JP2015032364A - 微生物燃料電池モジュール用負電極、膜・電極接合構造体及び微生物燃料電池モジュール - Google Patents

微生物燃料電池モジュール用負電極、膜・電極接合構造体及び微生物燃料電池モジュール Download PDF

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良和 石井
松坂 勝雄
Katsuo Matsuzaka
勝雄 松坂
善治 松原
Zenji Matsubara
善治 松原
盛雄 宮原
Morio Miyahara
盛雄 宮原
一哉 渡邉
Kazuya Watanabe
一哉 渡邉
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Abstract

【課題】エネルギーの回収効率が高い微生物燃料電池モジュール用負電極を提供する。
【解決手段】本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極1は、微生物燃料電池モジュールに用いられ、微生物を担持可能である。本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極1は、微生物が接触される面である第1の主面1aと、第1の主面1aと対向しており、正電極が配置される側の面である第2の主面1bとを有し、第1の主面1aに凹凸を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物燃料電池モジュールに用いられる微生物燃料電池モジュール用負電極、及び膜・電極接合構造体に関する。また、本発明は、上記膜・電極接合構造体を用いた微生物燃料電池モジュールに関する。
近年、廃水等の有機性廃棄物を分解する際にエネルギーを回収する方法として、燃料電池のしくみを利用した微生物燃料電池が注目されている。微生物燃料電池では、排水及び廃棄物中の有機性物質を分解する際に微生物が放出した電子を電極により回収することによって、直接的に電気エネルギーを回収することが可能である。
上記微生物燃料電池の一例が、下記の特許文献1,2に開示されている。具体的には、特許文献1,2では、アノード(負電極)と、イオン透過性膜と、カソード(正電極)とがこの順で並べられており、かつアノードとカソードとが導線により接続されている微生物燃料電池が開示されている。
上記微生物燃料電池を使用する際には、アノードの表面上の空隙の流路に、嫌気性下で生育可能な微生物及び有機性物質を含む液を流す。また、カソードの表面上の流路に空気を流し、カソードに空気を接触させる。アノードでは、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成される。水素イオンは、イオン透過性膜を透過して、カソード側に移動する。アノードとカソードとを導線で負荷回路と接続し、閉回路を形成すると、アノードとカソードとの間に電位差が生じ、電位差と負荷回路に流れた電流との積の分、電力エネルギーを得ることができる。
特開2004−342412号公報 特開2009−93861号公報
アノードは一般に、微生物を担持可能であるように、多孔質体である。特許文献1,2では、アノードの外表面は略平滑である。このような外表面が略平滑であるアノードを備える従来の微生物燃料電池モジュールでは、エネルギーの回収効率が低いという問題がある。また、多孔質体であるアノードの厚みを厚くしても、エネルギーの回収効率を十分に高めることが困難であるという問題がある。
本発明の目的は、エネルギーの回収効率が高い微生物燃料電池モジュールを得ることができる微生物燃料電池モジュール用負電極及び膜・電極接合構造体を提供することである。また、本発明は、上記膜・電極接合構造体を用いた微生物燃料電池モジュールを提供することである。
本発明の広い局面によれば、微生物燃料電池モジュールに用いられ、かつ微生物を担持可能である負電極であって、微生物が接触される面である第1の主面と、前記第1の主面と対向しており、正電極が配置される側の面である第2の主面とを有し、前記第1の主面に凹凸を有する、微生物燃料電池モジュール用負電極が提供される。
本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極のある特定の局面では、前記負電極は、繊維状物であり、他の特定の局面では、前記負電極は、導電性カーボン材料を含む。
本発明の広い局面によれば、微生物燃料電池モジュールに用いられる膜・電極接合構造体であって、微生物が接触される面である第1の主面と、前記第1の主面と対向している第2の主面とを有し、微生物を担持可能である負電極と、前記負電極の前記第2の主面側に配置されているイオン透過性膜と、前記イオン透過性膜の前記負電極側とは反対側に配置されている正電極とを備え、前記負電極が、前記第1の主面に凹凸を有する、膜・電極接合構造体が提供される。
