JP6763626B1 - メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク - Google Patents

メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク Download PDF

Info

Publication number
JP6763626B1
JP6763626B1 JP2020031470A JP2020031470A JP6763626B1 JP 6763626 B1 JP6763626 B1 JP 6763626B1 JP 2020031470 A JP2020031470 A JP 2020031470A JP 2020031470 A JP2020031470 A JP 2020031470A JP 6763626 B1 JP6763626 B1 JP 6763626B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal mask
nickel plating
hardness
nickel
plating film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020031470A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021134391A (ja
Inventor
純弥 栗山
純弥 栗山
高大 岩▲崎▼
高大 岩▲崎▼
Original Assignee
株式会社プロセス・ラボ・ミクロン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社プロセス・ラボ・ミクロン filed Critical 株式会社プロセス・ラボ・ミクロン
Priority to JP2020031470A priority Critical patent/JP6763626B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6763626B1 publication Critical patent/JP6763626B1/ja
Publication of JP2021134391A publication Critical patent/JP2021134391A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
  • Manufacture Or Reproduction Of Printing Formes (AREA)
  • Printing Plates And Materials Therefor (AREA)

Abstract

【課題】従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れており、なおかつめっき析出面が光沢を有しないので印刷性にも優れるメタルマスク、及びその製造方法であり、クエン酸由来の反応生成物が発生しない方法を提供することを目的とする。【解決手段】めっき浴に、4価の有機系カルボン酸であるEDTA・4H、EDDS・4H、またはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のうち何れか1種類以上を添加して、ニッケルめっき皮膜を形成する工程、を含むことを特徴とするメタルマスクの製造方法。【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体製造工程において、基板やウエハーなどに導電性ペーストや導電性ボール(以下、「ペースト等」という)を印刷や定置(以下、「印刷等」という)するためのメタルマスク、およびその製造方法に関するものである。
半導体製造工程において、部品実装をしたり、バンプ電極を形成したりするときは、基板やシリコンウエハーなどのワーク上に、半田等の導電性ペーストを印刷したり、導電性ボールを定置したり(以下、「ペースト印刷等」という)して、これをリフロー炉で高温処理をして溶接する方法が一般的に用いられている。
このとき、ペースト印刷等には、金属の薄板に微細な開口が形成された孔版であるメタルマスクが使用されている。メタルマスクの開口は、ワーク上の電極に対応するパターンで形成されており、メタルマスクがワークに対して適正な位置に配置されたとき、開口を介して電極上に適正にペースト印刷等できるように設定されている(例えば特許文献1、2参照)。
ここで、メタルマスクは、一般にはアルミなどの金属枠に、ポリエステルのメッシュスクリーンを介して張設した、メタルマスク版として使用する。そして、一面がワークに対向する状態で設置して、反対面よりスキージでペースト等を開口に送り込んで、ワーク上に印刷等する。
