JP6858080B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂組成物に関する。
自動車や電子機器をはじめとする様々な製品の部品や合成繊維の素材として、ポリマー主鎖内にアミド結合(−NH−CO−)を有する重合体であるポリアミドや、ポリマー主鎖内にエステル結合(−CO−O−)を含有する重合体であるポリエステルが広範にわたって重用されている。ポリアミドは、靭性、耐摩耗性、難燃性、耐薬品性及び成形性などに優れるという特性を有し、ポリエステルは、弾性、耐吸水性、耐熱性及び電気絶縁性などに優れるという特性を有する。
従来より、樹脂の特性を向上及び/又は改質させることを目的として、性質の異なる樹脂同士を混合して複合化させるポリマーブレンド及びポリマーアロイが盛んに検討されている。しかしながら、このようなポリマーブレンド及びポリマーアロイにおいてポリアミドとポリエステルとを複合化させようとしても、両者の相容性が悪いために均一に複合化させることが困難であるという問題があった。また、その結果、得られる複合材料(樹脂組成物)の特性が複合化前の各成分の当該特性に比べて低下するという問題や、各特性を十分に向上させることが困難であるという問題があった。
上記問題を解決することを目的として、例えば、特開平7−196893号公報(特許文献1)には、(A)ポリエステル、(B)ポリアミド、及び(C)シクロアルキルポリカルボン酸ビスフェノールA・エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂重縮合物を必須成分とする熱可塑性樹脂組成物が記載されている。また、特開平8−34899号公報(特許文献2)には、(A)ポリアミド95〜5重量部、(B)熱可塑性ポリエステル5〜95重量部、及び(C)(A)及び(B)の合計100重量部に対して特定のグラフト変性ポリオレフィン樹脂1〜100重量部からなる樹脂組成物が記載されている。さらに、特開平6−116479号公報(特許文献3)には、(A)特定のマレイミド系共重合体1〜20重量%、(B)芳香族ポリエステル樹脂20〜80重量%、(C)ポリアミド樹脂10〜50重量%、及び(D)特定の変性ポリオレフィン系重合体3〜40重量%を含有してなる熱可塑性樹脂組成物が記載されている。しかしながら、特許文献1〜3に記載のエポキシ樹脂重縮合物やグラフト変性ポリオレフィン樹脂、変性ポリオレフィン系重合体を用いても、得られる樹脂組成物の弾性率は未だ不十分であった。
さらに、特開平7−188535号公報(特許文献4)には、(A)熱可塑性ポリエステル95〜5重量部、(B)ポリアミド5〜95重量部、及び(C)(A)及び(B)の合計100重量部に対して構造式(I)で表わされる化合物0.3〜10重量部からなるポリマーアロイが記載されており、特開平5−214244号公報(特許文献5)には、(A)特定のポリアミド10〜90重量%、(B)熱可塑性ポリエステル90〜10重量%、及び(C)式(I)で表わされるビニルモノマーと式(II)で表わされるグリシジルエステル基含有ビニルモノマーとからなるビニル系共重合体0.1〜10重量部を配合してなる成形用樹脂組成物が記載されている。
特開平7−196893号公報 特開平8−34899号公報 特開平6−116479号公報 特開平7−188535号公報 特開平5−214244号公報
しかしながら、本発明者らが検討を行ったところ、ポリアミドとポリエステルとの複合化において、特許文献4に記載の構造式(I)で表わされる化合物のように低分子の化合物を用いた場合には、添加量を多くすると樹脂組成物が可塑化されてガラス転移温度が低下したり、経時的にブリードアウトが発生するために長期間の耐久性に劣るという問題が生じることを見い出した。また、特許文献5に記載されているようなビニル系共重合体を用いた場合には、かかるビニル系共重合体自体の弾性率が低く、十分に高い弾性率やガラス転移温度を達成することが困難であることも本発明者らは見い出した。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ポリアミドとポリエステルとが均一に複合化されており、十分に高い弾性率及びガラス転移温度を達成することができ、かつ、優れた耐水性を有する樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリアミドとポリエステルとの複合化において、フェノール樹脂及び/又は特定のビニルヒドロキシフェニル含有樹脂を組み合わせることにより、前記ポリアミドのガラス転移温度に比べて、より好ましくは前記ポリエステルのガラス転移温度に比べても、ガラス転移温度を大きく上昇させることができ、十分に高いガラス転移温度を有する樹脂組成物が得られることを見い出した。さらに本発明者らは、前記樹脂組成物が、ポリアミドとポリエステルとが均一に複合化され、接着された極めて均一な相構造を有しており、その結果、十分に高い弾性率が達成されることを見い出した。また本発明者らは、このような樹脂組成物においては前記ポリアミドの吸水率に比べて吸水率を十分に低下させることができるために優れた耐水性が奏されることも見い出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(A)と、ポリエステル(B)と、フェノール樹脂及び下記一般式(1):
Figure 0006858080
[式(1)中、Rはヒドロキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
で表わされる構成単位を含むビニルヒドロキシフェニル含有樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(C)と、を含有し、
前記ポリアミド(A)の含有量が全質量に対して25〜74質量%であり、
前記ポリエステル(B)の含有量が全質量に対して25〜74質量%であり、かつ、
前記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.1〜40質量%である、
ことを特徴とするものである。
本発明の樹脂組成物においては、前記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることが好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物においては、前記フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましく、また、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂が、下記一般式(2):
Figure 0006858080
で表わされる構成単位を含むことが好ましい。
さらに、本発明の樹脂組成物としては、ポリエーテルイミド(D)をさらに含有することが好ましく、前記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であり、かつ、前記ポリエーテルイミド(D)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることがより好ましい。
また、本発明の樹脂組成物としては、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有することも好ましく、前記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であり、かつ、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることがより好ましい。
なお、本発明の構成によって前記目的が達成される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の樹脂組成物においては、ポリアミド(A)及びポリエステル(B)に加えて、第3の成分として、2個以上のヒドロキシ基(−OH)を有する、フェノール樹脂及び/又はビニルヒドロキシフェニル含有樹脂(樹脂(C))が含有されており、このヒドロキシ基と、前記ポリアミド(A)が有するアミド結合(−NH−CO−)並びに前記ポリエステル(B)が有するエステル結合(−CO−O−)との間で強固な水素結合が形成される。そのため、前記ポリアミド(A)と前記ポリエステル(B)とがこれらの水素結合を介して接着され、両者が均一に複合化されるものと本発明者らは推察する。
また、このようにヒドロキシ基を有する前記フェノール樹脂及び前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂は、ポリアミドとポリエステルとのアミド−エステル交換反応の触媒としても機能することが可能である。そのため、本発明の樹脂組成物中では前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)の少なくとも一部でこれらのコポリマーが形成され、これが前記ポリアミド(A)と前記ポリエステル(B)との界面に存在して両者の界面エネルギーを十分に低下させることが可能となる。本発明者らは、この点も前記ポリアミド(A)と前記ポリエステル(B)との接着性が向上し、均一に複合化される理由であると推察する。そして、このように両者が均一に複合化される結果、本発明の樹脂組成物においては、十分に高い弾性率が達成される。
