JP7117784B2 - Pcb端子 - Google Patents

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Description

本発明はPCB端子に関し、より具体的には、優れた耐摩耗性、電導性、摺動性及び低摩擦性を有し、かつ、耐久性に優れたPCB端子に関する。
PCB端子は車載用及び民生用等の各種コネクタに使用されており、プリント回路基板の実装のために不可欠なものである。一般的には、平らなシート状の金属基板を打ち抜くことにより、複数の端子が櫛歯状に並んだ形状を有している。
また、良好な電気接点を実現するために、PCB端子には優れた電気伝導性及び耐摩耗特性等が要求され、雌端子と嵌合する雄端子先端部には表面処理が施されることが多い。例えば、特許文献1(特開2008-287942号公報)では、最表面にSnめっきが施されたPCBコネクタ用端子が提案されている。
前記特許文献1に記載のPCBコネクタ用端子においては、嵌合部の摩擦係数を0.26以下、半田付け部のエージング後のゼロクロスタイムを5秒以下とすることができることから、コネクタへの挿入に際しての挿入力の低減と、基板側への半田付け部の半田濡れ性の向上に優れたPCB端子及びその製造方法を提供することができる、としている。
また、特許文献2(特開平10-41027号公報)では、構成が簡単で、安価に製造できる表面実装接触ピンを提供するという課題に対して、過度の半田がパッドもしくはランドから半田受け/収容手段中へと除去される、プリント回路基板のための表面実装コネクタピンが提案されており、当該表面実装コネクタピンの一態様として、表面に金めっきが施される場合が示されている。
特開2008-287942号公報 特開平10-41027号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載のPCB用端子は摺動特性及び半田濡れ性が改善されているものの、最表面が錫めっき層であり、金めっき層と比較すると電気伝導性や耐久性等に関して十分ではない。
また、前記特許文献2に記載の表面実装コネクタピンにおいては、PCB端子に関して好適な金めっき層の特性等については全く検討されていない。加えて、PCB端子を繰り返し使用した場合の耐久性についても考慮されていない。
以上のような従来技術における問題点に鑑み、本発明の目的は、優れた耐摩耗特性、電導性、摺動性及び低摩擦性を有し、かつ、十分な耐久性を有するPCB端子を提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、PCB端子の表面に形成させる金めっき層について鋭意研究を重ねた結果、基材との密着性を担保しつつ、動摩擦係数等を制御すること等が極めて有効であることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、
略四角柱形状の雄端子を複数有する櫛歯状のPCB端子であって、
前記雄端子の全面にニッケルめっき層を有し、
前記ニッケルめっき層の表面に、厚さが0.2μm~1.0μmの金めっき層を有し、
高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する前記金めっき層の動摩擦係数が0.2未満であること、
を特徴とするPCB端子を提供する。
本発明のPCB端子においては、雌端子と嵌合させた場合に通電に寄与する雄端子の最表面を金めっき層としていることから、十分な電気伝導性を担保することができる。また、金めっき層の厚さを0.2μm以上とすることで、金の電気的特性や耐久性を十分に活用することができ、1.0μm以下とすることで、金の使用量を抑制できることに加え、生産性の悪化を抑制することができる。なお、金めっき層の厚さは0.4μm~0.8μmとすることがより好ましく、0.5μm~0.7μmとすることが最も好ましい。
また、雄端子の金属基材と金めっき層の間にはニッケルめっき層が形成されており、当該ニッケルめっき層によって、金属基材に含まれる元素と金との拡散及び反応に伴う金属間化合物の形成による金めっき層の脆化を抑制することができる。
ニッケルめっき層の厚さは0.3μm~4.0μmとすること、が好ましい。ニッケルめっき層の厚さを0.3μm以上とすることで、金属基材に含まれる元素と金との拡散及び反応に伴う金属間化合物の形成による金めっき層の脆化を確実に抑制することができ、4.0μm以下とすることで、ニッケルめっき層が存在することによる導電性及び機械的特性等の低下を抑制することができる。なお、ニッケルめっき層の厚さは、0.4μm~2.0μmとすることがより好ましく、0.5μm~1.5μmとすることが最も好ましい。
