JP2006179223A - 有機性物質を利用する発電方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【解決課題】 連続運転においても大きな電流密度を得ることができる有機性物質を利用する発電方法及び装置を提供する。
【解決手段】 電子メディエーターが固定化されているアノード1と有機性物質と嫌気性条件下で生育可能な微生物とを含む嫌気性域4、物質交換係数の大きな隔膜2、多孔質カソード3を含む好気性域5が三重の筒状体をなす。アノード1とカソード3とは導線6を介して閉回路を形成する。嫌気性域4内では有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応が進行し、好気性域5内では酸素を電子受容体とする還元反応が進行する。嫌気性域4には、アルカリ性物質供給機構7が設けられていて、嫌気性域4内の溶液のpH値の測定に基づいて必要量のアルカリ性物質を配管74を通して嫌気性域4に供給する。嫌気性域4には配管81及びポンプ80が接続されていて、アノード1と隔膜2との間に液流を発生させ、隔膜2を介しての物質交換を促進する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、嫌気性条件下における微生物による有機性物質の酸化反応を利用した発電方法及び発電装置に関する。
有機性物質から利用可能なエネルギーを取り出す方法としては、有機性物質の燃焼による熱エネルギーの採取、メタン発酵によるメタンの採取、その他嫌気性発酵などの微生物を利用した電気エネルギーの採取などの方法がある。しかし、有機性物質の燃焼による熱エネルギーの採取については、有機性物質は多くの場合含水率が高いので、脱水、乾燥のために多くのエネルギーを必要とする。メタン発酵は、含水率の高い有機性廃棄物質からエネルギーを取り出すことができる優れた方法であるが、得られたメタンは、ガスタービン、燃料電池、ボイラなどのエネルギー変換装置を介さなければ電気エネルギーや熱エネルギーとして利用できない。さらには、ガスタンク、ガス改質器などの周辺設備を必要とするために装置が複雑であって、一般家庭のような少量の廃棄物からエネルギーを採取するには適さないといった問題があった。
微生物を利用して電気エネルギーを直接取り出す方法は、他のエネルギー変換過程を介在させることなく、電気エネルギーを直接採取できるために、装置が大掛かりにならず、小規模廃棄物にも適応の可能性があるという点で有望な方法である。また、メタン発酵よりも高いエネルギー回収効率が得られる可能性があるという点でも有望な方法である。
これまで研究されてきた微生物を利用する発電方法としては、アノードとカソードとを閉回路として導通させることで、アノード周辺の電子供与体からの電子をカソード周辺の電子受容体(主に溶存酸素)に供与して電流を得る方法が報告されている。
しかし、従来の微生物を利用した発電方法及び装置においては、電子メディエーターの使用の有無にかかわらず、数日〜数ヶ月にわたる連続運転において、非常に小さな電流密度が得られるだけであった。還元型の電子メディエーター濃度を増加させた条件では、初期(数分以内)には大きな電流密度が得られるものの、それ以降連続して大きな電流密度を得ることが困難であった。この理由について、嫌気性微生物の代謝反応が溶存酸素によって阻害されることによるものと考えられ、嫌気性微生物を含む環境中への溶存酸素の導入を減少させるべく以下のような技術が開発されている。
特開2000-133327号公報(特許文献1)によれば、アノード周辺のみならずカソード周辺にも微生物を存在させ、「負極溶液では微生物が排水中の有機物を資化して高エネルギー物質を産生し、これより電子メディエーターを介して電子を負極に引き渡す一方で、正極では電子メディエーターを介してこの電子を微生物に供給し、微生物内でエネルギーとして消費させる」方法が紹介されている。
特開2000-133326号公報(特許文献2)によれば、「ナトリウムイオン導電体を正極溶液と負極溶液との隔壁に用いることにより閉回路形成のためのイオン伝達性を達成し、かつナトリウムイオン導電体の低ガス透過性により正極溶液の電子受容体に酸素を用いることを可能とする」方法が紹介されている。
米国特許4652501号明細書(特許文献3)によれば、微生物に電子メディエーターを加えて、微生物を飢餓状態に維持することによって効率よく電子を取り出す方法が提案されている。
特開2000-133327号公報 特開2000-133326号公報 米国特許第4652501号明細書
本発明は、連続運転においても大きな電流密度を得ることができる有機性物質を利用する発電方法及び装置を提供することを目的とする。
従来、嫌気槽内での反応律速因子としてはメディエーターの濃度が重要であると考えられていた。すなわち、メディエーターの濃度が濃いほど単位時間あたりに電極と反応するメディエーター分子の数が増加するので電流密度は増加すると考えられていた。しかし、実際には、電極とメディエーターとが接触してもpHが低い場合には殆どのメディエーターが反応せず、電流密度の大幅な増加はみられない。
本発明者らは鋭意研究の結果、有機性物質を利用する発電方法、特に有機性物質を電子供与体とする嫌気性微生物による酸化反応及び酸素を電子受容体とする還元反応を利用する発電方法において、全体の反応速度の律速因子がアノードでの酸化反応であることを知見し、本発明に至った。
微生物内での代謝反応は酵素反応であるため、ある程度の水素イオン濃度変化に対して緩衝能力がある。一方、アノードでの酸化反応は化学反応であり、水素イオン濃度の影響を受けやすい。すなわち、アノードでの酸化反応は、下記式(1)に示すように、電子メディエーター濃度、水素イオン濃度によって決定される。
Figure 2006179223
(式中、Mediator Redは還元型の酸化還元物質を示し、Mediator ox は酸化型の酸化還元物質を示し、e- は電子を示し、H+ は水素イオンを示す)
このときの平衡定数Kは、下記式(2)で表される。
Figure 2006179223
上記式(1)において放出される電子は、アノードから系外へ排出されるので、電子メディエーター以外では、水素イオン濃度がアノードでの反応に大きく寄与する因子となる。この原理によると、水素イオン濃度が高くなると、酸化型の酸化還元物質濃度は低く抑制されるため反応は容易に平衡に達してしまい、電流が流れなくなる。アノードにおいては、式(1)に示したように発電に伴って水素イオンが発生するため、アノード区画(嫌気性域)の水素イオン濃度は常に上昇する傾向にあり、式(1)の反応がすぐに平衡に達してしまう。
