JP5285182B1 - 側溝ブロックおよびそれを備えた歩車道境界構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】車道の舗装面との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止するとともに、車道の幅員を有効に利用することを可能とし、しかも、車道の舗装面との間で生じる段差の原因となる車道の舗装面の沈下を抑制する。
【解決手段】車道3に沿って設けられる側溝を構成する側溝ブロック1において、車道3の舗装面(車道舗装面5)の表面5aと連続的に路面を形成する露出面であるブロック上面17と、車道側の側壁(車道側側壁部14)の上端部に設けられ、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aをブロック上面17に連続させる切欠部21と、切欠部21に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす凹凸部23と、を備える構成とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、車道に沿って設けられる側溝を構成する側溝ブロックおよびそれを備えた歩車道境界構造に関する。
従来、例えば、車道と歩道との間の境界構造(歩車道境界構造)として、コンクリート二次製品である歩車道境界ブロックと側溝ブロックとを備えるものがある。歩車道境界ブロックは、例えば、車道と歩道との間において突条部分を構成したり車道に対して歩道を一段高くする段差を構成したりする。側溝ブロックは、例えば、歩車道境界ブロックに対して車道側に設けられ、車道に沿って設けられる側溝を構成する。
そして、歩車道境界ブロックの歩道側においては、歩車道境界ブロックに隣接するように、基礎砕石上にアスファルト等が打設されることで舗装面が設けられ、歩道が構成される。一方、歩車道境界ブロックの車道側においては、歩車道境界ブロックから側溝ブロックを介して、つまり側溝ブロックの歩車道境界ブロック側と反対側に隣接するように、基礎砕石上にアスファルト等が打設されることで舗装面が設けられ、車道が構成される。
このような歩車道境界構造においては、互いに隣接する歩車道境界ブロックと側溝ブロックとの間の境界における隙間、あるいは歩車道境界ブロックまたは側溝ブロックと歩道または車道を構成する舗装面との間の境界における隙間から、雑草が生え出すという問題がある。具体的には、ブロック間の境界あるいはブロックと舗装面との間の境界において、その境界の隙間に入った雑草の種子が発芽し、その種子の根が基礎砕石下の土壌に到達して繁殖することで、雑草が成長する。
このように歩車道境界構造において成長する雑草は、景観を損ねたり、歩行者や自動車の運転者の見通しを損ねたり、歩道または車道を構成する舗装面において変形や亀裂を生じさせたりする。このため、歩車道境界構造において成長した雑草については、除草する必要があり、また、変形や亀裂が生じた舗装面については、修復等のメンテナンスの必要がある。近年では特にこうした雑草の除草や舗装面のメンテナンスにかかるコストは軽視できない。
そこで、歩車道境界構造において雑草の成長を抑制するための技術が種々提案されている。例えば、特許文献1には、歩車道境界ブロックと歩道の舗装面との間の境界における隙間から成長する雑草の発生を防止する技術が提案されている。具体的には、特許文献1には、歩道の幅を区画する路肩ブロック(歩車道境界ブロック)において、歩道のレベルよりも若干低い地点に位置する側壁から歩道側に突出する突出部を設け、その突出部の上面に密接して歩道のレベルまでアスファルトを打設する構成が開示されている。かかる構成によれば、路肩ブロック等に飛来した雑草の種子が仮に発芽したとしても、種子から伸びる根が路肩ブロックからの突出部とその上面に密接して打設されたアスファルトとの界面を進行しなければならないことから、根がアスファルト下の土壌に達する前に枯れてしまい、雑草の発生が防止されると考えられる。
また、特許文献2には、特許文献1と同様に歩道の舗装面とその舗装面に沿って設けられるブロックとの間の境界における隙間から成長する雑草の発生を防止する技術が提案されている。具体的には、特許文献2には、歩道に沿って設けられるコンクリート製のブロックの上端部に歩道を構成する舗装により覆われる切欠状の凹部を設け、この凹部の内表面にアルカリ性の強いセメント製ののろを張り付けたり、のろの下に平板状の鉄板を張り付けたりする構成が開示されている。かかる構成によれば、切欠状の凹部と舗装との接合線が長くなり蛇行することで、雑草の種子から伸びる根が土壌に到達することが阻害されるとともに、強いアルカリ性ののろに対する接触や鉄板による熱作用によって雑草の根の成長が妨げられ、雑草の成長が阻害されると考えられる。
特開平10−102454号公報 特開平11−193502号公報
ところで、上述したような歩車道境界構造により区画される車道においては、その路端寄りに、車道外側線が引かれる場合がある。車道外側線は、車道を通行する車両が歩道側の端に寄り過ぎることを防ぐための目安を示すことを目的とする区画線であり、一般に白い実線として引かれることが多い。こうした車道外側線は、上述したような歩車道境界構造に対しては、側溝ブロックと車道の舗装面との境界の位置から車道の中心側に所定の間隔を隔てた位置に引かれることになる。
一方、近年では、安全性や走行性等の観点から、自転車は歩道ではなく車道の側端を通行するようにとの指導が行われている。車道を通行する自転車は、車道の路肩、つまり車道における車道外側線の外側を通行することになる。自転車が車道を走行する場合、車道の路肩においては上述したように車道の舗装面に対して突出したり一段高くなったりする歩車道境界ブロックが存在するため、自転車は、ペダルが歩車道境界ブロックに接触しないように歩車道境界ブロックに対してある程度余裕を持って車道側を走行することになる。したがって、車道を走行する自転車は、歩車道境界ブロックに隣接して設けられる側溝ブロックの車道側の部分や車道の舗装面における車道外側線の外側(歩道側)の部分を走行することになる。
しかしながら、車道において限られた舗装面の幅員のなかで車両が通行する舗装面の幅員を確保する観点からは、車道外側線は側溝ブロックに近接するように設けられるため、路肩については十分な幅員が確保されていない場合が多い。かかる場合、上述したように歩車道境界ブロックへの接触を避けるように車道を走行する自転車は、路肩から車道外側線の内側(車道の中心側)に侵入しやすくなってしまい危険である。つまり、車道の舗装面において自転車が通行する部分の幅員が狭いことは、安全性の面で好ましくない。この点、側溝ブロックと車道の舗装面との間の境界における隙間から雑草が生えている場合、自転車はその雑草を避けて走行するため、より車道外側線の内側に侵入しやすくなり、安全上好ましくない。
さらに、側溝ブロックと車道の舗装面との間の境界部分においては、車道の舗装面にダンプカーやバス等の大型の車両等が乗ることで、舗装面が沈下し、側溝ブロックとの間で段差が発生する場合がある。すなわち、側溝ブロックの道路表面に対する露出面と車道の舗装面の表面とが略同一の高さに形成された構造において、側溝ブロックと車道の舗装面との間の境界部分に大型の車両の重量等が作用することで、コンクリート製の側溝ブロックに対してアスファルト等による舗装面において地盤沈下が生じ、側溝ブロックの露出面と車道の舗装面の表面との間で段差が生じる。こうした側溝ブロックと車道の舗装面との間で生じる段差は、車道を走行する自転車にとって安全性を損なう原因となり得る。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、車道の舗装面との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができるとともに、車道の幅員を有効に利用することができ、しかも、車道の舗装面との間で生じる段差の原因となる車道の舗装面の沈下を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる側溝ブロックおよびそれを備えた歩車道境界構造を提供することを目的とする。
本発明に係る側溝ブロックは、車道に沿って設けられる側溝を構成する側溝ブロックであって、車道の舗装面の表面と連続的に路面を形成する露出面と、車道側の側壁の上端部に設けられ、前記舗装面の縁部を受け入れて前記舗装面の表面を前記露出面に連続させる切欠部と、前記切欠部に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす凹凸部と、を備えるものである。
本発明に係る側溝ブロックにおいては、前記切欠部は、略鉛直方向に沿う鉛直面部と、略水平方向に沿う水平面部とを有し、前記凹凸部は、前記水平面部に設けられている。
本発明に係る側溝ブロックにおいては、前記凹凸部は、前記水平面部の幅方向の中央部に設けられ横断面形状において台形状をなす突条を有する。
本発明のうち他の態様に係る側溝ブロックにおいては、前記側溝は、車道と歩道との間に設けられるものであり、歩道側の側壁の上端部に設けられ、歩道の舗装面の縁部を受け入れて前記歩道の舗装面の表面を、前記歩道の舗装面の表面と連続的に路面を形成する露出面に連続させる歩道側切欠部と、前記歩道側切欠部に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす歩道側凹凸部と、をさらに備えるものである。
本発明に係る歩車道境界構造は、前記側溝ブロックと、前記側溝ブロックと併設された歩車道境界ブロックと、を備え、前記側溝ブロックの前記歩車道境界ブロック側と反対側にて縁部が前記切欠部に受け入れられた状態で車道の舗装面が打設され、前記歩車道境界ブロックの前記側溝ブロック側と反対側にて歩道の舗装面が打設されるものである。
本発明によれば、車道の舗装面との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができるとともに、車道の幅員を有効に利用することができ、しかも、車道の舗装面との間で生じる段差の原因となる車道の舗装面の沈下を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。
本発明の第1実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面斜視図。 本発明の第1実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面側面図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックを示す斜視図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックを示す側面図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックを示す一部省略平面図。 図5におけるA−A矢視断面図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックを示す部分拡大側面図。 従来の側溝ブロックの一例を示す図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックによる作用効果についての説明図。 本発明の第1実施形態に係る側溝ブロックの変形例を示す図。 本発明の第2実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面斜視図。 本発明の第2実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面側面図。 本発明の第2実施形態に係る側溝ブロックを示す斜視図。 本発明の第2実施形態に係る側溝ブロックを示す側面図。 本発明の第3実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面斜視図。 本発明の第3実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面側面図。 本発明の第3実施形態に係る側溝ブロックを示す斜視図。 本発明の第3実施形態に係る側溝ブロックを示す側面図。 本発明の第4実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面斜視図。 本発明の第4実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面側面図。 本発明の第4実施形態に係る側溝ブロックを示す斜視図。 本発明の第4実施形態に係る側溝ブロックを示す側面図。 本発明の第5実施形態に係る歩車道境界構造の構成を示す一部断面側面図。 本発明の第5実施形態に係る側溝ブロックを示す斜視図。 本発明の第5実施形態に係る側溝ブロックを示す側面図。