本発明の広い局面によれば、少なくとも1つの上述した膜・電極接合構造体と、前記負電極と前記正電極とを電気的に接続している導線とを備える、微生物燃料電池モジュールが提供される。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールのある特定の局面では、前記微生物燃料電池モジュールは、前記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備え、少なくとも2つの前記膜・電極接合構造体における複数の前記負電極が、前記第1の主面同士が間隔を隔てるように対向配置されており、複数の前記負電極間に、有機性物質を含む液が流れる流路が形成されている。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールのある特定の局面では、複数の前記負電極が、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、複数の前記負電極間に形成された前記流路を前記有機性物質を含む液が流れる際に、前記有機性物質を含む液が直線状に流れないように、前記流路が形成されている。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールのある特定の局面では、複数の前記負電極が、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、複数の前記負電極間に形成された前記流路を前記有機性物質を含む液が流れる際に、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の側面によって、前記有機性物質を含む液の流れ方向が変わるように前記流路が形成されている。
本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極は、微生物が接触される面である第1の主面と、上記第1の主面と対向しており、正電極が配置される側の面である第2の主面とを有し、更に上記第1の主面に凹凸を有するので、本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を用いることで、得られる微生物燃料電池モジュールのエネルギーの回収効率を高めることができる。
本発明に係る膜・電極接合構造体は、微生物が接触される面である第1の主面と、上記第1の主面と対向している第2の主面とを有し、微生物を担持可能である負電極と、上記負電極の上記第2の主面側に配置されているイオン透過性膜と、上記イオン透過性膜の上記負電極側とは反対側に配置されている正電極とを備えており、更に上記負電極が、上記第1の主面に凹凸を有するので、本発明に係る膜・電極接合構造体を用いることで、得られる微生物燃料電池モジュールのエネルギーの回収効率を高めることができる。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。 図2(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。 図3(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。 図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る膜・電極接合構造体を模式的に示す断面図である。 図5(a)及び(b)は、図4(a)及び(b)に示す膜・電極接合構造体を用いた微生物燃料電池モジュールを模式的に示す断面図である。 図6(a)及び(b)は、実施例2で作製した微生物燃料電池モジュールを模式的に示す断面図である。 図7(a)及び(b)は、比較例1で作製した微生物燃料電池モジュールを模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、負電極を備える膜・電極接合構造体を用いた微生物燃料電池モジュールにおけるエネルギーの回収効率を高めるために検討を行った。
本発明者らは、液と接触する負電極全体の体積を増大させることを想定して、負電極の厚みを単に厚くしただけでは、負電極に担持させることが可能な微生物量はさほど多くならず、微生物燃料電池モジュールにおけるエネルギーの回収効率をさほど高めることができないことを見出した。
本発明者らによる上記の知見に基づいて、本発明者らは、更なる検討を行った結果、微生物燃料電池モジュールにおけるエネルギーの回収効率を高めることが可能な構成も見出した。
本発明に係る微生物燃料電池モジュール用負電極は、微生物が接触される面である第1の主面と、該第1の主面と対向しており、正電極が配置される側の面である第2の主面とを有し、上記第1の主面に凹凸を有する。
また、本発明に係る膜・電極接合構造体は、微生物が接触される面である第1の主面と、該第1の主面と対向している第2の主面とを有し、微生物を担持可能である負電極と、上記負電極の上記第2の主面側に配置されているイオン透過性膜と、上記イオン透過性膜の上記負電極側とは反対側に配置されている正電極とを備え、上記負電極が、上記第1の主面に凹凸を有する。
本発明では、負電極の微生物が接触される面である第1の主面の表面積を大きくするために、第1の主面に凹凸を形成しているので、負電極の第1の主面に微生物をより多く担持可能である。このため、本発明では、エネルギーの回収効率が高い微生物燃料電池モジュールを提供することができる。
なお、負電極の第1の主面に凹凸が設けられていれば、凹凸が設けられていない場合よりも、微生物燃料電池モジュールにおけるエネルギーの回収効率が高くなる。さらに、負電極において、負電極の厚みの最大値の負電極の厚みの最小値に対する比が1.5以上であるように、第1の主面に凹凸が設けられていれば、負電極において、負電極の厚みの最大値の負電極の厚みの最小値に対する比が1.5未満であるように、第1の主面に凹凸が設けられている場合よりも、微生物燃料電池モジュールにおけるエネルギーの回収効率が高くなる。なお、本発明では、負電極の厚みの最大値の負電極の厚みの最小値に対する比(厚みの最大値/厚みの最小値)が1.5以上であるように凹凸が設けられていることが好ましい。