また、本発明の樹脂組成物においては、前記フェノール樹脂及び/又は前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂の有するヒドロキシ基と、前記ポリアミド(A)が有するアミド結合との間で形成される強固な水素結合によって、両成分が分子スケールで相溶化するため、前記ポリアミド(A)が単成分の場合と比べてガラス転移温度が大きく上昇するものと本発明者らは推察する。さらに、このような水素結合によって水分子と前記ポリアミド(A)との結合が阻害されるため、前記ポリアミド(A)が単成分の場合と比べて吸水率を十分に低下させることができ、優れた耐水性が発揮されるものと本発明者らは推察する。
本発明によれば、ポリアミドとポリエステルとが均一に複合化されており、十分に高い弾性率及びガラス転移温度を達成することができ、かつ、優れた耐水性を有する樹脂組成物を提供することが可能となる。
実施例1で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例2で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例3で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例4で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例5で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例6で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例7で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例8で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例9で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例10で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例1で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例2で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例3で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例4で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例11で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 比較例5で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例12で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例13で得られた樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。本発明の樹脂組成物は、ポリアミド(A)と、ポリエステル(B)と、フェノール樹脂及び下記一般式(1):
Figure 0006858080
[式(1)中、Rはヒドロキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
で表わされる構成単位を含むビニルヒドロキシフェニル含有樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(C)と、を含有する。
<ポリアミド(A)>
本発明に係るポリアミド(A)は、アミド結合(−NH−CO−)を介して複数のモノマーが重合されてなる重合体である。前記ポリアミド(A)を構成するモノマーとしては、アミノ酸、ラクタム、ジアミン、ジカルボン酸が挙げられる。
前記アミノ酸としては、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前記ジアミンとしては、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3、5,5−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記ジカルボン酸としては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
このようなポリアミド(A)としては、ポリアミド3(PA3)、ポリアミド4(PA4)、ポリアミド4−6、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6T(PA6T)、ポリアミド6−6(PA66)、ポリアミド6−10、ポリアミド6−12、ポリアミド7、ポリアミド8、ポリアミド9、ポリアミド9T、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミドMXD6、及びこれらの共重合ポリアミドが挙げられ、これらのうちの1種であっても2種以上の混合物であってもよい。
前記ポリアミド(A)の数平均分子量としては、特に限定されず、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、5,000以上であればよく、8,000〜200,000であることがより好ましい。また、前記ポリアミド(A)としては、非晶性であっても結晶性であってもよいが、結晶性であることがより好ましい。
さらに、前記ポリアミド(A)としては、ガラス転移温度が−50〜200℃であることが好ましく、0〜150℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、樹脂組成物の室温における弾性率が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、それ以上のガラス転移温度向上効果が期待できず、前記ポリアミド(A)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にある。
このようなポリアミド(A)としては、ガラス転移温度及び弾性率の上昇率がより高くなる傾向にあるという観点から、ポリアミド6、ポリアミド6T、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド9T、ポリアミド11、ポリアミド12及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種が含まれていることが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド6T、ポリアミド6−6、ポリアミド6−10、ポリアミド9T及びポリアミドMXD6からなる群から選択される少なくとも1種が含まれていることがより好ましい。また、これらの好ましいポリアミド(2種以上である場合には混合物)は、樹脂組成物のガラス転移温度及び弾性率がより高くなる傾向にある観点から、本発明の樹脂組成物中に含有されるポリアミド(A)の全質量に対して80質量%以上含まれていることがより好ましく、100質量%含まれていることがさらに好ましい。
<ポリエステル(B)>
本発明に係るポリエステル(B)は、エステル結合(−CO−O−)を介して複数のモノマーが重合されてなる重合体であり、熱可塑性ポリエステルであることが好ましい。前記ポリエステル(B)を構成するモノマーとしては、ジカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体、グリコール及びそのエステル形成性誘導体、オキシカルボン酸及びそのエステル形成性誘導体が挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、α,β−ビス(4−カルボキシフェノキシ)エタン、アジピン酸セバチン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、シスロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記グリコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、ビスフェノールA、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、キシリレングリコール、ポリエチレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、両末端が水酸基である脂肪族ポリエステルオリゴマー等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。さらに、前記オキシカルボン酸としては、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記ポリエステル(B)を構成するモノマーとしては、前記モノマーの他に、コモノマーとして、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル酢酸、ナフチルグリコール酸等のヒドロキシカルボン酸;プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン等のラクトン化合物;熱可塑性を保持しうる範囲内でトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多官能性エステル形成性成分をさらに含んでいてもよい。ただし、このような他のモノマーに由来する構成単位が含まれている場合、本発明に係るポリエステル(B)において、その含有量は全構成単位(ポリエステル構成単位)中に10モル%以下である。
