JP2010102953A - 微生物発電装置及び微生物発電装置用正極 - Google Patents

微生物発電装置及び微生物発電装置用正極 Download PDF

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Abstract

【課題】エアーカソードを用いた微生物発電装置の発電効率を顕著に高めることができ、実用規模においても、簡便な操作で容易かつ安価に製造することができる正極と、この正極を用いた微生物発電装置を提供する。
【解決手段】負極を有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持する負極室と、該負極室に対しイオン透過性非導電性膜であるイオン交換膜を介して隔てられており、該イオン交換膜に接する正極を備えた正極室とを有し、該正極室に酸素含有ガスを供給して発電を行う微生物発電装置に用いられる正極。酸素還元触媒を担持させたイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなり、イオン交換膜がイオン透過性非導電性膜に接するように設けられる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微生物の代謝反応を利用する発電装置に係り、特に、有機物を微生物に酸化分解させる際に得られる還元力を電気エネルギーとして取り出す微生物発電装置に関する。本発明は、また、この微生物発電装置に用いられる正極に関する。
近年、地球環境に配慮した発電方法へのニーズが高まり、微生物発電の技術開発も進められている。微生物発電は、微生物が有機物を資化する際に得られる電気エネルギーを取り出すことにより発電する方法である。
一般的に、微生物発電では負極が配置された負極室内に、微生物、微生物に資化される有機物、及び電子伝達媒体(電子メディエータ)を共存させる。電子メディエータは微生物体内に入り、微生物が有機物を酸化して発生する電子を受け取って負極に渡す。負極は外部抵抗(負荷)を介して正極と電気的に導通しており、負極に渡された電子は外部抵抗(負荷)を介して正極に移動し、正極と接する電子受容体に渡される。このような電子の移動により正極と負極との間に電流が流れる。
微生物発電では、電子メディエータが微生物体から直接、電子を取り出すため、理論上のエネルギー変換効率は高い。しかし、実際のエネルギー変換効率は低く、発電効率の向上が求められている。そこで、発電効率を高めるため、電極の材料や構造、電子メディエータの種類、及び微生物種の選択等について様々な検討及び開発が行われている(例えば特許文献1、特許文献2)。
特許文献1には、正極室と負極室とを固体電解質よりなるアルカリイオン導電体で隔て、正極室内及び負極室内をリン酸緩衝液(バッファ)でpH7とし、正極室内のリン酸緩衝液(カソード液)に空気を吹き込んで発電を行うことが記載されている。
特許文献2には、正極室と負極室とを区画する電解質膜に接するように、正極板として多孔質体を設置し、正極室に空気を流通させ、多孔質体の空隙中で空気と液とを接触させることが記載されている。(以下、このように正極室内に空気を流通させ、空気中の酸素を電子受容体として利用する正極を「エアーカソード」と称す場合がある。)
エアーカソードを用いる微生物発電装置であれば、カソード液が不要で、また、正極室に単に空気を流通させるのみで良く、カソード液中への曝気の必要がないといった利点がある。
特許文献2には、エアーカソードの電極反応促進用の触媒として、白金等の白金属元素が有効であると記載され、実施例においては、白金を担持したファーネスブラック粒子をPTFE(テフロン(登録商標))バインダーで結着したものをエアーカソードとしている。
また、非特許文献1には、白金触媒を用いるエアーカソードを、白金触媒をカーボンブラックと混合してナフィオン(登録商標)等のバインダーにより、グラファイト等の導電性物質に固着して作成することが記載されている。
また、非特許文献2,3には、同様にしてポルフィリンコバルト触媒やフタロシアニン鉄触媒を担持させた後、更に還元雰囲気下で加熱してエアーカソードを作成することが記載されている。
特開2000−133326号公報 特開2004−342412号公報 Y.Zuo et al,Env.Sci.Technol.2007,41,3347-3353 F.Zhao et al,Env.Sci.Technol.2006,40,5193-5199
