JP2006005324A - 面発光レーザ素子および面発光レーザアレイおよび光インターコネクションシステムおよび光通信システムおよび電子写真システムおよび光ディスクシステム - Google Patents

面発光レーザ素子および面発光レーザアレイおよび光インターコネクションシステムおよび光通信システムおよび電子写真システムおよび光ディスクシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、更に単一基本横モード発振において高出力が得られ、更に高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供する。
【解決手段】 基板の表面(基板面)に平行な方向に、レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅が、前記基板面に平行な面内において、互いに直交する2方向で相違している事を特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、面発光レーザ素子および面発光レーザアレイおよび光インターコネクションシステムおよび光通信システムおよび電子写真システムおよび光ディスクシステムに関する。
近年、基板と垂直方向にレーザ発振する面発光レーザ素子(面発光型半導体レーザ素子)が、精力的に研究されている。面発光レーザは、端面発光型レーザに比べて活性層体積が小さい事により発振閾値電流が低く、また、共振器構造が高速変調に適し、更に、円形状の高品質な出射ビーム形状を有する等の特徴を有している。この様な特徴から、LAN等の高速光通信光源,電子写真システムの光源として非常に注目されている。
更に、面発光レーザ素子は基板に垂直な方向にレーザ出力が取り出せる事から、高密度2次元アレイ集積が容易であり、並列光インターコネクション用光源,高速高精彩電子写真システム等への応用が検討されている。
現在、面発光レーザ素子の代表的な構造として、注入電流の狭窄構造の違いから、選択酸化型面発光レーザ素子とイオン注入型面発光レーザ素子との2種の構造を挙げる事ができる。
選択酸化型面発光レーザ素子は、Alを含む半導体層を選択的に酸化(選択酸化)する事により形成したAlの酸化物からなる選択酸化電流狭窄層により、電流の狭窄と同時に横モードの閉じ込めを行なうことが可能であり、低閾値電流,高効率動作を実現している。また、水素イオン注入型面発光レーザ素子では、水素イオン注入によって設けられた高抵抗化電流狭窄構造によって、同様に低閾値動作を実現している。この様に、いずれの構造も注入領域を素子の中央部にあたる特定の領域に狭窄する事により、端面発光型レーザに比べて低発振閾値電流を実現している。
また、光通信用途の光源では、ファイバとの結合が容易な円形のビーム形状以外にも、単一基本横モード発振が強く望まれており、選択酸化型面発光レーザ素子では、電流狭窄径を波長の3倍程度以下の寸法にする事により、この要求を満たす事ができる。しかしながら、シングルモードデバイスでは、選択酸化構造による素子抵抗と静電容量の増大が、変調帯域を制限する要因となっている。また、空間的ホールバーニングの影響により、単一基本横モードにおいて高出力発振を得る事が難しいという問題を有している。
一方、水素イオン注入型面発光レーザ素子では、選択酸化電流狭窄層による寄生容量等の問題は無いものの、作りつけの導波構造は存在せず、主に電流注入による発熱によって生じた僅かな屈折率変化によって横モードの閉じ込めが行なわれている。従って、選択酸化型面発光レーザ素子に比べて、横方向の閉じ込めは弱く、比較的大きな狭窄径に対しても、単一基本横モード発振が可能であるという特徴を持つ一方、閉じ込めが弱い事によって横モードが不安定であるという問題がある。
非特許文献1は、単一基本横モードにおける高出力発振を実現する構造として、ARROW構造(Antiresonant reflecting optical waveguides)、又はS−ARROW構造(Simplified ARROW)と呼ばれる面発光レーザ素子の構造が示されている。
この非特許文献1では、面発光レーザ素子の単一基本横モードにおける高出力化という課題に対し、反導波構造による改良を試みている。反導波構造とは、素子の発振領域を低屈折率コアとし、前記領域(低屈折率コア)のレーザ共振方向に垂直な方向における周辺を、相対的に屈折率の大きな領域により取り囲んだ構造である。この様な反導波構造では、前記のレーザ共振方向に垂直な方向における高次横モードの漏れが大きくなり、単一基本横モード発振を高い出力まで保つ事が可能である。
また、特に、非特許文献2には、低屈折率コアを形成する素子の発振領域に接して、低屈折率領域と高屈折率領域とよりなる周期構造を設け、低屈折率コアが半波長共振器となる様に共振器構造を設けた反導波構造が示されている。
この非特許文献2では、上記の構造により反導波構造において問題となっている横モードの漏洩を減少させて、7mWを超える単一基本横モード出力を得ている。
また、近年、長距離,超高速の光通信への応用を考えた場合、単一基本横モード発振以外にも、レーザ光の偏光方向によって光学部品の反射率が異なる事に起因した雑音の発生が問題となっており、レーザ光の偏光方向が特定の方向に制御されている事が、非常に強く望まれている。
レーザ光の偏光方向を制御する為の方法として、従来では、例えば、特許文献1の様に、応力を有した薄膜を用いて素子に異方性の応力を加え、活性層利得に異方性を持たせる方法や、特許文献2の様に、傾斜基板上に素子を形成する方法が開示されている。これらの方法では、いずれも活性層の光学利得に異方性が生じ、光学利得の大きい方向に偏光方向を制御する事ができる。
Applied Physics Letters vol. 76, No. 13、 2000、 pp.1659、IEEE Journal of Quantum Electronics vol.38, No.12, 2002, pp. 1599 IEEE Journal of Quantum Electronics vol.38, No.12, 2002, pp. 1599 特開平11−54838 特開2001−60739
しかしながら、上述した特許文献2に示されている、傾斜基板上に面発光レーザ素子を形成する方法では、(001)面方位を有する基板に比べて、傾斜基板上における結晶成長条件の調整,制御が難しいという問題がある。更に、発振光の偏光方向を、結晶の特定の方位に沿った方向に一括して制御する事はできるものの、個別の素子毎に、任意所望の方向に制御する事は難しい。
また、特許文献1に示されている、応力を有する薄膜によって活性層に異方性歪を加える方法では、加工条件の再現性及び制御性により、偏光制御が不安定になるという問題がある。
本発明は、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、更に単一基本横モード発振において高出力が得られ、更に高速変調が可能な面発光レーザ素子および面発光レーザアレイおよび光インターコネクションシステムおよび光通信システムおよび電子写真システムおよび光ディスクシステムを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向とで、相違している事を特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記周期構造が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項2または請求項3記載の面発光レーザ素子において、互いに直交する2方向のうちの一方向における前記周期構造の反射帯域が、同方向における基本横モードを基板面へ射影した波長に対して、長波側に設定されている事を特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの外側に、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記周期構造が、基板面に平行な面内において特定の方向に部分的に設けられている事を特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、活性層はIII−V族半導体で構成され、活性層を構成するIII族元素として、Ga,Inのうちのいずれか、又は全てを含み、また、活性層を構成するV族元素として、As,N,Sb,Pのうちのいずれか、又は全てを含んでいる事を特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子により構成されている事を特徴とする面発光レーザアレイである。
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光インターコネクションシステムである。
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光通信システムである。
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする電子写真システムである。
また、請求項11記載の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光ディスクシステムである。
請求項1乃至請求項4記載の発明によれば、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向とで、相違しているので、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、更に単一基本横モード発振において高出力が得られ、更に高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
すなわち、請求項1乃至請求項4記載の面発光レーザ素子では、偏光方向が任意所望の特定の方向に揃い、更に高出力まで単一基本横モード発振が可能である(単一基本横モード発振において高出力が得られる)。また、本面発光レーザ素子は、素子抵抗が低い事から電気的周波数特性に優れており、更に素子発熱が低く放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供する事ができる。
特に、請求項4記載の面発光レーザ素子では、高い偏光比を有して偏光方向が特定の方向に揃い、更に高出力まで単一基本横モード発振が可能である。
また、請求項5記載の発明によれば、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの外側に、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造が、基板面に平行な面内において特定の方向に部分的に設けられているので、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、更に単一基本横モード発振において高出力が得られ、更に高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供することができる。