また、前記ポリエステル(B)には、ジブロモテレフタル酸、テトラブロモテレフタル酸、テトラブロモフタル酸、テトラクロロテレフタル酸、1,4−ジメチロールテトラブロモベンゼン、テトラブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物などの、芳香族核に塩素、臭素等のハロゲン化合物を置換基として有し、かつ、エステル形成性基を有するハロゲン化合物を共重合したポリエステル樹脂も含まれる。さらに、溶融時に光学的異方性を示す液晶性ポリエステル、具体的には(全)芳香族ポリエステルも含まれる。
このようなポリエステル(B)としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリ(エチレン・ブチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレン・テトラメチレンテレフタレート)等の芳香族ポリエステルが挙げられ、これらのうちの1種であっても2種以上の混合物であってもよい。なお、本発明において、ポリブチレンテレフタレートとは、テレフタル酸及び1,4−ブタンジオールを主たるモノマーとし、必要に応じて適宜共重合可能な他のモノマーやコモノマーを共重合させたものである。共重合可能な他のモノマーやコモノマーとしては、上記に挙げた中から選択することができる。
前記ポリエステル(B)の数平均分子量としては、特に限定されず、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、8,000以上であればよく、10,000〜50,000であることがより好ましい。
さらに、前記ポリエステル(B)としては、ガラス転移温度が−50〜250℃であることが好ましく、0〜200℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、樹脂組成物の耐熱性が低下して熱変形温度が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
このようなポリエステル(B)としては、化学的に安定で成形が容易となる傾向にある観点から、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、及びポリブチレンテレフタレートからなる群から選択される少なくとも1種が含まれていることが好ましい。また、これらの好ましいポリエステル(2種以上である場合には混合物)は、樹脂組成物のガラス転移温度及び弾性率がより高くなる傾向にある観点から、本発明の樹脂組成物中に含有されるポリエステル(B)の全質量に対して80質量%以上含まれていることがより好ましく、100質量%含まれていることがさらに好ましい。
<樹脂(C)>
本発明に係る樹脂(C)は、フェノール樹脂及び下記のビニルヒドロキシフェニル含有樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。本発明に係る樹脂(C)としては、前記フェノール樹脂及び前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂のうちのいずれか1種であっても、これらの混合物であってもよい。
〔フェノール樹脂〕
本発明に係るフェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類との共重合体であり、これらを酸性触媒下で共重合せしめたノボラック型フェノール樹脂であっても、アルカリ触媒下で共重合せしめたレゾール型フェノール樹脂であってもよいが、レゾール型フェノール樹脂は混合中にゲル化して樹脂組成物の粘度が上昇する傾向にある観点から、ノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
前記フェノール類としては、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、レゾルシン、エチルフェノール、イソプロピルフェノール、ノニルフェノール、クミルフェノール、アミノフェノール、ニトロフェノール、ナフトール、ハイドロキノン、ビスフェノールS、ジヒドロキシナフタリン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、アクロレイン、プロピオンアルデヒド、クロラール、フルフラール、グリオキザール、ブチルアルデヒド、カプロアルデヒド、アリルアルデヒド、ベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、トルアルデヒド、サリチルアルデヒド等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本発明に係るフェノール樹脂としては、これらのフェノール類とアルデヒド類との共重合体のうちの1種のみであっても2種以上の混合物であってもよい。
前記フェノール樹脂の数平均分子量としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、600〜5,000であることが好ましく、1,000〜5,000であることがより好ましい。前記数平均分子量が前記下限未満の場合には、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリアミド(A)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)との相溶性が低下して樹脂組成物の外観及び延性が悪化する傾向にある。
また、前記フェノール樹脂としては、ガラス転移温度が50〜250℃であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリアミド(A)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
このようなフェノール樹脂としては、化学構造が安定で混練中の分解が少ない傾向にある観点から、フェノール、クレゾール及びビスフェノールAのうちの少なくとも1種のフェノール類と、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール及びグリオキザールのうちの少なくとも1種のアルデヒド類との共重合体であることが好ましく、また、前記フェノール類と前記アルデヒド類とのモル比(フェノール類のモル数:アルデヒド類のモル数)が1.0:0.1〜3.0(より好ましくは1:0.3〜2.0、さらに好ましくは1:0.5〜1.0)であることが好ましい。これらの好ましいフェノール樹脂(2種以上である場合には混合物)は、樹脂組成物のガラス転移温度及び弾性率がより高くなる傾向にある観点から、本発明の樹脂組成物中に含有されるフェノール樹脂の全質量に対して合計で80質量%以上含まれていることがより好ましく、100質量%含まれていることがさらに好ましい。
〔ヒドロキシフェニル含有樹脂〕
本発明に係るビニルヒドロキシフェニル含有樹脂は、ヒドロキシフェニル基を含むポリビニル化合物であり、下記一般式(1)で表わされる構成単位を含む。
Figure 0006858080
前記一般式(1)中、Rはヒドロキシ基を示し、芳香族核に置換された同ヒドロキシ基の数を示すnは、1〜5の整数を示す。nとしては、化学的に安定で混練中の副反応が少ない傾向にある観点から、1〜2であることが好ましく、1であることがより好ましい。また、前記一般式(1)としては、下記一般式(2):
Figure 0006858080
で表わされることがさらに好ましい。
本発明に係るビニルヒドロキシフェニル含有樹脂において、前記一般式(1)で表わされる構成単位としては、1種が単独で含まれていても、2種以上が組み合わされて含まれていてもよいが、樹脂組成物のガラス転移温度及び弾性率がより高くなる傾向にある観点から、前記一般式(1)で表わされる構成単位のうちの1種が単独で含まれていることが好ましく、前記一般式(2)で表わされる構成単位が単独で含まれていることがより好ましい。
前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂としては、一般式(1)で表わされる構成単位を得ることが可能なモノマーの単独重合体又は前記モノマーとそれ以外の他のモノマー(コモノマー)との共重合体が挙げられる。
前記一般式(1)で表わされる構成単位を得ることが可能なモノマーとしては、2−、3−、4−ビニルフェノール;2,3−、3,4−、2,4−、2,5−、2,6−、3,5−ジヒドロキシスチレン及びこれらのモノマーのヒドロキシ基が保護基によって保護されたものが挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、前記コモノマーとしては、スチレン、メチルメタクリレート、メタクリレート、アクリレート、ベンジルメタクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ化ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、アクリルアルデヒドが挙げられ、これらのコモノマーとしては1つ以上の水素原子がカルボキシ基、メトキシ基、エトキシ基、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シロキシ基等で置換されたものであってもよい。また、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記コモノマーとしては、スチレン、メチルメタクリレート、酢酸ビニル、塩化ビニル及びアクリロニトリルからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。なお、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂の末端基としては、特に制限されず、本発明の効果を阻害しない範囲内において、適宜選択することができる。
