JP6930966B2 - 金を無電解めっきするためのめっき浴組成物、および金層を析出させる方法 - Google Patents

金を無電解めっきするためのめっき浴組成物、および金層を析出させる方法 Download PDF

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Description

本発明は、金層を基板上に無電解めっきするための無電解金めっき水浴組成物、および金を析出させる方法に関する。めっき浴は、プリント回路板、IC基板、半導体デバイス、ガラス製のインターポーザなどの製造において特に適している。
背景技術
金層は、電子部品の製造および半導体産業において非常に関心が高い。金層は、しばしば、プリント回路板、IC基板、半導体デバイスなどの製造において、はんだ付け可能かつ/またはワイヤーボンディング可能な表面として使用される。一般的に、金層は、はんだ付けおよびワイヤーボンディング前の最終的な仕上げとして使用される。銅線と銅線に結合されるワイヤとの間で十分な導電率の電気的接続および耐久性をもたらしつつワイヤーボンディングのために良好な強度をもたらすために、当技術分野において従来的に使用されている様々な層の集合体がある。とりわけ、無電解ニッケル無電解金(ENIG)、無電解ニッケル無電解パラジウム置換金(ENEPIG)、直接置換金(DIG)、無電解パラジウム置換金(EPIG)および無電解パラジウム自己触媒型金(EPAG)がある。これらの技術はしばらく前に確立されたものだが、依然として未解決の問題が多くある。このような問題は、金と銅線との間に置かれるニッケル層の腐食(ニッケル腐食)、および金めっき浴の不十分な安定性(これは、前記浴のコストを理由に非常に望ましくない)である。また、金層を十分なめっき速度で析出させ、製造プロセスを経済的に実施することが非常に望ましい。金層の別の望ましい特性はその光学的外観であり、この光学的外観はレモンイエローであるべきであり、金層の変色は容認され得ない。
今日では電気部品のサイズが非常に小さいため、基板に対して電気的接続を要する電解プロセスを使用することができない。したがって、無電解金属析出プロセス(無電解めっき)を使用する。概して、無電解めっきは、金属イオンを還元するために外部電源を使用することのない方法を表す。通常、外部電源を使用するめっきプロセスは、電解めっき法またはガルバニックめっき法として記載される。非金属表面を前処理して、これらを金属析出に対して受容性または触媒性にすることができる。全てまたは選択された一部の表面を適切に前処理することができる。無電解金属浴の主成分は、金属塩、還元剤、および任意の成分としての錯化剤、pH調整剤および添加剤、例えば安定化剤である。錯化剤(当技術分野ではキレート剤とも称される)は、析出される金属をキレート化するために、また金属が溶液から沈殿する(つまり水酸化物などとして)ことを防止するために使用される。キレート金属は、金属イオンを金属形態にする還元剤に利用可能な金属をもたらす。
金属析出のさらなる形態は置換めっきである。置換めっきは、外部電源および化学還元剤のどちらも使用することのない別の金属析出である。そのメカニズムは、下地基板からの金属を置換めっき溶液中に存在する金属イオンと置き換えることに基づく。このことは、置換めっきの明らかな欠点である。なぜなら、通常、より厚い層の析出は、層の多孔性により制限されているからである。
ほとんどの場合、無電解金めっき浴では、1つまたは両方のタイプの無電解めっきが使用される。還元剤をめっき浴に添加した場合であっても、置換型めっきが起こり得るが、その割合は著しく低減される。
本発明の文脈において、無電解めっきは(主に)、化学還元剤(本明細書では「還元剤」と称する)を用いた自己触媒型の析出であると理解される。
米国特許出願公開第2012/0129005号明細書(US2012/0129005A1)は、水溶性金化合物とアルキレンジアミン、ジアルキレントリアミンまたはその類似物とを含有する無電解金めっき浴を開示している。しかしながら、このような金めっき溶液には、十分な安定性およびめっき速度が欠落しており、したがって、産業上のプロセスにおいて適用可能ではない(例4参照)。
米国特許出願公開第2008/0138507号明細書(US2008/0138507A1)は、還元剤としてのアルデヒド化合物と、N置換エチレンジアミン誘導体、例えばN,N−ジメチルエチレンジアミンおよびN,N−ビス(メチロール)−エチレンジアミンとを使用する無電解金めっき浴を報告している。しかしここでも、この明細書中に記載されているめっき浴には、めっき速度および安定性が欠落している(例4参照)。一般的に、今日の産業上の要求に適うためには、金めっき浴が、150nm/h以上、好ましくは200nm/h以上または理想的には250nm/h以上のめっき速度を有すれば十分である。
発明の課題
本発明の課題は、金層を十分なめっき速度で析出可能な無電解金めっき水浴組成物を提供すること、および前記目的のための方法を提供することである。本発明の別の課題は、十分な安定性を有し、かつ長時間にわたり使用可能な無電解金めっき水浴を提供することである。
