JP2004165142A - 生体触媒を使用した直接アルコール燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】1個のアノードチャンバと、1個または複数のカソードチャンバと、チャンバ間のイオン交換膜とを備えた生体触媒型直接アルコール燃料電池に関する。
【解決手段】アノードチャンバは、燃料を酸化するための生体触媒を含み、カソードチャンバは、酸素またはそれに相当する酸化剤を還元するための化学触媒、生体触媒、またはそれらの組み合わせを含む。
【選択図】図2
【解決手段】アノードチャンバは、燃料を酸化するための生体触媒を含み、カソードチャンバは、酸素またはそれに相当する酸化剤を還元するための化学触媒、生体触媒、またはそれらの組み合わせを含む。
【選択図】図2
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、小型サイズの燃料電池、特に、生体触媒を使用した(すなわち生体触媒型の)直接アルコール燃料電池(biocatalytic direct alcohol fuel cell)に関し、生体触媒ハイブリッド型の燃料電池と完全に生体触媒型の燃料電池の双方に関する。生体触媒ハイブリッド型燃料電池においては、アノードまたはカソードチャンバのどちらか一方が実質的に生体触媒型であり、他方が化学触媒型である。完全に生体触媒型の燃料電池では両チャンバは実質的に生体触媒型である。さらに、本発明は、特に、生体触媒型直接アルコール燃料電池、それらの使用、およびかかる電池を用いた発電方法に関する。本発明は、さらに、かかる燃料電池の状態をモニターすることに関する。
【背景技術】
【0002】
生体触媒型燃料電池は、化学エネルギーを直接電気に変換するデバイスである。この型の電池に適した燃料(つまりは基質)としては、様々な有機化合物(例えば糖とアルコール)が挙げられる。生きている微生物、細胞結合した酵素(cell−bound enzyme)、または単離された酵素を触媒として用いる場合、電池の駆動力は、基質の酸化還元反応に基づく。生体触媒型電池の動作原理は、化学燃料電池の動作原理に類似している。主な違いは、生物学的燃料電池での触媒が、白金等の貴金属ではなく1種または数種の酵素であり、動作条件が穏やかであるということである。溶液の温度およびpHは、生物学的範囲内、すなわち生物および酵素が作用する条件内である。
【0003】
現今、低電力のポータブル電子デバイス(例えば携帯電話、コンピュータ等)に適したエネルギー源に特別な注目が払われている。バッテリ(蓄電池)よりもさらに良好なエネルギー蓄積能力と、さらに環境にやさしい構造および材料の解明とが目的とされている。燃料として水素を使用することは安全上の理由から不可能なので、ロジスティックな(logistic)燃料を用いた直接作用の(すなわち改質装置がなくても動作する)燃料電池が関心の的となっている。化学的直接作用型燃料電池の欠点は、強力にするために激しい反応条件(例えば、高温、および強酸性溶液または強アルカリ性溶液)を必要とすることである。殆どの化学燃料電池において、使用される追加の触媒は白金または白金合金であるが、これらは高価で利用に限界がある。さらに、白金はかなり低い一酸化炭素濃度でも不活性化されるにもかかわらず、純水素以外の燃料を使用した場合には、一酸化炭素が容易に反応生成物として発生する。
【0004】
触媒として酵素を有する生物学的燃料電池は、当分野において既に公知である。例えば、米国特許第6,294,281号明細書は、エネルギー源としてヒトの体液または植物の液汁を用いる生物学的燃料電池を記載しており、したがってこの電池は、例えばヒトに埋め込まれたペースメーカに適している。この公報によると、種類が異なる酵素がアノードとカソードの両方に配置されている。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0001739号明細書は、電気的に再充電することが可能である酵素バッテリを開示する。この公報で開示された燃料電池は直接的にアルコール燃料電池でなく、電子を供与するための燃料として、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が使用される。酵素(例えば、デヒドロゲナーゼが適切なものとして記載されている)が、電子伝達体(つまりNADH)からメディエータへの電子移動を触媒する。従って、アノードチャンバでの主反応はNADHの酸化である。さらに、燃料電池で通常使用されるイオン交換膜の代わりに、この公報では、生物学的プロトンポンプ(biologic proton pump)を用いており、その際、該膜は、プロトン輸送タンパク質からなり、光ダイオードで活性化される。
【0006】
酵素型燃料電池に関する発表:生化学エネルギー変換(Biochemical Energy Conversion)(Ranta, A., Zhang X−C.およびHalme, A.、米国、フェニックスで2000年10月22〜27日に開催された米国電気化学会(ECS)国際シンポジウムの会議録(Proceedings of the International Symposium of ECS)「新ミレニアムのための電力源(Power Sources for the New Millenium)」、会報2000−22巻、Ryan M.A.ら編集、米国電気化学会(The Electrochemical Society Inc)、米国、ペニントン(Pennington)、2001年、p.108−117)は、酵素型燃料電池を開示しており、この電池のアノードチャンバにおける燃料は酵素酸化に付される。水素イオンは、イオン選択性膜を通ってカソードチャンバに移動し、大気中の酸素と反応して水を生成する。酵素はアノードの表面に固定化されている。電池の燃料としてメタノールを使用することが可能であり、アルコールデヒドロゲナーゼまたはメタノールデヒドロゲナーゼのどちらかを酵素として使用できる。酵素反応において放出される電子は、メディエータによってアノードへ伝達される。適切なメディエータとしては、フェナジンメトサルフェートおよびフェナジンエトサルフェートが記載されている。
【0007】
Halme, A.、Zhang, X−C.およびRanta, A.の生物学的燃料電池の研究発表(Publication Study of Biological Fuel Cells)(ニューオーリンズ(米国)で2000年4月26〜28日に開催された小型燃料電池2000(Small Fuel Cells 2000)でのポスター発表)は、メタノールの酵素酸化が、コエンザイムNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の存在下で起こることを除いて、上記発表に記載のものと同様の酵素型燃料電池を開示する。
【考案の開示】
【0008】