また、本発明のPCB端子においては、最表面に形成される金めっき層に関し、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する当該金めっき層の動摩擦係数が0.2未満となっている。金めっき層の動摩擦係数が0.2未満となっていることで、雄端子を抜差しする際の抵抗が適度に低減されることに加え、摩耗による雄端子及び雌端子の損傷を抑制することができる。なお、動摩擦係数の測定は特に限定されず、従来公知の種々の測定方法を用いることができる。
また、本発明のPCB端子においては、前記金めっき層のビッカース硬度が150HV~250HVであること、が好ましい。ビッカース硬度を150HV以上とすることでPCB端子の耐久性を向上させることができ、250HV以下とすることで、雄端子と雌端子の摺動による雌端子の損傷を抑制することができる。
また、本発明のPCB端子においては、前記金めっき層のコバルト濃度が0.1質量%~1質量%であること、が好ましい。コバルト濃度を0.1質量%~1質量%とすることで、ビッカース硬度及び動摩擦係数を上記の数値範囲とすることができる。
また、本発明のPCB端子においては、厚さが0超0.1μm以下の金フラッシュめっき層を介して、前記金めっき層が前記ニッケルめっき層の表面に形成されていること、が好ましい。金めっき層が金フラッシュめっき層を介してニッケルめっき層に形成されることで、金めっき層とニッケルめっき層の密着性を十分に担保することができる。その結果、金めっき層が極めて薄い場合でなくても、金めっき層がニッケルめっき層から剥離等することを抑制することができる。
また、本発明のPCB端子においては、前記ニッケルめっき層が下地ストライクめっき層を介して前記雄端子の表面に形成されており、前記下地ストライクめっき層として、銅ストライクめっき層又はニッケルストライクめっき層のうちの少なくとも一つが形成されていること、が好ましい。ニッケルめっき層が下地ストライクめっき層を介して金属基材に形成されていることで、ニッケルめっき層と金属基材の密着性を十分に担保することができる。
更に、本発明のPCB端子においては、前記金めっき層が、前記雄端子の表面側及び裏面側にのみ形成されていること、が好ましい。嵌合時に主として雌端子に接触する雄端子の表面及び裏面に金めっき層が形成されていることから、十分な通電特性を担保することができる。一方で、通電特性に殆ど寄与しない雄端子の両側面には金めっき層が形成されておらず、金の使用量が最小限に留められている。
本発明のPCB端子によれば、優れた耐摩耗特性、電導性、摺動性及び低摩擦性を有し、かつ、十分な耐久性を有するPCB端子を提供することにある。
本発明のPCB端子の一例を示す概略斜視図である。 雄端子4のA-A’断面図である。 本発明のPCB端子の製造方法の工程図である。
以下、図面を参照しながら本発明のPCB端子の代表的な実施形態及び当該PCB端子の製造方法について詳細に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する場合がある。また、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
≪PCB端子≫
図1は、本発明のPCB端子の一例を示す概略斜視図である。PCB端子1は金属基材2の端部に複数の略四角柱状の雄端子4が並列した櫛歯状となっている。なお、PCB端子1は本発明のPCB端子の製造方法を用いることで、効率的に製造することができる。
基本的に金属基材2と雄端子4は同一の材質であり、電導性を有している限り特に限定されず、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、鉄及び鉄合金(例えば、鉄-ニッケル合金)、チタン及びチタン合金、ステンレス、銅及び銅合金等を挙げることができるが、なかでも、電導性・熱伝導性・展延性に優れているという理由から、銅又は真鍮を用いることが好ましい。
雄端子4のA-A’断面図を図2に示す。雄端子4においては、金属基材2の表面にニッケルめっき層12が形成されており、ニッケルめっき層12の表面に金フラッシュめっき層(図示せず)を介して金めっき層14が形成されている。金フラッシュめっき層を形成させることで、ニッケルめっき層12と金めっき層14との密着性を十分に担保することができる。その結果、金めっき層14が極めて薄い場合でなくても、金めっき層14がニッケルめっき層12から剥離等することを抑制することができる。
金めっき層14は雄端子4の全面に形成させてもよいが、雌端子と当接する雄端子4の表面及び裏面のみに形成させることが好ましい。なお、金フラッシュめっき層はニッケルめっき層12の全面に形成していてもよく、金めっき層14を形成させる雄端子4の表面及び裏面のみに形成させてもよい。
