JP5284393B2 - 面発光レーザの製造方法 - Google Patents
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Description
フォトニック結晶とは、結晶中における電子状態にバンドギャップが存在するのと同様に、屈折率に周期構造をもたせることで、光の導波を抑制する波長帯(フォトニックバンドギャップ)が生じている構造を意味する。
このフォトニック結晶を用いることで、光を2次元的、3次元的に閉じ込めることが可能であり、光導波路や半導体レーザのミラーとして応用が検討されている。
このようなフォトニック結晶については、様々な方法で2次元、3次元の誘電体周期構造を作製する技術が提案されているが、2次元周期構造を有するフォトニック結晶は、リソグラフィ技術でも作製可能であることから、より現実的なものとなっている。
そこで、現実的に2次元フォトニック結晶を利用する際には、Z軸方向に対する何らかの光閉じ込めを行わなければならない。
すなわち、基板上に設けられているフォトニック結晶層と、当該基板との屈折率差を大きくする必要がある。
すなわち、貼り合わせに必要な層が素子としては不必要なためにそれを除去することが必要となり、また一つのエピタキシャル基板で素子を実現することができない、等プロセスが煩雑となり、高度なプロセス技術を要することとなる。
本発明の面発光レーザの製造方法は、
基板上に、クラッド層と、面内方向に細孔が配列されたフォトニック結晶層とを有する部材を用意する第1の工程と、
前記フォトニック結晶層の細孔の下部側に位置する前記クラッド層を酸化し、該クラッド層に、該フォトニック結晶層の屈折率よりも低い屈折率を有する酸化領域、および非酸化領域を形成する第2の工程と、
を有することを特徴としている。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、前記フォトニック結晶層と前記クラッド層はAlを含む化合物半導体からなり、
前記クラッド層の非酸化領域におけるAlの含有割合は、前記フォトニック結晶層のAlの含有割合よりも大きいことを特徴としている。
また、本発明の面発光レーザの製造方法は、前記第2の工程後に、前記酸化領域を、前記フォトニック結晶層から除去する工程を有することを特徴としている。
これによれば、組成の異なる複数の層を有する半導体光素子においても、容易なプロセスで高屈折率差のスラブ型フォトニック結晶を形成することが可能となる。
また、パッシブ素子のみならず、レーザ等のアクティブ素子への適用が可能なスラブ型二次元フォトニック結晶素子を得ることが可能となる。
すなわち、上記したように基板上に、第1の層と第2の層とを有する光学素子として、
前記第2の層が、細孔を含み構成され、且つ面内方向の屈折率が周期的に異なる屈折率周期構造を有し、
前記第1の層が、前記第2の層の細孔の下部側に酸化領域を備えており、該酸化領域の屈折率が、前記第2の層の屈折率よりも低い屈折率を有する光学素子を構成したものである。
以上の構成によると、細孔から構成されるフォトニック結晶下部に酸化領域が存在している時は、酸化領域が無い場合(つまり、エアブリッジ構造の場合)に比べて、フォトニック結晶層が撓むことを防止することができる。
特に、細孔を含み構成されるフォトニック結晶層上に保護層を設ける場合などは、酸化領域があることにより撓み防止の効果が大きい。
更に、第1の層の下側(基板側)に、活性層を含む多層膜が設けられている場合には、当該多層膜へ外部からの不純物の進入を酸化領域で阻止あるいは低減できる。
また、本発明の構成を適用して、スラブ型二次元フォトニック結晶素子を用いた発光素子を作製することにより、つぎのような利点がある。
すなわち、単一横モード化を達成するために電流狭窄構造形成により達成していた従来の面発光レーザと比較して、ポスト構造全体で単一横モード動作を得ることが可能となる。
また、従来の単一モード光と比較して、スポット径の大きなレーザ光を得ることが可能となり、その結果光出力も大きい面発光レーザを得ることができる。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用して構成したスラブ型二次元フォトニック結晶素子について説明する。
本実施例では、非酸化領域を構成するAlGaAs層(Al組成90%以上)を選択的に酸化した層を上記第1の層としてのクラッドに適用し、AlGaAs層(Al組成70%以下)をコアに適用したスラブ型フォトニック結晶をGaAs基板上に形成した。