本発明の課題は、公知の電池構造に代わるものとして、ポータブル電子デバイスに適した、環境にやさしく効率のよいエネルギー源を提供することであり、それによって上記の問題を回避することが可能である。本発明は、ゆえに、1個のアノードチャンバと、1個または複数のカソードチャンバと、前記チャンバ間にあるイオン交換膜を備えた、生体触媒を使用した(すなわち生体触媒型の)直接アルコール燃料電池に関する。本発明の燃料電池は、アノードチャンバ内に燃料を酸化するための生体触媒を含み、カソードチャンバ内に酸素またはそれに相当する酸化剤を還元するための化学触媒、生体触媒、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明は、本発明のデバイス(燃料電池)を用いた発電方法にも関する。該方法は、生体触媒を用いることによってアノードチャンバ内の燃料を酸化し、生じた電子をメディエータによって集電電極(current collector electrode)に運び、放電電極(current donor electrode)から生じる電子と、化学触媒、生体触媒またはそれらの組み合わせとによって、カソードチャンバ内の酸素またはそれに相当する酸化剤を還元することを特徴とする。
【0010】
本発明はさらに、本発明の燃料電池の状態をモニターする方法に関する。該方法は、アノードチャンバの1個または複数の透明な壁を通して、アノードチャンバに含まれる液体の色変化を視覚的にモニターすることを特徴とする。上記の色変化はメディエータの酸化還元状態における変化によって生じるものであり、アノード反応が完遂し得ることに基づくものである。
【0011】
本発明は、発電のための、本発明の燃料電池の使用にも関する。
【0012】
本発明の燃料電池の構造により、燃料の酸化反応が最大限効率よく進み、それに関連してアノード電流が発生し、また酸化剤の還元反応が最大限効率よく進み、それに関連してカソード電流が発生する。個別の燃料改質は不要である。
【0013】
生体触媒型直接アルコール燃料電池は、適切な1種または複数種の酵素によって、アノード区画の燃料を直接、電子、プロトン、および他の反応生成物に酵素分解することに基づく。該電池の効率的な化学作用の根本は、酵素、メディエータ、および安定剤から構成される所謂三要素(triplet)であり、それらによって、アノード反応の電子伝達連鎖が長期間にわたり出力電流の発生において確実に機能する。メディエータは酵素を酸化する物質であり、酵素を酸化した後、メディエータ自体が、燃料の分解反応で放出された電子を集電電極に移動させてアノードで酸化する。安定剤は、メディエータが不活性になるのを防止し、それによって電子移動が高められる。
【0014】
生体触媒型燃料電池の利点の一つは、化学燃料電池において触媒として一般的に使用される白金または白金合金が不要であることである。ポータブル電子デバイスは明らかに一般になり続けているので、従来型バッテリの再利用によって生じる問題も回避される。なぜならば、燃料電池は耐久性に優れ、該電池に含有される材料は、環境への負担がさらに少ないからである。燃料電池は、バッテリのように有害廃棄物として分類される必要がない。さらに、生体触媒型燃料電池では、化学燃料電池における白金のようにその価値ゆえに使用後に回収して再利用する必要のある材料は使用されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態を、以下において、添付の図を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に関して、本発明の生体触媒型燃料電池は、通常、1個のアノードチャンバAと、1個のカソードチャンバBと、それらの間にある1個のイオン交換膜4とを備える。アノードチャンバは、燃料リザーバ1、集電電極2、および電子導電体(electron conductor)3を備える。燃料リザーバには、燃料だけでなく、緩衝剤と、本発明の一つ実施形態に基づいて、液体区画に遊離した生体触媒とが含まれる。カソードチャンバは、電解質を含有する区画5、触媒を含有する電子導電体6、放電電極7、および酸素選択性膜8を備える。
【0017】
図2は、本発明の好適な実施形態を示し、該燃料電池は、2つのカソードチャンバBと、その間にある1個のアノードチャンバAを備える。
【0018】
図3の燃料電池においては、生体触媒は、透析膜10によって区画11内に捕捉され、透析膜10は、集電電極2の表面に機械的に固定されている。参照記号9は、シールを示す。参照記号3aは、電子導電体の一形態を示し、この電子導電体(つまりグラファイトコーティング)にメディエータと安定剤の両方がブレンドされている。
【0019】
図4においては、三要素、つまり酵素、メディエータ、および安定剤は、集電電極の表面上に固定されている。参照記号3bはこの実施形態を示すものであり、電子導電体(つまりグラファイトコーティング)が、酵素、メディエータおよび安定剤を含有する。図5においては、前記三要素は、イオン交換膜4の表面に固定されている。
【0020】
図6においては、大気中から分離された酸素供給部(oxygen supply)12は、酸素選択性膜8を介してカソードチャンバと連通しており、カソードチャンバBに取り付けられている。
【0021】
本発明の燃料電池においては、アルコールまたはその水溶液が燃料として使用される。特に、低級アルコール(メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコール)、またはそれらの水溶液が挙げられる。メタノールはその電子密度が大きいので、特に有用である。
【0022】
本発明の燃料電池において、集電電極は、グラファイト膜、炭素繊維、またはニッケルもしくはステンレススチール製の金属ネットであり得る。
【0023】
本発明の燃料電池において、可能な生体触媒としては主に酵素が挙げられる。生体触媒がNADH補因子(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の非存在下で作用する酵素であることは、生体触媒の固有の特性である。アノードチャンバにおいては、酵素として特にアルコールデヒドロゲナーゼ、特定すると、PQQ(ピロロキノリンキノン)デヒドロゲナーゼを使用する。最も有用な酵素は、高活性を長期間維持し、高アルコール濃度(40〜45%)で活性が存続することを特徴とする。メタノールを燃料として用いる場合、使用する酵素はメタノールデヒドロゲナーゼであり、その産生菌株は、メチロバクテリウム・エクストーケンス(Methylobacterium extorquens)(NCIMB 9133)(以前のシュードモナス(Pseudomonas)AMI、メチロバクテリウム(Methylobacterium)AMIおよびプロトモナス・エクストーケンス(Protomonas extorquens))、またはアシドモナス・メタノリカ(Acidomonas methanolica)(DSM 5432)、すなわちアセトバクター・メタノリカス(Acetobacter methanolicus)である。カソードチャンバにおいては、「バイオ燃料電池のカソード区画での水への二酸素の電気酵素還元(Electroenzymatic reduction of dioxygen to water in the cathode compartment of a biofuel cell)」(Palmore、G.T.R.およびKim, H.−H., J. Electroanal. Chem. 464 (1999年)110−117)に開示されているように、例えばラッカーゼ (ポリフェノールオキシダーゼ)がメディエータと共に使用され得る。
