JP5287343B2 - ポリマーアロイとその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、優れた機械特性を活かして構造材料や、優れた規則性を活かして機能材料として有用に用いることができる、ナノメーターオーダーからマイクロメーターオーダーに構造制御可能なポリマーアロイに関する。
近年、高分子材料の発展はめざましいものがあり、用途的に見て、日常用品に限らず、自動車、航空機、エレクトロニクスデバイス、メディカルデバイスなどあらゆる産業分野にわたっている。その理由としては、様々な構造の樹脂が開発されてきて、そのニーズに柔軟に対応してきたからと言える。しかしながら、高分子材料に対して要求されるスペックはさらに高いものとなり、既存の単一の樹脂では目標をクリアできなくなってきている。そこで、異なった物性を有する樹脂を組み合わせ、各々の原料となる樹脂の長所を引き出し、短所を補い合うことで、単一の樹脂に比べて優れた特性を発現させる技術、いわゆるポリマーアロイ化技術による新規材料の開発が活発に行われている。
ポリマーアロイの特性は、原料樹脂の物性が大きく影響することは言うまでもないが、それら樹脂の分散相サイズと均一性によっても大きく変化し、分散相サイズを1μm以下に、かつ均一に制御することで靭性向上といった力学特性の向上が期待できる(特許文献1)。
ただし、ポリマーアロイを押出成形や射出成形などの成形方法で所望の形状に成形する際、ポリマーアロイをガラス転移点温度以上、分解温度以下の温度まで加熱溶融し、該溶融樹脂を様々な形状の口金あるいは金型を用いて成形することとなる。ここで、ポリマーアロイの溶融に伴い各ポリマー相が拡散、合体し相分離構造サイズが粗大化することが懸念される。すなわち、成形前の段階で所望の相分離構造サイズにあったポリマーアロイが、成形することにより相分離構造サイズが粗大化し、ポリマーアロイの物性が低下する危険性がある。
かかる問題に対して、成形での相分離構造サイズ変化を勘案し、原料ポリマーアロイの相分離サイズを設定することが行われているが、成形条件が変更となった場合、原料ポリマーアロイの相分離構造サイズの再調整が必要となったり、他の成形品へと転用が出来ないといった問題があった。また、ポリマーアロイに架橋剤を添加して、ポリマーを部分的に架橋して構造の粗大化を防止する技術もあるが、流動性が低下するため成形性が低下するといった問題があった。
特開平3−20333号公報
本発明は、優れた機械特性を有する構造材料や、優れた規則性を有する機能材料を提供するにあたり、構造を微細かつ均一に制御することが可能であり、さらには溶融滞留時にその構造サイズが安定である、少なくとも2成分の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイおよびその製造方法を提供することをその課題とするものである。
本発明は以下のとおりである。
(1)少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイを製造する際に、該ポリマーアロイを構成する熱可塑性樹脂成分のうち少なくとも1つの熱可塑性樹脂成分の、分子量5000以下の前駆体(A)と、残りの熱可塑性樹脂成分であって、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアルキレンオキサイド類およびセルロース類から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂成分(B1)および/またはポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、およびポリアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種の、分子量5000以下の前駆体(B2)を相溶後固化し、前記(A)および(B1)を相溶後固化する場合は(A)を、前記(A)および(B2)を相溶後固化する場合は(A)および(B2)を、前記(A)、(B1)および(B2)を相溶後固化する場合は(A)および(B2)を、固体状態で重合反応させることを特徴とするポリマーアロイの製造方法。
(2)重合反応後の、前記前駆体(A)が重合したものおよび/または前記前駆体(B2)が重合したものの数平均分子量が8000以上であることを特徴とする(1)に記載のポリマーアロイの製造方法。
(3)前記前駆体(A)および/または前記前駆体(B2)がポリエステル樹脂および/またはポリアミド樹脂の前駆体であることを特徴とする(1)または(2)に記載のポリマーアロイの製造方法。
(4)前記ポリマーアロイが、構造周期が0.001〜10μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜10μmの分散構造であり、溶融滞留前の構造周期または粒子間距離を(S1)、60分間溶融滞留させた後の構造周期または粒子間距離を(S2)とするとき、式
(V)=((S2)−(S1))/(S1)
で示す変化率(V)が3.0以下であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法。
(5)前記ポリマーアロイが、構造周期または粒子間距離が0.001μm以上0.1μm未満の場合は小角X線散乱測定において、構造周期または粒子間距離が0.1μm以上10μm以下の場合は光散乱測定において、散乱光の波数に対して散乱強度をプロットしたスペクトルにおけるピーク半値幅(a)、該ピークの極大波数(b)とするとき0<(a)/(b)≦1.2であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法
本発明によれば、少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイにおいて、該ポリマーアロイを構成する熱可塑性樹脂成分のうち少なくとも1つの熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を、残りの熱可塑性樹脂成分(B1)および/または熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)に相溶後固定化し、固体状態で重合することで、溶融滞留時の構造の粗大化が小さいポリマーアロイを得ることができる。ここで、(A)と(B)が同一の樹脂となる場合、単なる1成分のポリマーとなるため(A)と(B)は異なる種類の樹脂である必要がある。
本発明における、少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイは、特定の均一な構造周期を有する両相連続構造または特定の均一な粒子間距離を有する分散構造を有するものである。
