JP5909749B1 - メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク - Google Patents

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【課題】ビッカース硬度が無電解めっき法で作製されたものと同程度であり、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が高いメタルマスク、及びその製造方法を提供する【解決手段】めっき浴に、ジメチルアミンボランを含むアルキルアミンボランを0.1〜3.0mM添加し、めっきの電流密度を0.5〜3ASDの範囲に設定して電気めっきをする。これにより、ビッカース硬度500〜900HVのニッケルめっき皮膜が得られ、これをメタルマスク素材として使用することで、印刷耐久性の高いメタルマスクが得られる。【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体製造工程において、基板やウエハーなどに導電性ペーストや導電性ボール(以下、「ペースト等」という)を印刷や定置(以下、「印刷等」という)するためのメタルマスク、およびその製造方法に関するものである。
半導体製造工程において、部品実装をしたり、バンプ電極を形成したりするときは、基板やシリコンウエハーなどのワーク上に、半田等の導電性ペーストを印刷したり、導電性ボールを定置したり(以下、「ペースト印刷等」という)して、これをリフロー炉で高温処理をして溶接する方法が一般的に用いられている。
このとき、ペースト印刷等には、金属の薄板に微細な開口が形成された孔版であるメタルマスクが使用されている。メタルマスクの開口は、ワーク上の電極に対応するパターンで形成されており、メタルマスクがワークに対して適正な位置に配置されたとき、開口を介して電極上に適正にペースト印刷等できるように設定されている(例えば特許文献1、2参照)。
ここで、メタルマスクは、一般にはアルミなどの金属枠に、ポリエステルのメッシュスクリーンを介して張設した、メタルマスク版として使用する。そして、一面がワークに対向する状態で設置して、反対面よりスキージでペースト等を開口に送り込んで、ワーク上に印刷等する。
このとき、スキージがメタルマスク上を移動する度に、スキージによる圧力(印圧)がメタルマスクにかかる。これによりメタルマスクは印刷時には常に外力を受けており、スキージングの度に伸び縮みの変形を繰り返している。
メタルマスクは、通常数万回はペースト印刷等に使用されるので、長期間連続して使用を続けることにより、金属疲労により脆くなったり、永久伸びを起こしたりする。しかしながら、メタルマスクの開口の位置座標や、認識マーク間の距離は、常に一定の範囲内に維持されなければならない。また、脆性化により使用中に破損しないように、メタルマスクには長期間の連続使用に対する耐久性が必要とされる。
メタルマスクの耐久性は、その素材となる金属の強度、特に硬度の影響が大きい。そしてメタルマスクの素材としては、電気ニッケルめっき法により形成されたニッケルめっき皮膜が広く使用されており、そのビッカース硬度は(以下、「硬度」という)、通常は概ね300〜400HVである。従来はこの程度の硬度でも、メタルマスクを厚くすることで耐久性を維持することができたが、近年の実装技術の微細化に伴いメタルマスクも薄型化が進んでいるため、ニッケルめっき皮膜の硬度そのものを向上させる必要性が生じている。
ここで、特許文献3では、メタルマスクの製造に無電解ニッケルめっき法を用いることで、高硬度のニッケルめっき皮膜を形成して、メタルマスクの耐久性を向上させようというものである。無電解ニッケルめっき法によると、還元剤中のりんやほう素がニッケル中に取り込まれて、合金として共析することで、めっき直後で700〜800HVの高硬度を得ることができる(なお、焼成処理をすることで、さらに硬度アップができるが、焼成処理は、開口座標の位置精度を狂わせるので、メタルマスクの製作に用いるのは一般的ではない)。
しかしながら、無電解ニッケルめっき法は、電気ニッケルめっき法よりと比べて、めっき液が高温であるため、管理が難しい。また、めっき液中の成分のうち、消耗品である金属塩や還元剤の残量を常時監視して補充をしなければならないため、ランニングコストが高い。さらに、めっき成長速度が電気ニッケルめっき法に比べて遅いので、メタルマスクの様な厚いニッケルめっき皮膜を得ることは、生産性の観点からすると難しいので、メタルマスクの製造に使用される場合には、専ら特許文献3のように、薄膜を形成用として、電気ニッケルめっき法との組み合わせで用いられており、不便があった。
