JP6989923B2 - 生物電気化学システム用電極、生物電気化学システムおよび生物電気化学システム用電極の製造方法 - Google Patents

生物電気化学システム用電極、生物電気化学システムおよび生物電気化学システム用電極の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、生物電気化学システム用電極、生物電気化学システムおよび生物電気化学システム用電極の製造方法に関する。
畜産農家にとって、畜舎から出る廃水の処理は、多大なコストおよび労力を要するため、大きな負担となっている。また、環境への影響を防ぐために、畜産バイオマスの資源化や排水処理基準の厳格化などに対応した新しい廃水処理技術の開発が求められている。有機性廃水の適正な処理および有機性廃水からの資源の回収を実現できる新技術の開発は、畜産分野のみならず食品加工、醸造、都市部における下水処理などの幅広い分野においても必要とされている。
近年、生物電気化学システム(Bioelectrochemical System:BES)と称される新しい技術が注目されている。生物電気化学システムは、電極上の反応を促進させる触媒として生物を利用する装置(バイオリアクター)の総称である。生物電気化学システムの例には、微生物燃料電池(Microbial Fuel Cell:MFC)や微生物電解セル(Microbial Electrolysis Cell:MEC)、微生物電気化学的または酵素電気化学的な物質の生産または分解を行う装置などが含まれる。微生物燃料電池および微生物電解セルでは、微生物が嫌気性条件下において有機物を酸化還元反応で分解するとともに、そのときに生じた電子をアノード(負極)に渡す役割を担っている。
微生物燃料電池は、嫌気性条件下において微生物が有機物を分解(酸化)することによって生じる余剰の還元力(電子)をアノード(負極)で回収することで発電(エネルギー回収)を行うバイオリアクターである。微生物燃料電池において、有機物の分解により生成された水素イオンは、カソード(正極)側に移動する。一方、有機物の分解により生成された電子は、アノードで回収されて、外部回路を経由してカソードに移動する。カソード表面では、アノード側から移動してきた水素イオンおよび電子が酸素と反応することで、水が生成される。
微生物電解セルは、嫌気性条件下において微生物が有機物を分解(酸化)することによって生じる余剰の還元力(電子)をカソード(正極)で水素として回収するバイオリアクターである。微生物電解セルにおいて、有機物の分解により生成された水素イオンは、カソード(正極)側に移動する。一方、有機物の分解により生成された電子は、アノード(負極)とカソード(正極)との間への電圧の印加により、アノードで回収されて、外部回路を経由してカソードに移動する。カソード表面では、水素イオンと電子とが反応することで、水素ガスが生成される。この水素を回収することにより、エネルギーを回収することができる。水素として得られるエネルギーの量は、電圧印加として投入したエネルギーの量よりも大きいため、微生物電解セル全体としては、廃水からエネルギーを回収したことになる。このように、微生物電解セルは、アノードおよびカソードと接続された電圧印加部(電源やポテンショスタットなど)により、アノードとカソードとの間に電圧を印加することが必要である。
微生物燃料電池や微生物電解セルなどの生物電気化学システムは、様々な種類の有機性廃水を処理することができる。この処理により廃水中の有機物が分解されるため、生物電気化学システムは、廃水を浄化(有機物を除去)する機能も併せ持っている。このように、生物電気化学システムは、廃水の浄化および廃水からのエネルギー回収を同時に行うことができるため、今後の新技術として期待されている。
生物電気化学システムでは、有機物の分解により生成された電子をアノードに渡す反応を高速化させることが非常に重要であり、この反応の速度が装置全体の処理速度に大きく影響を及ぼす。アノードとしては、通常、グラファイトやカーボンクロス、カーボンフェルト、カーボンブラシなどの炭素電極が使用される(たとえば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
また、粉末床溶融結合法などの立体造形方法によって多孔質形状のアノードを製造する方法が検討されている(たとえば、非特許文献3~非特許文献5参照)。
K. P. Nevin, et al., "Power output and columbic efficiencies from biofilms of Geobacter sulfurreducens comparable to mixed community microbial fuel cells", Environmental Microbiology, Vol. 10, pp. 2505-2514. Douglas Call, and Bruce E. Logan, "Hydrogen Production in a Single Chamber Microbial Electrolysis Cell Lacking a Membrane", Environ. Sci. Technol., Vol. 42, pp. 3401-3406. Flaviana Calignano, et al., "Additive Manufacturing of a Microbial Fuel Cell - A detailed study", Sci. Rep., Vol. 5, 13737. Yu Zhou, et al., "A novel anode fabricated by three-dimensional printing for use in urine-powered microbial fuel cell", Biochemical Engineering Journal, Vol. 124 (2017), pp. 36-43. Bin Bian, et al., "3D printed porous carbon anode for enhanced power generation in microbial fuel cell", Nano Energy, Vol. 44 (2018), pp. 174-180.