【0024】
酵素調製物は、精製酵素もしくは公知の安定剤(ポリアルコール、高分子電解質、塩など、米国特許第6,133,229号明細書参照)で安定化された精製酵素のいずれか、または細胞結合した酵素である。酵素触媒は燃料溶液中に遊離して存在してもよいし、或いは、公知の方法で酵素触媒をグラファイトコーティングにブレンドしてもよいし、または担体に結合させてもよい。ここで該担体は、燃料電池の固定された任意の構造部分でも、或いは添加される担体物質でもよい。
【0025】
イオン交換膜は、低級アルコールおよびメディエータ透過性を有する任意の従来型のプロトン交換膜であって、そのプロトン伝導性が良好であるもの、例えば、カチオン交換膜No.55165(BDH Laboratory Supplies(UK)製)である。
【0026】
上述の通り、本発明の燃料電池において、電子の移動はメディエータを用いることで高められる。本発明に従って、N,N,N´,N´−テトラメチルフェニレンジアミン(TMPD)または同一の特性を有する物質が使用され、酸化還元対を構成し、所望の作用が達成される。メディエータは、反応で消費されないが、ある酸化状態から別の酸化状態に変わる。メディエータの中には(例えばTMPD)、水溶液中で不安定であり、容易にオリゴマー化するものがあり、メディエータは不活性化される。本発明において、不活性化は、金属酸化物または金属塩である安定剤を使用することによって回避される。安定剤としては、例えばTiO2、A1203、Fe203、およびK3Fe(CN)6が挙げられる。TiO2が最も効果的であると立証されている。メディエータおよび安定剤は、グラファイトコーティングにブレンドされた後に、集電電極またはイオン交換膜のどちらかの表面に固定される。
【0027】
酸素は、標準大気圧で、酸素透過性膜を通ってカソードチャンバ内に含まれる放電電極のすぐ近くに拡散される。カソードチャンバには、固体電解質か液体電解質のどちらかが含有される。酸素還元は、銀などの適切な触媒により、または導電性物質(グラファイトコーティング等)によって放電電極の表面上に固定された生体触媒により触媒される。生体触媒を用いる場合、コーティングにもメディエータおよび安定剤が含有される。大気中の酸素の代わりに過酸化水素などの別の酸化剤を用いることも可能であり、該酸化剤は、カソードチャンバに取り付けられた、独立した密閉容器に保存され、図6に示す通り、酸素透過性膜を介してカソードチャンバと連通している。一般的に公知のPEM燃料電池等のように乾燥カソードを用いてもよく、その場合、直接空気と接触するように、化学触媒、乾燥カソード、および放電電極を、イオン交換膜の表面に一緒に固定する。
【0028】
本発明の燃料電池の全ての反応と、アノード区画とカソード区画での異なる物質の酸化還元反応とを以下に示す。一例として、燃料はメタノールであり、還元された物質は空気中の酸素である。MDHは、メタノールデヒドロゲナーゼを表す。
【化学式1】
【0029】
燃料、純アルコールまたはアルコールと水の混合液は、燃料電池のアノード区画内で1種または数種の酵素を用いて酸化される。該反応において、生成される最終生成物は、前記アルコールに対応するアルデヒドであり、アルデヒドは、前記アルコールに対応する酸と、電子と水素イオンとに分解される。ギ酸ヒドロゲンリアーゼ(hydrogenlyase)等の適切な酵素を用いて、前記反応を二酸化炭素が生成するまで続けることが可能である。反応において生成された酸によって生じるpHの過度の低下は、緩衝作用によって防止される。電子は、メディエータによって集電電極に運ばれ、さらに、電子は電気負荷(electric load)によって集電電極からカソードに運ばれる(電池に負荷がかけられている場合)。還元型のメディエータは集電電極で酸化される。水素イオンはプロトン交換膜を通ってカソード区画に移動し、カソード区画にて水素イオンは酸化剤および放電電極から生じる電子と反応する。酸化剤が空気中の酸素である場合、反応生成物として水が生成される。
【0030】
本発明の生体触媒型燃料電池の状態は、アノードチャンバに含まれる反応液の色変化に基づいて、視覚的にモニターすることができる。本発明はこの態様にも関する。モニタリングは、種々の酸化段階でのメディエータTMPDの強烈な色変化を基準とする。酵素の活性が下がり始めた場合或いはアノード区画に完全に燃料がなくなった場合、青色の酸化型TMPDがアノード区画内に蓄積し始める。なぜなら、もはや酵素がその青色の酸化型TMPDを還元して無色の形態に戻す能力がなくなるからである。上記の方法で、燃料電池の状態を、アノードチャンバの1個または複数の透明な壁を通して視覚的に容易に観察することができる。電池の色が青に変わるのが観察された場合、単位電池を新鮮な酵素を含有する新しい電池に交換するか、或いは電池に燃料を加えることが可能である。
【実施例】
【0031】
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
【0032】
以下の全ての実施例において、特に明記しない限り、カソードチャンバ内の電極は酸素拡散電極(Gaskatel GmbH(ドイツ)製、面積6cm2 )であった。カソードチャンバ内の電解質は、0.18MのKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH6.0)であった。カソードチャンバの容積は1.5mLであり、アノードチャンバの容積は、7.2mLであった。使用したイオン交換膜は、BDH Laboratory Supplies(UK)製のカチオン交換膜(No.55165)であった。その面積は、6 cm2であった。
【0033】
実施例1〜5において、使用した酵素触媒はメタノールデヒドロゲナーゼであった。実施例1〜3および5において、その産生菌株はメチロバクテリウム・エクストーケンス(Methylobacterium extorquens)(NCIMB 9133) であり、実施例4においてはアシドモナス・メタノリカ(Acidomonas methanolica) (DSM 5432)であった。
【0034】
実施例 1
燃料溶液に遊離する酵素触媒
アノードチャンバの集電電極は、炭素繊維、グラファイト膜、またはニッケルネットであった。電極の面積は、6cm2であった。
【0035】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、2IUの酵素、5mMのTMPD、0.2mMのTiO2、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0036】
参考例2
集電電極の表面にアガロースで固定された酵素触媒
集電電極は、炭素繊維またはグラファイト膜であった。電極の面積は、6cm2であった。
【0037】
酵素を固定するために、アガロース10mLを含有する緩衝液を調製した。この緩衝液は、0.6Mのトリス−HCl緩衝液(pH9.4)、2g(20%w/v)のグラファイト粉末、5mMのTMPD、0.2〜0.3%のアガロースおよび4IUの酵素を含有していた。調製した溶液5mLを炭素繊維上に塗布し、残りの5mLをグラファイト膜に塗布した。
