JP2008277563A - 面発光レーザ - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光を外部に出力する放射エリアを広くして、より大きな出力で単一横モード発振をすることができる面発光レーザを提供する。
【解決手段】下部DBR層102と、上部DBR層107と、これらの間に介在する活性層104と、を少なくとも有する面発光レーザであって、
前記上部DBR層は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備え、
前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、前記上部DBR層の面内方向と垂直な方向に形成された複数の空孔108を有し、
前記複数の空孔の深さが、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って深くなる構造とされている。
【選択図】 図1
【解決手段】下部DBR層102と、上部DBR層107と、これらの間に介在する活性層104と、を少なくとも有する面発光レーザであって、
前記上部DBR層は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備え、
前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、前記上部DBR層の面内方向と垂直な方向に形成された複数の空孔108を有し、
前記複数の空孔の深さが、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って深くなる構造とされている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、面発光レーザに関し、特に、フォトニック結晶を備えたモード変換型の垂直共振器型面発光レーザに関するものである。
面発光レーザの一つとして、垂直共振器型面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser、以下これを面発光レーザ(VCSEL)と記す)が知られている。
この垂直共振器型面発光レーザは、活性領域の両側を2つの反射鏡で挟み、基板面に垂直な方向に光共振器を形成し、基板面から垂直方向に光を放射するレーザであり、多くの利点を有することから1980年代後半から盛んに研究されてきている。
すなわち、この面発光レーザは、集積化アレイ化が容易であり、外部光学系との結合効率が優れている、等の多くの利点を有している。
そのため、通信、電子写真、センシング、等の分野への応用が期待されており、特に、赤外線短距離通信などの通信分野においては、すでに実用化されている。
この垂直共振器型面発光レーザは、活性領域の両側を2つの反射鏡で挟み、基板面に垂直な方向に光共振器を形成し、基板面から垂直方向に光を放射するレーザであり、多くの利点を有することから1980年代後半から盛んに研究されてきている。
すなわち、この面発光レーザは、集積化アレイ化が容易であり、外部光学系との結合効率が優れている、等の多くの利点を有している。
そのため、通信、電子写真、センシング、等の分野への応用が期待されており、特に、赤外線短距離通信などの通信分野においては、すでに実用化されている。
中でも、面発光レーザ(VCSEL)の横モードを制御するため、その共振器にフォトニック結晶構造を設けたデバイスが検討されている(特許文献1、非特許文献1)。
これらのデバイスには、面発光レーザ(VCSEL)におけるミラー部を構成するDBR(Distributed Bragg Reflector、以下これをDBR層と記す)の表面に、フォトニック結晶構造が作製されている。
また、面発光レーザ(VCSEL)の中心部には、フォトニック結晶を設けない領域(欠陥部)が設けられている。
これらにより、レーザ光は欠陥部より発光し、周囲のフォトニック結晶によってモード制御される。このような面発光レーザ(VCSEL)は、主としてより大面積(大出力)で、単一横モードのレーザ光を得るために用いられる。
特開2004−128351号公報
Applied Physics Letters 82,1344(2003)
これらのデバイスには、面発光レーザ(VCSEL)におけるミラー部を構成するDBR(Distributed Bragg Reflector、以下これをDBR層と記す)の表面に、フォトニック結晶構造が作製されている。
また、面発光レーザ(VCSEL)の中心部には、フォトニック結晶を設けない領域(欠陥部)が設けられている。
これらにより、レーザ光は欠陥部より発光し、周囲のフォトニック結晶によってモード制御される。このような面発光レーザ(VCSEL)は、主としてより大面積(大出力)で、単一横モードのレーザ光を得るために用いられる。
ところで、上記従来例の特許文献1等のようにシングル横モードを制御する面発光レーザ(VCSEL)においても、性能向上を図る上で、更により大出力で単一横モードができる面発光レーザ(VCSEL)が強く望まれている。
したがって、これら面発光レーザ(VCSEL)の、更なる出力向上を図る必要があるが、大出力化のためレーザの出力窓(放射窓)を広げると、マルチモード発振となり、光学的絞りが容易な単一横モードが得られない場合が生じる。
したがって、これら面発光レーザ(VCSEL)の、更なる出力向上を図る必要があるが、大出力化のためレーザの出力窓(放射窓)を広げると、マルチモード発振となり、光学的絞りが容易な単一横モードが得られない場合が生じる。
本発明は、上記課題に鑑み、レーザ光を外部に出力する放射エリアを広くして、より大きな出力で単一横モード発振をすることができる面発光レーザを提供することを目的とするものである。
本発明は、以下のように構成した面発光レーザを提供するものである。
本発明の面発光レーザは、下部DBR層と、上部DBR層と、これらの間に介在する活性層と、を少なくとも有する面発光レーザであって、
前記上部DBR層は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備え、
前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、マルチモード発振を抑制して単一横モード発振が可能に実効屈折率を変化させた屈折率周期構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記屈折率周期構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、前記上部DBR層の面内方向と垂直な方向に形成された複数の空孔を有し、
