JP2001131761A - 無電解銅めっき浴、無電解銅めっき方法および電子部品 - Google Patents

無電解銅めっき浴、無電解銅めっき方法および電子部品

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JP2001131761A
JP2001131761A JP31250699A JP31250699A JP2001131761A JP 2001131761 A JP2001131761 A JP 2001131761A JP 31250699 A JP31250699 A JP 31250699A JP 31250699 A JP31250699 A JP 31250699A JP 2001131761 A JP2001131761 A JP 2001131761A
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Ikushi Yoshida
育史 吉田
Tatsuo Kunishi
多通夫 国司
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Abstract

(57)【要約】 【課題】還元剤としてホルマリンを用いず、かつ、セラ
ミック材料や樹脂材料で形成された電子部品にも使用可
能な、弱酸性から弱アルカリ性の無電解銅めっき浴を提
供する。 【解決手段】2価の銅化合物と、2価の銅イオンの錯化
剤と、還元剤と、pH調整剤とを含有する無電解銅めっ
き浴において、還元剤としてアミンボランの誘導体また
はアミンボラン化合物を用い、さらに、めっき浴の安定
性を向上させる安定剤として亜硫酸と亜硫酸塩の少なく
とも一方を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無電解銅めっき浴
に関するもので、詳しくは、めっき浴の安定性を向上さ
せる安定剤として亜硫酸や亜硫酸塩を用いた無電解銅め
っき浴に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面が絶縁性の基体やスルーホール等を
有する異形状の基体に均一な膜厚の電極を形成する手法
として、無電解めっきが一般的に用いられる。この場
合、比較的安価なコストで形成でき、かつ、めっき皮膜
の導電性が良好である等の利点を有する無電解銅めっき
がしばしば用いられる。
【0003】無電解銅めっき浴は通常、2価の銅イオ
ン、2価の銅イオンの錯化剤、2価の銅イオンを析出さ
せるための還元剤、pH調整剤を含み、さらに、めっき
浴の安定性を向上させるための安定剤や、めっき皮膜の
特性改良のための界面活性剤等が添加される。無電解銅
めっきのメカニズムを簡単に説明すると、めっき浴中の
還元剤が銅の触媒作用によって酸化反応を起こし、それ
に応じて2価の銅イオンが還元されて銅めっき皮膜が析
出する。
【0004】上記無電解銅めっき浴として工業的に実用
化されているものは、ほとんどの場合、還元剤としてホ
ルマリンが使用されている。しかし、このホルマリンは
気化しやすく、強い臭気を有することから作業環境上好
ましくないという問題がある。また、ホルマリンはpH
11以上の強アルカリ性のもとでのみ還元剤としての活
性を有するため、強アルカリに対する耐性の弱いセラミ
ック材料や樹脂材料で形成された電子部品にめっきを行
う場合、電子部品が侵食されるという恐れがある。
【0005】そこで、ホルマリン以外の還元剤として、
ジメチルアミンボラン、ヒドラジン、次亜リン酸、グリ
オキシル酸等を用いた無電解銅めっき浴が提案されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ホ
ルマリン以外の還元剤を用いた無電解銅めっき浴には次
のような問題があった。すなわち、ジメチルアミンボラ
ンとヒドラジンは、その還元力が強大であるため、めっ
き浴の安定を維持することが困難である。次亜リン酸に
ついては、銅が次亜リン酸に対する触媒活性を有さない
ため、銅めっきを析出させるためには次亜リン酸に対し
て触媒活性を有するニッケルやコバルトを添加する必要
がある。しかし、ニッケルやコバルトを添加した場合、
得られためっき皮膜中にそれらの添加金属やリンが含有
されるという問題がある。グリオキシル酸は銅の不均化
反応によって消費されやすく、副生成物であるシュウ酸
が難溶塩を生じるため、めっき浴に悪影響を与える。ま
た、グリオキシル酸はホルマリンと同様、pH11以上
の強アルカリ性のもとでなくては還元剤としての活性を
有さないため、強アルカリに対する耐性の弱いセラミッ
ク材料や樹脂材料で形成された電子部品に使用するのに
は問題がある。
【0007】以上のような理由から、ホルマリン以外の
還元剤を用いた無電解銅めっき浴はいずれも実用化には
至っていなかった。
【0008】そこで本発明は、還元剤として作業環境上
好ましくないホルマリンを用いず、また、セラミック材
料や樹脂材料で形成された電子部品にも使用可能な、弱
酸性から弱アルカリ性の無電解銅めっき浴を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、2価の銅化合
物と、2価の銅イオンの錯化剤と、還元剤と、pH調整
剤とを含有する無電解銅めっき浴において、還元剤とし
てアミンボランの誘導体やアミンボラン化合物を用い、
さらに、めっき浴の安定性を向上させる安定剤として亜
硫酸と亜硫酸塩の少なくとも一方を添加することを特徴
とする。
【0010】還元剤としてアミンボランの誘導体やアミ
ンボラン化合物を用いるのは、これらがpH6〜10.