また、本発明に係るビニルヒドロキシフェニル含有樹脂としては、これらの構成単位を含む化合物のうちの1種のみであっても2種以上の混合物であってもよい。
前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂の数平均分子量としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、600〜100,000であることが好ましく、1,000〜10,000であることがより好ましい。前記数平均分子量が前記下限未満の場合には、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリアミド(A)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)との相溶性が低下して樹脂組成物の外観及び延性が悪化する傾向にある。
また、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂のガラス転移温度としては、50〜250℃であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリアミド(A)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
このようなビニルヒドロキシフェニル含有樹脂としては、前記一般式(1)で表わされる構成単位が全構成単位(ポリビニル構成単位)中に20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。さらに、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂としては、前記一般式(1)で表わされる構成単位のうちのいずれか1種の構成単位からなるホモポリマーであることが好ましく、前記一般式(2)で表わされる構成単位からなるホモポリマー(ポリ−(4−ビニルフェノール)であることがより好ましい。また、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂が前記ホモポリマーである場合、一般式(1)で表わされる構成単位の繰り返し単位数としては、5〜300であることが好ましく、10〜100であることがより好ましい。
また、前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂(2種以上である場合には混合物)としては、樹脂組成物のガラス転移温度及び弾性率がより高くなる傾向にある観点から、本発明の樹脂組成物中に含有される全ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂の全ポリビニル構成単位に対して一般式(1)(好ましくは一般式(2))で表わされる構成単位の含有率が20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上であることがより好ましく、100モル%であることがさらに好ましい。
<ポリエーテルイミド(D)>
本発明の樹脂組成物としては、ポリエーテルイミド(D)をさらに含有することが好ましい。このようなポリエーテルイミド(D)をさらに含有することにより、上記の高弾性率、高耐水性に加えてさらに、より高いガラス転移温度を達成することができ、また、高温(好ましくは80℃以上)においても十分に高い弾性率を達成することが可能となる。
なお、前記ポリエーテルイミド(D)をさらに含有することによってこのような特性がいずれも発揮される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の樹脂組成物においては、上記のように、前記樹脂(C)の有するヒドロキシ基が前記ポリアミド(A)が有するアミド結合に作用するために前記ポリアミド(A)が単成分の場合と比べてガラス転移温度を大きく上昇させることができる。これに加えて、前記ポリエーテルイミド(D)は、前記ポリエステル(B)に作用してこれと分子スケールで相溶化するため、前記ポリエステル(B)が単成分の場合と比べてもガラス転移温度を大きく上昇させることができるものと本発明者らは推察する。さらに、前記ポリエーテルイミド(D)をさらに含有させることによって、前記樹脂(C)の含有量を少なくすることができるため、脆化や発砲を抑制しつつ、ガラス転移温度をさらに向上させることが可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明に係るポリエーテルイミド(D)は、イミド結合及びエーテル結合を含むポリエーテル化合物であり、脂肪族、脂環族又は芳香族系のエーテル単位と環状イミド基とを構成単位として含むポリエーテルであることが好ましい。
このようなポリエーテルイミド(D)としては、フタル酸無水物のm−位とビスフェノールAとがエーテル結合によって結合した化合物と、m−フェニレンジアミン又はp−フェニレンジアミンとがイミド結合によって連結している縮合体が挙げられる。
前記ポリエーテルイミド(D)の数平均分子量としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、5,000〜200,000であることが好ましく、10,000〜50,000であることがより好ましい。
さらに、前記ポリエーテルイミド(D)としては、ガラス転移温度が50〜300℃であることが好ましく、70〜250℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、前記ポリエステル(B)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリエステル(B)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
<スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)>
本発明の樹脂組成物としては、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有することも好ましい。このようなスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有することにより、上記の高弾性率、高耐水性に加えてさらに、より高いガラス転移温度を達成することができ、また、高温(好ましくは80℃以上)においても十分に高い弾性率を達成することが可能となる。
なお、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有することによってこのような特性がいずれも発揮される理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の樹脂組成物においては、上記のように、前記樹脂(C)の有するヒドロキシ基が前記ポリアミド(A)が有するアミド結合に作用するために前記ポリアミド(A)が単成分の場合と比べてガラス転移温度を大きく上昇させることができる。これに加えて、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)はガラス転移温度が比較的高いため、これが前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)と化学結合を形成することで、前記ポリエステル(B)が単成分の場合と比べても樹脂組成物全体のガラス転移温度を大きく上昇させることができるものと本発明者らは推察する。その結果、樹脂組成物全体の耐熱性がさらに向上し、高温(好ましくは80℃以上)においても十分に高い弾性率を達成することが可能となるものと本発明者らは推察する。
本発明に係るスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)は、スチレンを含むモノマーと、マレイミドを含むモノマーと、無水ジカルボン酸を含むモノマーとが重合されてなる共重合体であり、ランダム共重合体であってもブロック共重合体であってもよい。
前記スチレンを含むモノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、入手が容易であるという観点からは、スチレン、α−メチルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。
また、前記マレイミドを含むモノマーとしては、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−4−ジフェニルマレイミド、N−2−クロロフェニルマレイミド、N−4−ブロモフェニルマレイミド、N−1−ナフチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−トリルマレイミド等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、耐熱性を向上させる効果がより優れる傾向にあるという観点からは、N−フェニルマレイミドが好ましい。
さらに、前記無水ジカルボン酸を含むモノマーとしては、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマレイン酸等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)との反応性の観点からは、無水マレイン酸が好ましい。