金めっき層14の厚さは0.2μm~1.0μmとなっている。金めっき層14の厚さを0.2μm以上とすることで、金の電気的特性や耐久性を十分に活用することができ、1.0μm以下とすることで、金の使用量を抑制できることに加え、生産性の悪化を抑制することができる。なお、金めっき層14の厚さは0.4μm~0.8μmとすることがより好ましく、0.5μm~0.7μmとすることが最も好ましい。
また、金フラッシュめっき層の厚さは0超0.1μm以下であることが好ましい。なお、金フラッシュめっき層の厚さは0.08μm以下とすることがより好ましく、0.06μm以下とすることが最も好ましい。金フラッシュめっき層の厚さを0.1μm以下とすることで、金の使用量増加及び生産性の悪化を抑制することができる。
PCB端子1では、嵌合時に雌端子と当接する雄端子4の表面に金めっき層14が形成していることから、金めっき層14が有する優れた耐摩耗性、低い電気抵抗、及び良好な耐熱性を利用することができ、PCB端子として要求される導電性及び耐久性等を十分に確保することができる。更に、雄端子4の両側面には金めっき層14を形成させず、表面及び裏面のみに金めっき層14を形成させることで、金の使用量を必要最小限に抑えることができる。
また、金めっき層14は、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する動摩擦係数が0.2未満となっている。当該動摩擦係数が0.2未満となっていることで、雄端子4を抜差しする際の抵抗が適度に低減されることに加え、摩耗による雄端子4及び雌端子の損傷を抑制することができる。なお、動摩擦係数の測定は特に限定されず、従来公知の種々の測定方法を用いることができ、例えば、新東科学株式会社製のHEIDON-14を用いて測定することができる。
また、金めっき層14のビッカース硬度は150HV~250HVであること、が好ましい。ビッカース硬度を150HV以上とすることでPCB端子1の耐久性を向上させることができ、250HV以下とすることで、雄端子4と雌端子の摺動による雌端子の損傷を抑制することができる。
また、金めっき層14のコバルト濃度は0.1質量%~1質量%であること、が好ましい。コバルト濃度を0.1質量%~1質量%とすることで、ビッカース硬度及び動摩擦係数を上記の数値範囲とすることができる。
また、PCB端子1においては、ニッケルめっき層12が下地ストライクめっき層を介して雄端子4の表面に形成されており、前記下地ストライクめっき層として、銅ストライクめっき層及びニッケルストライクめっき層のうちの少なくとも一つが形成されていること、が好ましい。ニッケルめっき層12が下地ストライクめっき層を介して金属基材2に形成されていることで、ニッケルめっき層12と金属基材2の密着性を十分に担保することができる。
また、PCB端子1では金属基材2と金めっき層14との間にニッケルめっき層12が存在するため、ニッケルめっき層12が金属基材2に含まれる元素と金との拡散及び反応を防止するバリア層として機能する。つまり、金属基材2と金めっき層14との間にニッケルめっき層12が存在することで、金属基材2に含まれる元素と金との拡散及び反応に伴う金属間化合物の形成による、金めっき層14の脆化を抑制することができる。
ニッケルめっき層12は、連続する膜形状であることが好ましく、ニッケルめっき層12の厚さは0.3μm~4.0μmであることが好ましい。0.3μm未満であるとバリア効果に乏しく、4μm超であると曲げ加工時にクラックが発生しやすくなる。ニッケルめっき層12の厚さは、0.4μm~2.0μmとすることがより好ましく、0.5μm~1.5μmとすることが最も好ましい。なお、ニッケルめっき層12は、本発明の効果を損なわない範囲で、粒状や島状の不連続な膜形状であってもよく、その場合、粒状及び島状部分が部分的に連続していてもよい。
更に、摺動摩耗が顕著な雄端子4の表面及び裏面の最表面を金めっき層14とすることで、摺動摩耗によって飛散した金属片を原因とする、発火及び感電等の重大な事故を防止することができる。
≪PCB端子の製造方法≫
図3は、本発明のPCB端子の製造方法の工程図である。PCB端子1は雄端子4の最表面に金めっき層14が形成されたものであるが、ここでは使用時に雌端子と当接する雄端子4の表面及び裏面のみに金めっき層14を形成させたPCB端子1の製造方法について詳述する。当該製造方法は、PCB端子1の形状とした金属基材2にニッケルめっきを施し、雄端子4の全面にニッケルめっき層12を形成させる第一工程(S01)と、雄端子4の表面及び裏面にマスキング層を形成させる第二工程(S02)と、雄端子4の両側面にレジスト層を形成させる第三工程(S03)と、雄端子4の表面及び裏面に金めっき層14を形成させる第四工程(S04)と、を含むことを特徴としている。以下、各工程について詳細に説明する。
(1)予備処理