すなわち、請求項5記載の面発光レーザ素子も、偏光方向が任意所望の特定の方向に揃い、更に高出力まで単一基本横モード発振が可能である。また、本面発光レーザ素子は、素子抵抗が低い事から電気的周波数特性に優れており、更に素子発熱が低く放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子を提供する事ができる。
また、請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、活性層はIII−V族半導体で構成され、活性層を構成するIII族元素として、Ga,Inのうちのいずれか、又は全てを含み、また、活性層を構成するV族元素として、As,N,Sb,Pのうちのいずれか、又は全てを含んでいるので、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、単一基本横モード発振において高出力が得られ、高速変調が可能であり、更に温度特性に優れた長波長帯面発光レーザ素子を提供する事ができる。
より具体的に、請求項6記載の発明では、GaAs基板上に1.1μmから1.6μmまでの発振波長を持つ面発光レーザ素子を提供することができる。また、GaAs基板上では、特性の優れたAlGaAs混晶による分布ブラッグ反射器を用いる事が可能であり、特性の優れた素子を提供できる。更に、これらの材料の中でもGaInAsに数%以下の窒素を微量添加したGaInNAs材料は、GaAs等のバリア層に対し伝導帯バンド不連続量が大きく、従来のInP基板上における同波長帯の素子と比べ良好な温度特性を有した素子を提供できる。更に、請求項1乃至請求項5と同様に、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、高出力まで単一横モード発振が可能であり、更に高速変調が可能な特に光ファイバ通信に好適な面発光レーザ素子を提供することができる。
また、請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子により構成された事を特徴とする面発光レーザアレイであるので、偏光方向を任意所望の特定の方向に安定して制御することができ、単一基本横モード発振において高出力が得られ、更に高速変調が可能なモノリシック面発光レーザアレイを提供することができる。
すなわち、請求項7記載の発明では、偏光方向が任意所望の特定の方向に揃い、高出力まで基本横モード発振が可能であり、更に高速変調が可能なビーム品質の良い面発光モノリシックレーザアレイを提供することができる。
また、請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光インターコネクションシステムであり、偏光方向が任意所望の特定の方向に安定して制御され、基本横モードで高出力まで発振が得られ(単一基本横モード発振において高出力が得られ)、更に高速変調が可能な面発光レーザ、または、面発光レーザアレイを光源とした事により、高速伝送が可能な信頼性の高い光インターコネクションシステムを提供することができる。
また、請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光通信システムであり、偏光方向が任意所望の特定の方向に安定して制御され、基本横モードで高出力まで発振が得られ(単一基本横モード発振において高出力が得られ)、更に高速変調が可能な面発光レーザ、または、面発光レーザアレイを光源とした事により、光ファイバ通信に好適な信頼性の高い光通信システムを提供することができる。
また、請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする電子写真システムであり、偏光方向が任意所望の特定の方向に安定して制御され、基本横モードで高出力まで発振が得られ(単一基本横モード発振において高出力が得られ)、更に高速変調が可能な面発光レーザ、または、面発光レーザアレイを光源とした事により、高精細で高速書き込みが可能な低コストの電子写真システムを提供することができる。
また、請求項11記載の発明によれば、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光ディスクシステムであり、偏光方向が任意所望の特定の方向に安定して制御され、基本横モードで高出力まで発振が得られ(単一基本横モード発振において高出力が得られ)、更に高速変調が可能な面発光レーザ、または、面発光レーザアレイを光源とした事により、信頼性に優れた、高速アクセスが可能な光ディスクシステムを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
本発明では、偏光方向を制御するのに、反導波構造を有する面発光レーザ素子において、横モードの閉じ込めに異方性を持たせるようにしている。
(第1の形態)
本発明の第1の形態は、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向とで、相違している事を特徴としている。
すなわち、本発明では、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造の構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向において相違する構成とし、低屈折率コアの幅、または、周期構造の構造が、特定の一方向と該特定の一方向以外の方向とで異方性形状(構造)を有する様にしている。
ここで、低屈折率コアは、具体的には、電流注入領域に対応したレーザ発振領域とすることができる。
また、上記の特定の一方向以外の方向における低屈折率コアの幅、または、周期構造は、更に互いに異なった方向間において夫々相違していても良く、また同じであっても良い。
また、以後、本明細書中において、単に「基板面に平行な方向に設けた屈折率の周期構造」、又は「屈折率の周期構造」と記した場合は、「レーザ共振方向に垂直な方向に設けた実効屈折率が低屈折である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造」の事を指すものとする。
この第1の形態では、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造の構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向において相違する構成とし、低屈折率コアの幅、または、周期構造の構造が、特定の一方向と該特定の一方向以外の方向とで異方性形状(構造)を有する様にしている事によって、基板面に平行な面内に設けた屈折率の周期構造による横モードの閉じ込めの強さに異方性を生じさせ、特定の方向に偏光を有した基本横モードのみを選択的に発振させる事ができる。以下、より詳細な説明を行なう。
前述した非特許文献2には、反導波構造(ARROW構造)と、レーザ共振方向に垂直な方向に設けた屈折率の周期構造による横モードの閉じ込めについて、記載がなされている。ここで、反導波構造とは、基板の表面(基板面)に平行な面内において、レーザ共振が生じる領域を、これの周辺領域(高屈折率クラッド)に対して実効屈折率が相対的に低屈折率となる様に、横モードの導波構造を形成した構造を指す。更に、この非特許文献2には、横モードの回折損失を低減する為に、高屈折率クラッド層中において、基板面に平行な面内に実効屈折率が低屈折である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けてなる周期構造を形成した例が示されている。
この非特許文献2に記載されている様に、単一の低屈折率コアと高屈折率クラッドのみから形成される反導波路構造では、高屈折率クラッド中における基板面に平行な方向の波長λは、低屈折率コアの屈折率n、高屈折率クラッドの屈折率n、真空中における光の波長λ、及び低屈折率コアの幅dを用いて、次式(数1)の様に近似する事ができる。ここで、基板面に平行な方向の波長とは、光波の基板面に平行な方向における伝搬係数(波数)に対応した波長を意味しており、任意の方向に伝搬する光波を基板面に射影した際の波長を意味する。
Figure 2006005324
数1において、mは横モードの次数である。つまり、基板面に平行な方向における波長λは、低屈折率コアの屈折率n、高屈折率クラッドの屈折率n、及び低屈折率コアの幅dによって決まっている。
また、特に、低屈折率コア,高屈折率クラッドの屈折率n,nが一定の場合には、波長λは、数1の様に低屈折率コアの幅dに依存して決まる。
従って、高屈折率クラッドが一様な屈折率を有する場合は、低屈折率コアの幅dに応じて基板面に平行な方向の波長λが変化する。具体的には、非特許文献2に記載されている様に、n=3.3, n=3.35, λ=0.98μm, d=8μmに対し、0次、1次、2次モードの基板面に平行な方向の波長λは、それぞれ、1.70μm, 1.66μm, 1.62μmとなる。
ここで、基板に平行な方向に設けた周期構造を形成する各領域の幅を、それぞれの領域中における基本横モードの横方向の波長(基板面に平行な方向の波長)の1/4の奇数倍の幅に選ぶ事によって、レーザ共振方向と同様な共振器構造を設ける事ができる。但し、この場合は、共振器部分が相対的に低屈折率であるので、共振器部分と屈折率の周期構造との境界において、定在波の電界強度が零と成る半波長共振器が形成される。
この様な構成とすると、基本横モードは、屈折率の周期構造によって低屈折率領域に閉じ込められ、基板面に平行な方向へのモード漏洩が抑制され、モード損失を低減する事ができる。ここで、屈折率の周期構造の周期数を比較的少ない数に選んでおくと、反射帯域(ストップバンド)の幅が小さくなる点と、上述の様に、高次横モードが基本横モードに対して約40nmと比較的大きな波長間隔を有する点とから、高次横モードに対する共振波長は、屈折率の周期構造によるストップバンドから外れ、基本横モードのみを選択的に基板面に平行な方向に閉じ込める事ができる。
なお、レーザ共振方向に垂直な方向(基板に平行な方向)に屈折率の異なる領域を設ける方法としては、非特許文献2に示されている様に、垂直方向(レーザ共振方向)の共振波長を面内において異なる波長とする事により実現する事ができる。
つまり、基板面に平行な方向の実効屈折率変化△nと共振波長変化△λの間には、等価的に、次式(数2)の関係が存在する事が知られており、共振波長を他の領域に対し相対的に長波長とする事によって、実効屈折率を相対的に大きく、また、共振波長を他の領域に対し相対的に短波長とする事によって、実効屈折率を相対的に小さくする事ができる。
Figure 2006005324
共振波長を大きく変化させる為には、共振器スペーサー層等の様にレーザ共振領域周辺の層の厚さを変化させる事が効果的である。非特許文献2の素子では、エッチングと再成長技術を用いて、エッチングが行われた特定の領域における特定の半導体層の厚さを周辺領域に対して相対的に薄く形成し、周辺領域に対して実効屈折率が相対的に低い領域を形成している。