【0038】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、2IUの酵素、5mMのTMPD、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。しかし、TiO2を含有しなかった。
【0039】
実施例3
オイルベースのグラファイトコーティングにブレンドされた酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。グラファイト粉末0.5gとパラフィン油を混合して、酵素を含有するグラファイトコーティングを調製した。酵素2IU、TMPD15mg、およびTiO215mgを混合物に加えた。ニッケルネットにコーティングを塗布し、透析膜(12000〜14000ダルトン)を用いて、アノードチャンバの燃料−緩衝液から分離した。
【0040】
アノードチャンバは、 0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0041】
実施例4
溶液中に遊離した細胞結合した酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。
【0042】
産生細胞から使用する酵素を単離しなかった。TMPD、TiO2、NH4Cl、およびメタノールを含有するKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH 6.0)に、細胞結合した酵素(2IU)4mLを混ぜ合わせて、アノードチャンバの反応液を調製した。溶液の最終組成は、0.18MのKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH6.0)中、2IUの細胞結合した酵素、1%のメタノール、5mMのTMPD、0.2mMのTiO2、および0.45mMのNH4Clであった。
【0043】
実施例5
ゼラチンベースのグラファイトコーティングにブレンドされた酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。
【0044】
2IUの酵素、TMPD15mg、およびTiO2 0.15mgを含有する1%(w/w)のゼラチン溶液に、グラファイト粉末0.5gを混合することによって、酵素含有グラファイトコーティングを調製した。ニッケルネットにコーティングを塗布し、透析膜(12000〜14000ダルトン)を用いて、アノードチャンバの燃料−緩衝液から分離した。
【0045】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0046】
上の実施例に基づく燃料電池を用いて、100Ωで2時間負荷後、最大開路電圧(max. open)、電力(P)、電流(I)、および内部抵抗(Rin)を測定した。その結果を以下の表に示す。
【表1】
【0047】
1個のカソードチャンバと1個のアノードチャンバを有する燃料電池で、上の結果を測定した。結果から、実施例3および4の溶液で最も良好な結果が得られることがわかる。2つのカソードチャンバと1個のアノードチャンバを備える、本発明に係る燃料電池で、同様の結果を得ることが可能である。
【0048】
技術の進歩に伴って、本発明の基本的な考えを様々な方法で実施することが可能であることは、当業者には明らかである。従って、本発明およびその実施形態は、上記の実施例に限定されず、請求項の範囲内で変更しうる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の生体触媒型直接アルコール燃料電池の基本構造を示す図である。
【図2】燃料電池が2つのカソードチャンバを備えることを特徴とする本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図3】生体触媒が透析膜によって集電電極の表面に捕捉された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図4】酵素、メディエータおよび安定剤が、集電電極の表面に固定された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図5】酵素、メディエータおよび安定剤がイオン交換膜の表面に固定された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図6】密閉された酸素供給部がカソードチャンバに取り付けられた本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 燃料リザーバ、2 集電電極、3 電子導電体、4 イオン交換膜、5 区画、6 電子導電体、7 放電電極、8 酸素選択性膜、9 シール、10 透析膜、11 区画、12 酸素供給部、A アノードチャンバ、B カソードチャンバ
【0001】
本発明は、小型サイズの燃料電池、特に、生体触媒を使用した(すなわち生体触媒型の)直接アルコール燃料電池(biocatalytic direct alcohol fuel cell)に関し、生体触媒ハイブリッド型の燃料電池と完全に生体触媒型の燃料電池の双方に関する。生体触媒ハイブリッド型燃料電池においては、アノードまたはカソードチャンバのどちらか一方が実質的に生体触媒型であり、他方が化学触媒型である。完全に生体触媒型の燃料電池では両チャンバは実質的に生体触媒型である。さらに、本発明は、特に、生体触媒型直接アルコール燃料電池、それらの使用、およびかかる電池を用いた発電方法に関する。本発明は、さらに、かかる燃料電池の状態をモニターすることに関する。
【背景技術】
【0002】
生体触媒型燃料電池は、化学エネルギーを直接電気に変換するデバイスである。この型の電池に適した燃料(つまりは基質)としては、様々な有機化合物(例えば糖とアルコール)が挙げられる。生きている微生物、細胞結合した酵素(cell−bound enzyme)、または単離された酵素を触媒として用いる場合、電池の駆動力は、基質の酸化還元反応に基づく。生体触媒型電池の動作原理は、化学燃料電池の動作原理に類似している。主な違いは、生物学的燃料電池での触媒が、白金等の貴金属ではなく1種または数種の酵素であり、動作条件が穏やかであるということである。溶液の温度およびpHは、生物学的範囲内、すなわち生物および酵素が作用する条件内である。
【0003】
現今、低電力のポータブル電子デバイス(例えば携帯電話、コンピュータ等)に適したエネルギー源に特別な注目が払われている。バッテリ(蓄電池)よりもさらに良好なエネルギー蓄積能力と、さらに環境にやさしい構造および材料の解明とが目的とされている。燃料として水素を使用することは安全上の理由から不可能なので、ロジスティックな(logistic)燃料を用いた直接作用の(すなわち改質装置がなくても動作する)燃料電池が関心の的となっている。化学的直接作用型燃料電池の欠点は、強力にするために激しい反応条件(例えば、高温、および強酸性溶液または強アルカリ性溶液)を必要とすることである。殆どの化学燃料電池において、使用される追加の触媒は白金または白金合金であるが、これらは高価で利用に限界がある。さらに、白金はかなり低い一酸化炭素濃度でも不活性化されるにもかかわらず、純水素以外の燃料を使用した場合には、一酸化炭素が容易に反応生成物として発生する。