図1に、本実施例における上記第2の層を構成するスラブ型二次元フォトニック結晶素子の構成を示す。
図1において、100はGaAs基板、102はAl0.93Ga0.07As層、104はAl0.5Ga0.5As層、106は円柱孔及び108は酸化アルミ層である。
Al0.5Ga0.5As層104には、Al0.5Ga0.5As層を貫通した円柱孔106が三角格子配列で周期的に配置されている。
また、その下面においては、Al0.93Ga0.07As層102を選択的に酸化することにより得られた酸化アルミ層108(屈折率:1.6)と接している。
そのため、Al0.5Ga0.5As層104(屈折率:3.5)に形成した周期構造(フォトニック結晶)はコア層として機能する。
このように、本実施例によれば、従来の半導体の積層構造においては屈折率差が0.3程度であったものを1.9程度まで大きく取ることが可能となる。
したがって、本実施例の構造により、コア層への強い閉じ込めが可能となり、図2(a)に示すような光損失の少ない導波路や、図2(b)に示すようなQ値の高い共振器等を作製することが可能となる。
図3に、本実施例の上記製造方法を説明する模式図を示す。
同図において、300はGaAs基板、302はAlGaAsエピタキシャル層(Al組成93%)、304はAlGaAsエピタキシャル層(Al組成50%)である。
また、306はレジスト層、308はレジストパターン、310は円柱孔、及び312は酸化アルミ層である。
その後、図3(d)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、Al0.5Ga0.5As層をドライエッチングする。
この時、エッチング深さは、Al0.93Ga0.07As層302が露出するまで行う。
その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。この工程において、スラブ型二次元フォトニック結晶(円柱孔310、三角格子配列)が形成される。
次に、図3(e)に示すように、酸化装置(450℃、水蒸気雰囲気下)に導入し、Al0.5Ga0.5As層304に形成した円柱孔を通じて、Al0.93Ga0.07As層302の一部を選択的に酸化し、酸化アルミ層312を得る。
また、本実施例では、AlGaAs(Al組成90%以上)/AlGaAs(Al組成70%以下)の系においてAlGaAs(Al組成90%以上)を選択的に酸化することにより、低屈折率の酸化膜を形成したが、これに限定されるものではない。同様の効果(選択的酸化)の得られる材料系、例えばAlN/GaN系などを用いてもよい。
また、本実施例において示した、成長、リソグラフィー、エッチング及びアッシングに用いた手法(装置)は記述手法(装置)に限るものではなく、同様の効果の得られる装置であればいかなる手法(装置)であってもよい。
実施例2においては、本発明によるスラブ型二次元フォトニック結晶素子を用いた面発光レーザについて説明する。
図4に、本実施例の上記面発光レーザの構成を示す。
図4において、400はGaAs基板、402はn型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層、404はn型AlGaInPクラッド層である。
また、406はGaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層、408はp型AlGaInPクラッド層、410はp型Al0.93Ga0.07As層である。
また、412はp型Al0.5Ga0.5As層、414は円柱孔、416は酸化アルミ層、418は窒化シリコン層、420はアノードおよび422はカソードである。
多重量子井戸活性層406は共振器中央に形成し、利得整合するように形成した。
また、本実施例では、第1のミラーを1/4波長厚の高屈折率媒質と1/4波長厚の低屈折率媒質を交互に積層したAl0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As多層膜反射鏡(DBRミラー)とした。
そして、第2のミラーを本実施例によるスラブ型二次元フォトニック結晶ミラーとした。
また、その下面においては、Al0.93Ga0.07As層の一部を選択的に酸化することにより得られた酸化アルミ層(屈折率:1.6)と接した構造を採っている。
このスラブ型二次元フォトニック結晶は、Guided Resonanceと呼ばれる効果を利用しミラーとして機能している。
