受容体とする培地が各種報告されている。例えば、Ancylobacter/Spirosoma培地、Desulfuromonas培地、Fe(III) Lactate Nutrient培地などが好ましく用いられる。
上記微生物燃料電池は、上記エアカソードが水処理に十分な酸素透過性能と廃水等を漏洩しない防水性とを有するので、エネルギーの回収効率が高く、長期使用に耐えることができる。また、上記微生物燃料電池は、環境負荷の低減に大きく寄与する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
カーボンペーパー(東レ社製)の一方の面に透気性防水性フィルムとしてセルポア(積水化学工業社製、厚み30μm)を積層し、シーラーにより加熱融着した。カーボンペーパーの他方の面に白金塗布量が4mg/cmとなるように白金触媒を塗布し、乾燥した後、同じ面にポリプロピレン製不織布(旭化成せんい社製、透水処理品、目付18g/m)を積層し、シーラーを用いて加熱融着することにより、エアカソードを得た。カーボンフェルトをアノードとして用い、得られたエアカソードを用いて微生物燃料電池を作製したところ、得られた微生物燃料電池では、処理に十分な酸素透過性能を有するエアカソードが用いられているために、エネルギーの回収効率が高かった。
1…エアカソード
11…導電性基材
11a…第1の表面
11b…第2の表面
12…透気性防水性フィルム
13…不織布
21…微生物燃料電池
22…アノード
23…導線
24…空気層
25…有機性物質を含む液の入った容器

Claims (5)

  1. 微生物燃料電池に用いられ、
    導電性基材と、
    前記導電性基材の第1の表面に積層された透気性防水性フィルムとを備える、微生物燃料電池用エアカソード。
  2. 前記導電性基材が、カーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロス、ステンレス、チタン又はカーボン被覆金属である、請求項1に記載の微生物燃料電池用エアカソード。
  3. 前記導電性基材の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層された不織布をさらに備える、請求項1又は2に記載の微生物燃料電池用エアカソード。
  4. 前記導電性基材と前記透気性防水性フィルムとが加熱融着されており、かつ、
    前記導電性基材と前記不織布とが加熱融着されている、請求項3に記載の微生物燃料電池用エアカソード。
  5. アノードと、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の微生物燃料電池用エアカソードと、
    前記アノードと前記微生物燃料電池用エアカソードとを接続している導線とを備える、微生物燃料電池。
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