ポリマーアロイは、各々の原料となる樹脂の長所を引き出し、短所を補い合うことで、単一の樹脂に比べて優れた特性を発現する。このとき重要となるのが、ポリマーアロイの両相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズと均一性である。サイズが大きすぎると、各々の原料の物性が発現するのみで、短所を補い合うことが困難となる。また、サイズが小さすぎると、原料樹脂の特性が失われるため好ましくない。したがって、相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズは、0.001〜10μmが好ましく、0.001〜5μmがより好ましく、0.001〜1μmがさらに好ましい。
ポリマーアロイは、その構造安定性が重要となる。すなわち、射出成形や押出成型などの成形方法でポリマーアロイを成形する際には該ポリマーアロイを一旦ガラス転移点温度以上、分解温度以下の温度まで加熱し溶融させることになるが、構造安定性が低いポリマーアロイの場合、該ポリマーアロイを溶融することで各ポリマー相が拡散、合体し相分離構造サイズが粗大化する危険性がある。すなわち、成形前の段階で所望の相分離構造サイズにあったポリマーアロイが、成形することにより相分離構造サイズが粗大化し、期待した物性が得られないおそれがある。したがって、溶融前のポリマーアロイの構造周期または粒子間距離を(S1)、60分間溶融滞留した後の構造周期または粒子間距離を(S2)とするとき、下式で計算される変化率(V)が3.0以下であることが好ましく、2.0以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。
(V)=((S2)−(S1))/(S1)
ここで、溶融混練前の構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズが0.001μm以下の場合、20分間溶融滞留して相構造を形成させた時点での構造周期または粒子間距離を(S1)とする。本理由は後述する。
溶融滞留させる際の温度は、ポリマーアロイの融点+5℃で行うものとする。ただし、本温度条件で熱分解温度を超える場合は、融点以上熱分解温度以下で溶融滞留を行うものとする。ここで、酸化分解する恐れのあるポリマーアロイを溶融滞留させる際は、酸化分解を防ぐために窒素やアルゴンの不活性ガス雰囲気化で実施することとする。また、水分の影響を考慮して溶融滞留に供するポリマーアロイは十分に乾燥しておく必要がある。具体的には水分率は0.01重量%以下にする必要がある。
次に構造周期または粒子間距離の測定方法について述べる。本ポリマーアロイは両相連続構造、もしくは分散構造を確認するためには、規則的な周期構造が確認されることが重要である。これは例えば、光学顕微鏡観察や透過型電子顕微鏡観察により、両相連続構造が形成されることの確認に加えて、小角X線散乱装置または光散乱装置を用いて行う散乱測定において、散乱極大が現れることの確認が必要である。この散乱測定における散乱極大の存在は、ある周期を持った規則正しい相分離構造を持つ証明であり、その周期Λmは、両相連続構造の場合構造周期に対応し、分散構造の場合粒子間距離に対応する。またその値は、散乱光の散乱体内での波長λ、散乱極大を与える散乱角θmを用いて次式
Λm =(λ/2)/sin(θm /2)
により計算することができる。
続いて、両相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離の均一性について述べる。相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズが上記の範囲にあっても、一部構造的に粗大な部分などがあると、例えば衝撃を受けた際、そこを起点として破壊が進行するなど、本来のポリマーアロイの特性が得られないことがある。したがって、ポリマーアロイの両相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離の均一性が重要となる。この均一性は、構造周期または粒子間距離が0.001μm以上0.1μm未満のポリマーアロイの場合は小角X線散乱測定により、構造周期または粒子間距離が0.1μm以上1μm以下のポリマーアロイの場合は光散乱測定により評価することが可能である。小角X線散乱と光散乱は、分析可能な相分離構造サイズが異なるので、分析するポリマーアロイの相分離構造サイズに応じて適宜使い分けする必要がある。小角X線散乱測定および光散乱測定は両相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズに加え、その分布に関する情報が得られる。具体的には、それら測定で得られるスペクトルにおける散乱極大のピーク位置、すなわち散乱角θmが両相連続構造における構造周期または分散構造における粒子間距離のサイズに対応し、そのピークの拡がり型が、構造の均一性に対応する。本発明では、均一性の指標として、小角X線散乱測定または光散乱測定において、散乱光の波数に対して散乱強度をプロットしたスペクトルの散乱極大ピーク半値幅に着目した。ただし、ピークの半値幅はピーク極大波数の増加に伴い増大する傾向にあるので、ピークの半値幅(a)、ピーク極大波数(b)とから計算される(a)/(b)の値を構造均一性の指標とした。優れた機械特性などの物理特性を発現するためには、構造均一性が高い方が好ましく、前記(a)/(b)の値においては1.2以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。また、ポリマーアロイの構造は均一である程良いので、(a)/(b)の下限値は特に限定されない。
光散乱測定、小角X線回折測定において、サンプルは薄膜状とする必要がある。薄膜化はミクロトーム等による切片切り出しや、加熱プレスにより可能である。光散乱装置の場合は、厚さ0.1mm程度のカバーガラスにポリマーアロイを挟み込み、加熱プレスすることで簡便に薄膜状試料を得ることが可能である。小角X線回折の場合、カバーガラスによるX線吸収があるため注意が必要である。加熱プレスの場合、熱を加え過ぎたり、プレス時間が長いと、サンプルによっては構造が粗大化する場合があるので、プレス条件の決定は慎重に行う必要がある。また、結晶性樹脂の場合、結晶化によりアロイ構造が変化する可能性があるため加熱プレス後は速やかに急冷し、構造を固定化する必要がある。
薄膜状に調製したサンプルは、中心部分を測定する。サンプルが測定装置の試料ホルダーサイズに対して大きすぎる場合は、サンプルを中心部分から切り出し測定する。サンプルの厚さは、可能な限り大きなシグナル強度が得られるように複数のサンプルを重ねて最適な厚さに調節する。シグナル強度はサンプル厚さに比例して増加するが、測定光の吸収もLanbert-Beerの法則に従い試料厚さ対して指数関数的に増加し、その分シグナル強度が減少するので、両者のバランスに応じて試料厚さを決定する必要がある。