このGuided Resonanceとは、スラブ型二次元フォトニック結晶に、スラブ面に垂直な方向から光を入射すると、所定の周波数の光がほぼ100%の効率で反射されるというものである。つまり、スラブ型二次元フォトニック結晶中を導波するモードが特定の放射モードと共鳴することにより生じるものである。
図5に本実施例の上記面発光レーザの製造方法を説明する模式図を示す。
まず、図5(a)に示すように、n型GaAs基板上にMOCVD装置によりバッファー層を介して、以下のように各層を成長させる。
n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層、n型AlGaInPクラッド層、GaInP/AlGaInP−MQW活性層、p型AlGaInPクラッド層を成長させる。続いて、p型Al0.93Ga0.07As層、p型Al0.5Ga0.5As層を成長させる。
本実施例では、上記各層をこのように成長させて半導体多層膜を構成する。
その後、図5(d)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、Al0.5Ga0.5As層をドライエッチングする。
この時、エッチング深さは、Al0.93Ga0.07As層402が露出するまで行う。
その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。この工程において、スラブ型二次元フォトニック結晶(円柱孔、三角格子配列)が形成される。
次に、図5(e)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて、Al0.5Ga0.5As層上にレジストパターンを形成する。
その後、図5(f)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層が露出するまでドライエッチングを行う。
その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。次に、図5(g)に示すように、窒化シリコン層をPECVD装置を用いて成膜する。
その後、フォトリソグラフィー技術、RIEドライエッチング及び酸素アッシングにより、Al0.5Ga0.5As層上に形成した周期構造(フォトニック結晶、円柱孔)が露出するようにする。
次に、図5(h)に示すように、酸化装置(450℃、水蒸気雰囲気下)に導入し、Al0.5Ga0.5As層412に形成した円柱孔を通じて、Al0.93Ga0.07As層の一部を選択的に酸化し、酸化アルミ層を得る。
次に、図5(i)に示すように、リフトオフ技術を用いて、Al0.5Ga0.5As層上にTi/Auアノードを形成する。また、電子ビーム蒸着により、AuGe/AuカソードをGaAs基板裏面に形成する。
この構成により、従来の面発光レーザと比較して本実施例によるスラブ型二次元フォトニック結晶をミラーとした面発光レーザにおいては、単層で高反射率のミラーを形成することが可能となる。
また、本実施例によれば、素子の抵抗を小さくすることができるため、従来の面発光レーザと比較して発振しきい値電流の小さな面発光レーザを得ることができる。
本実施例では、円柱孔の周期を三角格子配列で配置したが、これに限定されるものではなく、正方格子、蜂の巣格子など任意の配列パターンで配列してもよい。また、円柱孔に限定されるものではなく楕円柱孔、四角柱孔、三角柱孔などであっても良い。
また、本実施例では、AlGaAs(Al組成90%以上)/AlGaAs(Al組成70%以下)の系においてAlGaAs(Al組成90%以上)を選択的に酸化することにより、低屈折率の酸化膜を形成したが、これに限定されるものではない。同様の効果(選択的酸化)の得られる材料系、例えばAlN/GaN系などを用いてもよい。
また、本実施例において示した、成長、リソグラフィー、エッチング、アッシング及び蒸着に用いた手法(装置)は記述手法(装置)に限るものではなく、同様の効果の得られる装置であればいかなる手法(装置)であっても良い。
また、本実施例では、n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー402とスラブ型二次元フォトニック結晶ミラーを用い共振器構造を構成したが、この構成に限定されるものではない。
例えば、図4に示すDBRミラー402の変わりに二次元フォトニック結晶ミラーを用いた構成をとってもよい。
実施例3においては、本発明によるスラブ型二次元フォトニック結晶を用いた実施例2とは別の形態の面発光レーザについて説明する。