前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)において、前記スチレンを含むモノマー、前記マレイミドを含むモノマー、及び前記無水ジカルボン酸を含むモノマーに由来する構成単位のモル比(スチレンを含む構成単位:マレイミドを含む構成単位:無水ジカルボン酸を含む構成単位)としては、30〜70:25〜50:3〜30であることが好ましい。
また、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の数平均分子量としては、特に限定されないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)で、10,000〜200,000であることが好ましく、50,000〜150,000であることがより好ましい。
さらに、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)としては、ガラス転移温度が150〜250℃であることが好ましく、175〜225℃であることがより好ましい。前記ガラス転移温度が前記下限未満である場合には、前記ポリエステル(B)のガラス転移温度向上効果が小さくなり、前記ポリエステル(B)単成分からのガラス転移温度の上昇率が低くなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
このようなスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)としては、スチレンとN−フェニルマレイミドと無水マレイン酸との共重合体であることが特に好ましく、デンカIPシリーズ(電気化学工業株式会社製)等の市販のものを用いてもよい。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物において、前記ポリアミド(A)の含有量としては、前記樹脂組成物全質量に対して、15〜84.9質量%であることが好ましく、20〜79.5質量%であることがより好ましく、25〜74質量%であることがさらに好ましい。前記ポリアミド(A)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリアミド(A)の靭性や成形性に優れるといった特性が樹脂組成物において発揮されにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)の耐吸水性や耐熱性に劣るといった短所が樹脂組成物において現れる傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物において、前記ポリエステル(B)の含有量としては、前記樹脂組成物全質量に対して、15〜84.9質量%であることが好ましく、20〜79.5質量%であることがより好ましく、25〜74質量%であることがさらに好ましい。前記ポリエステル(B)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリエステル(B)の耐水性や耐熱性に優れるといった特性が樹脂組成物において発揮されにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリエステル(B)の加水分解性や成形性に劣るといった短所が樹脂組成物において現れる傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物において、前記樹脂(C)の含有量としては、前記樹脂組成物全質量に対して、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。前記樹脂(C)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)を複合化させるために混練時間を長くすることが必要となる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)が結晶化しにくくなるために樹脂組成物の物性や成形性が低下する傾向にある。
さらに、本発明の樹脂組成物がポリエーテルイミド(D)をさらに含有する場合、その含有量としては、前記樹脂組成物全質量に対して、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。前記ポリエーテルイミド(D)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリエーテルイミド(D)による耐熱性向上効果が小さくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の粘度が大きく上昇して成形が困難となる傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物がスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有する場合、その含有量としては、前記樹脂組成物全質量に対して、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1〜20質量%であることがさらに好ましい。前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の含有量が前記下限未満である場合には、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)による耐熱性向上効果が小さくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の粘度が大きく上昇して成形が困難となる傾向にある。
本発明の樹脂組成物においては、前記ポリアミド(A)と前記ポリエステル(B)との質量比(ポリアミド(A)の含有量(質量):ポリエステル(B)の含有量(質量))が、5:95〜95:5であることが好ましく、10:90〜90:10であることがより好ましく、20:80〜80:20であることがさらに好ましい。前記ポリアミド(A)の質量に対する前記ポリエステル(B)の質量が前記下限未満である場合には、前記ポリエステル(B)が結晶化しにくくなり、前記ポリアミド(A)の耐吸水性や耐熱性に劣るといった短所が十分に改善されず、樹脂組成物の物性や成形性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)が結晶化しにくくなり、前記ポリエステル(B)の加水分解性や成形性に劣るといった短所が十分に改善されず、樹脂組成物の物性や成形性が低下する傾向にある。
さらに、本発明の樹脂組成物としては、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)の含有量の合計を100質量部としたとき、これに対して前記樹脂(C)の含有量が0.1〜40質量部であることが好ましく、0.5〜30質量部であることがより好ましく、1〜20質量部であることがさらに好ましい。前記樹脂(C)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)を複合化させるために混練時間を長くすることが必要となる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、前記ポリアミド(A)が結晶化しにくくなるために樹脂組成物の物性や成形性が低下する傾向にある。
また、本発明の樹脂組成物がポリエーテルイミド(D)をさらに含有する場合には、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)の含有量の合計を100質量部としたとき、これに対して前記ポリエーテルイミド(D)の含有量が0.1〜40質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。前記ポリエーテルイミド(D)の含有量が前記下限未満である場合には、前記ポリエーテルイミド(D)による耐熱性向上効果が小さくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
さらに、本発明の樹脂組成物がスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有する場合には、前記ポリアミド(A)及び前記ポリエステル(B)の含有量の合計を100質量部としたとき、これに対して前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の含有量が0.1〜40質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることがさらに好ましい。前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の含有量が前記下限未満である場合には、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)による耐熱性向上効果が小さくなる傾向にあり、他方、前記上限を超える場合には、樹脂組成物の溶融粘度が上昇して成形が困難となる傾向にある。