5の弱酸性から弱アルカリ性領域においても銅の還元剤
としての活性を有するためである。すなわち、発明者ら
は、アミンボランの誘導体やアミンボラン化合物がpH
6の弱酸性付近から銅の触媒作用によって酸化反応を起
こし、pH8.5〜9.5の弱アルカリ性領域で、pH1
2の強アルカリ下におけるホルマリンに匹敵する酸化反
応速度を有することを電気化学的分極測定により明らか
にした。このように、還元剤としてアミンボランの誘導
体またはアミンボラン化合物を用いた無電解めっき浴は
弱酸性から弱アルカリ性領域において使用可能であるた
め、強アルカリに対する耐性の弱いセラミック材料や樹
脂材料で基体が形成された電子部品にも問題なく使用す
ることができる。
【0011】しかし、上述のように、ジメチルアミンボ
ランをはじめとするアミンボランの誘導体やアミンボラ
ン化合物体は、強力な還元力を有するため、めっき浴の
安定を維持することが困難という問題を有している。
【0012】通常めっき浴の安定性を向上させるために
は、チオ尿素、チオ硫酸、チオ硫酸塩、2−メルカプト
ベンゾチアゾールをはじめとする硫黄化合物や、1,
2,4−ベンゾトリアゾール、2,2’−ジピリジル、
1,10−フェナントロリン、フェロシアン化カリウム
をはじめとする窒素化合物や、ヨウ化ナトリウム、ヨウ
化カリウムをはじめとするヨウ素化合物等の安定剤を添
加する。これらの安定剤は、めっき浴中に生成した1価
の銅イオンや銅微粉末に吸着し、それら1価の銅イオン
や銅微粉末の還元剤に対する触媒活性を低下させること
によって、めっき浴の安定性を向上させる働きがある。
ところが、アミンボランの誘導体やアミンボラン化合物
を還元剤として用いた無電解めっき浴では、これらの安
定剤を添加してもほとんど効果が得られない。これは以
下の理由によるものと考えられる。アミンボランの誘導
体やアミンボラン化合物は窒素化合物の一種であるた
め、自身が上記安定剤と同様に1価の銅イオンや銅微粉
末に吸着しやすいという性質を有する。しかも、アミン
ボランの誘導体やアミンボラン化合物は上述のように強
力な還元力を有するため、2価の銅イオンを還元して析
出させるという本来の目的に加えて、1価の銅イオンを
直接還元させたり、銅微粉末の触媒作用に応じて酸化反
応を起こしたりしやすい。したがって、上記硫黄化合物
や窒素化合物やヨウ素化合物の安定剤が1価の銅イオン
や銅微粉末のアミンボランの誘導体やアミンボラン化合
物に対する触媒活性を低下させる効果はほとんど得られ
ないこととなり、めっき浴は容易に分解する。
【0013】以上のことから、アミンボランの誘導体や
アミンボラン化合物を還元剤として用いた無電解めっき
浴の浴安定性を向上させるためには、アミンボランの誘
導体やアミンボラン化合物の還元力を低下させる、すな
わちアミンボランの誘導体やアミンボラン化合物の酸化
反応を抑制することが必要となる。本発明者らは鋭意研
究の結果、亜硫酸や亜硫酸塩がアミンボランの誘導体や
アミンボラン化合物の酸化反応を抑制する効果があるこ
とを見出した。そして、亜硫酸や亜硫酸塩を安定剤とし
て添加することで、アミンボランの誘導体やアミンボラ
ン化合物が1価の銅イオンを直接還元させる反応や、銅
微粉末の触媒作用に応じたアミンボランの誘導体やアミ
ンボラン化合物の酸化反応を抑制し、アミンボランの誘
導体やアミンボラン化合物を還元剤として用いた無電解
銅めっき浴の浴安定性を飛躍的に向上させるに至った。
【0014】また、亜硫酸や亜硫酸塩の安定剤に加え
て、通常のめっき浴に用いられるチオ尿素、チオ硫酸、
チオ硫酸塩、2−メルカプトベンゾチアゾールをはじめ