前記複数の空孔の深さが、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って深くなる構造とされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記下部DBR層、上部DBR層及び活性層を含み構成される面発光レーザにおける共振器が、AlGaAs、AlGaInP系の化合物半導体によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔の深さは、該深さの割合が前記実効屈折率に応じて調整されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔の深さは、最も深いものにおいて活性層の直上までとされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔に、前記上部DBR層を構成する媒質と屈折率差を有する媒質が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記フォトニック結晶構造が、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、前記空孔の孔径が大きくなる構造とされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記フォトニック結晶構造が、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、結晶周期が短くなる構造とされていることを特徴とする。
本発明の面発光レーザは、下部DBR層と、上部DBR層と、これらの間に介在する活性層と、を少なくとも有する面発光レーザであって、
前記上部DBR層は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備え、
前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、マルチモード発振を抑制して単一横モード発振が可能に実効屈折率を変化させた屈折率周期構造を有していることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記屈折率周期構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、前記上部DBR層の面内方向と垂直な方向に形成された複数の空孔を有し、
前記複数の空孔の深さが、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って深くなる構造とされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記下部DBR層、上部DBR層及び活性層を含み構成される面発光レーザにおける共振器が、AlGaAs、AlGaInP系の化合物半導体によって形成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔の深さは、該深さの割合が前記実効屈折率に応じて調整されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔の深さは、最も深いものにおいて活性層の直上までとされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記空孔に、前記上部DBR層を構成する媒質と屈折率差を有する媒質が充填されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記フォトニック結晶構造が、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、前記空孔の孔径が大きくなる構造とされていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記フォトニック結晶構造が、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、結晶周期が短くなる構造とされていることを特徴とする。
本発明によれば、レーザ光を外部に出力する放射エリアを広くして、より大きな出力で単一横モード発振を実現することができる。
上記構成によって、より大きな出力で単一横モード発振を実現することが可能となるが、それは本発明者のつぎのような知見に基づくものである。
すなわち、上記従来例の面発光レーザ(VCSEL)においては、中央に欠陥部を設けたフォトニック結晶構造による導波路構造を作ることで、発振光の横モードを制御するように構成されている。
本発明は、この導波路の幅を中央から外縁に向かって徐々に狭くしていくことで、共振横モードを活性層付近のマルチモードの状態から、レーザの放射部分では単一モードの状態に徐々に移行させて行く。
すなわち、上記フォトニック結晶構造が、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、マルチモード発振を抑制して単一横モードの発振が可能となるように、実効屈折率を変化させた屈折率周期構造を備えた構成とする。
これにより、導波光のパワーを落とさずにモード変換させることができることに基づくものである。
すなわち、上記従来例の面発光レーザ(VCSEL)においては、中央に欠陥部を設けたフォトニック結晶構造による導波路構造を作ることで、発振光の横モードを制御するように構成されている。
本発明は、この導波路の幅を中央から外縁に向かって徐々に狭くしていくことで、共振横モードを活性層付近のマルチモードの状態から、レーザの放射部分では単一モードの状態に徐々に移行させて行く。
すなわち、上記フォトニック結晶構造が、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、マルチモード発振を抑制して単一横モードの発振が可能となるように、実効屈折率を変化させた屈折率周期構造を備えた構成とする。
これにより、導波光のパワーを落とさずにモード変換させることができることに基づくものである。
これを更に説明すると、上記従来例のものにおいては、フォトニック結晶構造を面発光レーザ(VCSEL)の発振方向のミラー(上部ミラー)に設け、中央に欠陥部を設けて導波構造を作ることで、発振光の横モードを制御するように構成されている。
フォトニック結晶構造は、材料に光の波長オーダーで屈折率周期をもたせた構造であり、設計パラメータを制御することで、結晶中を伝搬する光を制御することができる。
上記従来例のものでは、このようなフォトニック結晶構造を用いることで、波長に対する実効屈折率を単一横モード発振に有利になるよう制御し、結果として単一横モード発振の発光部の大きさを大きくするようにしたものである。
具体的には、上記フォトニック結晶構造は、上記上部ミラーに空孔を周期的に設けることで、上記単一横モード発振を達成するようにされている。
フォトニック結晶構造は、材料に光の波長オーダーで屈折率周期をもたせた構造であり、設計パラメータを制御することで、結晶中を伝搬する光を制御することができる。