本発明は、例えば車道と歩道との間の境界構造(歩車道境界構造)において車道に沿って設けられる側溝を構成する側溝ブロックにおいて、車道側の側壁の上端部に、車道の幅員方向に凹凸状をなす凹凸部を有する切欠部を設けることにより、側溝ブロックと車道の舗装面との間の雑草の成長抑制と、車道の舗装面の幅員を広げること等による安全性の向上を図ろうとするものである。以下、本発明の実施の形態を説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。本実施形態に係る側溝ブロック1は、車道と歩道との間に設けられる側溝を構成する。図1および図2に示すように、本実施形態に係る側溝ブロック1は、いわゆる暗渠型の側溝ブロックであり、歩車道境界ブロック2とともに、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造10を構成する。すなわち、本実施形態に係る歩車道境界構造10は、側溝ブロック1と、側溝ブロック1と併設された歩車道境界ブロック2とを備え、側溝ブロック1の歩車道境界ブロック2と反対側にて車道3の舗装面(以下「車道舗装面」という。)5が打設され、歩車道境界ブロック2の側溝ブロック1側と反対側にて歩道4の舗装面(以下「歩道舗装面」という。)6が打設される。
本実施形態に係る側溝ブロック1について説明する。本実施形態に係る側溝ブロック1は、歩車道境界構造10において、歩車道境界ブロック2に対して車道3側(以下「車道側」と表記する。)に隣接するように設けられ、車道3に沿って設けられる側溝を構成する。側溝ブロック1は、コンクリート二次製品、つまりコンクリートを材料に一体成形されたブロック製品である。
図3〜図5に示すように、側溝ブロック1は、上記のとおり暗渠型であり、全体として筒軸方向を長手方向とし両端側が開口した略筒状ないしは略四角柱状の形状を有する。側溝ブロック1は、略筒状ないしは略四角柱状の外形を有するコンクリート構造体をブロック本体11とし、そのブロック本体11の長手方向に沿って形成されブロック本体11を貫通する空洞12を有する。すなわち、ブロック本体11は、図4に示す長手方向視(以下「側面視」とする。)で略環状の形状をなす略管状の部材であり、その内部に内周面11aによって形成されブロック本体11の長手方向の両端側に開口する空洞12を有する。
このようにブロック本体11において空洞12を有する側溝ブロック1は、車道3に沿って長手方向に連設されることで、連続する空洞12により排水路を構成する(図1参照)。つまり、本実施形態の側溝ブロック1においては、その長手方向が、車道3に沿う方向であって、側溝の溝方向となる。なお、以下の説明では、歩車道境界構造10を構成している状態の側溝ブロック1における上下方向(鉛直方向、図2における上下方向)、および水平方向のうち車道の幅員方向に沿う方向(図2における左右方向)を、それぞれ側溝ブロック1における上下方向および左右方向とする。
側溝ブロック1は、図4に示す側面視(長手方向視)の外形形状として、全体的に略矩形状であってその下半部が下側にかけて左右方向の寸法を徐々に小さくする形状を有する。言い換えると、ブロック本体11の側面視の外形形状は、概略的には、上半部において略矩形状に沿う形状を有するとともに、下半部において下側にかけて徐々に幅狭となる略逆台形形状に沿う形状を有する。また、上記のとおりブロック本体11の内周面11aにより形成される空洞12は、その側面視の形状として、ブロック本体11の外形形状に沿うように下窄まりの形状を有する。
このようにブロック本体11において空洞12を有する管状の側溝ブロック1は、ブロック本体11を構成する部分として、天井部分である上面部13と、車道側の側壁部(以下「車道側側壁部」という。)14と、歩道4側(以下「歩道側」と表記する。)の側壁部(以下「歩道側側壁部」という。)15と、底面部16とを有する。なお、本実施形態の側溝ブロック1においては、内周面11aによって空洞12を形成するブロック本体11の横断面の形状および大きさはブロック本体11の長手方向の位置によらず略同一であり、ブロック本体11はその長手方向に沿う直線的な部材として構成される。
本実施形態の側溝ブロック1においては、ブロック本体11の上面(以下「ブロック上面」という。)17が、歩車道境界構造10において路面の表面に露出する露出面となる。つまり、ブロック上面17は、側溝ブロック1において、車道舗装面5の表面5aと連続的に路面を形成する露出面となる(図1および図2参照)。側溝ブロック1は、基本的にはブロック上面17のみを地表に臨ませるように埋まった状態で設けられる。
また、側溝ブロック1は、ブロック上面17に開口する排水孔18を有する。本実施形態の側溝ブロック1は、長手方向に略等間隔で設けられる4個の排水孔18を有する。各排水孔18は、ブロック上面17において長手方向をブロック本体11の長手方向に沿わせた長孔状の開口形状を有する。排水孔18は、ブロック本体11の上面部13の部分を上下方向に貫通するように設けられる。つまり、排水孔18は、その上側をブロック上面17に開口させるとともに、下側を空洞12を形成する内周面11aに開口させ、歩車道境界構造10において地表側と空洞12内とを連通させる。ここで、排水孔18は、上側(地表側)から下側(空洞12側)にかけて徐々に断面積が大きくなるように形成されている(図6参照)。
また、排水孔18は、ブロック本体11において、左右方向について右側寄り、つまり歩道側寄りの端の位置に設けられている。そして、排水孔18が開口するブロック上面17は、左右方向について車道側から歩道側にかけて下る傾斜面として形成されている(図2参照)。
このような排水孔18の配置およびブロック上面17の傾斜構造により、車道側から側溝ブロック1側に流れ込んだ雨水は、ブロック上面17の傾斜によって排水孔18側に導かれ、排水孔18を介して空洞12内に流れ込んで排水される。ここで、排水孔18は、上述のとおり下側にかけて徐々に広がる形状を有することから、ブロック上面17上に雨水と共に流れ込んだ砂やゴミ等の異物についても、排水孔18において詰まらせることなく空洞12内へと排出させることができる。なお、側溝ブロック1における排水構造については、本実施形態に限定されることなく、適宜周知の構成を採用することができる。
本実施形態の側溝ブロック1は、歩車道境界構造10等に応じて適宜の大きさを有する。本実施形態の側溝ブロック1は、例えば、全長(長手方向の寸法)が2メートル程度、高さ(上下方向の寸法)および幅(左右方向の寸法)がいずれも40センチメートル程度の大きさを有する。
以上のような本実施形態の側溝ブロック1について詳細に説明する。本実施形態の側溝ブロック1は、上側かつ車道側(図4において左上側)の角部分において切欠部21を備える。つまり、切欠部21は、側溝ブロック1において車道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部21は、ブロック本体11において、上面部13と車道側側壁部14とが繋がる部分の外周側に設けられる。本実施形態では、切欠部21は、ブロック本体11の長手方向の全体にわたって形成されている。
切欠部21は、上述したように全体として略矩形状となるブロック本体11の側面視の外形形状において、上側かつ車道側の角部分が切り欠かれたような形状をなす部分である。つまり、切欠部21は、ブロック本体11の側面視の外形形状における上側かつ車道側の角部分において略直角形状を仮想した場合、その仮想形状に対して切欠状の凹部をなす部分である。切欠部21は、ブロック上面17を形成するブロック本体11の上端部の幅(左右方向の寸法)を、切欠部21の下側の部分の幅に対して小さくする。
本実施形態では、図7に示すように、切欠部21は、ブロック本体11の上側かつ車道側の角部分が略直角状に切り欠かれたような形状をなす部分として設けられている。すなわち、切欠部21は、略鉛直方向(図7において上下方向)に沿う鉛直面部21aと、略水平方向(同図において左右方向)に沿う水平面部21bとを有する。切欠部21を形成する鉛直面部21aは、ブロック本体11において車道側の側端面14aとの関係で一段歩道側に寄った段差面となる。また、切欠部21を形成する水平面部21bは、ブロック本体11においてブロック上面17との関係で一段下がった段差面となる。
切欠部21は、側溝ブロック1を備える歩車道境界構造10において、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aを側溝ブロック1の露出面となるブロック上面17に連続させる。歩車道境界構造10において、車道舗装面5は、上下方向について、側溝ブロック1の上端部に対応する位置において、例えばブロック本体11の上面部13の厚さと略同じ層厚で、少なくとも切欠部21を含む態様で設けられる。
そして、車道舗装面5は、その表面5aがブロック上面17と略同じ高さ位置となるように、しかも、歩道側、つまり側溝ブロック1側の縁部が側溝ブロック1に接触する態様で設けられる。すなわち、車道舗装面5は、その歩道側の縁部となる側溝ブロック1への接触縁部において、切欠部21の上から被さるような態様で、言い換えると切欠部21として形成される切欠状の凹部を埋めるような態様で設けられる。したがって、切欠部21においては、鉛直面部21aは車道側から車道舗装面5により覆われ、水平面部21bは上側から車道舗装面5により覆われることになる。
このような切欠部21を有する側溝ブロック1と車道舗装面5との関係により、車道舗装面5の表面5aとブロック上面17とが略連続した路面を形成する。そして、切欠部21を形成する鉛直面部21aおよび水平面部21bは、側溝ブロック1において車道舗装面5に対する接触面(接合面)となる。
本実施形態では、車道舗装面5は、上下方向について、その側溝ブロック1側の縁部の上側の一部が切欠部21に受け入れられた状態で設けられる。具体的には、上記のとおり車道舗装面5の表面5aとブロック上面17とが互いに略同じ高さ位置となる構成において、図7に示すように、車道舗装面5は、その層厚A1が切欠部21の鉛直面部21aの上下方向の寸法A2よりも大きくなるように(A1>A2)設けられる。そして、車道舗装面5は、その側溝ブロック1側の縁部に、他の部分に対して層厚が比較的薄い層薄部5bを有する。つまり、この車道舗装面5の層薄部5bが、その層厚を切欠部21の鉛直面部21aの上下方向の寸法と略同じとし、切欠部21を覆う部分として、車道舗装面5の側溝ブロック1側の縁端部を構成する。このような構成においては、側溝ブロック1の車道舗装面5に対する接触面(接合面)には、切欠部21を形成する鉛直面部21aおよび水平面部21bに加え、ブロック本体11の車道側の側端面14aの上端部も含まれることになる。
ただし、車道舗装面5の側溝ブロック1側の縁部については、その上下方向の全部が切欠部21に受け入れられる態様であってもよい。かかる態様の場合、例えば、車道舗装面5は、その層厚(A1)が切欠部21の鉛直面部21aの上下方向の寸法(A2)と略同じとなるように設けられる。
このように上側かつ車道側の角部分において車道舗装面5の縁部を受け入れる切欠部21を有する側溝ブロック1は、その切欠部21において、凹凸部23を備える。凹凸部23は、側溝ブロック1において、切欠部21に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。
本実施形態の側溝ブロック1は、上記のとおりブロック本体11の長手方向に沿う直線的な部材として構成されるため、側溝ブロック1の横断面形状は、側溝ブロック1の側面視の形状と略同一となる(図4および図6参照)。つまり、切欠部21に設けられる凹凸部23は、側溝ブロック1の側面視形状(長手方向視の形状)において凹凸形状をなす部分であると言うことができる。
ここで、凹凸部23が凹凸形状をなす横断面形状は、本実施形態の側溝ブロック1のように側溝の溝方向(車道に沿う方向)を長手方向とする構成においては、その長手方向に対して垂直な面の断面形状となるが、仮に側溝の溝方向の寸法が上下方向の寸法や左右方向の寸法よりも短い構成である場合においても、その側溝の溝方向視(車道に沿う方向視、図2参照)での断面形状を意味する。つまり、凹凸部23が凹凸形状をなす横断面形状は、必ずしも側溝ブロック1の長手方向によって規定される断面形状ではなく、側溝ブロック1において側溝の溝方向に垂直な面の断面形状である。この点、側溝ブロックが、例えば車道の曲がり角の部分に設けられたり曲線状の車道に沿うように設けられたりする場合において、曲線状の側溝を構成するように曲線状の形状を有するときにも、側溝の溝方向に垂直な面の断面形状が、凹凸部23が凹凸形状をなす横断面形状となる。つまりは、凹凸部23は、側溝の溝の幅方向に凹凸形状をなす部分であるといえる。
本実施形態の側溝ブロック1においては、凹凸部23は、切欠部21において水平面部21bに設けられている。したがって、切欠部21において、水平面部21bは凹凸部23によって凹凸形状を有するのに対し、鉛直面部21aは平面として形成される。
本実施形態の側溝ブロック1においては、凹凸部23は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)25を有する。特に、本実施形態では、凹凸部23は、ブロック本体11の長手方向に沿う1本の突条25を有することにより、横断面形状において凹凸形状をなす。
突条25は、切欠部21の水平面部21bにおいて、左右方向の中央位置あるいは略中央位置(中央部)に、ブロック本体11の長手方向の全体にわたって形成されている。突条25は、横断面形状(側面視形状)において平面部分から台形に沿う突出形状をなす部分である。したがって、突条25は、横断面形状等において台形の上底に対応する突出端面25aと、左右両側において傾斜面として設けられる側面25bとを有する(図7参照)。
このように切欠部21において突条25を有する凹凸部23の各部の具体的な寸法の一例を次に示す。なお、ここで示す寸法は、上記のとおり全長2メートル程度、高さおよび幅がいずれも40センチメートル程度の大きさを有する側溝ブロック1において採用される寸法の一例である。