本発明の樹脂組成物としては、本発明の効果を阻害しない範囲内において、必要に応じて他の成分をさらに含有していてもよい。このような他の成分としては、例えば、溶剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤、着色剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。これら他の成分を樹脂組成物に含有せしめる場合、その含有量としては、前記樹脂組成物の全質量に対して10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤;トルエン;テトラヒドロフラン等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記難燃剤としては、ハロゲン系難燃剤(ハロゲン化芳香族化合物等)、リン系難燃剤(窒素含有リン酸塩化合物、リン酸エステル等)、窒素系難燃剤(グアニジン、トリアジン、メラミン、及びこれらの誘導体等)、無機系難燃剤(金属水酸化物等)、ホウ素系難燃剤、シリコーン系難燃剤、硫黄系難燃剤、赤リン系難燃剤等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記難燃助剤としては、各種アンチモン化合物、亜鉛を含む金属化合物、ビスマスを含む金属化合物、水酸化マグネシウム、粘度質珪酸塩等が挙げられ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記充填剤としては、ガラス成分(ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク等);シリカ;無機繊維(ガラス繊維、アルミナ繊維、カーボン繊維);黒鉛;珪酸化合物(珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー等);金属酸化物(酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アンチモン、アルミナ等);カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属の炭酸塩及び硫酸塩;有機繊維(芳香族ポリエステル繊維、芳香族ポリアミド繊維、フッ素樹脂繊維、ポリイミド繊錐、植物性繊維等)が挙げられ、また、前記着色剤としては、顔料、染料等が挙げられ、それぞれ、これらのうちの1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物は、前記ポリアミド(A)、前記ポリエステル(B)、前記樹脂(C)、並びに、必要に応じて前記ポリエーテルイミド(D)、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)及び前記他の成分を混合することによって得ることができる。前記混合方法は、特に制限されず、樹脂の混合方法として従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、前記ポリアミド(A)、前記ポリエステル(B)、前記樹脂(C)、並びに、必要に応じて前記ポリエーテルイミド(D)、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)及び前記他の成分を、単軸あるいは多軸の押出機、ミキサー(高速流動式ミキサ、パドルミキサ、リボンミキサ等)、ニーダなどの通常の溶融混練装置に供給して溶融混練する方法を採用することができる。前記溶融混練装置は1種を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いる揚合には、連続的に運転しても、回分的に(バッチ式で)運転してもよい。さらに、前記各成分は一括して混練してもよいし、いずれか1つを複数回に分けて添加投入(多段配合)して混練してもよい。
前記溶融混練の温度としては、特に制限されず、前記ポリアミド(A)、前記ポリエステル(B)、前記樹脂(C)、並びに、必要に応じて前記ポリエーテルイミド(D)及び前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の種類によって適宜調整されるものであるため一概にはいえないが、例えば、150〜330℃であることが好ましく、200〜300℃であることがより好ましい。また、溶融混練の時間としても、前記成分が均一になればよく、特に制限されず、例えば、1分間〜1時間であることが好ましい。本発明に係る前記ポリアミド(A)、前記ポリエステル(B)、前記樹脂(C)、並びに、必要に応じて前記ポリエーテルイミド(D)及び前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)は相互作用に優れるため、容易に短時間で均一に混練することができる。
このような本発明の樹脂組成物は十分に高い弾性率を達成することができ、より具体的には、前記ポリアミド(A)の弾性率(曲げ弾性率)よりも十分に高い弾性率(曲げ弾性率)を達成することができる。前記樹脂組成物の曲げ弾性率としては、前記ポリアミド(A)の同温度における曲げ弾性率+0.05GPa以上であることが好ましく、前記ポリアミド(A)の同温度における曲げ弾性率+0.08〜+2.0GPaであることがより好ましい。また、前記樹脂組成物の曲げ弾性率としては、前記ポリアミド(A)の種類にもよるため一概にはいえないが、23℃において、1.0GPa以上であることが好ましく、1.2〜4.0GPaであることがより好ましい。なお、本発明において、樹脂(ポリアミド(A)、ポリエステル(B)、樹脂(C)、ポリエーテルイミド(D)、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)、樹脂組成物)の曲げ弾性率は、3点曲げ試験によって求めることができ、より具体的には、樹脂を温度270℃、圧力6MPaで厚さ2mmに成形した後、幅20mm、長さ100mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)について、支点間距離:32mm、変位速度:1mm/sec、温度:23℃の条件で測定して得られる荷重−たわみ曲線から求めることができる。
また、本発明の樹脂組成物は十分に高いガラス転移温度を達成することができ、より具体的には、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度、さらに好ましくは前記ポリエステル(B)のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を達成することができる。前記樹脂組成物のガラス転移温度としては、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度+1℃以上であることが好ましく、前記ポリアミド(A)のガラス転移温度+5〜+50℃であることがより好ましい。また、前記樹脂組成物のガラス転移温度としては、前記ポリアミド(A)の種類にもよるため一概にはいえないが、60℃以上であることが好ましく、70〜200℃であることがより好ましい。なお、本発明において、樹脂(ポリアミド(A)、ポリエステル(B)、樹脂(C)、ポリエーテルイミド(D)、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)、樹脂組成物)のガラス転移温度(Tg[℃])は、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)測定によって求めることができ、より具体的には、樹脂を温度270℃、圧力6MPaで厚さ0.5mmに成形した後、幅5mm、長さ35mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)について、動的粘弾性測定装置を用い、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で測定して得られた貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)から、温度(x軸)−損失正接(tanδ:E’’/E’)(y軸)曲線を求め、これより、tanδのピーク位置の温度をガラス転移温度とすることができる。
さらに、本発明の樹脂組成物は、特にポリエーテルイミド(D)及び/又はスチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有する場合、より高温において、前記ポリアミド(A)の弾性率(貯蔵弾性率)よりも十分に高い弾性率(貯蔵弾性率)を達成することができる。本発明において、高温とは70〜130℃であり、より好ましくは80〜120℃である。前記樹脂組成物の該高温における貯蔵弾性率としては、前記ポリアミド(A)の同温度における貯蔵弾性率+0.1GPa以上であることが好ましく、前記ポリアミド(A)の同温度における貯蔵弾性率+0.2〜+3.0GPaであることがより好ましい。また、前記樹脂組成物の貯蔵弾性率としては、前記ポリアミド(A)の種類にもよるため一概にはいえないが、80℃において、1.0GPa以上であることが好ましく、1.0〜4.0GPaであることがより好ましい。なお、本発明において、高温における樹脂(ポリアミド(A)、ポリエステル(B)、樹脂(C)、ポリエーテルイミド(D)、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)、樹脂組成物)の貯蔵弾性率は、DMA(Dynamic Mechanical Analysis)測定によって求めることができ、より具体的には、樹脂を温度270℃、圧力6MPaで厚さ0.5mmに成形した後、幅5mm、長さ35mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)について、動的粘弾性測定装置を用い、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で測定して得られた、各温度における貯蔵弾性率(E’[Pa])をその温度における貯蔵弾性率とすることができる。