以上の従来技術では、低屈折率コアの周辺に実効屈折率が低屈折である領域と高屈折率である領域からなる屈折率の周期構造を設ける事により、基板面に平行な方向へのモードの漏洩が低減できるとともに、基本横モードのみを選択的に閉じ込める事が可能になり、単一基本横モードにおける高出力動作が得られる。
次に、本発明の第1の形態の面発光レーザ素子における構成および動作について、具体的に説明する。
本発明の面発光レーザ素子では、低屈折率コアと、基板面に平行な方向における前記低屈折率コアの周辺に、屈折率の周期構造を設けた反導波構造を有する従来技術の素子の様な面発光レーザ素子において、基板面に平行な方向における前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造の構成に異方性を設け、互いに異方性を有した方向における横モードの閉じ込めの大きさを夫々異なった大きさに制御し、レーザ発振光の偏光方向を特定の方向に制御するとともに、単一基本横モードにおいて高出力動作を得る事を可能とするものである。
つまり、上述した様に、反導波構造における横方向の波長は、低屈折率領域及び高屈折率領域の屈折率差、低屈折率コアの幅に依存して決まり、また周期構造の反射帯域(ストップバンド)反射率は、低屈折率領域及び高屈折率領域の幅、及び繰り返し周期等の周期構造に依存して決まる。従って、基板面に平行な方向におけるこれらの幅、または構造に異方性を設ける事によって、基板面に平行な方向のモード閉じ込めを異なる大きさに設定する事ができる。横モードの閉じ込めを異なる大きさに設定する事により、基板面に平行な方向に対するモードの漏洩による損失、または、モード分布と電流注入領域に対応した利得領域との結合を異なったものとする事ができる。
即ち、特定の方向に対するモードの漏洩損失が大きくなる様に、又はモード分布と利得領域との結合が小さくなる様に上記の構造を選ぶ事によって、この方向に電場振幅(偏光)を有するモードの発振を抑制する事ができる。
以上の様に、第1の形態では、高屈折率領域と低屈折率領域による周期構造によって、単一基本横モードによる高出力動作を得られ、また、基板面に平行な方向において前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造の構成に異方性を設けた事により、偏光方向を特定の方向に制御することができる。
また、本発明の面発光レーザ素子の電流狭窄構造としては、水素イオン注入による高抵抗化領域を用いる事が望ましい。水素イオン注入による高抵抗化領域は、屈折率変化を殆どが生じないので、屈折率の周期構造の設計が容易になる。更に、従来の選択酸化型面発光レーザ素子の様に電流狭窄構造の形成に選択酸化工程を必要としないので、メサを形成する必要がない。従って、横方向への放熱性に優れている。また、本発明の面発光レーザ素子は、電流狭窄と横モードの制御を異なる構造によって行なっているので、従来の選択酸化型面発光レーザ素子の様に単一基本横モード制御のために、電流狭窄径を微小に絞る必要が無く、素子を低抵抗に形成する事が容易である。また選択酸化電流狭窄層を素子構成に含まないので、寄生容量の問題が無い。また、従来の水素イオン注入型面発光レーザ素子と比べた場合には、横モードが不安定であるという点が改良されている。また、素子抵抗,容量が小さい事により、電気的な周波数特性に優れている。また更に、素子発熱が低く、放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子が得られる。
(第2の形態)
本発明の第2の形態は、第1の形態の面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴としている。
第2の形態では、第1の形態の面発光レーザ素子において(すなわち、レーザ共振領域を低屈折率コアとした反導波型面発光レーザ素子において)、前記低屈折率コアの幅が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事によって、基板面に平行な面内に設けた屈折率の周期構造による横モードの閉じ込めの強さに異方性を生じさせ、特定の方向に偏光を有した基本横モードのみを選択的に発振させる動作を得る事ができる。以下、より詳細な説明を行なう。
前述の様に、高屈折率クラッド層における基板面に平行な方向の波長λは、低屈折率コア,高屈折率クラッドの屈折率n,nが一定の場合には、数1の様に低屈折率コアの幅dに依存して決まるので、本発明の第2の形態の様に、低屈折率コアの幅を直交する2方向において異なった幅に形成した場合は、それぞれの方向における基板面に平行な方向の波長は異なった波長となる。
従って、前記の互いに直交する2方向に対し、基板面に平行な面内に設けた屈折率の周期構造として、同じ構造を有する周期構造を設けると、互いに直交する2方向における基板面に平行な方向の波長が異なる事により、横モードの閉じ込めの強さは異なったものとなる。従って、互いに直交する2方向の内、一方の方向(以後、この方向を第一の方向と呼ぶ)に対して、屈折率の周期構造による基本横モードの閉じ込めが最も効率良く行なわれる様に周期構造の幅及び周期を選ぶと、残る一方の方向(以後、この方向を第二の方向と呼ぶ)に対しては、第二の方向における基本横モードの基板面に平行な方向の波長が、第一の方向における波長と異なる事によって基本横モードの閉じ込めの作用が小さくなり、基板面に平行な方向へのモードの漏洩が大きくなる。よって、第二の方向における基板面に平行な方向への損失は高く、第一の方向に偏光を有した基本横モードを選択的に発振させる事ができる。
以上の様に、特定の方向(第一の方向)における基本横モードの、基板面に平行な方向における波長に対して、閉じ込め効率が最大となる様に屈折率の異なる周期構造を設けた場合、これと直交する方向(第二の方向)における低屈折率コアの幅を第一の方向における低屈折率コアの幅と相違させる事によって、第一の方向に偏光を有した基本横モードのみを選択的に発振させる事ができる。更に、高屈折率領域と低屈折率領域による周期構造は、基本横モードのみを選択的に閉じ込めている事により、高出力まで単一基本横モード発振を維持する事ができる。
また、本発明の面発光レーザ素子の電流狭窄構造としては、第1の形態と同様に水素イオン注入による高抵抗化領域を用いる事が望ましい。この場合、第1の形態に記載した動作と同様の動作が得られ、素子抵抗、容量が小さく電気的な周波数特性に優れた素子が得られる。また更に、素子発熱が低く、放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子が得られる。
(第3の形態)
本発明の第3の形態は、第1の形態の面発光レーザ素子において、前記周期構造が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴としている。
第1,第2の形態で説明した様に、低屈折率コアの周辺に設けられる周期構造は、周期構造を構成する低屈折率領域及び高屈折率領域の幅を、それぞれの領域中における基本横モードの横方向の波長(基板面に平行な方向の波長)の1/4の奇数倍の幅に選ぶ事により、効果的に基本横モードの閉じ込めを行なう事ができる。この様に、横モードの閉じ込め効率は、周期構造を形成する領域の幅等の構成に依存して決まっている。
また、前述した様に、高屈折率クラッド層における基板面に平行な方向の波長λは、低屈折率コアと、高屈折率クラッドの屈折率n,nが一定の場合には、数1の様に低屈折率コアの幅dに依存して決まので、例えば低屈折率コアが正方形の様に等方性形状を有する場合は、基板面に平行な方向の波長λは、互いに直交する2方向において同じ波長となる。
従って、第3の形態の様に、周期構造の構成に異方性を設けた場合、互いに異方性を設けた方向における横モードの閉じ込めを異なる大きさに設定する事ができる。例えば、互いに直交する2方向の内、一方の方向(以後、方向を第一の方向と呼ぶ)に対しては、屈折率の周期構造による基本横モードの閉じ込めが最も効率良く行なわれる様に、つまり、周期構造が基本横モードのみに対してブラッグ反射の位相条件を満たす様に高屈折率領域及び低屈折率領域の幅をそれぞれの領域中における基本横モードの基板面に平行な方向の波長の1/4の奇数倍の幅とし、更に第一の方向と直交する第二の方向に対してはこれ以外の幅とした場合、第二の方向では、ブラッグ反射の条件が満たされていないので、第一の方向に比べて横モードの閉じ込めが小さくなる。つまり、第二の方向においては、モードの漏洩による損失の為に、この方向に電場振幅(偏光)を有するモードは発振が抑制される。以上から、第一の方向に偏光を有した基本横モードのみが選択的に発振する。
この様に、第3の形態では、低屈折率コアの周辺に設けた屈折率の周期構造に異方性を設ける事により、特定の方向に偏光が制御され、更に単一基本横モードにおいて高出力動作が可能な面発光レーザ素子が得られる動作を有する。また、周期構造に異方性を設ける方法としては、低屈折率領域及び高屈折率領域の幅等に加え、これらの屈折率差及び繰り返し周期等も挙げられる。
また、本発明の面発光レーザ素子の電流狭窄構造としては、第1の形態と同様に水素イオン注入による高抵抗化領域を用いる事が望ましい。この場合、第1の形態に記載した動作と同様の動作が得られ、素子抵抗、容量が小さく電気的な周波数特性に優れた素子が得られる。また更に、素子発熱が低く、放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子が得られる。
(第4の形態)
本発明の第4の形態は、第2または第3の形態の面発光レーザ素子において、互いに直交する2方向のうちの一方向における前記周期構造の反射帯域が、同方向における基本横モードを基板面へ射影した波長に対して、長波側に設定されている事を特徴としている。
第2,第3の形態の面発光レーザ素子において、高出力まで高い偏光比を得る為には、上記第二の方向に偏光を有するモードの発振を効果的に抑制する必要がある。この為には、第二の方向における周期構造の反射帯域(ストップバンド)を、前記第二の方向における基本横モードの横方向の波長(基板面に射影した波長)に対し相対的に長波に設定しておく事が効果的である。
つまり、数1の様に、高次横モードの横方向の波長は基本横モードの横方向の波長に対して常に短波であるので、屈折率の周期構造におけるストップバンドを、基本横モードの横方向の波長に対し、長波長側に設定しておく事によって、全てのモードに対して反射率を低く設定する事が可能であり、モードの漏洩損失を大きくする事ができる。これにより、第二の方向に偏光を有したモードの発振が効率良く抑制され、高い偏光比を得る事ができる。ここで、基本横モードを基板面に射影した波長は、面発光レーザ素子の構造から、数1を用いて見積もる事ができる。
以上の様に、第4の形態では、より効果的に第二の方向に電場振幅(偏光)を有するモードの発振を抑制する事が可能になり、高出力まで高い偏光比を有した単一基本横モード発振が得られる。