とする硫黄化合物や、1,2,4−ベンゾトリアゾー
ル、2,2’−ジピリジル、1,10−フェナントロリ
ン、フェロシアン化カリウムをはじめとする窒素化合物
や、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムをはじめとする
ヨウ素化合物等を第二安定剤として添加すると、めっき
浴の安定性がさらに向上する。上述のように、これらの
安定剤はアミンボランの誘導体やアミンボラン化合物を
還元剤として用いた無電解めっき浴に用いても安定剤と
しての役割をほとんど果たさなかったが、亜硫酸や亜硫
酸塩を安定剤として添加することでアミンボランの誘導
体やアミンボラン化合物の酸化反応が抑制され、1価の
銅イオンや銅微粉末に吸着し、それら1価の銅イオンや
銅微粉末の還元剤に対する触媒活性を低下させるという
本来の安定剤としての効果が発揮できるためであると考
えられる。
【0015】
【発明の実施の形態】本実施例における無電解銅めっき
浴は、2価の銅化合物、2価の銅イオンの錯化剤、還元
剤、pH調整剤、および、めっき浴の安定性を向上させ
る安定剤を含有し、界面活性剤が必要に応じて添加され
ている。
【0016】2価の銅化合物は、2価の銅イオンを供給
できるものであればよく、例えば、硫酸銅、塩化第二
銅、硝酸銅等を用いることができる。めっき浴中の2価
の銅イオン濃度は、0.001〜0.2mol/Lと
し、より好ましくは0.01〜0.05mol/Lとす
る。
【0017】2価の銅イオンの錯化剤には、酒石酸やク
エン酸等のジカルボン酸や、エチレンジアミン、エチレ
ンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のア
ミン系窒素化合物等を用いることができる。これらの錯
化剤の中でも、特にエチレンジアミン四酢酸やその化合
物が好ましい。エチレンジアミン四酢酸やその化合物を
錯化剤として加えた場合、めっき浴の長期安定性とめっ
き皮膜の析出速度が特に良好となるためである。なお、
めっき浴中の錯化剤の濃度は、2価の銅イオン濃度の2
〜10倍程度とする。
【0018】還元剤にはアミンボランの誘導体やアミン
ボラン化合物を用いることができるが、取り扱いが容易
でコストが安いことから、ジメチルアミンボランが特に
好ましいと考えられる。
【0019】安定剤には亜硫酸と亜硫酸塩の少なくとも
一方を用いることができる。亜硫酸や亜硫酸塩は上述の
ようにアミンボランの酸化反応を抑制する効果があるこ
とが明らかになったためである。具体的には、亜硫酸と
しては亜硫酸水を、亜硫酸塩としては亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム等を用いるこ
とができる。
【0020】なお、上記亜硫酸や亜硫酸塩の安定剤を加
えるのみでも、実用上十分な安定性を有するめっき浴が
得られるが、浴安定性をより向上させるためには、さら
に第二安定剤としてチオ尿素、チオ硫酸、チオ硫酸塩、
2−メルカプトベンゾチアゾールをはじめとする硫黄化
合物、1,2,4−ベンゾトリアゾール、2,2’−ジ
ピリジル、1,10−フェナントロリン、フェロシアン
化カリウムをはじめとする窒素化合物、または、ヨウ化
ナトリウム、ヨウ化カリウムをはじめとするヨウ素化合
物のうちから少なくとも一つ以上を1〜500mg/L
添加することもできる。
【0021】pH調整剤には、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、硫酸、塩
酸等を用いることができ、めっき浴のpHを6〜10.
