JP2006089701A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 変形速度が大きいほど応力が小さく、変形量が大きいという特徴を有し、耐衝撃性と耐熱性等、相反する特性のバランスに優れ、特に耐衝撃性が顕著に優れる熱可塑性樹脂組成物で、特定の引張特性を有し、高度に構造制御された熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、下記(I)および(II)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物。
(I)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張速度V1、V2の時の引張弾性率をE(V1)、E(V2)とすると、V1<V2のとき、E(V1)>E(V2) (II)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張伸度εにおけるV1,V2の時の応力をσ(V1、ε)、σ(V2、ε)とすると、V1<V2のとき、σ(V1、ε)>σ(V2、ε)
【選択図】 なし

Description

本発明は、変形速度が大きいほど応力が小さく、変形量が大きいという特徴を有しており、耐衝撃性と耐熱性等、相反する特性のバランスに優れ、特に耐衝撃性が顕著に優れる熱可塑性樹脂組成物であり、自動車内外装部品、自動車外板等の衝撃吸収能力を必要とする用途に好適な、特定の引張特性を有し、高度に構造制御された熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法に関する。
樹脂製品の実用化に際して、衝撃強度を向上させることは最も重要な課題の一つである。例えば自動車等に用いられる衝撃吸収部材は、近年において軽量化やコストの面から樹脂を利用する機会が増えてきた。これらの部品には、軽量化と強度の向上が図れるような構造が求められており、例えば肉厚を厚くすることなく強度を向上させることができるリブ構造などがある。
また、人体を衝突時等の衝撃から保護するため、内装材と車体パネルとの間に衝撃エネルギー吸収部材と呼ばれるものが構造・材料の両面で提案されているが、こと材料面に関しては、耐熱性や剛性等を損なうことなく、いざ衝突が発生した際には脆性破壊せず、低い応力で自ずから変形する柔軟性を有することが必要である。しかも、近年ではこれら要求特性についてますます高度化・多様化しており、単独の高分子で対応することは殆ど困難な状況である。そこで近年、複数のポリマーによるポリマーアロイの手法が高分子材料開発における主流となっている。特に、現在ではモルフォロジーの高度な制御により飛躍的な特性の向上を達成しようという試みが活発化している。
例えば、ポリプロピレン樹脂からなる連続相中に、ゴム成分からなる分散相を形成し、さらに変性ポリプロピレン樹脂と、該変性ポリプロピレンと反応可能な化合物を上記分散相中に存在させることにより、耐衝撃性と曲げ弾性率を両立させる方法が開示されている(特許文献1参照)。また、(メタ)アクリル系重合体成分を連続相、変性ウレタンエラストマー成分を分散相とし、該分散相は(メタ)アクリル系重合体成分の一部を複合包括したミクロ相分離構造を有しており、少なくとも一部の(メタ)アクリル系重合体成分と、少なくとも一部の変性ウレタンエラストマー成分とが化学結合しているモルフォロジーを形成させることにより、耐候性、透明性、耐擦傷性、剛性を犠牲にすることなく、耐衝撃性を改良する方法が開示されている(特許文献2参照)。また、ポリプロピレン系樹脂からなる連続相およびゴム状重合体からなる分散相中に、水素添加ブロック共重合体をそれぞれ分散させることにより、耐衝撃性、脆化温度、剛性、表面硬度、引っ張り破断伸びをバランス良く向上させる方法が開示されている(特許文献3参照)。
また、高分子材料の中でも特にエンジニアリングプラスチックは、優れた耐熱性、機械特性、耐衝撃特性を有することから、構造材料や機能材料など各種の工業分野において広く使用されている。
例えば、代表的なエンジニアリングプラスチックであるポリアミド樹脂や、ポリブチレンテレフタレート樹脂についても、それぞれ単独で用いるだけでは、使用可能な用途が限られることから、他の樹脂とのアロイによる改良、特に近年ではモルフォロジーの制御による改良が多く行われている。
モルフォロジーの制御による特性の向上の例としては、ポリアミド樹脂からなる連続相と、該連続相に分散された、α,β−不飽和カルボン酸で変性されたポリオレフィンからなる粒子状の分散相とからなり、該分散相の数平均粒子径と、その分布を制御することにより、衝撃強度と表面剥離強度を向上させる方法が開示されている(特許文献4参照)。また、ポリアミド樹脂からなる連続相中に、変性ポリオレフィンおよび未変性ポリオレフィンをコア−シェル型粒子構造の分散相として存在させることにより、低吸水性、寸法安定性、剛性、靱性および成形性をバランスよく向上させる方法が開示されている(特許文献5参照)。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂を連続相中として、変性熱可塑性エラストマーからなる分散相の平均粒子間の距離を制御することにより、耐衝撃性を向上させる方法が開示されている(特許文献6参照)。
特開平08−183887号公報 特開2000−319475号公報 特開2001−106844号公報 特開平9−31325号公報 特開平9−59438号公報 特開平7−166041号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載の方法では、連続相における高度な構造制御が施されていないため、耐衝撃性の効果は不十分である。また、特許文献3に記載の方法では、ゴム状重合体の分散サイズについての制御は行われておらず、上記特性のバランスについて十分とは言い難い。特許文献4および6に記載の方法では、基本的な相構造は単純な海―島構造であり、耐衝撃性が向上しても、剛性、耐熱性等その他の特性が低下するという問題がある。特許文献5に記載の方法では、連続相における高度な構造制御が施されておらず、耐衝撃性、耐熱性等の改良効果は必ずしも十分であるとは言い難い。また、特許文献1〜6のどの記載方法においても、引張速度が大きくなるほど、引張弾性率および引張降伏伸度以降の引張応力が大きくなるような樹脂組成物しか得られない。
本発明は、耐衝撃性と耐熱性等、相反する特性のバランスに優れた熱可塑性樹脂組成物であり、構造材料や機能材料、特に自動車内外装部品、自動車外板等の衝撃吸収能力を必要とする用途に好適な熱可塑性樹脂組成物およびその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、反応性官能基を有する樹脂を配合し、特定の引張特性を有する樹脂組成物が、上記特性を有することを見いだし本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、下記の(1)〜(11)からなる。
