JP4027392B2 - 垂直共振器型面発光レーザ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、垂直共振器型面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)に関する。
垂直共振器型面発光レーザは、閾値が低いこと、光学素子とのカップリングが容易であること、アレイ化が可能であること等の利点を有している。
そのため、VCSELは、1980年代後半から盛んに研究されてきている。
一方で、VCSELは、単一横モードで発振できるスポットサイズが、約3〜4μmφと小さいことが問題視されている。
なぜならば、多モード発振している場合、レンズなどの光学素子に対して、各モードそれぞれの応答が異なり、放射された光が一定の振る舞いをしなくなるからである。
また、VCSELでは、利得領域が少ないため、共振器を構成する一対のDBR(Distributed Bragg Reflector)ミラーに99%以上の高反射率が必要となる。
これを実現するためには、半導体ミラーの場合、数十層の多層膜が必要であり、その多層膜の層厚のために、共振器中に熱がこもりやすくなる。
放熱性が悪いと、閾値が高くなったり、電気抵抗が高くなることにより電流注入が困難になること等が懸念される。
Fanらは、二次元スラブフォトニック結晶をミラーとして用いた場合の、反射光・透過光の波長依存性等について報告している(非特許文献1)。
フォトニック結晶とは、材料に人工的に光の波長程度の屈折率変調を設けた構造、即ち互いに屈折率の異なる媒質同士が周期性をもって配列された構造のことである。光の多重散乱効果により、結晶中の光の伝搬を制御することができるとされている。
Fanらの文献によれば、2次元フォトニック結晶の平面に、それと略垂直な方向から光を入射させると、所定の周波数の光は、ほぼ100%の効率で反射されることが報告されている。
そこで、本発明者らは、VCSELのミラー層としてフォトニック結晶を利用することを検討した。
V.Lousse他:Opt.Express Vol.12、No.15、p.3436 (2004)
VCSELの反射ミラーとして、フォトニック結晶ミラーを用いることにより、従来、数μm程度の厚い多層膜で構成していたミラーを、数十から数百nmオーダーの非常に薄い膜で構成できるため、反射ミラーの層厚による熱の問題を低減することができる。
しかしながら、出射光のスポットサイズを、例えば5μm以上に大きくした場合、単一横モードでの発振ができなくなる。即ち、スポットサイズを大きくすると、あたかも位相の揃っていない複数のレーザが、独立して発光している状態になってしまう、という課題があった。この課題は、レンズで集光して用いる応用の場合は決定的な問題点となる。
そこで、本発明は、単一横モードで発振し易い新規なVCSELの構成を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る垂直共振器型面発光レーザ装置(Vertical Cavity Surface Emitting Laser Device)は、
第1の反射ミラーと、
屈折率が面内方向に周期的に変化する屈折率周期構造を有する第2の反射ミラーと、
該第1及び第2の反射ミラーとの間に活性層とを備え、
該屈折率周期構造には、その周期を乱す部分が複数箇所に設けられていることを特徴とする。
第2の本発明に係る垂直共振器型面発光レーザ装置は、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の反射ミラーが、二次元屈折率周期構造からなり、
該レーザは単一横モードで発光することを特徴とする。
第3の本発明に係る垂直共振器型面発光レーザ装置は、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の少なくとも一方は、二次元屈折率周期構造からなり、
出射光のスポットサイズが5μm以上であり、且つ
該出射光は、単一横モードであることを特徴とする。
第4の本発明に係る垂直共振器型面発光レーザ装置は、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の少なくとも一方は、二次元屈折率周期構造からなり、
該二次元屈折率周期構造は、共鳴波長(resonance wave length)における反射率との差が3%以内である範囲が、該共鳴波長を含み5nm以上50nmであり、且つ
該レーザの出射光は、単一横モードであることを特徴とする。
本発明によれば、スポットサイズを大きくした場合においても、単一横モードで発振し易いVCSELの新規構成の提供が可能となる。
まず、本発明に係る垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL)の基本的な構成について図1を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係るVCSELの模式的断面図を示すものである。同図において、1040は活性層、1030と1050は活性層を挟むスペーサ層(クラッド層といわれる場合もある)である。1020と1080は電極であり、1000は第2の反射ミラー、1060は第1の反射ミラー、1070は基板である。
図1においては、第2の反射ミラー1000に屈折率周期構造を設け、1010において、当該構造の一部にその周期を乱す部分が存在することを示している。
周期を乱す部分とは、フォトニック結晶においては欠陥と呼ばれる場合もある。
なお、前記屈折率周期構造体の周期を乱す部分は、前記第1あるいは第2の反射ミラーの面内方向に周期的または非周期的に導入することができる。
また、前記屈折率周期構造体の周期を乱す部分同士の間隔は、例えば、周期を乱す部分に前記活性層による光が存在でき、且つそれぞれの周期を乱す部分における光同士が結合できる間隔とすることができる。
更にまた、前記屈折率周期構造を有する前記第1あるいは第2の反射ミラー層は、複数層の屈折率周期構造を含み構成することも可能である。
また、前記屈折率周期構造は第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率の高い第2の媒質を含み構成することができる。その際、前記屈折率周期構造を有する前記第1あるいは第2の反射ミラー層と前記活性層との間に、前記第2の媒質よりも屈折率の低い媒質を含み構成される層を設けることもできる。
また、前記第1及び第2の反射ミラー層の一方は、前記屈折率周期構造を含み構成されており、他方は、多層膜で構成されているDBRミラーとすることもできる。
以下、本実施形態について詳述する。
屈折率周期構造とは、フォトニック結晶を意味するが、以下において、まずフォトニック結晶について説明した後、本発明の特徴事項である欠陥部に関して説明する。
(フォトニック結晶)
屈折率周期構造(フォトニック結晶)とは、屈折率の周期性の観点から、1次元、2次元、3次元まで分けることができる。VCSELに用いられる多層膜ミラーは、1次元の周期構造である。
3次元フォトニック結晶に比べ、2次元フォトニック結晶(構造体の面内方向における屈折率が周期的に変化する周期構造)は、その作製が比較的容易なことから、これまで最もよく研究されてきている。
フォトニック結晶は、人工的に屈折率の周期構造を設けた構造体である。
周期構造における屈折率の周期が、空間座標中の2つの軸で形成される面内方向に設けられている、あるいは互いに直行する二方向のみに設けられている構造体を、特に2次元フォトニック結晶という。残りの一方向には周期的な屈折率の変化はない。
2次元フォトニック結晶の一形態として、薄い平板上の材料に対して、面内方向に周期性を持つように屈折率周期構造を設けたものがあり、特に2次元スラブフォトニック結晶と呼ばれている。
例えば、図2に示すように、Siなど高屈折率の半導体の薄い平板1201に、使用する光の波長程度の周期で微小な穴1210を開けることで、屈折率を面内方向に変調させることができる。
図3に示すように、2次元フォトニック結晶1300に、平面と略垂直方向から光を入射させると(図中1301は入射光、1302は透過光、1303は反射光である)、その透過スペクトルは複雑な形状になる。
例えば、前述した非特許文献によれば、波長1100nm、1220〜1250nm、1350nm付近といった3つの領域において、反射率が100%となることが理論的に示されている。また、同文献では、赤外域における実験により、そのように反射率が実質的に100%近くなることが実証されている。
反射する光の周波数は、FDTD(Finite Difference Time Domain)法による数値シミュレーションにより、結晶構造の設計で制御できることが分かっている。
なお、このように面内方向の屈折率周期構造にもかかわらず、当該構造に垂直方向から入射した光が反射される現象は、Guided Resonance(面内導波共振)として知られている。例えば、PHYSICAL REVIEW B,Volume 65,235112に詳しく示されている。
本発明においては、このGuided Resonanceを利用して、VCSELを構成するミラーが有する反射機能を実現するものである。
このような現象は、2次元フォトニック結晶に略垂直方向から入射した光1301が、一旦フォトニック結晶の面内方向の伝搬光に変換され、面内方向において共振を起こし、再び入射光側の垂直方向に出射されるということに基づくものである。これを、2次元フォトニック結晶内を伝搬する光のエネルギーと運動量との分散関係(「フォトニックバンド」と称される。)を用いて説明する。
図4は、2次元フォトニック結晶のフォトニックバンドを示した模式図である。横軸は波数ベクトルを、縦軸は光の規格化周波数(ωa/2πc:ωは光の角周波数、aはフォトニック結晶の格子定数、cは真空における光速)である。