上記従来例のものでは、このようなフォトニック結晶構造を用いることで、波長に対する実効屈折率を単一横モード発振に有利になるよう制御し、結果として単一横モード発振の発光部の大きさを大きくするようにしたものである。
具体的には、上記フォトニック結晶構造は、上記上部ミラーに空孔を周期的に設けることで、上記単一横モード発振を達成するようにされている。
これに対して、本発明では、上記上部ミラーに空孔の深さを、フォトニック結晶構造の形成されていない中央の欠陥部から、外縁部(周辺部)に向かって、徐々に深くして行く。
これにより、上記導波路構造の幅を、活性層から光の放射方向に遠ざかるに従って徐々に小さくなるように構成し、導波光のパワーを落とさずにモード変換させるようにしたものである。また、前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、結晶周期が短くなるように構成することも好ましい。
これにより、上記導波路構造の幅を、活性層から光の放射方向に遠ざかるに従って徐々に小さくなるように構成し、導波光のパワーを落とさずにモード変換させるようにしたものである。また、前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、結晶周期が短くなるように構成することも好ましい。
つぎに、本発明の実施の形態における面発光レーザ(VCSEL)の構成例について説明する。
図1に、本実施の形態における面発光レーザ(VCSEL)を説明する模式的断面図を示す。
図1において、101は基板、102は下部ミラーを構成する下部DBR層、103、105はそれぞれ下部、上部クラッド層、104は活性層、106は電流狭窄構造である。
107は上部ミラーを構成する上部DBR層、108はフォトニック結晶空孔、109は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、110はn電極、111はp電極である。
図1に、本実施の形態における面発光レーザ(VCSEL)を説明する模式的断面図を示す。
図1において、101は基板、102は下部ミラーを構成する下部DBR層、103、105はそれぞれ下部、上部クラッド層、104は活性層、106は電流狭窄構造である。
107は上部ミラーを構成する上部DBR層、108はフォトニック結晶空孔、109は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、110はn電極、111はp電極である。
本実施の形態の面発光レーザ(VCSEL)は、下部DBR層102と、上部DBR層107と、これらの間に介在する活性層104と、を少なくとも有している。
そして、上部DBR層107は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備えている。
このフォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、上部DBR層107の面内方向において、上記空孔の深さを所定の規則に従って、徐々に深く変化させるように構成されている。
すなわち、上記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、上部DBR層107の面内方向と垂直な方向に形成された複数のフォトニック結晶空孔108を有し、その深さが上記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、徐々に深くなる構造を備える。
具体的には、図1に示すように、中央のレーザの発光部であるフォトニック結晶欠陥部109から、外縁部(周辺部)に向かって、フォトニック結晶の空孔の深さを徐々に深くしていく。
前述したように、面発光レーザ(VCSEL)においては、フォトニック結晶を用いた導波路構造を作ることで横モードを制御している。
上記した本実施の形態のように、フォトニック結晶欠陥部109から、外縁部(周辺部)に向かって、フォトニック結晶の空孔の深さを徐々に深くしていくことで、上記導波路構造の幅は、活性層から光の放射方向に遠ざかるに従って徐々に小さくなる。
そして、上部DBR層107は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備えている。
このフォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、上部DBR層107の面内方向において、上記空孔の深さを所定の規則に従って、徐々に深く変化させるように構成されている。
すなわち、上記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、上部DBR層107の面内方向と垂直な方向に形成された複数のフォトニック結晶空孔108を有し、その深さが上記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、徐々に深くなる構造を備える。
具体的には、図1に示すように、中央のレーザの発光部であるフォトニック結晶欠陥部109から、外縁部(周辺部)に向かって、フォトニック結晶の空孔の深さを徐々に深くしていく。
前述したように、面発光レーザ(VCSEL)においては、フォトニック結晶を用いた導波路構造を作ることで横モードを制御している。
上記した本実施の形態のように、フォトニック結晶欠陥部109から、外縁部(周辺部)に向かって、フォトニック結晶の空孔の深さを徐々に深くしていくことで、上記導波路構造の幅は、活性層から光の放射方向に遠ざかるに従って徐々に小さくなる。
これにより、活性層付近では導波路の幅が大きいため、共振横モードはマルチモードとなっているが、レーザの放射部分では導波路の幅が小さく形成されていることから、単一モードとなる。
従って、徐々に導波路の幅を狭くしていくことで、共振横モードを活性層付近のマルチモードの状態から単一モードの状態に徐々に移行して行き、導波光のパワーを落とさずにモード変換させることができる。
従って、徐々に導波路の幅を狭くしていくことで、共振横モードを活性層付近のマルチモードの状態から単一モードの状態に徐々に移行して行き、導波光のパワーを落とさずにモード変換させることができる。
つぎに、本発明における上記空孔深さの変化の仕方を決める原理について説明する。
上記従来例の面発光レーザ(VCSEL)では、形成する空孔の深さにより実効屈折率が変化する。
実効屈折率neffは具体的には以下の式1で表される。
上記従来例の面発光レーザ(VCSEL)では、形成する空孔の深さにより実効屈折率が変化する。
実効屈折率neffは具体的には以下の式1で表される。
上記式1において、nmは物質固有の屈折率、Δnは2次元のフォトニック結晶が無限に厚いと仮定した場合の実効屈折率の変化である。