従来の生物電気化学システムには、電極上での反応速度が遅いという問題があり、実用化のためには電極上での反応速度の向上が必要である。一般的に、生物電気化学システムにおける装置全体の処理速度(微生物燃料電池および微生物電解セルでは出力に関係する)は、微生物からアノードへの電荷移動効率に依存する。前述のとおり、従来の微生物電気化学システムでは、炭素電極がアノードとして使用されていた。しかしながら、装置全体の処理速度を向上させる観点からは、アノードに更なる改善の余地がある。
これに対し、非特許文献3~非特許文献5などに記載のような粉末床溶融結合法などの立体造形方法によれば、任意の多孔質形状のアノードを製造することができる。これにより、燃料となる有機物および電子供与微生物を内部にまで導入させやすい形状のアノードを製造して使用すれば、電子供与微生物によるバイオフィルムをアノードの内部にまで十分に形成させて、生物電気化学システムの処理速度をより向上させることができると期待される。しかし、本発明者らの検討によれば、非特許文献3~非特許文献5に記載されているようなアノードを用いても、電子供与微生物によるバイオフィルムをアノードの内部にまで十分に形成させることができていなかった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、立体造形方法により製造される生物電気化学システムに用いられ得る電極であって、燃料となる有機物および電子供与微生物をアノードの内部にまで十分に導入させることにより、生物電気化学システムの処理速度をより向上させて、電流生産量をより高めることができる電極、当該電極を用いた生物電気化学システム、および当該電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、立体格子状に造形された導電性造形物をアノードに使用することで上記課題を解決できることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の生物電気化学システム用電極、生物電気化学システムおよび生物電気化学システム用電極の製造方法に関する。
[1]生物電気化学システムにおいてアノードとして使用される電極であって、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物を含む、生物電気化学システム用電極。
[2]体積に対する表面積の比率である比表面積が469mm/cm以上1542mm/cm以下である、[1]に記載の生物電気化学システム用電極。
[3]固体占有率が6.1%以上19.3%以下である、[1]または[2]に記載の生物電気化学システム用電極。
[4]前記格子は、格子を構成する枠の線径が0.5mm以下の格子である、[1]~[3]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[5]前記導電性造形物は、前記格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の単一形状の格子が、最表面から内部にかけて連続して形成されてなる、[1]~[4]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[6]前記導電性造形物は、外部から内部に移行するにつれて格子間隔が連続的または非連続的に小さくなっていくように、格子間隔が異なる複数種の格子が組み合わされて形成されてなり、前記複数種の格子の少なくとも一部は、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子である、[1]~[4]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[7]前記導電性造形物は、最表面から内部にかけて、培地導入器具を挿入できる挿入孔を有する、[1]~[6]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[8]前記導電性造形物は、前記導電性造形物を回転させる回転駆動部を有する、[1]~[7]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[9]前記導電性造形物は、金属または金属酸化物を材料とする造形物である、[1]~[8]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極。
[10]前記導電性造形物は、表面が酸化処理されている、[9]に記載の生物電気化学システム用電極。
[11]容器と、前記容器内に収容された、有機物および電子供与微生物を含む液体と、前記液体に接触するように配置されたアノードと、前記液体に接触するように、またはカチオン透過性の隔膜を挟んで前記液体と隣接するように配置されたカソードと、を有し、前記アノードは、[1]~[10]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極である、生物電気化学システム。
[12]前記生物電気化学システムは、微生物燃料電池である、[11]に記載の生物電気化学システム。
[13]前記アノードから前記カソードに電子が流れるように、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧印加部をさらに有し、前記生物電気化学システムは、微生物電解セルである、[11]に記載の生物電気化学システム。
[14]導電性物質の微粒子を含む粉末材料の供給および前記供給された粉末材料へのレーザーまたは電子ビームの照射を含む粉末溶融工程を複数回行って、前記立体格子状の導電性造形物を一体的に造形する工程を有する、[1]~[10]のいずれかに記載の生物電気化学システム用電極の製造方法。
[15]導電性造形物を造形する工程の後に、空気中または酸素存在下において前記造形された導電性造形物を火に接触させること、または200℃以上で熱処理することで前記導電性造形物を加熱する工程を有する、[14]に記載の生物電気化学システム用電極の製造方法。
本発明によれば、立体造形方法により製造される生物電気化学システムに用いられる電極であって、生物電気化学システムの処理速度をより向上させて、電流生産量をより高めることができる電極を提供することができる。これにより、本発明によれば、従来の生物電気化学システムよりも出力に優れる微生物燃料電池および微生物電解セルを提供することができる。
図1は、実施の形態1に係る微生物電解セルの構成を示す模式図である。 図2は、実施の形態1に係る微生物電解セルがアノードとして有する導電性造形物の構成を示す斜視図である。 図3Aは、図2に示す導電性造形物の投影図であり、図3Bは、図3Aに点線で示す領域の拡大図であり、図3C、図3Dおよび図3Eは、図2に示す平面格子の形状を示す模式図である。 図4は、実施の形態2に係る微生物燃料電池の構成を示す模式図である。 図5は、実施の形態2の変形例に係る微生物燃料電池の構成を示す模式図である。 図6は、実施例1で作製した八面体の格子形状を有する導電性造形物が有する格子の形状を示す模式図である。 図7Aおよび図7Bは、実施例における、アノードごとの電流生産量を示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態1]
実施の形態1では、本発明に係る生物電気化学システムの例として、微生物電解セルについて説明する。
(微生物電解セルの構成)