(第5の形態)
本発明の第5の形態は、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの外側に、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記周期構造が、基板面に平行な面内において特定の方向に部分的に設けられている事を特徴としている。
ここで、低屈折率コアは、具体的には、電流注入領域に対応したレーザ発振領域とすることができる。
この第5の形態では、基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの外側に、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記周期構造が、基板面に平行な面内において特定の方向に部分的に設けられている事によって、低屈折率領域と高屈折領域とからなる周期構造を設けた方向(以後、第1の形態の構成および動作と同様に、偏光方向の制御を行なう方向を第一の方向とする)においては、基本横モードを選択的にかつ効果的に閉じ込める事が可能であり、高出力まで単一基本横モードで発振が得られる。また、周期構造を設けていない第二の方向(以後、第1の形態の構成および動作と同様に、レーザ発振を抑制する方向を第二の方向とする)においては、完全な反導波であり、横モードの閉じ込め構造をもたないので、基板面に平行な方向へのモードの漏洩による損失が大きく、発振が抑制される。以上から第一の方向に偏光を有した単一基本横モード発振を得ることができる。
また、第一の方向における高屈折率領域と低屈折率領域による周期構造は、基本横モードのみを選択的に閉じ込めているので、高次横モードに対しては第二の方向と同様に損失が大きい。よって、第一の方向に偏光が揃い、高出力まで単一基本横モード発振を得る事ができる。
また、本発明の第5の形態の面発光レーザ素子の電流狭窄構造としては、第1乃至第4の形態と同様に水素イオン注入による高抵抗化領域を用いる事が望ましい。この場合、第1乃至第4の形態において説明した動作と同様の動作が得られ、素子抵抗,容量が小さく電気的な周波数特性に優れた素子が得られる。また更に、素子発熱が低く、放熱性が高い事から、高い微分利得と高出力が得られるので、高い緩和振動周波数を得る事ができる。以上から高速変調が可能な面発光レーザ素子が得られる。
(第6の形態)
本発明の第6の形態は、第1乃至第5のいずれかの形態の面発光レーザ素子において、活性層はIII−V族半導体で構成され、活性層を構成するIII族元素として、Ga,Inのうちのいずれか、又は全てを含み、また、活性層を構成するV族元素として、As,N,Sb,Pのうちのいずれか、又は全てを含んでいる事を特徴としている。
このように、第6の形態の面発光レーザ素子では、活性層を構成するIII族元素として、Ga,Inのうちのいずれか、又は全てを含み、また、V族元素として、As,N,Sb,Pのうちのいずれか、又は全てを含んでいる構成としている。活性層材料として上記の材料を用いる事で、GaAs基板上に1.1μmから1.6μmまでの発振波長を持つ面発光レーザ素子が得られる。GaAs基板上では、特性の優れたAlGaAs混晶による分布ブラッグ反射器を用いる事が可能で、特性の優れた素子が得られる。更に、これらの材料の中でもGaInAsに数%以下の窒素を微量添加したGaInNAs材料は、GaAs等のバリア層に対し伝導帯バンド不連続量が大きく、従来のInP基板上における同波長帯の素子と比べ良好な温度特性を有している。更に、第1乃至第5の形態によって、偏光方向が特定の方向に揃っている為に、光学系の偏光方向に対する反射率の違いに起因する雑音の影響が無く、更に高出力まで単一横モード発振が得られるので、特に光ファイバ等に対する結合効率が高い。以上から、光ファイバ通信に好適な面発光レーザ素子を提供できる。
(第7の形態)
本発明の第7の形態は、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子により構成されていることを特徴とする面発光レーザアレイである。
第7の形態の面発光レーザアレイでは、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子によってモノリシックレーザアレイを構成している。この第7の形態によれば、偏光方向が任意所望の特定の方向に揃ったモノリシックアレイを容易に形成する事ができる。また、更に高出力まで基本横モード発振が可能なビーム品質の良い面発光レーザアレイを得る事ができる。従って、第7の形態の面発光レーザアレイは、電子写真システムのマルチビーム書き込み系や、長距離の光通信システム等に好適な光源として用いることができる。また、本発明の面発光レーザアレイでは、個々の素子の偏光方向は、写真製版工程におけるレジストのパターニングにより、任意の方向へ設定する事が可能であり、アレイ内の任意の素子における偏光方向を、個々に設定した面発光レーザアレイを得る事が可能である。
(第8の形態)
本発明の第8の形態は、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光インターコネクションシステムである。
第8の形態の光インターコネクションシステムでは、光インターコネクションシステムの光源として、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられている。本発明の面発光レーザ素子,面発光レーザアレイでは、偏光方向が特定の方向に制御されている為、偏光方向による光学系の反射率等の違いに起因する雑音の影響が無い。また、基本横モードで、高出力まで発振が得られるので、光ファイバとの結合が高い。また、高次横モードの発振が抑制されている事から、出力等の素子の動作状態が変化した場合でも、結合率が変化しファイバへの光入力が変化する様な事が非常に少ない。よって、これを用いた光インターコネクションシステムは、信頼性の高いものとなる。
(第9の形態)
本発明の第9の形態は、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光通信システムである。
第9の形態の光通信システムでは、通信光源として、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられている。本発明の面発光レーザ素子,面発光レーザアレイでは、偏光方向が特定の方向に制御されている為、偏光方向による光学系の反射率等の違いに起因した雑音の影響が無い。更に、基本横モードで、高出力まで発振が得られるので、光ファイバとの結合が高い。また、高次横モードの発振が抑制されている事から、出力等の素子の動作状態が変化した場合でも、結合率が変化しファイバへの光入力が変化する様な事が非常に少ない。また、従来に比べ、高出力が得られるので、長距離の通信が可能である。よって、これを用いた光通信システムは、信頼性の高いものとなる。
(第10の形態)
本発明の第10の形態は、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする電子写真システムである。
第10の形態の電子写真システムは、書き込み光源として、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられている。
電子写真システムでは、光学系の設計の冗長度が小さく、偏光方向の違いによる反射率等の影響が非常に大きく、従来の偏光方向の制御がなされていない面発光レーザ素子では、高精細な電子写真システムを得る事が難しかった。これに対し、本発明の面発光レーザ素子,面発光レーザアレイでは、偏光方向が特定の方向に制御されている為、高精細な電子写真システムを構成する事ができる。また、従来の面発光レーザ素子は、出力が小さく、電子写真システムの書き込み光源として用いる事が難しかったが、本発明の面発光レーザ素子,面発光レーザアレイでは、基本横モードで、高出力まで発振が得られる。従って、電子写真システムの書き込み光源として用いる事が容易である。また、面発光レーザ素子を電子写真システムの書き込み光源として用いると、出射ビームが円形である事から、ビーム成形が容易である。更に、高いアレイ間の位置精度を有している事から、同一のレンズで、複数のビームを再現性良く、容易に集光する事ができる。よって、光学系が簡単で済み、低コスト,高精彩なシステムを得る事ができる。また、本発明の面発光レーザ素子は、出力が大きい事から、特にアレイを用いた場合には高速書き込みが可能である。以上の様に、低コスト,高精彩の電子写真システムを提供することができる。
(第11の形態)
本発明の第11の形態は、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられていることを特徴とする光ディスクシステムである。
第11の形態の光ディスクシステムは、読み出し,書き込み光源として、第1乃至第6のいずれかの形態の面発光レーザ素子、又は、第7の形態の面発光レーザアレイが用いられている。
光ディスクシステムの中でも、光磁気ディスクは信号の読み取りに直線偏光を有するレーザ光源が必要である。本発明の面発光レーザ素子は、上述したように、偏光方向が特定の方向に揃った直線偏光を有するので、従来応用する事が困難であった光磁気ディスクの読み出し光源に用いる事ができる。
また、従来の面発光レーザ素子は、単一基本横モード発振における出力が小さく、光ディスクシステムの光源として用いる事が難しかったが、本発明の面発光レーザ素子,面発光レーザアレイでは、基本横モードで、安定に高出力まで発振が得られる。従って、光ディスクシステムの書き込み光源として用いる事が可能でき、また信頼性の高い光ディスクシステムを構成する事が可能である。また、面発光レーザアレイを用いる事により、高密度の読み出し,書き込みが可能であり、高速な光ディスクシステムを構成する事が可能である。以上の様に、信頼性に優れた、高速アクセスが可能な光ディスクシステムを提供する事ができる。
図1(a),(b),(c)は実施例1の面発光レーザ素子を示す図である。なお、図1(a)は上面図、図2(b),(c)はそれぞれ、図1(a)に示した第一の方向,第二の方向における断面図である。
実施例1の面発光レーザ素子は、InGaAsを活性層材料とした0.98μm帯を発振波長とする面発光レーザ素子である。実施例1の面発光レーザ素子は、有機金属気相成長法(MOCVD法)により結晶成長を行なうことで作製され、この場合、III族原料には、トリメチルアルミニウム(TMA),トリメチルガリウム(TMG),トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族原料には、アルシン(AsH)ガスを用いている。また、p型ドーパントであるC(炭素)のドーピング原料にはCBrを用い、n型ドーパントであるSeのドーピング原料にはHSeを用いている。以下、その構造を製造工程に従い説明する。