図7に示すように、本例では、切欠部21を形成する水平面部21bの左右方向の寸法D1は、50mmである。また、横断面形状として台形に沿う突出形状をなす突条25について、その台形の下底に対応する位置、つまり突条25の水平面部21bに対する基端の左右方向の寸法D2は、15mmである。同じく突条25について、その台形の上底に対応する位置、つまり突条25の突出端面25aの左右方向の寸法D3は、10mmである。
また、本実施形態の側溝ブロック1は、上側かつ歩道側(図4において右上側)において切欠部26を有する。つまり、切欠部26は、側溝ブロック1において左右方向について切欠部21が設けられる側と反対側の角部分となる歩道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部26は、ブロック本体11において、上面部13と歩道側側壁部15とが繋がる部分の外周側に設けられる。本実施形態では、切欠部26は、ブロック本体11の長手方向の全体にわたって形成されている。
切欠部26は、上述したように全体として略矩形状となるブロック本体11の側面視の外形形状において、上側かつ歩道側の角部分が切り欠かれたような形状をなす部分である。つまり、切欠部26は、ブロック本体11の側面視の外形形状における上側かつ歩道側の角部分において略直角形状を仮想した場合、その仮想形状に対して切欠状の凹部をなす部分である。切欠部26は、ブロック上面17を形成するブロック本体11の上端部の幅(左右方向の寸法)を、切欠部26の下側の部分の幅に対して小さくする。本実施形態では、切欠部26は、ブロック本体11の上側かつ歩道側の角部分が略直角状に切り欠かれたような形状をなす部分として設けられている。
切欠部26は、側溝ブロック1を備える歩車道境界構造10において、側溝ブロック1に併設される歩車道境界ブロック2の基部を受け入れる。つまり、歩車道境界構造10において側溝ブロック1の歩道側に隣接するように設けられる歩車道境界ブロック2は、その下端部の車道側の角部分を側溝ブロック1において凹部として設けられる切欠部26に嵌め込ませた状態で設けられる。したがって、歩車道境界ブロック2は、上下方向について、その下端部の位置を側溝ブロック1の上端部の位置に対応させて、側溝ブロック1のブロック上面17の高さ位置から突出した態様で設けられる。
本実施形態の歩車道境界構造10が備える歩車道境界ブロック2は、側溝ブロック1と同様に、コンクリート二次製品であって、車道3に沿う方向(側溝の溝方向)を長手方向とする直線的な部材である。歩車道境界ブロック2は、互いに同じである側面視形状および横断面形状として、上下方向の寸法が左右方向の寸法よりも長い縦長状の略台形の形状を有する(図2参照)。このような形状を有する歩車道境界ブロック2が、その下側かつ車道側の角部分を、側溝ブロック1の上側かつ歩道側に設けられた切欠部26に嵌め込んだ状態で設けられる。
以上のような本実施形態に係る側溝ブロック1および歩車道境界ブロック2を備える歩車道境界構造10について、詳細に説明する。本実施形態に係る歩車道境界構造10は、上記のとおり側溝ブロック1と、側溝ブロック1と併設された歩車道境界ブロック2とを備え、側溝ブロック1の歩車道境界ブロック2と反対側にて車道舗装面5が打設され、歩車道境界ブロック2の側溝ブロック1側と反対側にて歩道舗装面6が打設されるものであり、これらの各構成が土壌7の上に設けられた構造である。
歩車道境界構造10において、側溝ブロック1は、土壌7上に設けられた基礎砕石8aの上に設置される。つまり、側溝ブロック1は、ブロック本体11の下側端面となる底面16aを基礎砕石8aに対する接触面として、基礎砕石8a上に設けられる。ここで、ブロック本体11と基礎砕石8aとの間には、例えば均しモルタルが介設される。また、歩車道境界ブロック2は、側溝ブロック1と同様に、土壌7上に設けられた基礎砕石8bの上に設置される。
車道3を構成する車道舗装面5は、土壌7上に設けられた基礎砕石8cの上においてアスファルトを打設することにより設けられる。車道舗装面5は、上述したように側溝ブロック1に対して歩道側の縁部が切欠部21に受け入れられた状態で打設される。
また、歩道4を構成する歩道舗装面6は、土壌7上において基礎砕石8bに対して歩道側に連続するように設けられる基礎砕石8dの上においてアスファルトを打設することにより設けられる。本実施形態の歩車道境界構造10において、歩道舗装面6は、その表面6aが車道舗装面5の表面5aと略同じ高さ位置となるように設けられる。したがって、本実施形態の歩車道境界構造10においては、歩車道境界ブロック2は、車道3と歩道4との間において側溝ブロック1と歩道舗装面6との境界に沿う突条部分を構成する。
以上のような構成を備える本実施形態の側溝ブロック1およびそれを備えた歩車道境界構造10によれば、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができるとともに、車道3の幅員を有効に利用することができ、しかも、車道舗装面5との間で生じる段差の原因となる車道舗装面5の沈下を抑制することができ、安全性の向上を図ることができる。以下では、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10により得られる作用効果について、詳細に説明する。
本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10においては、側溝ブロック1が車道側の上端角部に設けられる切欠部21において突条25からなる凹凸部23を有し、車道舗装面5が切欠部21に被さるように打設されることから、車道舗装面5と側溝ブロック1との接触面(接合面)が左右方向について凹凸形状に沿って蛇行することになる。つまり、横断面形状において、車道舗装面5と側溝ブロック1との境界線が、切欠部21に突条25による凹凸部23が存在する分、凹凸部23が存在しない場合(水平面部21bが平面である場合)と比べて長くなる。これにより、仮に側溝ブロック1上や車道舗装面5上に飛来した雑草の種子が発芽したとしても、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の蛇行した境界面によって、雑草の種子から伸びる根が基礎砕石8c下の土壌7に到達することが阻害され、根を土壌に達する前に枯らすことができ、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の境界部分において雑草の成長を防止することができる。
また、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の雑草の成長防止に関しては、次のような作用効果も得られる。すなわち、表面5aをブロック上面17と連続させながら切欠部21に被さるように打設される車道舗装面5がその縁部に層厚が比較的薄い層薄部5bを有することから、太陽光の照射による熱を車道舗装面5と側溝ブロック1との接触部分に対して効率的に伝えることができる。つまり、車道舗装面5において層薄部5bの層厚が他の部分よりも薄いことから、切欠部21に対して太陽光の照射による熱が伝わりやすくなる。これにより、側溝ブロック1と車道舗装面5との間に侵入した雑草の根が高温で熱せられることになり、雑草の成長を阻害することができる。
以上のように、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、切欠部21の凹凸部23(突条25)により雑草の根が土壌7へ到達することを阻害する作用と、太陽光の照射熱により雑草の根の成長を阻害する作用との相乗的な作用により、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、従来の側溝ブロックと比べて、側溝ブロックが道路の表面に対して露出する部分、つまりコンクリートの露出部分が少なくなり、車道舗装面5の面積を増加させることができ、車道3の幅員の有効活用が可能となる。かかる作用効果について、図8を用いて具体的に説明する。
図8には、従来の側溝ブロックの一例として、本実施形態の側溝ブロック1との比較において切欠部21が設けられていない構成の側溝ブロック1Aを示す。つまり、側溝ブロック1Aは、上側かつ車道側の角部分として、側面視においてブロック上面17Aの左側の端部と車道側側壁部14の側端面14Aの上側の端部とにより形成される略直角の角部分を有する。なお、側溝ブロック1Aにおいて本実施形態の側溝ブロック1と共通する部分については側溝ブロック1と同一の符号を用いる。
図8に示すような従来の側溝ブロック1Aを備える歩車道境界構造10Aにおいては、車道舗装面5は、車道側側壁部14の側端面14Aを側溝ブロック1Aに対する接触面(接合面)とし、表面5aをブロック上面17Aに連続させるように打設される。このような従来構造における車道舗装面5の表面5aとブロック上面17Aとの境界の左右方向における位置を位置C2とする。これに対し、本実施形態の側溝ブロック1によれば、車道舗装面5は、切欠部21に被さるように打設されることから(図2参照)、車道舗装面5の表面5aとブロック上面17との境界の左右方向における位置は、従来構造における位置C2よりも歩道側の位置C1となる。
このため、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、車道3の幅員方向(左右方向)について、道路表面に露出するコンクリート部分の幅となるブロック上面17の幅寸法E1が、従来構造におけるブロック上面17Aの幅寸法E2に対して切欠部21の水平面部21bの幅寸法E3の分だけ狭くすることができる。言い換えると、本実施形態の構造によれば、車道舗装面5の幅を切欠部21の水平面部21bの幅寸法E3の分だけ歩道側に広げることができる。
このように、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、車道舗装面5の幅を歩道側に広げることができることから、車道3において限られた幅員のなかで車道舗装面5の幅員を拡大することができ、車道3の幅員を有効に利用することが可能となる。車道舗装面5の幅員が歩道側に広がることは、近年指導されている自転車の車道通行に関し、自転車による車道の路肩通行をしやすくし、安全性の向上、交通事故の減少につながる。
また、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、従来の側溝ブロックと比べて、側溝ブロック1と車道舗装面5との間で生じる段差の原因となる車道舗装面5の沈下を抑制することができる。かかる作用効果について、図8に示す従来構造を例に具体的に説明する。
歩車道境界構造10Aにおいて、歩車道境界ブロック2は、車道3と歩道4との境界部分において突出した状態で設けられる。このため、車道3を通行する車両は、歩車道境界ブロック2に対する接触を避けるように歩車道境界ブロック2側になるべく近付かないように走行する。しかしながら、車両が停車する場合等においては、車道舗装面5の表面5aと側溝ブロック1Aのブロック上面17Aとが同じ高さであるため、車両のタイヤは車道舗装面5と側溝ブロック1Aとの境界部分ないしはこの境界部分の近傍に乗ることが多い。ダンプカーやバス等の大型の車両のタイヤが車道舗装面5と側溝ブロック1Aとの境界部分ないしはその近傍に乗ることにより、車道舗装面5において地盤沈下が生じ、車道舗装面5と側溝ブロック1との間で段差が発生する場合がある。
すなわち、図8に示すように、側溝ブロック1Aの道路表面に対する露出面となるブロック上面17Aと車道舗装面5の表面5aとが略同一の高さに形成された構造において、側溝ブロック1Aと車道舗装面5との間の境界部分またはその近傍に大型の車両の重量等が作用することで、コンクリート製の側溝ブロック1Aに対してアスファルトによる車道舗装面5の部分において地盤沈下が生じ(矢印F1で示す部分参照)、側溝ブロック1Aのブロック上面17Aと車道舗装面5の表面5aとの間で段差F2が生じる。特に、側溝ブロック1Aの周辺に関しては、側溝ブロック1Aが側溝を構成する水路構造であるため、水分が深いところまであり、また、側溝ブロック1A同士の継手部分等からの漏水によって地盤が軟らかくなりやすく、地盤沈下が起こりやすい。こうした側溝ブロック1Aと車道舗装面5との間で生じる段差F2は、車道3を走行する自転車にとって安全性を損なう原因となり得る。
そこで、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、側溝ブロック1の車道舗装面5に対する境界部分において、切欠部21が設けられ、側溝ブロック1の車道側の端部が1段下がった形状となることから、上述したような側溝ブロック1Aと車道舗装面5との間における段差F2が発生することを防止することができる。すなわち、本実施形態の構成によれば、車道舗装面5において側溝ブロック1に接触する歩道側の縁端となる層薄部5bが切欠部21に被さるように打設されることから、側溝ブロック1に対する境界部分をなす層薄部5bの部分は切欠部21の水平面部21bにおいてコンクリート部分により支持されるため、段差F2の直接的な原因となる車道舗装面5の層薄部5bの部分の沈下が防止される。この点、仮に車道舗装面5において下側に側溝ブロック1が存在しない部分、つまり車道側側壁部14の側端面14aよりも車道側の部分において多少沈下が生じたとしても、側溝ブロック1に対する境界部分をなす層薄部5bが切欠部21において支持されることから段差F2が発生することを極力防止することができる。このように、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10は、車道舗装面5と側溝ブロック1との間における段差の解消や、車道舗装面5の破損の防止に役立ち、安全性の向上や維持管理費の大幅な削減に貢献することができる。