金属基材2はPCB端子1の形状に加工されており、略四角柱形状の雄端子4を複数有する櫛歯状となっている。ここで、端子の形状、大きさ及び本数等は特に限定されず、PCB端子1としての要求に応じて決定すればよい。
金属基材2に用いる金属は、電導性を有している限り特に限定されず、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金、鉄及び鉄合金(例えば、鉄-ニッケル合金)、チタン及びチタン合金、ステンレス、銅及び銅合金等を挙げることができるが、なかでも、電導性・熱伝導性・展延性に優れているという理由から、銅又は真鍮を用いることが好ましい。
また、各種めっき処理の予備処理として、金属基材2の洗浄を施すことが好ましい。金属基材2の洗浄方法は本発明の効果を損なわない限りにおいて特に限定されず、従来公知の種々の洗浄方法を用いることができる。洗浄処理液としては、例えば、一般的な浸漬脱脂液や電解脱脂液を使用することができる。
(2)下地ストライクめっき処理
下地ストライクめっき処理は、第一工程(S01)の予備処理であり、金属基材2とニッケルめっき層12との密着性を改善する必要がある場合は施すことが好ましい。下地ストライクめっき処理としては、例えば、銅ストライクめっき処理、ニッケルストライクめっき処理等を用いることができる。
(A)銅ストライクめっき
銅ストライクめっき浴としては、例えば、銅塩・電導塩を含むものを用いることができる。また、光沢剤が添加されていてもよい。
銅ストライクめっき処理に好適に用いることができる銅ストライクめっき浴は例えば、シアン化銅浴を用いることができる。シアン化銅浴は、銅塩、シアン化アルカリ塩及び電導塩により構成され、添加剤や光沢剤が添加されてもよい。
銅塩としては、例えば、シアン化銅を用いることが出来る。シアン化アルカリ塩には、例えば、シアン化カリウム及びシアン化ナトリウム等を用いることができる。電導塩には、例えば、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウム等を用いることができる。添加剤には、例えば、ロッシェル塩、亜セレン酸カリウム、亜セレン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、酢酸鉛、酒石酸鉛等を用いることができる。
銅ストライクめっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等の銅ストライクめっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。例えば、陽極材料には、電解銅等の可溶性陽極、及び/又は、ステンレス鋼、チタン白金板、酸化イリジウム等の不溶性陽極等を用いることが好ましい。また、好適なめっき条件としては、浴温:25~70℃、電流密度:0.1~6.0A/dm、処理時間:5~60秒を例示することができる。
(B)ニッケルストライクめっき
ニッケルストライクめっき浴としては、例えば、ニッケル塩、陽極溶解促進剤及びpH緩衝剤を含むものを用いることができる。また、ニッケルストライクめっき浴には添加剤が添加されていてもよい。
ニッケル塩には、例えば、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル及び塩化ニッケル等を用いることができる。陽極溶解促進剤には、例えば、塩化ニッケル及び塩酸等を用いることができる。pH緩衝剤には、例えば、ホウ酸、酢酸ニッケル及びクエン酸等を用いることができる。添加剤には、例えば、1次光沢剤(サッカリン、ベンゼン、ナフタレン(ジ、トリ)、スルホン酸ナトリウム、スルホンアミド、スルフィン酸等)、2次光沢剤(有機化合物:ブチンジオール、クマリン、アリルアルデヒドスルホン酸等、金属塩:コバルト、鉛、亜鉛等)及びピット防止剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)等を用いることができる。
ニッケルストライクめっき処理に好適に用いることができるニッケルストライクめっき浴の各構成要素の好適な使用量は、ニッケル塩:100~300g/L、陽極溶解促進剤:0~300g/L、pH緩衝剤:0~50g/L、添加剤:0~20g/Lである。
ニッケルストライクめっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等のニッケルストライクめっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。例えば、陽極材料には、電解ニッケル、カーボナイズドニッケル、デポライズドニッケル、サルファニッケル等の可溶性陽極等を用いることが好ましい。また、好適なめっき条件としては、浴温:20~30℃、電流密度:1.0~5.0A/dm、処理時間:1~30秒、pH:0.5~4.5を例示することができる。
