JPH031382B2 - - Google Patents

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JPH031382B2
JPH031382B2 JP9655888A JP9655888A JPH031382B2 JP H031382 B2 JPH031382 B2 JP H031382B2 JP 9655888 A JP9655888 A JP 9655888A JP 9655888 A JP9655888 A JP 9655888A JP H031382 B2 JPH031382 B2 JP H031382B2
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JP
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plating
film
mol
plating solution
palladium
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JP9655888A
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JPH01268877A (ja
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Masaki Haga
Mamoru Uchida
Hidemi Nawafune
Shozo Mizumoto
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Ishihara Chemical Co Ltd
Original Assignee
Ishihara Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH01268877A publication Critical patent/JPH01268877A/ja
Publication of JPH031382B2 publication Critical patent/JPH031382B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C18/00Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating
    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
    • C23C18/31Coating with metals
    • C23C18/42Coating with noble metals
    • C23C18/44Coating with noble metals using reducing agents

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemically Coating (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、無電解パラジウムメツキ液に関す
る。 従来の技術及びその問題点 従来より電子部品の電気接点部分には耐食性が
高く電気的特性のすぐれた貴金属による表面被覆
を施すことが必要とされている。現在工業的には
金の電気メツキが多く採用されているが電気メツ
キでは微細で複雑な形状の電子部品に均一な厚さ
の被覆を施すことは困難である。 無電解メツキによれば均一な析出皮膜が得られ
るので、微細で複雑な形状の部品に応用できるこ
とに加えて、特に貴金属メツキにおける資源の節
約と経費節減の効果が大きいと期待される。しか
しながら、従来知られている無電解金メツキで
は、素地金属上に金の置換析出が生じるので、有
孔度が大きく密着性の劣る皮膜が形成され、電気
接点へ適用することはできない。 このため、金の代替として他の貴金属による表
面処理が種々検討され、また接点材料に限らず、
新しい機能材料として、貴金属の無電解メツキへ
の要望が高まつて来ており、特にパラジウムは白
金属の中でも最も安価であるため広い範囲での工
業的応用が期待されている。 従来、無電解パラジウムメツキ液としては、金
属源として2価のパラジウム塩、錯化剤としてア
ンモニア、安定剤としてエチレンジアミン四酢酸
またはその塩、還元剤としてヒドラジンを用いる
水溶液が代表的なものであつた。 しかしこの溶液は安定性が悪く、自然分解しや