上述の面内方向における共振は、フォトニックバンド構造における光すい41(2次元スラブ内の導波光が、スラブ界面で全反射を起こす境界線)よりもエネルギーの高いモードの光に対してのみ起こる。即ち、図4において、光すい41のラインよりも上側の領域に存在する光に対して、面内方向の共振はおこる。
面内方向の光の共振は、一般的に多モードで共振しやすいため、ミラーの面積が大きくなると(即ち、レーザ光のスポットサイズが、例えば5μm以上になると)、出射光の位相は、面内方向の場所により異なってしまう。
これに対して、フォトニック結晶に、本発明の特徴事項である周期性を乱す部分を導入することで、大面積(例えば5μm以上50μm以下)にわたって光の位相が揃った単一モード光を実現できる。
図4のようなフォトニックバンド図において、フォトニックバンドが存在しない周波数帯域45のことを、固体結晶における電子のバンド理論に倣ってフォトニックバンドギャップという。
2次元フォトニック結晶中に周期性を乱す部分(以下、「欠陥部」と称する場合がある。)を導入した場合のフォトニックバンド図を図5に示す。51で示す周波数帯域(波長域)がフォトニックバンドギャップである。
フォトニックバンドギャップの大きさは、フォトニック結晶の高屈折率の部分と低屈折率の部分との屈折率差により変化する。屈折率差が大きい時には、フォトニックバンドギャップも大きくなり、屈折率差が小さい時には、同ギャップは小さくなる。屈折率差があまりに小さい場合、フォトニックバンドギャップは消滅してしまう。
図2のような2次元スラブフォトニック結晶の場合、母材のスラブに開ける穴の大きさ、格子の形状、周期などにより、フォトニックバンドギャップの大きさは変わってくる。
2次元フォトニック結晶の場合、一般的に四角格子よりも三角格子の方がフォトニックバンドギャップは大きくなる。
目安として、屈折率差1.8以下の場合は、四角格子よりも三角格子を用いたほうが、フォトニックバンドギャップの幅が大きくなり好ましい。このような物質の例にはGaN、TiOなどがある。
また、Si、GaAsなど屈折率差が1.8以上取れるような物質では、三角格子、四角格子どちらを用いてもよい。
フォトニック結晶を有する構造体中において、フォトニックバンドギャップ内の周波数帯域の光は、当該構造体中に存在し得ない。
しかし、当該構造体に欠陥部を導入すると、フォトニックバンドギャップ間に、欠陥準位と呼ばれる新たな準位(図5における52)が出現し、その欠陥部において光は存在し得るようになる。すなわち、フォトニックバンドギャップ中の光であっても、欠陥部を介して結晶中を伝搬できるようになる。欠陥部を有する2次元フォトニック結晶における反射は、このような欠陥モードの周波数を持つ光によって生じる。
近接して他の準位が存在しないように、欠陥部を導入することで、その欠陥準位に存在する光同士(欠陥部における局在光)は、相互作用が強く、互いに結合し、結果として単一横モードで発振し易いと考えられる。
このように、屈折率周期構造体にその周期性を乱す部分を複数箇所導入することにより、スポットサイズが大きい場合、例えば5μm以上50μm以下の範囲であっても、位相が揃った光を出射するVCSELが提供できる。
後述の実施例においては、スポットサイズが15μmで単一モード発振するVCSELについて説明している。
なお、本発明は単一モード発振しやすい構成を提供するものであり、本発明の適用範囲は、スポットサイズが5μm以上50μm以下のものに限定されるものではない。また、2次元フォトニック結晶を中心に説明したが、本発明は、3次元フォトニック結晶に適用することもできる。
本発明における屈折率周期構造体の周期性を乱す部分(欠陥部)は、欠陥部の位置やサイズは特に限定されるものではない。但し、欠陥部を導入することで、上述したようにフォトニックバンドギャップ間に新たな準位を生じさせることが必要である。
また、屈折率周期構造体に導入される複数の欠陥部間の間隔は、導入された欠陥部に光が存在でき、それぞれの欠陥部における光同士が結合できる範囲内である必要がある。換言すれば、導入された欠陥部を中心にした光の強度分布が、欠陥部同士で重なり合う領域をもつような間隔で複数の欠陥部を配置する。
その間隔は、フォトニック結晶の材料、構成、および導波する光の波長域によりそれぞれ異なる。例えば、スラブに三角格子(周期a)を組むように空孔を設け、屈折率3.5程度、スラブ厚さ0.5a、穴径0.4aの、フォトニック結晶の場合には、欠陥部間の間隔を例示すると、2周期以上8周期以内であることが好ましい。ここでいう周期は、屈折率周期構造体の周期である。なお、ここでは、格子定数で規格化し、周期に関してのみの条件を例示している。
さらに屈折率周期構造体の周期や、導入する複数の欠陥部の間隔は、どのような発振波長に設計するかにも依存する。
例えば、波長670nmのレーザ光の場合、屈折率周期構造体の周期を面内方向に180nmとし、3周期ごとに空孔となっていない部分(欠陥部)を導入すれば、スポットサイズを15μmにしても単一横モードでの発振が可能である。
屈折率周期構造体が有する周期は、活性層からの発光波長、あるいは、その整数倍にすることもできる。
欠陥部同士の間隔は、例えば屈折率周期構造の周期の2倍以上(即ち2周期以上)50倍以下、あるいは20倍以下、あるいは10倍以下の範囲で適宜定めることができる。また、屈折率周期構造は、その上に膜を積層する場合に、空気や真空の誘電率を利用しない構成も好ましい。いわゆるエアーギャップを利用しない構成である。
(欠陥部の導入方法)
図2の2次元フォトニック結晶の例で述べると、上述したように空孔1210をある一部だけ除く(即ち、空孔を作らない、あるいは形成されている空孔を埋める)事、または、周りの穴とサイズの異なる穴をあける事により欠陥とすることもできる。
さらに、欠陥として用いる部分に別の屈折率の異なる物質(空気以外の固体材料)を導入することで欠陥とすることもできる。
欠陥部を導入することによって、フォトニック結晶の周期性の乱れの度合いを調整することによりフォトニックバンド図における、欠陥準位をフォトニックバンドギャップの中央へ位置させることができる。
例えば、図2の2次元フォトニック結晶の例では、欠陥部の空孔の径を適当な数値にチューニングすることで実現される。
ただし、欠陥部の導入による周期性の乱れが小さすぎると、バンド端に近い位置へ欠陥準位がくる。
欠陥モードがバンド端に近くなると、バンド端もしくはバンドの内側のモードとの間のエネルギー差が小さくなり、欠陥モードを含む複数のモードがレーザ活性層の利得領域に同時に入ってしまうことがある。このような場合、モードの選択性が下がり、同時に複数のモードで発振してしまう、または複数のモードが不安定に入れ替わるなどの現象が起こりやすくなる。
従って、発振モードの制御が容易になるという観点から、欠陥準位はフォトニックバンドギャップの中央に位置するほうが好ましく、具体的には、その欠陥準位をフォトニックバンドギャップ内に位置するように設計する。
なお、欠陥準位は、好ましくは、フォトニックバンドギャップの中央部からバンド端までの間の中央部側70%以内のエリアに、欠陥準位が存在するように設計することが好ましい。より好適には50%以内、さらに好ましくは30パーセント以内である。
(欠陥部の種類)
VCSELの共振器を構成するミラーの少なくとも一方に導入されるフォトニック結晶における複数の欠陥部は、その欠陥部自体が周期性をもっている場合(周期的欠陥)、あるいは何らの周期性をもっていない場合(非周期的欠陥)がある。
周期的欠陥とは、ここでは欠陥の導入位置が、空間的に並進対象性を持つ場合をいう。このような周期的欠陥は、欠陥を入れる前の屈折率周期構造の空間的な配置は変えることなく、屈折率の値のみを変えることで導入できることが多い。例えば、図2の2次元フォトニック結晶で、空孔2周期ごとに一つの割合で欠陥(空孔を設けていない箇所)を設けたものは、周期的欠陥の例である。
この場合、欠陥の周期は自由に変えることができ、前述したように、欠陥部に局在する光同士が結合するよう欠陥周期を適宜調整することが好ましい。また、欠陥の周期は基本格子の方向に対して異方性を持っていてもよい。
非周期的欠陥とは、欠陥の分布が空間的な並進対象性は持たないものの、ある種の規則性を持つ様に導入されている場合である。例えば、ある種の数学的パターンに基づいて分布している場合や、局所的には対称性を持たないが長周期に渡って対称性を持つような準結晶構造をもっている場合などがある。数学的パターンを持つ場合の実施例については、実施例3において説明している。
また、格子点一点分の大きさの点欠陥以外にも、欠陥部が連続的につながった線欠陥、または、3個以上の点欠陥が連続して一つの欠陥となった欠陥(大点欠陥と呼ぶ)を用いることもできる。この場合、線欠陥および大点欠陥部分では点欠陥同士がつながっており、従って欠陥同士の間隔は1周期である。しかし、線欠陥および大点欠陥同士は、やはり2〜8周期程度の間隔が開いており、局在光は互いに結合するようになっている。また、点欠陥、線欠陥、大点欠陥の3つを組み合わせて構成することも可能である。
欠陥を入れることによる別の効果として、ミラー上の屈折率分布を制御し、出射光のモードパターンを変化させることができる。すなわち欠陥種類により出射光のモードパターンを変え、レーザ光の遠視野像を様々に変えることができる。このような効果は、欠陥同士の間隔が局在光同士が互いに結合する距離でなくても起こるものである。
(フォトニック結晶を有する構造体の構成材料)
2次元フォトニック結晶ミラーに用いる材料は、金属、半導体、誘電体いずれも用いることができるが、レーザ発振波長の光を透過する半導体や誘電体などの材料であることが好ましい。また、光励起により発振させる場合は、半導体、誘電体いずれも用いることができるが、電流注入により発振させる場合は半導体であることが好ましい。