図1は、実施の形態1に係る微生物電解セル100の構成を示す断面模式図である。図1に示されるように、微生物電解セル100は、容器110、液体120、アノード(負極、作用極)130、カソード(正極、対極)140、参照電極150、ポテンショスタット160、水素回収部170および水素貯蔵部180を有する。アノード130、カソード140および参照電極150は、ポテンショスタット160に電気的に接続されている。液体120は、有機物および電子供与微生物122を含む。
容器110は、微生物電解セル100の本体部を構成し、液体120を収容する。容器110の素材、形状および大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定されうる。
液体120は、容器110内に収容されており、燃料となる有機物および電子供与微生物122を含む。通常、液体120は、1種または2種以上の電解質を含有する水溶液である。電解質の種類は、水中で電離可能な物質であれば特に限定されない。電解質の例には、NaHPO/NaHPO、KHPO/KHPO、NaCO/NaHCO、NaCl、KCl、NHClなどが含まれる。また、液体120には、必要に応じて電子メディエータや導電性微粒子などの電子伝達性介在物質をさらに添加してもよい。
液体120中の電子供与微生物122のうち、少なくとも一部の電子供与微生物122は、アノード130に担持されている。すなわち、アノード130は、電子供与微生物122を高密度で保持する担体としても機能する。電子供与微生物122の種類は、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。有機廃水や汚泥などを燃料として使用する場合は、外部から電子供与微生物を加えなくとも、それらに生息する電子供与微生物をそのまま利用することができる。たとえば、シュードモナスやジオバクターなどは、土壌や淡水、海水などの自然環境の至るところに生息しているため、有機廃水や汚泥などを燃料とすれば、外部から添加することなく利用できる。
燃料となる有機物の種類は、電子供与微生物122が代謝可能であれば、特に限定されない。燃料となる有機物としては、アルコールや単糖類、多糖類、タンパク質などの有用資源だけでなく、農産業廃棄物や有機廃液、し尿、汚泥、食物残渣などの未利用資源(有機性廃棄物)も使用することができる。燃料となる有機物は、電子供与微生物122の維持および増殖のため、また微生物電解セル100を連続して稼働させるため、必要に応じて追加される。
アノード130は、液体120に接触するように配置される。本実施の形態では、アノード130は、液体120中に浸漬されている。
本実施の形態に係る微生物電解セル100は、アノード130(生物電気化学システム用電極)が、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物を含むことを一つの特徴とする。本発明者らは、上記特徴を有するアノード130において、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む導電性造形物を用いることで、微生物電解セルにおける電流生産量を顕著に向上させうることを見出した(実施例参照)。電流生産量が向上する原理は不明であるが、立体格子状の導電性造形物が十分な通水性および比表面積を有することが要因になっていると考えられる。
つまり、格子間隔が2.5mm以上である立体格子状の導電性造形物をアノード130とすることで、燃料となる有機物および電子供与微生物122が通水性を有するアノード130の内部に十分に流入して、アノード130の内部における導電性造形物の表面に電子供与微生物122が付着できてより効率的に電流生産できたことにより、電子供与微生物122からアノード130(導電性造形物)への電子伝達が容易になったと推察される。また、格子間隔が2.5mm以上である立体格子状の導電性造形物をアノード130とすることで、電流生産の副産物として生成する二酸化炭素およびプロトンなどの副産物がアノードの内部から洗い流され、副産物が蓄積することによって電流生産が低下する生成物阻害が抑制されためとも考えられる。
特に、燃料となる有機物として糖類およびタンパク質などの複雑な構造を有する有機物を用いる場合、バイオフィルムの厚みは1mmから数mmになることがある。このような場合、アノードの格子間隔が小さいと、格子の隙間がすぐに塞がってしまい、通水性が低下して、アノード内部での電流生産は阻害されてしまう。これに対し、導電性造形物に含まれる格子の格子間隔が2.5mm以上であれば、上記複雑な構造を有する有機物を用いたときでもアノードの開口が塞がりにくく、アノード内部でも十分に電流生産が可能である。
カーボンフェルト、ステンレス鋼フェルトおよびステンレス鋼メッシュなどは、通常はこれよりも小さい格子間隔を有するため、アノードとしたときに、表面に形成されたバイオフィルムによって、燃料となる有機物および電子供与微生物122のアノード内部への入り込みが阻害されやすい。これに対し、上記格子間隔を有する導電性造形物は、十分な大きさの開口を有するため、アノードの表面に最初にバイオフィルムが形成された後も、燃料となる有機物および電子供与微生物122がアノード内部に入り込みやすく、アノード全体での電流生産性を高めることができる。
一方では、格子間隔が3.5mm以下である立体格子状の導電性造形物をアノード130とすることで、アノード130の内部の比表面積が十分に大きくなった結果、アノード130の内部に導入された電子供与微生物122が十分な大きさのバイオフィルムを形成できたことにより、電子供与微生物122からアノード130(導電性造形物)への電子伝達量を多くすることができたと推察される(原理がこれに限定されるものではない)。
なお、通水性を有するとは、アノードに水を供給したときに、十分な速さで(たとえば数秒以内に)アノードの水が供給された側とは反対側から、供給された水の大部分(たとえば80%以上)が排出されることを意味する。
また、格子間隔とは、隣接する格子の中心間の距離のうち、値が最小となる距離を意味する。
同時に電流生産量を高める観点からは、上記立体格子状の導電性造形物は、半径が0.6mm以上1.5mm以下の球を通過できるような幅の格子間隔を有することが好ましい。上記通過できる球の半径が大きいほど、より通水性を高めて、電流生産量を高めることができる。一方で、上記通過できる球の半径が大きすぎると、比表面積が低下して、付着させることができるバイオフィルムの量を多くしにくくなる。
同時に電流生産量を高める観点からは、上記立体格子状の導電性造形物は、体積に対する表面積の比率である比表面積が469mm/cm以上1542mm/cm以下であることが好ましく、469mm/cm以上1200mm/cm以下であることがさらに好ましい。比表面積が大きいほど、より多量のバイオフィルムを付着させることができ、電流生産量を高めることができる。一方で、比表面積が大きすぎると、上記格子間隔を実現しにくくなる。
同様に、同時に電流生産量を高める観点からは、上記立体格子状の導電性造形物は、体積に対する固体部分の体積である固体占有率が6.1%以上19.3%以下であることが好ましく、6.1%以上15.0%以下であることがさらに好ましい。固体占有率が大きいほど、より多量のバイオフィルムを付着させることができ、電流生産量を高めることができる。一方で、固体占有率が大きすぎると、上記格子間隔を実現しにくくなる。
格子間隔を2.5mm以上3.5mm以下としつつ、上記比表面積および固体占有率を高める観点からは、格子を構成する枠の線径(厚み)は、0.5mm以下であることが好ましく、0.3mm以下であることがより好ましい。上記線径の最小値は、導電性構造物をアノードとして用いたときの強度が十分である限りにおいて特に限定されないが、たとえば0.01mm以上とすることができる。