さらなる別の課題は、形成される金層が変色を示さないことである。
発明の概要
これらの課題は、本発明による無電解金めっき水浴により解決され、この無電解金めっき水浴は、少なくとも1種の金イオン源と金イオンのための少なくとも1種の還元剤とを含有し、式(I):
Figure 0006930966
(上記式中、残基RおよびRは、2〜12個の炭素原子を有し、かつ分枝鎖状のアルキル、非分枝鎖状のアルキル、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせから成る群より選択され、ここで残基RおよびRはそれぞれ、同じまたは異なる)
によるめっき促進剤化合物としての少なくとも1種のエチレンジアミン誘導体を含有することを特徴とする。
さらに、これらの課題を、上記のめっき浴から金層を析出させる方法、および少なくとも1種の金イオン源と金イオンのための少なくとも1種の還元剤とを含有する金めっき浴中での上記のめっき促進剤化合物の使用により解決することができる。
めっきすべき多数の銅パッドを載せた試験用基板を示す。層厚を測定する10箇所の異なるスポットも示されている(1〜10で目印を付けた円)。
発明の詳細な説明
本明細書において、式(I)によるエチレンジアミン誘導体は、めっき促進剤化合物を指すものとする。
式(I)
Figure 0006930966
によるめっき促進剤化合物は、残基RおよびRを有し、この残基RおよびRは、2〜12個の炭素原子を有し、かつ分枝鎖状のアルキル、非分枝鎖状のアルキル、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせから成る群より選択され、ここで残基RおよびRはそれぞれ、同じまたは異なる。
式(I)のめっき促進剤化合物中のアミン部分は第二級アミン部分である。本発明者等は、各ジアミンによって、またはRおよびRについてメチル残基を有するジアミン誘導体によっては、十分なめっき速度も十分に安定した金めっき浴も可能にならないことを発見した(例4参照)。
本発明の好ましい実施形態において、式(I)のめっき促進剤化合物の残基RおよびRは、2〜8個の炭素原子、より好ましくは2〜6個の炭素原子、さらにより好ましくは2〜4個の炭素原子を有する。
本発明の別の好ましい実施形態において、式(I)中の残基RおよびRは同じである。本発明のさらなる別の好ましい実施形態において、式(I)中のアルキル残基RおよびRは末端ヒドロキシ部分(−OH)を有しない。発明者等は、アルキル残基RおよびRに結合した末端ヒドロキシ部分がめっき浴の安定性に対して不利であることを発見したからである(例4参照)。本発明のさらなる別の好ましい実施形態において、式(I)中の残基RおよびRは末端第一級アミノ部分を有しない。発明者等は、残基RおよびRに結合した末端アミノ部分もめっき浴の安定性に対して不利であることを発見したからである(例4参照)。本発明の別のより好ましい実施形態において、残基RおよびRは、さらなるアミノ部分および/またはヒドロキシ部分を有しない。アルキル残基が置換基を有さず、かつ炭素原子および水素原子だけから成ることがさらにより好ましい。
めっき促進剤化合物を、以下のものから成る群より選択することが特に好ましい:N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジプロピルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジブチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジイソブチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ−tert−ブチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジペンチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジイソペンチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ−sec−ペンチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ−tert−ペンチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジネオペンチルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジヘキシルエタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(1−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(2−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(3−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(4−メチルペンチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(1,1−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(1,2−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(1,3−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(2,2−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン、N,N−ジ(2,3−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミンおよびN,N−ジ(3,3−ジメチルブチル)エタン−1,2−ジアミン。