(1)熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、下記(I)および(II)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物。
(I)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張速度V1、V2の時の引張弾性率をE(V1)、E(V2)とすると、V1<V2のとき、E(V1)>E(V2) (II)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張伸度εにおけるV1,V2の時の応力をσ(V1、ε)、σ(V2、ε)とすると、V1<V2のとき、σ(V1、ε)>σ(V2、ε)
(2)熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、下記特徴を有する(1)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
引張試験において、引張速度V1,V2の時の引張破断伸度をε(V1)、ε(V2)とすると、V1<V2のとき、ε(V1)<ε(V2)
(3)熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなる樹脂組成物であって、下記(I)または(II)のどちらかに示す構造が形成されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の熱可塑性樹脂組成物。
(I)(A)または(B)の一方が連続相、もう一方が分散相を形成し、さらにこれらの連続相および分散相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める分散相と連続相との面積比が40/60〜60/40である。
(II)(A)および(B)ともに連続相を形成し、さらにこれらの両連続相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める両連続相の面積比が40/60〜60/40である。
(4)熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上である(1)〜(3)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(5)熱可塑性樹脂(B)が反応性官能基を有するゴム質重合体である(1)〜(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(6)反応性官能基が、エポキシ基、酸無水物基、オキサゾリン基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基である(1)〜(5)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(7)熱可塑性樹脂(A)と(B)との配合比が重量比で95/5〜5/95である(1)〜(6)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
(8)二軸押出機のスクリュー長さをL,スクリュー直径をDとすると、L/D>45の二軸押出機を使用して熱可塑性樹脂(A)と反応性官能基を有する樹脂(B)とを溶融混練することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
(9)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
(10)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシート。
(11)(1)〜(8)のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる衝撃吸収部材。
本発明によれば、高度に構造制御を行うことにより、耐衝撃性と耐熱性等、相反する特性のバランスに優れ、特に耐衝撃性が顕著に優れる熱可塑性樹脂組成物が得られる。この熱可塑性樹脂組成物は、自動車内外装部品、自動車外板等の衝撃吸収能力を必要とする用途に有用に用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)または反応性官能基を有する樹脂(B)を配合した樹脂組成物であって、(I)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張速度V1、V2の時の引張弾性率をE(V1)、E(V2)とすると、V1<V2のとき、E(V1)>E(V2)および、(II)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張伸度εにおけるV1,V2の時の応力をσ(V1、ε)、σ(V2、ε)とすると、V1<V2のとき、σ(V1、ε)>σ(V2、ε)であることを特徴とする。
一般的にプラスチックの引張特性は「プラスチックの機械的性質」(成澤郁夫著、株式会社シグマ出版)等の文献に記載されているように、引張速度が大きくなるほど、引張弾性率および引張降伏伸度以降の引張応力が大きくなり、引張破断伸度は低下する。しかしながら本発明においては、引張速度が大きくなるほど、引張弾性率および引張降伏伸度以降の引張応力が低下し、引張破断伸度は増大するため、通常の使用条件では強度・耐熱性に優れ、衝突時等の急激な変形の際には靱性に優れた材料となることが特長である。
この場合の引張試験とは、ASTM D−638規格に明記された方法に従って行われる。引張弾性率とは、応力−ひずみ曲線の初期直線部分の勾配を示す。また、引張降伏伸度とは、降伏点における伸びを示し、異なる速度で引張試験を行った場合、ここでは最も大きな値を示した引張降伏伸度のことを指す。また、樹脂組成物が引張降伏を示さない場合は、ε>0とする。
E(V1)とE(V2)および、σ(V1、ε)とσ(V2、ε)の差は大きいほど衝撃特性および耐熱性のバランスの観点から好ましい。
また、本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、引張試験における引張降伏伸度以降において、引張速度V1,V2の時の引張破断伸度をε(V1)、ε(V2)とすると、V1<V2のとき、ε(V1)<ε(V2)であることが好ましい。引張破断伸度とは、破壊の瞬間における伸びを示す。ε(V1)とε(V2)との差は大きいほど衝撃特性および耐熱性のバランスの観点から好ましい。なお、耐衝撃性および耐熱性のバランスの観点から、上記関係式は引張速度10mm/min以上500mm/min以下の範囲内におけるあらゆるV1,V2に対して成立することが好ましく、さらには1mm/min以上1000mm/min以下の範囲内におけるあらゆるV1,V2に対して成立することが好ましい。