実施例1の面発光レーザ素子は、先ず、n−GaAs基板101上に、n−GaAsバッファー層102、n−AlAs/GaAsの対を1周期とした36周期のn−AlAs/GaAs下部半導体分布ブラッグ反射器103、ノンドープGaAs共振器スペーサー104、InGaAs/GaAs多重量子井戸活性層105、ノンドープGaAs共振器スペーサー106、p−Ga0.5In0.5P層107、p−GaAs層108が順次に結晶成長されている。
ここで、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各半導体層の厚さは、夫々の半導体層中おけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(夫々の半導体層中における発振波長の1/4の厚さ)になるように形成されている。また、p−GaInP層107は、上部分布ブラッグ反射器を構成する一部の層として形成され、p−GaInP層107の厚さはGaInP層内におけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(GaInP層中における発振波長の1/4の厚さ)となる様に結晶成長が行われている。また、p−GaAs層108の厚さは50nmとしている。なお、上部分布ブラッグ反射器は、層107,108,109によって構成されている。
また、InGaAs/GaAs量子井戸活性層105と、これの上下に設けられているGaAs共振器スペーサー層104,106の厚さは、これらの半導体層中におけるレーザ発振光の位相変化の合計が2πとなる厚さに設けられており、一波長共振器を形成している。また、InGaAs/GaAs量子井戸活性層105は、高い誘導放出確率を得る為に、共振器スペーサー層の中央の、発振光の定在波の腹に対応する位置に設けられている。
この実施例1の様に、共振器スペーサー層104,106の屈折率が、これと接する半導体分布ブラッグ反射器を構成する半導体層103,107の屈折率よりも大きい場合には、共振器スペーサー層104,106、及び活性層105における発振光の位相変化が2πの整数倍となる様に選ぶ事により、共振器スペーサー層104,106の中央に設けた活性層が、定在波の節に対応する様に共振器構造(1λ共振器構造)を形成する事ができる。この際、半導体分布ブラッグ反射器と共振器スペーサー層104,106の境界は発振光の定在波の腹に対応した位置となっている。
次に、図1(a)に示した高屈折率領域に対応したレジストパターンを素子表面に形成し、硫酸系エッチャントを用いて、図1(a)の低屈折率領域に対応する領域のp−GaAs層108を湿式エッチングにより除去した。ここで、p−GaAs層108の湿式エッチングは、これの下層であるp−GaInP層107をエッチング停止層として選択的に行なっている。
次に、レジストの除去を行い、適切な表面清浄化処理を施した後、再成長によって、p−AlAs/GaAs半導体分布ブラッグ反射器の結晶成長を行った。ここで、p−AlAs/GaAs半導体分布ブラッグ反射器の結晶成長は、p−GaAs層108から行っており、p−GaAs層108の厚さは、GaAs層中における発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(GaAs層中における発振波長の1/4の厚さ)になる様に成長を行なっている。従って、p−GaAs層108のエッチングが行なわれた領域では、設計のレーザ共振波長に対し、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各層の厚さは半導体分布ブラッグ反射器の多重反射の位相条件が満たされる様に設けられている。また、p−GaAs層108のエッチング除去が行われなかった領域では、エッチングが行なわれた領域に対し、GaAs層の厚さが厚く形成されている。また、上部p−AlAs/GaAs分布ブラッグ反射器の最表面GaAs層109には、表面部の炭素濃度を高濃度としたコンタクト層(図示せず)を設けている。
次に素子表面にレジストパターンを形成し、水素イオン注入を行い、高抵抗化領域からなる電流狭窄構造110が形成されている。ここで、電流狭窄構造110の電流狭窄径は8μmとしている。ここで、水素イオン注入が行われなかった領域(電流注入領域)は、図1(a)において斜線領域で示されており、低屈折率コアの内側に、低屈折率コアと空間的に重なる様に形成されている。次に、素子表面にp側電極111を形成し、裏面研磨の後基板裏面にn側電極112の形成を行って、図1(b),(c)に示すような面発光レーザ素子としている。
この様に、エッチングと再成長を用いて、共振器スペーサー層の近くに位置する分布ブラッグ反射器の構成層の厚さに変化を与える事により、面内の所望の位置におけるレーザ共振方向(基板に垂直な方向)のレーザ共振波長を、効率良く変化させる事が可能である。
ここで、エッチングが行われた領域における共振波長は、エッチングが行われなかった領域の共振波長に対し、相対的に短波長となっている。即ち、第1の形態で説明した様に、基板に平行な方向における実効屈折率は相対的に小さくなる。具体的には、50nmの共振波長のシフトに対し、およそ0.1程度の実効屈折率の変化を得る事が可能である。
次に、実施例1の面発光レーザ素子の具体的な構造について詳しく説明する。
実施例1の面発光レーザ素子では、図1(a)に示す様に基板面に平行な方向に、レーザ発振領域を中心とした、実効屈折率が小さな領域からなる低屈折率コアを備えている。また、更に低屈折率コアの周辺には、高屈折率領域からなるクラッド層を備えており、これらによる反導波構造が形成されている。また、高屈折率クラッド層中の低屈折率コアに接した領域には、低屈折率領域と高屈折率領域との繰り返しによる3周期の屈折率の周期構造が設けられている。
ここで、低屈折率コアの形状は、図1(a)に示した様に長方形であり、第一の方向における低屈折率コアの幅D1は、第二の方向における低屈折率コアの幅D2に対して、相対的に広く設けられている。具体的に、実施例1の面発光レーザ素子における低屈折率コアは、第一の方向における幅D1が10μm、第二の方向における幅D2が8μmとなるように構成されている。
また、基板面に平行な方向における波長は、数1で示されている様に、低屈折率コアの幅d,実効屈折率nと、これを取り囲む高屈折率層の実効屈折率nによって決まり、低屈折率コアの幅dが互いに異なる第一の方向と第二の方向とでは、基板面に平行な方向の波長は異なった波長になっている。ここで、第一の方向における高屈折率クラッド層中の基本横モードの基板面に平行な方向の波長をλ とし、第二の方向における高屈折率クラッド層中の基板面に平行な方向の波長をλ とする。なお、基板面に平行な方向の波長とは、前述の様に、高屈折率クラッド層中における基本横モードの、基板面に平行な方向の波数に対応した波長を意味している。
また、更に、第一の方向と第二の方向との両方向において、周期構造を形成する高屈折率領域の幅d1及び低屈折率領域の幅d2は、第一の方向における基板面に平行な方向の基本横モードの波長に対し、夫々の領域中の夫々の方向における位相変化がπ/2の奇数倍(夫々の媒質中における基板面に平行な方向の波長の1/4の奇数倍)となる厚さに形成されている。つまり、第一の方向においては、屈折率の異なる領域から形成された周期構造を反射鏡として垂直方向と類似な共振器構造が形成されている。但し、第一の方向に形成された共振器構造は、コアの屈折率が、これと第一の方向に接する高屈折領域に比べ小さい為に、低屈折率コアと高屈折領域との境界が定在波の節となるいわゆる半波長共振器構造を形成している。
ここで、低屈折率領域における基板面に平行な方向の波長は、低屈折率コアの幅の2倍に対応する。従って、低屈折領域の幅d2を第一の方向における低屈折率コアの幅D1に対して、2・D1の1/4倍の厚さに形成する事により、上記の条件が満たされる。一方、高屈折領域における基板面に平行な方向の波長λ は、数1より求める事ができ、高屈折領域の幅d1を、第一の方向における基板面に平行な方向の波長λ の1/4倍の厚さに形成する事により、上記の条件が満たされる。ここで、具体的に、この実施例1の面発光レーザ素子では、d1=1.27μm (3λ /4)、d2=5μm (D1/2)としている。
この様に、第一の方向に対しては、周期構造による反射帯域(ストップバンド)は、基本横モードの基板面に平行な方向の波長λ に対応する様に選ばれているので、第一の方向に偏光を有した基本横モードは、基板面に平行な方向に設けた共振器構造により共振し、低屈折率コア中に閉じ込められる。ここで、ストップバンドの幅は、周期構造の周期数を少なく選ぶ事により狭くなるので、基本横モードのみを選択的に閉じ込める事が可能であり、この実施例1の素子における周期構造は、第一の方向に偏光を有する基本横モードのみを選択的に閉じ込める。
これに対し、第二の方向では、低屈折率コアの幅が第一の方向における幅と異なり狭く形成されているので、第二の方向に偏光を有する基本横モードの基板面に平行な方向の波長λ は、第一の方向に偏光を有する基本横モードの基板面に平行な方向の波長λ と異なり短波長になっており、λ の値が屈折率の周期構造によるストップバンドから外れる事により、第一の方向に比べて横モードの閉じ込めが小さくなっている。従って、第二の方向における横モードは、基板面に平行な方向へ漏洩し、モード漏洩による損失によって発振が抑制される。
また、高次横モードほど、基板面に平行な方向(基板に平行方向)の波長が短波長であるので、この実施例1の様に、第二の方向における低屈折率コアの幅D2を第一の方向における低屈折率コアの幅D1に対して狭く選ぶ事により、第二の方向の基板面に平行な波長は、全ての高次横モードにおいて、第一の方向における基本横モードの基板面に平行な方向の波長に対し短波長とする事ができる。つまり、第一の方向に対して最適となる様に構造を選んだ屈折率の周期構造のストップバンドから外れた波長に設定する事が可能である。従って、第二の方向における全ての高次横モードの損失を大きくする事ができ、効率良く発振を抑制する事ができる。
この実施例1の面発光レーザ素子は、高出力まで第一の方向に偏光を有した単一基本横モード発振を得る事が可能であった。
また、更に、この実施例1の面発光レーザ素子は、選択酸化型面発光レーザ素子の様に選択酸化電流狭窄層によって横モード制御を行っていないので、電流狭窄径を大きくする事が可能であり、低抵抗である。更にエッチングによりメサ形状を形成していないので、放熱性にすぐれている。このように、この実施例1の素子は、熱による出力の飽和レベルが高かった。また、選択酸化型面発光レーザ素子の様に、構造内に選択酸化電流狭窄層を含まない構造となっているので、寄生容量が非常に少なく、高速変調が可能であった。