上記格子間隔、通過できる球の半径、比表面積および固体占有率は、導電性造形物の形状を実測および顕微鏡などによる観測結果から、公知の解析ソフトなどを用いて算出することができる。
なお、上記格子間隔とは、導電性構造物を構成するそれぞれの格子の形状を、厚みを有さない直線、および複数の上記直線が交わる交点のみからなる仮想的な立体形状であると仮定したときの、上記交点間の間隔を意味する。導電性構造物は、各格子を構成する枠の線径などによって、上記通過できる球の半径、比表面積および固体占有率を調整することも可能である。
上記立体格子状の導電性造形物は、同一形状の格子が周期的に連続して形成された形状であってもよいし、異なる形状の格子を組み合わせて形成された形状であってもよい。たとえば、上記立体格子状の導電性造形物は、上記格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の単一形状の格子が、最表面から内部にかけて連続して形成されてもよい。
また、燃料となる有機物および電子供与微生物122のアノード内部への入り込みを確保しつつ、比表面積を高める観点から、立体格子状の導電性造形物は、外部から内部に移行するにつれて格子間隔が連続的または非連続的に小さくなっていくように、格子間隔が異なる複数種の格子が組み合わされて形成されてもよい。上記立体格子状の導電性造形物は、上記異なる形状の格子を組み合わせた形状であるとき、上記異なる格子の少なくとも一種は格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む格子を有するように、一体的に成形されたものであると、表面近傍では内部への通水性を高めつつ、内部ではより多量のバイオフィルムを付着させて、電流生産量を高めることができる。このときも、立体格子状の導電性造形物は、体積に対する表面積の比率である比表面積が469mm/cm以上1542mm/cm以下であることが好ましく、469mm/cm以上1200mm/cm以下であることがさらに好ましい。また、このときも、立体格子状の導電性造形物は、体積に対する固体部分の体積である固体占有率が6.1%以上19.3%以下であることが好ましく、6.1%以上15.0%以下であることがさらに好ましい。たとえば、最表面に配置された格子間隔が一番大きい格子の格子間隔を6.0mmとし、最も内側に配置された格子間隔が一番小さい格子の格子間隔を1.5mmとするように、格子間隔を非連続的に変化させると、比表面積を約1100mm/cmとし、固体占有率を約14%とすることができるため好ましい。
電流生産量が向上する度合いの制御のしやすさ、および、造形の容易さ、を高める観点からは、導電性造形物は、上記同一形状の格子が周期的に連続して形成された形状を有するとき、導電性材料からなる複数の直線状の枠が組み合わさって形成される同一形状の空間が連続して配置された形状を有することが好ましい。たとえば、導電性造形物は、二等辺三角形および正三角形などを含む三角形、台形、平行四辺形、長方形および正方形などを含む四角形、ならびに正六角形などを含む六角形の格子状に形成された複数の平面格子が交わった形状とすることができる。これらのうち、(4×空隙面積/濡れ縁長さ)で求められる水力直径を大きくして、通水性をより高める観点からは、四角形および六角形が好ましく、六角形がより好ましい。平面格子が交わる角度は、一定でもよいし不定でもよく、平面格子が形成されている平面間がなす角度は、たとえば15°~90°の範囲で任意に設定できる。
導電性物質の例には、金属および金属酸化物が含まれる。導電性物質は、電流生産量をより高める観点から、タングステン、酸化タングステン、銅、銀、白金、金、亜鉛、ニオブ、鉄、コバルト、チタン、モリブデン、酸化モリブデン、スズ、酸化スズ、ニッケルおよび酸化ニッケルならびにこれらを含む合金またはその酸化物とすることができる。鉄を含む合金の例には、ステンレス鋼、およびNiを35.0~50.0質量%含み、かつFeを50.0~65.0%含む合金が含まれる。なお、カーボンは、立体格子状に一体的に成形しても、導電性の造形物とはならない。
上述したような形状を有する多孔質形状の導電性造形物は、粉末床溶融結合法などの立体造形方法によって作製することができる。粉末床溶融結合法では、導電性物質の微粒子を含む粉末材料を均一な厚みでシート状に薄く配置し、配置された粉末材料の所定の領域にレーザーまたは電子ビームを照射して粉末材料に含まれる導電性物質を溶融させる。粉末材料の配置および導電性物質の溶融を高さ方向に複数回行うことで、上述したような各形状を有する多孔質形状の導電性造形物を造形することができる。
このようにして作製された導電性造形物は、酸化処理されてもよい。酸化処理の方法は、特に限定されない。たとえば、空気中または酸素存在下において導電性造形物を火に接触させることにより加熱してもよいし、電気炉において導電性造形物を200℃以上、好ましくは500℃以上700℃以下で加熱してもよい。導電性造形物の加熱温度および加熱時間は、使用する導電性造形物の材料や形状、酸素の供給速度などに応じて適宜設定されうる。加熱による酸化処理時の最高加熱処理温度は、400~3500℃程度であることが好ましく、550~1600℃であることがより好ましい。また、導電性造形物が主として鉄を含む合金であるときは、最高加熱処理温度は、550℃以上650℃以下であることが好ましい。このとき、導電性造形物の最高到達温度および加熱処理温度は、導電性造形物が完全に溶融して変形しなければ導電性造形物の材料の融点を超える温度であってもよい。また、加熱時間は、使用する加熱機器にもよるが、たとえば、1秒~30分である。具体的には、導電性造形物の表面が十分に変色して、導電性造形物表面の一部分または表面全体が斑状に電気抵抗が0.01Ω/cm~数百Ω/cmまたはこれ以上に大きくなるまで加熱することが好ましい。なお、導電性造形物の材料の融点よりも高い燃焼温度を発生させるガスで加熱による酸化処理をする場合、導電性造形物が完全に溶融してしまうのを防ぐために、形状が変形する前に加熱を停止することが好ましい。
このように導電性造形物を酸化処理することで、表面近傍における組成が変化する。典型的には、エネルギー分散型X線分光法(EDS/EDX)により、酸化処理後の導電性造形物の表面における各元素の濃度と、酸化処理後の導電性造形物を切断することで露出させた断面において表面から5μm以上離れた部分(内部)における各元素の濃度とを比較することで、その導電性造形物が所定の酸化処理をなされたか否かを確認することができる。
本実施の形態では、アノード130は、斜視図である図2に示されるように、ステンレス鋼から粉末床溶融結合法により一体的に成形された、正方形格子状に形成された複数の平面格子が、平面間がなす角度がいずれも60°となるように交わった形状の、八面体の格子形状を有する導電性造形物である。図3Aは、図2に示された導電性造形物の平面投影図であり、図3Bは、図3A中に点線で示された領域130aの拡大図である。図3Bに示されるように、本実施の形態に係る導電性造形物は、異なる角度で配置されたいずれも複数の平面格子132a、132bおよび132cが、平面間がなす角度がいずれも60°となるように交わった形状である。図3C、図3Dおよび図3Eに示されるように、平面格子132a、132bおよび132cは、いずれも、正方形が平面方向に連続して配置された形状である。