次に、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によって自転車の車道通行に関して得られる作用効果について、図9を用いて詳細に説明する。なお、図9(a)は、本実施形態に係る側溝ブロック1および歩車道境界構造10を示し、同図(b)は、従来の側溝ブロック1Aおよび歩車道境界構造10Aを示す。
上述したように、近年では、安全性や走行性等の観点から、自転車は歩道ではなく車道の側端を通行するようにとの指導が行われている。図9(b)に示すように、車道3を通行する自転車27は、車道3の路肩、つまり車道3における車道外側線28の外側を通行することになる。ここで、車道外側線28とは、車道3を通行する車両29が歩道側の端に寄り過ぎることを防ぐための目安を示すことを目的とする区画線である。
自転車27が車道3を走行する場合、車道3の路肩においては車道舗装面5に対して突出したり一段高くなったりする歩車道境界ブロック2が存在するため、自転車27は、ペダルが歩車道境界ブロック2に接触しないように歩車道境界ブロック2に対してある程度余裕を持って車道側を走行することになる。したがって、車道3を走行する自転車27は、歩車道境界ブロック2に隣接して設けられる側溝ブロック1Aの車道側の部分や車道舗装面5における車道外側線28の外側(歩道側)の部分を走行することになる。このため、歩車道境界ブロック2の直近、例えば歩車道境界ブロック2と側溝ブロック1との境界部分から生え出す雑草に関しては、自転車27の通行に際してあまり気にかけられることはなく、自転車27に対する影響は少ないといえる。
しかし、図9(b)に示すように、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の境界部分から生え出す雑草30については、自転車27はその雑草30を避けて走行する必要があることから、上述したように歩車道境界ブロック2への接触を避けるように車道3を走行する自転車27は、路肩から車道外側線28の内側(車道の中心側)に侵入しやすくなってしまい危険である。しかも、側溝ブロック1Aと車道舗装面5との間に上述したような段差F2が存在する場合、その存在自体に加えて段差F2が雑草30の影に隠れることが安全上好ましくない。
したがって、図9(b)に示すように、従来構造においては、車道外側線28よりも外側(歩道側)の車道部分であって、歩車道境界ブロック2への接触を避けながら、側溝ブロック1と車道舗装面5との間の雑草30および段差F2を避けた区間G1が、自転車27の走行の安全性を確保することができる区間となり、それよりも歩道側の区間G2は、自転車27の走行に関して安全性の確保が困難な区間となる。
これに対し、図9(a)に示すように、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、上述したように側溝ブロック1と車道舗装面5との境界部分における雑草の成長および車道舗装面5の沈下に起因する段差F2の発生を防止することができることから、車道3を通行する自転車27の走行区間については、歩車道境界ブロック2への接触を避けることのみが考慮されればよい。したがって、図9(a)に示すように、本実施形態に係る構造においては、車道外側線28よりも外側(歩道側)の車道部分であって、歩車道境界ブロック2への接触を避けた区間H1が、自転車27の走行の安全性を確保することができる区間となり、それよりも歩道側の区間H2は、自転車27の走行に関して安全性の確保が困難な区間となる。
すなわち、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、図9(b)に示すような従来構造との比較において、自転車27が車道3で走行できる区間を大幅に広げることができ、自転車27の車道通行について安全性を大幅に向上することができる。また、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、上述したように車道舗装面5の幅員を拡大することができるので、車道舗装面5において車道外側線28等との関係で自転車27が通行する部分の幅員を広げやすくなり、このような点からも、安全性の向上を図ることができる。
また、本実施形態の側溝ブロック1および歩車道境界構造10によれば、製品の軽量化を図ることができ、コストを低減することができる。すなわち、本実施形態の側溝ブロック1は、図8に示すような従来の側溝ブロック1Aの構成に対して上側かつ車道側の角部分をカットした切欠部21を有する構成であることから、従来構造に対して、製品重量が軽くなり、製品価格および運賃が安くなる。この点、側溝ブロック1については、歩車道境界ブロック2に比べて大型で重く、運賃が非常に高くなるので、側溝ブロック1において軽量化が図れることは、歩車道境界構造10を構成するうえで非常に経済的である。
(変形例)
本発明の第1実施形態に係る側溝ブロック1の変形例について説明する。上述した本実施形態の側溝ブロック1は、切欠部21に設けられる凹凸部23においてブロック本体11の長手方向に沿う1本の突条25を有する構成であるが、凹凸部23としては、複数の突条を有する構成であってもよい。また、上述した本実施形態の側溝ブロック1においては、突条25は、台形に沿う横断面形状(側面視形状)を有するが、凹凸部23が有する突条の横断面形状(側面視形状)としては、例えば矩形状や半円形状等であってもよい。また、上述した本実施形態の側溝ブロック1においては、突条25は、切欠部21の水平面部21bの左右方向の中央位置あるいは略中央位置に設けられているが、突条25が設けられる位置は特に限定されない。また、本実施形態の側溝ブロック1においては、凹凸部23および突条25は、ブロック本体11の長手方向の全体にわたって形成されているが、ブロック本体11の長手方向について部分的に(一部に)設けられてもよい。側溝ブロック1が切欠部21において有する凹凸部23の変形例としては、次のような構成が挙げられる。
図10(a)に示す例では、切欠部21に設けられる凹凸部23Jは、水平面部21bにおいて、車道側(図において左側)の端部に突条25Jを有する。すなわち、上述した本実施形態の側溝ブロック1において凹凸部23を構成する突条25が切欠部21の水平面部21bの左右方向の中央位置あるいは略中央位置に設けられている構成に対し、この例の凹凸部23Jは、水平面部21bにおいて車道側の端部に設けられた突条25Jを有する構成である。
図10(b)に示す例では、切欠部21に設けられる凹凸部23Kは、水平面部21bにおいて、左右方向の略中央部に凹状の溝部25Kを有する。溝部25Kは、ブロック本体11の長手方向に沿う1本の直線状の凹部を形成する部分である。すなわち、上述した本実施形態の側溝ブロック1の凹凸部23が切欠部21の水平面部21bから突出する突条25を有するのに対し、この例の凹凸部23Kは、横断面形状(側面視形状)において突条25と上下方向に対称となるような溝状の窪みをなす溝部25Kを有する。
図10(c)に示す例では、切欠部21に設けられる凹凸部23Lは、水平面部21bにおいて、鋸歯状の横断面形状(側面視形状)をなす複数の山部25Lを有する。山部25Lは、ブロック本体11の長手方向に沿う直線状の突条部分であって、鋸歯状の横断面形状(側面視形状)において山型の形状となる部分である。図10(c)に示す例では、凹凸部23Lは左右方向に並ぶ3つの山部25Lを有することで、鋸歯状の断面形状をなす。すなわち、上述した本実施形態の側溝ブロック1の凹凸部23が切欠部21の水平面部21bから突出する1本の突条25を有するのに対し、この例の凹凸部23Lは、横断面形状(側面視形状)において左右方向に鋸歯状をなす複数の山部25Lを有する。
以上のように、側溝ブロック1において切欠部21に設けられる凹凸部23については、その断面形状について様々なバリエーションが考えられる。すなわち、凹凸部23としては、車道舗装面5と側溝ブロック1との切欠部21における接触面(接合面)が左右方向について凹凸形状に沿って蛇行するように、横断面形状において凹凸形状をなす部分であれば、その凹凸形状については特に限定されない。
また、本実施形態の側溝ブロック1においては、凹凸部23は、切欠部21において水平面部21bに設けられているが、鉛直面部21aに設けられたり、水平面部21bおよび鉛直面部21aの両方に設けられたりしてもよい。また、本実施形態の側溝ブロック1においては、凹凸部23を有する切欠部21は、ブロック本体11の上側かつ車道側の角部分が略直角状に切り欠かれたような形状をなす部分として設けられているが、切欠部21の切欠形状については特に限定されない。切欠部21の切欠形状としては、例えば、鈍角状や鋭角状、あるいは曲線に沿う形状等であってもよい。
以下では、本発明の他の実施形態について説明する。なお、上述した本発明の第1実施形態と共通する内容については、対応する構成に同一の符号を用いる等して適宜説明を省略する。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について説明する。図11および図12に示すように、本実施形態に係る側溝ブロック201は、逆U字型あるいは門型の形状を有する暗渠型の側溝ブロックであり、歩車道境界ブロック2とともに、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造210を構成する。すなわち、本実施形態に係る歩車道境界構造210は、第1実施形態の場合と同様に、側溝ブロック201と、側溝ブロック201と併設された歩車道境界ブロック2とを備え、側溝ブロック201の歩車道境界ブロック2と反対側にて車道3の車道舗装面5が打設され、歩車道境界ブロック2の側溝ブロック201側と反対側にて歩道舗装面6が打設される構成を備える。
本実施形態に係る側溝ブロック201は、歩車道境界構造210において、歩車道境界ブロック2に対して車道側に隣接するように設けられ、車道3に沿って設けられる側溝を構成する。側溝ブロック201は、コンクリート二次製品である。
図11〜図14に示すように、側溝ブロック201は、上記のとおり逆U字型あるいは門型の形状を有する暗渠型であり、全体として略四角筒状の形状において長手方向の両端側および一側面側(下面側)が開放された形状を有する。側溝ブロック201は、略四角筒状の形状において長手方向の両端側および一側面側が開放された形状を有するコンクリート構造体をブロック本体211とし、そのブロック本体211の長手方向に沿って形成された溝部212を有する。すなわち、ブロック本体211は、図14に示す側面視で略逆U字状あるいは門状の形状をなす部材であり、その内側に内周面211aによって形成されブロック本体211の長手方向の両端側および下側に開口する溝部212を有する。
このようにブロック本体211において溝部212を有する側溝ブロック201は、車道3に沿って長手方向に連設されることで、連続する溝部212により排水路を構成する(図11参照)。ここで、側溝ブロック201の下側には、基礎コンクリート209が設けられる。基礎コンクリート209は、側溝ブロック201において下側に開口する溝部212を下側から塞ぐように打設される。基礎コンクリート209は、ブロック本体211の下端面216aおよび溝部212を形成する内周面211aの下端部分に接触するような略板状の形状に打設される。このように溝部212が基礎コンクリート209により塞がれることにより、側溝ブロック201において排水路を構成する空洞が形成される。
側溝ブロック201は、図14に示す側面視(長手方向視)の外形形状として、全体的に略逆U字状あるいは門状の形状を有する。したがって、本実施形態の側溝ブロック201は、ブロック本体211を構成する部分として、天井部分である上面部213と、車道側側壁部214と、歩道側側壁部215とを有する。そして、上記のとおりブロック本体211において溝部212を形成する内周面211aは、概略的には水平方向に沿う上面と鉛直方向に沿う左右両側の側面とからなる。このような内周面211aによって形成される溝部212が板状の基礎コンクリート209により下側から塞がれることで、側溝ブロック201において側面視で略矩形状の空洞が形成される。
ブロック本体211を構成する左右両側の側壁部である車道側側壁部214および歩道側側壁部215は、それぞれ上半部に肉厚部214b、215bを有する。左右の側壁部214、215における肉厚部214b、215bは、門状のブロック本体211において互いに左右方向に略対称な形状となるように設けられる。左右の側壁部214、215の肉厚部214b、215bは、各側壁部214、215において上下方向の中途部から上側にかけて左右方向の外側に向かって徐々に肉厚(壁厚)を増す部分である。したがって、各側壁部214、215の内側の壁面は、上記のとおり鉛直方向(上下方向)に沿う面であるのに対し、各側壁部214、215の外側の面は、肉厚部214b、215bにおいて下側から上側にかけて徐々に左右方向の外側に広がる斜面状に形成される。なお、本実施形態の側溝ブロック201においては、内周面211aによって溝部212を形成するブロック本体211の横断面の形状および大きさはブロック本体211の長手方向の位置によらず略同一であり、ブロック本体211はその長手方向に沿う直線的な部材として構成される。