すいため保存ができないという大きな欠点を有
し、また、前処理液のPdの持ち込みにより、す
ぐに分解するという欠点もある。しかもヒドラジ
ンを還元剤として使用する限り、長時間被メツキ
物をメツキ液に浸漬した場合に、メツキ液中の有
効成分がまだ少ししか消費されていないにもかか
わらず析出速度が著しく低下するという問題点が
存在する。更にメツキ液の安定性が悪いことか
ら、錯化剤であるアンモニアの濃度を高くするこ
とが必要であり、作業環境上好ましくないという
問題点もある。 また、2価のパラジウム塩、エチレンジアミン
四酢酸塩、エチレンジアミン、及び次亜リン酸ソ
ーダからなる無電解パラジウムメツキ液も知られ
ているが(特公昭46−26764)、このメツキ液も安
定性が悪く、短時間で分解するという欠点を有す
る。 更に、上記したメツキ液は、いずれも得られる
メツキ皮膜にクラツクが多く、ハンダ付け性が悪
いことから、電子部品へ適用することはできな
い。また、メツキ皮膜を厚付けするとメツキ速度
が著るしく遅くなるとともに、メツキ皮膜が黒色
化して外観が悪くなるという欠点もある。 本発明者は、上記した如き欠点を有しない無電
解パラジウムメツキ液として、a)パラジウム化
合物、b)アンモニア及びアミン化合物の少なく
とも1種、c)二価の硫黄を含有する有機化合
物、並びにd)次亜リン酸化合物及び水素化ホウ
素化合物の少なくとも1種、を必須成分として含
有するメツキ液についての発明を完成し、既に特
許出願を行なつた(特開昭62−124280号)。 該メツキ液は、安定性が良く、クラツクの殆ん
どない良好なメツキ皮膜を形成できるという利点
を有するものの、還元剤成分である次亜リン酸化
合物又は水素ホウ素化合物に由来するリン又はホ
ウ素がメツキ皮膜中に混入するという問題点を有
する。このようなリン又はホウ素が混入したパラ
ジウム皮膜は、純粋なパラジウム皮膜に比して触
媒能力が劣り、また融点も低いものとなる。この
ため、より純度の高いパラジウム皮膜を形成し得
る無電解パラジウムメツキ液が望まれる。 問題点を解決するための手段 本発明者は、上記した如き現状に鑑みて、工業
的規模においても実用可能であつて、しかも純度
の高いパラジウム皮膜を形成し得る無電解パラジ
ウムメツキ液を見出すべく鋭意研究を重ねてき
た。その結果、従来無電解メツキ液の還元剤とし
て工業的に利用されることのなかつた亜リン酸化
合物を還元剤として使用し、更に安定剤として、
アンモニア及びアミン化合物の少なくとも1種の
化合物と二価の硫黄を含有する有機化合物とを同
時に配合した無電解パラジウムメツキ液は、適度
な析出速度を有し、かつ安定性に優れたものであ
り、得られるメツキ皮膜は、クラツクの殆んどな
いハンダ付け性の良好なものであり、しかも、還
元剤に由来する不純物等の混入の殆んどない高純
度のパラジウム皮膜であることを見出し、ここに
本発明を完成するに至つた。 即ち、本発明は、 a パラジウム化合物0.0001〜0.5モル/ b アンモニア及びアミン化合物の少なくとも1
種0.001〜8モル/ c 二価の硫黄を含有する有機化合物1〜500
mg/、並びに d 亜リン酸及びその塩類の少なくとも1種
0.005〜2モル/ を含む水溶液からなることを特徴とする無電解パ
ラジウムメツキ液に係る。 本発明メツキ液では、Pdの供給源として塩化
パラジウム、塩化パラジウムナトリウム、塩化パ
ラジウムカリウム、塩化パラジウムアンモニウ
ム、硫酸パラジウム、硝酸パラジウム、酢酸パラ
ジウム、酸化パラジウム等のパラジウム化合物を
用いる。パラジウム化合物の濃度は0.0001〜0.5
モル/程度とし、好ましくは0.001〜0.1モル/
程度とする。0.0001モル/を下回る濃度で
は、メツキ皮膜の析出速度が遅くなるので実用的
ではなく、一方0.5モル/を上回る濃度では、
折出速度がより向上することはなく、更にメツキ
液の安定性を阻害することになるので好ましくな
い。 本発明メツキ液では、液の安定性を維持するた
めに、アンモニア及びアミン化合物の少なくとも
1種と、二価の硫黄を含有する有機化合物とを組
合せて用いることが必要である。アンモニア及び
アミン化合物はメツキ液中のPdと錯体を形成し
てこれらの成分を液中に安定に保持する作用を
し、液の安定化に寄与する。アンモニア及び/又
はアミン化合物の濃度は、0.001〜8モル/程
度とし、好ましくは0.01〜5モル/程度とす
る。アンモニアを単独で用いる場合には、メツキ
液の安定性向上のために0.075モル/程度以上
とすることがより好ましい。アンモニア及び/又
はアミン化合物の濃度が高いほど液の安定性は良