およびRが、3〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル残基であることが最も好ましい。驚くべきことに、RおよびRについて3〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル残基を使用すると、さらにより改善された浴安定性とともに高いめっき速度が得られることが分かった(例5参照)。
本発明による無電解金めっき水浴における式(I)による少なくとも1種のめっき促進剤化合物の濃度は、好ましくは0.001〜1mol/L、より好ましくは10〜100mmol/L、さらにより好ましくは25〜75mmol/Lの範囲にある。1種より多くのめっき促進剤化合物が本発明による無電解金めっき水浴中に含有されている場合、濃度は、全てのめっき促進剤化合物の物質の合計量を基準とする。
本発明による無電解金めっき水浴は、水溶液と同義的に称される。「水溶液」という用語は、主要な液体媒体(これは溶液における媒体である)が水であることを意味する。水混和性のさらなる液体(例えばアルコール)および水混和性のその他の極性有機液体を添加することができる。基本的に、水溶液は50質量%超の水を含有する。
本発明による無電解めっき浴を、水性液体媒体中、好ましくは水中の全成分を溶解させることにより調製することができる。
本発明による無電解金めっき水浴は、少なくとも1種の金イオン源を含有する。金イオンは、Au、Au3+またはこれら両方の酸化状態のどれかであり得る。金イオン源は、前記酸化状態を有するあらゆる水溶性金塩であり得る。好ましくは、金イオン源は、シアン化金、シアン化金アンモニウム、シアン化金(I)アルカリ金属(シアン化金(I)カリウム、シアン化金(I)ナトリウム、三ナトリウム金二硫化物、三カリウム金二硫化物および三アンモニウム金二硫化物を含む)、チオ硫酸金、チオシアン酸金、硫酸金、塩化金および臭化金から成る群より選択される。好ましくは、金イオン源は、シアン化金(I)アルカリ金属であり、この塩を含有する溶液の形態でめっき水浴に添加され得る。本発明による無電解金めっき水浴における金イオンの濃度は、好ましくは0.1〜10g/L、より好ましくは0.3〜6g/Lの範囲にある。
無電解金めっき水浴は、さらに金イオンのための少なくとも1種の還元剤を含有する。金イオンのための還元剤は、好ましくは以下のものから成る群より選択される:脂肪族アルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、α−メチルバレルアルデヒド、β−メチルバレルアルデヒド、γ−メチルバレルアルデヒドなど;脂肪族ジアルデヒド、例えばグリオキサール、スクシンジアルデヒドなど;脂肪族不飽和アルデヒド、例えばクロトンアルデヒドなど;芳香族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o−トルアルデヒド、m−トルアルデヒド、p−トルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなど;アルデヒド基(−CHO)を有する糖、例えばグルコース、ガラクトース、マンノース、リボース、マルトース、ラクトースなど;およびホルムアルデヒドの前駆体、例えばウロトロピン、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)−5,5−ジメチルイミダゾリジン−2,4−ジオン(DMDMヒダントイン)、パラホルムアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸源およびグリコール酸。「グリオキシル酸源」という用語は、グリオキシル酸と、水溶液中でグリオキシル酸に転化可能なあらゆる化合物とを包含する。水溶液中において、酸を含有するアルデヒドは、その水和物と平衡状態にある。グリオキシル酸の適切な源は、ジハロ酢酸、例えばジクロロ酢酸であり、これは、水性媒体中で加水分解して、グリオキシル酸の水和物になる。グリオキシル酸の代替的な源はビサルファイト付加物、また加水分解性のエステルまたはその他の酸性誘導体である。ビサルファイト付加物は、本発明による無電解金めっき水浴に添加され得るか、またはその場で形成され得る。ビサルファイト付加物は、グリオキシレートと、ビサルファイト、サルファイトまたはメタビサルファイトのいずれかから生成され得る。ホルムアルデヒド、グリオキシル酸源およびグリオキシル酸が好ましく、ホルムアルデヒドが最も好ましい。