さらに、2次元フォトニック結晶は、低屈折率の部位と高屈折率の部位が周期的に配列した構造をしているが、高屈折率の部位には、シリコンなどの屈折率の大きな半導体、低屈性率の部位は空孔を用いる構成が、最も屈折率差を大きく取れる。即ち、フォトニックバンドギャップを大きく実現することができる。
なお、これら2次元フォトニック結晶ミラーを通して電流注入する場合には、低屈折率の部位は高屈折率の部位で用いられている材料より屈折率の小さい半導体であることが好ましい。
さらに、2次元フォトニック結晶の屈折率周期構造に垂直な(屈折率周期構造の存在しない)方向の厚さについて説明する。
結晶中を2次元の面内方向に伝搬する光の横モードが、単一となるようにしておくのが良い。
伝搬する光の波長やフォトニック結晶を構成する材料により様々に異なるが、それらは公知の計算方法により(例えば「光導波路の基礎」(岡本勝就 著、オプトロニクス社)第2章参照)導出することが可能である。
例えば、シリコンのフォトニック結晶を用い、フォトニック結晶外部の物質が空気の場合を説明する。波長1.5μmの伝搬光に対して、フォトニック結晶の厚さを、220nm以下にすることにより、単一横モードが実現する。
また、2次元フォトニック結晶の屈折率周期構造に垂直な方向(膜厚方向、即ち、VCSELの出射方向)の、フォトニック結晶外部の媒質に関しては、空気またはあらゆる材料を用いることができる。
しかし、電流注入により発振させる場合、2次元フォトニック結晶中に光を有効に閉じ込め、かつミラー上の電極から活性層にキャリアを注入するため、前記フォトニック結晶を構成する材料のうち、より高屈折率の材料(よりも低屈折率の材料が好ましい。
さらに、2次元フォトニック結晶に対して外部の媒質の屈折率は等しいことが好ましいが、本実施形態に示したような空気−他の媒質のような構成で非対称となっていてもよい。この場合も、外部媒質の屈折率はフォトニック結晶を構成する高屈折率の材料よりも低いことが好ましい。
また、屈折率周期構造体の周期を乱す部分における発光部同士は、互いに光結合し得る間隔で配置し、垂直共振器型面発光レーザが、単一横モードで発光するように構成することが好ましい。
具体的な、VCSELの構成としては、基板上に、前記第1の反射ミラー、前記活性層、前記屈折率周期構造を有する前記第2の反射ミラーをこの順に構成する。該第1の反射ミラーを多層膜ミラー(DBRミラー)にする。
また、別なVCSELの構成としては、基板上に、屈折率周期構造を有する第2の反射ミラー、活性層、前記第1の反射ミラーをこの順に形成する。そして、該第1の反射ミラーを多層膜ミラーで構成する。なお、第1及び第2の反射ミラーを共に、二次元フォトニック結晶で構成することもできる。
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、前記屈折率周期構造を有する前記第2の反射ミラー、及び電極をこの順に設ける場合、電流注入の観点からは、以下のように構成するのがよい。
即ち、当該電極の直下における前記第2の反射ミラーには、前記屈折率周期構造を設けないのがよい。
なお、前記屈折率周期構造は、周期を乱す部分を有する第1の領域と、周期を乱す部分が導入されていない第2の領域から構成し、該第1の領域を取り囲むように第2の領域が配置するのがよい。
特に、前記第1の領域を四角格子で構成し、第2の領域を三角格子で構成するのがよい。
なお、本発明においては、単一横モードで発光するのであれば、必ずしも屈折率周期構造への欠陥導入は必要ない。従って、本発明は、以下の構成を包含する。
即ち、垂直共振器型面発光レーザ装置において、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の反射ミラーが、二次元屈折率周期構造からなり、
該レーザは単一横モードで発光することを特徴とする装置。
また、本発明は以下の構成も包含する。
すなわち、垂直共振器型面発光レーザ装置において、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の少なくとも一方は、二次元屈折率周期構造からなり、
出射光のスポットサイズが5μm以上であり、且つ
該出射光は、単一横モードであることを特徴とするレーザ装置。
また、本発明は以下の構成も包含する。
垂直共振器型面発光レーザ装置において、
基板上に、第1の反射ミラー、活性層、第2の反射ミラーを備え、
該第1及び第2の少なくとも一方は、二次元屈折率周期構造からなり、
該二次元屈折率周期構造は、共鳴波長(resonance wave length)における反射率との差が3%以内である範囲が、該共鳴波長を含み5nm以上50nmであり、且つ
該レーザの出射光は、単一横モードであることを特徴とするレーザ装置。
面内方向に周期構造を有するフォトニック結晶に、その面内方向とは垂直方向から、光を照射する。波長(あるいは周波数)を変化させながら、反射率、あるいは透過率を測定すると、反射率が100%に近い波長が存在する。
当該波長は、一般に共鳴波長(resonance wave lenght)と呼ばれ、当該波長の光は、フォトニック結晶内に入力されると、一旦、面内方向に伝搬するモード(guided mode)となる。その後、反射光として戻ってくる。
共鳴波長における反射率は100%に近いが、一般に共鳴波長から1nm程度ずれると、反射率は20%以上、急激に下がる。共鳴波長による反射作用を、VCSELのミラーとして用いる場合、製造上のプロセスマージンを考慮すると、共鳴波長からの反射率の変化の割合が3%以内の範囲が、5nm以上50nm程度は必要である。
共鳴波長を含み30nmの範囲で、反射率の変化を3%程度以内に抑えたフォトニック結晶が、Fanらの文献(OPTICS EXPRESS vol.12 No.8(2004)1575から1582)に記載されている。このようなフォトニック結晶ミラーを用いることは、VCSELの製造の観点からも好ましい。
以下、本発明について、幾つかの特徴的な構成を示す。
(VCSELを構成する共振器ミラーが、多層膜ミラーとフォトニック結晶である場合)
レーザ素子の共振器における一対のミラーのうち、一方が多層膜ミラー、もう一方が、フォトニック結晶であって、上述の欠陥部が導入されたミラーである場合について説明する。
本発明の面発光レーザ素子において、共振器を構成する反射ミラー対については、一方に欠陥が導入された屈折率周期構造を有するミラーが用いられていれば、もう一方には任意のミラーを用いることができる。勿論、活性層の上下両面をフォトニック結晶で構成することを排除するものではない。
ここでは、一方のミラーに、従来のVCSELで用いるDBRミラーが用いられた構成について説明する。前記欠陥部が導入された屈折率周期構造を有するミラーについては、これまでに述べてきた構成のミラーをそのまま用いることができ、屈折率周期構造のパターンや、欠陥のバリエーションなどもこれまで述べてきたすべての構成を採用することができる。
本発明において用いる多層膜ミラーには、通常のVCSELなどで用いられるDBRミラーを用いることができる。通常このDBRミラーは、屈折率の異なる2種類の材料を交互に積層することで構成し、個々の媒質における一層の厚さdは、Nd=λ/4(N:媒質の屈折率、λ:共振光の波長)を満たすように設計されている。DBRミラーに用いる材料には、金属、誘電体、半導体などを用いることができるが、金属の光吸収を考慮すると、誘電体、半導体であることが好ましい。加えて電流注入により駆動する場合には、電気抵抗の小さい金属または半導体材料であることが好ましい。
具体的な材料としては、InGa1−xAs1−y/Inx’Ga1−x’As1−y’、AlGa1−xAs/AlGa1−yAs、GaN/AlGa1−xNなどの比較的格子定数の近い材料を用いることができる。
このミラーの反射率を高めるためには、2種類の材料の屈折率差をできる限り大きくとり、かつ積層数を多くすることが必要である。ただし、導電性の材料を用いてミラーを作製した場合、積層数を大きくすると積層膜に対して垂直方向の電気抵抗が大きくなる。ミラーを通して素子に電流注入するには、ミラーの電気抵抗が小さい方が好ましい。したがってこの場合、ミラーを形成する2種類の媒質の屈折率差を大きくとると同時に、積層数はできる限り少なくした状態で、所望の反射率を得ることが好ましい。さらに面発光レーザ共振器の反射鏡として用いる場合、張り合わせなどの工程を経ることなく、結晶成長のみで作製できることが好ましい。従って、レーザ素子本体を構成している材料とも、格子定数が近いことが好ましい。
なお、活性層の上下に位置するミラーをいずれもフォトニック結晶で構成し、一方を欠陥部が導入されていないフォトニック結晶、他方を欠陥部を有するフォトニック結晶により構成することもできる。
また、フォトニック結晶をミラーとして用いる場合は、基板と活性層間のミラー(下部ミラー)にフォトニック結晶を用いるよりも、活性層を介して下部ミラーと反対側に位置するミラー(上部ミラー)にフォトニック結晶を用いることが好ましい。これは、空孔を利用して屈折率周期構造体を作成する場合、当該構造体の上に形成する膜はなるべく少なくした方が簡便だからである。勿論、活性層の上下に位置するミラー層の一方をフォトニック結晶により構成し、他方のミラー層を互いに屈折率の異なる多層膜(DBR)で構成することもできる。
(複数の屈折率周期構造を有する多層膜によりミラーが構成されている場合)
本発明の面発光レーザ素子において、共振器の反射ミラー対を構成する屈折率周期構造は、単独(一の周期)で構成することもできるし、それらが複数種類組み合わされた構成をとることもできる。
例えば、屈折率周期構造を2次元フォトニック結晶とした場合を考える。