(3)ニッケルめっき処理(第一工程(S01))
ニッケルめっき処理は、金属基材2と金めっき層14との間において、金属基材2に含まれる元素と金との拡散及び反応を防止するバリア層として機能するニッケルめっき層12を形成させるために施される処理である。金属基材2と金めっき層14との間にニッケルめっき層12が存在することで、金属基材2に含まれる元素と金との拡散及び反応に伴う金属間化合物の形成による金めっき層14の脆化を抑制することができる。
ニッケルめっき浴としては、例えば、ワット浴やスルファミン酸浴を用いることができるが、電着応力の低いスルファミン酸浴を用いることが好ましい。なお、強酸性のウッドストライク浴は避ける方が好ましい。ニッケルめっき処理には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々のニッケルめっき手法を用いることができる。例えば、ニッケルめっき浴は硫酸ニッケル・スルファミン酸ニッケル・塩化ニッケル等のニッケル塩と、塩化ニッケル等の陽極溶解剤と、ホウ酸・酢酸・クエン酸等のpH緩衝剤とで構成された液に、添加剤として少量の光沢剤やレベリング剤、ピット防止剤等を添加したものを用いることができる。各構成要素の好適な使用量は、ニッケル塩:100~600g/L、陽極溶解剤:0~50g/L、pH緩衝剤:20~50g/L、添加剤:~5000ppmである。
ニッケルめっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等のニッケルめっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。例えば、陽極材料には、ニッケル板等の可溶性陽極を用いることが好ましい。また、好適なめっき条件としては、浴温:40~60℃、電流密度:0.1~50A/dm、pH:3.0~5.0を例示することができる。
なお、第一工程のニッケルめっき処理によって形成されるニッケルめっき層12は、連続する膜形状であることが好ましく、ニッケルめっき層12の厚さは0.3μm~4.0μmであることが好ましい。0.3μm未満であるとバリア効果に乏しく、4μm超であると曲げ加工時にクラックが発生しやすくなる。ニッケルめっき層12の厚さは、0.4μm~2.0μmとすることがより好ましく、0.5μm~1.5μmとすることが最も好ましい。なお、ニッケルめっき層12は、本発明の効果を損なわない範囲で、粒状や島状の不連続な膜形状であってもよく、その場合、粒状及び島状部分が部分的に連続していてもよい。
(4)金めっきフラッシュ処理
金めっきフラッシュ処理は、第一工程(S01)で形成させたニッケルめっき層12に対する処理であり、主として、嵌合部ではない部分(金めっき層14を厚くする必要がない部分)に耐食性をもたせる為に行う処理である。金めっき処理後に金めっきフラッシュ処理を行うという工程順でも問題ないが、密着性の観点から、ニッケルめっき後に施すことが好ましい。ニッケルめっき層12の表面に薄い金めっき層を形成させることで、第四工程(S04)において形成させる金めっき層14とニッケルめっき層12との密着性を十分に担保することができる。
金めっきフラッシュ浴としては、例えば、金塩、電導塩、キレート剤及び結晶成長剤を含むものを用いることができる。また、金めっきフラッシュ浴には光沢剤が添加されていてもよい。
金塩には、例えば、シアン化金、シアン化第一金カリウム、シアン化第二金カリウム、亜硫酸金ナトリウム及びチオ硫酸金ナトリウム等を用いることができる。電導塩には、例えば、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸カリウム及びチオ硫酸カリウム等を用いることができる。キレート剤には、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びメチレンホスホン酸等を用いることができる。結晶成長剤には、例えば、コバルト、ニッケル、タリウム、銀、パラジウム、錫、亜鉛、銅、ビスマス、インジウム、ヒ素及びカドミウム等を用いることができる。なお、pH調整剤として、例えば、ポリリン酸、クエン酸、酒石酸、水酸化カリウム及び塩酸等を添加してもよい。
金めっきフラッシュ処理に好適に用いることができる金めっきフラッシュ浴の各構成要素の好適な使用量は、金塩:1~10g/L、電導塩:0~200g/L、キレート剤:0~30g/L、結晶成長剤:0~30g/Lである。
金めっきフラッシュ浴の浴温度、陽極材料、電流密度等の金めっきフラッシュ条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。例えば、陽極材料には、チタン白金板及び酸化イリジウム等の不溶性陽極等を用いることが好ましい。また、好適なめっき条件としては、浴温:20~40℃、電流密度:0.1~5.0A/dm、処理時間:1~60秒、pH:0.5~7.0を例示することができる。