5に調節する。このように、めっき浴が弱酸性から弱ア
ルカリ性の間であれば、強アルカリに対する耐性の弱い
セラミック材料や樹脂材料で基体が形成された電子部品
にめっきを施す場合にも、これらの基体を侵食する恐れ
がない。また、pHが低いとめっき皮膜の析出速度が低
下し、高いとめっき浴の安定性が悪くなること、およ
び、アミンボランはpH8.5〜9.5の弱アルカリ性
領域で酸化反応速度が最も早くなることなどを勘案する
と、最も好ましいpHは7〜9.5付近であると言え
る。
【0022】さらに、めっき皮膜の特性改良のために、
ノニオン性、アニオン性、カチオン性、または両性の界
面活性剤を適宜添加してもよい。界面活性剤の添加量は
0.05〜5g/L程度が好ましい。
【0023】
【実施例】(実施例1)表1に示す無電解銅めっき浴
(実施例1〜6、比較例1)を作製した。アルミナ基板
を洗浄後、塩化スズ溶液と塩化パラジウム溶液を用いて
活性化処理したものを用意し、前記めっき浴に浸漬して
無電解銅めっきを行った。めっき処理は、回転子を用い
て連続的にめっき浴を攪拌しながら1時間の処理を行っ
た。
【0024】前記めっき浴の安定性をそれぞれ(◎:非
常に安定、○:安定、△:比較的安定、×:不安定で建
浴直後に分解)として評価し、めっき皮膜の析出速度お
よびめっき皮膜の比抵抗を測定した。実施例2、4、
6、比較例1については、さらにAg/AgCl電極を
基準としてジメチルアミンボランの酸化電位を測定し
た。
【0025】
【表1】
【0026】表1からも明らかなように、亜硫酸ナトリ
ウムを添加しなかった比較例1はめっき浴が不安定で建
浴直後に分解したのに対し、実施例1〜6のように安定
剤として亜硫酸ナトリウムを添加しためっき浴は、比較
例1と比べて浴安定性が優れていることがわかる。ま
た、めっき浴中の亜硫酸ナトリウムの濃度は、少なくと
も0.005〜0.5mol/Lの範囲内であればめっ
き浴を安定させる効果が得られると考えられる。亜硫酸
ナトリウムの濃度が0.005mol/Lよりも低けれ
ば、めっき浴の安定性向上にあまり効果がないと考えら
れ、0.5mol/Lよりも高ければ、めっきの析出速
度が非常に遅くめっきが析出しにくいためである。さら
に、工業的な実用上十分なめっき浴の安定性とめっきの
析出しやすさを得るためには、亜硫酸ナトリウムの濃度
は0.01〜0.2mol/Lが最も好ましいと言え
る。また、安定剤として亜硫酸を用いた場合にも同様の
濃度範囲で最も効果が得られると考えられる。
【0027】次に、実施例2、4、6および比較例1を
比較すると、亜硫酸ナトリウムの添加量が増えるにつれ
てアミンボランの酸化電位が貴な電位にシフトしてい
る、すなわち、アミンボランの酸化反応が抑制されてい
ることが確認できる。つまり、亜硫酸ナトリウムの添加
によってアミンボランの還元力が低下し、その結果めっ
き浴の安定性が向上しているものと考えられる。
【0028】(実施例2)表2に示す無電解銅めっき浴
(実施例7〜10)を作製し、上記実施例1の場合と同
様の方法で無電解銅めっきを行った。さらに、前記めっ