共振器を構成する2次元フォトニック結晶ミラーが、共振器内の光の共振方向(出射方向、以下、これを縦方向の共振と記述することにする。)に複数枚重ねられ、共振器ミラーの少なくとも一方を形成している構成などが考えられる。もちろん、2次元フォトニック結晶ではなく、3次元であってもよい。なお、ある周期を有する屈折率周期構造領域と別の周期を有する周期構造領域の間には、空気またはその他の媒質によるスペーサ層を設け、共振器ミラーを、屈折率周期構造およびスペーサ層の2層ペアで一周期とする多層膜ミラーの構成にすることもできる。
これらのペアは、ミラー内で共振する光の位相整合が取れるように設計することが好ましい。
位相整合に関して、具体的には2つの条件がある。
1つ目は、2次元フォトニック結晶内で共振する光の共振方向と平行な方向(=光の出射方向に対して垂直な方向であり、これを横方向と呼ぶ)の位置関係が常に一定であることである。
2つ目は、1つめの条件が満たされた状態で、2層ペアの厚さが調整されていることである。
前記1つめの条件は、屈折率周期構造層間のスペーサ層が薄く、2つ以上の屈折率周期構造が光学的に結合しているような状態の時に問題となる。
このような場合、屈折率周期構造間の横方向の位置合わせ(平行、回転)が必要になる。それらが互いにばらばらだと、屈折率周期構造から縦方向に放射される光の位相が、それぞれの層において異なってしまい、反射率が低下する。スペーサ層が厚く、屈折率周期構造同士が光学的に結びつかない場合でも、位置関係は一定であるほうが好ましい。
例えば、同一周期の2次元スラブフォトニック結晶を複数枚重ねた場合には、それぞれの空孔の位置が誤差3nm以内の精度で一致するなどの位置関係が考えられる。
2つ目の条件は、1つめの条件が満たされた状態で、2層ペアの厚さを調整することで満たすことができるが、先にも述べたように、屈折率周期構造層の厚さを大きくしすぎると、層内における縦方向のモードが多モード化して好ましくない。
従って、屈折率周期構造層の厚さは固定し、スペーサ層の厚さのみを変えて調整することが望ましい。また、屈折率周期構造との屈折率差を大きく取り、反射率を大きくするためには、スペーサ層は空気であることが好ましい。また、ミラーを通じて電流注入を行うには、スペーサ層の材料は金属または半導体であることが好ましい。ただし、金属による光吸収を考えると、レーザの閾値を低下させるためにはスペーサ層が半導体であることが好ましい。
以上に述べたような複数の屈折率周期構造よりなる共振器ミラーを用いることにより、屈折率周期構造単独で構成した時のミラーよりも反射率を高めることができる。
(活性層、スペーサ層(クラッド層)について)
共振器を構成する活性層およびスペーサ層としては、通常のVCSELで用いられているような、ダブルへテロ構造、多重量子井戸構造、量子ドット構造などを直接適用することができる。
また、活性層厚+クラッド層厚の共振器長L(共振器ミラー間隔)は、ミラーの屈折率がクラッド層の屈折率より大きい場合は、以下のように設計する。即ち、NL+ΔL=nλ/2(N:共振器媒質の屈折率、n:正の整数、λ:共振光波長、ΔL:ミラー反射時の位相シフトによる光路長変化)の関係を満たすように設計する必要がある。さらに、活性層は共振器内に立つ定在波の腹の部分に位置することが好ましい。
構成材料としては、GaAs/AlGaAs、InGaAsP/InP、AlGaInP/GaInP、GaN/InGaN/AlGaN GaInNAs/AlGaAsなどがあり、これについても従来のVCSELと同様である。一例としては、両脇のクラッド層にn、p型GaN層、活性層にノンドープGaN/InGaN多重量子井戸構造を用いた構成などが考えられる。
(活性層へのキャリア注入手段について)
活性層1040へのキャリア注入手段としては、アノード、カソード一対の電極を有し、該電極からの電流注入により、活性層へのキャリア注入を行う場合などが考えられる。
電極については、通常のVCSELにおいて用いられているようなリング電極を用いたり、円形、矩形など様々な形状の電極を用いることができる。
なお、屈折率周期構造が、固体媒質と空孔とによって構成される場合には、電極の直下の領域には周期構造パターンを形成しないことが好ましい。空孔の存在により接触抵抗が大きくなる場合があるからである。
電極の材質については、電極を形成する部位のレーザ素子材料に依存する。
例えばn型GaAsにはAu−Ge−Ni、Au−Sn、p型GaAsにはAu−Zn、In−Znなどの材料を使用することができる。また、ITOなどの透明電極を用いることもできる。特に、素子の発光面上にリング電極以外の電極を形成する場合には、透明電極を用いることが望ましい。
(反射ミラーの前記屈折率周期構造に隣接する箇所に、該屈折率周期構造の周期よりも小さな間隔で、該屈折率周期構造を構成する媒質のうち、最も高屈折率な媒質よりも低屈折率の媒質を導入した構成について)
本発明の面発光レーザ素子においては、反射ミラーの屈折率周期構造に隣接する箇所に、該屈折率周期構造の周期よりも小さな間隔で低屈折率の媒質を導入することで、該部位の実効的な屈折率を小さくすることができる。
導入する低屈折率媒質は、反射ミラーの屈折率周期構造を構成する媒質のうち、最も高屈折率の媒質よりも、屈折率が低いことが必要である。Siに周期的に空孔を設けた2次元フォトニック結晶の例でいうと、母材のSiよりも低屈折率な媒質を、空孔の周期よりも小さな間隔で導入してやればよい。この媒質を空気とした構造は、フォトニック結晶に隣接する材料のポーラス化などにより実現することができる。このようにすることで、前記屈折率周期構造中を伝搬する光が外部に漏れ出すことを防ぎ、光を該屈折率周期構造中に有効に閉じ込めることができる。
導入する媒質は、前記屈折率周期構造を構成する媒質のうち、最も高屈折率の媒質よりも低屈折率の媒質であればいかなるものでもよい。媒質を空気、すなわち前述のポーラス化によって空孔を設けたものが、前記屈折率周期構造を構成する最も高屈折率の媒質との屈折率差を大きく取れ、該屈折率周期構造中への光の閉じ込め効率が良くなるため好ましい。
なお、本発明に係るVCSELは、様々な発光光源として利用できる。アレイ状に配置してマルチビーム光源としても利用できる。
例えば、本発明は、特開2004−230654号公報に記載されているような画像形成装置に、適用できる。
画像形成装置とは、例えば、レーザ光源からの光変調されたレーザ光を感光体や静電記録媒体等の像担持面上に導光して、その面上に例えば静電潜像から成る画像情報を形成するようにした、複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリ装置等である。
従来からVCSELを光源として用いた場合には、その最大出力が低く、ポリゴン走査ミラー等の複数の光学系をレーザ光が通過する構成では、光量が不足することが指摘されていた。本発明によれば、出射スポットのサイズを5μm以上にし得るので、高出力の面発光レーザとして利用できる。
以下に本発明の実施例について説明する。
以下の実施例は例示的なものであり、本発明において用いるレーザ素子の構造材料、大きさ、形状などの諸条件は、以下の実施例1〜6により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例におけるレーザ素子の構成を、図6を用いて説明する。
基板61の上に順次、下部共振器ミラー光閉じ込め層62、下部共振器ミラー層63、下部クラッド層64、活性層65、上部クラッド層66、上部共振器ミラー層67を積層する。そして、基板61の裏面と上部共振器ミラー層67の上面にそれぞれn電極68とp電極69が設けられている。
基板はn型GaAs基板で厚さは565μmである。下部共振器ミラー光閉じ込め層62はn型Al0.7Ga0.4Asを用い、厚さは1μmである。下部共振器ミラー層63はn型Al0.4Ga0.6As、下部クラッド層64はn型(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pである。上部共振器ミラー層67はp型Al0.4Ga0.6As、上部クラッド層66はp型(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pでそれぞれ構成されている。
下部、上部ミラー層63、67には、中央部にミラーを形成するフォトニック結晶構造610、612がそれぞれ設けられ、下部ミラーにのみ欠陥611が導入されている。
上下ミラー63、67の間隔(=共振器長)は、約1.5μm(670nmの共振光約7.5波長分に相当)、活性層65はノンドープのIn0.56Ga0.44P/(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pのひずみ量子井戸構造により構成されている。井戸の層数は3層、In0.56Ga0.44P層、(Al0.5Ga0.50.5In0.5P層の厚さはそれぞれ6nmである。基板側n電極911はNi/Au/Ge、ミラー側p電極912はAu−Znである。
上述した積層膜は以下のような工程で製造することができる。
MOCVD法によりGaAs基板の上にAl0.9Ga0.4Asリフトオフ層、上部共振器ミラー層から下部共振器フォトニック結晶ミラー層までを順次成長する。後に最初成長したGaAs基板をリフトオフする必要があるため、基板と上部共振器ミラーの間にリフトオフ層を挿入し、さらにその上に上部共振器ミラー層から順に下部共振器ミラー層までを製膜する。
まず、下部共振器ミラーを形成する。EBリソグラフィー、Clガスを用いたRIBEエッチングにより下部共振器ミラーのフォトニック結晶パターンを形成する。その後別のGaAs基板の上に、下部共振器ミラー光閉じ込め層を1μm積層したウエハを用意し、熱融着により下部共振器ミラー層と下部共振器光閉じ込め層の面を合わせて接合する。これで下部共振器ミラーの形成は完了した。