また、本発明の樹脂組成物は優れた耐水性を有し、前記ポリアミド(A)の吸水率よりも十分に低い吸水率を達成することができる。前記樹脂組成物の吸水率としては、前記ポリアミド(A)の同温度における吸水率(%)よりも3以上低いことが好ましく、前記ポリアミドの同温度における吸水率(%)よりも5以上低いことがより好ましい。また、前記樹脂組成物の吸水率としては、前記ポリアミド(A)の種類にもよるため一概にはいえないが、23℃において、7%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましい。なお、本発明において、樹脂(ポリアミド(A)、ポリエステル(B)、樹脂(C)、ポリエーテルイミド(D)、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)、樹脂組成物)の吸水率は、樹脂を温度270℃、圧力6MPaで厚さ2mmに成形した後、幅20mm、長さ100mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)を、23℃の水中に浸漬したまま静置し、+0.1%を超える重量増加が認められなくなった試験片の重量と浸漬前の試験片の重量とから求めることができる。
本発明の樹脂組成物はどのように成形してもよく、その方法は特に制限されず、例えば、射出成形、押出成形、吹込成形、圧縮成形(プレス成形)等、通常の熱可塑性樹脂に対して用いられる成形方法によって成形体を得ることができる。また、得られる成形体の形状、大きさ及び厚さ等も特に制限されず、その用途も特に制限されない。例えば、前記成形体は、自動車、鉄道車両、船舶、飛行機等の外装材、内装材及び構造材等として用いることができる。前記自動車の外装材、内装材及び構造材としては、自動車用外装材、自動車用内装材、自動車用構造材、自動車用衝撃エネルギー吸収材、自動車用歩行者保護材、自動車用乗員保護材、エンジンルーム内部品等が挙げられる。さらに、前記成形体は、建築物、家具等の内装材、外装材及び構造材、具体的には、例えば、ドア表装材、ドア構造材、各種家具(机、椅子、棚、箪笥等)の表装材、構造材等としても用いることができ、その他、包装体、収容体(トレイ等)、保護用部材、パーティション部材、家電製品(薄型TV、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、携帯電話、携帯ゲーム機、ノート型パソコン等)の筐体及び構造体としても用いることができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例により得られた樹脂組成物の曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、貯蔵弾性率測定、吸水率測定、及び断面評価は、それぞれ以下の方法によりおこなった。
<曲げ弾性率測定>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、それぞれ、プレス成形(温度:270℃、圧力:6MPa)で厚さ2mmの平板状に成形し、幅20mm、長さ100mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて試験片とした。得られた試験片について、万能試験機(インストロン ジャパン カンパニイ リミテッド製)を用い、支点間距離:32mm、変位速度:1mm/sec、温度:23℃の条件で測定し、得られた荷重−たわみ曲線から各曲げ弾性率(単位:GPa)を求めた。
<ガラス転移温度測定>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、それぞれ、(温度:270℃、圧力:6MPa)で厚さ0.5mmの平板状に成形し、幅5mm、長さ35mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて試験片とした。得られた試験片について、動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御株式会社製)を用い、大気中、測定温度範囲:−100〜200℃、周波数:10Hz、動的振幅:0.05%の条件で、各温度における貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)を測定した。得られた貯蔵弾性率(E’)及び損失弾性率(E’’)から、x軸を温度、y軸を損失正接(tanδ:E’’/E’)として温度−損失正接曲線を作成し、tanδのピーク位置の温度をガラス転移温度(単位:℃)とした。
<貯蔵弾性率測定>
前記ガラス転移温度測定において、80℃における貯蔵弾性率(E’)を、同温度における貯蔵弾性率(単位:GPa)とした。
<吸水率測定>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、それぞれ、プレス成形(温度270℃、圧力6MPa)で厚さ2mmに成形した後、幅20mm、長さ100mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)を、23℃の水中に浸漬したまま静置して一定時間ごとに試験片の重量を測定し、重量増加率が0.1%以下になった試験片の重量(浸漬後重量)及び浸漬前の試験片の重量(浸漬前重量)から、次式:{(浸漬後重量−浸漬前重量)/浸漬前重量}×100より、吸水率(単位:%)を求めた。
<断面評価>
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物を、それぞれ、プレス成形(温度270℃、圧力6MPa)で厚さ2mmに成形した後、幅20mm、長さ100mmに切り出し、80℃で12時間真空乾燥させて得られた平板状試験片(成形体)の断面について、走査電子顕微鏡(SEM、株式会社日立ハイテクマニファクチャ&サービス製、「S−3600N」)を用いて、加速電圧15V、倍率3000倍の条件で観察した。観察された断面について、以下の基準:
A:相分離が観察されず、極めて一様な外観を有している
B:相分離が観察されるものの各相の界面間は接着しており、一様な外観を有している
C:相分離が観察され、かつ、各相が分離して外観が一様ではない
に基づいて評価をした。なお、A>B>Cの順に、樹脂組成物においてポリアミドとポリエステルとの複合化が良好であるといえる。
(実施例1)
ポリアミド(ポリアミド6(PA6)、商品名:A1030BRL(ユニチカ株式会社製)、数平均分子量:14,500)49.75質量部、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、商品名:TR8550FF(帝人株式会社製))49.75質量部、及びフェノール樹脂(ノボラック型フェノール樹脂(PN)、商品名:PAPS−PN70(旭有機材株式会社製)、数平均分子量:2,500)0.5質量部をドライブレンドし、ラボプラストミル(株式会社東洋精機製作所製)を用いて、270℃において5分間、溶融混練を実施し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の組成を下記の表1に示す。
(実施例2〜3)
ポリアミド、ポリエステル及びフェノール樹脂の配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして各樹脂組成物を得た。
(実施例4〜5)
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代えてポリブチレンテレフタレート(PBT)(商品名:ジュラネックス2000(ポリプラスチックス株式会社製))を用い、ポリアミド、ポリエステル及びフェノール樹脂の配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして各樹脂組成物を得た。
(実施例6〜7)
ポリエステルとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代えてポリエチレンナフタレート(PEN)(商品名:テオネックス TN8065S(帝人株式会社製))を用い、ポリアミド、ポリエステル及びフェノール樹脂の配合量を下記の表1に示す量とし、さらに溶融混練温度を280℃としたこと以外は実施例1と同様にして各樹脂組成物を得た。
(実施例8〜10)
フェノール樹脂に代えて、ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂(ポリ−(4−ビニルフェノール(PVPh)、商品名:マルカリンカーS4(丸善石油化学株式会社製)、数平均分子量:5,400)を用い、ポリアミド、ポリエステル及びビニルヒドロキシフェニル含有樹脂の配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして各樹脂組成物を得た。
(比較例1)
フェノール樹脂を用いず、ポリアミド及びポリエステルの配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
(比較例2)
フェノール樹脂を用いず、ポリアミド及びポリエステルの配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例4と同様にして樹脂組成物を得た。
(比較例3)
フェノール樹脂を用いず、ポリアミド及びポリエステルの配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例6と同様にして樹脂組成物を得た。