このとき、スキージがメタルマスク上を移動する度に、スキージによる圧力(印圧)がメタルマスクにかかる。これによりメタルマスクは印刷時には常に外力を受けており、スキージングの度に変形を繰り返している。
メタルマスクは、通常数万回はペースト印刷等に使用されるので、長期間連続して使用を続けることにより、金属疲労により脆くなったり、永久伸びを起こしたりする。しかしながら、メタルマスクの開口の位置座標や、認識マーク間の距離は、常に一定の範囲内に維持されなければならない。また、脆性化により使用中に破損しないように、メタルマスクには長期間の連続使用に対する耐久性が必要とされる。
メタルマスクの耐久性は、その素材となる金属の強度、特に硬度の影響が大きい。そしてメタルマスクの素材としては、電気ニッケルめっき法により形成されたニッケルめっき皮膜が広く使用されており、そのビッカース硬度は(以下、「硬度」という)、通常は概ね300〜400HVである。従来はこの程度の硬度でも、メタルマスクを厚くすることで耐久性を維持することができたが、近年の実装技術の微細化に伴いメタルマスクも薄型化が進んでいるため、ニッケルめっき皮膜の硬度そのものを向上させる必要性が生じている。
ここで、特許文献3に記載には、メタルマスクの製造に無電解ニッケルめっき法を用いることで、高硬度のニッケルめっき皮膜を形成して、メタルマスクの耐久性を向上させよう発明が記載されている。無電解ニッケルめっき法によると、還元剤中のりんやほう素がニッケル中に取り込まれて、合金として共析することで、めっき直後で500HV以上の高硬度を得ることができる(なお、焼成処理をすることで、さらに硬度アップができるが、焼成処理は、開口座標の位置精度を損なうので、メタルマスクの製作に用いるのは一般的ではない)。
しかしながら、無電解ニッケルめっき法は、電気ニッケルめっき法と比べて、めっき液が高温であるため管理が難しい。また、めっき液中の成分のうち、消耗品である金属塩や還元剤の残量を常時監視して補充をしなければならないため、ランニングコストの増加が問題となる。さらに、めっき成長速度が電気ニッケルめっき法に比べて遅いので、メタルマスクの様な厚い(例えば10μm以上)ニッケルめっき皮膜を得ることは、生産性の観点からすると難しいため、メタルマスクの製造に使用される場合には、専ら特許文献3のように、薄膜形成用として、電気ニッケルめっき法との組み合わせで用いられており、工程効率が悪いものであった。
一方、電気ニッケルめっき法に関しては、光沢剤を添加して硬度を上昇させる場合があるが、メタルマスクとしてみたとき、めっき析出面が光沢を有すると、工程においてその上に別のめっき皮膜を形成したときに剥がれやすくなったり、ペースト印刷等の時にメタルマスクとワークが密着する現象が発生して、ワークからメタルマスクが離れ難くなり工程効率や印刷品質を低下させることがあったりするので好ましくないと考えられている。
この点、スルファミン酸ニッケルを金属塩とするめっき浴において、添加剤として使われているほう酸の代わりにクエン酸3ナトリウム等のクエン酸塩を添加しためっき浴で製造し、めっき皮膜の硬度を高めることを目的とした、メタルマスクの製造方法(以下、「クエン酸塩添加法」という)が知られている(例えば、特許文献4参照)。
もっとも、この方法によりめっき皮膜の硬度上昇を図る場合、クエン酸由来の反応生成物が発生し、めっき浴中に沈殿することで、めっきの析出を阻害するようになるため、適正な製造が出来なくなる場合があるので、反応生成物を除去するために頻繁にめっき浴のメンテナンスを行う必要があり、これが製造効率低下や製品の品質低下を招いていた(例えば特許文献5参照)。
ここで、反応生成物発生の原因は、クエン酸の化学的な特性から、ニッケルイオンやめっき浴中の他の金属イオンと結合し、沈殿するためと考えられる。
特許文献5には、スルファミン酸ニッケルの代わりに硫酸ニッケルを金属塩として使用することで、反応生成物の発生をある程度抑えることに係る発明が開示されているが、これによっても、完全に反応生成物を無くすことはできないため、メンテナンス頻度は低くなるものの、効果は限定的である。
特開2006−150646号公報 特開2005−236211号公報 特開2008−279762号公報 特開2008−213472号公報 特開2015−217610号公報