好になるが、上記範囲を上回る濃度では、不経済
であり、特にアンモニアを用いる場合には臭気等
により作業環境が悪くなるので好ましくない。ま
た、上記範囲を下回る濃度では液の安定性が低下
して、分解し易くなるので好ましくない。 本発明では、アミン化合物とは、アミノ酸類も
包含するものとする。本発明での使用に適するア
ミン化合物としては、具体的にはモノアミン類と
して、メチルアミン、エチルアミン、プロピルア
ミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジメ
チルエチルアミン、ベンジルアミン、2−ナフチ
ルアミン、イソブチルアミン、イソアミルアミン
等、ジアミン類として、メチレンジアミン、エチ
レンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタ
メチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等、
ポリアミン類として、ジエチレントリアミン、テ
トラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサ
ミン、ヘキサエチレンヘプタミン等、アミノ酸類
として、エチレンジアミン四酢酸又はそのナトリ
ウム塩、N−ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸
又はそのナトリウム塩、グリシン、N−メチルグ
リシン、ジメチルグリシン、イミノジ酢酸、ヒダ
ントイン酸、グリコシアミン等、イミダゾリン類
として、イミダゾリン、2−メチル−2−イミダ
ゾリン、2−フエニル−2−イミダゾリン、2−
ベンジル−2−イミダゾリン、1,2−ジフエニ
ル−2−イミダゾリン、2,4,5−トリフエニ
ル−2−イミダゾリン、2,2′−ビス(2−イミ
ダゾリン)、2−クロルメチル−2−イミダゾリ
ン等を例示できる。 本発明では、上記したアミン化合物及びアンモ
ニアの少なくとも1種を使用すればよいが、アン
モニアを単独で使用する場合には、メツキの初期
発生までの時間、即ち被メツキ物をメツキ液に浸
漬した後、メツキが付着しはじめるまでの時間が
長くなることがある。この様な場合は、アンモニ
アと上記したアミン化合物とを併用することによ
つて初期発生時間を短縮することができる。アミ
ン化合物はアンモニアと併用する場合には0.0005
モル/程度以上で初期発生時間を短縮する効果
がある。また、錯化剤として、アミン化合物を配
合したメツキ液では、メツキ皮膜の厚付けを行な
つた場合のメツキ皮膜の外観が特に良好になる。 本発明での使用に適する二価の硫黄を含有する
有機化合物としては、具体的には、 (CH33CSH,CH3(CH26CH(CH3)SH,
CH3(CH211SH,HSCH2COOH, HSCH2CH2COOH,
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】等のメルカプタン類; (C2H52S,(iso−C3H72S,
【式】 C6H5−S−C6H5,CH3−S−C6H5, HOOCCH2SCH2COOH, HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH等のスルフイド
類;(CH32S2,(C2H52S2, (C3H72S2,C6H5−S2−C6H5
【式】等のジ スルフイド類;
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】等のチアゾール類;
【式】
【式】 等を例示できる。これらの硫黄含有有機化合物は
単独又は適宜組み合わせて使用できる。硫黄含有
有機化合物の使用量は、1〜500mg/程度とし、
好ましくは5〜100mg/程度とする。硫黄含有
有機化合物の使用量が上記範囲を上回ると、メツ
キ皮膜の析出速度が低下し、また析出したメツキ
皮膜の外観も劣化するので好ましくない。また上
記範囲を下回る濃度では、メツキ液の安定性が不
充分となるので不適当である。 本発明メツキ液は、上記した様に、アンモニア
及び/又はアミン化合物と硫黄含有有機化合物と
を併用することを必須とするものであり、極めて
安定性に優れた工業的規模での使用に好適なメツ
キ液である。 本発明メツキ液では、Pdイオンを金属に還元
するための還元剤として、亜リン酸及びその塩類
の少なくとも1種を使用する。亜リン酸の塩類と
しては、例えば、アンモニウム塩、リチウム塩、
ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等を用