特許第4670005号公報 特許第4512772号公報 特開2008−279762号公報
この発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、硬度が無電解ニッケルめっき法で作製されたものと同程度に高く、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れたメタルマスク、及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法であって、ニッケルめっき浴にアルキルアミンボランを0.17〜1.19mM添加する工程と、めっきの電流密度を1〜2ASDの範囲に設定して、平板の基材上に、Ni Bを含有するニッケルめっき皮膜を形成する工程と、前記めっき基材からメタルマスクを剥離する工程と、を含むことを特徴とするメタルマスクの製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のメタルマスクの製造方法において、前記アルキルアミンボランは、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、t-ブチルアミンボランのうちいずれか一種類以上である、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、平板のニッケルめっき皮膜を素材とし、前記ニッケルめっき皮膜はNi Bを含有し、最大応力が1590〜1630N/mm であり、めっき基材側の面の硬度が530〜800HVである、ことを特徴とするメタルマスクである。
請求項1、2に記載の発明によると、硬度が無電解ニッケルめっき法で作製されたものと同程度に高く、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れたメタルマスクを製造することが可能である。さらに、電気ニッケルめっき法は、無電解ニッケルめっき法に比べて短時間で厚いニッケルめっき皮膜を製造することができるので、10μm以上の厚さを必要とするメタルマスクの製造方法として優れている。また、電流密度によって、硬度を制御することで、単一のめっき浴で、多様な硬さに対応することができる。また、金属塩の濃度は殆ど変化せず、専らアルキルアミンボランだけ、濃度の監視と補充をすれば良いので、ランニングコスト低減にも効果がある。
以下、本発明の実施の形態について、説明をする。
本発明に係る電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法の製造工程は、めっき基材の表面処理(工程1)、感光性レジスト層の形成(工程2)、パターン形成(工程3)、アルキルアミンボラン添加(工程4)、電気めっき(工程5)、感光性レジスト除去(工程6)、めっき基材からのメタルマスク剥離(工程7)からなる。ここで、工程4は必ずしもこの位置ではなく、工程5の前であれば、工程1〜3の何れかの前に行ってもよい。以下、工程1〜7までの各工程について説明をする。
めっき基材の表面処理(工程1)
ニッケルめっき皮膜を析出させる基材は、ステンレス(SUS304等)の平板が使用される。表面処理は、バフによる研磨、酸やアルカリによる洗浄を行い、基材表面に付着した汚れや異物を除去する。
感光性レジスト層形成(工程2)
めっき基材の表面に感光性レジスト層を形成する。感光性レジストには、液状、ドライフィルム状のものがあり、層厚は概ね15〜100μmである。
パターン形成(工程3)
フォトリソグラフィ法により、工程2で形成された感光性レジストで、メタルマスクのパターン、すなわち開口パターン及びニッケルめっきを析出しない部分を基材上に形成する。パターン形成は、フォトマスクを使用する一括露光法、またはレーザまたはレンズにより集光した光をメタルマスクのパターンに合わせて照射する直描法により、感光性レジスト上にパターンを描き、炭酸ソーダなどのアルカリ液で未露光部分を除去して、メタルマスクのパターン部分を現像して行う。
アルキルアミンボラン添加(工程4)
めっき浴に、アルキルアミンボランを0.1〜3.0mM添加する。前述のとおり、この工程は、工程1〜工程4の前に行ってもよい。アルキルアミンボランは、アルキルアミンとボラン(BH)の錯体であり、ジメチルアミンボラン(CNH・BH)、トリメチルアミンボラン(CN・BH)、トリエチルアミンボラン(C14NH・BH)、t-ブチルアミンボラン(CNH・BH)などが使用される。