アノードでの嫌気性微生物による有機性物質の酸化反応及びカソードでの還元反応を利用する発電方法においては、嫌気性域内のアノード周辺にて水素イオンが発生し続け、好気性域内のカソード周辺にて電子、水素イオン及び酸素を用いて水が生成される。ところが、隔膜によってアノードとカソードとが隔離されているために、水素イオンはカソード周辺に移動しにくく、好気性域内では水素イオンが枯渇してしまう。
式(1)で表されるように、酸化型の電子メディエーターを還元する反応は水素イオン濃度が高いほど進みやすく、還元型の電子メディエーターを酸化する反応は水素イオン濃度が低いほど進みやすい。よって、嫌気性域内の水素イオン濃度を低く維持することで、嫌気性域内での酸化反応を効率よく且つ持続させて行うことができ、連続運転時にも大きな電流密度を得ることができるようになる。
このような発電方法において、嫌気性域内のアノードで発生した水素イオンが隔膜を介して隔てられた好気性域に効果的に移動するためには、両域間において水素イオン濃度差又は電位勾配が必要である。しかしながら、嫌気性微生物による有機性物質の酸化反応を利用するには嫌気性域側にアノードを設けるために、嫌気性域は負に荷電しており、正の電荷を持つ水素イオンがカソードを含む好気性域に移動するための電位勾配とは逆方向の勾配が形成される。そのため、水素イオンの移動は水素イオン自身の濃度に依存することになり、カソードを含む好気性域に水素イオンを移動させるためには、両域間の水素イオン濃度差を十分に大きくすることが必要である。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであって、嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制して、アノードでの還元型メディエーターの酸化反応速度の低下を防ぐことを特徴とする、微生物を利用して含水有機性物質を分解して電気エネルギーを得る方法及び装置である。
本発明によれば、隔膜によって画定される嫌気性域及び好気性域を具備し、該嫌気性域は嫌気性条件下で生育可能な微生物、有機性物質及び電子メディエーターを含有する溶液又は懸濁液とアノードとを含み、該好気性域は分子状酸素とカソードとを含み、該アノードと該カソードとは電気的に接続して閉回路を形成してなる発電装置において、該嫌気性域内での有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応と、該好気性域内での酸素を電子受容体とする還元反応と、を利用する微生物による発電方法であって、該嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制することを特徴とする発電方法が提供される。
本発明の発電方法において、アノードを含む嫌気性域での反応は、主に微生物の嫌気呼吸による有機性物質を電子供与体とする酸化反応である。有機性物質由来の電子は、微生物体内の電子伝達系及び電子メディエーターを介して、最終的にアノードに受け渡される。
本発明において用いることができる微生物としては、嫌気性条件において電子メディエーターを還元可能な微生物であることが好ましく、硫黄還元菌、三価鉄還元菌、脱塩素菌などを好ましく挙げることができる。例えばDesulfuromonas sp.、Desulfitobacteriumsp.、Geobivrio thiophilus sp.、Clostridium thiosulfatireducens sp.、Acidithiobacillus sp.、Thermoterrabacterium ferrireducens sp.、Geothrix sp.、Geobacter sp.、Geoglobus sp.、Shewanella putrefaciens sp.などを特に好ましく用いることができる。これらの微生物は有機性物質溶液(または懸濁液)中において主要な微生物ではないことが多いため、本発明の方法の開始時に、これらの微生物を嫌気性域に植菌し、アノード表面にこれらの微生物が主に付着している状態を形成することが好ましい。これらの微生物を優占的に嫌気性域内で増殖させるために、電極に電子を渡すことによる呼吸反応(電極呼吸)が酸発酵やメタン発酵よりもエネルギー的に有利である場の面積を大きくすべきであり、具体的には、嫌気性域内のアノード表面積をなるべく大きくすることが好ましい。立ち上げ運転時には嫌気性域内にこれらの微生物の増殖に適当な培地を供給することが望ましく、さらにアノードの電位を高く維持することにより、これらの微生物の増殖を促すことがより望ましい。これらの微生物(群)を前培養するかもしくは嫌気性域内で培養するために用いる培地として、スラリー状の硫黄、三価鉄などを電子受容体とする培地が各種報告されており、例えばHandbook of Microbial Media (Atlasら1997, CRC Press)に記載されているAncylobacter/Spirosoma培地、Desulfuromonas培地、Fe(III) Lactate Nutrient培地などを好ましく用いることができる。
さらにこれらの微生物のうち、硫黄還元菌はその最終電子受容体である硫黄の標準電極電位が-0.28Vと非常に低い物質であるため、三価鉄還元菌よりも低い電位を持つ電子メディエーターに電子伝達を行うことができ、エネルギー的にも有利である。このような硫黄還元活性を持つ菌としては、Desulfuromonas sp.、Desulfitobacterium sp.、Geobivrio thiophilus sp.、Clostridium thiosulfatireducens sp.、Acidithiobacillussp.などを好ましく挙げることができる。
本発明において用いることができる有機性物質は、分子状酸素を嫌気性域内に持ち込まないように、液体状または懸濁液、あるいは固形分の間隙が水で飽和している状態であることが望ましい。嫌気性域内での有機性物質の酸化反応は主に微生物による呼吸反応によって触媒されることから、嫌気性域内に投入される有機性物質は固形分の粒径が小さく、水中に良く溶解または分散可能で、低分子であることが望ましく、また、微生物にとって易分解性の物質であることが望ましい。使用する有機性物質の種類によりこれらの条件が満たされない場合には、物理的、化学的または生物学的な前処理を行って有機性物質の微生物分解性を高めることができる。そのような方法としては例えば、粉砕機による破砕、熱分解、超音波処理、水熱分解、オゾン処理、次亜塩素酸塩処理、過酸化水素処理、硫酸処理、微生物による加水分解、酸生成、低分子化処理が考えられる。これらの前処理に要するエネルギーは、前処理による主反応容器での発電エネルギーの向上とのバランスを考え、最適な前処理条件を選ぶことができる。本発明において用いることができる有機性物質としては、たとえば、廃水、廃液、屎尿、食品廃棄物、その他の有機性廃棄物又は汚泥、有機酸(酢酸、乳酸など)、糖類(グルコースなど)、蛋白質、セルロースなどを好ましく挙げることができる。