また、屈折率差が小さいポリマーの組み合わせからなるポリマーアロイは、シグナル強度が小さいため測定が困難である。そのような場合、必要に応じてヨウ素、RuO、OsO等の染色試薬で処理することも有効である。ポリマー組成が等比ではない場合など、各ポリマー成分の構造周期または粒子間距離といった構造サイズが異なることがあり、各々のポリマー成分の構造サイズに応じたピークが複数観測されることがある。その際は、散乱光の散乱体内での波長λの常用対数に対して散乱強度Iをプロットし、各々のピークにおける近似二次曲線からピークの半値幅を導出する。このように複数のピークが存在する場合、そのうち少なくとも一つのピークにおいて、前記(a)/(b)の値においては1.2以下であることが好ましく、1.1以下であることがより好ましく、1.0以下であることがさらに好ましい。本発明におけるピークの半値幅とはピークの頂点(点A)からグラフ縦軸に平行な直線を引き、該直線とスペクトルのベースラインとの交点(点B)としたとき、(点A)と(点B)を結ぶ線分の中点(点C)におけるピークの幅である。なお、ここで言うピークの幅とは、ベースラインに平行で、かつ(点C)を通る直線上の幅のことである。かかる構造を有するポリマーアロイを得る好ましい方法としては、該ポリマーアロイを構成する熱可塑性樹脂成分のうち少なくとも1つの熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を、残りの熱可塑性樹脂成分(B1)および/または熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)共存下で化学反応させることでスピノーダル分解を誘発させる方法が挙げられる。
ここで本発明にいうところの分散構造とは、片方の樹脂成分が主成分であるマトリックスの中に、もう片方の樹脂成分が主成分である粒子が点在している、いわゆる海島構造のことをさす。
ここで本発明における相溶する場合とは、分子レベルで均一に混合している状態のことであり、具体的には異なる2成分の樹脂を主成分とする相がいずれも0.001μm以上の相構造を形成していない場合を指し、また、非相溶の場合とは、相溶状態でない場合のことであり、すなわち異なる2成分の樹脂を主成分とする相が互いに0.001μm以上の相構造を形成している状態のことを指す。相溶するか否かは、例えばPolymer Alloys and Blends, Leszek A Utracki, hanser Publishers,Munich Vienna New York,P64,1990年に記載の様に、電子顕微鏡、示差走査熱量計(DSC)、その他種々の方法によって判断することができる。
本発明の熱安定性に優れた熱可塑性ポリマーアロイを得る方法として、熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を残りの熱可塑性樹脂成分(B1)および/または熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)に相溶後に固化し、固化した状態で重合反応を進行させることにより得ることができる。ここで、加熱により相溶させる場合、加熱により前駆体が反応し、相溶性が変化して、相分離が進行することがあるので注意が必要である。例えば、ポリエチレンテレフタレートの前駆体であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(以下BHT)に熱可塑性ポリイミドを溶解させる場合、BHTの重合反応が進行し、その結果、熱可塑性ポリイミドに対する相溶性が低下して相分離し、所望の相分離サイズを超え、粗大分散する恐れがある。そのような場合は、相分離が進行する前に固化させ、相分離構造を固定化する必要がある。固化するタイミングとしては、使用するポリマー系によって異なるので一概にはいえないが、種々の分子量との組み合わせでの相図に基づき、簡単な予備実験をすることにより条件を設定することができる。また、このように固化中に相溶性が変化する可能性がある場合、固化に長時間要すると相分離サイズが変化する危険性があるので、固化は可及的速やかに行うことが好ましい。具体的には氷水などの冷媒に吐出急冷する方法などが挙げられる。
固化した状態での重合反応としては、系によって適宜選択することが可能である。例えばポリエステル系の重合では、ポリマーの融点以下の温度で系内を減圧および/または不活性ガスを流通させる方法が好ましく用いられる。
固化した状態での重合反応後の前駆体が重合したものの分子量が小さいと分子運動性が高くなり、溶融滞留時の構造安定性が低くなるので、固化した状態での重合反応後の前駆体(A)および/または前駆体(B2)が重合したものの数平均分子量は前駆体の分子量より大きく、かつ8000以上が好ましく10000以上がより好ましく、15000以上がさらに好ましい。前駆体が重合したものの数平均分子量の測定方法としては、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定することが可能である。このとき、紫外可視分光検出器などで前駆体が重合したものを選択的に検出できるので、前駆体が重合したもの以外を測定前に分離必要がないので好ましい。
ここで、固化するタイミングが相分離構造形成前、すなわち固化した段階で0.001μm以上の相分離構造が形成されていない場合、最終的に固体状態で重合反応させて得られるポリマーアロイは、相構造が未形成のポリマーアロイが得られる。本ポリマーアロイはこの時点で相分離構造が形成されておらず、加熱溶融すると速やかに相分離構造が形成されるが、該相分離構造は20分間加熱溶融すると構造サイズが安定する。したがって、相分離構造形成前に固化して得られたポリマーアロイの場合、20分間溶融滞留して相構造を形成させた時点での構造周期または粒子間距離を(S1)とし、さらに60分間滞留した時点(滞留開始から80分後)での構造周期または粒子間距離を(S2)とする。
本発明のアロイ化方法は、熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を残りの熱可塑性樹脂成分(B1)および/または熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)に相溶後に固化し、固化した状態で重合反応を進行させることが特徴であり、固化した状態で重合反応させるので、溶融重合の場合と比較して重合中に相分離構造の粗大化のリスクが小さい。したがって、溶融重合では得ることが困難であった、微細な相分離構造を形成させることも可能である。