(5)マスキング処理(第二工程(S02))
マスキング処理は、第三工程(S03)におけるレジスト層の形成を防止するマスキング層を形成するための処理である。なお、マスキング処理の前には、各種めっき処理を施した金属基材2を乾燥機等にて乾燥させておくことが好ましい。ここで、第三工程(S03)で雄端子4の表面及び裏面にレジスト層が形成することを防止するため、雄端子4の表面及び裏面にマスキング処理を行う必要がある。
本発明の効果を損なわない限りにおいてマスキングの方法は特に限定されず、従来公知の種々のマスキング方法を用いることができる。マスキング方法としては、例えば、テープ、スパージャーマスク、ドラムマスク、レジスト、ドライフィルムレジスト、インクジェット方式を挙げることができ、これらのうちの1種類又は2種類以上を組み合わせてマスキングを行うことが好ましい。
特に、基材の側面のみにレジスト層を形成したい場合、1段階目にテープ状もしくはドラムマスク等で表面をマスキングし、2段階目に液状のレジストを用いて側面のみレジスト層を形成することが好ましい。
(6)レジスト層の形成(第三工程(S03))
第三工程(S03)では、レジストを塗布した後に第二工程で形成させたマスキングを剥離させ、第四工程(S04)で金めっき層14を形成させたくない領域(雄端子4の両側面)にレジストを形成させるための工程である。
マスキングを剥離した後、UVライト(水銀ランプ,メタルハライドランプ,LED等)にて露光することで、レジストを硬化させることができる。
なお、レジストにはネガ型、ポジ型、電着レジスト、液レジスト、ドライフィルムレジスト等が存在するが、めっき槽に暗室が不要であるネガ型を使用することが好ましい。
(7)金めっき(第四工程(S04))
第四工程(S04)は、雄端子4の表面及び裏面のみに金めっき層14を形成させるための工程である。第三工程(S03)までを経ることにより、雄端子4の両側面にレジスト層が形成され、雄端子4の表面及び裏面はニッケルめっき層12又は金めっきフラッシュ処理によって形成された薄い金めっき層となっていることから、第四工程(S04)で金めっき処理を施すことにより、雄端子4の表面及び裏面のみに金めっき層14を形成させることができる。
金めっき層14の厚さは、0.2μm~1.0μmとすること、が好ましい。金めっき層14の厚さを0.2μm以上とすることで、金の電気的特性や耐久性を十分に活用することができ、1.0μm以下とすることで、金の使用量を抑制できることに加え、生産性の悪化を抑制することができる。なお、金めっき層14の厚さは0.4μm~0.8μmとすることがより好ましく、0.5μm~0.7μmとすることが最も好ましい。
金めっき処理には、本発明の効果を損なわない範囲で従来公知の種々の金めっき手法を用いることができるが、通常の金フラッシュめっきと比較して、めっき浴中の金塩の濃度を高く、電導塩の濃度を低くすることが好ましい。
金めっき処理に好適に用いることができる金めっき浴は、例えば、金塩、電導塩、キレート剤及び結晶成長剤を含むものを用いることができる。また、金めっき浴には光沢剤が添加されていてもよい。各構成要素の好適な使用量は、金塩:1~100g/L、電導塩:10~300g/L、キレート剤:~30g/L、結晶成長材:~30g/L、光沢剤:50~500ppmである。
金塩としては、例えば、シアン化金、シアン化第一金カリウム、シアン化第二金カリウム、亜硫酸金ナトリウム及びチオ硫酸金ナトリウム等が挙げられ、電導塩としては、例えば、クエン酸カリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸カリウム及びチオ硫酸カリウム等が挙げられる。
キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸及びメチレンホスホン酸等を用いることができる。結晶成長剤には、例えば、コバルト、ニッケル、タリウム、銀、パラジウム、錫、亜鉛、銅、ビスマス、インジウム、ヒ素及びカドミウム等を用いることができる。なお、pH調整剤として、例えば、ポリリン酸、クエン酸、酒石酸、水酸化カリウム及び塩酸等を添加してもよい。
金めっき浴の浴温度、陽極材料、電流密度等の金めっき条件は、用いるめっき浴及び必要とするめっき厚さ等に応じて適宜設定することができる。例えば、陽極材料には、ステンレス、チタン白金板及び酸化イリジウム等の不溶性陽極等を用いることが好ましい。また、好適なめっき条件としては、浴温:20~50℃、電流密度:0.1~5.0A/dm、処理時間:1~1440秒、pH:3.0~7.0を例示することができる。