従来のエアーカソードのうち、白金触媒を用いるものでは白金が高価であるためコスト面で問題がある。また、ポリフィリンコバルト触媒では毒性の問題があり、フタロシアニン鉄触媒では発電効率が低い。また、従来のエアーカソードでは、製造方法が煩雑であったり、実用化に当たり高価な製造設備を要するなどの問題がある。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、エアーカソードを用いた微生物発電装置の発電効率を顕著に高めることができ、実用規模においても、簡便な操作で容易かつ安価に製造することができる正極と、この正極を用いた微生物発電装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の微生物発電装置は、負極を有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持する負極室と、正極を有し、該負極室に対しイオン透過性非導電性膜を介して隔てられた正極室と、該正極室に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段とを備えた微生物発電装置において、該正極が、酸素還元触媒を担持させた前記イオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなることを特徴とする。
請求項2の微生物発電装置は、請求項1において、前記酸素還元触媒が二酸化マンガンであることを特徴とする。
請求項3の微生物発電装置は、請求項1又は2において、前記通気性導電性基材に電流取り出し導体が設けられていることを特徴とする。
請求項4の微生物発電装置は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記通気性導電性基材が、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、ステンレスメッシュ、及びチタンメッシュよりなる群から選ばれることを特徴とする。
本発明(請求項5)の微生物発電装置用正極は、負極を有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持する負極室と、正極を有し、該負極室に対しイオン透過性非導電性膜を介して隔てられた正極室とを備え、該正極室に酸素含有ガスを供給して発電を行う微生物発電装置に用いられる正極において、酸素還元触媒を担持させた前記イオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなることを特徴とする。
請求項6の微生物発電装置用正極は、請求項5において、前記酸素還元触媒が二酸化マンガンであることを特徴とする。
請求項7の微生物発電装置用正極は、請求項5又は6において、前記導電性基材が、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、ステンレスメッシュ、及びチタンメッシュよりなる群から選ばれることを特徴とする。
請求項8の微生物発電装置用正極は、請求項5ないし7のいずれか1項において、前記イオン交換膜はアニオン交換膜であり、前記酸素還元触媒は、該アニオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むアニオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、該アニオン交換膜上に該酸素還元触媒を析出させて担持されたものであることを特徴とする。
請求項9の微生物発電装置用正極は、請求項5ないし8のいずれか1項において、前記イオン交換膜はカチオン交換膜であり、前記酸素還元触媒は、該カチオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むカチオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、該カチオン交換膜上に該酸素還元触媒を析出させて担持されたものであることを特徴とする。
本発明の微生物発電装置用正極は、酸素還元触媒がイオン交換膜に担持されてイオン交換膜のイオン交換基と密接しているため、酸素含有ガスと接する通気性導電性基材に電流取り出し導体を設けて電流を取り出した際、正極反応に必要な3要素である
・酸素
・プロトン
・電子
が、イオン交換膜上で効率良く接触することとなり、非常に高い効率で正極反応が進行するようになる。このため、この微生物発電装置用正極により発電効率に優れた微生物発電装置が提供される。
本発明の微生物発電装置用正極は、イオン交換膜に酸素還元触媒を担持し、これを通気性導電性基材と積層して密着させることにより、高価な設備や特殊な機器を必要とすることなく、簡易な操作で容易かつ安価に製造することができる。
以下に本発明の微生物発電装置及び微生物発電装置用正極の実施の形態を詳細に説明する。
[微生物発電装置用正極]
まず、本発明の微生物発電装置用正極について説明する。
本発明の微生物発電装置用正極は、酸素還元触媒を担持したイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなる。
<イオン交換膜>
イオン交換膜としては、特に制限はなく、アニオン交換膜であっても良く、カチオン交換膜であっても良い。イオン交換膜としては市販品を用いることができ、例えばカチオン交換膜としてはデュポン株式会社製ナフィオン(登録商標)、株式会社アストム製のカチオン交換膜であるCMB膜等が使用できる。また、アニオン交換膜としては、アストム製アニオン交換膜やトクヤマ製アニオン型電解質膜などが好適である。