図6に、本実施例の上記面発光レーザの構成を示す。
図6において、600はGaAs基板、602はn型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層、604はn型AlGaInPクラッド層である。
また、606はGaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層、608はp型AlGaInPクラッド層、610はp型Al0.93Ga0.07As層、612はp型Al0.5Ga0.5As層である。
また、614は円柱孔、616は欠陥、618は酸化アルミ層、620は窒化シリコン層、622はアノードおよび624はカソードである。
量子井戸活性層606は共振器中央に形成し、利得整合するように形成した。
そして、第2のミラーを本発明による欠陥を導入したスラブ型二次元フォトニック結晶ミラーとした。
すなわち、上記基板上に成長した半導体多層膜の最上層であるAl0.5Ga0.5As層(屈折率:3.5)に形成した周期構造(フォトニック結晶、円柱孔、三角格子配列)が、その上面では空気(屈折率:1)に接している。
また、その下面においては、Al0.93Ga0.07As層の一部を選択的に酸化することにより得られた酸化アルミ層(屈折率:1.6)と接した構造をとっている。
このスラブ型二次元フォトニック結晶は、Guided Resonanceと呼ばれる効果を利用しミラーとして機能している。
このGuided Resonanceとは、スラブ型二次元フォトニック結晶に、スラブ面に垂直な方向から光を入射すると、所定の周波数の光がほぼ100%の効率で反射されるというものである。
なお、本実施例で形成した周期構造(フォトニック結晶)の一部に、周期構造を乱す部位(欠陥)を導入している。
また欠陥の形状等を変えることで、発振モード及び偏光モードを制御することが可能となる。
また、この構成においては、欠陥を導入することによりフォトニックバンド中に欠陥に起因した準位が形成され、二次元フォトニック結晶ミラーに入射した光が、欠陥準位に起因したモードのみで面内方向で共振し、単一モード化が図られる。
この単一モード化した光が、入射光側の垂直方向に出射され、活性層を挟むように形成した上下二つのミラー(少なくとも一方が欠陥を有したスラブ型二次元フォトニック結晶ミラー)間を共振し、最終的に面発光レーザとしてコヒーレントな光を出射する。
この時、空間的に局在した単一モード化した光が結合することにより、スポット径の大きい単一モード光を得ることが可能となる。
まず、図7(a)に示すように、n型GaAs基板上にMOCVD装置によりバッファー層を介して、以下のように各層を成長させる。
n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層、n型AlGaInPクラッド層、GaInP/AlGaInP−MQW活性層、p型AlGaInPクラッド層を成長させる。続いて、p型Al0.93Ga0.07As層、p型Al0.5Ga0.5As層を成長させる。
本実施例では、上記各層をこのように成長させて半導体多層膜を構成する。
その後、図7(d)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、Al0.5Ga0.5As層をドライエッチングする。
この時、エッチング深さは、Al0.93Ga0.07As層が露出するまで行う。その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。
この工程において、欠陥を導入したスラブ型二次元フォトニック結晶(円柱孔、三角格子配列)が形成される。
次に、図7(e)に示すように、フォトリソグラフィー技術を用いて、Al0.5Ga0.5As層上にレジストパターンを形成する。
その後、図7(f)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層が露出するまでドライエッチングを行う。
その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。次に、図7(g)に示すように、窒化シリコン層をPECVD装置を用いて成膜する。
その後、フォトリソグラフィー技術、RIEドライエッチング及び酸素アッシングにより、Al0.5Ga0.5As層上に形成した周期構造(フォトニック結晶、円柱孔)が露出するようにする。
次に、図7(h)に示すように、酸化装置(450℃、水蒸気雰囲気下)に導入し、Al0.5Ga0.5As層に形成した円柱孔を通じて、Al0.93Ga0.07As層の一部を選択的に酸化し、酸化アルミ層を得る。