本発明において用いることができる電子メディエーターとしては、酸化体、還元体の形態をとることができる物質であることが好ましく、例えば、ジアゾ化合物、鉄イオン、マンガンイオン、ポルフィリン構造を持つ化合物、ナフトキノン骨格を持つ化合物、アントラキノン骨格を持つ化合物を好ましく挙げることができる。特に、pH7における標準電極電位(E0’)が-0.13Vから-0.28Vの範囲内にあり、酸化型、還元型いずれの状態においても環境中で安定であるような物質であって、利用する微生物の呼吸を阻害せず、且つ、微生物によって容易に還元されうるものを好ましく用いることができる。例えば、アントラキノン2-カルボン酸(AQC)、アントラキノン2-スルホン酸(AQS)、アントラキノン2,6-ジスルホン酸(AQ-2,6-DS)、アントラキノン2,7-ジスルホン酸(AQ-2,7-DS)、アントラキノン1,5-ジスルホン酸(AQ-1,5-DS)、ラパコール(LpQ)、メタニルイエロー、メチルオレンジ、フラビンモノヌクレオチド(FMN)及びこれらの誘導体からなる群より選ばれる物質を好ましく用いることができる。
本発明で用いることができるアノードとしては、グラファイト、金、白金およびTiO2やSnO2のような金属酸化物または金属酸化物で被覆した金属などを電極素材とするアノードを好ましく挙げることができる。微生物から電子メディエーターおよび電極への電子伝達反応を促進するため、なるべく広い面積を持ち、効率よく微生物と接触することができる形態及び寸法であることが望ましい。アノードの反応表面積を増加させて反応性を高めるためには、アノードを構成する電極素材を粉末状とし、樹脂バインダで結着させて、電極を多孔質とすることが好ましい。しかしながら、有機性物質を長期間にわたって連続的に処理する装置の場合、有機性物質中及びアノード表面において嫌気性微生物が連続的に増殖することから、あまりにも細密な3次元網目構造状、細いチューブ状または隙間の狭い積層板状の構造のアノード電極を用いると微生物菌体による流路の閉塞、片流れ、デッドゾーンの形成等により有機性物質の分解及び発電効率が低下することが考えられる。このため、アノードの形態は金網状、多孔質または表面に凹凸または襞がある一次構造であって、3次元網目状、チューブ状または積層板状の空間(有機性物質溶液または懸濁液が流入してくる流路)を持つ2次構造を形成しており、かつ上記流路は処理対象となる有機性物質の流動性に応じて数mmから数cmの開度を持つことが望ましい。また、使用用途に応じて、経時的に上記流路を水洗または空洗して余剰の微生物菌体及び菌体外分泌物を除去することが望ましい。この時、空洗に使用する気体に酸素が含まれると嫌気性域内の嫌気性微生物に悪影響を及ぼす可能性があるため、不活性ガスまたは反応容器中で発生した嫌気性のガスを利用することが望ましい。
本発明において、電子メディエーターをアノード表面に固定化することもできる。電子メディエーターをアノードに固定するには、電子メディエーターの酸化還元を阻害したり、電子メディエーターの標準電極電位を大きく変動させてしまうことがないような固定化方法を用いることが好ましい。また、電子メディエーターと電極素材とは導電性を有するような形態で結合されていることが好ましい。さらに、電子メディエーターと電極素材との結合は、水環境中で安定で、容易に分解されない形態であることが望ましい。例えば、電極素材としてグラファイトを使用し、電子メディエーターとしてAQC(アントラキノン−2−カルボン酸)を使用する場合には、AQCが有するカルボキシル基を利用した結合方法を好ましく選択することができる。具体的には、グラファイトを硝酸酸化又は高温空気酸化によって開裂させて末端をカルボン酸とし、これに塩化チオニルなどを反応させて酸クロリドを生成させる。次いで、得られた酸クロリドにアンモニアを反応させて、カルボン酸アミドを生成させる。さらに、得られたカルボン酸アミドをホフマン転移反応によりアミノ基に転移させる。このように処理したグラファイトに、ジシクロヘキシルカルボジイミド共存下で、AQCを反応させると、AQCのカルボキシル基とグラファイトのアミノ基とのアミド結合が形成され、AQCをグラファイトに安定に固定化することができる。
本発明の発電方法において、カソードを含む好気性域での反応は、酸素を電子受容体とする還元反応である。
本発明において用いることができるカソードとしては、カソードの少なくとも一部を、構造体内に空隙を有する導電性の多孔質材料、網状又は繊維材料で構成したカソード(図1参照)を好ましく挙げることができる。このような構造とすることにより、空隙中に水/空気の接触界面、すなわち空気(酸素)と水とを隣接させる場を構築し、空気中の酸素および水面の水に接触する効率を高めて、空気中の酸素の還元反応(電極反応)を促進することができる。例えば、微細孔を有する導電性の多孔質材料に樹脂バインダで導電性粒子(カーボン、不活性金属、金属酸化物など)を結着したものをカソード(空気極)として用いることで、毛細管現象及び表面の親水化等により水を効果的に吸い上げて、微細孔内部に水/空気の接触界面を形成させて、空気中の酸素と水とを効率良く接触させて酸素の還元反応を促進することができる。
さらに、カソードに白金族元素、銀、遷移金属元素から選ばれる少なくとも一種類を含有する合金あるいは化合物からなる触媒を担持することが好ましく、空気中の酸素の還元反応(電極反応)を促進することができる。白金族元素とは白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)またはイリジウム(Ir)を指し、いずれも電極触媒として有効である。また、ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、チタン酸化物をドープした銀粉末を担持したもの、ファーネスブラック又はコロイド状グラファイトに銀を担持したもの、鉄(Fe)、コバルト(Co)、フタロシアニン、ヘミン、ペロブスカイト、MnN、金属ポルフィリン、MnO、バナジン酸塩、またはY−ZrO複合酸化物を用いたものについても電極触媒として好ましく用いることができる。
本発明において、好気性域において電子受容体として機能する酸素は、分子状酸素として又は酸素を含む空気として供給することができる。また、好気性域においては、カソード過電圧を低く抑えるために、酵素、たとえばオキシダーゼ類や、酸化還元物質、たとえばフェリシアン化カリウムなどを添加してもよい。