金イオンのための少なくとも1種の還元剤の濃度は、好ましくは0.0001〜0.5mol/L、より好ましくは0.001〜0.3mol/L、さらにより好ましくは0.005〜0.12mol/Lの範囲にある。
理論に縛られるものではないが、発明者等は優れた創意工夫により、特定のエチレンアミン誘導体、例えばトリエチレンテトラミンと、金イオンのための還元剤、例えばホルムアルデヒド(またはその酸化生成物であるギ酸)との反応生成物を形成することがあり、これにより、結果として沈殿とめっき速度の低下とがもたらされることを発見した。一般的な反応生成物は、例えばアミナール、エナミンおよびアミドの各誘導体である。したがって、本発明による無電解金めっき水浴中の金イオンのための還元剤に対する式(I)によるめっき促進剤化合物のモル比率を、0.5〜9、好ましくは0.8〜3.0、より好ましくは1.0〜2.0で選択することにより、可能な程度で不所望な反応生成物の形成を制限することが好ましい(例6参照)。式(I)による1種より多くのめっき促進剤化合物および/または金イオンのための1種より多くの還元剤を本発明による無電解金めっき水浴中で使用する場合、この比率は、それぞれの各化合物全ての物質の総質量を基準として計算される。
さらに、本発明による無電解金めっき水浴は、任意で少なくとも1種の錯化剤を含有する。本発明による無電解金めっき水浴中に存在する少なくとも1種の任意の錯化剤は、好ましくは、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、アミノホスホン酸または前述のものの塩から成る群より選択される。少なくとも1種の任意の錯化剤は、金イオンのための錯化剤と同様に、めっきの間に基板から溶解した金属イオン、例えばニッケルイオンまたは銅イオンのための錯化剤としても機能する。好ましいカルボン酸は、例えばシュウ酸またはその塩である。好ましいヒドロキシカルボン酸は、例えば酒石酸、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、グルコン酸および前述のものの塩である。好ましいアミノカルボン酸は、例えばグリシン、システイン、メチオニンおよび前述のものの塩である。好ましいアミノホスホン酸は、ニトリロトリ(メチルホスホン酸)(通常、ATMPと省略)、ジエチレントリアミンペンタキス(メチルホスホン酸)(通常、DTPMPと省略)およびエチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(通常、EDTMPと省略)である。また、全ての場合で、前記化合物のナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩も適している。少なくとも1種の任意の錯化剤の濃度は、好ましくは0.1〜50g/L、より好ましくは0.5〜30g/Lの範囲にある。
より好ましくは、本発明による無電解金めっき水浴は、2種の異なる錯化剤および/またはその塩、例えばヒドロキシカルボン酸またはその塩、およびアミノカルボン酸またはその塩を含有する。
本発明による無電解金めっき水浴は、任意で、タリウムイオン、ヒ素イオン、セレンイオンおよび鉛イオンから成る群より選択される結晶調整剤を含有する。このような結晶調整剤は、好ましくは、本発明による無電解金めっき水浴に、0.00001〜0.1g/Lの濃度範囲で添加される。前記イオンにとって有用な源は、それらの水溶性塩、例えば各硝酸塩、硫酸塩およびハロゲン化物であり得る。
本発明による無電解金めっき水浴は、任意で、シアン化物イオンの源、ヒダントインおよびそのアルキル誘導体、例えばアルキルヒダントインおよびジアルキルヒダントインから成る群より選択される少なくとも1種の安定化剤を含有し、ここで、この文脈におけるアルキル残基は、C〜Cのアルキル、好ましくはメチルを含み、このアルキル残基は、環状および/または脂環式の、分枝鎖状または非分枝鎖状の硫黄化合物、例えば2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、メルカプト酢酸、3−(2−ベンゾチアゾリルチオ)−1−プロパンスルホン酸、メルカプトコハク酸、チオ硫酸、チオグリコール、チオ尿素、チオリンゴ酸など、および芳香族窒素化合物、例えばベンゾトリアゾール、1,2,4−アミノトリアゾールなどであり得る。シアン化物イオンの適切な源は、あらゆる可溶性のシアン化物塩、例えばシアン化アルカリ金属(シアン化ナトリウム、シアン化カリウムを含む)であり得る。
任意の安定化剤の濃度を、その化学構造に応じて選択することができ、当業者であれば慣用の実験で特定することができる。任意の安定化剤の濃度は、好ましくは0.0000001〜0.2mol/Lの範囲にあり、この濃度は、より好ましくは0.000001〜0.1mol/Lの範囲にある。このような安定化剤を、従来のように無電解金めっき浴に添加して、その寿命を改善し、プレートアウトを防止する。