ここで、アルキルアミンボランの一つジメチルアミンボラン(DMAB)に含まれるほう素は、電気めっき中、次の反応機構によりニッケル中に共析したり(NiB)、加水分解してほう酸(HBO)に変化したりする。すなわち、めっき液中で、DMABが、ジメチルアミンとボランに分離した場合、ボランは単体では水中で不安定な分子であるため、式(2)のようにほう酸に加水分解する。この反応は、電気めっきを行わずに放置しておいた場合でも時間の経過とともに進行する。一方、一部のボランは、ほう酸にはならずに、式(1)のように、電気めっきによりニッケル中に共析される。つまり、ニッケル中に共析されるほう素は、ボランに由来するものである。そして、この反応機構から考えると、DMABのみではなく、他のアルキルアミンボランも、同様の反応や共析を起こすと類推される。一方、ボランの錯体以外のほう素化合物、例えばほう酸ではこの反応は起きないため、めっき浴に添加しても、ほう素がニッケル中に共析されることはない。さらに、めっき浴中に添加されたアルキルアミンボランのボラン分子は、電気めっきにより消費されるだけでなく、めっきをせずに、めっき浴が放置されていた場合でも、加水分解が進行して、時間の経過とともに減少する。
(ニッケル析出、ニッケル‐ほう素共析反応)
4Ni2++2(CH)NHBH+3HO→2Ni+NiB+HBO
+2(CH)+6H+1/2H (1)
(加水分解反応)
(CH)NHBH+3HO→HBO+(CH)+3H (2)
めっき液中のアルキルアミンボランの濃度は、よう素法により定量的に滴定分析をすることができる。そして、ニッケル中に共析したほう素は、ICP発光分光分析法や、吸光光度法により、定量分析をすることができる。
めっき浴は、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル(ワット浴)などのニッケル塩200〜600g/L、塩化ニッケル5〜40g/L、ほう酸やクエン酸などのpH安定剤10〜50g/L、界面活性剤5〜20ml/L、光沢剤0〜30ml/Lを主成分とする水溶液であり、めっき浴の温度は、40〜60℃に設定されている。
電気めっき開始(工程5)
めっき浴に基材を設置し、電流密度を設定して通電を開始する。ここで、電流密度は0.5〜3ASDが好ましい。後述するように、電流密度が変化すると、ニッケルに取り込まれるほう素の量が変化し、ニッケルめっき皮膜の硬度も変わるので、所望の硬度が得られるような電流密度に設定する。一般に、電流密度が高すぎると、ニッケルめっき皮膜の厚さのばらつきが大きくなり、低すぎると、メタルマスクの生産性が低下してしまうので、メタルマスクの板厚の要求精度と生産状況を考慮して、好適な値に設定する。そして、ニッケルめっき皮膜の膜厚ばらつきと、生産性を考慮すると、1〜2ASDが最適である。
感光性レジスト除去(工程6)
ニッケルめっき皮膜が形成された基材を、剥離液に一定時間以上浸漬して感光性レジストを除去する。
ニッケルめっき皮膜と基材を乾燥させた後、めっき基材からメタルマスクとなるニッケルめっき皮膜を剥離する(工程7)。
工程7の後、メタルマスクをスクリーン枠に張設して、メタルマスク版を完成させる。
(実施例1)
まず、基材はSUS304の平板を使用した。また、感光性レジストは、基材に40μmtの厚みでドライフィルムをラミネートした。レーザによる直描法と現像により、パターン形成をした。ここでパターンは、後述する硬度測定用の試験片(以下、「硬度試験片」という)、耐刷試験用の試験片(以下、「耐刷試験片」という)と、引張試験の試験片(以下、「引張試験片」という)の形状に形成した。めっき浴は、スルファミン酸ニッケル浴を使用し、めっき浴は、スルファミン酸ニッケル水溶液400g/L、ほう酸30g/L、光沢剤を5ml/L、界面活性剤10ml/Lを主成分とする水溶液であり、めっき浴の温度は40℃、電流密度は1.0ASDとした。添加するアルキルアミンボランは、DMABを使い、濃度を系統的に変化させた。
電気めっきにより30±1μmの厚さのニッケルめっき皮膜を形成して、耐刷試験片と引張試験片を作製した。
ここで、めっき浴中のDMABの濃度は、前述のとおり、通電や経時によって減少するため、電気めっき毎に前述のよう素法により定量分析をして、不足する分を添加して濃度調整を行ったり、液を新しいものに取り替えたりしてねらいの濃度にした。また、意図的に濃度を低下させたいときは、低電流でダミーの電解をかけたり、放置したりして、DMABの分解を促進した。
上記の試験片のうち、耐刷試験片は、長方形の平板形状をしており、面内に一定の間隔で、φ1.0mmの基準孔が2か所以上設けられている。