また上記特性を示す為には、熱可塑性樹脂(A)または反応性官能基を有する樹脂(B)を配合した樹脂組成物であって、(I)(A)または(B)の一方が連続相、もう一方が分散相を形成し、さらにこれらの連続相および分散相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める分散相と連続相との面積比が40/60〜60/40である構造、あるいは(II)(A)および(B)ともに連続相を形成し、さらにこれらの両連続相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める両連続相の面積比が40/60〜60/40である構造が形成されていることが好ましい。(I)の場合に、連続相を構成する樹脂は熱可塑性樹脂(A)または反応性官能基を有する樹脂(B)のどちらかであり特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)としての特性を主に要求するならば、連続相は熱可塑性樹脂(A)で構成されているほうが好ましい。その場合分散相は反応性官能基を有する樹脂(B)により構成される。なお、ここでいう「断面」とは、本発明の熱可塑性樹脂組成物からなる塊状物を或る1箇所においてその法線方向に切断したときに生ずる断面をいう。
本発明の平均粒子径が300nm以下の微粒子については、連続相および分散相あるいは両連続相以外に、連続相と分散相の界面あるいは両連続相の界面に存在していてもよい。また該微粒子を構成する物質については特に制限されるものではないが、好ましい一例として、連続相および分散相の界面において熱可塑性樹脂(A)と反応性官能基を有する樹脂(B)との反応により生成した化合物が挙げられる。この場合該化合物は剪断場等の外場の影響を受けて界面から連続相および分散相中に移動し、移動した相との親和性の高いセグメントが外側に向いた、いわゆるミセルの形態として存在する。
このような分散構造は、例えば透過型電子顕微鏡観察等により確認することができる。透過型電子顕微鏡観察により確認が可能な倍率は通常の透過型電子顕微鏡観察で観察される倍率であり、微粒子の大きさにより異なるが、本発明の場合、35,000倍の倍率で観察することができる。
分散相または微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡写真の画像解析により算出することが出来る。画像解析の方法としては、Scion Corporation社製画像解析ソフト「Scion Image 」等の画像解析ソフトを使用して、電子顕微鏡写真中に存在する分散相または微粒子の長径および短径の平均値を算出し、長径と短径の平均値として平均粒子径を算出する。
分散相の平均粒子径は微粒子を含有することが可能な大きさであれば特に制限されないが、耐衝撃性等の観点から、100〜1000nmが好ましく、より好ましくは100〜500nmであり、100〜200nmであればさらに好ましい。
平均粒子径が300nm以下の微粒子の平均粒子径は好ましくは1〜300nmであるが、変形後の外観を損ねない為には、5〜100nmの範囲がより好ましく、10〜20nmの範囲であればさらに好ましい。
断面に占める分散相と連続相または両連続相の面積比については、例えば35,000倍の透過型電子顕微鏡写真を解析することにより算出することが出来る。この場合の分散相と連続相あるいは両連続相の面積比は、それぞれに含有する微粒子の面積を含めたものであり、熱可塑性樹脂(A)および(B)の配合比とは必ずしも一致しない。例えば分散相を形成する樹脂の配合量が少なくとも、微粒子が分散相中に多く移動すれば、分散相を占める面積の割合は大きくなる。分散相と連続相あるいは両連続相の面積比すなわち、(分散相の面積)/(連続相の面積)あるいは(一方の連続相の面積)/(もう一方の連続相の面積)は、40/60〜60/40が好ましいが、45/55〜55/45がより好ましく、50/50に近づくほどより好ましい。
本発明で用いる熱可塑性樹脂(A)とは、加熱溶融により成形可能な樹脂であれば特に制限されるものではないが、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアセタール樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹脂、ゴム質重合体、ポリアルキレンオキサイド樹脂等から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂として用いることが出来る。
上記に示した熱可塑性樹脂の中で好ましく用いられるのは、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン系樹脂であり、とりわけポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂は末端基の反応性が高く、最も好ましく用いられる。
上記ポリアミド樹脂とは、アミド結合を有する高分子からなる樹脂のことであり、アミノ酸、ラクタムあるいはジアミンとジカルボン酸を主たる原料とするものである。その原料の代表例としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などのアミノ酸、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、メタキシレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジンなどの脂肪族、脂環族、芳香族のジアミン、およびアジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂肪族、脂環族、芳香族のジカルボン酸が挙げられ、本発明においては、これらの原料から誘導されるポリアミドホモポリマーまたはコポリマーを各々単独または混合物の形で用いることができる。
本発明において、特に有用なポリアミド樹脂は、200℃以上の結晶融解温度を有する耐熱性や強度に優れたポリアミド樹脂であり、具体的な例としてはポリカプロアミド(ポリアミド6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T/6I)、ポリキシリレンアジパミド(ポリアミドXD6)およびこれらの混合物ないし共重合体などが挙げられる。
とりわけ好ましいものとしては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド6/66コポリマー、ポリアミド6/12コポリマーなどの例を挙げることができ、更にこれらのポリアミド樹脂を成形性、耐熱性、靱性、表面性などの必要特性に応じて混合物として用いることも実用上好適であるが、これらの中でポリアミド6が最も好ましい。