次に本発明のアロイ化方法の具体例を挙げる、熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を、残りの熱可塑性樹脂成分(B1)共存下で化学反応させるケースとして、ポリエステル樹脂の前駆体であるビス(2―ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHT)などのジエステルや環状オリゴエステルを前駆体(A)として用い、この前駆体(A)に非晶性熱可塑性ポリイミド、結晶性熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアルキレンオキサイド類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース類から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂成分(B1)を相溶化した後に固化し、固体状態で前駆体(A)を重合させる方法や、ポリアミド樹脂の前駆体であるε―カプロラクタムなどの環状アミドを前駆体(A)として用い、この前駆体(A)に非晶性熱可塑性ポリイミド、結晶性熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアルキレンオキサイド類、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテート、セルロースプロピオネート、メチルセルロース、エチルセルロースなどのセルロース類から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂成分(B1)を相溶化した後に固化し、固体状態で前駆体(A)を重合させる方法が挙げられる。
本発明におけるポリアルキレンオキサイド類とは、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレンオキサイドやポリアルキレンオキサイドの一部又は全部の末端水酸基をアルキルエーテル基、アルキル基、ラウリル基、オレイル基、 ステアリル基、アリーレン基、カルボキシル基、アルデヒド基、エステル基、アミノ基、アミド基、アクリレート基、ビニル基、メタクリレート基から選ばれる少なくとも一種の官能基で置換した化合物、およびそれらを含む共重合体のことを指す。
ここで、ポリアルキレンオキサイドの末端水酸基が前駆体(A)と反応する場合、上記に示した末端水酸基をアルキルエーテル基等で置換したり、分子量10万以上の高分子量のポリアルキレングリコールを使用することで、末端水酸基の反応を抑制することも可能である。
また、熱可塑性樹脂成分の前駆体(A)を、残りの熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)共存下で化学反応させるケースとして、ポリエステル樹脂の前駆体であるビス(2―ヒドロキシエチル)テレフタレート(BHT)などのジエステルや環状オリゴエステルを前駆体(A)として用い、この前駆体(A)にポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、およびポリアクリロニトリルから選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂成分の前駆体(B2)を相溶化した後に固化し、固体状態で前駆体(A)と前駆体(B2)を重合させる方法が挙げられる。
前駆体(A)および/または前駆体(B2)を重合させる際に、必要に応じて重合触媒を添加する。重合触媒は、金属触媒や酸塩基触媒など、その重合反応に応じて適宜選択することが可能であるが、例えば、ポリエチレンテレフタレートの前駆体であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを重合させる場合は、三酸化アンチモン、酸化チタン、酸化ゲルマニウムや、亜鉛、コバルト、ニッケル等の遷移金属の酢酸塩等が好ましく用いられる。この場合、添加量はビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートに対して、0.001モル%以上0.1モル%以下が好ましい。
前駆体(A)の分子量は大きすぎるとアロイ化する残りの樹脂に対する溶解性が低くなるため、10000以下が好ましく5000以下がより好ましく3000以下がさらに好ましい。分子量が小さいほど樹脂に対する溶解性が高くなるので、分子量の下限値は特に限定されないが100以上のものが使用できる。
残りの熱可塑性樹脂の前駆体(B2)の分子量についても、大きすぎると前駆体(A)に対する溶解性が低くなるため、10000以下が好ましく5000以下がより好ましく3000以下がさらに好ましい。分子量が小さいほど前駆体(A)に対する溶解性が高くなるので、分子量の下限値は特に限定されないが100以上のものが使用できる。
ポリエステル樹脂としてはジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。またジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらの重合体ないしは共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられ、ポリエステル組成物の成形性からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが特に好ましく、最も好ましいのはポリブチレンテレフタレートである。また、これらのポリエステル樹脂はo−クロロフェノール溶液を25℃で測定したときの固有粘度が0.36〜1.60dl/g、とくに0.52〜1.35dl/gの範囲にあるものが機械的特性、成形性の点から好適である。
また本発明のポリマーアロイには、その衝撃強度を改良し、かつ湿熱時の耐加水分解性を改良するため、少なくとも1種以上のゴム質重合体を添加することも可能である。
上記ゴム質重合体としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、例えばブチルアクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリルゴム、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン非共役ジエン3元共重合体、ブチレン−イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレンなどがあげられる。
また、本発明を構成する2成分の樹脂からなるポリマーアロイに、さらにポリマーアロイを構成する成分を含むブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマーなどのコポリマーである第3成分を添加することは、相分解した相間における界面の自由エネルギーを低下させ、両相連続構造における構造周期や、分散構造における分散粒子間距離の制御を容易にするため好ましく用いられる。この場合通常、かかるコポリマーなどの第3成分は、それを除く2成分の樹脂からなるポリマーアロイの各相に分配されるため、2成分の樹脂からなるポリマーアロイ同様に取り扱うことができる。
本発明でのポリマーアロイを構成する樹脂成分の組成については特に制限はないが、2成分の場合、通常95質量%/5質量%〜5質量%/95質量%の範囲が好ましく用いられ、さらには90質量%/10質量%〜10質量%/90質量%の範囲がより好ましく、特に75質量%/25質量%〜25質量%/75質量%の範囲であれば両相連続構造が比較的得られやすいので好ましく用いられる。