また、この実施例1では、レーザ共振方向に垂直な方向(基板に平行な平行)に設けた屈折率の周期構造、及び水素イオン注入領域として、方形形状を有する例を示したが、この他にも、例えば図2の様な楕円形状を有する場合であってもよい。図2の面発光レーザ素子では、互いに直交する2方向において、楕円の長軸方向と短軸方向とがそれぞれ第一の方向,第二の方向となる様に選ばれ、屈折率の周期構造は、第一の方向における基本横モードの基板板面に平行な方向の波長がストップバンドの中心に対応する様に、低屈折率領域と高屈折率領域の幅が選ばれている。これによって、図1(a)乃至(c)の素子と同様に、第一の方向に偏光を有した単一基本横モード発振を得る事ができる。
図3(a),(b),(c)は実施例2の面発光レーザ素子を示す図である。なお、図3(a)は上面図、図3(b),(c)はそれぞれ、図3(a)に示した第一の方向,第二の方向における断面図である。
実施例2の面発光レーザ素子は、GaInNAsを活性層材料とした1.3μm帯を発振波長とする面発光レーザ素子である。実施例2の面発光レーザ素子は、活性層の窒素原料としてジメチルヒドラジン(DMHy)を用いて、実施例1と同様の方法,手順により作製される。
以下、その構造について説明する。
実施例2の面発光レーザ素子は、n−GaAs基板201上に、n−GaAsバッファー層202、n−AlAs/GaAsの対を1周期とした36周期のn−AlAs/GaAs下部半導体分布ブラッグ反射器203、ノンドープGaAs共振器スペーサー204、GaInNAs/GaAs多重量子井戸活性層205、ノンドープGaAs共振器スペーサー206、p−Ga0.5In0.5P層207、p−GaAs層208が順次に結晶成長されている。
ここで、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各半導体層の厚さは、実施例1と同様に、夫々の半導体層中におけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(夫々の半導体層中における発振波長の1/4の厚さ)になるように形成されている。また、共振器の構成は、実施例1と同様な、1λ共振器構造としている。
また、p−Ga0.5In0.5P層207の厚さは、Ga0.5In0.5P層中おけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(夫々の半導体層中における発振波長の1/4の厚さ)としており、更に、p−GaAs層208の厚さは、50nmとしている。
次に、写真製版技術を用いて、図3(a)に示した高屈折率領域に対応するレジストパターンを素子表面に形成し、硫酸系エッチャントによってGaAs層208の除去を行っている。次に、レジストを除去し、適切な表面清浄化処理の後、GaAs層208から成長が始まる様に、上部p−AlAs/GaAs分布ブラッグ反射器の一部の層209の結晶成長を行っている(すなわち、実施例2の面発光レーザにおいて、上部半導体分布ブラッグ反射器は、層207,208,209によって構成されている。)。この際、最初の再成長層となるGaAs層208は、GaAs層208中における発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(GaAs層208中における発振波長の1/4の厚さ)になる様に成長が行なわれている。
従って、p−GaAs層208のエッチングが行なわれた領域では、設計のレーザ共振波長に対し、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各層の厚さは半導体分布ブラッグ反射器の多重反射の位相条件が満たされる様に設けられている。また、p−GaAs層208のエッチング除去が行われなかった領域では、エッチングが行なわれた領域に対し、GaAs層の厚さが厚く形成されている。
次に、素子表面にレジストパターンを形成し、水素イオン注入を行い高抵抗化領域からなる電流狭窄構造210が形成されている。ここで、電流狭窄径は14μmとしている。また、この実施例2の面発光レーザ素子では、第一の方向における低屈折率コアの幅D1が14μm、第二の方向における低屈折率コアの幅D2が20μmとなるように構成されている。ここで、水素イオン注入が行われなかった領域(電流注入領域)は、図3(a)において斜線領域で示されており、低屈折率コアの内側に、低屈折率コアと空間的に重なる様に形成されている。
また、実施例1と同様に、p−GaAs層208のエッチングが行われた領域は、エッチングが行われなかった領域に比べ共振波長が相対的に短波長となり、レーザ共振方向に垂直な方向(基板に平行な方向)における実行屈折率が小さな低屈折率領域を形成している。
この実施例2の面発光レーザ素子は、図3(a)乃至(c)に示す様に基板面に平行な方向に、レーザ発振領域を中心とした、実効屈折率が小さな領域からなる低屈折率コアを備えている。また、更に低屈折率コアの周辺には、高屈折率領域からなるクラッド層を備えており、これらによる反導波構造が形成されている。また、第一の方向においては、高屈折率クラッド層中の低屈折率コアに接する領域に、低屈折率領域と高屈折率領域との繰り返しによる3周期の周期構造が設けられている。また、この実施例2の素子は、図3(a)乃至(c)に示す様に第二の方向には周期構造が設けられていない。
また、更に、第一の方向においては、周期構造を形成する高屈折率領域の幅d1及び低屈折率領域の幅d2は、第一の方向における基板面に平行な方向における波長に対し、夫々の領域中の夫々の方向における位相変化がπ/2の奇数倍(夫々の媒質中における基板面に平行な方向の波長の1/4の奇数倍)となるように形成されている。つまり、実施例1と同様に、第一の方向においては、屈折率の異なる領域から形成された周期構造を反射鏡として垂直方向と類似な共振器構造が形成されている。従って、第一の方向に偏光を有した基本横モードは、前記の周期構造により基板面に平行な方向に共振し閉じ込められるので、基板面に平行な方向へのモード漏洩による損失が低く抑えられる。
一方、第二の方向に対しては、低屈折率コアに接して高屈折率クラッド層のみが接し、実屈折率差による完全な半導波構造が形成されているので、基板面に平行な方向に対し全てのモードの漏洩が生じ、第二の方向に偏光を有したモードの損失が大きくなる。
ここで、実施例1で述べた様に低屈折率領域における基板面に平行な方向の波長は、低屈折率コアの幅の2倍に対応する。従って、低屈折領域の幅d2を第一の方向における低屈折率コアの幅D1に対して、2・D1の1/4倍の厚さに形成する事により、上記の条件が満たされる。一方、高屈折領域における基板面に平行な方向の波長λ は、数1より求める事ができ、高屈折領域の幅d1を、第一の方向における基板面に平行な方向の波長λ の1/4倍の幅に形成する事により上記の条件が満たされる。ここで、λ は、実施例1と同様に、高屈折率クラッド層中の基本横モードの、基板面に平行な方向の波数に対応した波長を意味している。この実施例2の面発光レーザ素子では、具体的には、d1=1.69μm(3λ /4)、d2=7μm(D1/2)としている。
以上から、第一の方向に偏光を有する基本横モードの損失が最も低くなるので、第一の方向に偏光を有する基本横モードが選択的に発振する。また、更に第一の方向に設けた屈折率の周期構造により、高出力まで単一基本横モード発振が得る事ができる。
この実施例2の面発光レーザ素子は、高出力まで第一の方向に偏光を有した単一基本横モード発振を得る事が可能であった。
また、更に、この実施例2の面発光レーザ素子は、選択酸化型面発光レーザ素子の様に選択酸化電流狭窄層によって横モード制御を行っていないので、電流狭窄径を大きくする事が可能であり、低抵抗である。また、素子はエッチングによりメサ形状を形成していないので、放熱性にすぐれている。このように、この実施例2の素子は、熱による出力の飽和レベルが高かった。また、選択酸化型面発光レーザ素子の様に、構造内に選択酸化電流狭窄層を含まない構造となっているので、寄生容量が非常に少なく、高速変調が可能であった。
なお、上述の説明では、第一の方向にのみ横モードの閉じ込め構造を設ける実施例として、図3(a)乃至(c)の方形状の低屈折率コアを有した面発光レーザ素子を用いているが、この他にも、例えば図4の様に楕円形状の低屈折率コアを有した素子構造とする事もできる。図4の面発光レーザ素子は、楕円形状の低屈折率コアに対して、図3(a)乃至(c)と同様な構成とした例について示したものであり、低屈折率コアの形状及び屈折率の周期構造の形状が楕円形状である点を除き、垂直方向の層構成、及び基板面に平行な方向のにおける屈折率の周期構造による共振条件等は、図3(a)乃至(c)の素子と同様に定められる。また図4の面発光レーザ素子では、第一の方向を含み角度θの範囲において、屈折率の周期構造を設けている。この様に、コアの形状が楕円形状(若しくは円形)である場合は、一対の方向として、第一の方向からある角度範囲を含む構成も取る事ができる。
図5(a),(b),(c)は実施例3の面発光レーザ素子を示す図である。なお、図5(a)は上面図を示したものであり、図5(b),図5(c)はそれぞれ、図5(a)に示した第一の方向,第二の方向における断面図である。
実施例3の面発光レーザ素子は、GaAsを活性層材料とした0.85μm帯を発振波長とする面発光レーザ素子である。実施例3の面発光レーザ素子は、実施例1及び実施例2と同様に有機金属気相成長法(MOCVD法)により結晶成長を行なっている。以下、その構造を製造工程に従い説明する。
実施例3の面発光レーザ素子は、図5(b)に示すように、先ず、n−GaAs基板301上に、n−GaAsバッファー層302、n−AlAs/Al0.15Ga0.85Asの対を1周期とした40周期のn−AlAs/Al0.15Ga0.85As下部半導体分布ブラッグ反射器303、ノンドープAl0.15Ga0.85As共振器スペーサー304、GaAs/Al0.15Ga0.85As多重量子井戸活性層305、ノンドープAl0.15Ga0.85As共振器スペーサー306、p−Ga0.5In0.5P層307、p−Al0.15Ga0.85As層308が順次に結晶成長されている。
ここで、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各半導体層の厚さは、夫々の半導体層中におけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(夫々の半導体層中における発振波長の1/4の厚さ)に形成されている。また、p−Ga0.5In0.5P層307は、上部分布ブラッグ反射器を構成する一部の層として結晶成長が行なわれており、p−Ga0.5In0.5P層307の厚さはGa0.5In0.5P層内におけるレーザ発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(Ga0.5In0.5P層中における発振波長の1/4の厚さ)となる様に結晶成長が行われている。また、p−Al0.15Ga0.85As層308の厚さは、30nmとしている。