カソード140は、液体120に接触するように配置される。本実施の形態では、カソード140は、液体120中に浸漬されている。カソード140の素材は、導電性を有し、かつ化学的に安定であれば特に限定されない。また、カソード140の形状は、特に限定されず、水素ガスの回収の容易性などに応じて適宜選択されうる。カソード140の素材の例には、炭素や金属、金属酸化物などが含まれる。カソード140の例には、カーボンクロスやカーボンフェルト、ステンレス鋼メッシュ、ステンレスフェルト、プラチナメッシュなどが含まれる。また、これらの表面に、プラチナなどの水素イオン還元触媒を担持させてもよい。
参照電極150は、液体120に接触するように配置される。本実施の形態では、参照電極150は、液体120中に浸漬されている。参照電極150の種類は、特に限定されず、適宜選択されうる。参照電極150の例には、銀-塩化銀電極や標準水素電極、カロメル電極などが含まれる。
ポテンショスタット160は、アノード130、カソード140および参照電極150に電気的に接続されており、アノード(作用極)130の電極電位を-0.4V(vs.Ag/AgCl)(Ag/AgCl:銀-塩化銀電極)以上、好ましくは-0.2~2.0V(vs.Ag/AgCl)になるように制御する。電極電位を制御する基準として参照電極150を用い、カソード(対極)140に電子を流すことでアノード(作用極)130の電極電位を一定に保つ。この結果、ポテンショスタット160は、アノード(作用極)130とカソード(対極)140との間に電圧を印加することとなり、有機物の分解で生じる電子は、アノード(作用極)130からポテンショスタット160を介して最終的にカソード140に流れ、カソード140の表面で水素ガス172が発生する。このように、アノード(作用極)130の電極電位は、カソード140の電極電位よりも常に所定の電位差で低い。
水素回収部170は、カソード140の表面で発生した水素ガス172を回収する。水素回収部170の構成は、上記目的を達成することができれば特に限定されない。本実施の形態では、水素回収部170は、液体120中においてカソード140の上部に配置された、漏斗形状の部材である。水素回収部170は、水素貯蔵部180に回収した水素ガスを送り込む。
水素貯蔵部180は、水素回収部170が回収した水素ガスを貯蔵する。水素貯蔵部180の構成は、上記目的を達成することができれば特に限定されない。水素貯蔵部180の例には、ガスホルダーなどが含まれる。
(微生物電解セルの動作)
次に、本実施の形態に係る微生物電解セル100の動作について説明する。
ポテンショスタット160により、アノード(作用極)130の電極電位が常に所定の値(たとえば0.2V(vs.Ag/AgCl))となるように、参照電極150を基準として用いてアノード130とカソード140との間に電圧を印加して微生物電解セル100を稼働させると、容器110内において、電子供与微生物122により有機物(たとえば酢酸)が二酸化炭素に分解される際に、水素イオンと電子が生成される。有機物の分解により生成された水素イオンは、カソード140表面に移動する。一方、有機物の分解により生成された電子は、アノード130で回収されて、外部回路を経由してカソード140に移動する。このような状況において、カソード140表面では、水素イオンおよび電子が反応することで、水素ガス172が生成される。したがって、容器110内に有機物を供給することで、上記サイクルを維持して、水素ガス172を連続して生成することができる。
このとき、燃料となる有機物および電子供与微生物122のアノード130の内部への導入を促進するため、マグネチックスターラーなどで容器110内の液体120を撹拌してもよい。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る微生物電解セル100は、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物を含むアノード130を用いるため、従来の微生物電解セルよりも出力(電流の生産量)の点で優れている(実施例参照)。たとえば、燃料として有機廃液を使用した場合、本実施の形態に係る微生物電解セル100は、有機廃液から水素ガスを回収するだけでなく、有機廃液の浄化処理も行うことができる。
なお、本実施の形態では、アノード130とカソード140との間に電圧を印加する電圧印加部としてポテンショスタット160を有する微生物電解セル100について説明したが、電圧印加部としてポテンショスタット160の代わりに電源を配置してもよい。この場合は、電源は、アノード130およびカソード140に電気的に接続され、アノード130からカソード140に電子が流れるように、アノード130とカソード140との間に電圧を印加する。参照電極150は、不要である。
また、本実施の形態において、不図示の曝気装置により液体120に酸素を含む気体を送り込んでもよい。曝気は連続的に行ってもよいし、液体120において好気状態と嫌気状態とが繰り返すために断続的に行ってもよい。なお、連続的に曝気を行っても、アノード130の内部に電子供与微生物122などが付着して形成されるバイオフィルムの内部は嫌気状態となるため、微生物電解セル100による出力は可能である。
(アノード130の変形例)
アノード130を構成する立体格子状の導電性造形物は、最表面から内部にかけて、チューブおよびピペットなどの培地導入器具を挿入できる挿入孔を有してもよい。上記挿入孔は、培地導入器具を挿入して燃料となる有機物および電子供与微生物122をアノード130の内部に導入させるために用いることができる。上記挿入孔の大きさは特に限定されないものの、直径5mm程度であればよい。
あるいは、アノード130を構成する立体格子状の導電性造形物は、上記導電性造形物を回転させることによりアノード130を回転させる回転駆動部を有してもよい。アノード130を回転させることによって、燃料となる有機物および電子供与微生物122のアノード130の内部への導入を促進することができる。上記回転駆動部は、たとえば、上記導電性造形物の外延部から延出するように配置された棒状部材のうち、上記導電性造形物とは接しない位置に配置された、モーターなどの駆動部材などとすることができる。上記駆動部材は、前記棒状部材に対してアノード130の中心からずれた方向への推進力を上記導電性造形物に付与することで、アノード130を回転移動させることができる。このときのアノード130の回転速度は、たとえば6rpm以上60rpm以下とすることができる。
[実施の形態2]
実施の形態2では、本発明に係る生物電気化学システムの例として、微生物燃料電池について説明する。
(微生物燃料電池の構成)
図4は、実施の形態2に係る微生物燃料電池200の構成を示す模式図である。図4に示されるように、微生物燃料電池200は、容器210、液体220、アノード(負極)230、膜電極接合体240を有する。液体220は、有機物および電子供与微生物222を含む。膜電極接合体240は、隔膜242およびカソード(正極)244を含む。また、アノード230およびカソード244は、外部回路を構成する導線により電気的に接続されている。
容器210は、微生物燃料電池200の本体部を構成し、液体220を収容する。容器210の素材、形状および大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜設定されうる。本実施の形態に係る微生物燃料電池200では、隔膜242およびカソード244を含む膜電極接合体240が容器210の壁面の一部を構成している。
液体220は、容器210内に収容されており、燃料となる有機物および電子供与微生物222を含む。液体220は、実施の形態1に係る微生物電解セル100の液体120と同様のものである。
