JP5291353B2 - メタルマスク及びその製造方法 - Google Patents
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Description
例えば、近年、メタルマスクの被印刷物側の面にメッキすることで、表面をある程度粗して版離れを改善する手段が採られている。このメッキ処理に用いられる金属としては、通常はニッケル又はニッケル合金が使用される。このニッケル又はニッケル合金メッキをする時に用いられるメッキ浴組成、メッキ浴温度、電流密度、pH、添加剤等のメッキ条件がメタルマスクの種々の特性に大きく影響することが知られている。通常、メッキ浴組成としては、スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてホウ酸を用いるものが一般的である(例えば、特許文献1、2参照)。
クエン酸塩としては、クエン酸、クエン酸アンモニュウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸一ナトリウム、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム等がある。
この発明によるメタルマスクの製造方法は、スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてクエン酸塩を用いたメッキ浴組成により、メタルマスクを製造する点に特徴を有するものである。
すなわち、実施の形態1における実際のメッキ浴組成としては、スルファミン酸ニッケルが150〜650g/lであり、好ましくは220〜450g/lである。スルファミン酸ニッケルを150〜650g/lの範囲にする理由は、150g/l未満であると、金属の析出の電流効率が悪くなるからであり、650g/lを超えても、効果が変わらないためである。また、クエン酸塩が5〜60g/lであり、好ましくは10〜30g/lである。クエン酸塩を5〜60g/lの範囲にする理由は、5g/l未満であると、メッキ液のpH変動が大きくなるからであり、60g/lを超えても、効果が変わらないためである。また、塩化ニッケルが5〜100g/lであり、好ましくは5〜50g/lである。塩化ニッケルを5〜100g/lの範囲にする理由は、5g/l未満であると、メッキ液のpH変動が大きくなるからであり、100g/lを超えても、効果が変わらないためである。また、NTS(1.3.6−ナフタリントリスルフォン酸ナトリウム)が0.5〜10g/lであり、好ましくは1〜6g/lである。NTSを0.5〜10g/lの範囲にする理由は、0.5g/l未満であると、応力を適切な応力に調整できないためであり、10g/lを超えると圧縮応力が強くなり過ぎるためである。その他の効果は変わらないためである。また、メッキ条件としては、電流密度は、0.1〜3.0A/dm2であり、好ましくは1〜2A/dm2である。電流密度を0.1〜5.0A/dm2の範囲にする理由は、0.1未満であると、皮膜が脆くなるからであり、5.0A/dm2を超えると板厚の均一性が悪くなるためである。また、pHは、2.0〜5.0であり、好ましくは3.0〜4.3である。pHを2.0〜5.0の範囲にする理由は、2.0未満であると、ピットが出やすくなり電流効率も悪くなり、その結果pH変動が大きくなるからであり、5.0を超えるとメッキ析出速度が速くなり板厚制御が困難になるためである。更に、液温は、35〜55℃であり、好ましくは40〜50℃である。液温を35〜55℃の範囲にする理由は、35℃未満であると、電流効率が悪くなるからであり、55℃を超えると、水分が飛び過ぎて液の温度が変化し易いからである。
スルファミン酸ニッケル245g/l、クエン酸3ナトリウム8g/l、塩化ニッケル30g/l、NTS(1.3.6−ナフタリントリスルフォン酸ナトリウム)1.5g/l、電流密度2.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用いてメタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、ヤング率が14万N/mm〜22万N/mmの範囲で、硬度がHV350以上で、表面粗さRaが0.1〜0.7であった。このメタルマスクは、結晶が微細結晶構造となり、硬度と表面粗さとヤング率が向上し、印刷耐久性を大幅に向上させることができた。また、版離れ向上による滲み、ブリッジの低減も期待できる。更に、添加剤であるクエン酸3ナトリウムの添加量もホウ酸よりも少なくて済み、環境にやさしいメタルマスクを得ることができた。
スルファミン酸ニッケル220g/l、クエン酸3ナトリウム27g/l、塩化ニッケル32g/l、NTS(1.3.6−ナフタリントリスルフォン酸ナトリウム)6.3g/l、電流密度2.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用いてメタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、ヤング率が14万N/mm〜22万N/mmの範囲で、硬度がHV350以上で、表面粗さRaが0.1〜0.7であった。このメタルマスクも実施例1と同様の特性を持つものであった。