本発明において、カソードとアノードとは、電子交換を行って閉回路を形成する必要がある。その一方、有機性物質の還元能を無駄なく電気エネルギーとして取り出すためには、有機性物質が酸化剤(被還元物質)と接触して還元能を消費させないよう、有機性物質と空気中の酸素が接触しないように両者を隔離する必要がある。これらの条件を同時に満たすため、カソードを含む好気性域とアノードを含む嫌気性域とを隔膜、例えば固体高分子電解質膜で隔てることが望ましいが、少なくとも酸素の透過を制限する導電性を妨げない膜であれば隔膜として使用できる。このような構造をとることにより、カソードは空気中の酸素と容易に接触することができ、また隔膜中に存在する水を介して水素イオンの受給または水酸化物イオンの排出を行うことができる。また、隔膜はできるだけ好気性域からの酸素を透過しないものがよく、嫌気性域に酸素が浸透して有機性物質の還元能を低下させることを防ぐことが望ましい。
本発明において用いることができる隔膜としては、スルホン酸基を有するフッ素樹脂系イオン交換膜を好ましく挙げることができる。スルホン酸基は親水性があり、高い陽イオン交換能を持つ。また、より安価な電解質膜として主鎖部のみをフッ素化したフッ素樹脂系イオン交換膜や、芳香族炭化水素系膜も利用できる。このようなイオン交換膜としては、例えばIONICS製NEPTON CR61AZL-389、トクヤマ製NEOSEPTA CM-1または同CMB、旭硝子製Selemion CSVなどの市販製品を好ましく用いることができる。また水酸化物イオン用の交換膜としては、第4級アンモニウム基を有する水酸化物イオン(陰イオン)交換膜が好ましく用いられる。このようなイオン交換膜としては、例えばIONICS製NEPTON AR103PZL、トクヤマ製NEOSEPTA AHA、旭硝子製Selemion ASVなどの市販製品を好ましく用いることができる。
カソードでの酸素の還元には水素イオン及び水そのものの供給が必要であるが、アノードで発生した水素イオンをカソードへ供給して電気的なチャージバランスをとる場合は上述した陽イオン交換膜を用い、カソードで発生した水酸化物イオンをアノードへ供給して電気的なチャージバランスをとる場合は陰イオン交換膜を用いることが好ましい。
水素イオンまたは水酸化物イオンの移動効率を高めるためにはアノード、カソードと隔膜との間の距離はなるべく短いほうが良く、装置構造上可能であれば両者は接合していることが望ましい。特に、隔膜(電解質膜)の一部がカソード電極の多孔質構造内部に網目状に侵入して結合している場合、多孔質構造に含まれる空気と電解質膜に含まれる水とで形成される水/空気界面の面積が飛躍的に増大するので、空気中の酸素を還元する反応効率が増大して発電性能を高めることができる。
本発明は、嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制することによって、アノードでの還元型メディエーターの酸化反応速度の低下を防ぎ、連続運転においても大きな電流密度を得ることができる発電方法である。
本発明において、嫌気性域内の水素イオン濃度は、1.0×10-10.5mol/L〜1.0×10-6.5mol/L(pH値:10.5〜6.5)に維持されることが好ましい。嫌気性域内の水素イオン濃度は、より好ましくは、1.0×10-10.5mol/L〜1.0×10-9.0mol/L(pH値:10.5〜6.5)に維持され、最も好ましくは1.0×10-9.0mol/L〜1.0×10-6.5mol/L(pH値:9.0〜7.5)に維持される。水素イオン濃度を上記範囲内に維持するように水素イオン濃度の上昇を抑制することによって、アノードでの酸化反応速度が低下することを阻止することができる。また、微生物が有する酵素は中性付近が至適pHとなることが多く、アルカリ性が強すぎると微生物の還元反応が阻害されるおそれがある。
本発明において、嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制し、好ましくは上記範囲内に維持するために、アルカリ性物質を嫌気性域に供給することが好ましい。
本発明において用いることができるアルカリ性物質としては、水溶液がアルカリ性を示す物質であればよいが、例えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、及びそれらの水酸化物、強塩基−弱酸からなる塩類、アンモニア等を好ましく挙げることができる。また、水溶液の水素イオン濃度(pH)としては中性〜弱アルカリ性を示すが、水溶液が緩衝作用を有するアルカリ度が強い物質も用いることができる。例としては、ホウ酸塩、リン酸塩、炭酸塩などを好ましく挙げることができる。また、アルカリ性物質として用いる際には、上記に示した物質を2種類以上同時に添加してもよい。
アルカリ性物質の形態は、嫌気性域内において水溶液として水酸化イオンを放出するものであればよく、嫌気性域に供給する際には水溶液でも、粉体などの固体でもよい。
嫌気性域に供給するアルカリ性物質は、系外から新鮮なアルカリ性物質を供給してもよいが、好気性域で生成するアルカリ性物質を利用することがより好ましい。好気性域では、図1に示すように、イオン交換膜を介して供給される水素イオンと、アノードから供給される電子と、酸素とが反応して水が生成する。水が一定量を超えて存在するとイオン交換膜を介して供給される水素イオンは電極反応速度に比較すると非常に遅いので、カソードでは水素イオン濃度が不足しがちである。水素イオン濃度が十分ではない場合に、酸素とカソード表面の水が消費され水酸化物イオンが発生する。この水酸化物イオンを含む好気性域から発生した余剰水を回収して嫌気性域に供給することができる。好気性域から水酸化物イオンを含む余剰水を回収することは、カソードへの酸素含有ガスの供給を阻害する原因となるガス拡散膜のつまりを解消する点でも好都合である。水酸化物イオン含有余剰水を効率よく発生させて回収するために、湿気を含んだ分子状酸素又は酸素を含む空気をカソードに供給して、カソード表面での水素イオンと電子と酸素との反応による水の発生が、カソードでの水素イオン不足による水の電気分解による消費を上回らないようにすることが好ましい。好気性域からのアルカリ性溶液の回収方法としては、重力によって自然に流下させ回収する方法、カソード表面に溝を刻印して集水を促進する方法、外部より水を流下、滴下または噴霧してアルカリ性溶液を洗い落とす方法などを好ましく用いることができる。
アルカリ性物質の供給の態様としては、水素イオン濃度が上昇した際に嫌気性域中の溶液又は懸濁液の1/10〜1/3量をアルカリ性物質を含む溶液又は懸濁液と交換する態様や、アルカリ性物質を嫌気性域へ連続的に注入しながら嫌気性域内の溶液又は懸濁液の一部をオーバーフローさせて排出して交換する態様などを好ましく用いることができる。アルカリ性物質を添加すると嫌気性域内の塩類濃度が0.5 mol/L以上の高濃度となり、細胞内の浸透圧を一定に保つためにエネルギーを使う必要が生じ、その結果増殖が阻害されるので、嫌気性域内の溶液又は懸濁液を連続的又は定期的に更新することによって塩類の集積を防ぐことがより好ましい。