次に、図7(i)に示すように、リフトオフ技術を用いて、Al0.5Ga0.5As層上にTi/Auアノードを形成する。また、電子ビーム蒸着により、AuGe/AuカソードをGaAs基板裏面に形成する。
本実施例で示した構成により、単一横モード化を達成するために電流狭窄構造形成により達成していた従来の面発光レーザと比較して、本発明による二次元フォトニック結晶面発光レーザにおいては、ポスト構造全体で単一横モード動作を得ることが可能となる。
また、本実施例によれば、従来の単一モード光と比較してスポット径の大きなレーザ光を得ることが可能となり、その結果光出力も大きいものを得ることができる。
本実施例による方法で作製した、20μmポスト径の二次元フォトニック結晶面発光レーザにおいて、スポットサイズ15μm径の発光(ニアフィールドパターン)を達成した。
また、この実施例の構成により、従来の面発光レーザと比較して本発明によるスラブ型二次元フォトニック結晶をミラーとした面発光レーザにおいては、単層で高反射率のミラーを形成することが可能であり、素子の抵抗を小さくすることができる。そのため、従来の面発光レーザと比較し、発振しきい値電流の小さな面発光レーザを得ることができる。
また、本実施例では、AlGaAs(Al組成90%以上)/AlGaAs(Al組成70%以下)の系においてAlGaAs(Al組成90%以上)を選択的に酸化することにより、低屈折率の酸化膜を形成したが、これに限定されるものではない。同様の効果(選択的酸化)の得られる材料系、例えばAlN/GaN系などを用いてもよい。
また、本実施例において示した、成長、リソグラフィー、エッチング、アッシング及び蒸着に用いた手法(装置)は記述手法(装置)に限られるものではなく、同様の効果の得られる装置であればいかなる手法(装置)であってもよい。
また本実施例では、n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー602と欠陥を導入したスラブ型二次元フォトニック結晶ミラーを用い共振器構造を構成したが、この構成に限定されるものではなくい。
例えば、図6に示すように、DBRミラー602の変わりに二次元フォトニック結晶ミラー乃至は欠陥を有した二次元フォトニック結晶ミラー(図示せず)を用いた構成をとってもよい。
実施例4においては、本発明を適用して構成したエアブリッジ構造を備えたスラブ型二次元フォトニック結晶素子について説明する。
本実施例は、本発明によるAlGaAs層(Al組成90%以上)の一部を選択的に酸化し、更にその酸化した層のみを選択的にエッチングする。これにより、AlGaAs層(Al組成70%以下)をコアに適用したエアブリッジ型スラブ型フォトニック結晶をGaAs基板上に形成したものである。
図8に、本実施例のエアブリッジ構造を備えたスラブ型二次元フォトニック結晶素子の構成を示す。
図8において、800はGaAs基板、802はAl0.93Ga0.07As層、804はAl0.5Ga0.5As層、806は円柱孔及び808はエアブリッジ構造である。
また、その下面においては、Al0.93Ga0.07As層802を選択的に酸化することにより得られた酸化アルミ層(図示せず、屈折率:1.6)を選択的に除去することにより形成した空気層(屈折率:1)と接したエアブリッジ構造808を形成している。
このように本実施例の構成によれば、従来半導体の積層構造においては屈折率差が0.3程度であったものを2.5程度まで大きく取ることが可能となる。
したがって本実施例の構成により、コア層への強い閉じ込めが可能となり、図9(a)に示すような光損失の少ない導波路や、図9(b)に示すようなQ値の高い共振器等を作製することが可能となる。
図10に上記製造方法を説明する模式図を示す。
図10において、1100はGaAs基板、1102はAlGaAsエピタキシャル層(Al組成93%)、1104はAlGaAsエピタキシャル層(Al組成50%)である。
また、1106はレジスト層、1108はレジストパターン、1110は円柱孔、1112は酸化アルミ層、および1114はエアブリッジ構造である。
その後、図10(d)に示すように、ICPエッチング装置を用いて、Al0.5Ga0.5As層をドライエッチングする。この時、エッチング深さは、Al0.93Ga0.07As層が露出するまで行う。その後、レジストを酸素アッシングにより除去する。
この工程において、スラブ型二次元フォトニック結晶(円柱孔、三角格子配列)が形成される。