き浴の安定性をそれぞれ(◎:非常に安定、○:安定、
△:比較的安定、×:不安定で建浴直後に分解)として
評価し、めっき皮膜の析出速度およびめっき皮膜の比抵
抗を測定した
【0029】
【表2】
【0030】還元剤であるジメチルアミンボランのめっ
き浴中の濃度は、0.005〜0.5mol/L程度が
適当であると考えられる。表2から、ジメチルアミンボ
ランの濃度が高くなる程めっき浴の安定性は低下し、低
くなる程めっき皮膜の析出速度は遅くなる傾向が読み取
れるように、ジメチルアミンボランの濃度が0.5mo
l/Lよりも高くなれば、めっき浴が容易に分解し、
0.005mol/Lよりも低くなれば、めっき皮膜の
析出速度が遅く、工業的な無電解銅めっきを行うのが困
難になるためである。さらに、工業的な実用上十分なめ
っき浴の安定性とめっきの析出しやすさを得るために
は、ジメチルアミンボランの濃度は0.02〜0.15
mol/Lが最適であると言える。
【0031】(実施例3)表3に示す無電解銅めっき浴
(実施例11、12、比較例2、3)を作製し、上記実
施例1の場合と同様の方法で無電解銅めっきを行った。
さらに、前記めっき浴の安定性をそれぞれ(◎:非常に
安定、○:安定、△:比較的安定、×:不安定で建浴直
後に分解)として評価し、めっき皮膜の析出速度および
めっき皮膜の比抵抗を測定した
【0032】
【表3】
【0033】表3から明らかなように、実施例11、1
2のように安定剤として亜硫酸ナトリウムを添加した場
合には、さらに第二安定剤として2,2’−ジピリジル
を添加することでめっき浴の安定性がさらに向上してい
る。一方、比較例2、3のように亜硫酸ナトリウムを添
加していない場合には、2,2’−ジピリジルを添加し
てもめっき浴は不安なままで、2,2’−ジピリジルの
安定剤としての効果は得られない。
【0034】(実施例4)表4に示す無電解銅めっき浴
(実施例13、比較例4)を作製した。エポキシ基板を
洗浄後、塩化スズ溶液と塩化パラジウム溶液を用いて活
性化処理したものを用意し、前記めっき浴に浸漬して無
電解銅めっきを行った。めっき処理は、回転子を用いて
連続的にめっき浴を攪拌しながら1時間の処理を行っ
た。
【0035】
【表4】
【0036】表4からも明らかなように、実施例13の
ように還元剤としてジメチルアミンボランを、安定剤と
して亜硫酸ナトリウムを添加しためっき浴は、pH8.
5の弱アルカリ性においてジメチルアミンボランが銅の
還元剤としての活性を有するため、エポキシ基板が膨潤
することなく析出速度、比抵抗ともに良好なめっき皮膜
が得られた。これに対し、還元剤としてホルマリンを、
安定剤として従来の安定剤である2,2’−ジピリジル
を添加した比較例4では、pH12.5の強アルカリ性
下でしかホルマリンが銅の還元剤としての活性を有しな
いため、エポキシ基板が膨潤し損傷が生じていることが
わかる。
【0037】以上のように、本発明では還元剤としてア
ミンボランの誘導体またはアミンボラン化合物を用いた
無電解銅めっき浴において、安定剤として亜硫酸または
亜硫酸塩を添加したことで、めっき浴のpHが7〜9.
