JP6652149B2 - 殺菌剤を用いる微生物発電装置及び微生物発電装置の運転方法 - Google Patents

殺菌剤を用いる微生物発電装置及び微生物発電装置の運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、微生物の代謝反応を利用する発電装置及び微生物発電装置の運転方法に関する。本発明は特に、有機物を微生物に酸化分解させる際に得られる還元力を電気エネルギーとして取り出す微生物発電装置及び微生物発電装置の運転方法に関する。
微生物を用いた発電装置として、特許文献1,2には、カソード室とアノード室とを電解質膜で区画したものが記載されている。
特許文献1には、アノード室内のpHを7〜9に調整することにより、アノード室で微生物反応に伴う炭酸ガスの発生によりpHが低下するのを防止し、発電効率を高くすることが記載されている。
特開2009−152097号公報 特開2000−133326号公報
微生物発電装置を長期間運転すると、発電微生物が電極表面で増殖するが、微生物が電極表面に過度に付着するようになると、基質との接触効率や電極表面の導電性が低下し、発電量が減少する。ひどい場合には、アノード室が閉塞して基質を供給できなくなってしまうという問題があった。
本発明は、アノード室における微生物の過度な付着を抑制し、高い発電量が長期的に安定して得られる微生物発電装置及び微生物発電方法を提供することを目的とする。
本発明の微生物発電装置は、アノードを有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持するアノード室と、該アノード室に対し多孔性非導電性膜を介して隔てられたカソード室とを有し、該アノード室に有機物含有原水を供給し、カソード室に電子受容体を含む流体を供給して発電を行う微生物発電装置において、該アノード室内に殺菌剤を供給する殺菌剤供給手段を備えたことを特徴とする。
本発明の一態様では、前記殺菌剤は過酸化水素、次亜塩素酸または次亜塩素酸塩である。
本発明の一態様では、前記アノード室に不活性ガスを供給する手段を有する。
本発明の微生物発電装置の運転方法は、アノードを有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持するアノード室と、該アノード室に対し多孔性非導電性膜を介して隔てられたカソード室とを有し、該アノード室に有機物含有原水を供給し、カソード室に電子受容体を含む流体を供給して発電を行う微生物発電装置の運転方法において、前記アノード室内に間欠的に殺菌剤を供給することを特徴とする。
本発明の一態様では、前記アノード室に対し、2時間〜30に1回の頻度で、1回当り1分〜1時間殺菌剤を供給する。
本発明の一態様では、前記アノード室内に不活性ガスを連続的又は間欠的に供給する。
本発明では、アノード室に殺菌剤を好ましくは間欠的に供給する。これにより、アノード表面への発電微生物の過度な付着が抑制され、高い発電量を安定的に維持できる。また、嫌気条件であるアノード室では、発電菌以外にメタン生成菌が増殖して発電効率を低下させることがあるが、間欠的な殺菌剤の添加により、発電菌よりも増殖速度の低いメタン生成菌の増殖がより抑制され、発電効率を高く維持することも可能となる。
本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る微生物発電装置の断面模式図である。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態に係る微生物発電装置の概略的な構成を示す模式的断面図である。
槽体1内が多孔性非導電性膜よりなる区隔材2によってカソード室3とアノード室4とに区画されている。カソード室3内にあっては、区隔材2に密着するように、導電性多孔質材料よりなるカソード5が配置されている。カソード5と槽体1の壁面との間のカソード室3はカソード溶液で満たされている。このカソード溶液を曝気するように、カソード室3内の下部に散気管7が設けられている。この散気管7に空気などの酸素含有ガスが導入され、カソード室上部のガス流出口8から曝気排ガスが流出する。なお、曝気に伴ってカソード溶液が蒸発したり、飛散して減少するので、弁15を有した補給口16から補充用のカソード溶液を適宜供給する。
アノード室4内には、導電性多孔質材料よりなるアノード6が配置されている。このアノード6は、区隔材2に密着しており、アノード6から区隔材2にプロトン(H)が受け渡し可能となっている。