γは0から1までの範囲で変化し、形成するフォトニック結晶の深さに応じた実効屈折率変化の程度を表すパラメータである。
γは0から1までの範囲で変化し、形成するフォトニック結晶の深さに応じた実効屈折率変化の程度を表すパラメータである。
図2のグラフに、フォトニック結晶の空孔の深さと、実効屈折率の変化量を決めるパラメータγの依存性を示す。
図2は、下部DBR層102が70ペア(1ペア=2層、1層厚=1/4波長)、上部DBR層107が25ペア、共振器長=1波長のフォトニック結晶VCSELにおいて、空孔の深さとγの変化の割合を計算したグラフである。
γの変化の割合すなわち実効屈折率の変化の割合は、空孔の深さに対して直線的でないことがわかる。
これは、空孔の深さにより、空孔の深さ変化に対する実効屈折率の変化が大きい場合と、小さい場合があることを示している。
モード変換の効率を上げるためには、上記実効屈折率を一定の割合で徐々に変化させていく必要がある。
従って、γの傾きの変化を打ち消すように、場所による空孔の深さ変化を調整すればよい。
すなわち、γの変化が緩やかなところでは、空孔の深さの変化を大きくし、急なところでは、空孔の変化の割合を小さくすればよい。
このように、前記空孔の深さを深くする割合は、前記実効屈折率に応じて調整する。
図2は、下部DBR層102が70ペア(1ペア=2層、1層厚=1/4波長)、上部DBR層107が25ペア、共振器長=1波長のフォトニック結晶VCSELにおいて、空孔の深さとγの変化の割合を計算したグラフである。
γの変化の割合すなわち実効屈折率の変化の割合は、空孔の深さに対して直線的でないことがわかる。
これは、空孔の深さにより、空孔の深さ変化に対する実効屈折率の変化が大きい場合と、小さい場合があることを示している。
モード変換の効率を上げるためには、上記実効屈折率を一定の割合で徐々に変化させていく必要がある。
従って、γの傾きの変化を打ち消すように、場所による空孔の深さ変化を調整すればよい。
すなわち、γの変化が緩やかなところでは、空孔の深さの変化を大きくし、急なところでは、空孔の変化の割合を小さくすればよい。
このように、前記空孔の深さを深くする割合は、前記実効屈折率に応じて調整する。
また、さらにモード変換効率を上げるためには、屈折率の変化を光の共振方向と垂直方向(横方向)に対してなるべく緩やかにすることが好ましい。
そのためには、フォトニック結晶の周期をなるべく小さくすることが好ましい。
またモード変換のためには、空孔の深さは活性層付近まであれば十分であり、それ以上深くてもモード変換の効率には寄与しない。
そのためには、フォトニック結晶の周期をなるべく小さくすることが好ましい。
またモード変換のためには、空孔の深さは活性層付近まであれば十分であり、それ以上深くてもモード変換の効率には寄与しない。
一方、図2より、実効屈折率は空孔の深さを活性層より深くしても、さらに落ちていくことがわかる。
従って、空孔をあまり深くしてしまうと、最も幅の広い導波構造で決定される実効屈折率は大きく下がってしまう。
このとき、欠陥部に向かって空孔を浅くしていき、徐々に屈折率を上げていくと、一回の深さ変化に対する屈折率上昇の割合が大きくなってしまい、モード変換には好ましくない。従って、空孔の深さは、最も深いものにおいて活性層の直上までとすることが好ましい。
従って、空孔をあまり深くしてしまうと、最も幅の広い導波構造で決定される実効屈折率は大きく下がってしまう。
このとき、欠陥部に向かって空孔を浅くしていき、徐々に屈折率を上げていくと、一回の深さ変化に対する屈折率上昇の割合が大きくなってしまい、モード変換には好ましくない。従って、空孔の深さは、最も深いものにおいて活性層の直上までとすることが好ましい。
フォトニック結晶の格子には、三角格子、四角格子などを用いることができる。格子点の形状は、円形、楕円形、三角形、正方形、長方形などの形状を用いることができる。
このとき、楕円形や長方形など、格子点が2回対象の形状の場合には、偏波制御などの機能を持たせることができる。
また、格子点の大きさ(空孔径)は、全部一定でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
さらに、フォトニック結晶の周期も、全部一定でもよいし、異なっていてもよい。
また本実施形態では空孔タイプのフォトニック結晶構造を用いているが、空孔に他の媒質を充填することも可能である。
このとき、効果を高めるためには、前記空孔に、上記上部DBR層を構成する媒質と屈折率差を有する媒質として、できるだけ屈折率差が大きいものを充填することが好ましい。
このとき、楕円形や長方形など、格子点が2回対象の形状の場合には、偏波制御などの機能を持たせることができる。
また、格子点の大きさ(空孔径)は、全部一定でもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
さらに、フォトニック結晶の周期も、全部一定でもよいし、異なっていてもよい。
また本実施形態では空孔タイプのフォトニック結晶構造を用いているが、空孔に他の媒質を充填することも可能である。
このとき、効果を高めるためには、前記空孔に、上記上部DBR層を構成する媒質と屈折率差を有する媒質として、できるだけ屈折率差が大きいものを充填することが好ましい。
次に、本実施の形態における面発光レーザ(VCSEL)の全体の構造に関して説明する。
本実施の形態では、面発光レーザ(VCSEL)の構造は、従来の面発光レーザ(VCSEL)の構造に、フォトニック結晶構造を設けたものである。
上下DBR層は、互いに屈折率差が異なる媒質を、1/4波長の光路長で積み重ねた通常のものである。
材料は半導体、誘電体、金属などを用いることができるが、発振波長に対して透明かつミラーを通して電流を注入するためには、半導体とすることが好ましい。
半導体DBRミラーの材料組み合わせには、AlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’As、InxGa1−xAsyP1−y/Inx’Ga1−x’Asy’P1−y’、GaN/AlxGa1−xNなどがある。
誘電体の組み合わせには、SiO2/TiO2、SiO2/ZrO2、TaO2/SiO2、ZrO2/HfO2などがあり、またこれらを任意の組み合わせで用いることができる。
本実施の形態では、面発光レーザ(VCSEL)の構造は、従来の面発光レーザ(VCSEL)の構造に、フォトニック結晶構造を設けたものである。
上下DBR層は、互いに屈折率差が異なる媒質を、1/4波長の光路長で積み重ねた通常のものである。
材料は半導体、誘電体、金属などを用いることができるが、発振波長に対して透明かつミラーを通して電流を注入するためには、半導体とすることが好ましい。
半導体DBRミラーの材料組み合わせには、AlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’As、InxGa1−xAsyP1−y/Inx’Ga1−x’Asy’P1−y’、GaN/AlxGa1−xNなどがある。