この発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、硬度がクエン酸塩添加法で作製されたものと同等以上であるため、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れており、なおかつめっき析出面が光沢を有しないメタルマスク、及びその製造方法であり反応生成物由来の沈殿が発生しない方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法であって、キレート剤としてエチレンジアミン−N,N'−ジコハク酸(EDDS・4H)、またはこのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のうち、何れか1種類以上が0.01〜0.05mol/L添加されたニッケルめっき浴において、電気めっき法によりニッケルめっき皮膜を形成する電気めっき工程を含み、
前記電気めっき工程は、電流密度が0.5〜2A/dm であり、前記ニッケルめっき皮膜は、ビッカース硬度が450〜580HVである、ことを特徴とするメタルマスクの製造方法である。
請求項1、2に記載の発明によると、硬度等の物性がクエン酸塩添加法で作製されたものと同等以上で、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れ、めっき析出面側である印刷面が無光沢なので印刷性にも優れるメタルマスクを得ることが可能である。さらに、電気ニッケルめっき法は、無電解ニッケルめっき法に比べて短時間で厚いニッケルめっき皮膜を製造することができるので、10μm以上の厚さを必要とするメタルマスクの製造方法として優れている。また、電流密度によって、硬度を制御することで、単一のめっき浴で、多様な硬さに対応することができる。さらに、金属塩の濃度やキレート剤のめっき液中の濃度は殆ど変化しないため、ランニングコスト削減にも効果がある。さらには、クエン酸塩添加法の様な反応生成物の沈殿がないので、その除去を目的とした浴のメンテナンスをする必要がないため、生産性を高めることが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、説明をする。
本発明に係る電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法の製造工程は、導電性基材の表面処理(工程1)、感光性レジスト層の形成(工程2)、パターン形成(工程3)、電気めっき(工程4)、感光性レジスト除去(工程5)、導電性基材からのメタルマスク剥離(工程6)からなる。以下、工程1〜6までの各工程について説明をする。
導電性基材の表面処理(工程1)
ニッケルめっき皮膜を析出させる導電性基材は、厚さ0.5〜1.0mmのステンレス(SUS304等)の平板が使用される。表面処理は、バフによる研磨、アルカリ脱脂、酸洗浄を行い、基材表面に付着した汚れや異物を除去するとともに、基材の表面の粗さを整える。
感光性レジスト層形成(工程2)
導電性基材の表面に感光性レジスト層を形成する。感光性レジストには、液状、ドライフィルム状のものがあり、層厚は概ね15〜100μmである。
パターン形成(工程3)
フォトリソグラフィ法により、工程2で形成された感光性レジストで、メタルマスクのパターン、すなわち開口パターン及びニッケルめっきを析出しない部分を基材上に形成する。パターン形成は、フォトマスクを使用する一括露光法、またはレーザまたはレンズにより集光した光をメタルマスクのパターンに合わせて照射する直描法により感光性レジスト上にパターンを描き、炭酸ソーダなどのアルカリ液で未露光部分を除去してメタルマスクのパターン部分を現像して行う。
ニッケルめっき浴は、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル(ワット浴)などのニッケル塩200〜600g/L、塩化ニッケル5〜40g/L、ほう酸10〜40g/Lを主成分とする水溶液であり、キレート剤として4価の有機系カルボン酸である、エチレンジアミン四酢酸(EDTA・4H)、エチレンジアミン−N,N'−ジコハク酸(EDDS・4H)、またはこれらのナトリウム塩(EDTA・2H・2Na、EDTA・H・3Na、EDTA・4Na、EDDS・H・3Na等)、カリウム塩(EDTA・2H・2K、EDTA・H・3K、EDTA・4K)、またはアンモニウム塩(EDTA・2H・2(NH)、EDTA・H・3(NH))のうち、何れか1種類以上が添加されている。濃度は、後述するようにニッケルめっき皮膜の硬度と最大応力を鑑みて、0.01〜0.05mol/L(以下「M」と略す)が好ましい。また、必要に応じて、消泡剤として界面活性剤、ニッケルめっき皮膜の残留応力を減少させる応力減少剤が適量添加されている。めっき浴の温度は、40〜60℃に設定されている。
電気めっき開始(工程5)