これらポリアミド樹脂の重合度には特に制限がなく、1%の濃硫酸溶液中、25℃で測定した相対粘度が、1.5〜5.0の範囲、特に2.0〜4.0の範囲のものが好ましい。
また、前記ポリエステル樹脂とは、主鎖にエステル結合を有する高分子からなる熱可塑性樹脂のことであり、ジカルボン酸(あるいは、そのエステル形成性誘導体)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応により得られる重合体ないしは共重合体、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
上記ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸およびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。またジオール成分としては炭素数2〜20の脂肪族グリコールすなわち、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジオールなど、あるいは分子量400〜6000の長鎖グリコール、すなわちポリエチレングリコール、ポリ−1,3−プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどおよびこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
これらの重合体ないしは共重合体の好ましい例としては、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリブチレン(テレフタレート/5−ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレンナフタレ−ト、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが挙げられ、組成物の成形性からポリブチレンテレフタレート、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレ−ト、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレンナフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどが特に好ましく、最も好ましいのはポリブチレンテレフタレート(ポリブチレンテレフタレート樹脂)である。
また、ポリブチレンテレフタレート樹脂は、o−クロロフェノール溶媒を用いて25℃で測定した固有粘度が0.36〜1.60、特に0.52〜1.25の範囲にあるものが好適である。また、固有粘度の異なるポリブチレンテレフタレート樹脂を併用しても良く、固有粘度が0.36〜1.60の範囲にあることが好ましい。
更に、これらポリブチレンテレフタレート樹脂は、m−クレゾール溶液をアルカリ溶液で電位差滴定して求めたCOOH末端基量が1〜50eq/t(ポリマ1トン当りの末端基量)の範囲にあるものが耐久性、異方性抑制効果の点から好ましく使用できる。
本発明の反応性官能基を有する樹脂(B)とは、反応性官能基を分子鎖中に有する樹脂のことである。
本発明の反応性官能基を有する樹脂(B)のベースとなる樹脂としては、特に制限されないが、例えばポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアセタール樹脂、四フッ化ポリエチレン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリチオエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂やABS樹脂等のスチレン系樹脂、ゴム質重合体、ポリアルキレンオキサイド樹脂等から選ばれる、前述の熱可塑性樹脂(A)とは異なる少なくとも1種以上の樹脂として用いることが出来る。中でも反応性官能基の導入の容易さから、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、スチレン系樹脂、ゴム質重合体が好ましく、さらに耐衝撃特性・靭性改良効果の観点から、ゴム質重合体がより好ましい。
ここで言うゴム質重合体とは、一般的にガラス転移温度が室温より低い重合体を含有し、分子間の一部が共有結合・イオン結合・ファンデルワールス力・絡み合い等により、互いに拘束されている重合体のことを指す。例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエンのランダム共重合体およびブロック共重合体、該ブロック共重合体の水素添加物、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ブタジエン−イソプレン共重合体などのジエン系ゴム、エチレン−プロピレンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレン−ブテンのランダム共重合体およびブロック共重合体、エチレンとα−オレフィンとの共重合体、エチレン−メタクリレート、エチレン−ブチルアクリレートなどのエチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、例えばブチルアクリレート−ブタジエン共重合体などのアクリル系弾性重合体、エチレン−酢酸ビニルなどのエチレンと脂肪酸ビニルとの共重合体、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合体、エチレン−プロピレン−ヘキサジエン共重合体などのエチレン−プロピレン非共役ジエン3元共重合体、ブチレン−イソプレン共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラストマなどの熱可塑性エラストマなどが好ましい例として挙げられる。これらの中でも熱可塑性樹脂(A)としてポリアミド樹脂やポリブチレンテレフタレートを用いる場合には、相溶性の観点から、エチレン−不飽和カルボン酸エステルとの共重合体が好ましく用いられる。
エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体における不飽和カルボン酸エステルとは、アクリレート好ましくはアクリル酸とアルコールとのエステルである。不飽和カルボン酸エステルの具体的な例としては、エチルアクリレート、メチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート等のアクリル酸エステルが挙げられる。
共重合体中のエチレン成分とアクリレート成分の重量比は特に制限は無いが、好ましくは10:1〜1:10、より好ましくは5:1〜1:5の範囲である。
エチレン−不飽和カルボン酸エステル共重合体の数平均分子量は特に制限されないが、流動性、機械的特性の観点から1000〜50000の範囲が好ましい。