次に、上部共振器ミラーを形成する。上部共振器ミラー層側のAl0.6Ga0.4Asリフトオフ層をフッ酸により選択エッチングし、最初の結晶成長に用いたGaAs基板を除去する。露出した上部共振器ミラー層に、下部共振器ミラー層と同様の方法で、フォトニック結晶パターンの形成を行う。これで上部共振器ミラーの形成が完了した。
最後に、GaAs基板裏面と上部共振器ミラーの上面にn、p電極をそれぞれ蒸着法により形成する。
以下に、下部および上部共振器ミラーのフォトニック結晶ミラーについて詳しく説明する。
図7(a)、図7(b)にそれぞれ下部、上部ミラーのフォトニック結晶の平面図を示す。フォトニック結晶構造は、Al0.4Ga0.6As層に空孔71および74を周期的に設けることにより形成される。このようなAl0.4Ga0.6As層への細孔形成は、例えば上述したように、EBリソグラフィーにより形成したパターンを、ドライエッチングにより転写して行なうことができる。
下部、上部両ミラー層で空孔の形状は円形をしており、周期180nmの三角格子に配列されている。孔半径は75nm、層厚は270nmである。以降、欠陥が導入されていないフォトニック結晶構造を基本(あるいはホスト)フォトニック結晶構造と定義する。
図7(b)の上部フォトニック結晶ミラーには、欠陥は導入されていないが、下部フォトニック結晶ミラーには図7(a)のように、フォトニック結晶の屈折率周期構造を乱す欠陥72が周期的に導入されている。
欠陥72は、基本のフォトニック結晶の空孔を周期的に除いたもので、基本フォトニック結晶構造と同じく三角格子を組んでいるが、欠陥同士の間隔は、基本フォトニック結晶構造3周期分である。なお図7では、便宜上フォトニック結晶の空孔の周期数は少なく描かれているが、実際のミラー領域には、80周期以上に渡って基本フォトニック結晶および欠陥が導入されている。
下部フォトニック結晶ミラーの欠陥は、本実施例においては基本フォトニック結晶構造における空孔を周期的に除いたものを用いたが、基本フォトニック結晶と孔径の異なる空孔を用いることもできる。また、欠陥部に他の屈折率の異なる材料を導入することで、欠陥とすることもできる。
次に、欠陥の配置の仕方については、本実施例ではフォトニック結晶構造3周期分の間隔としているが、さらに多くすることも少なくすることも可能である。ただし、間隔を空けすぎると、欠陥に局在した光が互いに結合しなくなってしまうため、間隔には上限が存在する。
本実施例では、上下2枚のフォトニック結晶ミラーのうち、下部のミラーのみに欠陥を設けたが、上部のミラーのみとしてもよいし、または上下両方のミラーに欠陥を導入してもよい。
さらに、上下2枚のミラーの位置関係について説明する。図8は、共振器を構成する2枚のミラーの相対的位置関係を示す図であり、81は上部共振器ミラー、82は下部共振器ミラーを表している。
この図においては、便宜上下部のミラーを矢印で示す座標のように動かし、取りうる相対的位置関係を表現している。この図に示すように、2枚のミラーの相対的位置関係には、x、y、z、の直行方向、およびそれらを軸とした回転方向のα、β、γ方向の合計6方向がある。以降、それぞれについて順番に説明していく。
x、y方向については、2つのミラー間隔の大小により、位置関係に要求される条件は大きく違ってくる。具体的には、2つのミラーにおけるz方向の間隔に依存し、2つのミラーの面内方向に伝搬する光同士が、互いに結合できる間隔程度しか離れていない場合、ミラーのx、y方向の位置関係により共振器特性は大幅に変化する。従って、ミラーのx、y方向の位置関係が共振特性に大きく影響するため、作製するレーザ素子の特性を常に一定にするためには、x、y方向の位置関係を常に一定にする必要がある。また、間隔がそれ以上のときにも、位置関係は常に一定の方が望ましい。これらの間隔は、共振器を構成する材料、ミラーを構成する材料、共振光の波長により決定される値である。本実施例における共振器では、上述のミラーにおける伝搬光同士の結合を避けるよう、z方向の間隔を大きく取っている。γ方向については、本実施例におけるミラーは互いに偏光依存性がないため、出射光の偏光特性はγ方向の回転には特に影響されない。しかし、この場合も位置関係は常に一定となることが好ましい。z方向については、通常のVCSEL共振器と同様に、2枚の反射鏡の距離Lが、先述したような共振条件を満たすように調整すればよい。α、β方向については、回転はできる限り少なく、理想的には0となり2枚のミラーは完全に平行となることが好ましい。しかし、本実施例のレーザ素子を結晶成長により一括で作製できるような場合には、この方向に対する回転はほとんどなくすことができるため、特別な調整をする必要はない。
また、下部共振器ミラー光閉じ込め層62、クラッド層64、66について、本実施例においては、面内方向の伝搬光に変換された共振光がミラー内部に有効に閉じ込められるようにする。
具体的には、ミラーの材料Al0.4Ga0.6Asよりも屈折率の小さいAl0.7Ga0.4Asを用いている。
この目的では、例えばクラッドを共振器ミラー層と同じAl0.4Ga0.6Asとし、その上でミラーのフォトニック結晶を構成する空孔よりも十分小さな空孔を多数設けた構成をとることも可能である(いわゆるポーラス構造)。このようにすれば、この部位の実効的な屈折率を下げることができ、面内方向の伝搬光に変換された共振光を、ミラー内部に閉じ込めやすくなる。
また、ミラー面内方向の伝搬光の、クラッド層への染み出し長が小さくなるため、活性層との結合の影響もより小さくすることができ、共振器長を短くすることができる。
上部、下部共振器ミラーともに、上述の2次元スラブ型のフォトニック結晶による光反射領域の周囲は、電流注入領域73、75である。電流注入領域には電気抵抗を低減するため、空孔は設けない。そのため、フォトニック結晶構造が設けてある領域のみがミラーとして作用する。ミラー領域の形状は円形型で、直径は15μmφである。
本実施例においては、電流狭窄構造は、プロトン注入による半導体の高抵抗化により設けている。具体的には、活性層付近におけるリング電極直下の領域のみにプロトン注入することで、電流がフォトニック結晶領域直下の活性層に集中するようにしている。その他の電流狭窄構造として、結晶再成長による埋め込みヘテロ構造や、AlAs層の選択酸化による狭窄構造などを採用することができる。
電極に電圧を印加し活性層に電流を注入すると、活性層からの放出光が共振器中で共振増幅され、レーザ発振する。発振波長は、波長670nmの赤色光である。電流は、プロトン注入による高抵抗化プロセスにより設けた電流狭窄構造により活性層の中央部に集中し、発光効率が上昇する。
上部、下部共振器ミラーにおける光反射のメカニズムは前述したとおりであり、とりわけ下部の欠陥導入ミラーでは、欠陥の影響から、単一モードでの発振スポットを拡大することができる。それぞれの反射、透過率は、理論的にはそれぞれ99%以上とすることが可能だが、本実施例ではビームを上部共振器ミラー方向から取り出すために、空孔の周期を数nm程度ずらしてミラーを設計する。このようにすることで、ミラーの共振ピークがわずかにずれるため反射率が低下し、上方向に光を取り出すようにしている。
本実施例における活性層およびデバイスはAlGaInP/GaInP/AlGaAs系の材料を用い、赤色のレーザ光を得ることができる。
また、GaN/AlN/InNなどIII−N系半導体およびそれらの混晶、GaAs/AlAs、InGaAsP/InP、GaInNAs/AlGaAsなどの他のIII−V族半導体およびそれらの混晶を用いることもできる。
更にまた、ZnSe/CdSe/ZnSなどのII−VI族半導体およびそれらの混晶などを用いることも可能である。本実施例におけるレーザデバイスにより、15μmφの大面積で単一モードの赤色レーザ光を得ることができる。また、共振器を半導体DBRミラーで構成したVCSELに比べ、低熱抵抗、低電気抵抗、作製の簡略化を実現することができる。
(実施例2)
図9を用いて、実施例2のレーザ素子の構成を説明する。
基板91の上に順次、下部共振器ミラー光閉じ込め層92、下部共振器ミラー層93、下部クラッド層94、活性層95、上部クラッド層96が積層される。
そして、下部クラッド層94の一部と、活性層95と、上部クラッド層96の一部とを取り囲むように、電流狭窄層99が設けられている。
さらに、上部クラッド層96の上に共振器ミラー層910が積層され、基板91の裏面と上部共振器ミラー層910の上面にn電極911とp電極912がそれぞれ設けられている。基板はn型GaAs基板、厚さは565μmである。
下部共振器ミラー層および下部クラッド層はn型(Al0.5Ga0.50.5In0.5P上部共振器ミラーおよび上部クラッド層はp型n型Al0.4Ga0.6Asにより構成されている。
上下ミラーの間隔(=共振器長)は約1.5μm(共振光約7.5波長分に相当)である。下部、上部ミラー層には、ミラーを形成するフォトニック結晶構造913、915がそれぞれ設けられ、下部、上部ミラーの両方とも中央部に欠陥914、916が導入されている。上部、下部共振器ミラー層はそれぞれ、n型、p型Al0.4Ga0.6Asで、厚さはそれぞれ、270nmである。下部共振器ミラーのみ、屈折率の高いGaAs基板との間に、該ミラーの内部に光を有効に閉じ込められるよう、屈折率の低いAl0.7Ga0.4As光閉じ込め層が1μm程度積層されている。本実施例においては、埋め込みヘテロ型の電流狭窄層99が設けられ、n型(Al0.5Ga0.50.5In0.5P 97とp型(Al0.5Ga0.50.5In0.5P 98により構成されている。活性層95はノンドープのIn0.56Ga0.44P/(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pのひずみ量子井戸構造により構成されている。井戸の層数は3層、In0.56Ga0.44P層、(Al0.5Ga0.50.5In0.5P層の厚さはそれぞれ6nmである。基板側n電極911はNi/Au/Ge、ミラー側p電極912はAu−Znである。