めっき浴に導電性基材を設置し、電流密度を設定して通電を開始する。後述するように、電流密度が変化するとニッケルめっき皮膜の硬度も変わるので、所望の硬度が得られるような電流密度に設定する。電流密度が高すぎると、ニッケルめっき皮膜の厚さのばらつきが大きくなり、低すぎると、メタルマスクの生産性が低下してしまうので、メタルマスクの板厚の要求精度と生産状況を考慮して、好適な値に設定する。そして、ニッケルめっき皮膜の膜厚ばらつき、生産性等を考慮すると、0.5〜2.0A/dmが好ましく、物性までを考慮すると、1.0〜2.0A/dmがより好ましい。
ここで、EDDS・4H、EDTA・4Hまたはこれらのナトリウム塩、カリウム塩、またはアンモニウム塩をキレート剤として使用した場合の、ニッケルめっき皮膜形成のメカニズムについて説明する。めっき浴中のニッケルイオン(Ni2+)のうちの一部が、キレート剤分子を配位子として1対1のモル比で配位して、錯体(キレート錯体)を形成する。このとき、1個のキレート剤分子対して、1個のニッケルイオンが、キレート剤分子がなす分子の立体構造によって生じた隙間に挟み込まれるようにして結合される。キレート錯体がこのような構造をとることにより、キレート剤分子が他の金属イオン等と結合しないので、クエン酸塩添加法のような反応生成物が発生しない。
キレート錯体を形成しているニッケルイオンは、キレート剤の影響により、これを形成していないニッケルイオンに比べ、結晶が大きく成長せずに導電性基材側に析出しやすい。これにより、クエン酸塩添加法と同様に、陰極にニッケルが析出する際に、結晶の成長が阻害され、結晶核の発生が促進されことで、ニッケルめっき皮膜中の結晶子が平均的に小さくなる。これにより、結晶子の境界である結晶粒界が増えるため、結晶子が変位しにくくなるので、ニッケルめっき皮膜の硬度が高くなる、と考えられる。また、後述のように、硬度の上昇とともに、ヤング率などの引張に対する特性も一般に向上する傾向にあるので、硬度を高くすることは、メタルマスクの印刷耐久性の向上に効果的であると考えられる。
ここで、電流密度は、生産性と物性を考慮して設定される。電流密度が高くなると、陰極である導電性基材の近傍では、陽イオンであるニッケルイオンの濃度は高くなるが、負の電荷をもつキレート剤分子の濃度は逆に低くなると考えられる。そのため、導電性基材に析出するニッケルイオン中のキレート錯体を形成するニッケルイオンの割合は低くなるので、硬度上昇効果が低下すると考えられる。逆に、電流密度が低くなると逆にキレート錯体を形成するニッケルイオンの割合は高くなるので、硬度上昇効果が高くなる。本実施の形態では、前述のとおり、ニッケルめっき皮膜の、膜厚ばらつき、生産性等を考慮すると、0.5〜2.0A/dm、物性までを考慮すると、1.0〜2.0A/dmが好ましい。
また、キレート剤の添加濃度はニッケルめっき皮膜の物性を考慮して設定される。濃度が高くなるほどキレート錯体を形成しやすくなるので硬度も上昇するが、それに伴い結晶子サイズが小さくなることで延性が低下するため、割れやすくなり、低すぎると逆に硬度上昇の効果が低下するので、適正な範囲に設定する。本実施の形態では0.01〜0.05Mが好ましい。
感光性レジスト除去(工程6)
ニッケルめっき皮膜が形成された導電性基材を、剥離液に一定時間以上浸漬して感光性レジストを除去する。
ニッケルめっき皮膜と導電性基材を乾燥させた後、導電性基材からメタルマスクとなるニッケルめっき皮膜を剥離する(工程7)。
工程7の後、メタルマスクをポリエステルのメッシュを介してスクリーン枠に張設して、メタルマスク版を完成させる。
(実施例)
導電性基材は厚さ0.5mmのSUS304の平板を使用した。また、感光性レジストは、基材に40μmtの厚みでドライフィルムをラミネートした。レーザ直描法による露光と、アルカリ液からなる現像処理により、レジストパターン形成をした。レジストパターンは、後述する硬度測定用の試験片(以下、「硬度試験片」という)、耐刷試験用の試験片(以下、「耐刷試験片」という)と、引張試験の試験片(以下、「引張試験片」という)の形状に形成した。めっき浴は、スルファミン酸ニッケル浴を使用し、めっき浴は、スルファミン酸ニッケル水溶液400g/L、ほう酸30g/L、応力緩和剤5ml/L、界面活性剤10ml/Lを主成分とする水溶液であり、めっき浴の温度は45℃、電流密度は0.5〜2.0A/dmで段階的に変化させた。キレート剤はEDDS・H・3Naを0.01M添加した。また、電気めっきにより15±1μmの厚さのニッケルめっき皮膜を形成して、耐刷試験片と引張試験片を作製した。
上記の試験片のうち、耐刷試験片は、長方形の平板形状をしており、面内に一定の間隔で、φ1.0mmの基準孔が2か所以上設けられている。
作製した試験片を耐刷試験機にセットし、耐刷試験を行った。耐刷試験機は、試験片に常時一定の張力を負荷しつつ、一定の圧力で繰り返しスキージングを行って、試験片が伸びる方向に負荷をかけることで、試験片を形成する素材がメタルマスクに使用された時の耐刷性を簡易的に評価するものである。耐刷性評価の判定は、2万回スキージングした後の基準孔間隔を測定して、その広がりが、従来技術(Ref.1 キレート剤無添加、Ref.2 クエン酸塩添加法)で作製した試験片に比べて、少ないかどうかにより判断した。また、めっき析出面の表面性状を観察し、ものが映り込む状態を光沢有、映り込まない状態を無光沢と評価した。