イオン交換膜はその膜厚が薄過ぎると取り扱い時に十分な強度を維持することができず、厚過ぎると微生物発電装置の小型薄肉化を図れず、また、イオン透過性が悪くなることから、10〜300μm、特に15〜200μm程度であることが好ましい。
<酸素還元触媒>
酸素還元触媒としては、正極反応に対して触媒作用を有するものであれば良く、従来公知の白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)等の白金族元素触媒や、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、銀(Ag)、酸化銀(AgO)、鉄(Fe)、二酸化マンガン(MnO)等の1種又は2種以上を用いることもできるが、安価で安全性が高く、また触媒効果に優れることから二酸化マンガンを用いることが好ましい。
<イオン交換膜への酸素還元触媒の担持方法>
イオン交換膜に酸素還元触媒を担持する方法としては特に制限はないが、以下の(1)又は(2)の方法により、イオン交換膜上に酸素還元触媒を析出させて担持する方法が好適である。
(1) イオン交換膜がアニオン交換膜の場合
アニオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むアニオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、アニオン交換膜上に酸素還元触媒を析出させる。
(2) イオン交換膜がカチオン交換膜の場合
カチオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むカチオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、カチオン交換膜上に酸素還元触媒を析出させる。
ここで、酸素還元触媒となる金属を含むアニオンは、例えば、MnO イオンが挙げられ、この場合、0.1〜2N程度の過マンガン酸カリウム水溶液中にアニオン交換膜を30〜120分程度浸漬してアニオン交換膜に吸着させることができる。浸漬後はアニオン交換膜を取り出し、純水で洗浄した後、酸化又は還元処理に供する。
その他、Ptを担持させる場合には、塩化白金酸等のアニオンを用いることもできる。
また、酸素還元触媒となる金属を含むカチオンとしては、例えばMn2+が挙げられ、この場合、0.1〜2N程度の硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガン等の水溶液中に30〜120分程度カチオン交換膜を浸漬してカチオン交換膜に吸着させることができる。浸漬後は、カチオン交換膜を取り出し、純水で洗浄した後、酸化又は還元処理に供する。
このカチオンとしては、また、Ni2+を用いることができ、この場合も同様に0.1〜1N程度の硫酸ニッケル等の水溶液中にカチオン交換膜を浸漬してカチオン交換膜に吸着させることができる。また、Agを用いることもでき、この場合も同様に0.1〜1N程度の硝酸銀等の水溶液中にカチオン交換膜を浸漬してカチオン交換膜に吸着させることができる。
その他、Coを担持させる場合は、硝酸コバルト、硫酸コバルト等のカチオンを用いることもできる。
また、還元剤としては過酸化水素、水素化ホウ素ナトリウム等を用いることができ、これらは1〜5重量%程度の水溶液として用いることができる。このような還元剤水溶液中に触媒金属イオンを吸着させたイオン交換膜を浸漬することにより、或いは触媒金属イオンを吸着させたイオン交換膜に、還元剤水溶液を注下することにより還元処理を行うことができる。
また、酸化剤としては、次亜塩素酸ナトリウム等を用いることができ、これらは0.1〜5重量%程度の水溶液として用いることができる。このような酸化剤水溶液中に触媒金属イオンを吸着させたイオン交換膜を浸漬することにより、或いは触媒金属イオンを吸着させたイオン交換膜に、酸化剤水溶液を注下することにより酸化処理を行うことができる。
なお、酸化剤としては、酸素を用いることもでき、この場合には、酸素を通気すれば良い。
このような酸化剤による酸化に際しては、反応を速めるために系内のpHを10〜14程度のアルカリ条件とする必要があり、このため、触媒金属イオンを吸着させたイオン交換膜に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加した後、酸化剤を添加する。
上記還元又は酸化処理後は、イオン交換膜を純水で洗浄し、50〜80℃で乾燥することにより、酸素還元触媒を担持したイオン交換膜を得ることができる。
<イオン交換膜への酸素還元触媒の担持量>
イオン交換膜への酸素還元触媒の担持量は、少な過ぎると酸素還元触媒を担持したことによる発電効率の向上効果を十分に得ることができない。イオン交換膜への酸素還元触媒の担持量を過度に多くすることは困難であり、また、担持量が過度に多いものはイオン透過性が低下するため、好ましくない。従って、酸素還元触媒の担持量は、イオン交換膜に対する目付量として0.01〜0.5mg/cmとすることが好ましい。この酸素還元触媒担持量は、前述のイオン交換膜への酸素還元触媒金属となるアニオン又はカチオンの吸着処理に用いる該アニオン又はカチオン含有水溶液濃度を制御することにより調整することができる。