また、GaAs/Al0.15Ga0.85As多重量子井戸活性層305と、これの両側に設けられているAl0.15Ga0.85As共振器スペーサー層304,306の厚さは、これらの半導体層中におけるレーザ発振光の位相変化の合計が2πとなる厚さに設けられており、一波長共振器を形成している。また、GaAs/Al0.15Ga0.85As量子井戸活性層305は、高い誘導放出確率を得る為に、共振器スペーサー層の中央の、発振光の定在波の腹に対応する位置に設けられている。
次に、図5(a)に示した高屈折率領域に対応したレジストパターンを素子表面に形成し、図5(a)の低屈折率領域に対応する領域のp−Al0.15Ga0.85As層308を湿式エッチングにより除去している。
次に、レジストの除去を行い、適切な表面清浄化処理を施した後、再成長によって、26周期のp−AlAs/Al0.15Ga0.85As半導体分布ブラッグ反射器309の結晶成長を行っている。ここで、p−AlAs/Al0.15Ga0.85As半導体分布ブラッグ反射器309は、p−Al0.15Ga0.85As層から結晶成長を行っている。また、p−Al0.15Ga0.85As層の厚さは、Al0.15Ga0.85As層中における発振光の位相変化がπ/2となる厚さ(Al0.15Ga0.85As層中における発振波長の1/4の厚さ)になる様にしている。また、上部p−AlAs/Al0.15Ga0.85As分布ブラッグ反射器309の最表面には炭素を高濃度にドーピングしたGaAsコンタクト層(図示せず)を設けている。
従って、p−Al0.15Ga0.85As層308のエッチングが行なわれた領域では、半導体分布ブラッグ反射器を構成する各層の厚さは、設計のレーザ共振波長に対して半導体分布ブラッグ反射器の多重反射の位相条件が満たされる様に設けられている。また、p−Al0.15Ga0.85As層308のエッチング除去が行われなかった領域では、エッチングが行なわれた領域に対してAl0.15Ga0.85As層の厚さが厚く形成されている。
次に、素子表面にレジストパターンを形成した後、水素イオン注入を行い、p−AlAs/Al0.15Ga0.85As半導体分布ブラッグ反射器309中に高抵抗化領域からなる電流狭窄構造310を形成している。ここで、電流狭窄構造の電流狭窄径は8μmとしている。また、水素イオン注入が行われなかった領域(電流注入領域)は、図5(a)において斜線領域で示されており、低屈折率コアの内側に、低屈折率コアと空間的に重なる様に形成されている。次に、素子表面にp側電極311を形成し、裏面研磨の後、基板裏面にn側電極312の形成を行って、図5(a),(b),(c)の示す面発光レーザ素子としている。
次に、実施例3の面発光レーザ素子の具体的な構造について詳しく説明する。
この実施例3の面発光レーザ素子は、図5(a)乃至(c)に示す様に、基板面に平行な方向に、レーザ発振領域を中心とした、実効屈折率が小さな領域からなる低屈折率コアを備えている。また、更に低屈折率コアの周辺には、高屈折率領域からなるクラッド層を備えており、これらによる反導波構造が形成されている。また、高屈折率クラッド層中の低屈折率コアに接した領域には、低屈折率領域と高屈折率領域との繰り返しによる3周期の屈折率の周期構造が設けられている。
また、この実施例3では、図5(a)に示す様に、低屈折率コアの形状を正方形形状とし、一辺の長さD1を8μmとしている。ここで、この実施例3では、図5(a)に示す第一の方向と第二の方向とにおける屈折率の周期構造の構成が異なっており、第一の方向に対しては、高屈折領域,低屈折領域の幅d1,d2が、夫々の領域中における位相変化がπ/2の奇数倍(夫々の媒質中における基板面に平行な方向の波長λ の1/4の奇数倍)となる様に設定されている。λ は、実施例1と同様に、第一及び第二の方向の高屈折率クラッド層中における、基板面に平行な方向の基本横モードの波長を意味している。(この実施例3では、低屈折率コアの形状を正方形形状としているので、第一の方向における波長λ と第二の方向における波長λ は等しい)。この実施例3の面発光レーザ素子では、具体的には、d1=1.1μm(3λ /4)、d2=5μm(D1/2)としている。つまり、第一の方向においては、屈折率の異なる領域から形成された周期構造を反射鏡として垂直方向と類似な共振器構造が形成されている。
これに対し、第二の方向では、高屈折領域,低屈折率領域の幅d3,d4は、第一の方向における前記領域の幅d1,d2に対して、相対的に広くなる様に設けられている。具体的には、d3=1.43μm、d4=5.2μmと、約1.3倍広く設けている。
この様に、第二の方向における低屈折率領域及び高屈折率領域の幅を、基本横モードに対して最適に閉じ込めがなされる様に設定された第一の方向における低屈折率領域及び高屈折率領域の幅に対して厚く設ける事により、全てのモードに対して反射率を低く設定する事ができる。つまり、数1を用いて説明した様に、高次横モードの波長は、基本横モードの波長に対して常に短波であるので、周期構造によるストップバンドを長波長側に設定する事により、全てのモードにおいて反射率を低く設定する事ができる。
この様に、この実施例3の素子では、第一の方向では、この方向に電場振幅(偏光)を有するモードのみ選択的に閉じ込めがなされ、第二の方向では、全てのモードに対して閉じ込めが低く設定されている。従って、第二の方向に偏光を有するモードはモードの漏洩による損失の為に発振が抑制され、第一の方向に偏光を有する基本横モードのみを選択的に発振させる事ができる。
以上の様に、この実施例3の面発光レーザ素子では、第一の方向に偏光が揃い、高出力まで単一基本横モード発振を得る事ができた。
また、更に、この実施例3の面発光レーザ素子は、選択酸化型面発光レーザ素子の様に、選択酸化電流狭窄層によって横モード制御を行っていないので、電流狭窄径を大きくする事が可能であり低抵抗である。更に、エッチングによりメサ形状を形成していないので、放熱性にすぐれている。この様に本実施例の素子は、熱による出力の飽和レベルが高かった。また、選択酸化型面発光レーザ素子の様に、構造内に選択酸化電流狭窄層を含まない構造となっているので、寄生容量が非常に少なく、高速変調が可能であった。
また、この実施例3では、レーザ共振方向に垂直な方向(基板に平行な平行)に設けた屈折率の周期構造、及び水素イオン注入領域として、正方形形状を有する例を示したが、この他にも図2に対応する様な、楕円形状を有する場合であってもよい。
また、上述の各例では、結晶成長方法として、MOCVD法を例に挙げて説明を行なったが、この他にも、分子線結晶成長法(MBE法)等の、その他の結晶成長法を用いる事もできる。また、基板として、n型基板の他にも、半絶縁性基板,p型基板を用いても良い。また、発振波長も、以上で説明した0.85μm帯,0.98μm帯,1.3μm帯以外にも、0.65μm帯,1.5μm帯等の波長で有っても良く、素子を構成する半導体材料は、発振波長に応じ、上述以外のものが用いられていても良い。例えば、0.65μm帯ではAlGaInP系混晶を用いることができ、また、1.5μm帯ではGaInNAs(Sb)系混晶半導体を用いる事ができる。また、分布ブラッグ反射器は、これらの波長帯で透明であって、且つ可能な限り屈折率差が大きく取れる材料の組み合わせを用いる事により、少ない積層数で高い反射率を得る事ができる。また、素子構造は、上述の各例で示した以外の構造であっても良く、また、上述の各例で示した素子も、他の発振波長で有っても良い。また、分布ブラッグ反射器の材料,構成を発振波長に応じて最適に選ぶ事で、いずれの構造でも任意の発振波長に対応した素子を形成する事ができる。
また、素子の抵抗をより一層低減する為には、Al(Ga)As/GaAs等のヘテロ界面には、これらの間の組成を有するヘテロスパイク緩衝層を設ける事が効果的である。ヘテロスパイク緩衝層としては、ヘテロ界面を構成する2層の間の組成を有する単層や、組成の異なる複数の層を組み合わせたもの、又は組成を連続的に変化させたもの等が挙げられる。
図6は実施例4の面発光レーザアレイを示す図(上面図)である。図6の面発光レーザアレイは、本発明の面発光レーザ素子を2次元に4×4個集積したモノリシックレーザアレイとして構成されており、個々の面発光レーザ素子を独立に駆動する為に、個別に上部電極に配線が設けられている。図6の面発光レーザアレイは、前述の各例と同様の手順,方法で作製することができる。
図6の面発光レーザアレイを構成する個々の面発光レーザ素子には、実施例1乃至実施例3のいずれかの面発光レーザ(すなわち、偏光方向が任意所望の特定の方向に揃い、高出力まで単一基本横モードで発振が得られる面発光レーザ)が用いられる。この際、偏光方向は、写真製版によるパターニングによりその方向を制御する事ができるので、アレイを構成する個々の素子毎に違った方向に設定する事もできる。この様に、実施例4では、偏光が任意所望の特定の方向に安定して制御された、単一横モードで高出力動作する面発光レーザアレイが得られた。
図7は実施例5の光インターコネクションシステムの一例としてのレーザアレイモジュールを示す図である。また、図8は実施例5の光インターコネクションシステムの一例としての機器間並列光インターコネクションシステムを示す図である。
図7のレーザアレイモジュールは、シリコン基板上に、本発明の1次元モノリシック面発光レーザアレイと、マイクロレンズアレイと、ファイバアレイとが実装されて構成されている。面発光レーザアレイは、ファイバに対向して設けられており、マイクロレンズアレイを介してシリコン基板に形成したV溝に実装された石英シングルモードファイバと結合している。面発光レーザアレイの発振波長は1.3μm帯であり、石英シングルモードファイバを用いる事で高速伝送が行える。
また、図8のインターコネクションシステムは、機器1と機器2との間を、光ファイバアレイを用いて接続したものとなっている。ここで、送信側である機器1には、本発明による面発光レーザ素子、又は面発光レーザアレイを用いた1次元レーザアレイモジュールと、これの駆動回路とが設けられている。また、受信側である機器2には、フォトダイオードアレイモジュールと、信号検出回路とが設けられている。
実施例5の光インターコネクションシステムは、本発明による面発光レーザアレイを用いた事で、環境温度等、駆動条件の変化に対しても偏光が特定の方向に揃い基本横モードで安定に発振し、ファイバとの結合率の変化も少なく、信頼性の高いものにする事ができた。
なお、上述の例では、並列光インターコネクションシステムを例に説明したが、この他にも、単一素子を用いたシリアル伝送システムを構成する事もできる。また、機器間の他にも、ボード間,チップ間,チップ内のインターコネクションに応用する事もできる。
図9は実施例6に係る光通信システムとしての光LANシステムを示す図である。
図9の光LANシステムは、本発明による面発光レーザ素子、又は面発光レーザアレイを用いて構成されている。すなわち、図9の光LANシステムは、サーバーとコアスイッチとの間、及び、コアスイッチと各スイッチ間、及び、スイッチと各端末との間の光伝送の光源に、本発明のいずれかの面発光レーザ素子、又は面発光レーザアレイが用いられている。