本実施形態の側溝ブロック201においては、ブロック上面217が、歩車道境界構造210において路面の表面に露出する露出面となる。つまり、ブロック上面217は、側溝ブロック201において、車道舗装面5の表面5aと連続的に路面を形成する露出面となる(図11および図12参照)。側溝ブロック201は、基本的にはブロック上面217のみを地表に臨ませるように埋まった状態で設けられる。
また、側溝ブロック201は、ブロック上面217に開口する開口部218を有する。図13に示すように、開口部218は、ブロック上面217の長手方向の中間部において、左右方向についてはブロック上面217の大部分を占めながらブロック本体211の長手方向を長辺方向とする長方形状に開口する。開口部218は、ブロック本体211の上面部213の部分を上下方向に貫通するように設けられる。
図11に示すように、開口部218は、排水孔219aを有する側溝蓋219により塞がれる。側溝蓋219は、開口部218の開口形状に沿う形状を有する略板状のコンクリート部材であり、開口部218に嵌ることにより、開口部218を塞ぐ。側溝蓋219が開口部218に嵌まった状態において、側溝蓋219の上面はブロック上面217に対して面一となる。なお、本実施形態の側溝ブロック201においては、ブロック上面217は、略水平面に沿う平面として形成されている。
側溝蓋219は、その長手方向の略中央位置において1個の排水孔219aを有する。各排水孔219aは、長手方向を左右方向に沿わせた長孔状の開口形状を有する。排水孔219aは、側溝蓋219を上下方向に貫通するように設けられる。つまり、排水孔219aは、側溝蓋219が開口部218に嵌まった状態において、上側をブロック上面217と連続する側溝蓋219の上面に開口させるとともに、下側を溝部212を形成する内周面211aに開口させ、歩車道境界構造210において地表側と溝部212および基礎コンクリート209により形成される空洞内とを連通させる。
このように排水孔219aを有する側溝蓋219が開口部218に嵌まる構造により、車道側から側溝ブロック201側に流れ込んだ雨水は、側溝蓋219の排水孔219aを介して溝部212と基礎コンクリート209とにより形成される空洞内に流れ込んで排水される。なお、側溝ブロック201における排水構造については、本実施形態に限定されることなく、例えば側溝蓋219に代えてグレーチングを採用した構造等、適宜周知の構成を採用することができる。
本実施形態の側溝ブロック201は、歩車道境界構造210等に応じて適宜の大きさを有する。本実施形態の側溝ブロック201は、例えば、全長(長手方向の寸法)が2メートル程度、高さ(上下方向の寸法)が65センチメートル程度、幅(左右方向の寸法)が60センチメートル程度の大きさを有する。
本実施形態の側溝ブロック201は、上側かつ車道側(図14において左上側)の角部分において切欠部221を備える。つまり、切欠部221は、側溝ブロック201において車道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部221は、ブロック本体211において、上面部213と車道側側壁部214とが繋がる部分の外周側に設けられる。本実施形態の側溝ブロック201の場合、切欠部221は、車道側側壁部214の肉厚部214bの上端部分に設けられることになる。本実施形態では、切欠部221は、ブロック本体211の長手方向の全体にわたって形成されている。
本実施形態の側溝ブロック201が有する切欠部221は、第1実施形態の側溝ブロック1が有する切欠部21と同様の形状部分である。すなわち、切欠部221は、略鉛直方向に沿う鉛直面部221aと、略水平方向に沿う水平面部221bとを有する(図14参照)。また、切欠部221は、側溝ブロック201を備える歩車道境界構造210において、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aを側溝ブロック201の露出面となるブロック上面217に連続させる。そして、車道舗装面5は、第1実施形態の場合と同様に、その表面5aがブロック上面217と略同じ高さ位置となるように、しかも、歩道側、つまり側溝ブロック201側の縁部が側溝ブロック201に接触する態様で設けられる。すなわち、車道舗装面5は、その歩道側の縁部となる側溝ブロック201への接触縁部において、切欠部221の上から被さるような態様で設けられる。
このような切欠部221を有する側溝ブロック201と車道舗装面5との関係により、車道舗装面5の表面5aとブロック上面217とが略連続した路面を形成する。そして、切欠部221を形成する鉛直面部221aおよび水平面部221bは、側溝ブロック201において車道舗装面5に対する接触面(接合面)となる。側溝ブロック201の車道舗装面5に対する接触面(接合面)には、第1実施形態の場合と同様に、切欠部221を形成する鉛直面部221aおよび水平面部221bに加え、ブロック本体211の車道側の側端面214aの上端部が含まれる。
本実施形態の側溝ブロック201は、その切欠部221において、第1実施形態の凹凸部23と同様の凹凸部223を備える。つまり、凹凸部223は、切欠部221に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、凹凸部223は、切欠部221において水平面部221bに設けられている。また、凹凸部223は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)225を有する。突条225は、第1実施形態において凹凸部23に設けられる突条25と同様の大きさ・形状を有する部分である。
また、本実施形態の側溝ブロック201は、上側かつ歩道側(図14において右上側)において切欠部226を有する。切欠部226は、第1実施形態において側溝ブロック1が有する切欠部26と同様の形状部分であり、歩車道境界構造210において側溝ブロック201に併設される歩車道境界ブロック2の基部を受け入れる。本実施形態の側溝ブロック201の場合、切欠部226は、歩道側側壁部215の肉厚部215bの上端部分に設けられることになる。
以上のような本実施形態に係る側溝ブロック201および歩車道境界ブロック2を備える歩車道境界構造210は、側溝ブロック201の歩車道境界ブロック2と反対側にて車道舗装面5が打設され、歩車道境界ブロック2の側溝ブロック201側と反対側にて歩道舗装面6が打設されるものであり、これらの各構成が土壌7の上に設けられた構造である。
本実施形態の歩車道境界構造210において、側溝ブロック201は、上述したように溝部212を下側から塞ぐ基礎コンクリート209上に設置される。つまり、側溝ブロック201は、ブロック本体211の下端面216aおよび内周面211aの下端部分を基礎コンクリート209に対する接触面として、基礎コンクリート209上に設けられる。歩車道境界ブロック2は、土壌7上に設けられた基礎砕石8bの上に設置される。
車道3を構成する車道舗装面5は、土壌7上に設けられた基礎砕石8cの上において、側溝ブロック201に対して歩道側の縁部が切欠部221に受け入れられた状態で打設される。また、歩道4を構成する歩道舗装面6は、土壌7上において基礎砕石8bに対して歩道側に連続するように設けられる基礎砕石8dの上においてアスファルトを打設することにより設けられる。
以上のような構成を備える本実施形態の側溝ブロック201およびそれを備えた歩車道境界構造210によっても、第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の側溝ブロック201においても、第1実施形態の側溝ブロック1の変形例(図10参照)を同様に適用することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について説明する。図15および図16に示すように、本実施形態に係る側溝ブロック301は、U字型の形状を有する蓋掛け型の側溝ブロックであり、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造310を構成する。すなわち、本実施形態に係る歩車道境界構造310は、側溝ブロック301を備え、側溝ブロック301の一側(図16において左側)にて車道3の車道舗装面5が打設され、その反対側(同図において右側)にて歩道舗装面6が打設される構成を備える。
本実施形態に係る側溝ブロック301は、車道3に沿って設けられる側溝を構成する。側溝ブロック301は、コンクリート二次製品である。
図15〜図18に示すように、側溝ブロック301は、上記のとおりU字型の形状を有する蓋掛け型であり、全体として略四角筒状の形状において長手方向の両端側および一側面側(上面側)が開放された形状を有する。側溝ブロック301は、略四角筒状の形状において長手方向の両端側および一側面側が開放された略四角筒状の形状を有するコンクリート構造体をブロック本体311とし、そのブロック本体311の長手方向に沿って形成された溝部312を有する。すなわち、ブロック本体311は、図18に示す側面視で略U字状の形状をなす部材であり、その内側に内周面311aによって形成されブロック本体311の長手方向の両端側および上側に開口する溝部312を有する。
このようにブロック本体311において溝部312を有する側溝ブロック301は、車道3に沿って長手方向に連設されることで、連続する溝部312により排水路を構成する(図15参照)。ここで、側溝ブロック301において上側に開口する溝部312は、その上側から側溝蓋319により覆われる。
図15および図16に示すように、側溝蓋319は、溝部312の上側の開口形状に沿う略板状のコンクリート部材である。このように溝部312が側溝蓋319により塞がれることにより、側溝ブロック301において排水路を構成する空洞が形成される。
側溝ブロック301は、図18に示す側面視(長手方向視)の外形形状として、全体的に略U字状の形状を有する。したがって、本実施形態の側溝ブロック301は、ブロック本体311を構成する部分として、車道側側壁部314と、歩道側側壁部315と、底面部316とを有する。そして、上記のとおりブロック本体311において溝部312を形成する内周面311aは、概略的には水平方向に沿う下面と鉛直方向に沿う左右両側の側面とからなる。このような内周面311aによって形成される溝部312が板状の側溝蓋319により上側から塞がれることで、側溝ブロック301において側面視で略矩形状の空洞が形成される。
ブロック本体311を構成する左右両側の側壁部である車道側側壁部314および歩道側側壁部315は、それぞれ上半部に肉厚部314b、315bを有する。肉厚部314b、315bは、第2実施形態の側溝ブロック201において車道側側壁部214および歩道側側壁部215が有する肉厚部214b、215bと同様の形状部分であり、U字状のブロック本体311において互いに左右方向に略対称な形状となるように設けられる。なお、本実施形態の側溝ブロック301においては、内周面311aによって溝部312を形成するブロック本体311の横断面の形状および大きさはブロック本体311の長手方向の位置によらず略同一であり、ブロック本体311はその長手方向に沿う直線的な部材として構成される。
本実施形態の側溝ブロック301においては、ブロック上面317(317a、317b)が、歩車道境界構造310において路面の表面に露出する露出面となる。本実施形態の側溝ブロック301の場合、ブロック上面317として、車道側側壁部314の上端面であるブロック上面317aと、歩道側側壁部315の上端面であるブロック上面317bとを有する。そして、車道側のブロック上面317aが、側溝ブロック301において、車道舗装面5の表面5aと連続的に路面を形成する露出面となる(図15および図16参照)。側溝ブロック301は、基本的にはブロック上面317のみを地表に臨ませるように埋まった状態で設けられる。
また、上述したように溝部312を上側から覆う側溝蓋319は、ブロック本体311において車道側側壁部314および歩道側側壁部315それぞれの上端部に形成される段差部314c、315cに嵌まった状態で設けられる。段差部314c、315cは、板状の側溝蓋319を上側から受け入れて支持する部分であり、溝部312を形成する内周面311aの左右両側の側面に対して左右方向の外側に1段広がる段差面を形成する部分である。段差部314c、315cにより、ブロック本体311の上側の開口幅寸法が規定される。段差部314c、315cによる開口幅は、側溝蓋319の幅と略同じ大きさである。なお、側溝蓋319の長手方向の寸法は、側溝ブロック301の長手方向の寸法と同じである。
側溝蓋319がブロック本体311の上側に嵌った状態において、側溝蓋319の上面は左右両側のブロック上面317に対して面一となる。なお、本実施形態の側溝ブロック301においては、左右両側のブロック上面317および側溝蓋319の上面は、略水平面に沿うように形成されている。
側溝蓋319は、その上面に開口する排水孔319aを有する(図15参照)。本実施形態では、側溝蓋319は、左右方向の略中央位置において、長手方向に所定の間隔を隔てて設けられる2個の排水孔319aを有する。各排水孔319aは、長手方向を側溝蓋319の長手方向に沿わせた長孔状の開口形状を有する。排水孔319aは、側溝蓋319を上下方向に貫通するように設けられる。つまり、排水孔319aは、側溝蓋319が段差部314c、315cに嵌った状態において、上側をブロック上面317と連続する側溝蓋319の上面に開口させるとともに、下側を側溝蓋319の下面に開口させ、歩車道境界構造310において地表側と溝部312および側溝蓋319により形成される空洞内とを連通させる。