<通気性導電性基材>
通気性導電性基材としては、導電性及び通気性が高く、耐食性が高く、厚みが薄くても十分な導電性と耐食性、更には導電性基材としての機械的強度を得ることがあるものであれば良く、特に制限はないが、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、ステンレスメッシュ、チタンメッシュ等を用いることができ、これらのうち、特に耐久性と加工のしやすさ等の点から、カーボンペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス等のカーボン基材が好ましく、とりわけカーボンペーパーが好ましい。なお、これらのカーボン基材はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)で疎水化されたものであっても良い。
通気性導電性基材の厚さは、厚過ぎると酸素の透過が悪くなり、薄過ぎると、基材に必要な強度等の要求特性を満たすことができないことから、20〜2000μm程度であることが好ましい。
<微生物発電装置用正極の作成方法>
本発明の微生物発電装置用正極は、前述の方法で酸素還元触媒を担持したイオン交換膜と上述の通気性導電性基材とを、両者が密着するように積層することにより、容易に作成することができる。なお、イオン交換膜と通気性導電性基材とは単に積層させるのみで良いが、イオン交換膜と通気性導電性基材との密着性を高めるために、両者をイオン交換樹脂液を用い80〜120℃程度で溶着しても良く、また、溶着しても良い。
<酸素還元触媒による触媒作用>
本発明の正極を微生物発電装置のエアーカソードとして用いた場合、酸素還元触媒、例えば、二酸化マンガンは、微生物発電装置に用いたイオン透過性非導電性膜の種類に応じて、それぞれ、次のような正極反応により、負極で生成した電子を二酸化マンガンの4価のマンガンが受け取ってそれ自体が還元を受け、この還元されたマンガンが通気によって、再度4価マンガンに再生されることで、電極反応を促進するものと考えられる。
<イオン透過性非導電性膜としてカチオン透過膜を用いる場合>
MnO+2H+2e → Mn2++2OH
Mn2++O+HO → MnO+2H
<イオン透過性非導電性膜としてアニオン透過膜を用いる場合>
MnO+2HO+2e → Mn2++4OH
Mn2++O+HO → MnO+2H
[微生物発電装置]
次に、上述のような本発明の微生物発電装置用正極を用いる微生物発電装置について、図面を参照して説明する。
第2図は本発明の微生物発電装置の概略的な構成を示す模式的断面図である。
槽体1内がイオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜(本実施の形態ではカチオン透過膜)5Aによって正極室3と負極室4とに区画されている。正極室3内にあっては、このイオン透過性非導電性膜5Aとこのイオン透過性非導電性膜5Aに積層された通気性導電性基材5Bとで本発明の正極5が構成されている。
即ち、本発明の正極5は、図示の如く、酸素還元触媒を担持したイオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜5Aと通気性導電性基材5Bとの積層構造とされているが、このうち、通気性導電性基材5Bが正極室3側に位置し、イオン透過性非導電性膜5Aに密着するように設けられる。また、正極5からの電流取り出し導体は通気性導電性基材5B側に設けられており、従って、後述の外部抵抗21に接続される端子20は通気性導電性基材5Bに接続されている。
負極室4内には、導電性多孔質材料よりなる負極6が配置されている。この負極6は、イオン透過性非導電性膜5Aに直に、又は1〜2層程度の微生物の膜を介して接しており、イオン透過性非導電性膜5Aがカチオン透過膜であれば、負極6からイオン透過性非導電性膜2にプロトン(H)が受け渡し可能となっている。
正極室3内は、空室であり、ガス流入口7から空気などの酸素含有ガスが導入され、ガス流出口8から排ガスが流出する。負極室4内には負極溶液Lが存在しており、この負極溶液Lは循環往口9、循環配管10、循環用ポンプ11及び循環戻口12を介して循環される。
上記のイオン透過性非導電性膜5Aのカチオン透過膜としては、後述する通り、カチオン交換膜が好適であるが、その他のものであってもよい。
多孔質材料よりなる負極6に微生物が担持されている。負極室4には流入口4aから負極溶液Lを導入し、流出口から廃液を排出させる。なお、負極室4内は嫌気性とされる。