いることができ、正塩及び酸性塩のいずれでもよ
い。亜リン酸塩の具体例としては、 (NH42PHO3、(NH4)HPHO3、Li2PHO3
LiHPHO3、Na2PHO3、NaHPHO3、K2PHO3
KHPHO3、CaPHO3、CaH2(PHO32等を挙げる
ことができる。これらの亜リン酸及びその塩類
(以下、亜リン酸類という)は、良好なメツキ皮
膜を形成できないために、従来無電解メツキの還
元剤として工業的に用いられることはなかつた。
ところが、本発明では、前記した安定剤成分と亜
リン酸類とを特定の比率で組み合わせて用いるこ
とによつて、適度な析出速度を有し、かつ優れた
安定性を有する無電解パラジウムメツキ液が得ら
れた。しかも、形成されるメツキ皮膜中は、亜リ
ン酸類に由来するリンの混入が極めて少ない純度
の高い良好なパラジウム皮膜であつた。また、メ
ツキ時に生じる亜リン酸類の酸化物であるオルソ
リン酸は、除去が容易であり、メツキ液中への不
純物の蓄積を簡単に防ぐことができる。還元剤の
使用量は、0.005〜2.0モル/程度とし、好まし
くは0.01〜0.5モル/程度とする。使用量が
0.005モル/未満ではメツキが充分に析出せず、
一方2.0モル/を上回るとメツキ液が不安定に
なるので好ましくない。 本発明メツキ液は、上記した各成分を必須成分
とするものであり、極めて安定性に優れ、高純度
の良好なパラジウム皮膜を形成し得るものであ
る。 本発明メツキ液は、PH3〜10程度で用いること
が適当であり、このようなPH範囲において、析出
皮膜の応力が低下して、クラツクのほとんどない
メツキ皮膜を形成させることができる。得られる
メツキ皮膜は、ハンダのぬれ性が良く、ハンダ付
け性が良好となる。メツキ液のPH調整は、例えば
HC、H2SO4等の酸やNaOH等のアルカリ化合
物により行なえばよい。 本発明メツキ液は、10〜90℃という広い範囲の
温度においてメツキ可能であり、特に40〜80℃程
度の液温のときに、平滑で光沢のある最も良好な
メツキ皮膜が得られる。また、本発明メツキ液で
は、液温が高い程、メツキ皮膜の析出速度が速く
なる傾向があり、上記した温度範囲内で適宜温度
を設定することにより任意の析出速度とすること
ができる。 また、本発明メツキ液では、メツキ皮膜の析出
速度は、液温の他に、Pd濃度にも依存すること
から、Pd濃度を適宜設定することによつてもメ
ツキ皮膜の析出速度を調整できる。この様に本発
明メツキ液の析出速度は、液温とPd濃度とに依
存するが、他の成分の濃度やメツキ液のPHの変動
にはほとんど影響を受けないので、メツキ皮膜の
膜厚のコントロールが容易である。 本発明メツキ液によりメツキ処理を行なうに
は、前記した温度範囲内の液中に、Pd皮膜の還
元析出に対して触媒性のある基質を浸漬すればよ
い。触媒性のある基質としては、例えば、Fe、
Co、Ni、Cu、Sn、Ag、Au、Pt、Pd及びこれら
の合金等を示すことができる。また、樹脂、ガラ
ス、セラミツクス、タングステン等の触媒性のな
い基質であつても、例えば、センシタイジング−
アクチベータ法、キヤタリスト−アクセラレータ
ー法等の公知の方法で触媒性を付与することによ
つて、上記方法と同様にメツキ液中に浸漬してメ
ツキ処理を行なうことができる。 本発明メツキ液によるパラジウム皮膜の析出
は、自己触媒的に進行し、このため有孔度が小さ
く、しかも密着性の高い皮膜が得られる。 発明の効果 本発明無電解パラジウムメツキ液は、以下の様
な優れた特性を有する。 (イ) 極めて安定性に優れたメツキ液である。 (ロ) 得られるメツキ皮膜の外観が良好であり、膜
厚を厚くした場合にも良好な外観のメツキ皮膜
となる。 (ハ) メツキ皮膜へのリン又はホウ素の混入が極め
て少ない触媒活性の良好な高純度のパラジウム
皮膜が得られる。 (ニ) メツキ時に生じるオルソリン酸の除去が容易
であり、メツキ液中の不純物の蓄積を簡単に防
ぐことができる。 (ホ) 自己触媒性の析出であることから、析出皮膜
は有孔度が小さく耐食性が良好であり、また、
素地に対する密着性が良い。 (ヘ) 低アンモニア量でも、メツキ液の安定性が良
く、低アンモニア量で用いることによつて、ア
ンモニアの揮発を抑制することができる。また
アミン化合物を使用するメツキ液では、メツキ
作業中や保存中にアミン化合物が揮発すること
がない。このため、メツキ液の保存安定性が良
く、また作業環境も良好である。 (ト) 低温で析出可能であるため、作業性が良く、
アンモニア浴の場合にも、アンモニアの揮発が