本発明における反応性官能基とは、熱可塑性樹脂(A)中に存在する官能基と互いに反応するものであれば特に限定されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、エポキシ基、イソシアネート基、メルカプト基、オキサゾリン基、スルホン酸基等から選ばれる少なくとも1種以上が挙げられる。この中でもエポキシ基、酸無水物基、イソシアネート基、オキサゾリン基は反応性が高く、しかも分解、架橋などの副反応が少ないため好ましく用いられる。さらに好ましく用いられるのはエポキシ基、酸無水物基、オキサゾリン基である。
上記記載の酸無水物基における酸無水物とは、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水エンディック酸、無水シトラコン酸、1−ブテン−3,4−ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。これらは2種類以上同時に併用しても差し支えない。このうち、無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に用いられる。
酸無水物基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、酸無水物とゴム質重合体の原料である単量体とを共重合する方法、酸無水物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることが出来る。
また、エポキシ基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば、エポキシ基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法、上記官能基を有する重合開始剤または連鎖移動剤を用いてゴム質重合体を重合する方法、エポキシ化合物をゴム質重合体にグラフトさせる方法などを用いることができる。
エポキシ基を有するビニル系単量体としては、例えばアクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、エタクリル酸グリシジル、イタコン酸グリシジルなどのα,β−不飽和酸のグリシジルエステル化合物を挙げることができる。
また、オキサゾリン基をゴム質重合体に導入する方法としては、通常公知の技術で行うことができ、特に制限はないが、例えば2−イソプロペニル−オキサゾリン、2−ビニル−オキサゾリン、2−アクロイル−オキサゾリン、2−スチリル−オキサゾリンなどのオキサゾリン基を有するビニル系単量体をゴム質重合体の原料である単量体と共重合する方法などを用いることができる。
反応性官能基を有する樹脂(B)における、一分子鎖当りの官能基の数については、特に制限はないが通常1〜10個が好ましく、架橋等の副反応を少なくする為に1〜5個が好ましい。また、官能基を全く有さない分子が含まれていても構わないが、その割合は少ない程好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂(A)と反応性官能基を有する樹脂(B)との配合比について、最終的な熱可塑性樹脂組成物の分散相と連続相との面積比あるいは両連続相の面積比が40/60〜60/40の範囲となれば特に制限はないが、機械的特性の改良の為には、((A)の重量)/((B)の重量)は5/95〜95/5の範囲が好ましく、10/90〜90/10の範囲はより好ましく、20/80〜80/20の範囲が最も機械的特性の改良効果が高く、好ましい。
熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)との反応を行う方法としては、本発明で規定する範囲の熱可塑性樹脂組成物が得られる限り特に制限されず、基本的な混合方法としては共通溶媒中で希釈した状態での反応、懸濁液中での反応、少なくとも一方が固相状態での反応、共に溶融状態での反応等が挙げられ、両者の樹脂・官能基の種類により、適宜使い分けることが出来るが、通常は共に溶融状態での反応が好ましく、特に二軸押出機を用いた溶融混練による方法は、反応と混練を同時に行うことが可能であり、最も好ましい。
二軸押出機を使用する場合には、L/Dの値が大きい二軸押出機が好ましく使用される。ここで言うL/Dとは、スクリュー長さLを、スクリュー直径Dで割った値のことである。スクリュー長さとは、スクリュー根元の原料が供給される位置から、スクリュー先端部までの長さを指す。L/Dが大きい程、熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)との反応および、反応により生成した共重合体よりなる微細な分散相の生成の為に必要な滞留時間および剪断場をどちらも犠牲にすることなく提供することが可能である。なお、サンプリングバルブ等を有する押出機を使用して、押出機の途中部分からサンプリングする場合、Lの長さが“スクリュー根元の原料が供給される位置から該サンプリング箇所までの長さ”に等しく、スクリュー直径Dがサンプリングバルブ等を有する押出機のスクリュー直径に等しい通常の押出機で混練したものと同様であるとみなすことができる。ここでいうサンプリング箇所とは、シリンダ内の樹脂が吐出される孔に最も近いスクリュー軸上の位置を指す。L/Dの大きさの範囲としては、46〜200が好ましく、より好ましくは60〜200、中でも80〜200の範囲であればさらに好ましい。また、スクリューの回転速度としては、特に制限はなく、使用する原料により適宜調整可能であるが、通常20〜500回/分の範囲で行われ、好ましくは30〜400回/分、さらに好ましくは40〜300回/分の範囲で行われる。
また、本発明において二軸押出機で用いる場合のスクリュー構成としては、フルフライトおよびニーディングディスクを組み合わせて用いられるが、本発明の組成物を得るためにはスクリューによる効果的な剪断場の付与が必要である。そのため、スクリュー全長に対するニーディングディスクの合計長さ(ニーディングゾーン)の割合は、16〜50%の範囲が好ましく、好ましくは18〜40%、中でも20〜30%の範囲であればさらに好ましい。
また、ニーディングゾーンはスクリュー内の特定の位置に偏在することなく、全域に渡って配置されることが好ましい。