【0004】
触媒として酵素を有する生物学的燃料電池は、当分野において既に公知である。例えば、米国特許第6,294,281号明細書は、エネルギー源としてヒトの体液または植物の液汁を用いる生物学的燃料電池を記載しており、したがってこの電池は、例えばヒトに埋め込まれたペースメーカに適している。この公報によると、種類が異なる酵素がアノードとカソードの両方に配置されている。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0001739号明細書は、電気的に再充電することが可能である酵素バッテリを開示する。この公報で開示された燃料電池は直接的にアルコール燃料電池でなく、電子を供与するための燃料として、NADH(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)が使用される。酵素(例えば、デヒドロゲナーゼが適切なものとして記載されている)が、電子伝達体(つまりNADH)からメディエータへの電子移動を触媒する。従って、アノードチャンバでの主反応はNADHの酸化である。さらに、燃料電池で通常使用されるイオン交換膜の代わりに、この公報では、生物学的プロトンポンプ(biologic proton pump)を用いており、その際、該膜は、プロトン輸送タンパク質からなり、光ダイオードで活性化される。
【0006】
酵素型燃料電池に関する発表:生化学エネルギー変換(Biochemical Energy Conversion)(Ranta, A., Zhang X−C.およびHalme, A.、米国、フェニックスで2000年10月22〜27日に開催された米国電気化学会(ECS)国際シンポジウムの会議録(Proceedings of the International Symposium of ECS)「新ミレニアムのための電力源(Power Sources for the New Millenium)」、会報2000−22巻、Ryan M.A.ら編集、米国電気化学会(The Electrochemical Society Inc)、米国、ペニントン(Pennington)、2001年、p.108−117)は、酵素型燃料電池を開示しており、この電池のアノードチャンバにおける燃料は酵素酸化に付される。水素イオンは、イオン選択性膜を通ってカソードチャンバに移動し、大気中の酸素と反応して水を生成する。酵素はアノードの表面に固定化されている。電池の燃料としてメタノールを使用することが可能であり、アルコールデヒドロゲナーゼまたはメタノールデヒドロゲナーゼのどちらかを酵素として使用できる。酵素反応において放出される電子は、メディエータによってアノードへ伝達される。適切なメディエータとしては、フェナジンメトサルフェートおよびフェナジンエトサルフェートが記載されている。
【0007】
Halme, A.、Zhang, X−C.およびRanta, A.の生物学的燃料電池の研究発表(Publication Study of Biological Fuel Cells)(ニューオーリンズ(米国)で2000年4月26〜28日に開催された小型燃料電池2000(Small Fuel Cells 2000)でのポスター発表)は、メタノールの酵素酸化が、コエンザイムNAD+(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の存在下で起こることを除いて、上記発表に記載のものと同様の酵素型燃料電池を開示する。
【考案の開示】
【0008】
本発明の課題は、公知の電池構造に代わるものとして、ポータブル電子デバイスに適した、環境にやさしく効率のよいエネルギー源を提供することであり、それによって上記の問題を回避することが可能である。本発明は、ゆえに、1個のアノードチャンバと、1個または複数のカソードチャンバと、前記チャンバ間にあるイオン交換膜を備えた、生体触媒を使用した(すなわち生体触媒型の)直接アルコール燃料電池に関する。本発明の燃料電池は、アノードチャンバ内に燃料を酸化するための生体触媒を含み、カソードチャンバ内に酸素またはそれに相当する酸化剤を還元するための化学触媒、生体触媒、またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする。
【0009】
本発明は、本発明のデバイス(燃料電池)を用いた発電方法にも関する。該方法は、生体触媒を用いることによってアノードチャンバ内の燃料を酸化し、生じた電子をメディエータによって集電電極(current collector electrode)に運び、放電電極(current donor electrode)から生じる電子と、化学触媒、生体触媒またはそれらの組み合わせとによって、カソードチャンバ内の酸素またはそれに相当する酸化剤を還元することを特徴とする。
【0010】
本発明はさらに、本発明の燃料電池の状態をモニターする方法に関する。該方法は、アノードチャンバの1個または複数の透明な壁を通して、アノードチャンバに含まれる液体の色変化を視覚的にモニターすることを特徴とする。上記の色変化はメディエータの酸化還元状態における変化によって生じるものであり、アノード反応が完遂し得ることに基づくものである。
【0011】
本発明は、発電のための、本発明の燃料電池の使用にも関する。
【0012】
本発明の燃料電池の構造により、燃料の酸化反応が最大限効率よく進み、それに関連してアノード電流が発生し、また酸化剤の還元反応が最大限効率よく進み、それに関連してカソード電流が発生する。個別の燃料改質は不要である。
【0013】
生体触媒型直接アルコール燃料電池は、適切な1種または複数種の酵素によって、アノード区画の燃料を直接、電子、プロトン、および他の反応生成物に酵素分解することに基づく。該電池の効率的な化学作用の根本は、酵素、メディエータ、および安定剤から構成される所謂三要素(triplet)であり、それらによって、アノード反応の電子伝達連鎖が長期間にわたり出力電流の発生において確実に機能する。メディエータは酵素を酸化する物質であり、酵素を酸化した後、メディエータ自体が、燃料の分解反応で放出された電子を集電電極に移動させてアノードで酸化する。安定剤は、メディエータが不活性になるのを防止し、それによって電子移動が高められる。
【0014】
生体触媒型燃料電池の利点の一つは、化学燃料電池において触媒として一般的に使用される白金または白金合金が不要であることである。ポータブル電子デバイスは明らかに一般になり続けているので、従来型バッテリの再利用によって生じる問題も回避される。なぜならば、燃料電池は耐久性に優れ、該電池に含有される材料は、環境への負担がさらに少ないからである。燃料電池は、バッテリのように有害廃棄物として分類される必要がない。さらに、生体触媒型燃料電池では、化学燃料電池における白金のようにその価値ゆえに使用後に回収して再利用する必要のある材料は使用されない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の好適な実施形態を、以下において、添付の図を参照して詳細に説明する。