このように排水孔319aを有する側溝蓋319がブロック本体311の上側の開放部における段差部314c、315cに嵌まる構造により、車道側から側溝ブロック301側に流れ込んだ雨水は、側溝蓋319の排水孔319aを介して溝部312と側溝蓋319により形成される空洞内に流れ込んで排水される。なお、側溝ブロック301における排水構造については、本実施形態に限定されることなく、例えば側溝蓋319に代えてグレーチングを採用した構造等、適宜周知の構成を採用することができる。
本実施形態の側溝ブロック301は、歩車道境界構造310等に応じて適宜の大きさを有する。本実施形態の側溝ブロック301は、例えば、全長(長手方向の寸法)が2メートル程度、高さ(上下方向の寸法)が35センチメートル程度、幅(左右方向の寸法)が50センチメートル程度の大きさを有する。
本実施形態の側溝ブロック301は、上側かつ車道側(図18において左上側)の角部分において切欠部321を備える。つまり、切欠部321は、側溝ブロック301において車道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部321は、ブロック本体311において、車道側側壁部314の上端部分の車道側に設けられる。本実施形態の側溝ブロック301の場合、切欠部321は、車道側側壁部314の肉厚部314bの上端部分に設けられることになる。本実施形態では、切欠部321は、ブロック本体311の長手方向の全体にわたって形成されている。
本実施形態の側溝ブロック301が有する切欠部321は、第1実施形態の側溝ブロック1が有する切欠部21と同様の形状部分である。すなわち、切欠部321は、略鉛直方向に沿う鉛直面部321aと、略水平方向に沿う水平面部321bとを有する(図18参照)。また、切欠部321は、側溝ブロック301を備える歩車道境界構造310において、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aを側溝ブロック301の露出面のうち車道側の露出面となる左側の(車道側側壁部314側の)ブロック上面317aに連続させる。そして、車道舗装面5は、第1実施形態の場合と同様に、その表面5aがブロック上面317と略同じ高さ位置となるように、しかも、歩道側、つまり側溝ブロック301側の縁部が側溝ブロック301に接触する態様で設けられる。すなわち、車道舗装面5は、その歩道側の縁部となる側溝ブロック301への接触縁部において、切欠部321の上から被さるような態様で設けられる。
このような切欠部321を有する側溝ブロック301と車道舗装面5との関係により、車道舗装面5の表面5aと車道側のブロック上面317aとが略連続した路面を形成する。そして、切欠部321を形成する鉛直面部321aおよび水平面部321bは、側溝ブロック301において車道舗装面5に対する接触面(接合面)となる。側溝ブロック301の車道舗装面5に対する接触面(接合面)には、第1実施形態の場合と同様に、切欠部321を形成する鉛直面部321aおよび水平面部321bに加え、ブロック本体311の車道側の側端面314aの上端部が含まれる。
本実施形態の側溝ブロック301は、その切欠部321において、第1実施形態の凹凸部23と同様の凹凸部323を備える。つまり、凹凸部323は、切欠部321に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、凹凸部323は、切欠部321において水平面部321bに設けられている。また、凹凸部323は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)325を有する。突条325は、第1実施形態において凹凸部23に設けられる突条25と同様の大きさ・形状を有する部分である。
本実施形態の側溝ブロック301は、上側かつ歩道側(図18において右上側)の角部分、つまり左右方向について切欠部321が設けられる側と反対側の角部分において、車道側の切欠部321と同様の形状部分である歩道側切欠部327を備える。つまり、歩道側切欠部327は、側溝ブロック301において歩道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、歩道側切欠部327は、ブロック本体311において、歩道側側壁部315の上端部分の歩道側に設けられる。本実施形態の側溝ブロック301の場合、歩道側切欠部327は、歩道側側壁部315の肉厚部315bの上端部分に設けられることになる。本実施形態では、歩道側切欠部327は、ブロック本体311の長手方向の全体にわたって形成されている。
歩道側切欠部327は、ブロック本体311において車道側に設けられる切欠部321に対して左右方向について対称な形状部分であり、歩道舗装面6に対して、切欠部321の車道舗装面5に対する関係と同様の関係を有する。したがって、本実施形態の場合、歩道側切欠部327は、略鉛直方向に沿う鉛直面部327aと、略水平方向に沿う水平面部327bとを有する(図18参照)。また、歩道側切欠部327は、側溝ブロック301を備える歩車道境界構造310において、歩道舗装面6の縁部を受け入れて歩道舗装面6の表面6aを側溝ブロック301の露出面のうち歩道側の露出面となる右側の(歩道側側壁部315側の)ブロック上面317bに連続させる。
そして、歩道舗装面6は、切欠部321に対する車道舗装面5と同様に、表面6aがブロック上面317bと略同じ高さ位置となるように、しかも、車道側、つまり側溝ブロック301側の縁部が側溝ブロック301に接触する態様で設けられる。すなわち、歩道舗装面6は、その車道側の縁部となる側溝ブロック301への接触縁部において、歩道側切欠部327の上から被さるような態様で設けられる。したがって、歩道舗装面6は、車道舗装面5の層薄部5bと同様に、側溝ブロック301側の縁部に、他の部分に対して層厚が比較的薄い層薄部6bを有する。
このような歩道側切欠部327を有する側溝ブロック301と歩道舗装面6との関係により、歩道舗装面6の表面6aと歩道側のブロック上面317bとが略連続した路面を形成する。そして、歩道側切欠部327を形成する鉛直面部327aおよび水平面部327bは、側溝ブロック301において歩道舗装面6に対する接触面(接合面)となる。側溝ブロック301の歩道舗装面6に対する接触面(接合面)には、車道側と同様に、歩道側切欠部327を形成する鉛直面部327aおよび水平面部327bに加え、ブロック本体311の歩道側の側端面315aの上端部が含まれる。
本実施形態の側溝ブロック301は、その歩道側切欠部327において、切欠部321の凹凸部323と同様の歩道側凹凸部328を備える。つまり、歩道側凹凸部328は、歩道側切欠部327に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、歩道側凹凸部328は、歩道側切欠部327において水平面部327bに設けられている。また、歩道側凹凸部328は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)329を有する。突条329は、切欠部321の凹凸部323に設けられる突条325と同様の大きさ・形状を有する部分である。
以上のような本実施形態に係る側溝ブロック301を備える歩車道境界構造310は、側溝ブロック301の車道側にて車道舗装面5が打設され、側溝ブロック301の歩道側にて歩道舗装面6が打設されるものであり、これらの各構成が土壌7の上に設けられた構造である。
本実施形態の歩車道境界構造310において、側溝ブロック301は、土壌7上に設けられた基礎砕石8aの上に設置される。つまり、側溝ブロック301は、ブロック本体311の下側端面となる底面316aを基礎砕石8aに対する接触面として、基礎砕石8a上に設けられる。ここで、ブロック本体311と基礎砕石8aとの間には、例えば均しモルタルが介設される。
車道3を構成する車道舗装面5は、土壌7上に設けられた基礎砕石8cの上において、側溝ブロック301に対して歩道側の縁部が切欠部321に受け入れられた状態で打設される。また、歩道4を構成する歩道舗装面6は、土壌7上に設けられた基礎砕石8dの上において、側溝ブロック301に対して車道側の縁部が歩道側切欠部327に受け入れられた状態で打設される。
以上のような構成を備える本実施形態の側溝ブロック301およびそれを備えた歩車道境界構造310によれば、第1実施形態の場合と同様の作用効果に加え、次のような作用効果を得ることができる。
本実施形態の側溝ブロック301および歩車道境界構造310においては、側溝ブロック301が歩道側の上端角部に設けられる歩道側切欠部327において突条329からなる歩道側凹凸部328を有し、歩道舗装面6が歩道側切欠部327に被さるように打設されることから、歩道舗装面6と側溝ブロック301との接触面(接合面)が左右方向について凹凸形状に沿って蛇行することになる。つまり、横断面形状において、歩道舗装面6と側溝ブロック301との境界線が、歩道側切欠部327に突条329による歩道側凹凸部328が存在する分、歩道側凹凸部328が存在しない場合(水平面部327bが平面である場合)と比べて長くなる。これにより、仮に側溝ブロック301上や歩道舗装面6上に飛来した雑草の種子が発芽したとしても、側溝ブロック301と歩道舗装面6との間の蛇行した境界面によって、雑草の種子から伸びる根が基礎砕石8d下の土壌7に到達することが阻害され、根を土壌に達する前に枯らすことができ、側溝ブロック301と歩道舗装面6との間の境界部分において雑草の成長を防止することができる。
また、側溝ブロック301と歩道舗装面6との間の雑草の成長防止に関しては、次のような作用効果も得られる。すなわち、表面6aを歩道側のブロック上面317bと連続させながら歩道側切欠部327に被さるように打設される歩道舗装面6がその縁部に層厚が比較的薄い層薄部6bを有することから、太陽光の照射による熱を歩道舗装面6と側溝ブロック301との接触部分に対して効率的に伝えることができる。つまり、歩道舗装面6において層薄部6bの層厚が他の部分よりも薄いことから、歩道側切欠部327に対して太陽光の照射による熱が伝わりやすくなる。これにより、側溝ブロック301と歩道舗装面6との間に侵入した雑草の根が高温で熱せられることになり、雑草の成長を阻害することができる。
以上のように、本実施形態の側溝ブロック301および歩車道境界構造310によれば、歩道側切欠部327の歩道側凹凸部328(突条329)により雑草の根が土壌7へ到達することを阻害する作用と、太陽光の照射熱により雑草の根の成長を阻害する作用との相乗的な作用により、側溝ブロック301と歩道舗装面6との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができる。
また、本実施形態の側溝ブロック301および歩車道境界構造310によれば、歩道側切欠部327を備えず歩道側の上側の角部分が略直角の角部分となる構成の側溝ブロックと比べて、側溝ブロックが道路の表面に対して露出する部分、つまりコンクリートの露出部分が少なくなり、歩道舗装面6の面積を増加させることができ、歩道4の幅員の有効活用が可能となる。かかる作用効果については、第1実施形態において図8を用いて車道側について説明した内容を歩道側に適用して参照することができる。
なお、本実施形態の側溝ブロック301においても、第1実施形態の側溝ブロック1の変形例(図10参照)を同様に適用することができる。また、本実施形態の側溝ブロック301のように歩道側にも凹凸部を有する切欠部を設ける構成は、第1実施形態および第2実施形態の暗渠型の側溝ブロックにおいても適用することができ、それにより上述したような作用効果を得ることができる。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について説明する。図19および図20に示すように、本実施形態に係る側溝ブロック401は、側面視で略L字型の形状を有するいわゆるL型の側溝ブロックであり、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造410を構成する。すなわち、本実施形態に係る歩車道境界構造410は、側溝ブロック401を備え、側溝ブロック401の一側(図20において左側)にて車道3の車道舗装面5が打設され、その反対側(同図において右側)にて歩道舗装面6が打設される構成を備える。
本実施形態に係る側溝ブロック401は、車道3に沿って設けられる側溝を構成する。側溝ブロック401は、コンクリート二次製品である。
図19〜図22に示すように、側溝ブロック401は、上記のとおり略L字型の形状を有するL型であり、全体として略矩形板状の形状において一側(上側)の板面に長手方向に沿う突条が設けられた形状を有する。側溝ブロック401は、略矩形板状の形状において一側(上側)の板面に長手方向に沿う突条が設けられた形状を有するコンクリート構造体をブロック本体411とし、そのブロック本体411の長手方向に沿って形成された溝部412を有する。
具体的には、側溝ブロック401は、略矩形板状の基部413と、歩車道間の境界部分として機能する形状部分である歩車道境界部414とを有する。基部413は、側溝の溝方向を長手方向とする略矩形板状の外形を有する部分である。歩車道境界部414は、側面視形状で略矩形状となる突条を形成する部分であり、基部413上において短手方向(左右方向)のうちの歩道側となる一側の長手方向の辺部に沿って設けられる。歩車道境界部414は、基部413に対して長手方向の全体にわたって設けられる。