5付近で、工業的な実用上十分な安定性を有するめっき
浴と、十分な析出速度と比抵抗のめっき皮膜をることが
できた。
【0038】また、本発明における無電解銅めっき浴に
基体を浸漬し無電解めっきを行うことで、基体表面に外
部電極として銅電極を有する電子部品を得ることができ
る。さらに、本発明におけるめっき浴は弱酸性から弱ア
ルカリ性領域で使用可能であるため、基体がセラミック
材料や樹脂材料で形成された電子部品に外部電極を形成
する場合にもこれらの基体が侵食される恐れがない。な
お、本発明は誘電体共振器をはじめとする電子部品全般
に適用することができる。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、還元剤と
してアミンボランの誘導体やアミンボラン化合物を添加
し、安定剤として亜硫酸や亜硫酸塩を添加したため、還
元剤として作業環境上好ましくないホルマリンを用い
ず、かつ、セラミック材料や樹脂材料で形成された電子
部品にも使用可能な、弱酸性から弱アルカリ性の無電解
銅めっき浴を得ることができた。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2価の銅化合物と、2価の銅イオンの錯化
    剤と、還元剤と、pH調整剤とを含有する無電解銅めっ
    き浴において、 めっき浴の安定性を向上させる安定剤として亜硫酸と亜
    硫酸塩の少なくとも一方を添加したことを特徴とする無
    電解銅めっき浴。
  2. 【請求項2】前記還元剤がアミンボランの誘導体または
    アミンボラン化合物であることを特徴とする、請求項1
    に記載の無電解銅めっき浴。
  3. 【請求項3】前記めっき浴はpH6〜10.5であるこ
    とを特徴とする、請求項1または2に記載の無電解銅め
    っき浴。
  4. 【請求項4】前記安定剤に加えて、硫黄化合物、窒素化
    合物、ヨウ素化合物のうちの少なくとも1つを第二安定
    剤としてさらに添加したことを特徴とする、請求項1な
    いし3に記載の無電解銅めっき浴。
  5. 【請求項5】前記硫黄化合物が、チオ尿素、チオ硫酸、
    チオ硫酸塩および2−メルカプトベンゾチアゾールから
    選ばれる化合物であることを特徴とする、請求項4に記
    載の無電解銅めっき浴。
  6. 【請求項6】前記窒素化合物が、1,2,4−ベンゾト
    リアゾール、2,2’−ジピリジル、1,10−フェナ
    ントロリンおよびフェロシアン化カリウムから選ばれる
    化合物であることを特徴とする、請求項4に記載の無電
    解銅めっき浴。
  7. 【請求項7】前記ヨウ素化合物が、ヨウ化ナトリウムお
    よびヨウ化カリウムから選ばれる化合物であることを特
    徴とする、請求項4に記載の無電解銅めっき浴。
  8. 【請求項8】前記安定剤である亜硫酸または亜硫酸塩の
    濃度が、0.005〜0.5mol/Lであることを特
    徴とする、請求項1ないし7に記載の無電解銅めっき
    浴。
  9. 【請求項9】前記安定剤である亜硫酸または亜硫酸塩の
    濃度が、0.01〜0.2mol/Lであることを特徴
    とする、請求項1ないし7に記載の無電解銅めっき浴。
  10. 【請求項10】基体を請求項1ないし9に記載の無電解
    銅めっき浴に浸漬する工程と、基体表面に無電解銅めっ
    きを施す工程とを有する無電解銅めっき方法。
  11. 【請求項11】前記基体が、セラミック材料または樹脂
    材料で形成されていることを特徴とする、請求項10に
    記載の無電解銅めっき方法。
  12. 【請求項12】基体表面に銅電極が形成されてなる電子
    部品において、 前記銅電極は、請求項10に記載の無電解銅めっき方法
    を用いて形成されたことを特徴とする電子部品。
  13. 【請求項13】前記基体が、セラミック材料または樹脂
    材料で形成されていることを特徴とする、請求項12に
    記載の電子部品。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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