少く、メツキ液の管理が容易である。 (チ) 析出速度は、金属濃度と液温にのみ依存し、
他の成分の濃度や液のPHには、ほとんど依存し
ないので、メツキ膜厚のコントロールが容易で
ある。 (リ) 得られるメツキ皮膜はクラツクが非常に少な
くハンダ付け性が良好であり、電子部品への応
用に適するものである。 (ヌ) PHを中性付近に設定することにより、使用で
きる被処理物、レジストインキ等の種類が多く
なり、またメツキ設備の材質としても多種類の
ものが使用できる。 本発明メツキ浴は、上記した様に優れた特性を
有するものであり、電子部品において高い信頼性
を要求される接点部品への応用や金メツキ皮膜の
長寿命化のための下地メツキ皮膜としての応用等
に極めて有用であり、更に、その他、特に耐食性
が要求される部品等に対して広く使用し得るもの
である。 実施例 以下実施例を示して本発明を更に詳細に示す。 実施例 1 下記組成メツキ液を調製した。 Γ PdC2 0.01モル/ Γ アンモニア(28%) 200ml/ (3.0モル/) Γ チオジグリコール酸 30mg/ Γ Na2HPO3 0.02モル/ 上記メツキ液をPH6に調整し、液温40℃、70℃
及び80℃の3通りで銅板にメツキを行なつた。メ
ツキ膜厚とメツキ時間との関係のグラフを第1図
に示す。 第1図から判る様に、析出速度は、液温40℃で
0.3μm/時間、70℃で1.3μm/時間、80℃で2.0μ
m/時間であり、時間と共にメツキ膜厚は直線的
に増加した。この事から、メツキ皮膜の析出が自
己触媒的に進行し、しかも析出速度の安定性が極
めて良好であることが判る。 得られたメツキ皮膜の折曲げテストを行なつた
結果、密着性は極めて良好であつた。また、6時
間メツキを行ない、厚付け皮膜を形成させた場合
にも、光沢銀白色の良好な外観の皮膜が得られ
た。 また、上記メツキ液の安定性を調べるために、
90℃への加熱、25℃での密閉保存、及び25℃での
開放保存を行なつた結果を第1表に示す。尚、比
較として、下記組成の従来浴についても同様に安
定性試験を行なつた。 Γ 従来浴 PdC2 5.4g/ アンモニア 350g/ EDTA・2Na 34g/ ヒドラジン 0.3g/ Γ 従来浴 PdC2 10.0g/ EDTA・2Na 19.0g/ エチレンジアミン 25.6g/ NaH2PO2 4.1g/
【表】 以上の結果から、本発明メツキ液の安定性は、
極めて優れたものであることが判る。 実施例 2 実施例1に示す本発明メツキ液を下記第2表に
示す各PH値に調製し(HC使用)、液温70℃で
銅板上に1μm厚にメツキ皮膜を形成させた。尚、
無調整のメツキ液はPH11.5であつた。得られたメ
ツキ皮膜の状態を走査型電子顕微鏡(3000倍)で
観察した後、下記の方法でハンダ付け性試験を行
なつた。結果を第2表に示す。 Γ ハンダ付け性試験 メツキ皮膜を形成した試料(25mm×25mm×0.3
mm)をロジンフラツクス(ロジン25%イソプロピ
ルアルコール溶液)に浸漬して前処理した後、メ
ニスコグラフ(フイリツプス社製)を使用し、
230℃で溶融した6/4ハンダ(スズ:鉛=6:
4)中に試料をハンダ面に垂直に12mmの深さまで
浸漬し、ハンダと試料面との接触角が90度になる
までの時間を測定してゼロクロスタイムとした
(MILL STD−883Bに準ずる)。ゼロクロスタイ
ムが短い程メツキ皮膜に対するハンダのねれ性が
良好であるといえる。次いで、ゼロクロスタイム
を測定した後の試料について、付着したハンダの
状態を観察し、ハンダの付着性を調べた。結果を
次の記号で示す。 ○……ハンダが均一に付着 △……一部不均一であるが浸漬面の98%以上にハ
ンダが付着 ×……ハンダの付着面が98%未満であり、付着状
態が不均一である。
【表】
【表】 実施例 3 下記組成メツキ液を調製した。 Γ PdC2 0.01モル/ Γ NH2CH2CH2NH2 0.08モル/ Γ チオジグリコール酸 30mg/ Γ Na2HPO3・H2O 0.02モル/ このメツキ液を塩酸でPH6に調整し、液温60℃
で銅板上にメツキを行なつた。その結果析出速度
は、1.30μm/hrであり、折出量と時間との間に
直線関係が認められ、自己触媒析出であることが
確認された。6時間連続してメツキを行ない厚付
けを行なつた結果、得られたメツキ皮膜の外観は
良好であつた。この試料をJIS−Z−2248に準じ
て曲げ試験を行なつたところ、異状はなく、メツ
キ皮膜の密着性は良好であつた。 また、上記メツキ液を90℃に加熱してもメツキ
液の分解が生じることはなく、また25℃で4ヵ月
密閉保存した場合にもメツキ液の分解は生じなか