好ましい実施形態において、2種以上の安定化剤が使用される。より好ましくは、シアン化物イオンの源は0.0003〜5mmol/Lの濃度で、1種以上のヒダントインおよびそのアルキル誘導体は10〜100mmol/Lの濃度で、ならびに/または硫黄化合物は0.000001〜0.05mol/Lの濃度で選択される。
本発明の別の好ましい実施形態において、本発明による無電解金めっき水浴は、意図的に添加される還元可能な金属イオンの第二の源を含有せず(工業用原料中に通常存在する不純物の痕跡量は考慮しない)、純粋な金の析出物が形成されるのを可能にする。純粋な金の析出物は、柔軟で、展性であり、特にワイヤーボンディングおよびはんだ付けに適している。不純物の痕跡量は、工業用原料中に存在する化合物が1重量%以下であると理解される。
本発明による無電解金めっき水浴のpHは、好ましくは5〜9、より好ましくは6〜8、さらにより好ましくは6.5〜7.5の範囲にある。目標pH値は、例えば、ホスホン酸のような酸、または水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムのような塩基を使用することで調整される。pH値をめっきの間に連続的に制御および調整することは、これによりめっき浴の寿命も改善されるため、有利であり、したがって好ましい。
めっき速度を調整し、かつその安定性を改善するために、残基RおよびRを有する式(I):
Figure 0006930966
(残基RおよびRは、2〜12個の炭素原子を有し、かつ分枝鎖状のアルキル、非分枝鎖状のアルキル、シクロアルキルまたはこれらの組み合わせから成る群より選択され、ここで残基RおよびRはそれぞれ、同じまたは異なる)
のエチレンジアミン誘導体を金めっき水浴中で使用する。このような金めっき水浴は無電解金めっき浴であってよく、これは、置換型金めっき浴、自己触媒型金めっき浴、および自己触媒型めっきと置換型めっきとの混合物を使用した金めっき浴、ならびに電解めっき浴を含む。
好ましくは、めっき促進剤化合物を、無電解めっき浴、好ましくは少なくとも1種の金イオン源と金イオンのための少なくとも1種の還元剤とを含有する無電解めっき浴中で使用する。
金層を基板上に析出させる方法は、
(i)基板を用意する工程;
(ii)基板の表面の少なくとも一部と本発明による上記の金めっき水浴とを接触させる工程;
をこの順序で含み、これにより、金層を基板の表面の少なくとも一部に析出させる。
この接触は、好ましくは、基板または基板の表面の少なくとも一部をめっき浴中に浸漬することにより、またはめっき浴を基板上または基板の表面の少なくとも一部に噴霧することにより達成される。
基板の表面の少なくとも一部は、好ましくは金属または金属合金から成り、その場合、金が、ニッケル、ニッケル合金、例えばニッケルリン合金、ニッケルボロン合金、コバルト、コバルト合金、例えばコバルトリン合金、コバルトモリブデンリン合金、コバルトモリブデンボロン合金、コバルトモリブデンボロンリン合金、コバルトタングステンリン合金、コバルトタングステンボロン合金、コバルトタングステンボロンリン合金、パラジウム、パラジウム合金、例えばパラジウムリン合金、パラジウムボロン合金、銅および銅合金、ならびに金または金合金から成る群より選択される金属または金属合金から成る基板の表面の少なくとも一部に析出される。本発明による無電解金めっき水浴を、金層を金基板上に析出させるために使用することができ、また、例えば置換型金めっき浴から得られる既存の金層を厚くするために利用することができる。
当技術分野で知られているように、めっきの前に基板を前処理することができる。このような前処理は、主に有機汚染物を除去するための溶媒および/または界面活性剤を用いた洗浄工程、酸化物を除去するための酸および任意で酸化剤または還元剤を用いたエッチング工程、ならびに活性化工程を含む。後者の工程により、貴金属が表面または表面の一部に析出され、表面または表面の一部は、めっきのための受容性がより上がる。このような貴金属は、塩として析出可能なパラジウムであり得、これはそれから表面上で還元されて単体のパラジウムになる。または、これをコロイド形態で析出させることができ、必要に応じて、酸、例えば塩酸による促進工程に曝して、あらゆる保護コロイド、例えば錫コロイドを除去することができる。通常、このような活性層は、個別の層ではなく、島型構造のパラジウム集合体である。しかしながら、本発明の文脈において、活性層は金属基板であると考えられる。
本発明による無電解金めっき水浴の温度は、めっきの間、好ましくは30〜95℃、より好ましくは70〜90℃、さらにより好ましくは75〜85℃、なおさらにより好ましくは77〜84℃の範囲にある。めっき時間は、好ましくは1〜60分の範囲、より好ましくは5〜30分の範囲にある。しかしながら、より薄いまたはより厚い析出物が望まれる場合、めっき時間は、上記範囲外にあってよく、相応に調整され得る。
めっきの間に使用される成分を連続的にまたは一定間隔を置いて補給することが好ましい。このような成分は、とりわけ、金イオン源、金イオンのための還元剤、少なくとも1種の安定化剤およびめっき促進剤化合物である。必要に応じて、同様にpH値も連続的にまたは間隔を置いて調整することができる。
本発明による無電解金めっき水浴を、水平型、垂直型および噴霧式のめっき装置により使用することができる。