作製した試験片を耐刷試験機にセットし、耐刷試験を行った。耐刷試験機は、試験片に常時一定の張力を負荷しつつ、一定の圧力で繰り返しスキージングを行って、試験片が伸びる方向に負荷をかけることで、試験片を形成する素材がメタルマスクに使用された時の耐刷性を簡易的に評価するものである。耐刷性評価の判定は、2万回スキージングした後の基準孔間隔を測定して、その広がりが、従来技術(DMAB未添加)で作製した試験片に比べて、少ないかどうかにより判断した。
引張試験片は、万能試験機で引張試験を行って、ニッケルめっき皮膜の弾性率や最大応力の計測を行うためのものであり、細長い短冊状をしている。
さらに、ニッケルめっき皮膜の一部を切り取って、硬度測定用の試験片として、硬度測定を行った。ここで、以下の実施例では、硬度はニッケルめっき皮膜の基材側の面を測定した値と定義する。
表1に、DMABの濃度(mM)と、それに対応する硬度と、耐刷試験(伸び率)、引張試験(最大応力)の結果を記載した。
また、表中の判定は、ある硬度のニッケルめっき皮膜の耐刷試験と引張試験の結果を考慮して、当該硬度のニッケルめっき皮膜がメタルマスクの素材としての優劣を評価したものである。すなわち、従来技術で作製されたメタルマスク素材に比べて、伸び率が低く、かつ最大応力が高くなっており、連続印刷に対する耐久性が向上していると評価できるものを「優」の意味で◎とし、何れか一方のみが向上しているものを「良」の意味で○とした。
Figure 0005909749
(No.1)
DMABの濃度が0.00mMのときは、ここで作られたニッケルめっき皮膜は、前述の従来技術で作製されたものに当たる。以下、これを基準として評価を行う。
(No.2)
また、DMABの濃度が0.10mMのとき、硬度500HVであり、このときは硬度とともに、最大応力がNo.1を明確に上回ったが、伸び率からわかる耐刷性が、最大応力ほど明確に向上しなかったので、○と判定した。
(No.3〜No.7)
また、DMABの濃度が0.14〜1.19mMのとき、硬度は530〜790HVと増加しており、それに伴い伸び率と最大応力もNo.1と比べて明確に向上したので、◎と判定した。
(No.8〜10)
DMABの濃度が1.70〜2.30mMのときは、ニッケルめっき皮膜の硬度が860〜900HVであり、伸び率も低下したが、最大応力がNo.1と同程度以下となった。これは、ニッケルめっき皮膜の硬度が790〜900HVに上昇する間に、脆性化が進捗し、粘り強さが損なわれたためと考えられる。従って、当該硬度での評価は○とした。
なお、硬度が900HVを超えると、さらにニッケルめっき皮膜が脆くなり、メタルマスクに使用した場合、破断することが予想されるので、好ましくない。
ここで、No.9で得られたニッケルめっき皮膜の一部を、前述の吸光光度法で分析したところ、ニッケル中に1.4mg/gのほう素が検出された。従って、式(1)の反応により、実際にニッケルとほう素が共析しており、これにより硬くなっていることがわかる。
以上より、実施例1からは、電流密度が1ASDのときは、DMABの濃度は0.10〜2.3mMが有効であり、特に硬度530〜800HVを示す、0.14〜1.19mMが最も好ましい、という結果が得られた。
(実施例2)
この実施例2では、電流密度が2ASDであることと、DMABの濃度が一部異なる以外は、実施例1と同様な条件で電気ニッケルめっきを行い、硬度測定を行った。伸び率と最大応力は、専ら実施例1の結果から推測したが、推測が難しい臨界にあたるものについては、耐刷試験と引張試験を行い、評価をした。結果を表2に示す。
Figure 0005909749
(No.13〜18)
DMABの濃度が0.17〜1.7mMのとき、硬度と、No.3〜7の結果から、伸び率がNo.11より低く、最大応力は高いと類推されるので、◎とした。
(No.12、19)
0.10mMと、1.95mMのときは、耐刷試験と引張試験を行って、伸び率と最大応力を測定して、判定した。
(No.20)
DMABの濃度が3.00mMのときは、硬度とNo.10の結果から、伸び率はNo.11より低く、脆性化により最大応力は低下すると類推して、○と判定した。
以上より、実施例2からは、電流密度が2ASDのときは、DMABの濃度は0.10〜3.00mMが有効であり、特に硬度530〜800HVを示す、0.17〜1.95mMが最も好ましい、という結果が得られた。
(実施例3)
この実施例3では、電流密度が0.5ASDであることと、DMABの濃度が一部異なる以外は、実施例1と同様な条件で、電気ニッケルめっきを行い、硬度測定を行った。結果を表3に示す。
Figure 0005909749
(No.22)