本実施の形態では、正極室3内で生じた凝縮水が凝縮水流出口13、凝縮水配管14、凝縮水タンク15、配管16、弁17介して循環配管10に導入可能とされている。なお、配管16がポンプ11の吸込側に接続されているため、弁17を開くとタンク15内の凝縮水が配管16に吸引される。ただし、弁17の代わりにポンプを配管16に設けてもよい。タンク15は、不溶性物質を沈降分離させる作用も有する。
正極5と負極6との間に生じた起電力により、端子20,22を介して外部抵抗21に電流が流れる。
負極溶液LのpHが7〜9となるように、正極室3の凝縮水が負極溶液Lに対し添加される。この正極室凝縮水は、負極室6に直接に添加されてもよいが、循環水に添加することにより、負極室6内の全域を部分的な偏りなしにpH7〜9に保つことができる。なお、凝縮水は酸素を含む場合があるため、活性炭充填塔のような脱酸素装置によって凝縮水を脱酸素処理した後、負極溶液に添加するようにしてもよい。
正極室3に酸素含有ガスを通気すると共に、必要に応じポンプ11を作動させて負極溶液Lを循環させることにより、負極室4内では、
(有機物)+HO→CO+H+e
なる反応が進行する。この電子eが負極6、端子22、外部抵抗21、端子20を経て正極5へ流れる。
上記反応で生じたプロトンHは、イオン透過性非導電性膜5Aのカチオン透過膜を通って正極5に移動する。正極5では、
+4H+4e→2H
なる反応が進行するが、正極5のイオン交換膜5Aに例えば二酸化マンガン等の酸素還元触媒が担持されていることにより、前述の如く、
MnO+2H+2e → Mn2++2OH
Mn2++O+HO → MnO+2H
の反応で、電子消費反応に寄与して電極反応が促進される。
正極5において、O+4H+4e→2HOの反応で生成したHOは凝縮して凝縮水が生じる。この凝縮水には、イオン透過性非導電性膜5Aのカチオン透過膜を透過してきたK,Naなどが溶け込み、これにより凝縮水がpH9.5〜12.5程度の高アルカリ性となる。
負極室4では、微生物による有機物及び水の分解反応によってCOが生成することにより、pHが低下しようとする。前述の通り、正極室5からの高アルカリ性の凝縮水が負極溶液Lに添加されることにより、負極溶液LのpHが7より低くなることが防止される。
第1図は本発明の特に好ましい形態に係る微生物発電装置の概略的な断面図である。
略直方体形状の槽体30内に2枚の板状のイオン透過性非導電性膜(本実施の形態ではカチオン透過膜)35A,35Aが互いに平行に配置されることにより、該イオン透過性非導電性膜35A,35A同士の間に負極室32が形成され、該負極室32とそれぞれ該イオン透過性非導電性膜35Aを隔てて2個の正極室33,33が形成されている。
負極室32内には、各イオン透過性非導電性膜35Aと直に、又は1層〜2層程度の生物膜を介して接するように、多孔質材料よりなる負極34が配置されている。負極34は、イオン透過性非導電性膜35Aに対し軽く(例えば0.1kg/cm以下の圧力で)押し付けられるのが好ましい。
正極室33内には、本発明の正極35(酸素還元触媒を担持したイオン交換膜35Aと通気性導電性基材35Bとの積層体)が配置されている。この正極35は、パッキン36に押圧されて負極に押し付けられている。
正極35と槽体30の側壁との間は、酸素含有ガスの流通スペースとなっている。
この正極35(正極35の通気性導電性基材35B)及び負極34は、端子37,39を介して外部抵抗38に接続されている。
負極室32には、流入口32aから負極溶液Lが導入され、流出口32bから廃液が流出する。負極室32内は嫌気性とされる。
負極室32内の負極溶液は、循環往口41、循環配管42、循環ポンプ43及び循環戻口44を介して循環される。各正極室33には、ガス流入口51から酸素含有ガスが流入し、排ガスがガス流出口52から流出する。
正極室33内の凝縮水は、凝縮水流出口53、配管54を介して凝縮水タンク55に導入され、貯留される。この凝縮水タンク55内の凝縮水は、配管56、弁57、循環配管42、ポンプ43を介して負極室32に供給可能とされている。
配管56がポンプ43の吸込側に接続されているため、弁57を開くとタンク55内の凝縮水が配管50に吸引される。なお、弁57の代わりにポンプを配管56に設けてもよい。
負極溶液のpHをpH計60で検出し、このpHが7〜9となるように制御器(図示略)によって弁57が制御される。
この第1図の微生物発電装置においても、正極室33に酸素含有ガスを流通させ、負極室32に負極溶液を流通させ、好ましくは負極溶液を循環させることにより、正極35と負極34との間に電位差が生じ、外部抵抗38に電流が流れる。
この発電運転に伴って、正極室33に高pHの凝縮水が生成し、タンク55に貯留される。微生物反応によりpHが低下しようとする負極室32に、正極室33で生じた高pHの凝縮水を該タンク55から添加することにより、負極室32内のpHを7〜9に維持する。
なお、本発明の微生物発電装置では、イオン透過性非導電性膜としては、カチオン透過膜の代りにアニオン透過膜を用いることもできる。アニオン交換膜を用いた場合には、前述の如く、
MnO+2HO+2e → Mn2++4OH
Mn2++O+HO → MnO+2H