アノード230は、少なくともその一部が液体220に接触するように配置される。アノード230は、実施の形態1に係る微生物電界セル100のアノード130と同様のものである。本実施の形態では、アノード230は、容器210内に浸漬されている。たとえば、アノード230は、液体220に固定されてもよいし、容器210の内壁の一部を構成するように配置されてもよい。
膜電極接合体240は、カチオン透過性を有する隔膜242と、ガス透過性を有するカソード244とを含む。隔膜242およびカソード244は、一体化されて膜電極接合体240を構成している。膜電極接合体240は、隔膜242が液体220に接触し、カソード244が外気に接触するように配置される。本実施の形態では、膜電極接合体240は、容器210の内壁の一部を構成するように配置されている。
隔膜242は、カチオンを選択的に透過させうる膜であり、液体220とカソード244との間に配置されている。隔膜242の種類は、カチオンを選択的に透過させることができれば、特に限定されない。隔膜242の例には、プロトン交換膜が含まれる。プロトン交換膜は、プロトン伝導性のイオン交換高分子電解質からなる膜である。プロトン交換膜の素材の例には、パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂、有機/無機複合化合物が含まれる。パーフルオロスルホン酸系のフッ素イオン交換樹脂は、たとえば、スルホ基および/またはカルボキシル基を有するパーフルオロビニルエーテルを基礎とする重合単位と、テトラフルオロエチレンを基礎とする重合単位とを含む共重合体を含む。そのようなフッ素イオン交換樹脂としては、ナフィオン(登録商標)が知られている。また、有機/無機複合化合物は、炭化水素系高分子(たとえばポリビニルアルコール)および無機化合物(たとえばタングステン酸)が複合化した化合物からなる物質である。これらの素材からなる膜は、市販されている。
カソード(エアカソード)244は、隔膜242を挟んで液体220と隣接するように配置されている。カソード244の素材および形状は、ガス透過性および導電性を両立できれば特に限定されない。カソード244の素材の例には、炭素や金属などが含まれる。カソード244の例には、カーボンペーパーやカーボンクロス、カーボンメッシュ、グラファイト粒子、活性化グラファイト粒子、カーボンフェルト、網状ガラス化カーボン、ステンレス鋼メッシュなどが含まれる。また、これらの表面に、プラチナや活性炭などの酸素還元触媒を担持させてもよい。
(微生物燃料電池の動作)
次に、本実施の形態に係る微生物燃料電池200の動作について説明する。
図4に示されるように、本実施の形態に係る微生物燃料電池200を稼働させると、容器210内において、電子供与微生物222により有機物(たとえば酢酸)が二酸化炭素に分解される際に、水素イオンと電子が生成される。有機物の分解により生成された水素イオンは、隔膜242を透過してカソード244表面に移動する。一方、有機物の分解により生成された電子は、アノード230で回収されて、外部回路を経由してカソード244に移動する。また、カソード244は通気性を有するため、カソード244表面には酸素も存在する。このような状況において、カソード244表面では、水素イオンおよび電子が酸素と反応することで、水が生成される。したがって、容器210内に有機物を供給することで、上記サイクルを維持して、外部回路に電力を連続して供給することができる。
本実施の形態においても、実施の形態1の変形例と同様に、燃料となる有機物および電子供与微生物222のアノード230の内部への導入を促進するため、マグネチックスターラーなどで容器210内の液体220を撹拌してもよい。
(効果)
以上のように、本実施の形態に係る微生物燃料電池200は、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物を含むアノード230を用いるため、従来の微生物燃料電池よりも出力(アノードの単位面積当たりの電力密度)の点で優れている(実施例参照)。たとえば、燃料として有機廃液を使用した場合、本実施の形態に係る微生物燃料電池200は、有機廃液から電気エネルギーを回収するだけでなく、有機廃液の浄化処理も行うことができる。
なお、本実施の形態では、隔膜242を有する微生物燃料電池200について説明したが、隔膜242は必須の構成要件ではない。すなわち、図5に示すように、カソード244は、液体220に直接接触していてもよい。しかしながら、電池の長期持続性やエネルギーの回収効率などを考慮した場合は、隔膜242が存在することが好ましい。
また、本実施の形態では、エアカソード方式(単槽方式)の微生物燃料電池について説明したが、本発明に係る生物電気化学システムは、二槽方式の微生物燃料電池であってもよい。この場合は、容器210は、隔膜242によりアノード槽とカソード槽とに分けられる。アノード230は、アノード槽内に収容された有機物および電子供与微生物222を含む液体中に浸漬され、カソード244は、カソード槽内に収容された液体中に浸漬される。
また、本実施の形態においても、不図示の曝気装置により液体220に酸素を含む気体を送り込んでもよい。曝気は連続的に行ってもよいし、液体220において好気状態と嫌気状態とが繰り返すために断続的に行ってもよい。なお、連続的に曝気を行っても、アノード230の内部に電子供与微生物222などが付着して形成されるバイオフィルムの内部は嫌気状態となるため、微生物燃料電池200による出力は可能である。
また、本実施の形態においても、実施の形態1の変形例と同様に、アノード230を構成する立体格子状の導電性造形物は、最表面から内部にかけて、チューブおよびピペットなどの培地導入器具を挿入できる挿入孔を有してもよい。上記挿入孔は、培地導入器具を挿入して燃料となる有機物および電子供与微生物222をアノード230の内部に導入させるために用いることができる。上記挿入孔の大きさは特に限定されないものの、直径5mm程度であればよい。
また、本実施の形態においても、実施の形態1の変形例と同様に、アノード230を構成する立体格子状の導電性造形物は、上記導電性造形物を回転させることによりアノード230を回転させる回転駆動部を有してもよい。アノード230を回転させることによって、燃料となる有機物および電子供与微生物222のアノード230の内部への導入を促進することができる。上記回転駆動部は、たとえば、上記導電性造形物の外延部から延出するように配置された棒状部材のうち、上記導電性造形物とは接しない位置に配置された、モーターなどの駆動部材などとすることができる。上記駆動部材は、前記棒状部材に対してアノード230の中心からずれた方向への推進力を上記導電性造形物に付与することで、アノード230を回転移動させることができる。このときのアノード230の回転速度は、たとえば6rpm以上60rpm以下とすることができる。
以下、実施例を参照して本発明についてより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されない。
[実施例1]
1.アノードの作製
粉末床溶融結合法による造形装置を用い、4種類のアノードを作製した。これらのアノードは、線径が0.5mmの枠によって正方形格子状に形成された複数の平面格子が、平面間がなす角度がいずれも60°となるように交わった形状の、図2に示す八面体の格子形状を有する導電性造形物である。いずれもステンレス鋼の粉末を材料として使用し、粉末の供給および供給された粉末へのレーザーの照射によるステンレス鋼の焼結を繰り返して、ステンレス鋼を規則的形状に成形してなる立体格子状の導電性造形物を造形した。導電性造形物の大きさは、いずれも30mm×30mm×25mmである。平面格子を構成する格子点間の間隔(格子間隔)を1.5mm、3.0mm、4.5mmおよび6.0mmとして4種類の導電性造形物を造形した。