本発明による無電解金めっき水浴の安定性が当技術分野で公知の金めっき浴に比べて改善されていることは、本発明の利点である(例5参照)。本明細書において、安定性とは、浴からの化合物が沈殿(「プレートアウト」)して、浴がめっき目的で使用できなくなる前の浴寿命と理解されるものとする。
さらなる利点は、本発明による金めっき水浴により250nm/h以上の十分なめっき速度(経時的に析出されるめっき金属層の厚さ)が可能になることである(例1〜3および5参照)。当技術分野で公知のいくらか安定しためっき浴のほとんどでは、十分なめっき速度が可能にならない。
したがって、本発明による無電解金めっき水浴独自の特徴は、十分なめっき速度で非常に安定した金めっき浴を提供し、よってより経済的に実行できる金めっきプロセスを可能にすることである。
本発明による金めっき水浴により、僅かな層厚の違いを有する均一な金の析出物が形成される。金の層厚の標準偏差は、10%未満であるか、または8%未満でさえある。この僅かな偏差は、有利には、異なるサイズを有する様々な基板上にめっきを行う場合であっても、達成可能である。
さらに、以下の非限定的な実施例により本発明を説明する。
実施例
基本手順
Pallabond(登録商標)CLN、Pallabond(登録商標)ME、PallaBond(登録商標)Pre Dip、PallaBond(登録商標)AktivatorおよびPallaBond(登録商標)ACT V3 STDは、Atotech Deutschland GmbHより入手可能な製品である。全ての場合において、金イオン源はK[Au(CN)]であった。
0.25〜49mmの範囲にある異なるサイズの多数の銅パッドを両側に有するプリント回路試験板を、全ての試験において基板として使用した。これらの基板を、パラジウムによる活性化の前に、洗浄およびエッチングした。そして、パラジウムを銅表面上に析出させ、それから、その上に金層をめっきした。異なるパッド(ここで層厚を決定した)は図1に示されている。パッドはそれぞれ、以下の面積を有していた:1:0.25mm、2:0.52mm、3:0.68mm、4:0.97mm、5:1.33mm、6:1.35mm、7:3.3mm、8:6.7mm、9:25mm、10:49mm
金属析出物の厚さおよびめっき速度の特定
10個の銅パッドについて、試験板のそれぞれの側で析出厚を測定した。選択された銅パッドは異なるサイズを有しており、これらの銅パッドを用いて、XRF機器Fischerscope XDV−SDD(Helmut Fischer GmbH、ドイツ)でXRFにより層厚を特定する。析出物の構造が層状であると仮定することで、このようなXRFデータから層厚を計算することができる。得られた層厚を、前記層厚を得るために必要な時間で割ることによって、めっき速度を計算した。
層厚の均一性は、平均厚の値からの標準偏差として特定された。
例1(本発明):めっき促進剤化合物としてのN,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミン
以下の成分を含有する金めっき浴を、全成分を水に溶解させることで調製した:
Figure 0006930966
与えられたパラメーターを用いて基板を各溶液に浸漬することで、基板を以下のプロセス工程(表1)にかけた。
Figure 0006930966
このプロセス順序後に、各金属層の厚さを測定した。めっき速度を上記のように計算した。
Figure 0006930966
金層はレモンイエロー色であった。また、めっき速度は非常に高く、必要最小値である250nm/hを十分に上回っていた。層厚の分配も非常に均一であり、偏差は5.6%だけであった。
例2(本発明):めっき促進剤化合物としてのN,N−ジプロピルエタン−1,2−ジアミン
例1に記載したプロセスを繰り返し、その際、金めっき浴は、50mmol/LのN,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミンの代わりに、50mmol/LのN,N−ジプロピルエタン−1,2−ジアミンを含有していた。これらの結果は、以下の表に要約されている。
Figure 0006930966
金層はレモンイエロー色であった。また、めっき速度は非常に高く、必要最小値である250nm/hを上回っていた。層厚の分配も非常に均一であり、偏差は6.6%だけであった。
例3(本発明):めっき促進剤化合物としてのN,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミン
例1に記載したプロセスを繰り返し、その際、金めっき浴は、N,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミンの代わりに、N,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミンを含有していたが、濃度は同じであった。これらの結果は以下の表に要約されている。
Figure 0006930966
金層はレモンイエロー色であった。また、めっき速度は非常に高く、必要最小値である250nm/hを明らかに上回っていた。層厚の分配も非常に均一であり、偏差は6.4%だけであった。