また、本発明において、嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制する態様として、隔膜を介して嫌気性域から好気性域への水素イオンの移動を促進する態様も好ましく用いることができる。隔膜を介しての水素イオンの移動は、物質交換係数が大きな隔膜を用いたり、隔膜面積を増加させることによって促進され得る。物質交換係数が大きな隔膜としては、Dupont社製のNafion、アストム社製ネオセプタなどを好ましく用いることができる。
さらに、本発明において、嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制する態様として、隔膜を中心として嫌気性域から好気性域にわたる水素イオン濃度勾配を増加させることによって隔膜を介しての嫌気性域から好気性域への水素イオンの移動を促進する態様も好ましく用いることができる。一般に、膜を介しての物質移動は濃度差が大きいほど促進される。しかし、物質移動が盛んになると隔膜の近傍(約0.05mm)では、物質の拡散律速により物質移動が阻害されるようになってしまう。そこで、隔膜近傍に液流を与えて、嫌気性域内では水素イオン濃度が低下した溶液又は懸濁液層を隔膜近傍から除去して、好気性域内では水素イオン濃度が上昇した溶液層を隔膜近傍から除去して、隔膜を中心として嫌気性域内での高濃度から好気性域内での低濃度に至る濃度勾配を増加させることが好ましい。隔膜近傍に液流を生じさせる態様としては、プロペラや撹拌子による機械的撹拌、ポンプを利用する吸引や送液などの態様を好ましく用いることができる。液流は、隔膜近傍に生じさせればよく、嫌気性域内のみ、あるいは好気性域内のみでもよいが、嫌気性域内及び好気性域内の双方において生じさせることがより好ましい。
本発明は、上述の発電方法を行う発電装置にも関する。本発明の発電装置は、嫌気性条件下で生育可能な微生物及び有機性物質を含有する溶液又は懸濁液とアノードとを含む嫌気性域と、カソードと分子状酸素とを含む好気性域と、該嫌気性域及び該好気性域を画定し、該嫌気性域と該好気性域との間での物質交換を可能とする隔膜と、該アノードと該カソードとを電気的に接続して形成された閉回路と、を具備し、該嫌気性域内での有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応と、該好気性域内での酸素を電子受容体とする還元反応と、を利用する微生物による発電装置であって、該嫌気性域にはさらに水素イオン濃度制御手段を備えることを特徴とする。
好ましい実施形態の説明
以下、添付図面を参照しながら、本発明による発電装置をより具体的に説明する。以下の記載は、本発明の技術思想を具現化する幾つかの具体的形態を説明するもので、本発明はこの記載に限定されるものではない。
図2は本発明の一態様に係る発電ユニットの具体例である。例えば、図2に示す本発明の発電装置の一具体例は、電子メディエーターが固定化されているアノード1を含む嫌気性域4、隔膜(電解質膜)2、および多孔質カソード3を含む好気性域5が三重の筒状体をなすことによって構成される。筒状体の最内隔空間形態である嫌気性域4に嫌気性条件下で生育可能な微生物及び有機性物質(「基質」ともいう)を含む溶液又は懸濁液を流し、筒状体の最外隔空間形態である好気性域5には分子状酸素を含む水を存在させる。好気性域5には、分子状酸素を供給する手段(図示せず)が設けられている。好気性域5内に配置されている多孔質カソードは、カソードの少なくとも一部が、構造体内に空隙を有する導電性の多孔質材料、網状又は繊維状材料によって形成されている。嫌気性域4と好気性域5とを隔離する隔膜2は、物質交換係数が大きな隔膜、たとえばDupont社製のNafion、アストム社製ネオセプタなどで構成されている。
嫌気性域4内では、有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応が進行し、好気性域5内では、酸素を電子受容体とする還元反応が進行する。こうして、アノード1とカソード3の間に電位差が生じる。この状態でアノード1とカソード3とを導線6によって電気的に接続することにより電位差電流が流れ、一方、電解質膜2を介して嫌気性域4と好気性域5の間でイオンが交換されることにより、閉回路が形成される。反応が進行するにつれて、嫌気性域4には水素イオンが発生し、好気性域5には水酸化物イオンが発生して好気性域5内の水はアルカリ性溶液となる。
さらに、嫌気性域4には、アルカリ性物質を供給するアルカリ性物質供給機構7が設けられている。アルカリ性物質供給機構7は、アルカリ性物質貯蔵槽72と、アルカリ性物質貯蔵槽72から嫌気性域4にアルカリ性物質を供給する配管74と、配管74に設けられた計量ポンプ76と、計量ポンプ76の作動を制御するpHコントローラ78と、pHコントローラ78に接続されているpH電極79と、を含む。pH電極79は嫌気性域4内の溶液又は懸濁液に浸漬されていて、嫌気性域4内の溶液又は懸濁液のpHを測定する。測定された嫌気性域4内の溶液又は懸濁液のpHによって、pHコントローラ78は計量ポンプ76を作動させ、必要量のアルカリ性物質をアルカリ性物質貯蔵槽72から配管74を通して嫌気性域4に供給する。
アルカリ性物質貯蔵槽72には、好気性域5からのアルカリ性溶液を嫌気性域4に導入するためのアルカリ性溶液回収ライン71が接続されている。アルカリ性溶液回収ライン71には、好気性域5からアルカリ性溶液をアルカリ性物質貯蔵槽72に送液するためのポンプ70が設けられている。
また、嫌気性域4には、アルカリ性溶液供給機構7により供給されたアルカリ性溶液により上昇した液面分の溶液又は懸濁液を排出するオーバーフロー機構(図示せず)が設けられており、嫌気性域4内の溶液又は懸濁液を絶えず更新するようになされている。
さらに、嫌気性域4には、嫌気性域4から好気性域5への隔膜2を介しての物質交換を促進する物質交換手段8が設けられている。図示した実施形態においては、物質交換手段8は、アノード1よりも内周側の溶液又は懸濁液を回収する回収口と、回収した溶液又は懸濁液をアノード1と隔膜2との間に噴出させる噴出口と、回収口から噴出口まで溶液又は懸濁液を送液する送液ライン81と、送液ライン81に設けられているポンプ80と、を含む隔膜2近傍で溶液又は懸濁液に液流を与える液流発生手段8である。あるいは、物質交換手段8として、アノード1と隔膜2との間にプロペラや撹拌子などの機械的撹拌手段(図示せず)を設置してもよい。
発電ユニットを構成する筒状体の内径は、基質の流動性に応じ、数mmから数cm、場合によっては数十cmに設定することができる。図1に示すような発電ユニットは、適当な材料の支持層またはケーシングで保持することによりその物理的強度を増すことができる。