上記凹凸を構成する凹部の深さ及び凸部の高さは、上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)を満足するように適宜調整される。上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)は、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは3.0以上である。上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)の上限は特に限定されない。負電極の全体の強度を高める観点からは、上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)は、10.0以下であってもよく、5.0以下であってもよい。
また、負電極は、微生物を担持していてもよい。この場合に、微生物が担持される際に、微生物が直接接触された表面が、第1の主面に相当する。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態及び実施例を説明することにより本発明を明らかにする。
図1(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。図1(a)は正面図であり、図1(b)は、図1(a)中のI−I線に沿う平面断面図であり、図1(c)は、図1(a)中のII−II線に沿う側面断面図であり、図1(d)は、図1(a)中のIII−III線に沿う側面断面図である。なお、図1及び後述する図では、図示の便宜上、各部材の厚み、凹部の深さ及び凸部の高さ等は、実際の厚み、深さ及び高さ等から適宜変更している。
図1(a)〜(d)に示す負電極1は、微生物燃料電池モジュールに用いられる。負電極1は、微生物を担持可能である。負電極1は、微生物を担持していてもよい。
負電極1は、第1の主面1aと、第1の主面1aと対向している第2の主面1bとを有する。膜・電極接合構造体を得たときに、第1の主面1aは、微生物が接触される面である。膜・電極接合構造体を得たときに、第2の主面1bは、正電極が配置される側の面である。負電極1は、第1の主面1aに、複数の凸部1Aを有する。複数の凸部1Aにより、凸部1A間に凹部が形成され、第1の主面1aに凹凸が形成されている。凸部1Aは直線状に設けられている。凸部1Aは、第1の主面1aの一端から他端にかけて、直線状に延びている。第2の主面1bは、平坦面である。第2の主面1bは、平坦面でなくてもよい。
図2(a)〜(d)は、本発明の第2の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。図2(a)は正面図であり、図2(b)は、図2(a)中のI−I線に沿う平面断面図であり、図2(c)は、図2(a)中のII−II線に沿う側面断面図であり、図2(d)は、図2(a)中のIII−III線に沿う側面断面図である。
図1(a)〜(d)に示す負電極1では、第1の主面1aに、凸部1Aが設けられているのに対し、図2(a)〜(d)に示す負電極11では、第1の主面11aに、凹部11Aが設けられている。負電極11は、第1の主面11aに、複数の凹部11Aを有する。複数の凹部11Aにより、凹部11A間に凸部が形成され、第1の主面11aに凹凸が形成されている。凹部11Aは直線状に設けられている。凹部11Aは、第1の主面11aの一端から他端にかけて、直線状に延びている。負電極11の第2の主面11bは、平坦面である。
図3(a)〜(d)は、本発明の第3の実施形態に係る微生物燃料電池モジュール用負電極を模式的に示す図である。図3(a)は正面図であり、図3(b)は、図3(a)中のI−I線に沿う平面断面図であり、図3(c)は、図3(a)中のII−II線に沿う側面断面図であり、図3(d)は、図3(a)中のIII−III線に沿う側面断面図である。
図1(a)〜(d)に示す負電極1では、第1の主面1aに、直線状の凸部1Aが設けられているのに対し、図3(a)〜(d)に示す負電極21では、第1の主面21aに、点状の凸部21Aが設けられている。負電極21は、第1の主面21aに、複数の凸部21Aを有する。複数の凸部21Aにより、凸部21A間に凹部が形成され、第1の主面21aに凹凸が形成されている。凸部21Aは点状に設けられている。負電極21の第2の主面21bは、平坦面である。
負電極1,11,21では、凸部1A,21A及び凹部11Aは、負電極1,11,21の第1の主面1a,11a,21aの表面積を、第1の主面が平坦面である場合よりも大きくするために設けられている。負電極1,11,21は、負電極1,11,21の厚みの最大値の負電極1,11,21の厚みの最小値に対する比が1.5以上となるように、第1の主面1a,11a,21aに、凹部11A、又は、凸部1A,21Aを有する。
第1,第2,第3の実施形態では、凹部11Aの深さが大きく、凸部1A,21Aの高さが大きい。
負電極1,11,21は、シート状である。このように、負電極はシート状であることが好ましい。
負電極は、凹凸を構成するように、1つの凹部又は1つの凸部を有していてもよく、複数の凹部又は複数の凸部を有していてもよい。負電極は、凹凸を構成するように、複数の凹部又は複数の凸部を有することが好ましい。