【0016】
図1に関して、本発明の生体触媒型燃料電池は、通常、1個のアノードチャンバAと、1個のカソードチャンバBと、それらの間にある1個のイオン交換膜4とを備える。アノードチャンバは、燃料リザーバ1、集電電極2、および電子導電体(electron conductor)3を備える。燃料リザーバには、燃料だけでなく、緩衝剤と、本発明の一つ実施形態に基づいて、液体区画に遊離した生体触媒とが含まれる。カソードチャンバは、電解質を含有する区画5、触媒を含有する電子導電体6、放電電極7、および酸素選択性膜8を備える。
【0017】
図2は、本発明の好適な実施形態を示し、該燃料電池は、2つのカソードチャンバBと、その間にある1個のアノードチャンバAを備える。
【0018】
図3の燃料電池においては、生体触媒は、透析膜10によって区画11内に捕捉され、透析膜10は、集電電極2の表面に機械的に固定されている。参照記号9は、シールを示す。参照記号3aは、電子導電体の一形態を示し、この電子導電体(つまりグラファイトコーティング)にメディエータと安定剤の両方がブレンドされている。
【0019】
図4においては、三要素、つまり酵素、メディエータ、および安定剤は、集電電極の表面上に固定されている。参照記号3bはこの実施形態を示すものであり、電子導電体(つまりグラファイトコーティング)が、酵素、メディエータおよび安定剤を含有する。図5においては、前記三要素は、イオン交換膜4の表面に固定されている。
【0020】
図6においては、大気中から分離された酸素供給部(oxygen supply)12は、酸素選択性膜8を介してカソードチャンバと連通しており、カソードチャンバBに取り付けられている。
【0021】
本発明の燃料電池においては、アルコールまたはその水溶液が燃料として使用される。特に、低級アルコール(メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコール)、またはそれらの水溶液が挙げられる。メタノールはその電子密度が大きいので、特に有用である。
【0022】
本発明の燃料電池において、集電電極は、グラファイト膜、炭素繊維、またはニッケルもしくはステンレススチール製の金属ネットであり得る。
【0023】
本発明の燃料電池において、可能な生体触媒としては主に酵素が挙げられる。生体触媒がNADH補因子(還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)の非存在下で作用する酵素であることは、生体触媒の固有の特性である。アノードチャンバにおいては、酵素として特にアルコールデヒドロゲナーゼ、特定すると、PQQ(ピロロキノリンキノン)デヒドロゲナーゼを使用する。最も有用な酵素は、高活性を長期間維持し、高アルコール濃度(40〜45%)で活性が存続することを特徴とする。メタノールを燃料として用いる場合、使用する酵素はメタノールデヒドロゲナーゼであり、その産生菌株は、メチロバクテリウム・エクストーケンス(Methylobacterium extorquens)(NCIMB 9133)(以前のシュードモナス(Pseudomonas)AMI、メチロバクテリウム(Methylobacterium)AMIおよびプロトモナス・エクストーケンス(Protomonas extorquens))、またはアシドモナス・メタノリカ(Acidomonas methanolica)(DSM 5432)、すなわちアセトバクター・メタノリカス(Acetobacter methanolicus)である。カソードチャンバにおいては、「バイオ燃料電池のカソード区画での水への二酸素の電気酵素還元(Electroenzymatic reduction of dioxygen to water in the cathode compartment of a biofuel cell)」(Palmore、G.T.R.およびKim, H.−H., J. Electroanal. Chem. 464 (1999年)110−117)に開示されているように、例えばラッカーゼ (ポリフェノールオキシダーゼ)がメディエータと共に使用され得る。
【0024】
酵素調製物は、精製酵素もしくは公知の安定剤(ポリアルコール、高分子電解質、塩など、米国特許第6,133,229号明細書参照)で安定化された精製酵素のいずれか、または細胞結合した酵素である。酵素触媒は燃料溶液中に遊離して存在してもよいし、或いは、公知の方法で酵素触媒をグラファイトコーティングにブレンドしてもよいし、または担体に結合させてもよい。ここで該担体は、燃料電池の固定された任意の構造部分でも、或いは添加される担体物質でもよい。
【0025】
イオン交換膜は、低級アルコールおよびメディエータ透過性を有する任意の従来型のプロトン交換膜であって、そのプロトン伝導性が良好であるもの、例えば、カチオン交換膜No.55165(BDH Laboratory Supplies(UK)製)である。
【0026】
上述の通り、本発明の燃料電池において、電子の移動はメディエータを用いることで高められる。本発明に従って、N,N,N´,N´−テトラメチルフェニレンジアミン(TMPD)または同一の特性を有する物質が使用され、酸化還元対を構成し、所望の作用が達成される。メディエータは、反応で消費されないが、ある酸化状態から別の酸化状態に変わる。メディエータの中には(例えばTMPD)、水溶液中で不安定であり、容易にオリゴマー化するものがあり、メディエータは不活性化される。本発明において、不活性化は、金属酸化物または金属塩である安定剤を使用することによって回避される。安定剤としては、例えばTiO2、A1203、Fe203、およびK3Fe(CN)6が挙げられる。TiO2が最も効果的であると立証されている。メディエータおよび安定剤は、グラファイトコーティングにブレンドされた後に、集電電極またはイオン交換膜のどちらかの表面に固定される。
【0027】
酸素は、標準大気圧で、酸素透過性膜を通ってカソードチャンバ内に含まれる放電電極のすぐ近くに拡散される。カソードチャンバには、固体電解質か液体電解質のどちらかが含有される。酸素還元は、銀などの適切な触媒により、または導電性物質(グラファイトコーティング等)によって放電電極の表面上に固定された生体触媒により触媒される。生体触媒を用いる場合、コーティングにもメディエータおよび安定剤が含有される。大気中の酸素の代わりに過酸化水素などの別の酸化剤を用いることも可能であり、該酸化剤は、カソードチャンバに取り付けられた、独立した密閉容器に保存され、図6に示す通り、酸素透過性膜を介してカソードチャンバと連通している。一般的に公知のPEM燃料電池等のように乾燥カソードを用いてもよく、その場合、直接空気と接触するように、化学触媒、乾燥カソード、および放電電極を、イオン交換膜の表面に一緒に固定する。
【0028】
本発明の燃料電池の全ての反応と、アノード区画とカソード区画での異なる物質の酸化還元反応とを以下に示す。一例として、燃料はメタノールであり、還元された物質は空気中の酸素である。MDHは、メタノールデヒドロゲナーゼを表す。