ここで、金めっき層14は、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する動摩擦係数が0.2未満となっている。また、金めっき層14のビッカース硬度は150HV~250HVであること、が好ましい。これに対し、例えば、金めっき層14のコバルト濃度を0.1質量%~1質量%とすることで、ビッカース硬度及び動摩擦係数を当該数値範囲とすることができる。
以上、本発明の代表的な実施形態について説明したが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更は全て本発明の技術的範囲に含まれる。
≪実施例≫
略四角柱形状の雄端子を複数有する櫛歯状のPCB端子の形状とした銅製の金属基材を前処理として、被めっき材とSUS板をアルカリ脱脂液に入れ、被めっき材を陰極とし、SUS板を陽極として、電圧3Vで30秒間電解脱脂を行い、洗浄した後、30g/Lの青化第一銅、20g/Lの遊離青化カリ、15g/Lの苛性カリを含む銅ストライクめっき浴を用い、陽極材料を電気銅板、陰極材料を洗浄処理後の金属基板として、浴温:35℃、電流密度:1A/dmの条件で10秒間、銅ストライクめっき処理(下地ストライクめっき処理)を施した。
その後、300g/Lのスルファミン酸ニッケル、5g/Lの塩化ニッケル・6水和物、10g/Lのホウ酸、及び0.2g/Lのラウリル硫酸ナトリウムを含むニッケルめっき浴を用い、陽極材料をサルファニッケル板、陰極材料を銅ストライクめっき後の金属基板として、浴温:50℃、電流密度:2A/dmの条件で200秒間、ニッケルめっき処理を施し、端子の全面に厚さ約1μmのニッケルめっき層を形成させた(第一工程)。
その後、10/Lのシアン化金カリウム、50g/Lのクエン酸カリウム、10g/Lの水酸化カリウム、2g/Lの硫酸コバルトを含む金めっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料をニッケルめっき後の金属基板として、浴温:40℃、電流密度:0.5A/dmの条件で2秒間、金めっきフラッシュ処理を施し、ニッケルめっき層の全面に厚さ0.1μmの金めっきフラッシュ層を形成させた。次に、乾燥機を用いて被めっき金属基材を乾燥させた後、雄端子の表面及び裏面にマスキングテープを用いてマスキングを行った(第二工程)。
次に、ネガ型電着レジスを使用して、浴温35℃、定電圧30Vにて、30秒間レジストを塗布した。その後、マスキングテープを剥離し、UVライト(水銀ランプ)にて100秒間露光してレジストを硬化させた(第三工程)。なお、レジスト露光時の発熱は風冷にて速やかに抜熱した。
その後、レジストの剥離を防止するため、電解処理ではなく浸漬処理を用いて洗浄処理を施した。当該洗浄処理の後、3g/Lのシアン化金カリウム、120g/Lのクエン酸カリウム、50g/Lの水酸化カリウム、100ppmの硫酸コバルトを含む金めっき浴を用い、陽極材料をチタン白金板、陰極材料をレジスト処理後の被めっき材として、浴温:40℃、電流密度:1A/dmの条件で30秒間の条件で金めっき処理を施し、剥離液を用いてレジストを剥離することで端子の表面及び裏面のみに厚さ0.5μmの金めっき層を形成させ(第四工程)、本発明の実施例であるPCB端子を得た。
[評価]
(1)密着性評価
上記のようにして作製しためっき積層体について密着性の評価を行った。セロハンテープ(ニチバン株式会社製の#405)を指圧にて金めっき層に押し付け、当該セロハンテープを引き剥がした後に金めっき層の剥がれや膨れが発生しなかった場合は○、発生した場合は×とし、得られた結果を表1に示した。
(2)クロスカット密着性評価
1mmのカット間隔で碁盤目状にカットを行った後(クロスカット試験)、セロハンテープ(ニチバン株式会社製の#405)を指圧にて金めっき層に押し付け、当該セロハンテープを引き剥がした後に金めっき層の剥がれや膨れが発生しなかった場合は○、発生した場合は×とし、得られた結果を表1に示した。
(3)金めっき層の硬度測定
上記のようにして作製しためっき材について、マイクロビッカース硬度計を用いて最表面の金めっき層の硬度を測定した。得られた結果を表1に示した。
(4)金めっき層の動摩擦係数測定
上記のようにして作成しためっき材について、新東科学株式会社製のHEIDON-14を用いて動摩擦係数を測定した。測定条件は、垂直荷重:100gf,移動距離:5mm,移動速度:60mm/分,サンプリング周波数:500Hz,相手材(鋼球):3/8インチSUJ2とした。得られた結果を表2に示した。
(5)摩耗深さ及び摩耗幅の測定
(4)における測定後のサンプルに関し、鋼球の摺動によって基材(めっき材)側に形成された摩耗傷の深さ及び幅を測定した。なお、当該測定にはレーザー顕微鏡を使用した。得られた結果を表2に示した。