(比較例4)
フェノール樹脂に代えて、エチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(E−GMA)(商品名:ボンドファースト−E(住友化学株式会社製))を用い、ポリアミド、ポリエステル及びエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体の配合量を下記の表1に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
Figure 0006858080
各実施例及び比較例で得られた樹脂組成物について、曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、吸水率測定、及び断面評価を行った。得られた結果を下記の表2に示す。また、断面評価で得られた各樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図1〜図14にそれぞれ示す(表2中には、対応する図番号を示す)。なお、PA6のみの場合の曲げ弾性率は3.14GPa、ガラス転移温度は73℃、吸水率は10.5%であった。また、PETのみ、PBTのみ、及びPENのみの場合のガラス転移温度は、順に、93℃、64℃、及び136℃、PNのみ、及びPVPhのみの場合のガラス転移温度は、順に、124℃、及び190℃であった。
Figure 0006858080
表2及び図1〜図14に示した結果から明らかなように、ポリアミドと、ポリエステルと、フェノール樹脂又はビニルヒドロキシフェニル含有樹脂とを組み合わせた本発明の樹脂組成物(実施例1〜10)では、断面の外観が極めて一様であり、ポリアミドとポリエステルとが互いに十分に分散、かつ、両者の界面が接着して十分に複合化していることが確認された。さらに、これらの樹脂組成物においては曲げ弾性率が著しく高く、また、十分に高いガラス転移温度及び十分に低い吸水率のいずれも達成されることが確認された。
これに対して、フェノール樹脂又はビニルヒドロキシフェニル含有樹脂を含まない樹脂組成物(比較例1〜3)では、ポリアミドとポリエステルとが大きく相分離した構造(海島構造)であり、さらにこれらの界面が接着せずに剥離していた。また、曲げ弾性率やガラス転移温度が低く、比較例1及び3では吸水率の十分な低下も確認できなかった。さらに、フェノール樹脂又はビニルヒドロキシフェニル含有樹脂に代えてエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体を含有する樹脂組成物(比較例4)では、断面の外観はある程度一様であったものの、十分な曲げ弾性率は達成されなかった。これはエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体自体の弾性率が低いためと考えられる。
(実施例11)
ポリエーテルイミド(PEI)(商品名:ULTEM 1000(サビック社製))をさらに用い、ポリアミド、ポリエステル、フェノール樹脂、及びポリエーテルイミドの配合量を下記の表3に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして樹脂組成物を得た。
(比較例5)
フェノール樹脂を用いず、ポリアミド、ポリエステル、及びポリエーテルイミドの配合量を下記の表3に示す量としたこと以外は実施例11と同様にして樹脂組成物を得た。
Figure 0006858080
実施例11及び比較例5で得られた樹脂組成物について、曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、貯蔵弾性率測定、及び断面評価を行った。得られた結果を下記の表4に示す。また、断面評価で得られた各樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図15〜図16にそれぞれ示す(表4中には、対応する図番号を示す)。さらに、表4には、実施例2及び比較例1で得られた樹脂組成物について、曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、貯蔵弾性率測定、及び断面評価を行った結果も併せて示す。なお、PEIのみの場合のガラス転移温度は217℃であった。
Figure 0006858080
表4及び図2、図11、図15〜図16に示した結果から明らかなように、ポリエーテルイミドをさらに組み合わせた本発明の樹脂組成物(実施例11)では、断面の外観が極めて一様であり、ポリアミドとポリエステルとが互いに十分に分散、かつ、両者の界面が接着して十分に複合化していることが確認された。また、ガラス転移温度が100度以上と、著しく高くなることも確認された。さらには、高温における貯蔵弾性率が特に高く、優れた高温における弾性率も達成されることが確認された。
(実施例12〜13)
スチレン−マレイミド−無水マレイン酸共重合体(StMiMah)(商品名:デンカIP BC−NB(電気化学工業株式会社製))をさらに用い、ポリアミド、ポリエステル、フェノール樹脂、及びスチレン−マレイミド−無水マレイン酸共重合体の配合量をそれぞれ下記の表5に示す量としたこと以外は実施例1と同様にして各樹脂組成物を得た。
Figure 0006858080
実施例12〜13で得られた樹脂組成物について、曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、貯蔵弾性率測定、吸水率測定、及び断面評価を行った。得られた結果を下記の表6に示す。また、断面評価で得られた各樹脂組成物の試験片断面の走査電子顕微鏡(SEM)写真を図17〜図18にそれぞれ示す(表6中には、対応する図番号を示す)。さらに、表6には、比較例1及び比較例4で得られた樹脂組成物について、曲げ弾性率測定、ガラス転移温度測定、貯蔵弾性率測定、吸水率測定、及び断面評価を行った結果も併せて示す。なお、StMiMahのみの場合のガラス転移温度は196℃であった。
Figure 0006858080
表6及び図11、図14、図17〜図18に示した結果から明らかなように、スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体をさらに組み合わせた本発明の樹脂組成物(実施例12〜13)では、断面の外観が極めて一様であり、ポリアミドとポリエステルとが互いに十分に分散、かつ、両者の界面が接着して十分に複合化していることが確認された。また、高温における貯蔵弾性率が特に高く、さらには、十分に高いガラス転移温度及び十分に低い吸水率のいずれも達成されることが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、ポリアミドとポリエステルとが均一に複合化されており、十分に高い弾性率及びガラス転移温度を達成することができ、かつ、優れた耐水性を有する樹脂組成物を提供することが可能となる。これにより、ポリアミド及びポリエステルを適用できる温度範囲や適用できる製品の用途範囲を拡大することが可能となる。

Claims (8)

  1. ポリアミド(A)と、ポリエステル(B)と、フェノール樹脂及び下記一般式(1):
    Figure 0006858080
    [式(1)中、Rはヒドロキシ基を示し、nは1〜5の整数を示す。]
    で表わされる構成単位を含むビニルヒドロキシフェニル含有樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂(C)と、を含有し、
    前記ポリアミド(A)の含有量が全質量に対して25〜74質量%であり、
    前記ポリエステル(B)の含有量が全質量に対して25〜74質量%であり、かつ、
    前記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.1〜40質量%である、
    ことを特徴とする樹脂組成物。
  2. 記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記ビニルヒドロキシフェニル含有樹脂が、下記一般式(2):
    Figure 0006858080
    で表わされる構成単位を含むことを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  5. ポリエーテルイミド(D)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  6. 記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であり、かつ、前記ポリエーテルイミド(D)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることを特徴とする請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)をさらに含有することを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の樹脂組成物。
  8. 記樹脂(C)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であり、かつ、前記スチレン−マレイミド−無水ジカルボン酸共重合体(E)の含有量が全質量に対して0.5〜30質量%であることを特徴とする請求項7に記載の樹脂組成物。
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