誘電体の組み合わせには、SiO2/TiO2、SiO2/ZrO2、TaO2/SiO2、ZrO2/HfO2などがあり、またこれらを任意の組み合わせで用いることができる。
活性層には、通常のVCSELで用いられているような、ダブルへテロ構造、多重量子井戸構造、ひずみ量子井戸構造、量子ドット構造などを適用することができる。
クラッド層は活性層を挟んで上下に導入され、活性層とクラッド層の厚さを足した合計Lが、発振波長λに対して、nλ=2L(n:自然数)、を満たすように調整される。
活性層とクラッド層の間に、電流閉じ込めのためのSCH(Separate Confinement Heterostructure)層を導入することも可能である。
クラッド層は活性層を挟んで上下に導入され、活性層とクラッド層の厚さを足した合計Lが、発振波長λに対して、nλ=2L(n:自然数)、を満たすように調整される。
活性層とクラッド層の間に、電流閉じ込めのためのSCH(Separate Confinement Heterostructure)層を導入することも可能である。
下部DBR層、上部DBR層の間に、クラッド層、活性層等を含み構成される面発光レーザにおける共振器において、上記活性層およびクラッド層には、III−V族半導体およびそれらの任意の混晶などを用いることができる。
すなわち、これらの材料には、GaAs、AlGaAs、AlGaInP、GaInAsP、GaInNAs、GaN、AlN、InNなどのIII−V族半導体およびそれらの任意の混晶などを用いることができる。
また、これら以外に、ZnSe、CdS、ZnOなどのII−VI族半導体およびそれら任意の混晶などがある。また、各種有機半導体なども使用可能である。
すなわち、これらの材料には、GaAs、AlGaAs、AlGaInP、GaInAsP、GaInNAs、GaN、AlN、InNなどのIII−V族半導体およびそれらの任意の混晶などを用いることができる。
また、これら以外に、ZnSe、CdS、ZnOなどのII−VI族半導体およびそれら任意の混晶などがある。また、各種有機半導体なども使用可能である。
また、本実施の形態における母体となる面発光レーザ(VCSEL)は、結晶成長により一括で作製することが、作製のスループット上好ましい。
この場合、活性層を構成する材料により、すなわち発振波長により、DBRミラーを構成する材料も限られてくる。
例えば、活性層がAlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’Asの場合には、DBR層はAlx’’Ga1−x’’As/Alx’’’Ga1−x’’’Asなどを用いることができる。
また、活性層が(AlxGa1−x)yIn1−yP/GaInPの場合にはAlx’’Ga1−x’’As/Alx’’’Ga1−x’’’Asなどを用いることができる。
また、活性層がInxGa1−xN/GaNの場合には、Alx’Ga1−x’N/GaNなどを用いることができる。
すなわち、同一元素の化合物半導体または格子定数が近い化合物半導体で、発振光を吸収しないように組成を制御した半導体が用いられる。
誘電体で作製したミラーを用いる場合は、格子定数を考慮する必要がないため、発振光を吸収しないような材料のミラーが用いられる。
この場合、活性層を構成する材料により、すなわち発振波長により、DBRミラーを構成する材料も限られてくる。
例えば、活性層がAlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’Asの場合には、DBR層はAlx’’Ga1−x’’As/Alx’’’Ga1−x’’’Asなどを用いることができる。
また、活性層が(AlxGa1−x)yIn1−yP/GaInPの場合にはAlx’’Ga1−x’’As/Alx’’’Ga1−x’’’Asなどを用いることができる。
また、活性層がInxGa1−xN/GaNの場合には、Alx’Ga1−x’N/GaNなどを用いることができる。
すなわち、同一元素の化合物半導体または格子定数が近い化合物半導体で、発振光を吸収しないように組成を制御した半導体が用いられる。
誘電体で作製したミラーを用いる場合は、格子定数を考慮する必要がないため、発振光を吸収しないような材料のミラーが用いられる。
クラッド層に関しても同様に、結晶成長を用いて一括で作製する場合には、同一元素または結晶の格子定数が近く、発振光を吸収しないnまたはp型半導体材料が用いられる。
例えば、活性層がAlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’Asの場合にはAlx’’Ga1−x’’Asなどを用いることができる。
また、活性層が(AlxGa1−x)yIn1−yP/GaInPの場合には(Alx’’Ga1−x’’)y’’In1−y’’Pなどを用いることができる。
また、活性層がInxGa1−xN/GaNの場合にはGaNなどを用いることができる。
例えば、活性層がAlxGa1−xAs/Alx’Ga1−x’Asの場合にはAlx’’Ga1−x’’Asなどを用いることができる。
また、活性層が(AlxGa1−x)yIn1−yP/GaInPの場合には(Alx’’Ga1−x’’)y’’In1−y’’Pなどを用いることができる。
また、活性層がInxGa1−xN/GaNの場合にはGaNなどを用いることができる。
次に、本実施の形態における電極の構成、および活性層へのキャリア注入方法について説明する。
本実施の形態においては、アノード、カソード1対の電極を有し、該電極からの電流注入により、活性層へのキャリア注入を行う。
電極は、通常のVCSELで用いられるリング状の電極、円形、方形などのパッド型電極、または基板全面に被着した電極などを用いることができる。
電極を構成する材料であるが、従来の半導体レーザプロセスなどで用いられている材料をはじめとし、あらゆる金属材料を用いることが可能である。
特に、半導体材料に関しては、従来の半導体レーザプロセスにおいて、半導体材料に応じて使用できる電極材料がほぼ決まっており、電極を形成する技術はほとんど確立されているため、それに従えばよい。
例えば、GaAsのn電極には、Au−Ge−Ni、Au−Ge−Pt、p電極にはAg−Zn、Au−Znなどの材料が用いられる。
また、金属以外にも、ITO、SnO2、InO2などの、導電性を有する透明酸化物材料などを電極に用いることも可能である。
本実施の形態においては、アノード、カソード1対の電極を有し、該電極からの電流注入により、活性層へのキャリア注入を行う。
電極は、通常のVCSELで用いられるリング状の電極、円形、方形などのパッド型電極、または基板全面に被着した電極などを用いることができる。
電極を構成する材料であるが、従来の半導体レーザプロセスなどで用いられている材料をはじめとし、あらゆる金属材料を用いることが可能である。