次に、図10(e)に示すように、酸化装置(450℃、水蒸気雰囲気下)に導入し、Al0.5Ga0.5As層に形成した円柱孔を通じて、Al0.93Ga0.07As層の一部を選択的に酸化し、酸化アルミ層1112を得る。
次に、図10(f)に示すように、酸化アルミ層1112をバッファーフッ酸を用いて選択的にエッチングすることにより空気層を形成し、エアブリッジ構造1114を形成する。
例えば、スラブ型二次元フォトニック結晶を一部に形成した半導体多層膜構造を容易に作製することができる。
本実施例では、円柱孔の周期を三角格子配列で配置したが、これに限定されるものではなく、正方格子、蜂の巣格子など任意の配列パターンで配列してもよい。また円柱孔に限定されるものではなく楕円柱孔、四角柱孔、三角柱孔などであってもよい。
また、本実施例では、AlGaAs(Al組成90%以上)/AlGaAs(Al組成70%以下)の系においてAlGaAs(Al組成90%以上)を選択的に酸化することにより、低屈折率の酸化膜を形成したが、これに限定されるものではない。同様の効果(選択的酸化)の得られる材料系、例えばAlN/GaN系などを用いてもよい。
また、本実施例において示した、成長、リソグラフィー、エッチング及びアッシングに用いた手法(装置)は記述手法(装置)に限るものではなく、同様の効果の得られる装置であればいかなる手法(装置)であってもよい。
102:Al0.93Ga0.07As層
104:Al0.5Ga0.5As層
106:円柱孔
108:酸化アルミ層
300:GaAs基板
302:AlGaAsエピタキシャル層(Al組成93%)
304:AlGaAsエピタキシャル層(Al組成50%)
306:レジスト層
308:レジストパターン
310:円柱孔
312:酸化アルミ層
400:GaAs基板
402:n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層
404:n型AlGaInPクラッド層
406:GaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層
408:p型AlGaInPクラッド層
410:p型Al0.93Ga0.07As層
412:p型Al0.5Ga0.5As層
414:円柱孔、
416:酸化アルミ層
418:窒化シリコン層
420:アノード
422:カソード
600:GaAs基板
602:n型Al0.93Ga0.07As/Al0.5Ga0.5As−DBRミラー層
604:n型AlGaInPクラッド層
606:GaInP/AlGaInP多重量子井戸活性層
608:p型AlGaInPクラッド層
610:p型Al0.93Ga0.07As層
612:p型Al0.5Ga0.5As層
614:円柱孔
616:欠陥
618:酸化アルミ層
620:窒化シリコン層、
622:アノード
624:カソード
800:GaAs基板
802:Al0.93Ga0.07As層
804:Al0.5Ga0.5As層
806:円柱孔
808:エアブリッジ構造
1100:GaAs基板
1102:AlGaAsエピタキシャル層(Al組成93%)
1104:AlGaAsエピタキシャル層(Al組成50%)
1106:レジスト層
1108:レジストパターン
1110:円柱孔、1112は酸化アルミ層
1112:酸化アルミ層
1114:エアブリッジ構造
Claims (3)
- 面発光レーザの製造方法であって、
基板上に、クラッド層と、面内方向に細孔が配列されたフォトニック結晶層とを有する部材を用意する第1の工程と、
前記フォトニック結晶層の細孔の下部側に位置する前記クラッド層を酸化し、該クラッド層に、該フォトニック結晶層の屈折率よりも低い屈折率を有する酸化領域、および非酸化領域を形成する第2の工程と、
を有することを特徴とする面発光レーザの製造方法。 - 前記フォトニック結晶層と前記クラッド層はAlを含む化合物半導体からなり、
前記クラッド層の非酸化領域におけるAlの含有割合は、前記フォトニック結晶層のAlの含有割合よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザの製造方法。 - 前記第2の工程後に、前記酸化領域を、前記フォトニック結晶層から除去する工程を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザの製造方法。
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