負電極の第1の主面に設けられる凹凸を構成する凹部又は凸部の形状は特に限定されない。凹部及び凸部は、直線状に設けられていてもよく、曲線状に設けられていてもよく、ジグザグ状に設けられていてもよく、複数の屈曲部を有するように線状に設けられていてもよく、渦巻き状に設けられていてもよく、点状に設けられていてもよい。凹凸を構成する凹部及び凸部は、これら以外の形状で設けられていてもよい。凹凸を構成する凹部及び凸部が点状である場合に、凹凸を構成する点状の凹部又は凸部の形状は、多角柱状及び円柱状等が挙げられ、これら以外の形状であってもよい。
凹凸を構成する凹部又は凸部が、凹部又は凸部がある第1の主面の表面積(図1(b),図2(b)及び図3(b)の下線部部分の面の表面積)が、第1の主面に凹部及び凸部がないと想定したときの平坦な第1の主面の表面積(図1(b),図2(b)及び図3(b)の凹部部分又は凸部部分を除く下線部部分と破線部分とを結ぶ面の表面積)の1.4倍以上になるように設けられていることが好ましい。この場合には、第1の主面が平坦面である場合よりも、第1の主面に凹部又は凸部がある程度の深さ又は高さで設けられていることにより、第1の主面側において、微生物をより効率的に担持可能になる。
図4(a)及び(b)は、本発明の一実施形態に係る膜・電極接合構造体を模式的に示す断面図である。図4(a)は、平面断面図(図1(b)に対応する位置における断面図)であり、図4(b)は、側面断面図(図1(d)に対応する位置における断面図)である。
図4(a)及び(b)に示す膜・電極接合構造体51は、微生物燃料電池モジュールに用いられる。
膜・電極接合構造体51では、図1に示す負電極1が2つ用いられている。膜・電極接合構造体51では、2つの負電極1が、第1の負電極及び第2の負電極として用いられている。図4(a)及び(b)では、2つの負電極1のうち、第1の負電極として用いられている負電極1を、負電極1Xとして記載し、第2の負電極として用いられている負電極1を、負電極1Yとして記載する。
膜・電極接合構造体51は、第1の負電極1Xと、第1のイオン透過性膜52Xと、第1の正電極53Xと、空気通過性部材54とを備える。膜・電極接合構造体51は、第2の正電極53Yと、第2のイオン透過性膜52Yと、第2の負電極1Yとをさらに備える。
膜・電極接合構造体51は、第1の負電極1X/第1のイオン透過性膜52X/第1の正電極53X/空気通過性部材54/第2の正電極53Y/第2のイオン透過性膜52Y/第2の負電極1Yの積層構造を有する。膜・電極接合構造体51は、これらが積層されたシート状の積層体である。
第1の負電極1Xの第2の主面1b側に、第1のイオン透過性膜52Xが配置されている。第1の正電極53Xは、第1のイオン透過性膜52Xの第1の負電極1X側とは反対側に配置されている。空気通過性部材54は、第1の正電極53Xの第1のイオン透過性膜52X側とは反対側に配置されている。第2の正電極53Yは、空気通過性部材54の第1の正電極53X側とは反対側に配置されている。第2のイオン透過性膜52Yは、第2の正電極53Yの空気通過性部材54側とは反対側に配置されている。第2の負電極1Yは、第2のイオン透過性膜52Yの第2の正電極53Y側とは反対側に配置されている。第2の負電極1Yの第2の主面1b側に、第2のイオン透過性膜52Yが配置されている。
負電極とイオン透過性膜とは接していることが好ましいが、必ずしも接していなくてもよい。イオン透過性膜と正電極とは、接していることが好ましいが、必ずしも接していなくてもよい。正電極と空気通過性部材とは接していることが好ましいが、必ずしも接していなくてもよい。また、本発明の効果を阻害しない範囲で、各部材間に、他の部材などが配置されていてもよい。
膜・電極接合構造体51は、空気通過性部材54を備える。膜・電極接合構造体は、空気通過性部材を備えることが好ましい。膜・電極接合構造体51は、第2の正電極53Yと第2のイオン透過性膜52Yとを備える。膜・電極接合構造体は、第2の正電極及び第2のイオン透過性膜を備えることが好ましい。膜・電極接合構造体は、第2の正電極及び第2のイオン透過性膜を必ずしも備えていなくてもよい。空気通過性部材の第1の正電極側とは反対側に空気を通過しない部材が積層されていてもよい。例えば、膜・電極接合構造体において、空気通過性部材の一方側に第1の正電極が積層されており、かつ他方側に空気を通過しない部材が積層されており、更に該空気を通過しない部材の空気通過性部材側とは反対側に負電極などが積層されていてもよい。空気を透過しない部材は、例えば、空気通過性部材と負電極とを仕切る仕切り部材であってもよい。空気を通過しない部材の強度が高いと、膜・電極接合構造体の強度も高くなる。
上記負電極(アノード)は微生物を担持可能であるとともに、有機性物質を含む液を通過可能である。上記負電極は、作用極である。上記負電極には、微生物が担持されてもよく、担持されていなくてもよい。上記負電極に微生物が担持されていない場合には、上記膜・電極接合構造体の使用前又は使用時に、上記負電極に微生物が担持される。上記負電極に微生物が付着していることで、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成可能になる。また、必要に応じて、上記負電極にメディエータ(電子伝達体)が担持されていてもよく、微生物にメディエータ(電子伝達体)を加えてもよい。