の反応で生成したOHがイオン透過性非導電性膜であるアニオン透過膜を透過して正極から負極室へと移動する。
次に、この微生物発電装置の微生物、負極溶液などのほか、イオン透過性非導電性膜、及び負極の好適な材料等について説明する。
負極溶液L中に含有させることで電気エネルギーを産生させる微生物は、電子供与体としての機能を有するものであれば特に制限されない。例えば、Saccharomyces、Hansenula、Candida、Micrococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Leuconostoa、Lactobacillus、Corynebacterium、Arthrobacter、Bacillus、Clostridium、Neisseria、Escherichia、Enterobacter、Serratia、Achromobacter、Alcaligenes、Flavobacterium、Acetobacter、Moraxella、Nitrosomonas、Nitorobacter、Thiobacillus、Gluconobacter、Pseudomonas、Xanthomonas、Vibrio、Comamonas及びProteus(Proteus vulgaris)の各属に属する細菌、糸状菌、酵母などを挙げることができる。このような微生物を含む汚泥として下水等の有機物含有水を処理する生物処理槽から得られる活性汚泥、下水の最初沈澱池からの流出水に含まれる微生物、嫌気性消化汚泥等を植種として負極室に供給し、微生物を負極に保持させることができる。発電効率を高くするためには、負極室内に保持される微生物量は高濃度であることが好ましく、例えば微生物濃度は1〜50g/Lであることが好ましい。
負極溶液Lとしては、微生物又は細胞を保持し、かつ発電に必要な組成を有する溶液が用いられる。例えば、呼吸系の発電を行う場合は、負極側の溶液としては、ブイヨン培地、M9培地、L培地、Malt Extract、MY培地、硝化菌選択培地などの呼吸系の代謝を行うのに必要なエネルギー源や栄養素などの組成を有する培地が利用できる。また、下水、有機性産業排水、生ごみ等の有機性廃棄物を用いることができる。
負極溶液L中には、微生物又は細胞からの電子の引き抜きをより容易とするために電子メディエーターを含有させてもよい。この電子メディエーターとしては、例えば、チオニン、ジメチルジスルホン化チオニン、ニューメチレンブルー、トルイジンブルー−O等のチオニン骨格を有する化合物、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等の2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン骨格を有する化合物、ブリリアントクレジルブルー、ガロシアニン、レソルフィン、アリザリンブリリアントブルー、フェノチアジノン、フェナジンエソスルフェート、サフラニン−O、ジクロロフェノールインドフェノール、フェロセン、ベンゾキノン、フタロシアニン、あるいはベンジルビオローゲン及びこれらの誘導体などを挙げることができる。
さらに、微生物の発電機能を増大させるような材料、例えばビタミンCのような抗酸化剤や、微生物中の特定の電子伝達系や物質伝達系のみを働かせる機能増大材料を溶解すると、さらに効率よく電力を得ることができるので好ましい。
負極溶液Lは、必要に応じ、リン酸バッファを含有していてもよい。
負極溶液Lは有機物を含むものである。この有機物としては、微生物によって分解されるものであれば特に制限はなく、例えば水溶性の有機物、水中に分散する有機物微粒子などが用いられる。負極溶液は、下水、食品工場排水などの有機性廃水であってもよい。負極溶液L中の有機物濃度は、発電効率を高くするために100〜10000mg/L程度の高濃度であることが好ましい。
正極室に流通させる酸素含有ガスとしては、空気が好適である。正極室からの排ガスを、必要に応じ脱酸素処理した後、負極室に通気し、負極溶液Lからの溶存酸素のパージに用いてもよい。
イオン透過性非導電性膜であるイオン交換膜としては、プロトン選択性の高いカチオン交換膜、又はアニオン交換膜を好適に使用でき、例えばカチオン交換膜としてはデュポン株式会社製ナフィオン(登録商標)、株式会社アストム製のカチオン交換膜であるCMB膜等が使用できる。また、アニオン交換膜としては、アストム製アニオン交換膜やトクヤマ製アニオン型電解質膜などが好適である。イオン透過性非導電性膜は、薄くて丈夫であることが好ましく、通常、その膜厚は30〜300μm、特に30〜200μm程度であることが好ましい。
負極は、多くの微生物を保持できるよう、表面積が大きく空隙が多く形成され通水性を有する多孔体が好ましい。具体的には、少なくとも表面が粗とされた導電性物質のシートや導電性物質をフェルト状その他の多孔性シートにした多孔性導電体(例えばグラファイトフェルト、発泡チタン、発泡ステンレス等)が挙げられる。