図示した実施形態においては、アノード、隔膜及びカソードを円筒形とする3層構造を採用し、隔膜を介してアノードとカソードとを配置している。このような構成とすることによって、アノード及びカソードの表面積を大きくし、アノードが基質と効率良く接触して基質の動かないデッドゾーンをできるだけ小さくし、アノードとカソードとの間でイオン交換が効率良く行われると同時にアノードとカソードは電気的に絶縁されるので、有機性物質(基質)の電子が効率良くアノードに受け渡される。また、多孔質カソードの空隙中に空気と水との接触界面を存在させた状態で空気と接触させることにより、空気中の酸素および水面の水に接触する効率を高めることができ、電極上での酸素の還元反応を効率良く進行させることができる。
図2においては、アノード1と隔膜2とカソード3とが互いに接触していない状態が示されているが、隔膜2をアノード1及びカソード3に含浸させ隔膜と一体化することもできる。この形態においては、内部抵抗を非常に低く抑えることができるので有利である。
図2に示すような三層筒状体の本発明に係る発電装置においては、用途に応じてアノードを含む嫌気性域を外側に、カソードを含む好気性域を内側に配置し、好気性域に空気を流通させる手段を配して該装置を基質液中に設置することで、発電運転を行うこともできる。また、この場合、筒状体を例えばU字型に形成し、両端を基質液の液面から出して、筒内部の空間に空気が流通できるようにしてもよい。このように好気性域を内筒とする構成の場合には、好気性域の内筒の内径を数mm程度またはそれ以下に小さくしても閉塞の生じる心配がない点が有利である。更に、三層筒状体において、内側の筒状体を多孔質カソードを含む好気性域、外側の筒状体をアノードを含む嫌気性域とすると、カソードに比較して外側のアノードの表面積を大きくすることができるので有利である。さらにアノードの表面積を広くするため、アノードの表面に凹凸や襞をもたせることも可能である。一方、カソード側の内径は、反応効率も関係するが、空気が容易に流通するだけの径があれば良く、閉塞の危険性がほとんどないため、内径を数mm程度またはそれ以下まで小さくすることが可能である。また、図2に示すような筒状形態の発電ユニットを複数個並べて発電装置を構成することもできる。さらに、嫌気性域4に供給するアルカリ性物質を系外から供給することもでき、この場合には好気性域5からのアルカリ性溶液回収機構は不要となる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳述するが、これらは本発明を何ら限定するものではない。
(アルカリ性物質として2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を外部より添加)
本実施例は、嫌気性域にアルカリ性物質を供給することによって、嫌気性域内の水素イオン濃度(pH値)の上昇を抑制する態様を説明する。
実験は、図3に示すような嫌気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.3L)と、好気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.0L)とを、ゴムパッキンで挟んだ陽イオン交換膜(DuPont Nafion NX-424)を介して連結して作製した実験用発電ユニットを用いて行った。
嫌気性域内部には、有機性物質として酢酸ナトリウム及び乳酸ナトリウムを含む培地(培地組成は下記表1参照)1L、撹拌装置、電子メディエーターとしてEDTA-Fe(III)、ポーラスカーボン製のアノード(面積1000cm2、容積0.3L東海カーボン(株)ポーラスカーボンG-50)、pH電極、ORP電極、参照電極、アルカリ性液添加配管、オーバーフロー管をセットした。pH電極は容器外部のpHコントローラ(Tokyo rika kikai CO.LTD..EYELA FC-10)に接続し、嫌気性域内のpHが6.5以下(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)に下がった場合に2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液がアルカリ性液添加配管を通じて嫌気性域へ毎秒1mLの流量で供給されるように設定した。このとき空気の混入を防止するため、ガストラップをアルカリ性液添加配管の途中に設けた。
好気性域には、グラファイト製のカソード(有効面積1000cm2、多孔質、体積0.3L、(東海カーボン(株);グラファイトに白金めっきを施したもの)及び撹拌装置を設置し、0.1 mol/Lの塩化カリウム溶液700mLを注入した。
アノード、カソード、及び参照電極は定電位装置に接続し、アノードの電位が440mV(SHE)になるように設定した。嫌気性域内を嫌気状態にするために容器下部から窒素ガス(純度99.5%)を1L/minの速度で30分間導入して、嫌気性域内部の溶液を曝気させた。その後、嫌気バイアル瓶で培地1を用いて培養したGeobacter metallireducens( ATCC)を20mLを嫌気性域内に植種した。
対照実験系として、実験系からpHコントローラとアルカリ性液添加装置を除外した系を用意し、同時に運転した。
図4に示すように、装置運転開始直後はどちらの系もほとんど電流密度が計測されなかったが、開始後約72時間(3日)で電流密度が100mA/m2以上になり、144時間(6日)後ではおよそ1400mA/m2まで急激に増加し、そのときの嫌気性域のpHは6.7(水素イオン濃度:1.0×10-6.7mol/L)であった。その後、電流密度は1200〜1500mA/m2でおよそ60時間(2.5日)持続し、pHは6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)になった。
本発明のpHを制御した実験系では、装置運転開始後約200時間(8日)から2mol/L水酸化ナトリウム水溶液が嫌気性域に供給され、pHが6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)に維持され、嫌気性域内のCODが枯渇すると考えられる300時間(12.5日)後まで1200〜1500mA/m2の電流密度が維持された。一方、pHを制御しなかった対照実験系では、pHが6.5以下になった200時間(8日)後から徐々に電流密度が減少しはじめ、240時間(10日)後で電流密度が50mA/m2となった。その際のpHは5.1(水素イオン濃度:1.0×10-5.1mol/L)であった。
以上の結果より、pHを6.5以上(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L以上)に制御することによって長時間にわたって大きな電流密度が得られることが確められた。