この多孔質材料よりなるアノード6に微生物が担持されている。アノード室4には流入口4aからアノード溶液Lを導入し、流出口4bから廃液を排出させる。なお、アノード室4内は嫌気性とされる。
アノード室4内のアノード溶液Lは循環往口9、循環配管10、循環用ポンプ11及び循環戻口12を介して循環される。この循環配管10には、アノード室4から流出してきた液のpHを測定するpH計14が設けられると共に、アルカリや酸などのpH調整剤添加用配管13が接続されている。また、循環配管10には、殺菌剤の添加用の配管19が接続されている。なお、殺菌剤添加配管19はアノード室4に直接に接続されてもよい。ただし、循環水に殺菌剤を添加することにより、アノード室4の全体に殺菌剤を満遍なく供給することができる。
アノード室に散気管17が設置されており、バルブ17aを開とすることにより窒素などの不活性ガスでアノード室内が曝気されるよう構成されている。アノード室の上部には、バルブ18aを有したガス流出口18が設けられている。
散気管7に空気などの酸素含有ガスを供給してカソード室3内のカソード溶液を曝気すると共に、必要に応じポンプ11を作動させてアノード溶液Lを循環させることにより、
(有機物)+HO→CO+H+e
なる反応が進行する。この電子eがアノード6、端子22、外部抵抗21、端子20を経てカソード5へ流れる。
上記反応で生じたプロトンHは、区隔材2を通ってカソード5に移動する。カソード5では、
+4H+4e→2H
なる反応が進行する。このような反応により、カソード5とアノード6との間に起電力が生じ、端子20,22を介して外部抵抗21に電流が流れる。
アノード室4に好ましくは間欠的に殺菌剤を添加する。これにより、アノード表面への発電微生物の過度な付着が抑制され、高い発電量を安定的に維持できる。また、嫌気条件であるアノード室では、発電菌以外にメタン生成菌が増殖して発電効率を低下させることがあるが、間欠的な殺菌剤の添加により、発電菌よりも増殖速度の低いメタン生成菌の増殖がより抑制され、発電効率を高く維持することも可能となる。
殺菌剤としては、一般にスライムコントロール剤として用いられる剤を用いることができるが、コストや残留性が低く後段処理への影響が少ないことなどから、過酸化水素、次亜塩素酸もしくはその塩、次亜臭素酸もしくはその塩が好ましい。
アノード室への殺菌剤の添加頻度は、2時間〜30日に1回、好ましくは6時間〜1週間に1回とし、1回あたりの添加時間は1分〜1時間、好ましくは5分〜30分とする。
アノード室流入水に対する添加濃度は、殺菌剤の種類にもよるが、過酸化水素であれば好ましくは10〜3,000mg/L、より好ましくは100〜500mg/L、次亜塩素酸または次亜塩素酸塩であれば好ましくは10〜3,000mg−有効塩素/L、より好ましくは100〜500mg−有効塩素/Lである。
アノード室4では、微生物による有機物の分解反応によりCOが生成することにより、pHが変化しようとする。そこで、pH計14の検出pHが好ましくは7〜9となるようにアルカリや酸がアノード溶液Lに添加される。このアルカリや酸は、アノード室6に直接に添加されてもよいが、循環水に添加することにより、アノード室4内の全域を部分的な偏りなしにpH7〜9に保つことができる。
また、連続的又は間欠的にバルブ17a,18aを開とし、散気管7からの不活性ガスによってアノード室内を曝気し、排ガスをガス流出口18から流出させる。これにより、アノード表面にガスによる剪断力が与えられ、生物膜の過度な付着を抑制する効果が高まるのに加え、特にカソード室で酸素を電子受容体とする場合などには、好気性スライムの増殖などにより性能低下に繋がる、カソード室からアノード室に浸透する酸素を除去する効果も奏される。不活性ガスとしては窒素が好適であるが、これに限定されない。
図2は本発明の別の実施の形態に係る微生物発電装置の概略的な断面図である。
略直方体形状の槽体30内に2枚の板状の区隔材31が互いに平行に配置されることにより、該区隔材31,31同士の間にアノード室32が形成され、該アノード室32とそれぞれ該区隔材31を隔てて2個のカソード室33,33が形成されている。
アノード室32内には、各区隔材31と密着するように、多孔質材料よりなるアノード34が配置されている。アノード34は、区隔材に対し軽く(例えば0.1kg/cm以下の圧力で)押し付けられている。