例4(比較):その他のアミンの使用
例1に記載したプロセスを繰り返し、その際、金めっき浴は、N,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミンの代わりに、表5に載せたその他の化合物を含有していた。20分の金めっきについての結果が、この表に要約されている。
Figure 0006930966
アミノ部分を有する様々な化合物を試験した。各めっき速度が250nm/hという今日のめっき速度の工業的要求を満たすにはあまりに低かった場合、安定性試験を省略した。
化合物Aは、第三級アミン部分だけを有し、アルキル残基RおよびRを有していなかった。この化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用した場合、金めっきはほとんど生じなかった。また、金層は非常に不均一であり、層厚の標準偏差は58%であった。
化合物Bは、第一級および第三級アミノ部分だけを有する(メチル残基だけを有する)アルキレンジアミン誘導体であった。この化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用した場合、金めっきは非常に緩慢であった。また、金層は非常に不均一であり、層厚の標準偏差は53%であった。
化合物CおよびDは、第三級アミノ部分だけまたは1つだけの第二級アミノ部分を有するアルカノールアミンである。これらの化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用した場合、金めっきは緩慢であった。また、金層は非常に不均一であり、層厚の標準偏差は、化合物Cについては24%、化合物Dについては33%であった。
化合物EおよびFは、十分な長さのアルキル残基を有さず、これらの化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用した場合、めっきは緩慢であった。化合物EおよびFは、式(I)によるめっき促進剤化合物に類似した構造であるが、これらは、アルキル残基を全く有しないか、またはアルキル残基が短い。化合物Eの場合、金の層厚は不均一であり、14.4%の標準偏差を有し、一方で化合物Fの場合、偏差は6.4%であった。
化合物Gは2つの末端ヒドロキシ部分を有していた。この化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用する場合、めっき速度は高いものの、金めっき浴の安定性は不十分であった。1日経たないうちに、金めっき浴は取り返しのつかないほど劣化し、もはや金めっきのために使用することはできなかった。金の層厚の標準偏差は6.3%であった。
化合物Hは2つの末端第一級アミノ部分を有していた。この化合物をめっき促進剤化合物の代わりに金めっき浴中で使用した場合、めっき速度は十分に高いものの、金めっき浴の安定性は低かった。3時間以内に、金めっき浴は取り返しのつかないほど劣化した。金の層厚の標準偏差は8.5%であった。
要約すると、比較用化合物A〜Fによっては、これらの化合物を含有する金浴の十分なめっき速度は可能にならなかった。めっき速度は、常に200nm/h未満でさえあり、したがって、今日の工業上の要求には十分でなかった。
添加剤としての比較用化合物GおよびHにより、十分なめっき速度が与えられるが、各金めっき浴の安定性は満足のゆくものではなかった。
例5(本発明):金めっき浴の安定性および寿命
例1〜3の金めっき浴を使用して、より長時間、金を基板上に析出させた。金めっき浴の安定性およびめっき速度を経時的に監視した。プレートアウトが起こったら、溶液を濾過して、再利用した。実験の間に毎日、pH値を測定して、必要に応じてKOHおよび/またはHPOで7.1に調整した。めっきの間、金イオン源、シアン化物イオン源およびめっき促進剤化合物を連続的に補給した。
表6により、異なるめっき促進剤化合物を含有する金めっき浴の安定性に関する情報が提供される。めっき浴を、調製直後(0日)、および1週間にわたり、1日単位で目視により検査した。また、この試験期間の間に毎日、金めっき浴を使用して、金を基板上に析出させた。これらの結果は、表7に要約されている。この表に記載されている値は、20分のめっき後に得られる析出厚(ナノメートル)である。
Figure 0006930966
Figure 0006930966
直鎖状のめっき促進剤化合物であるN,N−ジエチルエタン−1,2−ジアミンおよびN,N−ジプロピルエタン−1,2−ジアミンの場合、僅かに沈殿が起こったものの、めっき浴はめっき速度の低下を起こすことなく、なおも金層を析出させることができた。分枝鎖状のめっき促進剤化合物であるN,N−ジイソプロピルエタン−1,2−ジアミンは、7日間にわたり沈殿を示さず、全試験時間にわたり良好なめっき速度をもたらした。したがって、分枝鎖状のアルキル残基を有するめっき促進剤化合物により浴の安定性が改善されると考えられる。
例6(本発明):金イオンのための還元剤に対するめっき促進剤化合物の比率
以下の成分を含有する金めっき浴を、水中で全成分を溶解させることで調製した。