(隔膜近傍の濃度勾配を除去)
本実施例は、隔膜近傍でのイオン濃度の勾配を利用して物質交換を促進する態様を説明する。
実験は、図5に示すような嫌気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.3L)と、好気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.0L)とをゴムパッキンで挟んだ陽イオン交換膜(DuPont Nafion NX-424)を介して連結して作製した実験用発電ユニットを用いて行った。
嫌気性域内部には、有機性物質として酢酸ナトリウム及び乳酸ナトリウムを含む培地(培地組成は表1参照)1L、撹拌装置、電子メディエーターとしてEDTA-Fe(III)、ポーラスカーボン製のアノード(面積1000cm2、容積0.3L東海カーボン(株)ポーラスカーボンG-50)、pH電極、ORP電極、参照電極を配置し、容器に隔膜近傍の液を入れ替えるための循環用配管及び循環用メタリングポンプ(流量毎分0.2L、Tokyo rika kikai Co. Ltd.. Micro Tube Pump Mp-3N)を接続させた。
好気性域にはカソードとしてグラファイト(有効面積1000cm2、多孔質、体積0.3L、東海カーボン(株)製、グラファイトに白金をめっきを施したもの)及び撹拌装置を設置し、0.1mol/Lの塩化カリウム溶液700mLを注入した。
アノード、カソード、及び参照電極は定電位装置に接続し、アノードの電位が440mV(SHE)になるようにした。嫌気性域内を嫌気状態にするために容器下部から窒素ガス(純度99.5%)を1L/minの流量で30分間供給して、溶液又は懸濁液を曝気させた。その後、嫌気バイアル瓶で培地1を用いて培養したGeobacter metallireducens( ATCC)を20mL、嫌気性域内に植種した。
対照実験系として、実験系から循環用配管及びポンプを除外した系を用意し、同時に運転した。
図6に示すように、装置運転開始時はどちらの系もほとんど電流密度が計測されなかったが、開始後約72時間(3日)後から電流密度が100mA/m2以上になり、100時間(4日)後ではおよそ1000mA/m2まで急激に増加し、実験系の嫌気性域のpHは6. 9(水素イオン濃度:1.0×10-6.9mol/L)となった。その後900〜1100mA/m2の電流密度がおよそ30時間観察され、pHが低下して6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)になった頃から電流密度が徐々に減少しはじめ、運転開始から150時間(6.25日)後で0〜20mA/m2となった。一方、循環運転をしていない対照実験系では、72時間(3日)後から電流密度が増加し始めたが、およそ90時間(3.75日)後で600mA/m2となった後は減少に転じ、120時間(5日)後には0〜20mA/m2となった。pHについては、90時間(3.75日)後でpH6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)、120時間(5日)後でpH5.8(水素イオン濃度:1.0×10-5.8mol/L)であった。実験系、対照実験系ともに一旦は増加した電流密度がほとんど計測されなくなった時点(実験系では150時間(6.25日)後、対照実験系では90時間(3.75日)後)においても嫌気性域中のEDTA-Fe(III)濃度は0.7mmol/L以上、COD濃度は1000mg/L以上を示したので、メディエーター不足又は電子供与体の不足により発電が停止したとはいえない。
一方、電流密度が計測されなくなった時点での嫌気性域のpHは実験系では5.6(水素イオン濃度:1.0×10-5.6mol/L)、対照実験系では5.5(水素イオン濃度:1.0×10-5.5mol/L)であった。実験系、対照系ともに嫌気槽のpHが6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)付近では大きな電流密度が観測されており、水素イオン濃度がpH6.5(水素イオン濃度:1.0×10-6.5mol/L)からpH5.5(水素イオン濃度:1.0×10-5.5mol/L)と10倍に増加すると電流密度が減少した。
本明細書中の式1で表されるように、水素イオン濃度が増加するとメディエーターのアノードにおける酸化反応が進行しにくくなることは化学反応で説明でき、本実施例においてもこの原理から電流密度が低下したと推測された。以上の結果から隔膜近傍の水を撹拌することによって、撹拌しない場合と比較して長時間にわたり大きな電流密度を得ることができた。
Figure 2006179223
(電子メディエーター固定化電極を使用し、アルカリ性物質として2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を外部より添加)
本実施例は、電子メディエーター固定化電極を使用した態様において、嫌気性域にアルカリ性物質を供給することによって、嫌気性域内の水素イオン濃度(pH値)の上昇を抑制する態様を説明する。
実験は、図7に示すような嫌気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.3L)と、好気性域を構成するポリ塩化ビニル製容器(内容積1.0L)とを、ゴムパッキンで挟んだ陽イオン交換膜(DuPont Nafion NX-424)を介して連結して作製した実験用発電ユニットを用いて行った。
嫌気性域内部には、有機性物質として酢酸ナトリウム及び乳酸ナトリウムを含む培地(培地組成は下記表2参照)1L、撹拌装置、電子メディエーターとして作用するアントラキノン−2−硫酸(和光純薬製)を表面に化学修飾(スルホンアミド結合)により20μmol/cm2の密度で固定化させた等方性黒鉛(面積1000cm2、容積0.3L;東海カーボン(株)製)製のアノード、pH電極、ORP電極、参照電極、アルカリ性液添加配管、オーバーフロー管をセットした。pH電極は容器外部のpHコントローラ(Tokyo rika kikai CO.LTD..EYELA FC-10)に接続し、嫌気性域内のpHが7.0以下(水素イオン濃度:1.0×10-7.0mol/L)に下がった場合に2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液がアルカリ性液添加配管を通じて嫌気性域へ毎秒1mLの流量で供給されるように設定した。このとき空気の混入を防止するため、ガストラップをアルカリ性液添加配管の途中に設けた。
好気性域には、グラファイト製のカソード(有効面積1000cm2、多孔質、体積0.3L、(東海カーボン(株);グラファイトに白金めっきを施したもの)及び撹拌装置を設置し、0.1 mol/Lの塩化カリウム溶液700mLを注入した。