本発明においては、強度及び寸法安定性等を向上させるため、必要に応じて充填材を用いてもよい。充填材の形状としては繊維状であっても非繊維状であってもよく、繊維状の充填材と非繊維状充填材を組み合わせて用いてもよい。かかる充填材としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイバー、炭素繊維、チタン酸カリウムウィスカ、酸化亜鉛ウィスカ、硼酸アルミニウムウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填剤、ワラステナイト、ゼオライト、セリサイト、カオリン、マイカ、クレー、パイロフィライト、ベントナイト、アスベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄などの金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒化ホウ素および炭化珪素などの非繊維状充填剤が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこれら充填剤を2種類以上併用することも可能である。また、これら繊維状および/または非繊維状充填材をイソシアネート系化合物、有機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得る意味において好ましい。
強度および寸法安定性等を向上させるため、かかる充填剤を用いる場合、その配合量は特に制限はないが、通常樹脂組成物100重量部に対して30〜400重量部配合される。
さらに本発明の熱可塑性樹脂組成物中においては、その特性を損なわない範囲内で、必要に応じて他の熱可塑性樹脂類、ゴム類、各種添加剤類を配合することができる。
かかる各種添加剤類とは、結晶核剤、着色防止剤、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミンなどの酸化防止剤、エチレンビスステアリルアミドや高級脂肪酸エステルなどの離型剤、可塑剤、熱安定剤、滑剤、紫外線防止剤、着色剤、難燃剤などが挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂類、ゴム類、各種添加剤類は、本発明の樹脂組成物を製造する任意の段階で配合することが可能であり、例えば、2成分の樹脂を配合する際に同時の添加する方法や、予め2成分の樹脂を溶融混練した後に添加する方法や、始めに片方の樹脂に添加し溶融混練後、残りの樹脂を配合する方法が挙げられる。
本発明から得られる熱可塑性樹脂組成物の成形方法は、任意の方法が可能であり、成形形状は、任意の形状が可能である。成形方法としては例えば、押出成形、射出成形、中空成形、カレンダ成形、圧縮成形、真空成形、発泡成形等が可能であり、ペレット状、板状、フィルム又はシート状、パイプ状、中空状、箱状等の形状に成形することが出来る。
本発明の熱可塑性樹脂組成物の成形体の用途は、コネクター、コイルをはじめとして、センサー、LEDランプ、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピックアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FDDシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラアンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電子部品用途に適している他、発電機、電動機、変圧器、変流器、電圧調整器、整流器、インバーター、継電器、電力用接点、開閉器、遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品用途、VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーディオ・レーザーディスク(登録商標)・コンパクトディスク、DVD等の音声・映像機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイプライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表される家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タイプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネーターコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バルブ、燃料関係・冷却系・ブレーキ系・ワイパー系・排気系・吸気系各種パイプ、ホース・チューブ、エアーインテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレターメインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパットウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サーモスタットベース、暖房温風フローコントロールバルブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモーター関係部品、デュストリビューター、スタータースイッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコンパネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ワイヤーハーネスコネクター、SMJコネクター、PCBコネクター、ドアグロメットコネクター、ヒューズ用コネクター等の各種コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁板、ステップモーターローター、ランプソケット、ランプリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピストン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点火装置ケース、トルクコントロールレバー、安全ベルト部品、レジスターブレード、ウォッシャーレバー、ウインドレギュレーターハンドル、ウインドレギュレーターハンドルのノブ、パッシングライトレバー、サンバイザーブラケット、インストルメントパネル、エアバッグ周辺用品、ドアパッド、ピラー、コンソールボックス、各種モーターハウジング、ルーフレール、フェンダー、ガーニッシュ、バンパー、ドアパネル、ルーフパネル、フードパネル、トランクリッド、ドアミラーステー、スポイラー、フードルーバー、ホイールカバー、ホイールキャップ、グリルエプロンカバーフレーム、ランプベゼル、ドアハンドル、ドアモール、リアフィニッシャー、ワイパー等の自動車・車両関連部品等々に適用できる。
また、本発明から得られる熱可塑性樹脂組成物はフィルムおよびシート用途としても好適であり、自動車内装用の軟質部材、包装フィルム 、デスクマット等に好適に使用される。
また本発明から得られる熱可塑性樹脂組成物は、その引張特性および優れた衝撃強度と耐熱性から、自動車内外装部品、自動車外板等の衝撃吸収部材に好適に使用される。
以下、実施例を挙げて本発明の効果をさらに説明する。
特に断りのない限り、原料は下記に記したものを使用した。
ポリアミド6樹脂 :「CM1017」(東レ社製)
ポリブチレンテレフタレート樹脂(以下PBT樹脂と略称する)