この構成における製造方法は、実施例1の製法に埋め込みヘテロ構造の電流狭窄層を形成する工程が加わったものである。具体的には、GaAs基板上にAl0.9Ga0.4Asリフトオフ層、上部共振器ミラー層から下部共振器ミラー層までを成長する工程の途中に加わる。上部共振器ミラー層、上部クラッド層、活性層、下部クラッド層までを成長した後、Clガスを用いたICPドライエッチングにより、活性層の発光部を中心としその周りの領域を除去する。下部クラッド層から上部クラッド層の途中まで除去し、n型、p型の順に、Al0.5Ga0.50.5In0.5Pを再成長する。その後平坦化工程を経て、下部クラッド層を続いて成長し、下部共振器ミラー層を成長する。
その後の工程は、すべて実施例1と同様となる。
次に、共振器ミラーの構造について以下に詳しく説明する。
図9に示すように、下部および上部共振器ミラーともに、基本フォトニック結晶を形成する空孔912、914と、空孔の存在しない欠陥913、915が設けられている。図10(a)、図10(b)に、本実施例における下部、上部ミラーのフォトニック結晶の平面図を示す。
図10(a)は下部共振器ミラー、図10(b)は上部共振器ミラーを示している。
まず、上部、下部ミラー両方に共通する特徴を以下に記述する。本実施例では、ミラー層面全域に渡り四角格子のフォトニック結晶構造の空孔101、103が設けられている。そして、中央部に空孔のない欠陥102、104が直径15μmφの円形領域に渡り周期的に導入されている。そして、この領域でのみフォトニックバンドギャップ中に欠陥準位ができ、ミラーに入射した光はこの準位によるguided resonance現象で反射され共振が起こる。欠陥が導入されているのはミラーの中央部の領域で、周りの基本フォトニック結晶のみの部分では、フォトニックバンドギャップ中に準位がないため、面に垂直方向の共振が起こらずに反射は起こらない。また、周りのフォトニック結晶構造は、平面方向に導波する光に対してはフォトニックバンドギャップを持ち反射を起こすため、フォトニック結晶ミラー領域における面内方向の光の漏れを防げるようになっている。
次に、互いに異なる点であるが、図10(a)の下部ミラーのフォトニック結晶構造においては、空孔は円形をしており、周期180nm、孔半径75nm、層厚270nmである。101は細孔、102は欠陥である。
図10(b)の上部ミラーのフォトニック結晶構造では、空孔は矩形であり、周期180nm、孔の長辺、短辺はそれぞれ70nm、35nm、層厚270nmとなっている。103は細孔、104は欠陥である。
なお、活性層の上下のミラーを共に、細孔を有するフォトニック結晶で構成する場合は、貼り合わせ法を用いることが好ましい。
本実施例においては、上部ミラーの空孔が矩形となっていることにより、フォトニック結晶構造の対称性が崩れるため、上部ミラーは偏光により異なる反射特性を示す。具体的には、電界ベクトルがy方向を向いた偏光のみがミラーに反射され共振が起こり、x方向を向いた偏光はほぼ100%透過する。これにより、レーザの偏光を制御でき、単一直線偏光の発振が得られる。上下ミラー間の位置関係については、実施例1と同様の関係が成り立ち、基本的な条件は実施例1と同様である。
電極から電流を注入すると、実施例1と同様にフォトニック結晶ミラーと垂直方向に発振が起こる。発振は、フォトニック結晶ミラーの設けられている15μmφの領域で起こり、この領域で単一横モード、単一直線偏光のレーザ光が得られる。発振波長は670nmの赤色光であり実施例1と同様な方法で上部ミラーの反射率をやや落とすことにより、レーザ光は上方へのみ放射される。
本実施例におけるレーザ素子では、フォトニック結晶ミラーの欠陥を導入する領域を調整することで、レーザ光の単一モードでのスポットサイズや、スポット形状を調整することが可能になる。
また、フォトニック結晶ミラーの欠陥導入部の周りに広がるフォトニック結晶構造により、ミラーにおける面内方向の光の漏れを抑えることができ、レーザの発光効率が向上する。
本実施例においても、ミラーの欠陥は空孔を設けないもの以外に、基本フォトニック結晶構造の空孔よりも孔径の大きい空孔または小さい空孔、欠陥部に他の屈折率の異なる材料を導入することで、欠陥とすることもできる。
また、材料についても、AlGaInP/GaInP/AlGaAs以外に、GaN/AlN/InNなどIII−N系半導体およびそれらの混晶を用いることができる。
また、GaAs/AlAs、InGaAsP/InP、GaInNAs/AlGaAsなどの他のIII−V族半導体およびそれらの混晶、ZnSe/CdSe/ZnSなどII−VI族半導体およびそれらの混晶などを用いることも可能である。
さらに、円形、矩形ミラーの配置についても、本実施例と逆の構成や、または上下両方のミラーを矩形とすることも可能である。ただし、上下両方のミラーを矩形にした場合のみ、ミラーの位置関係において図8に示したγの回転方向に対して、位置合わせすることが必要となる。具体的には、偏光の方向が一致するように、矩形の縦、横軸の方向が揃うよう双方のミラーの回転軸を調整する。
(実施例3)
図11を用いて、実施例3について説明する。本実施例では、レーザ素子自体の構成および材料は、実施例2のものと同様であるため、ここでは共振器ミラーの構造についてのみ、説明する。作製工程も、実施例2と同様である。
図11は実施例3における、上部、下部フォトニック結晶ミラーの、平面に対して垂直方向からみた模式図である。図11(a)に示すように、下部共振器ミラーでは、基本フォトニック結晶構造の空孔が面全体に設けられ、空孔を除くことでできる欠陥が中央部に配置されている。基本フォトニック結晶のパラメータは、実施例2の上部共振器ミラーと同様である。本実施例においては、この欠陥の配列に特徴があり、欠陥はある特定の規則を持ってはいるが、非周期的に配列している。全体的な傾向としては、欠陥はミラーの中央部に集中し、周辺部では同心円状に配列している。さらに、中央部から遠ざかるほど、同心円間の間隔は大きくなっていく。その時の欠陥密度は、中心部から遠ざかるほど小さくなっていくため、密度をD、中心からの距離をrとすると、ちょうど次式のような数式で記述することができる。
D=Dexp(−r/a) (数式1)
はミラー中央での欠陥密度、aは欠陥の中心からの密度勾配の大きさを決める所定の定数である。欠陥導入領域の面積は、実施例2と同じく15μmφである。なお、図11(a)では、図形描画の便宜上、同心円状欠陥の周期数は非常に少ないが、実際は10周期以上の欠陥が配置される。該2次元フォトニック結晶ミラーにおいては、欠陥密度が大きい中央部では光密度が大きく、周辺部へ向かい欠陥密度が小さくなるに従って、光密度も小さくなる。よって、本実施例では、欠陥密度が数式1のようなガウス関数型のプロファイルを持つことから、放射されるレーザ光のモードプロファイルもガウス関数型となる。図11(b)の上部共振器ミラーについては、実施例2の下部共振器ミラーと同様の構造なため、説明は省略する。
本実施例における面発光レーザデバイスにより、15μmφの大面積で単一横モード単峰のモードプロファイルを持つレーザ光を得ることができる。
本実施例においても、ミラーの欠陥は空孔を設けないもの以外に、基本フォトニック結晶構造空孔よりも孔径の大きい空孔または小さい空孔、または欠陥部に他の屈折率の異なる材料を導入することで、欠陥とすることもできる。
フォトニック結晶構造に対する欠陥の入れ方としては、先の数式1で示した欠陥密度の配置の他に、次の数式2で示されるように、欠陥密度が同心楕円状に導入された構成などもとることができる。
D=Dexp(x/a+y/b) (数式2)
aは楕円の長軸長さ、bは楕円の短軸長さ、x、yはそれぞれ平面内の直行座標である。
また、材料についても、AlGaInP/GaInP/AlGaAs以外に、GaN/AlN/InNなどIII−N系半導体およびそれらの混晶を用いることができる。
また、GaAs/AlAs、GaAs/InP、GaInNAs/AlGaAsなど他のIII−V族半導体およびそれらの混晶、ZnSe/CdSe/ZnSなどII−VI族半導体およびそれらの混晶などを用いることも可能である。
さらに、本実施例と上下のミラーを入れ替えた構成、または、上下両ミラーとも欠陥密度に分布を持たせた構成も適用可能である。
このように、フォトニック結晶に設ける欠陥部の配置を、上述のような数学的パターンに基づき行うことも好ましい。
(実施例4)
図12を用いて、実施例4のレーザ素子の構成について説明する。
基板121の上に順次、下部共振器ミラー層122、下部クラッド層125、活性層126、上部クラッド層127、上部共振器ミラー層128が積層されている。
基板の裏面と上部共振器ミラー層の上面にそれぞれn電極129とp電極1210がそれぞれ設けられている。
基板はn型GaAs基板で厚さは300μmである。
下部ミラー層は、第一の層と第二の層とが交互に並ぶ積層構造となっている。
具体的には、第一のn型AlGa1−xAs層(第一の層123)は、下層がx=0.55で層厚29nmであり、その上側に、x=0.55から0.93まで変化する、層厚20nmの層が積まれている。
第二のAlGa1−xAs層(第二の層124)は、下層が、x=0.93で層厚33.2nmであり、その上側にx=0.93から0.55まで変化する、層厚20nmの層が積まれている。
こうして、第一の層と第二の層とを交互に積層したDBRミラーとなっている。
層数は全層を図示してはいないが70ペア、第一の層、第二の層それぞれの膜厚dは、前述したようにNd=(1/4)λ(N:物質の屈折率、λ:共振光波長)となっている。
上部共振器ミラー層はp型Al0.4Ga0.6Asで構成されており、中央部にミラーを形成するフォトニック結晶構造1210が設けられ、欠陥1211が導入されている。