引張試験片は、万能試験機により引張試験を行って、ニッケルめっき皮膜のヤング率や最大応力の計測を行うためのものであり、細長い短冊状をしている。
さらに、ニッケルめっき皮膜の一部を切り取って、硬度測定用の試験片として、硬度測定を行った。ここで、以下の実施例では、硬度はニッケルめっき皮膜の基材側の面を測定した値である。
表1に、キレート剤の濃度(M)と、それに対応する硬度と、耐刷試験(伸び率)、引張試験(最大応力)の結果を記載した。
また、表中の判定は、ある硬度のニッケルめっき皮膜の耐刷試験と引張試験の結果を考慮して、当該硬度のニッケルめっき皮膜がメタルマスクの素材としての優劣を評価したものである。すなわち、従来技術で作製されたメタルマスク素材に比べて、伸び率が低く、かつ最大応力が高くなっており、連続印刷に対する耐久性が向上していると評価できるものを「優」の意味で◎とし、何れか一方のみが向上しているもの、また両者とも同等のものを「良」の意味で○とした。
Figure 0006763626
(Ref.1、Ref.2) Ref.1は前述の通りキレート剤無添加で作製し、Ref2はクエン酸塩添加法で作製した。以下、これを基準として評価を行う。
(No.1〜4)
キレート剤の濃度が0.01Mのときは、電流密度1〜2.0A/dmにおいて、伸び率、最大応力ともに従来技術より優れた物性が得られたので◎とした。0.5A/dmの場合は、伸び率については優れていたが、延性が低下して最大応力が下がり破断しやすくなったので〇とした。なお、めっき析出面の性状は、いずれも無光沢であった。
No.1〜No.4の結果から、有効な領域は、硬度にして400HV以上580HV以下であることが推察される。400HVを下回る場合は、Ref.2の従来技術より劣ることが予測され、580HVを超える場合は、最大応力がさらに低下することが予測されるので、好ましくないと考えられる。
実施例から、キレート剤の濃度0.01Mで、電流密度が0.5〜2.0A/dmの範囲で従来技術以上の物性を有するニッケルめっき皮膜が得られた。
さらに、電流密度を下げることでニッケルめっき皮膜の硬度が高くなるという結果が得られたが、0.5A/dm未満の場合、生産性が悪くなるので、メタルマスク製造方法としては好ましくない。
以上の結果から、メタルマスクの製造条件としては、電流密度0.5〜2.0A/dmが効果的であることが読み取れる。
本実施の形態によると、硬度がクエン酸塩添加法で作製されたものと同等以上で、従来の電気ニッケルめっき法で作製されたものより印刷耐久性が優れ、めっき析出面側である印刷面が無光沢なので印刷性にも優れるメタルマスクを得ることが可能である。さらに、電気ニッケルめっき法は、無電解ニッケルめっき法に比べて短時間で厚いニッケルめっき皮膜を製造することができるので、10μm以上の厚さを必要とするメタルマスクの製造方法として優れている。また、電流密度によって、硬度を制御することで、単一のめっき浴で、多様な硬さに対応することができる。さらに、金属塩の濃度やキレート剤のめっき液中の濃度は殆ど変化しないため、ランニングコスト削減にも効果がある。さらには、クエン酸塩添加法の様な反応生成物の沈殿がないので、その除去を目的とした浴のメンテナンスをする必要がないため、生産性を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本願発明の範囲は以上の実施の形態に限られるものではなく、これと同視しうる他の形態に対しても及ぶ。
まず、本実施の形態に係るメタルマスクの製造方法は、電気ニッケルめっき法とフォトリソグラフィ法により開口パターンを形成したが、レーザ加工法、エッチング法などで、形成することも可能である。即ち、予め本実施の形態に係る電気ニッケルめっき法で所定の厚さのニッケル平板を準備し、レーザ加工法やエッチング法で事後的に開口を形成する工程でも、本実施の形態と同様のメタルマスクを製造することが可能である。
さらに、本実施の形態では、導電性基板はSUS304の平板を使用したが、導電性ボール定置用マスクのような、多層構造を有するマスクを製造する場合には、SUS304の平板状に1層目のめっきをしたものを導電性基板として、その上に2層目のめっきを本実施の形態の方法に基づいて形成することもできる。
また、キレート剤は、2種類以上を添加しても原理的には本実施の形態の実施例と同様の効果を有するが、濃度計算やめっき浴の管理の手間、コストの観点からは、1種類だけ添加することが好ましい。