カソード室33内には、区隔材31と接して多孔質材料よりなるカソード35が配置されている。このカソード35は、ゴム等よりなるスペーサ36に押圧されて区隔材31に軽く(例えば0.1kg/cm以下の圧力で)押し付けられて密着している。カソード35と区隔材31との密着性を高めるために、両者を溶着したり、部分的に接着剤で接着してもよい。
このカソード35及びアノード34は、端子37,39を介して外部抵抗38に接続されている。
カソード35と槽体30の側壁との間のスペースはカソード溶液が満たされている。各カソード室33内の下部に散気管51が設置され、カソード溶液が曝気可能とされている。曝気排ガスは、カソード室33の上部のガス流出口52から流出する。なお、図示は省略するが、各カソード室33に対しカソード溶液を補充するように補給口が設けられている。
アノード室32には、流入口32aからアノード溶液Lが導入され、流出口32bから廃液が流出する。アノード室32内は嫌気性とされる。
アノード室32内のアノード溶液は、循環往口41、循環配管42、循環ポンプ43及び循環戻口44を介して循環される。この循環配管42に、殺菌剤添加用配管61が接続されている。また、循環配管42に、pH計47が設けられると共に、アルカリ添加用配管45が接続されている。アノード室32から流出するアノード溶液のpHをpH計47で検出し、このpHが好ましくは7〜9となるように水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリが添加される。
アノード室32に散気管57が設置されており、バルブ57aを開とすることにより、不活性ガスでアノード室32内が曝気されるよう構成されている。アノード室32の上部には、バルブ58aを有したガス流出口58が設けられている。
この図2の微生物発電装置においても、散気管51に酸素含有ガスを供給してカソード室33内のカソード溶液を曝気すると共に、アノード室32にアノード溶液を流通させ、好ましくはアノード溶液を循環させることにより、カソード35とアノード34との間に電位差が生じ、外部抵抗38に電流が流れる。
配管61から好ましくは間欠的に殺菌剤を添加すると共に、間欠的にバルブ57a,58aを開とし、散気管57からの不活性ガスによってアノード室32内を曝気し、排ガスをガス流出口58から流出させる。
図1,2では、散気管をカソード室3,33内に配置してカソード室3,33内でカソード溶液の曝気を行っているが、カソード室内のカソード溶液を別の曝気室に導入して曝気してもよい。
次に、本発明の微生物発電装置の微生物、アノード溶液、カソード溶液などのほか、区隔材、アノード及びカソードの好適な材料等について説明する。
アノード溶液L中に含有させることで電気エネルギーを産生させる微生物は、電子供与体としての機能を有するものであれば特に制限されない。例えば、Saccharomyces、Hansenula、Candida、Micrococcus、Staphylococcus、Streptococcus、Leuconostoa、Lactobacillus、Corynebacterium、Arthrobacter、Bacillus、Clostridium、Neisseria、Escherichia、Enterobacter、Serratia、Achromobacter、Alcaligenes、Flavobacterium、Acetobacter、Moraxella、Nitrosomonas、Nitorobacter、Thiobacillus、Gluconobacter、Pseudomonas、Xanthomonas、Vibrio、Comamonas及びProteus(Proteus vulgaris)の各属に属する細菌、糸状菌、酵母などを挙げることができる。このような微生物を含む汚泥として下水等の有機物含有水を処理する生物処理槽から得られる活性汚泥、下水の最初沈澱池からの流出水に含まれる微生物、嫌気性消化汚泥等を植種としてアノード室に供給し、微生物をアノードに保持させることができる。発電効率を高くするためには、アノード室内に保持される微生物量は高濃度であることが好ましく、例えば微生物濃度は1〜50g/Lであることが好ましい。
アノード溶液Lとしては、微生物又は細胞を保持し、かつ発電に必要な組成を有する溶液が用いられる。例えば、呼吸系の発電を行う場合は、アノード溶液としては、ブイヨン培地、M9培地、L培地、Malt Extract、MY培地、硝化菌選択培地などの呼吸系の代謝を行うのに必要なエネルギー源や栄養素などの組成を有する培地が利用できる。また、下水、有機性産業排水、生ゴミ等の有機性廃棄物を用いることができる。