スルファミン酸ニッケル450g/l、ホウ酸30g/l、塩化ニッケル40g/l、電流密度5.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用い、メタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、硬度がHV300前後と低い。このメタルマスクは、微細結晶構造ではなく、印刷時、トータルピッチの伸びが発生していた。また、添加剤であるホウ酸の添加量も多く、しかもホウ酸は特定有害物質のため、水質汚濁防止法の関連もあって環境的にも好ましいものではなかった。
スルファミン酸ニッケル450g/l、ホウ酸30g/l、塩化ニッケル40g/l、電流密度2.5A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用い、スターラー攪拌有りでメタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、硬度がHV300前後と低い。このメタルマスクも比較例1と同様の特性を持つものであった。
スルファミン酸ニッケル450g/l、ホウ酸30g/l、塩化ニッケル40g/l、電流密度1.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用い、スターラー攪拌無しでメタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、硬度がHV300前後と低い。このメタルマスクも比較例1と同様の特性を持つものであった。
スルファミン酸ニッケル450g/l、クエン酸塩15g/l、塩化ニッケル30g/l、電流密度2.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用いてメタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、硬度がHV450で、表面粗さRaが0.32で更に伸び量が0.04mmであった。このメタルマスクは、結晶が微細結晶構造となり、硬度と表面粗さとが向上し更には伸び量がホウ酸浴より減少し、印刷耐久性を大幅に向上させることができた。また、版離れ向上による滲み、ブリッジの低減も期待できる。更に、添加剤であるクエン酸塩の添加量もホウ酸の1/2で済み、環境にやさしいメタルマスクを得ることができた。
なお、伸び量の測定の引張試験機はA&D社製のテンシロンRTG−1210を用いて100MPaにて測定した。試験片は幅5mm、長さ80mm、板厚30μmの標準形状の引張試験片を用いた。
スルファミン酸ニッケル450g/l、ホウ酸30g/l、塩化ニッケル30g/l、電流密度2.0A/dm2、pH4.0〜4.2、液温50℃のメッキ浴組成を用い、メタルマスクを製造した。この条件で製造したメタルマスクは、硬度がHV200〜230と低く表面粗さはRa0.16であり、このメタルマスクは、微細結晶構造ではなく伸び量は0.06mm発生した。伸び量の比較をすると、ホウ酸浴はクエン酸塩に比較して1.5倍の伸び量が発生した。印刷時にはトータルピッチの伸びが発生し印刷不良の要因となる。また、添加剤であるホウ酸の添加量も多く、しかもホウ酸は特定有害物質のため、水質汚濁防止法の関連もあって環境的にも好ましいものではなかった。
Claims (8)
- スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてクエン酸塩を用いたメッキ浴組成により、メタルマスクを製造することを特徴とするメタルマスクの製造方法。
- スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてクエン酸塩を用いたメッキ浴組成により、メタルマスクを製造する方法であって、
前記メッキ浴組成として、スルファミン酸ニッケル150〜650g/l、クエン酸塩5〜60g/lを含むことを特徴とするメタルマスクの製造方法。 - クエン酸塩として、クエン酸3ナトリウムを用いることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のメタルマスクの製造方法。
- スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてクエン酸塩を用いたメッキ浴組成により、製造することを特徴とするメタルマスク。
- スルファミン酸ニッケル浴に添加剤としてクエン酸塩を用いたメッキ浴組成であって、
スルファミン酸ニッケル150〜650g/l、クエン酸塩5〜60g/lをメッキ浴組成として含むことを特徴とするメタルマスク。 - クエン酸塩として、クエン酸3ナトリウムを用いることを特徴とする請求項4又は請求項5記載のメタルマスク。
- メタルマスクの硬度がHV350〜600、表面粗さRa0.1〜0.7であり、微細結晶構造であることを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載のメタルマスク。
- メタルマスクのヤング率が14万N/mm〜22万N/mmの範囲であることを特徴とする請求項4〜請求項7のいずれかに記載のメタルマスク。
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