このような多孔質の負極を直接に又は微生物層を介してカチオン透過体に当接させた場合、電子メディエータを用いることなく、微生物反応で生じた電子が負極に渡るようになり、電子メディエータを不要とすることができる。
複数のシート状導電体を積層して負極としてもよい。この場合、同種の導電体シートを積層してもよく、異なる種類の導電体シート同士(例えばグラファイトフェルトと粗面を有するグラファイトシート)を積層してもよい。
負極は全体の厚さが3mm以上40mm以下、特に5〜20mm程度であることが好ましい。積層シートによって負極を構成した場合、シート同士の合わせ面(積層面)に沿って液が流れるように、積層面を液の流入口と流出口とを結ぶ方向に配向させるのが好ましい。
本発明では、負極室を複数の分室に分割し、各分室を直列接続することで各分室でのpH低下を抑制した上で負極室内の液のpHを調整するようにしてもよい。負極室を分割すれば、各分室での有機物分解量が小さくなる結果、炭酸ガスの生成量も小さくなるため、各分室でのpH低下を少なくできる。負極室を流れる液には、前段側の分室から後段側の分室へ流れる際にカソード凝縮水を添加すればよい。このようにすれば、前段側の分室でpHが低下した液のpHを上げて後段側の分室へ流入させることができ、負極室内の液のpHを上記範囲に調整することが容易になる。
本発明では、正極室凝縮水とは別の、NaOH水溶液などのアルカリを負極室に添加するアルカリ添加手段を設けてもよい。このアルカリは、負極室に添加されてもよく、循環配管に添加されてもよく、凝縮水タンクに添加されてもよく、負極室に導入される負極溶液に添加されてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例1]
アストム社製アニオン交換膜(厚さ160μm)を1N過マンガン酸カリウム水溶液中に60分間浸漬した後取り出して純水で洗浄した。その後、5重量%過酸化水素水溶液をゆっくり添加して、アニオン交換膜表面の過マンガン酸イオンの紫褐色が消えた時点でアニオン交換膜を取り出し、純水で洗浄した後、アニオン交換膜にMnO触媒を2mg/cmの割合で担持させた。
このMnO担持アニオン交換膜を、PTFEのキシレン溶液で疎水化した厚さ約30μmのカーボンペーパー(東洋カーボン社製)と密着させて正極とした。
この正極のカーボンペーパー側に125メッシュのステンレス金網、5mm厚ポリエチレン製ハニカムの順に積層して5mm厚さの正極室に設置した。
正極のアニオン交換膜側には5mm厚さで7cm×25cmの厚さのグラファイトフェルトを密着させ、負極とした。
正極室には、空気を0.1L/minにて通気した。負極室には、まず、他の微生物発電装置の負極室流出液を1日循環通液して負極を構成するグラファイトフェルトに微生物を付着させた後、1,000mg/Lの濃度の酢酸ナトリウムと、20mMの濃度のリン酸バッファと、塩化アンモニウム100mg/Lとを含む原液に切り換え、この原液を10mL/minの流量で通液した。負極室内のpHは水酸化ナトリウムにより7.5に維持した。
この微生物発電装置の正極と負極とは5Ωの抵抗を介して接続した。このときの電極間電圧と発生電流を測定し、結果を表1に示した。
[実施例2]
アストム社製カチオン交換膜(厚さ210μm)を1N硫酸マンガン水溶液中に60分間浸漬した後取り出して純水で洗浄した。その後、水酸化ナトリウムでpH11に維持し、純酸素を通気することにより24時間酸化処理した。
その後、カチオン交換膜を取り出し、純水で洗浄し、カチオン交換膜にMnO触媒を2mg/cmの割合で担持させた。
このMnO担持カチオン交換膜を、実施例1と同様にしてPTFEのキシレン溶液で疎水化した厚さ約30μmのカーボンペーパー(東洋カーボン社製)と密着させて正極とした。
このようにして作成した正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして微生物発電装置を組み立て、同様に正極と負極とを5Ωの抵抗を介して接続したときの電極間電圧と発生電流を測定し、結果を表1に示した。
[実施例3]
アストム社製カチオン交換膜(厚さ210μm)を1N硫酸ニッケル水溶液中に60分間浸漬した後取り出して純水で洗浄した。その後、0.1重量%水酸化ホウ素ナトリウム水溶液中に60分浸漬して還元した後取り出し、純水で洗浄し、カチオン交換膜にNi触媒を1mg/cmの割合で担持させた。
このNi担持カチオン交換膜を、実施例1と同様にしてPTFEのキシレン溶液で疎水化した厚さ約30μmのカーボンペーパー(東洋カーボン社製)と密着させて正極とした。
このようにして作成した正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして微生物発電装置を組み立て、同様に正極と負極とを5Ωの抵抗を介して接続したときの電極間電圧と発生電流を測定し、結果を表1に示した。
[実施例4]
アストム社製カチオン交換膜(厚さ210μm)を1重量%硝酸銀水溶液中に一晩浸漬した後取り出して純水で洗浄した。その後、0.5重量%水素化ホウ素ナトリウム水溶液中に30分浸漬して還元した後、取り出し、純水で洗浄し、カチオン交換膜にAg触媒を1mg/cmの割合で担持させた。