アノード、カソード、及び参照電極は定電位装置に接続し、アノードの電位が-100mV(SHE)になるように設定した。嫌気性域内を嫌気状態にするために容器下部から窒素ガス(純度99.5%)を1L/minの速度で30分間導入して、嫌気性域内部の溶液を曝気させた。その後、嫌気バイアル瓶で培地1を用いて培養したGeobacter metallireducens( ATCC)を20mLを嫌気性域内に植種した。
対照実験系として、実験系からpHコントローラとアルカリ性液添加装置を除外した系を用意し、同時に運転した。
図8に示すように、装置運転開始直後はどちらの系もほとんど電流密度が計測されなかったが、開始後約96時間(4日)で電流密度が120mA/m2程度になった。この時点で両者のpHは7.0(水素イオン濃度:1.0×10-7.0mol/L)で変化がなかった。開始後約96時間(4日)を過ぎると、対照系ではpHが7.0(水素イオン濃度:1.0×10-7.0mol/L)を下回り始め、約240時間(10日)でpHが5.6(水素イオン濃度:1.0×10-5.6mol/L)となった。
本発明のpHを制御した実験系では、開始後約96時間(4日)で、2mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液が嫌気性域に供給され始めてpHが7.0(水素イオン濃度:1.0×10-7.0mol/L)に維持され、開始後約240時間(10日)まで電流密度は160mA/m2で持続した。
以上の結果より、電子メディエーターを電極に固定化したアノードを用いる場合には、pHを7.0以上(水素イオン濃度:1.0×10-7.0mol/L以上)に制御することによって長時間にわたって大きな電流密度が得られることが確められた。
Figure 2006179223
図1は、本発明による発電装置に好適に用いることができるカソード付近の拡大図である。 図2は、本発明による発電装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図3は、実施例1で用いた実験用発電ユニットの概略構成図である。 図4は、実施例1で測定されたpH値及び電流密度の経時変化を示すグラフである。 図5は、実施例2で用いた実験用発電ユニットの概略構成図である。 図6は、実施例2で測定されたpH値及び電流密度の経時変化を示すグラフである。 図7は、実施例3で用いた実験用発電ユニットの概略構成図である。 図8は、実施例3で測定されたpH及び電流密度の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
1:アノード
2:隔膜(電解質膜)
3:カソード
4:嫌気性域
5:好気性域
6:導線
7:アルカリ性物質供給機構
70:ポンプ
71:アルカリ性溶液回収配管
72:アルカリ性物質貯蔵槽
74:アルカリ性物質供給配管
76:ポンプ
78:pHコントローラ
79:pH電極
8:液流発生機構
81:送液ライン
82:送液ポンプ

Claims (13)

  1. 隔膜によって画定される嫌気性域及び好気性域を具備し、該嫌気性域は嫌気性条件下で生育可能な微生物、有機性物質及び電子メディエーターを含有する溶液又は懸濁液とアノードとを含み、該好気性域は分子状酸素とカソードとを含み、該アノードと該カソードとは電気的に接続して閉回路を形成してなる発電装置において、該嫌気性域内での有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応と、該好気性域内での酸素を電子受容体とする還元反応と、を利用する微生物による発電方法であって、
    該嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇を抑制することを特徴とする発電方法。
  2. 前記嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇の抑制は、水素イオン濃度を1.0×10-10.5mol/L〜1.0×10-6.5mol/Lに維持することによってなされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記嫌気性域内の水素イオン濃度の上昇の抑制は、アルカリ性物質を嫌気性域に供給することによってなされる、請求項1又は2に記載の発電方法。
  4. 前記嫌気性域に供給するアルカリ性物質は、前記好気性域で生成するアルカリ性物質を含む、請求項3に記載の発電方法。
  5. さらに、前記隔膜を介しての前記嫌気性域から前記好気性域への水素イオンの移動を促進する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発電方法。
  6. 前記隔膜を介しての前記嫌気性域から前記好気性域への水素イオンの移動の促進は、前記隔膜を中心として前記嫌気性域内での高濃度から前記好気性域内での低濃度に至る水素イオン濃度勾配を増加させることによってなされる、請求項5に記載の発電方法。
  7. 前記隔膜近傍での水素イオン濃度勾配の増加は、前記隔膜近傍で液流を発生させることによってなされる、請求項6に記載の発電方法。
  8. 嫌気性条件下で生育可能な微生物及び有機性物質を含有する溶液又は懸濁液とアノードとを含む嫌気性域と、
    カソードと分子状酸素とを含む好気性域と、
    該嫌気性域及び該好気性域を画定し、該嫌気性域と該好気性域との間での物質交換を可能とする隔膜と、
    該アノードと該カソードとを電気的に接続して形成された閉回路と、
    を具備し、該嫌気性域内での有機性物質を電子供与体とする微生物の酸化反応と、該好気性域内での酸素を電子受容体とする還元反応と、を利用する微生物による発電装置であって、該嫌気性域にはさらに水素イオン濃度制御手段を備えることを特徴とする発電装置。
  9. 前記水素イオン濃度制御手段は、前記嫌気性域にアルカリ性物質を供給するアルカリ性物質供給機構である、請求項8に記載の発電装置。
  10. 前記アルカリ性物質供給機構は、前記好気性域からアルカリ性溶液を回収して、回収されたアルカリ性溶液を前記好気性域に送液するアルカリ性溶液回収機構を含む、請求項9に記載の発電装置。
  11. さらに、前記嫌気性域から前記好気性域への前記隔膜を介しての物質交換を促進する物質交換促進手段を具備する、請求項8〜10のいずれか1項に記載の発電装置。
  12. 前記物質交換促進手段は、前記嫌気性域内で前記隔膜近傍に設けられた液流発生手段である、請求項11に記載の発電装置。
  13. 前記隔膜は、物質交換係数が大きな隔膜である、請求項8〜12のいずれか1項に記載の発電装置。
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