造形した4種類の導電性造形物を、加熱処理温度を600℃として熱処理して、酸化処理を行った。酸化処理後の導電性造形物は、いずれも、表面および内部が黒色化しており、酸化鉄が形成されたことが確認された。酸化処理後の、格子点間の間隔が1.5mm、3.0mm、4.5mmおよび6.0mmである導電性造形物を、それぞれアノード(O-1.5)、アノード(O-3.0)、アノード(O-4.5)およびアノード(O-6.0)とした。アノード(O-1.5)、アノード(O-3.0)、アノード(O-4.5)およびアノード(O-6.0)は、いずれも、互いに直交する2方向から供給された水が、いずれもアノードの内部を通って反対側に通過した。
上記各アノードは、図6Aに示す形状の格子が連続して形成されている。図6A中、「P」で示した長さが、格子間隔(たとえば、アノード(O-3.0)であれば3.0mm)である。図6Bは、図6Aに示す形状の格子を、図中Y方向に見たときの図である。この格子の内部は、格子の枠の線径をL(アノード(O-3.0)であれば0.5mm)としたとき、対角線Dの長さが(P-2×(L/√2))(アノード(O-3.0))であれば約2.3mm)である正方形となっている。そのため、この格子を通過できる球は、一辺が(D/√2)(アノード(O-3.0)であれば約1.6mm)の正方形の平面枠を通過できる球であり、その半径はアノード(O-3.0)であれば約0.8mmである。
粉末床溶融結合法による造形装置を用い、さらに別の4種類のアノードを作製した。これらのアノードは、線径が0.5mmの枠によって正方形格子状に形成された複数の平面格子が、平面間がなす角度がいずれも90°となるように交わった形状の、正六面体の格子形状を有する導電性造形物である。いずれもステンレス鋼の粉末を材料として使用し、粉末の供給および供給された粉末へのレーザーの照射によるステンレス鋼の焼結を繰り返して、ステンレス鋼を規則的形状に成形してなる立体格子状の導電性造形物を造形した。導電性造形物の大きさは、いずれも30mm×30mm×25mmである。平面格子を構成する格子点間の間隔を1.5mm、3.0mm、4.5mmおよび6.0mmとして4種類の導電性造形物を造形した。
造形した4種類の導電性造形物を、加熱処理温度を600℃として熱処理して、酸化処理を行った。酸化処理後の導電性造形物は、いずれも、表面および内部が黒色化しており、酸化鉄が形成されたことが確認された。酸化処理後の、格子点間の間隔(格子間隔)が1.5mm、3.0mm、4.5mmおよび6.0mmである導電性造形物を、それぞれアノード(H-1.5)、アノード(H-3.0)、アノード(H-4.5)およびアノード(H-6.0)とした。アノード(H-1.5)、アノード(H-3.0)、アノード(H-4.5)およびアノード(H-6.0)は、いずれも、互いに直交する2方向から供給された水が、いずれもアノードの内部を通って反対側に通過した。
上記各アノードは、立方体形状の格子が連続して形成されている。この格子の内部は、格子の枠の線径をL(アノード(H-3.0)であれば0.5mm)としたとき、一辺の長さが(P-2×(L/2)(アノード(O-3.0)であれば約2.5mm))である正方形となっている。そのため、この格子を通過できる球の半径はアノード(H-3.0)であれば約1.3mmである。
厚みが5mmのカーボンフェルトを密着させて重ね合わせて、大きさが30mm×30mm×25mmであるアノードを作製した。このアノードを、アノード(CF)とした。
2.微生物電解セルの作製
容器として、容量125mLのアクリル樹脂製の立方体形状の容器(内寸5cm×5cm×5cm)を準備した。以下の表に示される組成の培地と、電子供与微生物の供給源としての活性汚泥とを5:1の割合で混合して、人工排水を調整した。得られた人工排水125mLを、容器に導入した。活性汚泥に含まれている細菌群を種菌として容器中の人工排水に接種した。
Figure 0006989923000001
容器内の人工排水中に、上記作製したアノード(作用極、負極)のいずれか、カソード(対極、正極)としてのプラチナ電極、参照電極としての銀-塩化銀電極を浸漬させた。なお、これらの電極は、いずれもポテンショスタットに接続されている。
3.微生物電解セルの評価
人工排水を30℃で撹拌しながら、アノードの電極電位が銀-塩化銀電極(参照電極)の電位に対して-0.2Vとなるようにアノードおよびカソードに電圧を印加して、作製した微生物電解セルを稼働させた。3日または4日毎に培地を交換した。培地を最初に交換するときに、毎回、カソードおよび参照電極を洗浄した。また、培養開始から10日間程度で電流生産の値は安定した。培養開始から2週間後にアノードとカソードとの間に流れる電流を測定した。
それぞれのアノードの、格子内部を通過できる球の最大の半径、比表面積(表面積/体積)、および固体占有率、ならびに電極1cmあたりの電流生産量を、表2に示す。
Figure 0006989923000002
八面体の格子形状を有する導電性造形物であるアノード(O-1.5)、アノード(O-3.0)、アノード(O-4.5)およびアノード(O-6.0)を用いたときの、格子間隔と電流生産量との関係を、図7Aに示す。六面体の格子形状を有する導電性造形物であるアノード(H-1.5)、アノード(H-3.0)、アノード(H-4.5)およびアノード(H-6.0)を用いたときの、格子間隔と電流生産量との関係を、図7Bに示す。なお、図7Aおよび図7Bにおいて、アノード(CF)を用いたときの電流生産量(電極1cmあたり0.66mA)を実線で示す。図7Aおよび図7Bから明らかであるように、格子間隔が3.0mm近辺において電流生産量は顕著に増大しており、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下であるときに特に電流生産量が高くなることが示された。
なお、実験後にそれぞれのアノードを光学顕微鏡で観察したところ、アノード1.5とアノードCFでは電極の外部の表面に多量の細菌(電子供与微生物)が付着して厚いバイオフィルムが形成されていることが確認されたが、電極の内部では殆ど細菌は付着していなかった。これらの電極では、バイオフィルム形成の為に電極表面の目が詰まり、基質および細菌が電極の内部に進入することができず、電流の生産が低かったと考えられる。一方、アノード3.0アノード4.5およびアノード6.0では電極の外部および内部の電極表面に細菌が付着していた。アノード3.0とアノード4.5とアノード6.0の隙間は、基質および細菌が電極の内部に進入できるサイズである考えられる。
また、アノード4.5とアノード6.0の電極の表面積は、アノード3.0よりも小さい。このためアノード4.5とアノード6.0は、十分な量のバイオフィルムが形成されず、アノード3.0はよりも少量の電流しか生産できなかったと考えられる。
[実施例2]
実施例1において、最表面から内部に移行するにつれて格子間隔が6.0mm→4.5mm→3.0mm→1.5mmとなるように非連続的に小さくなるように、八面体の格子形状を有する複数種の格子が組み合わされて形成された導電性造形物を形成した。これを熱処理して、酸化処理を行ったところ、酸化処理後の導電性造形物は、表面および内部が黒色化しており、酸化鉄が形成されたことが確認された。この酸化処理後の上記導電性造形物をアノード(O-I)とした。