特に、半導体材料に関しては、従来の半導体レーザプロセスにおいて、半導体材料に応じて使用できる電極材料がほぼ決まっており、電極を形成する技術はほとんど確立されているため、それに従えばよい。
例えば、GaAsのn電極には、Au−Ge−Ni、Au−Ge−Pt、p電極にはAg−Zn、Au−Znなどの材料が用いられる。
また、金属以外にも、ITO、SnO2、InO2などの、導電性を有する透明酸化物材料などを電極に用いることも可能である。
さらに、本実施の形態の面発光レーザ(VCSEL)では、電流を活性層に効率よく注入するための狭窄構造が設けられる。
狭窄構造には、イオン注入による高抵抗化領域、酸化狭窄層などを用いることができ、素子の中の電流が流れる部分を開口とし、その他の部位は通電させないよう形成される。
通常これらの開口径、すなわち通電領域は、発振光のマルチモード化を避けるために数μmΦの円形などになる。
しかし、本実施の形態の面発光レーザ(VCSEL)では、モード制御は狭窄構造で行われるのではなく、フォトニック結晶により行われる。
そのため、むしろ狭窄構造はレーザ出力を小さくしないよう、通常のデバイスよりも大きく作製する必要がある。
具体的には、それぞれの面発光レーザ(VCSEL)のフォトニック結晶部における、最大の欠陥径により決まる値となる。
狭窄構造には、イオン注入による高抵抗化領域、酸化狭窄層などを用いることができ、素子の中の電流が流れる部分を開口とし、その他の部位は通電させないよう形成される。
通常これらの開口径、すなわち通電領域は、発振光のマルチモード化を避けるために数μmΦの円形などになる。
しかし、本実施の形態の面発光レーザ(VCSEL)では、モード制御は狭窄構造で行われるのではなく、フォトニック結晶により行われる。
そのため、むしろ狭窄構造はレーザ出力を小さくしないよう、通常のデバイスよりも大きく作製する必要がある。
具体的には、それぞれの面発光レーザ(VCSEL)のフォトニック結晶部における、最大の欠陥径により決まる値となる。
つぎに、本発明の実施例について説明する。なお、以下の実施例は例示的なものであり、本発明における面発光レーザ(VCSEL)の構造、材料、大きさ、形状などの諸条件は、これらの実施例によって何ら限定されるものではない。
[実施例1]
本発明の実施例1における面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図3に、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)を説明する図を示す。
図3(a)は全体の構成を説明するための横方向より見たときの断面図である。図3(a)において、301は基板、302は下部ミラーを構成する下部DBR層、303は下部クラッド層、304は活性層、305は上部クラッド層、306は酸化電流狭窄層、307は上部ミラーを構成する上部DBR層である。
308はフォトニック結晶空孔、309は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、310は抗酸化用キャップ層、311はn電極、312はp電極である。
[実施例1]
本発明の実施例1における面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図3に、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)を説明する図を示す。
図3(a)は全体の構成を説明するための横方向より見たときの断面図である。図3(a)において、301は基板、302は下部ミラーを構成する下部DBR層、303は下部クラッド層、304は活性層、305は上部クラッド層、306は酸化電流狭窄層、307は上部ミラーを構成する上部DBR層である。
308はフォトニック結晶空孔、309は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、310は抗酸化用キャップ層、311はn電極、312はp電極である。
基板301はGaAs基板であり、厚さ525μm、下部DBR層302、上部DBR層307はそれぞれn型、p型Al0.9GaAs/Al0.5GaAsで構成されている。
下部DBR層302の構成は、下部(基板側)からAl組成xとしてみると順に、x=0.9の層が33.7nm、
x=0.9⇒0.5の傾斜組成層が20nm、x=0.5の層が30nm、x=0.5⇒0.9の傾斜組成層が20nm、それぞれ70周期ずつ積まれている。
最後に、下部クラッド層との境には、x=0.9の層が43.9nm積まれている。上部DBR層307は、この下部DBR層をちょうど上下反転させた構造になっている。
下部、上部クラッド層はそれぞれn型、p型Al0.5In0.5Pで厚さはそれぞれ85.1nmである。活性層はノンドープの(Al0.5Ga0.5)0.495InP/In0.589Ga0.411Pの多重量子井戸構造となっており、井戸数は3層、それぞれの層厚は6nm/5.5nmである。
本実施例では、上下DBR層で反射される光は自由端反射であるため、定在波の腹は共振器の中心部に位置する。
従って本実施例では、活性層の導入位置は、共振器の中央部分となっている。上部クラッド層キャップ層の材料はGaAsであり、厚さは10nmである。
酸化電流狭窄層の径は16μmΦ、厚さは40nm、素子のメサ径は25μmである。電極はn電極がAu−Znで基板裏面に被着され、p電極がAu−Ge−Niのリング電極である。
本実施例のデバイスでは、上部DBR層を貫き、上部クラッド層に達するまでフォトニック結晶の空孔を設ける。
下部DBR層302の構成は、下部(基板側)からAl組成xとしてみると順に、x=0.9の層が33.7nm、
x=0.9⇒0.5の傾斜組成層が20nm、x=0.5の層が30nm、x=0.5⇒0.9の傾斜組成層が20nm、それぞれ70周期ずつ積まれている。
最後に、下部クラッド層との境には、x=0.9の層が43.9nm積まれている。上部DBR層307は、この下部DBR層をちょうど上下反転させた構造になっている。
下部、上部クラッド層はそれぞれn型、p型Al0.5In0.5Pで厚さはそれぞれ85.1nmである。活性層はノンドープの(Al0.5Ga0.5)0.495InP/In0.589Ga0.411Pの多重量子井戸構造となっており、井戸数は3層、それぞれの層厚は6nm/5.5nmである。
本実施例では、上下DBR層で反射される光は自由端反射であるため、定在波の腹は共振器の中心部に位置する。
従って本実施例では、活性層の導入位置は、共振器の中央部分となっている。上部クラッド層キャップ層の材料はGaAsであり、厚さは10nmである。
酸化電流狭窄層の径は16μmΦ、厚さは40nm、素子のメサ径は25μmである。電極はn電極がAu−Znで基板裏面に被着され、p電極がAu−Ge−Niのリング電極である。