つた。 実施例 4 実施例3に示すメツキ液を下記第3表に示す各
PH値にHCで調整し、液温70℃で、銅板上に1μ
m厚にメツキ皮膜を形成させた。得られた各メツ
キ皮膜について、実施例2と同様にして、メツキ
外観の観察及びハンダ付け性試験を行なつた。結
果を第3表に示す。
【表】 実施例 5 実施例3に示すメツキ液を下記第4表に示す各
PH値にHCで調整し、液温70℃で白金上に1時
間メツキを行なつた。得られた各メツキ皮膜につ
いて、下記方法により、皮膜中のリン含有率を測
定した。結果を第4表に示す。 尚、比較として、次亜リン酸ナトリウムを還元
剤とする下記組成の無電解パラジウムメツキ浴に
ついても同様にリン含有率を測定した。 Γ 比較浴 PdC2 0.01モル/ NH2CH2CH2NH2 0.08モル/ チオジグリコール酸 20mg/ NaH2PO2・H2O 0.06モル/ Γ リン含有率測定 メツキ皮膜を、濃硝酸で溶解し、高周波プラズ
マ発光分析を用いて、パラジウム析出量、リン析
出量を測定し、その重量百分率より、メツキ皮膜
のリン含有率を求めた。
【表】 実施例 6 下記組成メツキ液を調製した。 Γ PdC2 0.01モル/ Γ アミン化合物* 0.08モル/ Γ チオジグリコール酸 30mg/ Γ Na2HPO3・H2O 0.02モル/* アミン化合物としては、ジメチルアミン、ジ
メチルエチルアミン、メチレンジアミン、テトラ
メチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ペン
タエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチレン
ジアミン三酢酸、グリシン、イミダゾリン、及び
2−ベンジル−2−イミダゾリンを各々単独で用
いた。 これらのメツキ液を塩酸でPH6に調整し、液温
70℃で銅板上にメツキを行なつた。その結果、密
着性及び外観ともに良好な皮膜が形成された。ま
た得られたメツキ皮膜はクラツクがなく、ハンダ
付け性が良好であつた。更に、上記各メツキ液に
ついて、加熱時の安定性及び保存安定性を調べた
ところ良好な安定性を示した。 実施例 7 下記組成のメツキ液を調製した。 Γ PdC2 0.01モル/ Γ NH2CH2CH2NH2 0.08モル/ Γ 硫黄含有有機化合物* 30mg/ Γ Na2HPO3・H2O 0.02モル/* 硫黄含有有機化合物としては、
HSCH2COOH,
【式】 HOOCCH2CH2SCH2CH2COOH,(CH32S2
【式】及び
【式】を各々単独 で用いた。 これらのメツキ液を塩酸でPH6に調整し、液温
70℃で銅板上にメツキを行なつた。その結果、密
着性及び外観ともに良好な皮膜が形成された。ま
た得られたメツキ皮膜はクラツクがなく、ハンダ
付け性が良好であつた。更に、上記各メツキ液に
ついて、加熱時の安定性及び保存安定性を調べた
ところ良好な安定性を示した。 実施例 8 下記組成のメツキ液を調製した。 Γ PdC2 0.01モル/ Γ NH2CH2CH2NH2 0.08モル/ Γ チオジグリコール酸 30mg/ Γ 還元剤* 0.02モル/* 還元剤としては、亜リン酸アンモニウム、亜
リン酸リチウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸
カリウム及び亜リン酸カルシウムを各々単独で用
いた。 これらのメツキ液を塩酸でPH6に調整し、液温
70℃で銅板上にメツキを行なつた。その結果、密
着性及び外観ともに良好な皮膜が形成された。ま
た得られたメツキ皮膜はクラツクがなく、ハンダ
付け性が良好であつた。更に、上記各メツキ液に
ついて、加熱時の安定性及び保存安定性を調べた
ところ良好な安定性を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1のメツキ液において、メツ
キ時間と析出したメツキ皮膜の膜厚との関係を示
すグラフである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 a パラジウム化合物0.0001〜0.5モル/ b アンモニア及びアミン化合物の少なくとも1
    種0.001〜8モル/ c 二価の硫黄を含有する有機化合物1〜500
    mg/、並びに d 亜リン酸及びその塩類の少なくとも1種
    0.005〜2モル/ を含む水溶液からなることを特徴とする無電解パ
    ラジウムメツキ液。
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