本実施形態の側溝ブロック401においては、基部413の上面であるブロック上面417aと、歩車道境界部414の車道側の側面414aとにより、溝部412が形成される。ブロック上面417aは、ブロック本体411の上面のうち歩車道境界部414よりも車道側の部分であって、左右方向について車道側から歩道側にかけて下る傾斜面として形成されている。これに対し、ブロック本体411の下面411aは、左右方向に沿う水平面として形成される。したがって、板状の基部413の板厚は、車道側(図22において左側)から歩道側(同図において右側)にかけて、ブロック上面417aの傾斜に対応して徐々に薄くなる。
このように基部413上において溝部412が形成される側溝ブロック401は、車道3に沿って長手方向に連設されることで、連続する溝部412により排水路を構成する(図19参照)。なお、本実施形態の側溝ブロック401においては、溝部412を形成する基部413および歩車道境界部414の横断面の形状および大きさは側溝ブロック401の長手方向の位置によらず略同一であり、側溝ブロック401はその長手方向に沿う直線的な部材として構成される。
本実施形態の側溝ブロック401においては、ブロック上面417aが、車道舗装面5の表面5aと連続的に路面を形成する露出面となる(図19および図20参照)。つまり、側溝ブロック401において地表に露出する面のうち、車道側の露出面である基部413のブロック上面417aが、車道舗装面5の表面5aに連続する露出面となる。これに対し、側溝ブロック401においては、歩車道境界部414の上面であるブロック上面417bが、歩道舗装面6の表面6aと連続的に路面を形成する露出面となる(図19および図20参照)。つまり、側溝ブロック401において地表に露出する面のうち、歩道側の露出面である歩車道境界部414のブロック上面417bが、歩道舗装面6の表面6aに連続する露出面となる。側溝ブロック401は、基本的にはブロック上面417a、417bのみを地表に臨ませるように埋まった状態で設けられる。
本実施形態の歩車道境界構造410においては、車道側から側溝ブロック401側に流れ込んだ雨水は、基部413の上面であるブロック上面417aと歩車道境界部414の側面414aとにより形成される溝部412を流れて排水される。なお、側溝ブロック401における排水構造については、本実施形態に限定されることなく、適宜周知の構成を採用することができる。
本実施形態の側溝ブロック401は、歩車道境界構造410等に応じて適宜の大きさを有する。本実施形態の側溝ブロック401は、例えば、全長(長手方向の寸法)が2メートル程度、高さ(上下方向の寸法)が15センチメートル程度、幅(左右方向の寸法)が60センチメートル程度の大きさを有する。
本実施形態の側溝ブロック401は、上側かつ車道側(図22において左上側)の角部分において切欠部421を備える。つまり、切欠部421は、側溝ブロック401において車道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部421は、ブロック本体411を構成する板状の基部413において、車道側の端面部における上側の部分に設けられる。つまり、切欠部421は、板状の基部413において車道側かつ上側の角部分が切り欠かれたような形状をなす部分である。本実施形態では、切欠部421は、ブロック本体411の長手方向の全体にわたって形成されている。
本実施形態の側溝ブロック401が有する切欠部421は、第1実施形態の側溝ブロック1が有する切欠部21と同様の形状部分である。すなわち、切欠部421は、略鉛直方向に沿う鉛直面部421aと、略水平方向に沿う水平面部421bとを有する(図22参照)。また、切欠部421は、側溝ブロック401を備える歩車道境界構造410において、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aを側溝ブロック401の露出面のうち車道側の露出面となるブロック上面417aに連続させる。そして、車道舗装面5は、第1実施形態の場合と同様に、その表面5aがブロック上面417aの車道側の部分と略同じ高さ位置となるように、しかも、歩道側、つまり側溝ブロック401側の縁部が側溝ブロック401に接触する態様で設けられる。すなわち、車道舗装面5は、その歩道側の縁部となる側溝ブロック401への接触縁部において、切欠部421の上から被さるような態様で設けられる。
このような切欠部421を有する側溝ブロック401と車道舗装面5との関係により、車道舗装面5の表面5aと車道側のブロック上面417aとが略連続した路面を形成する。そして、切欠部421を形成する鉛直面部421aおよび水平面部421bは、側溝ブロック401において車道舗装面5に対する接触面(接合面)となる。側溝ブロック401の車道舗装面5に対する接触面(接合面)には、第1実施形態の場合と同様に、切欠部421を形成する鉛直面部421aおよび水平面部421bに加え、ブロック本体411を構成する基部413の車道側の側端面413aの上端部が含まれる。
本実施形態の側溝ブロック401は、その切欠部421において、第1実施形態の凹凸部23と同様の凹凸部423を備える。つまり、凹凸部423は、切欠部421に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、凹凸部423は、切欠部421において水平面部421bに設けられている。また、凹凸部423は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)425を有する。突条425は、第1実施形態において凹凸部23に設けられる突条25と同様の大きさ・形状を有する部分である。
本実施形態の側溝ブロック401は、上側かつ歩道側(図22において右上側)の角部分、つまり左右方向について切欠部421が設けられる側と反対側の角部分において、車道側の切欠部421と同様の形状部分である歩道側切欠部427を備える。つまり、歩道側切欠部427は、側溝ブロック401において歩道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、歩道側切欠部427は、ブロック本体411において、歩車道境界部414の上端部分の歩道側に設けられる。歩道側切欠部427は、略矩形状の側面視形状を有する歩車道境界部414において車道側かつ上側の角部分が切り欠かれたような形状をなす部分である。本実施形態では、歩道側切欠部427は、ブロック本体411の長手方向の全体にわたって形成されている。
歩道側切欠部427は、ブロック本体411において車道側に設けられる切欠部421に対して左右方向について略対称な形状部分であり、歩道舗装面6に対して、切欠部421の車道舗装面5に対する関係と同様の関係を有する。したがって、本実施形態の場合、歩道側切欠部427は、略鉛直方向に沿う鉛直面部427aと、略水平方向に沿う水平面部427bとを有する(図22参照)。また、歩道側切欠部427は、側溝ブロック401を備える歩車道境界構造410において、歩道舗装面6の縁部を受け入れて歩道舗装面6の表面6aを側溝ブロック401の露出面のうち歩道側の露出面となるブロック上面417b(歩車道境界部414の上面)に連続させる。
そして、歩道舗装面6は、切欠部421に対する車道舗装面5と同様に、表面6aがブロック上面417bと略同じ高さ位置となるように、しかも、車道側、つまり側溝ブロック401側の縁部が側溝ブロック401に接触する態様で設けられる。すなわち、歩道舗装面6は、その車道側の縁部となる側溝ブロック401への接触縁部において、歩道側切欠部427の上から被さるような態様で設けられる。したがって、歩道舗装面6は、車道舗装面5の層薄部5bと同様に、側溝ブロック401側の縁部に、他の部分に対して層厚が比較的薄い層薄部6bを有する。なお、本実施形態の側溝ブロック401においては、歩道側切欠部427は、車道側の切欠部421よりも高い位置に設けられており、これにともない、歩道舗装面6は、車道舗装面5よりも高い位置に打設されている。
このような歩道側切欠部427を有する側溝ブロック401と歩道舗装面6との関係により、歩道舗装面6の表面6aと歩道側のブロック上面417bとが略連続した路面を形成する。そして、歩道側切欠部427を形成する鉛直面部427aおよび水平面部427bは、側溝ブロック401において歩道舗装面6に対する接触面(接合面)となる。側溝ブロック401の歩道舗装面6に対する接触面(接合面)には、車道側と同様に、歩道側切欠部427を形成する鉛直面部427aおよび水平面部427bに加え、ブロック本体411の歩道側の側端面414bの上端部が含まれる。
本実施形態の側溝ブロック401は、その歩道側切欠部427において、切欠部421の凹凸部423と同様の歩道側凹凸部428を備える。つまり、歩道側凹凸部428は、歩道側切欠部427に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、歩道側凹凸部428は、歩道側切欠部427において水平面部427bに設けられている。また、歩道側凹凸部428は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)429を有する。突条429は、切欠部421の凹凸部423に設けられる突条425と同様の大きさ・形状を有する部分である。
以上のような本実施形態に係る側溝ブロック401を備える歩車道境界構造410は、側溝ブロック401の車道側にて車道舗装面5が打設され、側溝ブロック401の歩道側にて歩道舗装面6が打設されるものであり、これらの各構成が土壌7の上に設けられた構造である。
本実施形態の歩車道境界構造410において、側溝ブロック401は、土壌7上に設けられた基礎砕石8aの上に設置される。つまり、側溝ブロック401は、ブロック本体411の下側端面となる下面411aを基礎砕石8aに対する接触面として、基礎砕石8a上に設けられる。ここで、ブロック本体411と基礎砕石8aとの間には、例えば均しモルタルが介設される。
車道3を構成する車道舗装面5は、土壌7上に設けられた基礎砕石8cの上において、側溝ブロック401に対して歩道側の縁部が切欠部421に受け入れられた状態で打設される。また、歩道4を構成する歩道舗装面6は、土壌7上に設けられた基礎砕石8dの上において、側溝ブロック401に対して車道側の縁部が歩道側切欠部427に受け入れられた状態で打設される。
以上のような構成を備える本実施形態の側溝ブロック401およびそれを備えた歩車道境界構造410によれば、第3実施形態の場合と同様に、第1実施形態の場合と同様の作用効果に加え、側溝ブロック401と歩道舗装面6との間の境界部分において雑草の成長を効果的に防止することができるとともに、歩道舗装面6の面積の増加にともなう歩道4の幅員の有効活用が可能となる。
なお、本実施形態の側溝ブロック401においても、第1実施形態の側溝ブロック1の変形例(図10参照)を同様に適用することができる。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態について説明する。図23に示すように、本実施形態に係る側溝ブロックは、車道3に沿って設けられる側溝において溜桝を構成する溜桝用側溝ブロック501である。溜桝は、側溝に連通し、側溝を流れる排水に混入した土砂や固形物等を捕獲する貯留空間を形成するものであり、例えば、車道3に沿って連設される側溝ブロック群によって構成される側溝において適当な間隔ごと(適当な数の側溝ブロックごと)に設けられる。したがって、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造510において、側溝の溝方向(図23において紙面に対して垂直方向)の両側から、第1〜第4実施形態に係る側溝ブロックのような通常の側溝ブロック500により挟まれた態様で設けられる。
このような溜桝用側溝ブロック501は、その上半部の形状部分として、側溝の溝方向の両側から挟まれる通常の側溝ブロック500に対応して、側溝ブロック500と略同じ形状部分を有する。そこで、溜桝用側溝ブロック501の上半部の形状部分において、上述したような各実施形態の側溝ブロックが有する切欠部等の形状部分が採用される。
図24および図25に示すように、本実施形態に係る溜桝用側溝ブロック501は、桝状ないしは箱状の形状を有し、歩車道境界ブロック2とともに、車道3と歩道4との間の歩車道境界構造510を構成する。すなわち、本実施形態に係る歩車道境界構造510は、溜桝用側溝ブロック501と、溜桝用側溝ブロック501と併設された歩車道境界ブロック2とを備え、溜桝用側溝ブロック501の歩車道境界ブロック2と反対側にて車道3の車道舗装面5が打設され、歩車道境界ブロック2の溜桝用側溝ブロック501と反対側にて歩道舗装面6が打設される構成を備える。
本実施形態に係る溜桝用側溝ブロック501は、歩車道境界構造510において、歩車道境界ブロック2に対して車道側に隣接するように設けられ、車道3に沿って設けられる側溝において溜桝を構成する。溜桝用側溝ブロック501は、コンクリート二次製品である。
図24〜図25に示すように、溜桝用側溝ブロック501は、上側が開放された桝状ないしは箱状の形状を有するコンクリート構造体をブロック本体511とし、そのブロック本体511により形成された貯留空間512を有する。溜桝用側溝ブロック501は、左右方向に互いに対向する車道側側壁部514および歩道側側壁部515と、側溝の溝方向(以下単に「側溝方向」という。)に互いに対向する壁部513a・513bと、底面部516とを有し、これらの4方の壁部と底面部とにより、平面視で略矩形状となる貯留空間512を形成する。