上下クラッド層は、それぞれn型(Al0.5Ga0.50.5In0.5P、p型(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pにより構成されている。
活性層126は、ノンドープGa0.56In0.44P/(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pのひずみ量子井戸構造により構成されている。
井戸の層数は3層、Ga0.56In0.44P層、(Al0.5Ga0.50.51In0.49P層の厚さはそれぞれ6nmである。
上下クラッド層、活性層を合わせたミラーの間隔(=共振器長)は約1.5μm(共振光約7.5波長分に相当)、基板側n電極はNi/Au/Ge、ミラー側p電極はAu−Znである。
このような積層構造体は、以下のようにして作製される。MOCVD法によりGaAs基板の上に下部共振器DBRミラーから上部共振器フォトニック結晶ミラー層までを順次成長する。本実施例では基板をリフトオフせずに用いるため、下部共振器ミラーから順次積層していけばよい。その後EBリソグラフィー、Clガスを用いたRIBEエッチングにより上部共振器ミラーのフォトニック結晶パターンを形成する。最後に、GaAs基板裏と上部共振器ミラー上に電極を蒸着する。
本実施例では、材料を除いた構造は実施例1の素子における下部共振器ミラーのみを2次元フォトニック結晶から1次元のフォトニック結晶であるDBRミラーに交換した構成を開示している。従って本実施例においては、上部ミラーのフォトニック結晶構造に欠陥が設けられていることが、シングルモードで大スポットサイズを達成するために必要となる。また、このミラーの構造パラメータについては、周期180nm、孔径75nm、層厚250nmである。出射スポット領域は、実施例1と同様に15μmφとなる。欠陥は基本のフォトニック結晶の空孔を除いたものを用いているが、実施例1と同様に、基本フォトニック結晶と孔径の異なる空孔を用いることもできる。また、欠陥部に他の屈折率の異なる材料を導入することで、欠陥とすることもできる。欠陥の配置の仕方についても、実施例1と同様のことが言え、フォトニック結晶構造3周期分の間隔より、多くすることも少なくすることも可能である。ただし、間隔を空けすぎると、欠陥に局在した光が互いに結合しなくなってしまうため、間隔には上限が存在する。また、クラッド層のポーラス構造なども実施例1〜3と同様に設けることができる。下部共振器ミラーについては、通常のVCSELに用いられる公知のDBRミラーであり、各層の材料、厚さ、周期数などの特徴は上に述べたとおりである。
本実施例における上下ミラーの関係については、下部共振器ミラーに偏光の依存性がなく、またx、y、γ方向にも一様な構造であるため、図8におけるx、y直線方向、γ回転方向の詳細な位置合わせは必要ない。これが実施例1〜3の場合とは異なり位置合わせの必要性が軽減され作製の観点上有利に働く。その他の方向については同様のことが言える。
本実施例においては、電流狭窄構造は、プロトン注入による素子の高抵抗化により設けている。具体的には、フォトニック結晶構造の周囲に設けられたp電極直下の領域にプロトン注入することで、電流が活性層に集中するようにしている。その他の電流狭窄構造として、結晶再成長による埋め込みヘテロ構造や、DBRミラーにおけるAlAs層の選択酸化による狭窄構造などを採用することができる。
電極に電圧を印加して活性層に電流を注入すると、活性層からの放出光が共振器中で共振増幅され、レーザ発振する。発振波長は、波長670nmの赤色光である。上部共振器ミラーでは、欠陥導入されたことにより、単一モードでの発振スポットを拡大することができる。本実施例では下部共振器ミラーよりも反射率が小さくなるよう、上部共振器ミラーの積層数を調節している。
本実施例における面発光レーザ素子においては、下部共振器ミラーに従来技術であるDBRミラーを用いているが、スポット拡大などの効果は、実施例1と同様である。また、素子の薄型化、低電気抵抗化および放熱性の向上という観点では、実施例1よりも劣るが、両方にDBRミラーを用いた従来のVCSELよりもはるかに高性能である。
本実施例においては、実施例1〜3と比較し、作製の点で従来技術のDBRミラーを用いることで、基板上に順次結晶成長させ、張り合わせなどを用いず、一括で素子を作製することが容易になり、大きなメリットとなる。
(実施例5)
図13を用いて、実施例5のレーザ素子の構成について説明する。
基板131の上に順次、下部共振器ミラー層132、下部クラッド層135、活性層136、上部クラッド層137、上部共振器ミラー層138が積層される。
基板の裏面と上部共振器ミラー層の上面にそれぞれn電極1311とp電極1312がそれぞれ設けられている。
基板はn型GaAs基板で厚さは300μmである。
下部共振器ミラー層は、n型Al0.4Ga0.6Asフォトニック結晶層133と、n型Al0.4Ga0.6Asスペーサ層134を交互に積層して構成される。
上部共振器ミラー層は、p型Al0.4Ga0.6Asフォトニック結晶層139、n型Al0.4Ga0.6Asフォトニック結晶層139、p型Al0.4Ga0.6Asスペーサ層1310を交互に積層し構成されている。
両ミラーともに2ペアの4層からなり、一層おきに空孔1313、1314が周期的に設けられ、フォトニック結晶ミラーとなっている。
スペーサ層は、フォトニック結晶ミラー間の位相調整のために設けられている。
上下クラッド層は、それぞれn型(Al0.5Ga0.50.5In0.5P、p型(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pにより構成されている。
活性層126は、ノンドープGs0.56In0.44P/(Al0.5Ga0.50.5In0.5Pのひずみ量子井戸構造により構成されている。
井戸の層数は3層、Gs0.56In0.44P、(Al0.5Ga0.50.5In0.5P層の厚さはそれぞれ6nmである。
活性層を合わせたミラーの間隔(=共振器長)は、約1.5μm(共振光約7.5波長分に相当)、基板側n電極はNi/Au/Ge、ミラー側p電極はAuである。
このような積層構造体は以下のようにして作製される。GaAs基板上にMOCVD法により、AlAsリフトオフ層、上部共振器ミラーの、共振器に隣接する層を一層製膜し、その上に順次上部クラッド層、活性層、下部クラッド層、下部共振器ミラー層の共振器に隣接する一層を製膜して、これをウエハAとする。ウエハAも後にGaAs基板のリフトオフを行うため、実デバイスとは逆の順番に製膜していく。ただし、共振器ミラー層はクラッド層に接する一層のみを製膜する。
次に、下部共振器層ミラー層を作製する。ウエハAの下部共振器ミラー層に、実施例4と同様の方法でフォトニック結晶パターンを形成する。さらに別のGaAs基板上に、AlAsリフトオフ層、Al0.4Ga0.6Asスペーサ層を製膜する。この基板を基板Aの下部共振器ミラー層上に熱融着法により接合し、フッ酸によるAlAsリフトオフ層選択エッチングでGaAs基板をリフトオフする。これにより、下部共振器ミラーのスペーサ層を形成することができる。次に、再度基板Aの上にAl0.4Ga0.6As層を製膜し、フォトニック結晶をパターニングする。さらに、その上にスペーサ層を再度接合する。接合する基板は、GaAs基板の上にAl0.4Ga0.6As層を一層製膜したものである。この層の接合はGaAs基板をリフトオフする必要はないので、接合するウエハにAlAsリフトオフ層は設ける必要がない。これで下部共振器ミラーの作製が終了した。
次に、上部共振器ミラーの作製方法を説明する。ウエハA製膜の際、最初から用いたGaAs基板(後から接合していないもの)を、AlAsリフトオフ層を選択エッチングすることでリフトオフする。表面の上部共振器ミラーの共振器隣接層に、前述したのと同様の方法でフォトニック結晶をパターニングし、上部共振器ミラーの共振器に隣接するフォトニック結晶層を形成する。この後は下部共振器ミラーと同様の方法で、上部共振器ミラーの2ペアを形成する。ただし上部共振器ミラーにおいては、下部共振器ミラーと異なり最後に残るGaAs基板もリフトオフする。以上により、上部共振器ミラーの作製が終了した。
以上によりレーザ共振器が形成された。最後に、GaAs基板裏面と上部共振器ミラー上に電極を蒸着法により形成する。
本実施例における、共振器ミラーについて、以下に詳しく説明する。
下部および上部共振器ミラーは、Al0.4Ga0.6Asフォトニック結晶層とAl0.4Ga0.6Asスペーサ層で構成される。
フォトニック結晶ミラーの構造パラメータは、周期180nm、孔径75nm、層厚250nmである。
上部共振器ミラー層を構成するフォトニック結晶ミラーの一枚に、空孔を周期的に除くことにより、欠陥が導入されている。
フォトニック結晶構造が設けられている出射スポット領域は、15μmφとなる。
それぞれのフォトニック結晶層、スペーサ層ペアは、1ペアで反射光の位相が(n/2)波長分進むように設計されている。
具体的には、guided resonanceにより反射される光の位相は、フォトニック結晶から放射される際は常に一定である。
それに対して、2ペアで位相整合条件が満たされるよう、スペーサ層の厚さを調節してやればよい。本実施例では、スペーサ層の厚さは48nmとなっている。
また、図7におけるフォトニック結晶ミラーの位置関係について、上下2つの共振器ミラー層同士の関係においては、実施例1、3、4と同様のことが言える。一方、同一共振器ミラー層内で見た場合、フォトニック結晶ミラー同士についての関係は、本実施例においては、互いの距離が半波長分と短いため、共振器ミラー層内の隣接するフォトニック結晶ミラーを、面内方向に伝搬する光は互いに結合する。従って、これらのミラーの間では、図7のx、yおよびγ方向で位置関係が一定になることが必要となる。