なお、本発明のポリマーアロイには、本発明の目的を損なわない範囲でさらに他の各種の添加剤を含有せしめることもできる。これら他の添加剤としては、例えば、タルク、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、セリサイト、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスフレーク、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維、岩綿、炭酸カルシウム、ケイ砂、ワラステナイト、硫酸バリウム、ガラスビーズ、酸化チタンなどの強化材、非板状充填材、あるいは酸化防止剤(リン系、硫黄系など)、紫外線吸収剤、熱安定剤(ヒンダードフェノール系など)、滑剤、離型剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、染料および顔料を含む着色剤、難燃剤(ハロゲン系、リン系など)、難燃助剤(三酸化アンチモンに代表されるアンチモン化合物、酸化ジルコニウム、酸化モリブデンなど)、発泡剤、カップリング剤(エポキシ基、アミノ基メルカプト基、ビニル基、イソシアネート基を一種以上含むシランカップリング剤やチタンカップリング剤)、抗菌剤等が挙げられる。
これらの添加剤は、本発明のポリマーアロイを製造する任意の段階で配合することが可能であり、例えば、少なくとも2成分の樹脂を配合する際に同時に添加する方法や、予め2成分の樹脂を溶融混練した後に添加する方法や、始めに片方の樹脂に添加し溶融混練後、残りの樹脂を配合する方法等が挙げられる。
本発明から得られるポリマーアロイの成形方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、インフレーション成形、ブロー成形などを挙げることができるが、中でも射出成形は射出時の可塑化工程で相溶解させ、射出後、スピノーダル分解し金型内で熱処理と構造固定化が同時にできることから好ましく、またフィルムおよび/またはシート押出成形であれば、押出時に相溶解させ、吐出後、スピノーダル分解しフィルムおよび/またはシート延伸時に熱処理し、その後の巻き取り前の自然冷却時に構造固定ができることから好ましい。もちろん上記成形品を別途熱処理し構造形成させることも可能である。またかかるフィルムおよび/またはシート化の製造方法としては、単軸あるいは2軸押出機を用いてTダイから溶融押出し、キャストドラムで冷却固化してシート化する方法、溶融押出シートを2つのロール間で成形するポリッシング方法やカレンダーリング方法などがあるが、ここでは特に限定されるものではない。またキャストドラムにキャストする際、溶融樹脂をキャストドラムに密着させるには、静電印加を与える方法、エアーナイフを用いる方法、キャストドラムに対向する押さえのドラムを用いる方法等を用いることもできる。さらにはフィルムおよび/またはシート化用の押出機に供給する前に、予め2軸押出機を用いて相溶化させその構造を凍結させたペレットを用いることがより好ましい。また延伸してフィルム化する方法は、特に制限はなく、逐次2軸延伸、同時2軸延伸でもよく、また通常延伸倍率は2〜8倍の間、延伸速度は500〜5000%/分の間が多く用いられる。さらに延伸時の熱処理温度は、ポリマーアロイを構成する個々の樹脂成分のガラス転移温度のうち最も低い温度以上で熱処理する方法が通常好ましく用いられるが、ポリマーアロイが相溶化状態で単一のガラス転移温度を有する場合や、相分解が進行しつつある状態でポリマーアロイ中でのガラス転移温度が、ポリマーアロイを構成する個々の樹脂成分のガラス転移温度間にある場合には、そのポリマーアロイ中のガラス転移温度のうち最も低い温度以上で熱処理することがより好ましい。またポリマーアロイを構成する個々の樹脂成分として結晶性樹脂を用いる場合、該熱処理温度を結晶性樹脂の昇温結晶化温度以下とすることは、結晶性樹脂の結晶化による延伸の阻害を受けにくくする観点から好ましい。
本発明におけるポリマーアロイは、一般にその構成成分の特徴によって様々な利用方法があるが、中でも片方の樹脂として、耐衝撃性に優れる樹脂を用いて耐衝撃性を高めた構造材料や、片方の樹脂として、耐熱性に優れる樹脂を用いて耐熱性を高めた耐熱樹脂材料や、片方の樹脂に磁性体や触媒等を担持させ機能性成分を微細分散化させた機能性樹脂材料に好適に用いることができる。また本発明の構造制御が、可視光の波長以下も可能であることを利用した透明性樹脂材料にも好適に用いることができる。
かかる耐衝撃性を高めた構造材料は、例えば自動車部品や電機部品などに好適に使用することができる。自動車部品の例としては、オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター、ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、エアフローメーター、エアポンプ、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、サーモスタットハウジング、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、エンジンマウント、イグニッションホビン、イグニッションケース、クラッチボビン、センサーハウジング、アイドルスピードコントロールバルブ、バキュームスイッチングバルブ、ECUハウジング、バキュームポンプケース、インヒビタースイッチ、回転センサー、加速度センサー、ディストリビューターキャップ、コイルベース、ABS用アクチュエーターケース、ラジエータタンクのトップ及びボトム、クーリングファン、ファンシュラウド、エンジンカバー、シリンダーヘッドカバー、オイルキャップ、オイルパン、オイルフィルター、フューエルキャップ、フューエルストレーナー、ディストリビューターキャップ、ベーパーキャニスターハウジング、エアクリーナーハウジング、タイミングベルトカバー、ブレーキブ−スター部品、各種ケース、燃料関係・排気系・吸気系等の各種チューブ、各種タンク、燃料関係・排気系・吸気系等の各種ホース、各種クリップ、排気ガスバルブ等の各種バルブ、各種パイプ、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、ブレーキパッド摩耗センサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアコン用サーモスタットベース、エアコンパネルスイッチ基板、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、ステップモーターローター、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、スタータースイッチ、スターターリレー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウオッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、デュストリビューター、サンバイザーブラケット、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアミラーステー、ホーンターミナル、ウィンドウォッシャーノズル、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプリフレクター、ランプソケット、ランプハウジング、ランプベゼル、ドアハンドル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクターなどの各種コネクターなどが挙げられる。