アノード溶液L中には、微生物又は細胞からの電子の引き抜きをより容易とするために電子メディエーターを含有させてもよい。この電子メディエーターとしては、例えば、チオニン、ジメチルジスルホン化チオニン、ニューメチレンブルー、トルイジンブルー−O等のチオニン骨格を有する化合物、2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン等の2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン骨格を有する化合物、ブリリアントクレジルブルー、ガロシアニン、レソルフィン、アリザリンブリリアントブルー、フェノチアジノン、フェナジンエソスルフェート、サフラニン−O、ジクロロフェノールインドフェノール、フェロセン、ベンゾキノン、フタロシアニン、あるいはベンジルビオローゲン及びこれらの誘導体などを挙げることができる。
さらに、微生物の発電機能を増大させるような材料、例えばビタミンCのような抗酸化剤や、微生物中の特定の電子伝達系や物質伝達系のみを働かせる機能増大材料を溶解すると、さらに効率よく電力を得ることができるので好ましい。
アノード溶液Lは、必要に応じ、リン酸バッファを含有していてもよい。
アノード溶液Lは有機物を含むものである。この有機物としては、微生物によって分解されるものであれば特に制限はなく、例えば水溶性の有機物、水中に分散する有機物微粒子などが用いられる。アノード溶液は、下水、食品工場排水などの有機性廃液であってもよい。アノード溶液L中の有機物濃度は、発電効率を高くするために100〜10000mg/L程度の高濃度であることが好ましい。
アノード溶液の温度は10〜70℃程度が好ましい。
カソード溶液は、中性もしくはアルカリ性、例えばpH6.0〜9.0であることが好ましく、pHをこのような範囲に保つためにバッファを含有してもよい。
また、カソード溶液は、電子受容体として、フェリシアン化カリウム、硫酸マンガン、塩化マンガン、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等の酸化還元試薬を含んでいても良い。この場合、カソード溶液中の酸化還元試薬濃度としては、10〜2,000mM程度が好ましい。
カソード溶液はまたキレート剤を含んでもよい。キレート剤を配合することにより、4価のマンガンが溶解状態で存在できるようになり、還元反応の速度が速くなるという効果が得られる。
キレート剤としては、マンガンイオンとキレート化合物を形成するものであれば制限なく使用できる。具体的には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,2-ジヒドロキシアントラキノン-3-イル-メチルアミノ-N,N’-二酢酸、5,5’-ジブロモピロガロールスルホフタレイン、1-(1-ヒドロキシ-2-ナフチルアゾ)-6-ニトロ-2-ナフトール-4-スルホン酸ナトリウム塩、シクロ-トリス-[7-(1-アゾ-8-ヒドロキシナフタレン-3,6-ジスルホン酸)]6ナトリウム塩、4-メチルアンベリフェロン-8-メチレンイミノ二酢酸、3-スルホ-2,6-ジクロロ-3’,3’’-ジメチル-4’-フクソン-5’,5’’-ジカルボン酸3ナトリウム塩、3,3’-ビス[N,N-ジ(カルボキシメチル)アミノメチル]チモ-ルスルホンフタレイン,ナトリウム塩、7-(1-ナフチルアゾ)-8-ヒドロキシキノリン-5-スルホン酸ナトリウム塩、4-(2-ピリジルアゾ)レゾルシノール、ピロカテコールスルホンフタレイン、3,3’-ビス[N,N-ジ(カルボキシメチル)アミノメチル]-オルソ-クレゾールスルホンフタレイン,2ナトリウム塩などが挙げられる。なお、キレート剤は生物分解されにくい安定なものが望ましい。
カソードに供給する酸素含有ガスとしては、空気が好適である。カソード室からの排ガスは、必要に応じ脱酸素処理した後、アノード室に通気し、アノード溶液Lからの溶存酸素のパージに用いてもよい。この酸素含有ガスの供給量としては、カソード溶液の溶存酸素(DO)濃度を測定した場合にDOが検出される程度(例えば0.5mg/L以下)であればよい。