【化学式1】
【0029】
燃料、純アルコールまたはアルコールと水の混合液は、燃料電池のアノード区画内で1種または数種の酵素を用いて酸化される。該反応において、生成される最終生成物は、前記アルコールに対応するアルデヒドであり、アルデヒドは、前記アルコールに対応する酸と、電子と水素イオンとに分解される。ギ酸ヒドロゲンリアーゼ(hydrogenlyase)等の適切な酵素を用いて、前記反応を二酸化炭素が生成するまで続けることが可能である。反応において生成された酸によって生じるpHの過度の低下は、緩衝作用によって防止される。電子は、メディエータによって集電電極に運ばれ、さらに、電子は電気負荷(electric load)によって集電電極からカソードに運ばれる(電池に負荷がかけられている場合)。還元型のメディエータは集電電極で酸化される。水素イオンはプロトン交換膜を通ってカソード区画に移動し、カソード区画にて水素イオンは酸化剤および放電電極から生じる電子と反応する。酸化剤が空気中の酸素である場合、反応生成物として水が生成される。
【0030】
本発明の生体触媒型燃料電池の状態は、アノードチャンバに含まれる反応液の色変化に基づいて、視覚的にモニターすることができる。本発明はこの態様にも関する。モニタリングは、種々の酸化段階でのメディエータTMPDの強烈な色変化を基準とする。酵素の活性が下がり始めた場合或いはアノード区画に完全に燃料がなくなった場合、青色の酸化型TMPDがアノード区画内に蓄積し始める。なぜなら、もはや酵素がその青色の酸化型TMPDを還元して無色の形態に戻す能力がなくなるからである。上記の方法で、燃料電池の状態を、アノードチャンバの1個または複数の透明な壁を通して視覚的に容易に観察することができる。電池の色が青に変わるのが観察された場合、単位電池を新鮮な酵素を含有する新しい電池に交換するか、或いは電池に燃料を加えることが可能である。
【実施例】
【0031】
以下の実施例は、本発明を説明するものである。
【0032】
以下の全ての実施例において、特に明記しない限り、カソードチャンバ内の電極は酸素拡散電極(Gaskatel GmbH(ドイツ)製、面積6cm2 )であった。カソードチャンバ内の電解質は、0.18MのKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH6.0)であった。カソードチャンバの容積は1.5mLであり、アノードチャンバの容積は、7.2mLであった。使用したイオン交換膜は、BDH Laboratory Supplies(UK)製のカチオン交換膜(No.55165)であった。その面積は、6 cm2であった。
【0033】
実施例1〜5において、使用した酵素触媒はメタノールデヒドロゲナーゼであった。実施例1〜3および5において、その産生菌株はメチロバクテリウム・エクストーケンス(Methylobacterium extorquens)(NCIMB 9133) であり、実施例4においてはアシドモナス・メタノリカ(Acidomonas methanolica) (DSM 5432)であった。
【0034】
実施例 1
燃料溶液に遊離する酵素触媒
アノードチャンバの集電電極は、炭素繊維、グラファイト膜、またはニッケルネットであった。電極の面積は、6cm2であった。
【0035】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、2IUの酵素、5mMのTMPD、0.2mMのTiO2、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0036】
参考例2
集電電極の表面にアガロースで固定された酵素触媒
集電電極は、炭素繊維またはグラファイト膜であった。電極の面積は、6cm2であった。
【0037】
酵素を固定するために、アガロース10mLを含有する緩衝液を調製した。この緩衝液は、0.6Mのトリス−HCl緩衝液(pH9.4)、2g(20%w/v)のグラファイト粉末、5mMのTMPD、0.2〜0.3%のアガロースおよび4IUの酵素を含有していた。調製した溶液5mLを炭素繊維上に塗布し、残りの5mLをグラファイト膜に塗布した。
【0038】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、2IUの酵素、5mMのTMPD、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。しかし、TiO2を含有しなかった。
【0039】
実施例3
オイルベースのグラファイトコーティングにブレンドされた酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。グラファイト粉末0.5gとパラフィン油を混合して、酵素を含有するグラファイトコーティングを調製した。酵素2IU、TMPD15mg、およびTiO215mgを混合物に加えた。ニッケルネットにコーティングを塗布し、透析膜(12000〜14000ダルトン)を用いて、アノードチャンバの燃料−緩衝液から分離した。
【0040】
アノードチャンバは、 0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0041】
実施例4
溶液中に遊離した細胞結合した酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。
【0042】
産生細胞から使用する酵素を単離しなかった。TMPD、TiO2、NH4Cl、およびメタノールを含有するKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH 6.0)に、細胞結合した酵素(2IU)4mLを混ぜ合わせて、アノードチャンバの反応液を調製した。溶液の最終組成は、0.18MのKH2PO4−Na2HPO4緩衝液(pH6.0)中、2IUの細胞結合した酵素、1%のメタノール、5mMのTMPD、0.2mMのTiO2、および0.45mMのNH4Clであった。
【0043】
実施例5
ゼラチンベースのグラファイトコーティングにブレンドされた酵素触媒
集電電極はニッケルネットであり、その面積は6cm2であった。
【0044】
2IUの酵素、TMPD15mg、およびTiO2 0.15mgを含有する1%(w/w)のゼラチン溶液に、グラファイト粉末0.5gを混合することによって、酵素含有グラファイトコーティングを調製した。ニッケルネットにコーティングを塗布し、透析膜(12000〜14000ダルトン)を用いて、アノードチャンバの燃料−緩衝液から分離した。
【0045】
アノードチャンバは、0.18MのK2HPO4−NaOH緩衝液(pH10)、45mMのNH4Cl、および1%のメタノールを含有していた。
【0046】
上の実施例に基づく燃料電池を用いて、100Ωで2時間負荷後、最大開路電圧(max. open)、電力(P)、電流(I)、および内部抵抗(Rin)を測定した。その結果を以下の表に示す。
【表1】
【0047】