微生物を効果的に担持可能であるように、また有機性物質を含む液を通過可能であるように、上記負電極は、孔を有することが好ましく、多孔質体であることが好ましく、繊維状物であることが特に好ましい。上記負電極の材料は、微生物を担持可能で導電性材料であれば特に限定されない。導電性材料としては、炭素繊維やチタンなどの各種の導電性金属が挙げられる。上記負電極の形態としては、網状体、織布、不織布、クロス及びフェルト等が挙げられる。上記負電極は、比表面積を高めるために表面処理されていてもよい。
上記正電極(カソード)は、対極である。正電極は、空気と接触可能である。
上記正電極の材料は導電性材料であれば特に限定されない。上記正電極の材料としては、負電極の材料として挙げた材料が挙げられる。上記正電極の形態としては、負電極の形態として挙げた形態が挙げられる。上記正電極には、白金等の触媒が塗布されていてもよい。
上記イオン透過性膜は、上記負電極から発生した水素イオン(H)を透過可能である。上記イオン透過性膜は、電解質膜であることが好ましい。
上記イオン透過性膜は、空気を透過しないことが好ましい。この場合には、上記正電極側から上記イオン透過性膜を介して上記負電極に空気が至らず、上記負電極と空気との接触が抑えられる。上記イオン透過性膜の材料は特に限定されない。上記イオン透過性膜としては、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜(陽イオン交換膜)が好ましく用いられる。これ以外のイオン透過性膜を用いてもよい。スルホン酸基は親水性があり、高い陽イオン交換能を持つ。また、より安価なイオン透過性膜として主鎖部のみをフッ素化したフッ素樹脂系イオン交換膜や、芳香族炭化水素系膜も利用できる。有機性物質と正電極とを陽イオン交換膜で隔離した場合には、上記負電極での反応で発生した水素イオンが、陽イオン交換膜を介して正電極に効果的に供給されて、正電極での酸素の還元に効果的に用いられる。
上記イオン透過性膜の市販品としては、例えばIONICS社製「NEPTON CR61AZL−389」、トクヤマ社製「NEOSEPTA CM−1」及び「CMB」、旭硝子社製「Selemion CSV」等が挙げられる。
水素イオンの移動効率を高めるためには、上記正電極と上記イオン透過性膜との間の間隔はなるべく狭いほうがよく、上記正電極と上記イオン透過性膜とは接していることが好ましい。特に、上記イオン透過性膜の一部が上記正電極の多孔質構造内部の空隙内に網目状に侵入していると、多孔質構造中に含まれる空気と電解質膜などのイオン透過性膜に含まれる水とで形成される水と空気との接触界面の面積が飛躍的に増大する。このため、空気中の酸素を還元する反応効率が増大して、エネルギーの回収効率がかなり高くなる。
膜・電極接合構造体51では、第1のイオン透過性膜52Xと第1の正電極53Xとで、一体化された膜・電極接合体(MEA)が形成されている。また、第2の正電極53Yと第2のイオン透過性膜52Yとで、一体化された膜・電極接合体(MEA)が形成されている。膜・電極接合構造体を得るために、上記イオン透過性膜と上記正電極とが一体化された膜・電極接合体(MEA)を用いることが好ましい。上記イオン透過性膜と上記正電極とは、一体化された膜・電極接合体(MEA)であることが好ましい。
上記空気通過性部材は、空気を通過可能である。上記空気通過性部材は、上記空気通過性部材を通過している空気が、上記正電極に接触可能なように構成されている。上記空気通過性部材は、セパレータであってもよい。上記空気通過性部材は、例えば、開口部を有する開口部材などであってもよく、枠部材であってもよい。また、上記空気通過性部材は、孔を有していてもよく、多孔質部材であってもよい。多孔質部材である空気通過性部材の形態としては、網状体、織布、不織布、クロス及びフェルト等が挙げられる。但し、上記空気通過部材は、これら以外の形態であってもよい。上記空気は、酸素を含む。
上記負電極と上記第1のイオン透過性膜と上記第1の正電極と上記空気通過性部材と上記第2の正電極と上記第2のイオン透過性膜とがこの順で積層されてシート状の積層体が形成されていることが好ましい。この場合には、上記空気通過性部材の両側に上記正電極が配置される。この結果、より一層効率的にエネルギーの回収が可能な微生物燃料電池が得られる。また、上記膜・電極接合構造体及び微生物燃料電池をより一層小型にすることができる。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールは、少なくとも1つの膜・電極接合構造体と、上記負電極と上記正電極とを電気的に接続している導線とを備える。本発明に係る微生物燃料電池モジュールは、少なくとも2つの膜・電極接合構造体を備えていてもよい。本発明に係る微生物燃料電池モジュールが上記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備える場合に、2つの上記膜・電極接合構造体は同一であってもよく、異なっていてもよい。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールが上記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備える場合に、少なくとも2つの上記膜・電極接合構造体における複数の上記負電極が、上記第1の主面同士が間隔を隔てるように対向配置されており、複数の上記負電極間に、有機性物質を含む液が流れる流路が形成されていることが好ましい。この流路に、有機性物質を含む液が流れることによって、該液が上記負電極の第1の主面と接触して、電位差電流を効果的に発生させることができる。