本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、その上半部の形状として、第3実施形態に係る側溝ブロック301のようなU字型の形状を有する蓋掛け型の側溝ブロックの形状に対応した形状を有する。したがって、溜桝用側溝ブロック501は、側溝方向の両側の壁部513a・513bにおいてその上半部が側面視で略U字型形状となるような切欠部513Aを有する。かかる溜桝用側溝ブロック501に対し、その側面視での略U字型の形状に対応するように、側溝方向の両側にU字型の形状を有する側溝ブロック500が配置される。これにより、通常の側溝ブロック500によって構成される側溝と、溜桝用側溝ブロック501により形成される溜桝としての貯留空間512とが連通した状態となる。ここで、溜桝用側溝ブロック501において上側に開口する貯留空間512は、その上側からグレーチング519により覆われる。
溜桝用側溝ブロック501は、左右両側の車道側側壁部514および車道側側壁部514の上半部において、第3実施形態に係る側溝ブロック301が有する車道側側壁部314および歩道側側壁部315が有する形状と同様の形状を有する。具体的には、ブロック本体511を構成する左右両側の側壁部である車道側側壁部514および歩道側側壁部515は、それぞれ上端部に、互いに左右方向に略対称な形状となるように設けられる肉厚部514b、515bを有する。
また、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501においては、ブロック上面517(517a、517b)が、歩車道境界構造510において路面の表面に露出する露出面となる。本実施形態の溜桝用側溝ブロック501の場合、第3実施形態の場合と同様に、ブロック上面517として、車道側側壁部514の上端面であるブロック上面517aと、歩道側側壁部515の上端面であるブロック上面517bとを有する。そして、車道側のブロック上面517aが、溜桝用側溝ブロック501において、車道舗装面5の表面5aと連続的に路面を形成する露出面となる(図23参照)。溜桝用側溝ブロック501は、基本的にはブロック上面517のみを地表に臨ませるように埋まった状態で設けられる。
また、貯留空間512を上側から覆うグレーチング519は、ブロック本体511において車道側側壁部514および歩道側側壁部515それぞれの上端部に形成される段差部514c、515cに嵌まった状態で設けられる。段差部514c、515cは、板状の外形を有するグレーチング519を上側から受け入れて支持する部分であり、貯留空間512を形成する左右両側の壁面(側壁部514、515の内側壁面)に対して左右方向の外側に1段広がる段差面を形成する部分である。段差部514c、515cにより、ブロック本体511の上側の開口幅寸法が規定される。段差部514c、515cによる開口幅は、グレーチング519の幅と略同じ大きさである。なお、グレーチング519の長手方向の寸法は、溜桝用側溝ブロック501の側溝方向の寸法と同じである。
グレーチング519がブロック本体511の上側に嵌った状態において、グレーチング519の上面は左右両側のブロック上面517に対して面一となる。なお、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501においては、左右両側のブロック上面517およびグレーチング519の上面は、略水平面に沿うように形成されている。
このようにグレーチング519がブロック本体511の上側の開放部における段差部514c、515cに嵌まる構造により、車道側から溜桝用側溝ブロック501側に流れ込んだ雨水は、グレーチング519を介して貯留空間512内に流れ込んで排水される。また、貯留空間512には、溜桝用側溝ブロック501に対して設けられる側溝からの排水等が流れ込む。なお、溜桝用側溝ブロック501における排水構造については、本実施形態に限定されることなく、例えばグレーチング519に代えてコンクリート製の蓋を採用した構造等、適宜周知の構成を採用することができる。また、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、歩車道境界構造510等に応じて適宜の大きさを有する。
本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、上側かつ車道側(図25において左上側)の角部分において切欠部521を備える。つまり、切欠部521は、溜桝用側溝ブロック501において車道側の側壁の上端部に設けられる。詳細には、切欠部521は、ブロック本体511において、車道側側壁部514の上端部分の車道側に設けられる。本実施形態の溜桝用側溝ブロック501の場合、切欠部521は、車道側側壁部514の肉厚部514bの上端部分に設けられることになる。本実施形態では、切欠部521は、ブロック本体511の側溝方向の全体にわたって形成されている。
本実施形態の溜桝用側溝ブロック501が有する切欠部521は、第1実施形態の側溝ブロック1が有する切欠部21と同様の形状部分である。すなわち、切欠部521は、略鉛直方向に沿う鉛直面部521aと、略水平方向に沿う水平面部521bとを有する(図25参照)。また、切欠部521は、溜桝用側溝ブロック501を備える歩車道境界構造510において、車道舗装面5の縁部を受け入れて車道舗装面5の表面5aを溜桝用側溝ブロック501の露出面のうち車道側の露出面となる左側の(車道側側壁部514側の)ブロック上面517aに連続させる。そして、車道舗装面5は、その表面5aがブロック上面517aと略同じ高さ位置となるように、しかも、歩道側、つまり溜桝用側溝ブロック501側の縁部が溜桝用側溝ブロック501に接触する態様で設けられる。すなわち、車道舗装面5は、その歩道側の縁部となる溜桝用側溝ブロック501への接触縁部において、切欠部521の上から被さるような態様で設けられる。
このような切欠部521を有する溜桝用側溝ブロック501と車道舗装面5との関係により、車道舗装面5の表面5aと車道側のブロック上面517aとが略連続した路面を形成する。そして、切欠部521を形成する鉛直面部521aおよび水平面部521bは、溜桝用側溝ブロック501において車道舗装面5に対する接触面(接合面)となる。溜桝用側溝ブロック501の車道舗装面5に対する接触面(接合面)には、第1実施形態の場合と同様に、切欠部521を形成する鉛直面部521aおよび水平面部521bに加え、ブロック本体511の車道側の側端面514aの上端部が含まれる。
本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、その切欠部521において、第1実施形態の凹凸部23と同様の凹凸部523を備える。つまり、凹凸部523は、切欠部521に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす部分である。また、凹凸部523は、切欠部521において水平面部521bに設けられている。また、凹凸部523は、横断面形状において台形状をなす突条(凸条)525を有する。突条525は、第1実施形態において凹凸部23に設けられる突条25と同様の大きさ・形状を有する部分である。
また、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501は、上側かつ歩道側(図25において右上側)において切欠部526を有する。切欠部526は、第1実施形態において側溝ブロック1が有する切欠部26と同様の形状部分であり、歩車道境界構造510において溜桝用側溝ブロック501に併設される歩車道境界ブロック2の基部を受け入れる。本実施形態の溜桝用側溝ブロック501の場合、切欠部526は、歩道側側壁部515の肉厚部515bの上端部分に設けられることになる。
以上のような本実施形態に係る溜桝用側溝ブロック501を備える歩車道境界構造510は、溜桝用側溝ブロック501の車道側にて車道舗装面5が打設され、溜桝用側溝ブロック501の歩道側にて歩道舗装面6が打設されるものであり、これらの各構成が土壌7の上に設けられた構造である。
本実施形態の歩車道境界構造510において、溜桝用側溝ブロック501は、土壌7上に設けられた基礎砕石8aの上に設置される。つまり、溜桝用側溝ブロック501は、ブロック本体511の下側端面となる底面516aを基礎砕石8aに対する接触面として、基礎砕石8a上に設けられる。ここで、ブロック本体511と基礎砕石8aとの間には、例えば均しモルタルが介設される。歩車道境界ブロック2は、土壌7上に設けられた基礎砕石8bの上に設置される。
車道3を構成する車道舗装面5は、土壌7上に設けられた基礎砕石8cの上において、溜桝用側溝ブロック501に対して歩道側の縁部が切欠部521に受け入れられた状態で打設される。また、歩道4を構成する歩道舗装面6は、土壌7上において基礎砕石8dの上においてアスファルトを打設することにより設けられる。
また、図23に示すように、溜桝用側溝ブロック501は、例えば、土壌7内に配される排水路530を介して土壌7内に埋設された下水用暗渠531に接続される。排水路530は、溜桝用側溝ブロック501の貯留空間512と下水用暗渠531の内部空間とを連通させる。図23に示す例では、下水用暗渠531は、溜桝用側溝ブロック501に対して歩道側の位置に埋設されており、排水路530は、溜桝用側溝ブロック501の歩道側側壁部515から延設されている。なお、歩道側側壁部515において排水路530が接続される部分には、貯留空間512内と排水路530内とを連通させるための孔部(図示略)が設けられている。このような構成において、溜桝用側溝ブロック501内の排水が、排水路530を介して下水用暗渠531内へと導かれる。
以上のような構成を備える本実施形態の溜桝用側溝ブロック501およびそれを備えた歩車道境界構造510によっても、第1実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。なお、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501においても、第1実施形態の側溝ブロック1の変形例(図10参照)を同様に適用することができる。また、本実施形態の溜桝用側溝ブロック501においても、第3実施形態の側溝ブロック301の場合と同様に歩道側にも凹凸部を有する切欠部を設ける構成を採用することができ、それにより上述したような作用効果を得ることができる。
以上説明した複数の実施形態のように、本発明に係る側溝ブロックは、上述した実施形態に係る種類の側溝ブロックを含め、その他様々な種類の側溝ブロックにおいて適用することができる。
1 側溝ブロック
2 歩車道境界ブロック
3 車道
4 歩道
5 車道舗装面
5a 表面
6 歩道舗装面
6a 表面
14 車道側側壁部
17 ブロック上面(露出面)
21 切欠部
21a 鉛直面部
21b 水平面部
23 凹凸部
25 突条
301 側溝ブロック
314 車道側側壁部
315 歩道側側壁部
317a ブロック上面(露出面)
317b ブロック上面(露出面)
321 切欠部
323 凹凸部
325 突条
327 歩道側切欠部
328 歩道側凹凸部
329 突条

Claims (3)

  1. 車道に沿って設けられる側溝を構成する側溝ブロックであって、
    車道の舗装面の表面と連続的に路面を形成する露出面と、
    車道側の側壁の上端部に設けられ、前記舗装面の縁部を受け入れて前記舗装面の表面を前記露出面に連続させる切欠部と、
    前記切欠部に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす凹凸部と、を備え
    前記切欠部は、略鉛直方向に沿う鉛直面部と、略水平方向に沿う水平面部とを有し、
    前記凹凸部は、前記水平面部の幅方向の中央部に設けられ横断面形状において台形状をなす突条を有する、
    ことを特徴とする側溝ブロック。
  2. 前記側溝は、車道と歩道との間に設けられるものであり、
    歩道側の側壁の上端部に設けられ、歩道の舗装面の縁部を受け入れて前記歩道の舗装面の表面を、前記歩道の舗装面の表面と連続的に路面を形成する露出面に連続させる歩道側切欠部と、
    前記歩道側切欠部に設けられ、横断面形状において凹凸形状をなす歩道側凹凸部と、をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の側溝ブロック。
  3. 請求項1または請求項2に記載の側溝ブロックと、
    前記側溝ブロックと併設された歩車道境界ブロックと、を備え、
    前記側溝ブロックの前記歩車道境界ブロック側と反対側にて縁部が前記切欠部に受け入れられた状態で車道の舗装面が打設され、
    前記歩車道境界ブロックの前記側溝ブロック側と反対側にて歩道の舗装面が打設される、
    歩車道境界構造。
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JPS6140405U (ja) * 1984-08-20 1986-03-14 三井鋼材産業株式会社 縁石
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JPH11293616A (ja) * 1998-04-14 1999-10-26 Nozu Unso Kk 舗装の境界構造

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