DMAB濃度が0.10mMのとき、硬度とNo.2の結果から、伸び率はNo.21と同様だが、最大応力は高くなると類推できるので、○とした。
(No.23〜25)
DMAB濃度が0.17〜0.51mMのとき、硬度とNo.3〜7の結果から、伸び率、最大応力ともに、No.21より向上すると類推して、◎と判定した。
(No.26〜29)
DMAB濃度が0.85〜2.00mMのとき、硬度とNo.8〜10の結果から、伸び率はNo.21より低下するが、脆性化により最大応力が低下すると類推して○と判定した。
以上より、実施例3からは、電流密度が0.5ASDのときは、DMABの濃度は0.10〜2.00mMが有効であり、特に硬度570〜770HVを示す、0.17〜0.51mMが最も好ましい、という結果が得られた。
(実施例4)
この実施例4では、電流密度が3ASDであることと、DMABの濃度が一部異なる以外は、実施例1と同様な条件で、ニッケルめっき皮膜を作製し、硬度測定を行った。結果を表4に示す。
削除
Figure 0005909749
実施例4の結果は、実施例2と近いので、No.11〜20から類推して、DMABの濃度は0.10〜3.00mMが有効であり、特に0.17〜2.00mMが最も好ましい、という結果が得られた。
さらに、実施例1〜4から、電流密度が0.5〜2ASDの範囲では、DMAB濃度が同じ場合、電流密度を下げることでニッケルめっき皮膜の硬度が高くなるが、2ASD以上では変化はない、という結果が得られた。また、メタルマスクとして有効な硬度の範囲は概ね、500〜900HVであることがわかった。
ここで、前述したように、DMAB以外のアルキルアミンボラン、特に上に例示したものについては、反応式(1)〜(2)と類似した反応を経てほう素がニッケルと共析するので、それらを使用した場合でも、これと同様の結果が得られる。
以上の結果から、メタルマスクの製造条件としては、電流密度0.5〜3ASD、アルキルアミンボラン濃度0.10〜3.00mMが効果的であることが読み取れる。また、生産性とめっき皮膜の膜厚ばらつきを考慮すると、電流密度1〜2ASDとし、アルキルアミンボラン濃度0.17〜1.19mMが最適である。
また、目的に応じた所望の硬度を得ることができれば、これ以外のDMAB濃度や電流密度の組み合わせを用いても、同様な効果が得られる。
実施の形態によると、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたメタルマスクより硬度高く、無電解ニッケルめっき法に比べて、同程度の高硬度のニッケルめっき皮膜により、使用耐久性に優れ、長期間連続の印刷等に使用しうるメタルマスクを製造することが可能である。
さらに、電気ニッケルめっき法は、無電解ニッケルめっき法に比べて短時間で厚いニッケルめっき皮膜を製造することができるので、10μm以上の厚さを必要とするメタルマスクの製造方法として優れている。また、電流密度によって、硬度を制御することで、単一のめっき浴で、多様な硬さに対応することができる。また、通常の使用では金属塩の濃度は殆ど変化せず、濃度の監視と補充が必要なのはアルキルアミンボランだけなので、ランニングコスト低減にも効果がある。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に限られるものではなく、これと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。


Claims (3)

  1. 電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法であって、ニッケルめっき浴にアルキルアミンボランを0.17〜1.19mM添加する工程と、めっきの電流密度を1〜2ASDの範囲に設定して、平板の基材上に、Ni Bを含有するニッケルめっき皮膜を形成する工程と、前記めっき基材からメタルマスクを剥離する工程、を含むことを特徴とするメタルマスクの製造方法。
  2. 前記アルキルアミンボランは、ジメチルアミンボラン、トリメチルアミンボラン、トリエチルアミンボラン、t-ブチルアミンボランのうちいずれか一種類以上である、ことを特徴とする請求項1に記載のメタルマスクの製造方法。
  3. 平板のニッケルめっき皮膜を素材とし、前記ニッケルめっき皮膜はNi Bを含有し、最大応力が1590〜1630N/mm であり、めっき基材側の面の硬度が530〜800HVである、ことを特徴とするメタルマスク。
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