区隔材としては、多孔性非導電性材料よりなる紙、織布、不織布、いわゆる有機膜(精密濾過膜)、ハニカム成形体、格子状成形体等が使用できる。区隔材としては、プロトンの移動の容易さから親水的な材料で構成されたものを用いるか、もしくは疎水膜を親水化した精密濾過膜が好ましい。疎水性の材料を使用する場合は、織布、不織布、ハニカム等の形状として水が通りやすいように加工するとよい。上記の非導電性材料としては、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネイト、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース、酢酸セルロース等が好適である。プロトンを透過させ易くするために、区隔材は厚さが10μm〜10mm特に30〜100μm程度の薄いものが好ましい。
アノード溶液として有機性廃水を用いる場合、懸濁物質等による目詰りを防止するために、区隔材として厚さ1〜10mm程度の通水性に優れる、例えばハニカム状、格子状等のものを用いるのが好ましい。アノード溶液として廃水を用いない場合、区隔材としては、厚みおよび価格の点で、厚さが1mm以下の紙が最適である。また、PESやPVDFを親水化した精密濾過膜は厚みが極めて薄いため、高出力を求める場合の区隔材として好適である。さらに、コスト面ではポリエチレンまたはポリプロピレンから作られた不織布が好適である。
アノードは、多くの微生物を保持できるよう、表面積が大きく空隙が多く形成され通水性を有する多孔体が好ましい。具体的には、少なくとも表面が粗とされた導電性物質のシートや導電性物質をフェルト状その他の多孔性シートにした多孔性導電体(例えばグラファイトフェルト、発泡チタン、発泡ステンレス等)が挙げられる。このような多孔質のアノードを区隔材に密着させた場合、電子メディエータを用いることなく、微生物反応で生じた電子がアノードに渡るようになり、電子メディエータを不要とすることができる。
アノードは、フェルト等の繊維体よりなることが好ましい。かかるアノードは、アノード室厚みよりも大きい厚さを有する場合、それを押し縮めてアノード室に挿入し、それ自身の復元弾性によって区隔材に密着するようになる。
複数のシート状導電体を積層してアノードとしてもよい。この場合、同種の導電体シートを積層してもよく、異なる種類の導電体シート同士(例えばグラファイトフェルトと粗面を有するグラファイトシート)を積層してもよい。
アノードは全体の厚さが3mm以上50mm以下、特に5〜40mm程度であることが好ましい。積層シートによってアノードを構成した場合、シート同士の合わせ面(積層面)に沿って液が流れるように、積層面を液の流入口と流出口とを結ぶ方向に配向させるのが好ましい。
カソードは、フェルト状又は多孔質状の導電性材料、例えばグラファイトフェルト、発泡ステンレス、発泡チタン等で構成される。多孔質材の場合、空隙の直径が0.01〜1mm程度であることが好ましい。カソードとしては、区隔材と密着させやすい形状(例えば板状)にこれら導電性材料を成形されたものを用いることが好ましい。酸素を電子受容体とする場合は酸素還元触媒を用いることが好ましく、例えばグラファイトフェルトを基材として触媒を担持させるとよい。触媒としては白金等の貴金属、二酸化マンガン等の金属酸化物、活性炭などのカーボン系材料が例示される。電子受容体の種類によっては、例えばヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム(フェリシアン化カリウム)を含む液を用いる場合などは安価なグラファイト電極をそのまま(白金を担持させずに)カソードとして使用してもよい。カソードの厚みは0.03〜50mmであることが好ましい。
なお、図1,2は、いずれもカソード室内にカソード溶液を保持した微生物発電装置を示しているが、本発明は、このような微生物発電装置に何ら限定されることなく、カソード室を空室として空気を流通させるエアーカソードタイプの微生物発電装置にも適用することができる。
以下、比較例及び実施例について説明する。
[比較例1]
7cm×25cm×1cm(厚さ)のアノード室に、厚さ1cmのグラファイトフェルトを2枚重ねて充填してアノードを形成した。このアノード室に対して、厚さ30μmの不織布を介してカソード室を形成した。カソード室も7cm×25cm×1cm(厚さ)であり、厚さ10mmのグラファイトフェルトを2枚重ねて充填してカソードを形成した。アノードとカソードのグラファイトフェルトには、それぞれステンレス線を導電性ペーストで接着して電気引出し線とし、3Ωの抵抗で接続した。