また電気部品の例としては、コネクター、コイル、各種センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネット、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク・DVD等の音声機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品、オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、携帯電話関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライター関連部品、顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等の光学機器/精密機械関連部品などが挙げられる。
さらに、親水性ポリマーや親水性ポリマーの前駆物質を用いることにより、ポリマーアロイに親水性を付与することができる。親水性を付与することで、医療用材料における血液適合性の向上や、プロテインチップなどバイオツールにおけるバルクタンパク質の付着防止、水処理用分離膜のバイオファウリングの抑制、光学材料の防曇性向上等が可能となる。具体的な医療用材料の例としては人工血管、カテーテル、血液バッグ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、手術用補助器具、血液浄化用モジュールなどが挙げられる。バイオツールの例としては、プロテインチップ、DNAチップ、生体成分分離膜、バイオ実験関連器具、バイオリアクターなどが挙げられる。
以下実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
(実施例1〜2)
(PET/TPIアロイ)
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略)前駆体であるビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート(シグマアルドリッチジャパン(株)、Code:465151−500G、以下BHTと略)を前駆体(A)として用い、熱可塑性樹脂成分(B1)として非晶性熱可塑性ポリイイミド(SABIC Innovative Plastics、「EXTEM」XH1015、以下TPIと略)を用い、三酸化アンチモン(和光純薬工業社製、Code:018−04402)を重合触媒として用い、これらを表1に示す割合で混合し、反応容器の500mlガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、加熱撹拌により溶解を開始した。加熱開始から60分でTPIはBHTに相溶し、内容物は黄色透明の液状となった。その後徐々に減圧を開始し、加熱開始から100分後に0.1kPaに到達した。その後、系内を窒素で大気圧とし、加熱開始110分後に内容物を速やかに冷水中に吐出急冷した(吐出物A)。吐出物Aは黄色透明の固まりであった。
吐出物Aを透過型電子顕微鏡で構造観察したが、0.001μm以上の相分離構造は観察されなかった。
吐出物Aを乳鉢で粉砕し、80℃で6時間真空乾燥した後120℃で12時間真空乾燥し、系内の水分を除去した。その後、200℃、1kPa窒素気流下で24時間、その後240℃、1kPa窒素気流下で10時間で固相重合を行い、PET/TPIアロイを得た。
PET/TPIアロイをプレスフィルム化し、赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PET由来のシグナルとTPI由来のシグナルが観察された。また、該サンプルをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(装置:Waters社製 Model510、カラム:昭和電工社製 GPC HFIP−806M)で分析した結果、PETの数平均分子量は表1のとおりであった。
PET/TPIアロイをカバーガラスに挟み顕微鏡用加熱ステージ上で窒素雰囲気下溶融滞留し、構造サイズの変化を観察した。ここで、固重前のサンプル(吐出物A)が0.001μm以上の相分離構造が観察されなかったので、溶融滞留開始20分後の顕微鏡観察画像から(S1)を、溶融滞留開始80分後の顕微鏡観察画像から(S2)を、それぞれフーリエ変換して求めた。変化率(V)を結果を表1に示す。(V)が3.0以下であり溶融滞留時の構造サイズが安定なポリマーアロイが得られた。
PET/TPIアロイを290℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し小角X線散乱スペクトルを測定した。該スペクトルにおける、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)、(a)/(b)および構造周期の値を表1に記載した。
該シートを100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。その結果を表1に示す。本方法により得られたポリマーアロイは、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)から計算される(a)/(b)の数値が1.2以下であり、構造の均一性が高いポリマーアロイであった。すなわち従来得ることができなかった構造均一性が高いPET/TPIポリマーアロイが、固体状態で重合することではじめて得ることができた。
(比較例1〜2)
比較例として、実施例1〜2の固体状態での重合を溶融重合に置き換えアロイ化を実施した。BHTを前駆体(A)として用い、熱可塑性樹脂成分(B1)としてTPIを用い、三酸化アンチモン(和光純薬工業社製、Code:018−04402)を重合触媒として用い、これらを表1に示す割合で混合し、反応容器の500mlガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、加熱撹拌により溶解を開始した。加熱開始から60分でTPIはBHTに相溶し、内容物は黄色透明の液状となった。その後徐々に減圧を開始し、加熱開始から100分後に0.1kPaに到達した。その後さらに90分間0.1kPaを維持し、生成するエチレングリコールは反応系外へ留去し、重合をさらに進行させた。加熱終了後、速やかに反応物を冷水中に吐出急冷し、構造を固定化し、黄色不透明ガット状のサンプルを得た。