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールが上記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備える場合に、複数の上記負電極が、上記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されていることが好ましい。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールが上記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備える場合に、複数の上記負電極が、上記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、複数の上記負電極間に形成された上記流路を上記有機性物質を含む液が流れる際に、上記有機性物質を含む液が直線状に流れないように、上記流路が形成されていることが好ましい。この場合には、上記流路を流れる上記液が上記負電極の第1の主面と効果的に接触して、電位差電流を効果的に発生させることができる。
本発明に係る微生物燃料電池モジュールが上記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備える場合に、複数の上記負電極が、上記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、複数の上記負電極間に形成された上記流路を上記有機性物質を含む液が流れる際に、上記凹凸を構成する凸部又は凹部の側面によって、上記有機性物質を含む液の流れ方向が変わるように上記流路が形成されていることが好ましい。この場合には、上記流路を流れる上記液が上記負電極の第1の主面と効果的に接触して、電位差電流を効果的に発生させることができる。
図5(a)及び(b)は、図4(a)及び(b)に示す膜・電極接合構造体51を用いた微生物燃料電池モジュールを模式的に示す断面図である。図5(a)は、平面断面図であり、図5(b)は、図5(a)に示すI−I線に沿う断面図である。
図5に示す微生物燃料電池モジュール61は、容器62と、膜・電極接合構造体51とを備える。微生物燃料電池モジュール61は、複数の第1,第2の負電極1X,1Y(負電極1)を備えており、複数の膜・電極接合構造体51を備える。
具体的には、微生物燃料電池モジュール61は、3つの膜・電極接合構造体51と、膜・電極接合構造体51と類似した構造を有する2つの膜・電極接合構造体とを備える。膜・電極接合構造体51と類似した構造を有する2つの膜・電極接合構造体は、最も下流側と、最も上流側とに位置している。なお、最も下流側に位置する膜・電極接合構造体と、最も上流側に位置する膜・電極接合構造体とは、2つの負電極のうち、一方の負電極が第1の主面に凹部及び凸部を有さない負電極64であることを除いては、膜・電極接合構造体51と同様に構成されている。
容器62は、膜・電極接合構造体51に有機性物質を含む液(廃水など)を導入するための導入部62Aと、膜・電極接合構造体51を通過した上記有機性物質を含む液の処理液(廃水の処理水など)が導出される導出部62Bとを備える。
導入部62A及び導出部62Bは、容器62に設けられている。容器62内に、複数の膜・電極接合構造体51が配置されている。
微生物燃料電池モジュール61は、第1の負電極1Xと第1の正電極53Xとを電気的に接続している第1の導線63Xを備えており、第2の負電極1Yと第2の正電極53Yとを電気的に接続している第2の導線63Yとを備える。第1の負電極1Xと第1の正電極53Xとが、図示しない位置で、第1の導線63Xにより電気的に接続されていることで、閉回路が形成されている。第2の負電極1Yと第2の正電極53Yとが、第2の導線63Yにより電気的に接続されていることで、閉回路が形成されている。
上記微生物燃料電池モジュールは、負電極と正電極とを電気的に接続している導線を備えることが好ましい。上記膜・電極接合構造体は、容器内に収容されていることが好ましい。また、上記容器は、上記有機性物質を含む液を導入するための導入部と、上記有機性物質を含む液の処理液を導出するための導出部とを有することが好ましい。
微生物燃料電池モジュール61は、例えば、以下のようにして、使用される。
容器62の導入部62Aから有機性物質を含む液を流入させ、第1,第2の負電極1X,1Yに供給する。第1,第2の負電極1X,1Yを有機性物質が通過する際に、有機性物質を電子供与体とする微生物による酸化反応が進行して、微生物により有機性物質から水素イオン(H)及び電子(e)が生成する。第1,第2の負電極1X,1Yにおいて発生した水素イオンは、第1,第2のイオン透過性膜52X,52Yを透過して、第1,第2の正電極53X,53Y側に移動する。この状態で、第1,第2の負電極1X,1Yと第1,第2の正電極53X,53Yとを第1,第2の導線63X,63Yを通して負荷回路に接続すると、第1、第2の負電極1X,1Yと第1,第2の正電極53X,53Yとの間に電位差が生じる。第1,第2の導線63X,63Yを通して負荷回路に流れる電気エネルギーは、回収することができる。
空気通過性部材54の供給口(図示せず)から空気を供給する。すなわち、空気が空気通過性部材54内を流れる。このとき、空気は、第1,第2の正電極53X,53Yと接触する。第1,第2の正電極53X,53Yでは、酸素を受容体とする還元反応が進行する。空気通過性部材54を通過した空気は、排出口(図示せず)から流出される。