Claims (1)

  1. 電気ニッケルめっき法によるメタルマスクの製造方法であって、キレート剤としてエチレンジアミン−N,N'−ジコハク酸(EDDS・4H)、またはこのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩のうち、何れか1種類以上が0.01〜0.05mol/L添加されたニッケルめっき浴において、電気めっき法によりニッケルめっき皮膜を形成する電気めっき工程を含み、
    前記電気めっき工程は、電流密度が0.5〜2A/dm であり、
    前記ニッケルめっき皮膜は、ビッカース硬度が450〜580HVである、
    ことを特徴とするメタルマスクの製造方法。
JP2020031470A 2020-02-27 2020-02-27 メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク Active JP6763626B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020031470A JP6763626B1 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020031470A JP6763626B1 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6763626B1 true JP6763626B1 (ja) 2020-09-30
JP2021134391A JP2021134391A (ja) 2021-09-13

Family

ID=72614559

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020031470A Active JP6763626B1 (ja) 2020-02-27 2020-02-27 メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6763626B1 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005236211A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Process Lab Micron:Kk 導電性ボール定置用マスクの製造方法
JP2006150646A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Process Lab Micron:Kk メタルマスク、スクリーン印刷版及びはんだバンプ形成方法
JP2006347165A (ja) * 2005-05-20 2006-12-28 Process Lab Micron:Kk パターン形成用メタルマスク
JP2008213472A (ja) * 2007-02-08 2008-09-18 Bonmaaku:Kk メタルマスク及びその製造方法
JP2008279762A (ja) * 2007-04-10 2008-11-20 Bonmaaku:Kk 多層構造メタルマスク及びその製造方法
JP2015217610A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社ボンマーク メタルマスク及びその製造方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005236211A (ja) * 2004-02-23 2005-09-02 Process Lab Micron:Kk 導電性ボール定置用マスクの製造方法
JP2006150646A (ja) * 2004-11-26 2006-06-15 Process Lab Micron:Kk メタルマスク、スクリーン印刷版及びはんだバンプ形成方法
JP2006347165A (ja) * 2005-05-20 2006-12-28 Process Lab Micron:Kk パターン形成用メタルマスク
JP2008213472A (ja) * 2007-02-08 2008-09-18 Bonmaaku:Kk メタルマスク及びその製造方法
JP2008279762A (ja) * 2007-04-10 2008-11-20 Bonmaaku:Kk 多層構造メタルマスク及びその製造方法
JP2015217610A (ja) * 2014-05-19 2015-12-07 株式会社ボンマーク メタルマスク及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021134391A (ja) 2021-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006347165A (ja) パターン形成用メタルマスク
JP5464722B2 (ja) 微細回路の形成のためのエンベデッド用銅箔
US9512529B2 (en) Electroplating baths of silver and tin alloys
US9175400B2 (en) Immersion tin silver plating in electronics manufacture
JP2008045194A (ja) 硬質金合金めっき液
WO2019004056A1 (ja) 無電解めっきプロセス
US20140098504A1 (en) Electroplating method for printed circuit board
JP6763626B1 (ja) メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク
US4633050A (en) Nickel/indium alloy for use in the manufacture of electrical contact areas electrical devices
JP2006028635A (ja) 微細回路基板用表面処理銅箔の製造方法及びその銅箔
WO2019004057A1 (ja) 無電解ニッケルストライクめっき液及びニッケルめっき皮膜の成膜方法
TW595280B (en) Copper foil for TAB tape carrier, TAB tape carrier using the copper foil and TAB carrier tape
JP2011021217A (ja) 電解硬質金めっき液及びこれを用いるめっき方法
JP5216372B2 (ja) 無電解錫めっき浴及び無電解錫めっき方法
KR100923198B1 (ko) 고오프닝률을 갖는 하이브리드 메탈 스크린 마스크 및 그 제조방법
JP5909749B1 (ja) メタルマスクの製造方法、およびメタルマスク
WO2012046712A1 (ja) ハードディスク用基板の製造方法及びハードディスク用基板
JP6578539B1 (ja) 導電性ボール定置用マスクの製造方法
JP2005068445A (ja) 金属被覆された金属部材
JP6029202B2 (ja) アルミニウムまたはアルミニウム合金材への純鉄の電気めっき方法
JP5291353B2 (ja) メタルマスク及びその製造方法
JP2009233948A (ja) スクリーン印刷用メタルマスク及びその製造方法
JP2008019468A (ja) 錫めっき皮膜
JP3833493B2 (ja) Tab用テープキャリアに用いる銅箔並びにこの銅箔を用いたtab用キャリアテープ及びtab用テープキャリア
WO2021145300A1 (ja) 無電解めっきプロセス及び二層めっき皮膜

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200227

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200227

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200602

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6763626

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250