:「1401X06」(東レ社製)
グリシジルメタクリレート変性ポリエチレン共重合体(以下GMA変性PE共重合体と略称する) :「ボンドファースト BF−7L」(住友化学社製)
未変性ポリエチレン共重合体(以下未変性PE共重合体と略称する)
:「エルバロイAC(エチレン−メチルアクリレート共重合 樹脂)」(デュポン社製)
実施例1〜6、比較例1〜3
上記に示したポリアミド樹脂、PBT樹脂、GMA変性PE共重合体、未変性PE共重合体を表1〜2に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去および窒素フローを行いながら、スクリュ径37mm、L/D100.2の同方向回転2軸押出機(東芝機械社製、TEM−37BS−25/2V):スクリュは2条ネジの2本のスクリュを使用し、バレル設定温度260℃で溶融押出した。スクリュ回転速度は100回/分であった。なお、スクリュー構成として、L/D=22,28,43,55,69,77,93の位置からそれぞれニーディングゾーンを設け、押出機内ほぼ全域に渡って剪断場が付与されるようにした(スクリュー構成:A)。また、スクリュー全長に対するニーディンディスクの合計長さ(ニーディングゾーン)の割合(%)を、(ニーディングディスク長の合計)÷(スクリュ全長)×100と定義し、その値を16%として溶融押出を行った。
モルフォロジーの観察については、溶融押出により吐出された溶融樹脂を冷水にて急冷したサンプルを、四酸化ルテニウムによりGMA変性のPE共重合体または未変性のPE共重合体を染色後、超薄切片を切り出した。その後、該サンプルについて透過型電子顕微鏡にて3万5千倍に拡大して観察を行い、得られた画像について基本構造および300nm以下の微粒子の有無を確認し、表中、基本構造については下記に示すどちらかの構造が得られた。また、それぞれの相中に微粒子が存在した場合には有、それ以外の場合には無と記入した。
(I)一方が連続相、もう一方が分散相を形成している。
(II)共に連続相を形成している。
分散相および/または微粒子の平均粒子径については画像解析にて算出した。画像解析の方法としては、Scion Corporation社製画像解析ソフト「Scion Image」を使用して、子顕微鏡写真中に存在する分散相または微粒子の長径および短径の平均値を算出し、長径と短径の平均値として平均粒子径を算出した。
分散相と連続相または両連続相の面積比すなわち、(分散相の面積)/(連続相の面積)あるいは(一方の連続相の面積)/(もう一方の連続相の面積)については、電子顕微鏡写真から決定した。
また、吐出されたストランド状の溶融樹脂を冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザにより巻取りながら裁断することにより、ペレット状のサンプルを得た。該サンプルを乾燥後、以下の条件で評価用試験片を調製し、各種特性を評価した。
(1)引張特性
日本製鋼所社製射出成形機(J55ELII)を用いて、成形温度:240℃、金型温度:40℃、射出圧力:下限圧+10kgf/cm2 の条件により引張試験片を作成し、ASTM D−638に従い引張弾性率、引張応力、引張破断伸度を測定した。引張応力の大小については、引張速度1000mm/min、500mm/min、100mm/min、10mm/min、1mm/minから選ばれるあらゆるV1,V2の組み合わせにおいて、V1<V2のとき、σ(V1、ε)>σ(V2、ε)の場合は○、σ(V1、ε)≦σ(V2、ε)の場合は×とした。
(2)落錘衝撃強度
日本製鋼所社製射出成形機(J55ELII)を用いて、成形温度:240℃、金型温度:40℃、射出圧力:下限圧+10kgf/cm2 の条件により円盤型試験片(40φ×2mmt)を作成し、その試験片に5R先端を有する重錘分銅を落下させて、試験片が50%破壊する高さおよびその時の重錘分銅重量から破壊エネルギーを求めた。また衝撃試験における破壊形態は破壊後試験片の外観より、脆性破壊型(1)、クラック破壊型(2)、延性破壊型(3)の3段階に分類した。脆性破壊型とは、試験片の中心からクラックが放射状に伝播して破壊する破壊形態で、クラック破壊型とは、重錘が衝突した周囲には白化した変形域が生じ、さらにその周囲に沿ってクラックが伝播し、円板状に試験片が打ち抜かれる破壊形態で、延性破壊型とは、重錘が突き抜けて破壊する型で、突き抜けた穴の径はほぼ重錘と同じであるような破壊形態である。
(3)荷重撓み温度
日本製鋼所社製射出成形機(J55ELII)を用いて、成形温度:240℃、金型温度:40℃、射出圧力:下限圧+10kgf/cm2 の条件により短冊状試験片を作成し、23℃、50%RHの条件で48時間調湿したサンプルについてASTM D−648に従い荷重撓み温度(荷重0.45MPa)を測定した。
Figure 2006089701
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実施例1〜4より、ポリアミド樹脂とGMA変性PE共重合体を混練したサンプルは、引張速度が増すに従い引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大が観測され、また連続相および分散相中における微粒子の存在が確認された。これらの機械特性および耐熱性は非常に優れていることが明らかとなった。
また、実施例3〜4の組成については、共に連続相を形成し、両連続相中に微粒子の存在が確認された。これらの機械特性および耐熱性も非常に優れていることが明らかとなった。
一方、比較例1〜2より、未変性のPE共重合体を使用した場合、引張速度が増しても引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大は観測されず、連続相および分散相中にも微粒子は存在しないことがわかった。この組成物の機械特性および耐熱性は実施例1〜4と比較して大きく劣ることが分かった。
実施例5〜6より、PBT樹脂とGMA変性PE共重合体を混練したサンプルにおいても、引張速度が増すに従い引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大が観測され、また連続相および分散相中あるいは両連続相中における微粒子の存在が確認された。これらの機械特性および耐熱性は非常に優れていることが明らかとなった。
一方、比較例3より、未変性のPE共重合体を使用した場合、引張速度が増しても引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大は観測されず、連続相および分散相中にも微粒子は存在しないことがわかった。この組成物の機械特性および耐熱性は実施例5〜6と比較して大きく劣ることが分かった。
実施例7〜13、比較例4〜7