また、各機器間は、石英シングルモードファイバ又はマルチモードファイバによって結合されている。図9の光LANシステムでは、光源に、本発明による面発光レーザ素子、又は面発光レーザアレイ用いた事で、環境温度等、駆動条件の変化に対しても偏光が特定の方向に揃い基本横モードで安定に発振し、ファイバとの結合率の変化も少なく信頼性の高いインターコネクションシステムを構成する事ができた。
図10は実施例7に係る電子写真システムを示す図である。
図10の電子写真システムは、感光ドラムと、走査収束光学系(光学走査系)と、書き込み光源と、同期制御部(同期制御回路)とを有しており、書き込み光源には、本発明による面発光レーザ素子、又は面発光レーザアレイが用いられている。
図9の電子写真システムでは、同期制御回路によって制御がなされ、光源からの光は、ポリゴンミラー,レンズ収束系からなる走査収束光学系(光学走査系)により、感光ドラム上に集光され、潜像を形成する。面発光レーザ素子としては、例えば780nm帯等を発振波長とするものを用いる事ができる。従来、面発光レーザ素子は、発熱の影響により高出力動作が困難であったが、本発明の面発光レーザ素子は、従来の素子に比べ高出力動作が可能であり、電子写真システムの書き込み光源として用いる事ができる。また、発振モードも単一基本横モードであるので、遠視野像は単峰性であり、ビームの集光が容易な事から、高精彩な画質を得る事ができる。
また、特にAlGaInP系材料を活性層材料とした赤色面発光レーザ素子は、発振波長が650nm程度とAlGaAs系材料に比べて短波長発振が可能であり、光学設計の余裕度を大きくする事ができる。従って、高精彩電子写真の書き込み光源として好適である。この様な赤色面発光レーザ素子は、活性層にAlGaInP系材料を用い、分布ブラッグ反射器にAlGaAsやAlGaInP系材料を用いて構成する事ができる。ところが、AlGaInP系材料は、温度変化に対する影響を非常に受けやすく、素子発熱による温度上昇により、出力の飽和,発振の停止等が問題となっている。しかしながら、本発明によって構成された赤色面発光レーザ素子は、電流注入領域を大きく設定できるので低抵抗であり、素子発熱も少ない。よって、従来に比べて高出力動作が可能である。
また更に、本発明における面発光レーザ素子では、特定の方向に偏光方向が制御されている事により、感光ドラム上に集光されるビームスポット形状が揃っており、電子写真システムの光源として好ましい特性を備えている。つまり、電子写真システムでは、ビームのスポット形状が偏光方向により異なるという問題があるが、本発明の面発光レーザ素子では、偏光方向が制御されている事から、この問題が無い。以上の様に、本発明によって構成された面発光レーザ素子は、電子写真システムの書き込み光源として好適である。
また、実施例4の面発光レーザアレイを用いる事によってマルチビーム書き込み系を得る事ができるので、書き込み速度等も従来に比べて高速にできる。以上から、高速、且つ高精彩な電子写真システムを得る事ができる。
図11は実施例8の光ディスクシステムを示す図である。
図11の光ディスクシステムは、光ディスクと、光学系1及び2と、ビームスプリッターと、光検出器と、レーザ光源(書き込み光源)と、同期制御部(同期制御回路)とを有しており、レーザ光源(書き込み光源)には、本発明の面発光レーザ、又は面発光レーザアレイが用いられている。
また、光学系1,光学系2,ビームスプリッター,光検出器,レーザ光源は、光ヘッドを構成し、アクチュエーターにより、ディスクの任意のトラックにアクセスできる様に構成されている。なお、ここで、光学系1は、回折格子,光束拡大レンズから構成されており、光学系2は、1/4波長板,絞込みレンズから構成されている。
図11の光ディスクシステムでは、レーザ光源は同期制御回路によって制御され、同期制御回路によって制御されたレーザ光源からのレーザ光は、光学系1及び2により光ディスクの表面に収束されて光ディスク表面を照射する。光ディスクの表面には、情報ピットと、例えば情報ピットの規則配列によって構成されるトラックが形成されている。例えば、読み出し操作においては、光ディスク表面で反射されたレーザ光は、再び光学系2を通った後、ビームスプリッターによって、光検出器に導かれる。光検出器では、情報ピットによる情報信号と、トラック信号を検出し、これを元にして、ディスクとヘッドとの距離、及び情報トラックに対する光ヘッドのサーボを行なっている。
本発明の面発光レーザ素子は偏光方向が特定の方向に揃い、従来の素子に比べ基本単一横モードにおいて高出力動作が可能である。また、単峰性のビームスポットを安定に得る事が可能であり、ビーム成形に必要な光学系を非常に簡略化できるので製造コストを低減する事ができる。以上の様に、偏光方向が特定の方向に容易に制御できるので、特に光磁気ディスクの読み出し光源用途に好適である。更に単峰性のビームスポットが安定に得られる為、信頼性の高い光ディスクシステムを構成する事が可能である。また、レーザ光源として、実施例4の面発光レーザアレイを用いた場合には、高速な読み出しを行なう事が可能である。以上の様に、高速、且つ信頼性の高い光ディスクシステムを得る事ができる。
実施例1の面発光レーザ素子を示す図である。 図1の面発光レーザ素子の変形例を示す図である。 実施例2の面発光レーザ素子を示す図である。 図3の面発光レーザ素子の変形例を示す図である。 実施例3の面発光レーザ素子を示す図である。 実施例4の面発光レーザアレイを示す図(上面図)である。 実施例5の光インターコネクションシステムの一例としてのレーザアレイモジュールを示す図である。 実施例5の光インターコネクションシステムの一例としての機器間並列光インターコネクションシステムを示す図である。 実施例6に係る光通信システムとしての光LANシステムを示す図である。 実施例7に係る電子写真システムを示す図である。 実施例8の光ディスクシステムを示す図である。
符号の説明
101 n−GaAs基板
102 n−GaAsバッファー層
103 n−AlAs/GaAs下部分布ブラッグ反射器
104 ノンドープGaAs共振器スペーサー層
105 ノンドープInGaAs/GaAs多重量子井戸活性層
106 ノンドープGaAs共振器スペーサー層
107 p−Ga0.5In0.5P層
108 p−GaAs層
109 p−AlAs/GaAs上部分布ブラッグ反射器
110 水素イオン注入高抵抗化領域
111 p側電極
112 n側電極
201 n−GaAs基板
202 n−GaAsバッファー層
203 n−AlAs/GaAs下部分布ブラッグ反射器
204 ノンドープGaAs共振器スペーサー層
205 ノンドープGaInAs/GaAs多重量子井戸活性層
206 ノンドープGaAs共振器スペーサー層
207 p−Ga0.5In0.5P層
208 p−GaAs層
209 p−AlAs/GaAs上部分布ブラッグ反射器
210 水素イオン注入高抵抗化領域
211 p側電極
212 n側電極
301 n−GaAs基板
302 n−GaAsバッファー層
303 n−AlAs/Al0.15Ga0.85As下部分布ブラッグ反射器
304 ノンドープAl0.15Ga0.85As共振器スペーサー層
305 ノンドープGaAs/Al0.15Ga0.85As多重量子井戸活性層
306 ノンドープAl0.15Ga0.85As共振器スペーサー層
307 p−Ga0.5In0.5P層
308 p−Al0.15Ga0.85As層
309 p−AlAs/Al0.15Ga0.85As上部分布ブラッグ反射器
310 水素イオン注入高抵抗化領域
311 p側電極
312 n側電極

Claims (11)

  1. 基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの周辺を取り囲んで、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅、または、前記周期構造が、基板面に平行な面内における特定の一方向と、該特定の一方向以外の方向とで、相違している事を特徴とする面発光レーザ素子。
  2. 請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記低屈折率コアの幅が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴とする面発光レーザ素子。
  3. 請求項1記載の面発光レーザ素子において、前記周期構造が、前記基板面に平行な面内において互いに直交する2方向で相違している事を特徴とする面発光レーザ素子。
  4. 請求項2または請求項3記載の面発光レーザ素子において、互いに直交する2方向のうちの一方向における前記周期構造の反射帯域が、同方向における基本横モードを基板面へ射影した波長に対して、長波側に設定されている事を特徴とする面発光レーザ素子。
  5. 基板上に、活性層と、前記活性層を挟んで設けられた共振器スペーサー層と、前記活性層及び共振器スペーサー層を挟んで対向する一対の分布ブラッグ反射器と、前記活性層への電流注入領域を規定する高抵抗領域とが設けられ、レーザ共振は、前記活性層の電流注入領域において前記一対の分布ブラッグ反射器を共振器ミラーとして基板に垂直な方向に生じるようになっており、前記基板の表面(基板面)に平行な方向に、前記レーザ共振領域を中心とした低屈折率コアと、前記低屈折率コアの外側に、実効屈折率が低屈折率である領域と高屈折率である領域とを繰り返し設けて成る周期構造とが形成されている面発光レーザ素子において、前記周期構造が、基板面に平行な面内において特定の方向に部分的に設けられている事を特徴とする面発光レーザ素子。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子において、活性層はIII−V族半導体で構成され、活性層を構成するIII族元素として、Ga,Inのうちのいずれか、又は全てを含み、また、活性層を構成するV族元素として、As,N,Sb,Pのうちのいずれか、又は全てを含んでいる事を特徴とする面発光レーザ素子。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子により構成されている事を特徴とする面発光レーザアレイ。
  8. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光インターコネクションシステム。
  9. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光通信システム。
  10. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする電子写真システム。
  11. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の面発光レーザ素子、または、請求項7記載の面発光レーザアレイが用いられている事を特徴とする光ディスクシステム。
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