本実施例のデバイスでは、上部DBR層を貫き、上部クラッド層に達するまでフォトニック結晶の空孔を設ける。
つぎに、図3(a)、(b)を用いて、本実施例におけるフォトニック結晶の空孔について説明をする。
図3(b)はフォトニック結晶パターンを説明するための光の放射方向から見たときの模式図である。
図3(b)において、313は素子のメサ部、314はフォトニック結晶空孔、315は欠陥部である。
ここで、図3に示されているのは、本実施例におけるフォトニック結晶の15周期(欠陥を取り巻く空孔周期数)に対して、7周期分のみである。
図3(a)、(b)に示すように、フォトニック結晶は中央部に欠陥部309、315が設けられ発光領域となる。
さらに、図3(a)に示すように、フォトニック結晶の深さは欠陥部に対して周縁部になるに従い深くなっている。
ここでも簡単のため、図3には4周期のみの空孔を示している。
また、図3(b)に示すように、本実施例におけるフォトニック結晶は2次元の3角格子である。
フォトニック結晶の格子定数は0.8μm、孔径は400nmである。
前述したように、フォトニック結晶の実際の周期は、欠陥を中心として周りに15周期である。
本実施例で、フォトニック結晶の空孔の深さは、欠陥部を取り囲む空孔、さらにそれを取り囲む空孔という順に深くなっていく。
図3(b)はフォトニック結晶パターンを説明するための光の放射方向から見たときの模式図である。
図3(b)において、313は素子のメサ部、314はフォトニック結晶空孔、315は欠陥部である。
ここで、図3に示されているのは、本実施例におけるフォトニック結晶の15周期(欠陥を取り巻く空孔周期数)に対して、7周期分のみである。
図3(a)、(b)に示すように、フォトニック結晶は中央部に欠陥部309、315が設けられ発光領域となる。
さらに、図3(a)に示すように、フォトニック結晶の深さは欠陥部に対して周縁部になるに従い深くなっている。
ここでも簡単のため、図3には4周期のみの空孔を示している。
また、図3(b)に示すように、本実施例におけるフォトニック結晶は2次元の3角格子である。
フォトニック結晶の格子定数は0.8μm、孔径は400nmである。
前述したように、フォトニック結晶の実際の周期は、欠陥を中心として周りに15周期である。
本実施例で、フォトニック結晶の空孔の深さは、欠陥部を取り囲む空孔、さらにそれを取り囲む空孔という順に深くなっていく。
つぎに、図4に本実施例の面発光レーザ(VCSEL)において、深さの等しい空孔を備えた構成例を示すための模式図を示す。
図4に示される面発光レーザ(VCSEL)は、図3(b)に示したものと基本的に同一の構成を備えているが、欠陥部を囲む空孔が中心から順に同心六角形状に色がついている。
前述したように、空孔が欠陥部から遠ざかるにつれ、空孔の深さは徐々に深くなるが、同じ模様の空孔はすべて同じ深さになる。
以下の表1に、本実施例における空孔の深さを、欠陥部を取り囲む空孔から順に挙げていく。
図4に示される面発光レーザ(VCSEL)は、図3(b)に示したものと基本的に同一の構成を備えているが、欠陥部を囲む空孔が中心から順に同心六角形状に色がついている。
前述したように、空孔が欠陥部から遠ざかるにつれ、空孔の深さは徐々に深くなるが、同じ模様の空孔はすべて同じ深さになる。
以下の表1に、本実施例における空孔の深さを、欠陥部を取り囲む空孔から順に挙げていく。
このとき、活性層に最も近い位置での欠陥導波路構造と、最も遠い位置での欠陥導波路構造におけるVパラメータを計算したグラフを図5に示す。
このグラフには、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)により形成される導波路における、空孔の深さごとの規格化周波数と単一モード状態を決定する実効VパラメータVeffとの関係が示されている。
Vパラメータは、導波路を伝搬する光が単一モードかマルチモードかを決定する理論的なパラメータであり、通常の導波路理論では2.405以下の時単一モードとなるとされている。
ここでは、非特許文献1に記載されているような面発光レーザ(VCSEL)のために換算した、実効VパラメータVeffを用いる。
Veffは以下の式2で表される。
このグラフには、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)により形成される導波路における、空孔の深さごとの規格化周波数と単一モード状態を決定する実効VパラメータVeffとの関係が示されている。
Vパラメータは、導波路を伝搬する光が単一モードかマルチモードかを決定する理論的なパラメータであり、通常の導波路理論では2.405以下の時単一モードとなるとされている。
ここでは、非特許文献1に記載されているような面発光レーザ(VCSEL)のために換算した、実効VパラメータVeffを用いる。
Veffは以下の式2で表される。
ここで、Λはフォトニック結晶の周期である。
図5より、活性層付近ではVeff >2.405でマルチモードであるが、DBR表面ではVeff <2.405となり、単一モードとなっていることがわかる。
従って、本実施の形態で述べた理由から、活性層付近でマルチモードで共振している光は、上部DBR層付近では単一モードとなり、出射時にも単一モードで出射する。
図5より、活性層付近ではVeff >2.405でマルチモードであるが、DBR表面ではVeff <2.405となり、単一モードとなっていることがわかる。
従って、本実施の形態で述べた理由から、活性層付近でマルチモードで共振している光は、上部DBR層付近では単一モードとなり、出射時にも単一モードで出射する。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)の作製方法に関して説明する。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)は、既存の作製プロセスで作製した面発光レーザ(VCSEL)にフォトニック結晶の空孔を設けることにより作製することができる。
具体的には、VCSELを結晶成長、フォトリソ、ドライエッチング、水蒸気酸化といったプロセスを用いて作製し、上部DBR層の上からFIB(Focused Ion Beam)を用いてフォトニック結晶の空孔を形成する。
その後、p、n電極を蒸着またはスパッタにより形成する。
本実施例におけるレーザ素子に通電すると、670nmの赤色波長で発振する。フォトニック結晶の空孔の深さを中央の欠陥部の周りから徐々に深くしていくことにより、上述したような理由から、大出力で単一モードのレーザ光を得ることができる。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)は、既存の作製プロセスで作製した面発光レーザ(VCSEL)にフォトニック結晶の空孔を設けることにより作製することができる。