ガット状サンプルをプレスフィルム化し、赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PET由来のシグナルとTPI由来のシグナルが観察された。また、該サンプルをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(装置:Waters社製 Model510、カラム:昭和電工社製 GPC HFIP−806M)で分析した結果、PETの平均分子量は表1のとおりであった。
ガット状サンプルから切り出した小片をカバーガラスに挟み顕微鏡用加熱ステージ上で窒素雰囲気下で観察を行った。その結果、PETにTPIが粒子間距離1〜30μmの範囲で粗大分散していることがわかった。
ガット状サンプルを290℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し光線散乱スペクトルを測定した。該スペクトルにおいて、粗大分散のためピークは観察されなかった。
該シートを100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。その結果を表1に示す。その結果、比較例5のPET単体と比較して引張強度、引張弾性率共に大きな変化がないことがわかった。
(PETの準備)
BHT(シグマアルドリッチジャパン(株)、Code:465151−500G)100g、重合触媒として三酸化アンチモン(和光純薬工業社製、Code:018−04402)23mgを混合し、反応容器の500mlガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、加熱撹拌により重合を開始した。加熱開始から30分で290℃に到達し、減圧を開始した。生成するエチレングリコールは反応系外へ留去し、重合をさらに進行させた。15分後反応容器内圧力は0.2kPaに達した。その後、290℃、0.2kPaで120分間加熱撹拌した。加熱終了後、速やかに反応物を水中に吐出急冷し、構造を固定化し、無色透明ガット状のサンプルを得た。該サンプルを赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PET由来のシグナルが観察された。また、該サンプルをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(装置:Waters社製 Model510、カラム:昭和電工社製 GPC HFIP−806M)で分析した結果、数平均分子量12200のPETであることがわかった。該PETを以下の比較例に用いた。
(比較例3〜4)
比較例として、PETとTPIの溶融混練によるアロイ化を実施した。PETおよびPEIを表1に示す組成で、押出温度300℃に設定した2軸スクリュー押出機(池貝工業社製PCM−30)に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに水中に急冷し、構造を固定化し、ガット状のサンプルを得た。ガット状のサンプルは不透明であり、切り出した小片をカバーガラスに挟み顕微鏡用加熱ステージ上で窒素雰囲気下で観察を行った。その結果、100μm以上の粗大分散構造が観察され、溶融混練によるアロイ化は困難であることがわかった。
(比較例5)
アロイとの対照水準として、PET単体での比較を実施した。PETを270℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し、100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。
(実施例3〜4)
(PET/PEIアロイ)
実施例1〜3の熱可塑性樹脂成分(B1)をポリエーテルイミド(SABIC Innovative Plastics、「ULTEM」1010、以下PEIと略)に変更して、PET/PEIアロイを作成した。この際得られた吐出物(実施例1〜3での吐出物Aに相当、ここでは吐出物Bとする)を透過型電子顕微鏡で構造観察したが、0.001μm以上の相分離構造は観察されなかった。
PET/PEIアロイをプレスフィルム化し、赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PET由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。また、該サンプルをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(装置:Waters社製 Model510、カラム:昭和電工社製 GPC HFIP−806M)で分析した結果、PETの平均分子量は表2のとおりであった。
PET/PEIアロイをカバーガラスに挟み顕微鏡用加熱ステージ上で窒素雰囲気下溶融滞留し、構造サイズの変化を観察した。ここで、固重前のサンプル(吐出物B)が0.001μm以上の相分離構造が観察されなかったので、溶融滞留開始20分後の顕微鏡観察画像から(S1)を、溶融滞留開始80分後の顕微鏡観察画像から(S2)を、それぞれフーリエ変換して求めた。変化率(V)を結果を表2に示す。(V)が3.0以下であり溶融滞留時の構造サイズが安定なポリマーアロイが得られた。
PET/PEIアロイを290℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し小角X線散乱スペクトルを測定した。該スペクトルにおける、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)、(a)/(b)および構造周期の値を表2に記載した。
該シートを100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。その結果を表2に示す。本方法により得られたポリマーアロイは、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)から計算される(a)/(b)の数値が1.2以下であり、構造の均一性が高いポリマーアロイであった。
(比較例6〜7)