このAg担持カチオン交換膜を、実施例1と同様にしてPTFEのキシレン溶液で疎水化した厚さ約30μmのカーボンペーパー(東洋カーボン社製)と密着させて正極とした。
このようにして作成した正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして微生物発電装置を組み立て、同様に正極と負極とを5Ωの抵抗を介して接続したときの電極間電圧と発生電流を測定し、結果を表1に示した。
[比較例1]
田中貴金属社製Pt触媒(Pt担持カーボンブラック,Pt含有量50重量%)を、5重量%ナフィオン(登録商標)溶液(デュポン社製)に分散させ、実施例1で用いたと同様のカーボンペーパー(東洋カーボン社製)に、Pt触媒付着量が0.5mg/cmとなるように塗布し、50℃で乾燥させ、正極とした。
このようにして作成した正極を用いたこと以外は、実施例1と同様にして微生物発電装置を組み立て、同様に正極と負極とを5Ωの抵抗を介して接続したときの電極間電圧と発生電流を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2010102953
表1より、本発明によれば、高価なPt触媒を用いることなく、正極触媒性能に優れ、しかも、容易に作成可能な微生物発電装置用正極により、発電効率に優れた微生物発電装置が安価に提供されることが分かる。
本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。
符号の説明
1,30 槽体
3,33 正極室
4,32 負極室
5,35 正極
5A,35A 酸素還元触媒担持イオン交換膜
5B,35B 通気性導電性基材
6,34 負極

Claims (9)

  1. 負極を有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持する負極室と、
    正極を有し、該負極室に対しイオン透過性非導電性膜を介して隔てられた正極室と、
    該正極室に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給手段と
    を備えた微生物発電装置において、
    該正極が、酸素還元触媒を担持させた前記イオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなることを特徴とする微生物発電装置。
  2. 請求項1において、前記酸素還元触媒が二酸化マンガンであることを特徴とする微生物発電装置。
  3. 請求項1又は2において、前記通気性導電性基材に電流取り出し導体が設けられていることを特徴とする微生物発電装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記通気性導電性基材が、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、ステンレスメッシュ、及びチタンメッシュよりなる群から選ばれることを特徴とする微生物発電装置。
  5. 負極を有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持する負極室と、正極を有し、該負極室に対しイオン透過性非導電性膜を介して隔てられた正極室とを備え、該正極室に酸素含有ガスを供給して発電を行う微生物発電装置に用いられる正極において、
    酸素還元触媒を担持させた前記イオン透過性非導電性膜としてのイオン交換膜と通気性導電性基材との積層体よりなることを特徴とする微生物発電装置用正極。
  6. 請求項5において、前記酸素還元触媒が二酸化マンガンであることを特徴とする微生物発電装置用正極。
  7. 請求項5又は6において、前記導電性基材が、グラファイトペーパー、グラファイトフェルト、グラファイトクロス、ステンレスメッシュ、及びチタンメッシュよりなる群から選ばれることを特徴とする微生物発電装置用正極。
  8. 請求項5ないし7のいずれか1項において、前記イオン交換膜はアニオン交換膜であり、前記酸素還元触媒は、該アニオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むアニオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、該アニオン交換膜上に該酸素還元触媒を析出させて担持されたものであることを特徴とする微生物発電装置用正極。
  9. 請求項5ないし8のいずれか1項において、前記イオン交換膜はカチオン交換膜であり、前記酸素還元触媒は、該カチオン交換膜に酸素還元触媒となる金属を含むカチオンを吸着させた後、還元剤により還元するか或いは酸化剤により酸化することにより、該カチオン交換膜上に該酸素還元触媒を析出させて担持されたものであることを特徴とする微生物発電装置用正極。
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