1個のカソードチャンバと1個のアノードチャンバを有する燃料電池で、上の結果を測定した。結果から、実施例3および4の溶液で最も良好な結果が得られることがわかる。2つのカソードチャンバと1個のアノードチャンバを備える、本発明に係る燃料電池で、同様の結果を得ることが可能である。
【0048】
技術の進歩に伴って、本発明の基本的な考えを様々な方法で実施することが可能であることは、当業者には明らかである。従って、本発明およびその実施形態は、上記の実施例に限定されず、請求項の範囲内で変更しうる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の生体触媒型直接アルコール燃料電池の基本構造を示す図である。
【図2】燃料電池が2つのカソードチャンバを備えることを特徴とする本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図3】生体触媒が透析膜によって集電電極の表面に捕捉された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図4】酵素、メディエータおよび安定剤が、集電電極の表面に固定された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図5】酵素、メディエータおよび安定剤がイオン交換膜の表面に固定された本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【図6】密閉された酸素供給部がカソードチャンバに取り付けられた本発明の燃料電池の一実施形態を示す図である。
【符号の説明】
【0050】
1 燃料リザーバ、2 集電電極、3 電子導電体、4 イオン交換膜、5 区画、6 電子導電体、7 放電電極、8 酸素選択性膜、9 シール、10 透析膜、11 区画、12 酸素供給部、A アノードチャンバ、B カソードチャンバ
Claims (18)
- 1個のアノードチャンバと、1個または複数のカソードチャンバと、前記チャンバ間にあるイオン交換膜とを備えた、生体触媒を使用した直接アルコール燃料電池であって、アノードチャンバが燃料を酸化するための生体触媒を含み、カソードチャンバが酸素またはそれに相当する酸化剤を還元するための化学触媒、生体触媒またはそれらの組み合わせを含むことを特徴とする燃料電池。
- 2個のカソードチャンバを備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
- アノードチャンバに含まれる生体触媒が、NADH補因子の非存在下で作用する酵素であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
- 酵素が、PQQタイプのアルコールデヒドロゲナーゼであることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
- アノードチャンバが、燃料、緩衝剤、集電電極、酵素、メディエータ、安定剤および電子導電体を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池。
- アルコール燃料が、低級アルコールまたはその水溶液、好ましくはメタノールであることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池。
- メディエータが、N,N,N´,N´−テトラメチルフェニレンジアミンまたはそれに相当する特性を有する化合物であることを特徴とする請求項5または6に記載の燃料電池。
- 安定剤が、金属酸化物または金属塩、好ましくはTiO2であることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 集電電極が、ニッケルもしくはスチールネットまたはグラファイト膜であることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 電子導電体が、微粒子グラファイト粉末と、パラフィン油またはゼラチンのような結合剤とを含有するグラファイトコーティングであることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 生体触媒が燃料溶液中に遊離しているかまたは生体触媒が透析膜によって集電電極の表面に機械的に捕捉されており、かつメディエータおよび安定剤がグラファイトコーティングによって集電電極の表面に付着されているか、または
生体触媒、メディエータおよび安定剤がグラファイトコーティングによって集電電極の表面に固定されているか、または
生体触媒、メディエータおよび安定剤がグラファイトコーティングによってイオン交換膜の表面に固定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の燃料電池。 - 生体触媒が透析膜によって集電電極の表面に機械的に捕捉されており、かつメディエータおよび安定剤がグラファイトコーティングによって集電電極の表面に固定されているか、または
生体触媒、メディエータおよび安定剤がグラファイトコーティングによって集電電極の表面に固定されていることを特徴とする請求項11に記載の燃料電池。 - カソードチャンバが化学湿式カソードを含み、銀のような化学触媒が、グラファイトコーティングまたは液体電解質のような導電性材料によって放電電極の表面に固定されており、酸素が大気中の空気から酸素透過性膜を通ってカソードチャンバ内に流入することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池。
- カソードチャンバが固体電解質および化学乾式カソードを含み、化学触媒、化学乾式カソードおよび放電電極が、空気と直接接触できるようにイオン交換膜に一緒に固定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の燃料電池。
- カソード反応に必要な酸素が大気中の酸素ではなく過酸化水素のような化学物質であり、前記化学物質が、カソードチャンバに取り付けられた独立した密閉リザーバに保存され、前記リザーバが酸素透過性膜を介してカソードチャンバと連通していることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の燃料電池。
- 生体触媒を用いることによってアノードチャンバ内の燃料を酸化し、
生じた電子をメディエータによって集電電極に運び、
放電電極から生じる電子と、化学触媒、生体触媒またはそれらの組み合わせとによって、カソードチャンバ内の酸素またはそれに相当する酸化剤を還元することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の燃料電池を用いた発電方法。 - アノードチャンバに含まれる液体の色変化を、アノードチャンバの1個または複数の透明な壁を通して視覚的にモニターすることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の燃料電池の状態をモニターする方法。
- 発電のための、請求項1〜15のいずれか1項に記載の燃料電池の使用。
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