比較例として、実施例3〜4の固体状態での重合を溶融重合に置き換えアロイ化を実施した。BHTを前駆体(A)として用い、熱可塑性樹脂成分(B1)としてPEIを用い、三酸化アンチモン(和光純薬工業社製、Code:018−04402)を重合触媒として用い、これらを表2に示す割合で混合し、反応容器の500mlガラス試験管に投入した。反応容器を窒素置換した後、加熱撹拌により溶解を開始した。加熱開始から60分でPEIはBHTに相溶し、内容物は黄色透明の液状となった。その後徐々に減圧を開始し、加熱開始から100分後に0.1kPaに到達した。その後さらに60分間0.1kPaを維持し、生成するエチレングリコールは反応系外へ留去し、重合をさらに進行させた。加熱終了後、速やかに反応物を冷水中に吐出急冷し、構造を固定化し、黄色不透明ガット状のサンプルを得た。
ガット状サンプルをプレスフィルム化し、赤外吸収分光法(島津製作所社製 FTIR−8100A)により分析した結果、PET由来のシグナルとPEI由来のシグナルが観察された。また、該サンプルをヘキサフルオロイソプロパノールに溶解し、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(装置:Waters社製 Model510、カラム:昭和電工社製 GPC HFIP−806M)で分析した結果、PETの平均分子量は表2のとおりであった。
ガット状サンプルを窒素雰囲気下で60分間溶融滞留させた。溶融滞留前後の各サンプルを透過型電子顕微鏡で観察し、その画像から(S1)および(S2)を、それぞれフーリエ変換して求めた。変化率(V)を結果を表2に示す。
ガット状サンプルを290℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し小角X線散乱スペクトルを測定した。該スペクトルにおける、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)、(a)/(b)および構造周期の値を表2に記載した。
該シートを100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。その結果を表2に示す。以上の結果から、微細かつ均一な相分離構造を形成しているものの、溶融滞留時の安定性が低く、固体状態で重合した場合(実施例3,4)と比較して物性が低下した。
(比較例8〜9)
比較例として、PETとPEIの溶融混練によるアロイ化を実施した。PETおよびPEIを表2に示す組成で、押出温度300℃に設定した2軸スクリュー押出機(池貝工業社製PCM−30)に供給し、ダイから吐出後のガットをすぐに水中に急冷し、構造を固定化し、ガット状のサンプルを得た。上記ガット状サンプルを260℃、1.5MPaで加熱プレスを行い、シート(厚み0.1mm)を作製し小角X線散乱スペクトルおよび光散乱スペクトルを測定した。該スペクトルにおける、ピーク半値幅(a)、ピーク極大波長(b)、(a)/(b)および構造周期の値を表2に記載した。ピーク半値幅は大きく、(a)/(b)は1.2を超えていた。また、半値幅が大きいため、比較例1、2はピークが観測されなかった。該シートを100℃で縦方向に3.5倍延伸した後、横方向に85℃で4.0倍延伸し、200℃で1分間熱固定することでフィルムを作製し、長さ×幅=50mm×10mmのサンプルを切り出し、25℃湿度65%の雰囲気下で引張速度300mm/分で引張強度、引張弾性率を測定した。その結果を表2に示す。以上の結果から、微細かつ均一な相分離構造は得られず、粗大分散構造であった。また、物性もPET単体(比較例5)と比較して、低下した。
Figure 0005287343
Figure 0005287343
本発明のポリマーアロイおよびその製造方法は、その溶融滞留時の相分離構造サイズ粗大化が小さく、かつ構造を微細かつ均一に制御することが可能であり、その結果、優れた物理的特性を有するポリマーアロイが得られる。本ポリマーアロイは、軽量化や高機能化を目的とした自動車部品や電機部品などにおいて金属材料の代替のみならず、親水性ポリマーとのアロイ化により血液適合性を付与することで医療用材料などにも好適に用いることができる。さらに、ポリマーアロイを構成する一部のポリマーを溶媒などで選択的に除去することで、高機能分離膜や吸着カラム用の多孔性微粒子にも好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. 少なくとも2成分以上の熱可塑性樹脂からなるポリマーアロイを製造する際に、該ポリマーアロイを構成する熱可塑性樹脂成分のうち少なくとも1つの熱可塑性樹脂成分の、分子量5000以下の前駆体(A)と、残りの熱可塑性樹脂成分であって、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリアルキレンオキサイド類およびセルロース類から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂成分(B1)および/またはポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル、およびポリアクリロニトリルから選ばれる少なくとも1種の、分子量5000以下の前駆体(B2)を相溶後固化し、前記(A)および(B1)を相溶後固化する場合は(A)を、前記(A)および(B2)を相溶後固化する場合は(A)および(B2)を、前記(A)、(B1)および(B2)を相溶後固化する場合は(A)および(B2)を、固体状態で重合反応させることを特徴とするポリマーアロイの製造方法。
  2. 重合反応後の、前記前駆体(A)が重合したものおよび/または前記前駆体(B2)が重合したものの数平均分子量が8000以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリマーアロイの製造方法。
  3. 前記前駆体(A)および/または前記前駆体(B2)がポリエステル樹脂および/またはポリアミド樹脂の前駆体であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリマーアロイの製造方法。
  4. 前記ポリマーアロイが、構造周期が0.001〜10μmの両相連続構造、または粒子間距離0.001〜10μmの分散構造であり、溶融滞留前の構造周期または粒子間距離を(S1)、60分間溶融滞留させた後の構造周期または粒子間距離を(S2)とするとき、式
    (V)=((S2)−(S1))/(S1)
    で示す変化率(V)が3.0以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法。
  5. 前記ポリマーアロイが、構造周期または粒子間距離が0.001μm以上0.1μm未満の場合は小角X線散乱測定において、構造周期または粒子間距離が0.1μm以上10μm以下の場合は光散乱測定において、散乱光の波数に対して散乱強度をプロットしたスペクトルにおけるピーク半値幅(a)、該ピークの極大波数(b)とするとき0<(a)/(b)≦1.2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリマーアロイの製造方法
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