(6)金めっき層のコバルト濃度測定
上記のようにして作製しためっき積層体について、金めっき層のコバルト濃度(共析率)を測定した。なお、測定にはセイコーインスツル株式会社製の高周波プラズマ発光分析装置(SPS5000)を用いた。得られた結果を表2に示した。
≪実施例2≫
第四工程における金めっき処理の電流密度を3A/dmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてPCB端子を作製し、各種評価を行った。得られた結果を表1及び表2に示した。
≪実施例3≫
第四工程における金めっき処理に用いるシアン化金カリウムを6g/Lとしたこと以外は、実施例1と同様にしてPCB端子を作製し、各種評価を行った。得られた結果を表1及び表2に示した。
≪実施例4≫
第四工程における金めっき処理に150ppmの硫酸コバルトを用いたこと以外は、実施例1と同様にしてPCB端子を作製し、各種評価を行った。得られた結果を表1及び表2に示した。
≪比較例1≫
第四工程における金めっき処理のコバルト濃度を0ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にしてPCB端子を作製し、各種評価を行った。得られた結果を表1及び表2に示した。
Figure 0007117784000001
Figure 0007117784000002
表1に示す結果から、実施例1~実施例4で得られた全てのPCB端子に関し、金めっき層は優れた密着性を有していることが分かる。また、金めっき層のビッカース硬度は150HV~250HVの範囲となっており、適当な硬度を有している。これに対し、比較例1で得られたPCB端子は、金めっき処理以外は実施例と同じ製造条件を用いているため、金めっき層の密着性に関しては問題ないが、ビッカース硬度が106.7HVと低い値となっている。ここで、表2に示す結果から、実施例の金めっき層のコバルト濃度は0.1質量%~1質量%の範囲に入っていることが分かる。
また、表2に示す結果から、実施例1~実施例4で得られた全てのPCB端子に関し、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する金めっき層の動摩擦係数が0.2未満となっている。これに対し、比較例1で得られたPCB端子の動摩擦係数は1.37であり、実施例で得られたPCB端子と比較して約10倍高い値となっている。
加えて、金めっき層の硬度及び動摩擦係数の差異により、実施例で得られたPCB端子と比較例で得られたPCB端子とでは摩耗深さ及び摩耗幅が大きく異なっている。具体的には、表2に示されているとおり、実施例で得られたPCB端子の摩耗傷は極めて浅く、幅も小さくなっている。これらの結果より、実施例では優れた耐摩耗特性、摺動性及び低摩擦性を有し、かつ、十分な耐久性を有するPCB端子が得られていることが確認できる。
1・・・PCB端子、
2・・・金属基材、
4・・・雄端子、
12・・・ニッケルめっき層、
14・・・金めっき層。

Claims (5)

  1. 銅又は銅合金で構成された略四角柱形状の雄端子を複数有する櫛歯状のPCB端子であって、
    前記雄端子の全面にニッケルめっき層を有し、
    前記ニッケルめっき層の表面に、厚さが0.2μm~1.0μmの金めっき層を有し、
    前記金めっき層のコバルト濃度が0.1質量%~1質量%であり、
    高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)に対する前記金めっき層の動摩擦係数が0.2未満であ り、
    前記金めっき層のビッカース硬度が150HV~250HVであ ること、
    を特徴とするPCB端子。
  2. 厚さが0超0.1μm以下の金フラッシュめっき層を介して、前記金めっき層が前記ニッケルめっき層の表面に形成されてい ること、
    を特徴とする請求項1に記載のPCB端子。
  3. 前記ニッケルめっき層の厚さが0.3μm~4.0μmであること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載のPCB端子。
  4. 前記ニッケルめっき層が下地ストライクめっき層を介して前記雄端子の表面に形成されており、
    前記下地ストライクめっき層として、銅ストライクめっき層又はニッケルストライクめっき層のうちの少なくとも一つが 形成されていること、
    を特徴とする請求項1~3のうちのいずれかに記載のPCB端子。
  5. 前記金めっき層が、前記雄端子の表面側及び裏面側にのみ形成されていること、
    を特徴とする請求項1~4のうちのいずれかに記載のPCB端子
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