アノードとしてアノード(O-I)を用いた以外は実施例1と同様に試験を行ったところ、電流生産量は電極1cmあたり1.24mA/cmだった。
実施例1において、外部から内部に移行するにつれて格子間隔が6.0mm→4.5mm→3.0mm→1.5mmとなるように非連続的に小さくなるように、六面体の格子形状を有する複数種の格子が組み合わされて形成された導電性造形物を形成した。これを熱処理して、酸化処理を行ったところ、酸化処理後の導電性造形物は、表面および内部が黒色化しており、酸化鉄が形成されたことが確認された。この酸化処理後の上記導電性造形物をアノード(H-I)とした。
アノードとしてアノード(H-I)を用いた以外は実施例1と同様に試験を行ったところ、電流生産量は電極1cmあたり1.29mA/cmだった。
これらの結果から、外部から内部に移行するにつれて格子間隔が非連続的に小さくなるように、異なる格子形状を有する複数種の格子が組み合わされて形成された導電性造形物をアノードとすると、電流生産量がさらに増大することがわかる。
[実施例3]
実施例1におけるアノード(O-3.0)およびアノード(H-3.0)の上部から中心部にかけて、5.0mm径の挿入孔を形成した。上記挿入孔にチューブを挿入し、上記培地をチューブから電極内部に導入した後に、実施例1と同様に試験を行ったところ、電流生産量はいずれも10%程度上昇した。
[実施例4]
実施例1におけるアノード(O-3.0)およびアノード(H-3.0)の側面に、1mm径・長さ8cmのステンレス製の棒を取り付けた。上記棒のうち、アノードの外延部から延出してアノードとは接しない位置にモーターを取り付け、回転速度が6rpm以上60rpm以下となるようにアノードを回転させながら、実施例1と同様に試験を行ったところ、電流生産量はいずれも10%程度上昇した。
これらの結果から、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物をアノードに用いると、微生物電解セルにおける電流生産量(処理速度)が高まることが確認された。また、電流生産量が高まった理由は、電極の外部および内部における表面に電子供与微生物が多く付着したことによるものと推測されるため、微生物燃料電池などの他の生物電気化学システムにおける電流生産量(処理速度)も、同様に高め得ることが推測される。
本発明に係る生物電気化学システム用電極は、微生物電解セルおよび微生物燃料電池などのアノードのほか、発電細菌を利用した生物化学的酸素要求量(BOD)のリアルタイムバイオセンサー用の電極や、微生物(酵素を含む)を用いても電気化学的な物質の分解および合成法に用いる電極としても有用である。
また、本発明に係る生物電気化学システムは、たとえば畜舎における廃水処理、食品加工工場などにおける排水処理、農村集落などにおける合併処理浄化槽の浄化処理、都市部における下水処理などにおいて有用である。
100 微生物電解セル
110、210 容器
120、220 液体
122、222 電子供与微生物
130、230 アノード
130a 領域
132a、132b、132c 平面格子
140、244 カソード
150 参照電極
160 ポテンショスタット
170 水素回収部
172 水素ガス
180 水素貯蔵部
200 微生物燃料電池
240 膜電極接合体
242 隔膜

Claims (15)

  1. 生物電気化学システムにおいてアノードとして使用される電極であって、
    格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子を含む、一体的に成形された立体格子状の導電性造形物を含む、
    生物電気化学システム用電極。
  2. 体積に対する表面積の比率である比表面積が469mm/cm以上1542mm/cm以下である、請求項1に記載の生物電気化学システム用電極。
  3. 固体占有率が6.1%以上19.3%以下である、請求項1または2に記載の生物電気化学システム用電極。
  4. 前記格子は、格子を構成する枠の線径が0.5mm以下の格子である、請求項1~3のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  5. 前記導電性造形物は、前記格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の単一形状の格子が、最表面から内部にかけて連続して形成されてなる、請求項1~4のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  6. 前記導電性造形物は、外部から内部に移行するにつれて格子間隔が連続的または非連続的に小さくなっていくように、格子間隔が異なる複数種の格子が組み合わされて形成されてなり、
    前記複数種の格子の少なくとも一種は、格子間隔が2.5mm以上3.5mm以下の格子である、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  7. 前記導電性造形物は、最表面から内部にかけて、培地導入器具を挿入できる挿入孔を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  8. 前記導電性造形物は、前記導電性造形物を回転させる回転駆動部を有する、請求項1~7のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  9. 前記導電性造形物は、金属または金属酸化物を材料とする造形物である、請求項1~8のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極。
  10. 前記導電性造形物は、表面が酸化処理されている、請求項9に記載の生物電気化学システム用電極。
  11. 容器と、
    前記容器内に収容された、有機物および電子供与微生物を含む液体と、
    前記液体に接触するように配置されたアノードと、
    前記液体に接触するように、またはカチオン透過性の隔膜を挟んで前記液体と隣接するように配置されたカソードと、を有し、
    前記アノードは、請求項1~10のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極である、
    生物電気化学システム。
  12. 前記生物電気化学システムは、微生物燃料電池である、請求項11に記載の生物電気化学システム。
  13. 前記アノードから前記カソードに電子が流れるように、前記アノードと前記カソードとの間に電圧を印加する電圧印加部をさらに有し、
    前記生物電気化学システムは、微生物電解セルである、
    請求項11に記載の生物電気化学システム。
  14. 導電性物質の微粒子を含む粉末材料の供給および前記供給された粉末材料へのレーザーまたは電子ビームの照射を含む粉末溶融工程を複数回行って、前記立体格子状の導電性造形物を一体的に造形する工程を有する、
    請求項1~10のいずれか1項に記載の生物電気化学システム用電極の製造方法。
  15. 導電性造形物を造形する工程の後に、空気中または酸素存在下において前記造形された導電性造形物を火に接触させること、または200℃以上で熱処理することで前記導電性造形物を加熱する工程を有する、請求項14に記載の生物電気化学システム用電極の製造方法。
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