上記有機性物質を含む液としては特に限定されないが、廃水、廃液、し尿、食品廃棄物、その他の有機性廃棄物及び汚泥等が挙げられる。上記微生物燃料電池モジュールは、エネルギーを回収可能な廃液処理装置として好適に用いられる。
上記微生物としては、嫌気性微生物及び好気性微生物が挙げられる。微生物は、嫌気性微生物であることが好ましい。嫌気性微生物は、嫌気性下で生育可能である。微生物は、好気性微生物であってもよい。
上記微生物としては、微生物の細胞膜内で電子伝達系を終結しない微生物が望ましく、細胞膜外で電子を負電極で捕捉しやすく、負電極への電子伝達を触媒する微生物を利用することが望ましい。上記微生物として、硫黄S(0)還元菌、三価鉄Fe(III)還元菌、二酸化マンガンMnO還元菌、脱塩素菌などが好ましく用いられる。上記微生物として、例えばDesulfuromonas sp.、Desulfitobacterium sp.、Geobivrio thiophilus sp.、Clostridium thiosulfatireducens sp.、Thermoterrabacterium ferrireducens sp.、Geothrix sp.、Geobacter sp.、Geoglobus sp.、Shewanella putrefaciens sp.などが特に好ましく用いられる。これらの微生物は、有機性物質中において主要な微生物ではないことが多い。このため、負電極にこれらの微生物を植菌し、負電極にこれらの微生物を担持させる。
また、微生物燃料電池の使用開始時には微生物反応室内にこれらの微生物の増殖に適当な培地を供給することが望ましい。さらに、負電極の電位を高く維持することにより、負電極でのこれらの微生物の増殖を促すことがより望ましい。これらの微生物(群)を前培養もしくは微生物反応室内で培養するための方法として、スラリー状の硫黄、三価鉄、二酸化マンガンなどを電子受容体とする培地が各種報告されている。例えば、Ancylobacter/Spirosoma培地、Desulfuromonas培地、Fe(III) Lactate Nutrient培地などが好ましく用いられる。
上記微生物燃料電池モジュールは、エネルギーの回収効率が高いので、高容量でかつ安全性が高い次世代の燃料電池として有効利用することができる。また、上記微生物燃料電池モジュールは、環境負荷の低減に大きく寄与する。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明は以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1)
図1(a)〜(d)に示す負電極1(第1,第2の負電極1X,1Yに相当する)及び図4(a)及び(b)に示す膜・電極接合構造体51を用いて、図5(a)及び図5(b)に示す微生物燃料電池モジュール61(廃液処理装置)を作製した。図5(a)は、平面断面図であり、図5(b)は、図5(a)におけるI−I線に沿う断面図である。
凸部を形成した第1,第2の負電極として、グラファイトフェルト(繊維状物、導電性カーボン材料、綜合カーボン社製)を用いた。第1,第2の負電極の大きさはそれぞれ、縦80mm×横90mm×厚み(凸部部分を除く)3mmである。第1,第2の負電極の第1の主面に、正面視において一端から他端にかけて、4つの直線状の凸部(1つの凸部の幅5mm×長さ80mm×高さ10mm、凸部のピッチ15mm)が設けられている。第1,第2の負電極の第2の主面は、平坦である。第1,第2の負電極における厚みの最大値は13mmであり、厚みの最小値は3mmであり、上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)は4.3である。また、第1,第2の負電極の第1の主面の表面積(凸部部分の表面積を含む)は、13600mmである。第1,第2の負電極の第1の主面に凸部がないと想定したときの平坦な第1の主面の表面積は、7200mmである。従って、凸部が無い場合の表面積と比べて、1.9倍の表面積となるように、第1,第2の負電極は、第1の主面に複数の凸部を有する。
第1,第2の正電極として、カーボンペーパー(東レ社製カーボンペーパー「TGP−H−120」)にポリテトラフルオロエチレン層を焼結させたエアカソードを用いた。カソード電極の触媒として、白金触媒(田中貴金属社製「TEC10E70TPM」)を用い、触媒のバインダーとして、ナフィオン溶液(シグマアルドリッチジャパン社製「Nafion perfluorinated resin solution」)を用いた。白金は担持量が4mg/cmになるように、上記カソード電極のイオン透過性膜を設置した側に塗布した。第1,第2のイオン透過性膜にはろ紙(GE Healthcare Japan,Cat.No.1004−240)を用いた。第1の正電極と第2の正電極との間には、空気通過性部材として厚さ3mmの枠部材を設置し、第1の正電極と第2の正電極との間隔が3mmになるようにした。
上記第1,第2の負電極、上記第1,第2の正電極、上記第1,第2のイオン透過性膜及び空気通過性部材が積層された積層体である膜・電極接合体を、図5のように水槽内に6個設置した。複数の負電極を、凸部の位置がずれるように対向配置した。膜・電極接合構造体の設置後の水槽の容量は1.4Lであった。
(実施例2)