本実施例においても、欠陥は本実施例におけるものの他、基本フォトニック結晶と孔径の異なる空孔を用いることもできる。また、欠陥部に他の屈折率の異なる材料を導入することで、欠陥とすることもできる。欠陥の配置の仕方についても、フォトニック結晶構造3周期分の間隔より、多くすることも少なくすることも可能である。
また本実施例においては、下部、上部共振器ミラー層の上下いずれか一方、かつ一枚のみのフォトニック結晶ミラーに欠陥を導入したが、上下両方のミラー層に導入することもできる。また、上下のミラー層それぞれについて、同一層内で2枚のミラーに同時に欠陥導入することも可能である。
本実施例における電流狭窄構造も、プロトン注入による素子の高抵抗化により設けている。具体的には、フォトニック結晶構造の周囲で、かつp電極直下の領域にプロトン注入することで、電流が活性層に集中するようにしている。その他の電流狭窄構造として、結晶再成長による埋め込みヘテロ構造や、DBRミラーにおけるAlAsの選択酸化による狭窄構造などを採用することができる。
電流注入した時の振る舞いは、実施例4と同様である。
本実施例における、面発光レーザ素子を用いることにより、1枚のフォトニック結晶ミラーを用いた素子よりも、共振器ミラーの反射率を上げることができ、従って閾値電流を下げることができる。また、作製誤差などで1枚1枚のミラーの反射率が要求値に届かない場合にも、それらを複数枚重ねることで、より高い反射率を得ることができる。
(実施例6)
図15を用いて実施例6のレーザ素子の構成について説明する。図15は本実施例におけるレーザ素子中の上部ミラーを示している。
ミラー層中央部に、四角格子からなるフォトニック結晶構造15141が、15μmφの円形領域に形成されている。
その周囲を三角格子からなるフォトニック結晶構造15142が囲んでいる。フォトニック結晶構造15141には周期的に欠陥が導入されている。上部ミラー以外のレーザ素子構造は実施例2に示したものと同様のものとする。
本実施例では、フォトニック結晶構造15141の欠陥準位が、フォトニック結晶構造15142のフォトニックバンドギャップ中に相当するように構造を作製する。その結果、実施例2に記載した事と同様の原理により、ミラー領域における面内方向の光の漏れを抑えることができる。
実施例2との違いは、ミラーとして作用する中央領域と光の漏れを抑える周辺領域との基本フォトニック結晶構造が異なっている点である。
この場合、設計が比較的容易だという四角格子の特長と、一般に四角格子よりフォトニックバンドギャップが大きい(つまり、より効果的に光の漏れを抑える。)という三角格子の特長を両立させることが可能になる。
図16に、2次元フォトニック結晶のフォトニックバンド構造の一例を示す。固体媒質(屈折率3.46)中に半径0.3aの空孔(屈折率1.0)が周期的に配列した構造について計算を行った。
横軸は波数ベクトル、縦軸は光の規格化周波数である。
図16(a)は四角格子の、図16(b)は三角格子のフォトニックバンド構造である。
図16(a)と図16(b)の比較から、三角格子には166で示すフォトニックバンドギャップが存在するのに対し、四角格子にはフォトニックバンドギャップが存在しないことが分かる。つまり、面内方向の光の漏れをより効果的に抑えるためには、一般に四角格子より三角格子を用いるほうが好ましい。
本実施例においては、三角格子と四角格子を組み合わせた構造を上部ミラーのみに採用しているが、下部ミラーのみ、もしくは上下両方のミラーに採用した構成も可能である。
なお、図14に示すように、中央付近に長方形の四角空孔1403からなる四角格子状の二次元フォトニック結晶と、その周りに扱う光をフォトニックバンドギャップ効果により光をブロックする円柱空孔1402からなるフォトニック結晶1402を備えている。
このことにより、中央付近に存在することのできる光は周りのフォトニック結晶によりブロックされて二次元方向への光の損失を小さくすることができる。1402の円柱空孔は三角格子配列、1403の四角空孔は、正方配列である。なお、1450は、図中のCとD間での断面図である。
本発明に係る面発光レーザは、光通信技術、電子写真技術、表示デバイス技術、大容量記録メディアなどの産業分野において、光源として使用することができる。
本発明に係る2次元のフォトニック結晶を有するレーザ素子の模式的断面図である。 2次元のフォトニック結晶を説明するための斜視図である。 2次元のフォトニック結晶を説明するための斜視図である。 フォトニックバンド構造を表す模式図である。 欠陥を導入した2次元フォトニック結晶のフォトニックバンドを表す模式図である。 レーザ素子の構成例を示す模式的断面図である。 共振器ミラーを説明する為の模式図である。 2つの共振器ミラーの位置関係を表す模式図である。 レーザ素子の構成例を示す模式的断面図である。 レーザ素子における共振器ミラーを説明するための模式図である。 レーザ素子における共振器ミラーを説明するための模式図である。 レーザ素子の構成例を示す模式的断面図である。 レーザ素子の構成例を示す模式的断面図である。 周期構造を説明する為の模式図である。 レーザ素子における共振器ミラーを説明するための模式図である。 フォトニックバンド構造を表す模式図である。
符号の説明
1000 反射ミラー
1010 反射ミラーに設けられている屈折率周期構造を乱す部分
1020 電極
1030 スペーサ層(クラッド層)
1040 活性層
1050 スペーサ層(クラッド層)
1060 反射ミラー
1070 基板
1080 電極

Claims (12)

  1. 垂直共振器型面発光レーザ装置において、
    第1の反射ミラーと、
    屈折率が面内方向に周期的に変化する屈折率周期構造を有する第2の反射ミラーと、
    前記第1及び第2の反射ミラーとの間に介在する活性層とを備え、
    前記屈折率周期構造には、その周期を乱す部分が複数箇所に設けられ、該周期を乱す部分発光部同士互いに光結合できる間隔で配置されており、
    前記屈折率周期構造は、該屈折率周期構造の面内方向に対して垂直方向に入射した光が、該面内方向において共振を生じ、該屈折率周期構造の該面内方向に対して垂直に出射するように構成されており、
    前記周期を乱す部分のエネルギー準位は、前記屈折率周期構造が有するフォトニックバンドギャップの中央部からバンド端までの間の中央部側50%以内に位置していることを特徴とする垂直共振器型面発光レーザ装置。
  2. 前記屈折率周期構造が、二次元フォトニック結晶構造であることを特徴とする請求項1に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  3. 前記屈折率周期構造の周期を乱す部分は、前記第2の反射ミラーの面内方向に周期的または非周期的に導入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  4. 基板上に、前記第1の反射ミラー、前記活性層、前記屈折率周期構造を有する前記第2の反射ミラーをこの順に有し、該第1の反射ミラーが多層膜からなることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  5. 基板上に、前記第2の反射ミラー、前記活性層、前記第1の反射ミラーをこの順に有し、該第1の反射ミラーが多層膜からなることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  6. 基板上に、前記第1の反射ミラー、前記活性層、前記屈折率周期構造を有する前記第2の反射ミラーをこの順に有し、該第1及び第2の反射ミラーが共に屈折率周期構造からなることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  7. 基板上に、前記第1の反射ミラー、前記活性層、前記屈折率周期構造を有する前記第2の反射ミラー、及び電極がこの順に設けられており、
    該電極は該第2の反射ミラーの一部のみを被覆するように設けられており、
    前記電極の直下における前記第2の反射ミラーには、前記屈折率周期構造が設けられていないことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  8. 前記第2の反射ミラーが、屈折率周期構造をそれぞれ有する複数の層から構成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  9. 前記屈折率周期構造は、第1の媒質と該第1の媒質よりも屈折率の高い第2の媒質を含み構成されており、且つ前記屈折率周期構造を有する第2の反射ミラーと前記活性層との間に、前記第2の媒質よりも屈折率の低い媒質を含み構成される層を有することを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  10. 前記第2の媒質よりも屈折率の低い媒質を含み構成される層は、ポーラス化された材料により構成されていることを特徴とする請求項9に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  11. 前記屈折率周期構造は、周期を乱す部分を有する第1の領域と、周期を乱す部分が導入されていない第2の領域から構成されており、且つ該第1の領域を取り囲むように第2の領域が配置されていることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
  12. 前記第1の領域が四角格子からなり、前記第2の領域が三角格子からなることを特徴とする請求項11に記載の垂直共振器型面発光レーザ装置。
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