アノード室には、pHを7.5に維持した、酢酸1,000mg/Lと50mMリン酸バッファおよび塩化アンモニウムを含む原水を通水した。この原水を予め、別水槽で35℃に加温してからアノード室へ70mL/minで通液することにより、アノード室の温度を35℃に加温した。なお、原水の通水に先立って、他の微生物発電装置の流出液を植菌として通液した。カソード室には50mMのフェリシアン化カリウムとリン酸バッファとを含むカソード溶液を70mL/minの流量で供給した。
発電量は、通水開始後1週間で300W/m−アノード室容積(以下、W/mと記載する。)に達し、以後6週間280〜330W/mで推移したが、その後2週間で100W/mまで低下した。装置を解体してアノードを取り出したところ、グラファイトフェルトの内部まで厚い生物膜で覆われており、フェルトの一部に水みちが形成されているのが確認された。付着生物量が増加して負極を覆い、水の流れ、基質との接触効率が低下したと考えられる。
[実施例1]
比較例1と同じ構成で、通水開始後1週間経過し、300W/mに達したところで、12時間おきに1回、10分間、アノード室流入水に添加後の濃度として100mg/Lとなるように過酸化水素を添加した。添加直後、発電量は大きく低下したが、30分程度で元の値に回復し、以後5ヶ月に渡り、発電量は280〜330W/mで推移した。装置を解体して負極を取り出したところ、比較例に比べ、生物膜の付着量は少なく、グラファイトフェルト内部まで水が流れる状態が保たれていた。
[実施例2]
比較例と同じ構成で、アノード室に窒素ガスを200mL/minの風量で通気した。通水開始後1週間で300W/mに達したところで、1日に1回、10分間、アノード室流入水に添加後の濃度として100mg/Lとなるように過酸化水素を添加した。添加直後、発電量は大きく低下したが、30分程度で元の値に回復し、以後5ヶ月に渡り、発電量は280〜330W/mで推移した。装置を解体して負極を取り出したところ、比較例に比べ、生物膜の付着量は少なく、グラファイトフェルト内部まで水が流れる状態が保たれていた。
[実施例3]
比較例と同じ構成で、通水開始後1週間で300W/mに達したところで、1週間に1回、30分間、アノード室流入水に添加後の濃度として300mg−有効塩素/Lとなるように次亜塩素酸ナトリウムを添加した。添加直後、発電量は大きく低下したが、1〜2時間で元の値に回復し、以後5ヶ月に渡り、発電量は280〜330W/mで推移した。装置を解体して負極を取り出したところ、比較例に比べ、生物膜の付着量は少なく、グラファイトフェルト内部まで水が流れる状態が保たれていた。
以上の比較例及び実施例より、本発明によって、微生物発電装置におけるアノード室でのアノード表面への微生物の過度な付着が抑制され、高い発電量を長期安定して得られるようになることが確認された。
1,30 槽体
2,31 区隔材
3,33 カソード室
4,32 アノード室
5,35 カソード
6,34 アノード
7,17,51,57 散気管
9,61 殺菌剤添加用配管

Claims (6)

  1. アノードを有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持するアノード室と、該アノード室に対し多孔性非導電性膜を介して隔てられたカソード室とを有し、
    該アノード室に有機物含有原水を供給し、カソード室に電子受容体を含む流体を供給して発電を行う微生物発電装置において、
    該アノード室内に対し、2時間〜30日に1回の頻度で、1回当り1分〜1時間殺菌剤を供給する殺菌剤供給手段を備えたことを特徴とする微生物発電装置。
  2. 前記殺菌剤は過酸化水素、次亜塩素酸または次亜塩素酸塩である請求項1の微生物発電装置。
  3. 前記アノード室に不活性ガスを供給する手段を有する請求項1又は2の微生物発電装置。
  4. アノードを有し、微生物及び電子供与体を含む液を保持するアノード室と、該アノード室に対し多孔性非導電性膜を介して隔てられたカソード室とを有し、
    該アノード室に有機物含有原水を供給し、カソード室に電子受容体を含む流体を供給して発電を行う微生物発電装置の運転方法において、
    前記アノード室内に対し、2時間〜30日に1回の頻度で、1回当り1分〜1時間間欠的に殺菌剤を供給することを特徴とする微生物発電装置の運転方法。
  5. 前記殺菌剤は過酸化水素、次亜塩素酸または次亜塩素酸塩である請求項の微生物発電装置の運転方法。
  6. 前記アノード室に不活性ガスを連続的又は間欠的に供給する請求項4又は5のいずれかの微生物発電装置の運転方法。
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