第1,第2の負電極に設けられた凸部の向きを90度回転させたこと以外は実施例1と同様にして、図6(a)及び(b)(図6(a)は平面断面図、図6(b)は、図6(a)におけるI−I線に沿う正面断面図)に示す微生物燃料電池モジュールを作製した。
実施例2では、凸部を形成した第1,第2の負電極の大きさはそれぞれ、縦80mm×横90mm×厚み(凸部部分を除く)3mmである。第1,第2の負電極の第1の主面に、平面視において一端から他端にかけて、4つの直線状の凸部(1つの凸部の幅5mm×長さ80mm×高さ10mm、凸部のピッチ15mm)が設けられている。第1,第2の負電極の第2の主面は、平坦である。第1,第2の負電極における厚みの最大値は13mmであり、厚みの最小値は3mmであり、上記比(厚みの最大値/厚みの最小値)は4.3である。また、第1,第2の負電極の第1の主面の表面積は、13600mmである。第1,第2の負電極の第1の主面に凸部がないと想定したときの平坦な第1の主面の表面積は、7200mmである。従って、凸部が無い場合の表面積と比べて、1.9倍の表面積となるように、第1,第2の負電極は、第1の主面に複数の凸部を有する。
(比較例1)
第1,第2の負電極の第1の主面に凸部を設けなかったこと以外は実施例1と同様にして、図7(a)及び(b)(図7(a)は平面断面図、図7(b)は、図7(a)におけるI−I線に沿う正面断面図)に示す微生物燃料電池モジュールを作製した。
比較例1では、第1,第2の負電極の大きさはそれぞれ、縦80mm×横90mm×厚み3mmである。第1,第2の負電極の第1の主面及び第2の主面は、平坦である。
(評価)
得られた微生物燃料電池モジュールを用いて出力を評価した。上記微生物燃料電池モジュール内に、スターチ等の有機性高分子を含む人工廃水を、所定のCOD負荷(0.6kg/m/日)で連続的に流入させつつ、40日間にわたり上記微生物燃料電池モジュールを連続運転した。このときの負荷回路(抵抗値15Ω)の両端における電位差を測定した。出力は式(1)により求めた。
P=V/R (1)
(P:出力、V:負荷回路の両端における電位差、R:負荷回路の抵抗値)
上記人工廃水中には、発電を担う嫌気性微生物として土壌微生物を植種した。
その結果、実施例1,2及び比較例1における出力は、以下の値を示した。
出力の結果:
実施例1:6.11mW
実施例2:5.52mW
比較例1:4.41mW
1,11,21…負電極
1a,11a,21a…第1の主面
1b,11b,21b…第2の主面
1A,21A…凸部
11A…凹部
1X…第1の負電極
1Y…第2の負電極
51…膜・電極接合構造体
52X…第1のイオン透過性膜
52Y…第2のイオン透過性膜
53X…第1の正電極
53Y…第2の正電極
54…空気通過性部材
61…微生物燃料電池モジュール
62…容器
62A…導入部
62B…導出部
63X…第1の導線
63Y…第2の導線
64…負電極

Claims (8)

  1. 微生物燃料電池モジュールに用いられ、かつ微生物を担持可能である負電極であって、
    微生物が接触される面である第1の主面と、
    前記第1の主面と対向しており、正電極が配置される側の面である第2の主面とを有し、
    前記第1の主面に凹凸を有する、微生物燃料電池モジュール用負電極。
  2. 繊維状物である、請求項1に記載の微生物燃料電池モジュール用負電極。
  3. 導電性カーボン材料を含む、請求項1又は2に記載の微生物燃料電池モジュール用負電極。
  4. 微生物燃料電池モジュールに用いられる膜・電極接合構造体であって、
    微生物が接触される面である第1の主面と、前記第1の主面と対向している第2の主面とを有し、微生物を担持可能である負電極と、
    前記負電極の前記第2の主面側に配置されているイオン透過性膜と、
    前記イオン透過性膜の前記負電極側とは反対側に配置されている正電極とを備え、
    前記負電極が、前記第1の主面に凹凸を有する、膜・電極接合構造体。
  5. 少なくとも1つの請求項4に記載の膜・電極接合構造体と、
    前記負電極と前記正電極とを電気的に接続している導線とを備える、微生物燃料電池モジュール。
  6. 前記膜・電極接合構造体を少なくとも2つ備え、
    少なくとも2つの前記膜・電極接合構造体における複数の前記負電極が、前記第1の主面同士が間隔を隔てるように対向配置されており、
    複数の前記負電極間に、有機性物質を含む液が流れる流路が形成されている、請求項5に記載の微生物燃料電池モジュール。
  7. 複数の前記負電極が、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、
    複数の前記負電極間に形成された前記流路を前記有機性物質を含む液が流れる際に、前記有機性物質を含む液が直線状に流れないように、前記流路が形成されている、請求項6に記載の微生物燃料電池モジュール。
  8. 複数の前記負電極が、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の位置がずれるように対向配置されており、
    複数の前記負電極間に形成された前記流路を前記有機性物質を含む液が流れる際に、前記凹凸を構成する凸部又は凹部の側面によって、前記有機性物質を含む液の流れ方向が変わるように前記流路が形成されている、請求項6又は7に記載の微生物燃料電池モジュール。
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