Figure 0006930966
金めっき浴をKOH/HPOで7.1のpH値に調整した。基板を表1に記載の方法にかけ、ここで、無電解金めっき工程を10分間だけ実施した。
めっき促進剤化合物の量を増やしながら異なる金めっき浴を用いて、本方法を何度か繰り返し、ここで、金イオンのための還元剤の量を同水準に保った。これらの結果は、表8により示される。
Figure 0006930966
めっき促進剤化合物と金イオンのための還元剤とのモル比率が1または2〜1の範囲にある場合、最も高いめっき速度を得られることが分かる。さらに、めっき促進剤化合物の量を増加させると、めっき速度は低下した。
ここで開示されている本発明の明細書または実践を考慮すれば、本発明のその他の実施形態が当業者に明らかとなるであろう。この明細書および実施例は例示的なものにすぎないと見なされることが意図されており、本発明の真の範囲は、以下の請求項によってのみ定義される。

Claims (12)

  1. 少なくとも1種の金イオン源と金イオンのための少なくとも1種の還元剤とを含有する無電解金めっき水浴において、式(I):
    Figure 0006930966
    (上記式中、残基RおよびRは、それぞれ3〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル残基であり、ここで残基RおよびRはそれぞれ、同じまたは異なり、かつさらなるアミノ部分および/またはヒドロキシ部分も有しない)
    によるめっき促進剤化合物としての少なくとも1種のエチレンジアミン誘導体を含有することを特徴とする、前記無電解金めっき水浴。
  2. 式(I)中の残基RおよびRそれぞれ同じであることを特徴とする、請求項1記載の無電解金めっき水浴。
  3. 式(I)による少なくとも1種のめっき促進剤化合物の濃度が、0.001〜1mol/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項1または2記載の無電解金めっき水浴。
  4. 式(I)による少なくとも1種のめっき促進剤化合物の濃度が、10〜100mmol/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項3記載の無電解金めっき水浴。
  5. 金イオンのための少なくとも1種の還元剤が、脂肪族アルデヒド、脂肪族ジアルデヒド、脂肪族不飽和アルデヒド、芳香族アルデヒド、アルデヒド基を有する糖およびホルムアルデヒドの前駆体から成る群より選択されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴。
  6. 式(I)によるめっき促進剤化合物に対する還元剤のモル比率が、0.8〜3の範囲にあることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴。
  7. 前記無電解金めっき水浴のpHが5〜9の範囲にあることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴。
  8. 金イオンの濃度が0.1〜10g/Lの範囲にあることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴。
  9. 前記無電解金めっき水浴が、さらに、カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、アミノカルボン酸、アミノホスホン酸または前述のものの塩から成る群より選択される少なくとも1種の錯化剤を含有することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴。
  10. 金層を基板上に析出させる方法であって、
    (i)基板を用意する工程
    (ii)基板の表面の少なくとも一部と請求項1から9までのいずれか1項記載の無電解金めっき水浴とを接触させる工程
    をこの順序で含み、これにより、金層を基板の表面の少なくとも一部に析出させる、前記方法。
  11. 請求項10記載の金層を基板上に析出させる方法であって、前記表面の少なくとも一部が金属または金属合金から成り、前記金層が、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、パラジウム、パラジウム合金、銅および銅合金、ならびに金または金合金から成る群より選択される金属または金属合金から成る前記表面の少なくとも一部に析出される、前記方法。
  12. 少なくとも1種の金イオン源と金イオンのための少なくとも1種の還元剤とを含有する金めっき水浴中でのめっき促進剤化合物としての、残基RおよびRを有する式(I):
    Figure 0006930966
    (RおよびRは、それぞれ3〜6個の炭素原子を有する分枝鎖状のアルキル残基であり、ここで残基RおよびRはそれぞれ、同じまたは異なり、かつさらなるアミノ部分および/またはヒドロキシ部分も有しない)
    によるエチレンジアミン誘導体の使用。
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