実施例1〜4で使用したポリアミド樹脂、GMA変性PE共重合体を表3に示した配合組成で混合し、真空ポンプによる揮発分の除去および窒素フローを行いながら、スクリュ径37mm、L/D100.2の同方向回転2軸押出機(東芝機械社製、TEM−37BS−25/2V):スクリュは2条ネジの2本のスクリュを使用し、バレル設定温度260℃で溶融押出した。スクリュ回転速度は100回/分であった。
また、表3に示すL/Dの位置からサンプリングバルブを介してストランド状の溶融樹脂を取出し、冷却バスを通過させて冷却し、ペレタイザにより巻取りながら裁断することにより、ペレット状のサンプルを得た。モルフォロジーその他各種評価は、実施例1〜4の場合と同様に行った。なお、スクリュー構成として、L/D=22,28,43,55,69,77,93の位置からそれぞれニーディングゾーンを設け、押出機内ほぼ全域に渡って剪断場が付与されるようにした(スクリュー構成:A)。また、ニーディングゾーンの長さを、(ニーディングディスク長の合計)÷(スクリュ全長)×100と定義し、種々のニーディングゾーンの長さにて溶融押出を行った。
比較例8
スクリュー構成として、L/D=22の位置からニーディングゾーンを設け、押出機内1箇所にニーディングゾーンを偏在させた(スクリュー構成:B)。その他は実施例7〜13、比較例4〜7と同様にして混練、各種評価を行った。
比較例9
スクリュー構成として、L/D=69の位置からニーディングゾーンを設け、押出機内1箇所にニーディングゾーンを偏在させた(スクリュー構成:C)。その他は実施例7〜13、比較例4〜7と同様にして混練、各種評価を行った。
比較例10
スクリュー構成として、L/D=22および69の位置からニーディングゾーンを設け、押出機内2箇所にニーディングゾーンを偏在させた(スクリュー構成:D)。その他は実施例7〜13、比較例4〜7と同様にして混練、各種評価を行った。
Figure 2006089701
Figure 2006089701
実施例7〜11より、L/Dの値が45より大きい場合、引張速度が増すに従い引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大が観測され、連続相および分散相中に微粒子の存在が確認された。これらの機械特性および耐熱性は非常に優れていることが明らかとなった。また、実施例12〜13より、ニーディングゾーンの長さを長くして剪断をより多く付与することにより、機械特性および耐熱性がさらに向上することが明らかとなった。
一方、比較例4〜5より、L/Dの値が45未満の場合には、引張速度が増しても引張弾性率および応力の低下、破断伸度の増大は観測されず、連続相にも分散相中にも微粒子は存在しないことがわかった。この組成物の機械特性は実施例7〜11と比較して大きく劣ることが分かった。また、比較例6より、ニーディングゾーンの長さがスクリュー全長に対して短すぎる場合、微粒子は存在するものの、機械特性および耐熱性に劣ることが明らかとなった。また、比較例7より、ニーディングゾーンの長さがスクリュー全長に対して長すぎる場合、二軸押出機に掛かる負荷が大きすぎて、溶融押出不可能であることがわかった。
比較例8〜10より、ニーディングゾーンが押出機内の一部に偏在する場合、微粒子は存在するものの、機械特性に劣ることが明らかとなった。
これらの結果から、熱可塑性樹脂および反応性官能基を有する樹脂を配合し、特定の引張特性および相構造を有する樹脂組成物が衝撃強度および耐熱性に優れていることがわかる。

Claims (11)

  1. 熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、下記(I)および(II)の特徴を有する熱可塑性樹脂組成物。
    (I)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張速度V1、V2の時の引張弾性率をE(V1)、E(V2)とすると、V1<V2のとき、E(V1)>E(V2) (II)引張試験における引張降伏伸度以降において、引張伸度εにおけるV1,V2の時の応力をσ(V1、ε)、σ(V2、ε)とすると、V1<V2のとき、σ(V1、ε)>σ(V2、ε)
  2. 熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなり、下記特徴を有する請求項1に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    引張試験において、引張速度V1,V2の時の引張破断伸度をε(V1)、ε(V2)とすると、V1<V2のとき、ε(V1)<ε(V2)
  3. 熱可塑性樹脂(A)および反応性官能基を有する樹脂(B)を配合してなる樹脂組成物であって、下記(I)または(II)のどちらかに示す構造が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
    (I)(A)または(B)の一方が連続相、もう一方が分散相を形成し、さらにこれらの連続相および分散相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める分散相と連続相との面積比が40/60〜60/40である。
    (II)(A)および(B)ともに連続相を形成し、さらにこれらの両連続相中に平均粒子径300nm以下の微粒子が存在し、断面に占める両連続相の面積比が40/60〜60/40である。
  4. 熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリアセタール樹脂、スチレン系樹脂から選ばれる少なくとも1種以上である請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 熱可塑性樹脂(B)が反応性官能基を有するゴム質重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 反応性官能基が、エポキシ基、酸無水物基、オキサゾリン基から選ばれる少なくとも1種以上の官能基である請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂(A)と(B)との配合比が重量比で95/5〜5/95である請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 二軸押出機のスクリュー長さをL,スクリュー直径をDとすると、L/D>45の二軸押出機を使用して熱可塑性樹脂(A)と反応性官能基を有する樹脂(B)とを溶融混練する請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる成形品。
  10. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなるフィルムまたはシート。
  11. 請求項1〜8のいずれかに記載の熱可塑性樹脂組成物からなる衝撃吸収部材。
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