具体的には、VCSELを結晶成長、フォトリソ、ドライエッチング、水蒸気酸化といったプロセスを用いて作製し、上部DBR層の上からFIB(Focused Ion Beam)を用いてフォトニック結晶の空孔を形成する。
その後、p、n電極を蒸着またはスパッタにより形成する。
本実施例におけるレーザ素子に通電すると、670nmの赤色波長で発振する。フォトニック結晶の空孔の深さを中央の欠陥部の周りから徐々に深くしていくことにより、上述したような理由から、大出力で単一モードのレーザ光を得ることができる。
本実施例では、フォトニック結晶の周期はすべて一定の例を説明したが、そうでなくてもよい。すなわち周期が場所により異なっていてもよく、特に、欠陥部に向かい周期を大きくすることで、光をより緩やかに閉じ込めることができるため、性能が向上する。
ただしこの場合、フォトニック結晶の空孔径が欠陥部から遠ざかるにつれて徐々に大きくなっている分、実効屈折率変化の割合が大きくなりやすく、その分変換効率は下がる。
ただしこの場合、フォトニック結晶の空孔径が欠陥部から遠ざかるにつれて徐々に大きくなっている分、実効屈折率変化の割合が大きくなりやすく、その分変換効率は下がる。
本実施例では、素子を構成する材料に、AlGaAs/AlGaInP系の化合物半導体を用い、活性層にAlGaInP/GaInPの多重量子井戸構造を用いたが、その他の材料系で構成することも可能である。
その他の材料系としては、GaN、InN、AlNなど、本実施の形態で挙げたような半導体材料をすべて用いることが可能である。
また、DBR層や電極材料で用いることができる材料も、上記項で挙げたとおりである。
また本実施例では、丸穴、三角格子のフォトニック結晶構造を用いたが、楕円形穴、四角格子など本実施の形態で説明したように、すべてのフォトニック結晶構造を用いることができる。
その他の材料系としては、GaN、InN、AlNなど、本実施の形態で挙げたような半導体材料をすべて用いることが可能である。
また、DBR層や電極材料で用いることができる材料も、上記項で挙げたとおりである。
また本実施例では、丸穴、三角格子のフォトニック結晶構造を用いたが、楕円形穴、四角格子など本実施の形態で説明したように、すべてのフォトニック結晶構造を用いることができる。
[実施例2]
本発明の実施例2における面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図6に、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)を説明する図を示す。
図6(a)は全体の構成を説明するための横方向より見たときの断面図である。図6(b)はフォトニック結晶パターンを説明するための光の放射方向から見たときの模式図である。
図6において、601は基板、602は下部ミラーを構成する下部DBR層、603は下部クラッド層、604は活性層、605は上部クラッド層、606は酸化電流狭窄層、607は上部ミラーを構成する上部DBR層である。
608はフォトニック結晶空孔、609は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、610は抗酸化用キャップ層、611はn電極、612はp電極である。
613は素子のメサ部、614はフォトニック結晶空孔、615は欠陥部である。
本実施例の面発光レーザ(VCSEL)では、実施例1に対して、フォトニック結晶構造が、放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、空孔の孔径が大きくなる構造とされている。
また、それに伴いデバイスの構造パラメータも変化している部分がある。その他、基本的なデバイス構成はすべて実施例1と同様である。
本発明の実施例2における面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図6に、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)を説明する図を示す。
図6(a)は全体の構成を説明するための横方向より見たときの断面図である。図6(b)はフォトニック結晶パターンを説明するための光の放射方向から見たときの模式図である。
図6において、601は基板、602は下部ミラーを構成する下部DBR層、603は下部クラッド層、604は活性層、605は上部クラッド層、606は酸化電流狭窄層、607は上部ミラーを構成する上部DBR層である。
608はフォトニック結晶空孔、609は発光領域であるフォトニック結晶欠陥部、610は抗酸化用キャップ層、611はn電極、612はp電極である。
613は素子のメサ部、614はフォトニック結晶空孔、615は欠陥部である。
本実施例の面発光レーザ(VCSEL)では、実施例1に対して、フォトニック結晶構造が、放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、空孔の孔径が大きくなる構造とされている。
また、それに伴いデバイスの構造パラメータも変化している部分がある。その他、基本的なデバイス構成はすべて実施例1と同様である。
図6(a)、(b)を用いて、本実施例の面発光レーザ(VCSEL)の構造について説明をする。本実施例でも、フォトニック結晶の周期数は15であるが、図示されているフォトニック結晶の周期は7周期分のみである。
本実施例のフォトニック結晶構造は、欠陥の周囲からデバイスの周縁部に広がるに従い、空孔径が徐々に大きくなる構造を備えている。
空孔の深さに関しては、実施例1の欠陥から数えて6周期目までの深さと同様である。図6(a)においては、やはり簡単のため欠陥から4周期分のフォトニック結晶が図示されている。
その他のフォトニック結晶パラメータは実施例1と同様である。
本実施例におけるフォトニック結晶の孔径を、以下の表2に示す。
本実施例のフォトニック結晶構造は、欠陥の周囲からデバイスの周縁部に広がるに従い、空孔径が徐々に大きくなる構造を備えている。
空孔の深さに関しては、実施例1の欠陥から数えて6周期目までの深さと同様である。図6(a)においては、やはり簡単のため欠陥から4周期分のフォトニック結晶が図示されている。
その他のフォトニック結晶パラメータは実施例1と同様である。
本実施例におけるフォトニック結晶の孔径を、以下の表2に示す。
本実施において、実施例1と同様に活性層に最も近い位置での欠陥導波路構造と、最も遠い位置での欠陥導波路構造におけるVパラメータを計算したグラフを図7に示す。
図7のグラフには、本発明の実施例2の面発光レーザ(VCSEL)により形成される導波路における、空孔の深さごとの規格化周波数と単一モード状態を決定する実効VパラメータVeffとの関係が示されている。
実施例1と孔径は異なっているものの、やはり活性層より最も遠い位置では単一モードとなっていることが分かる。
本実施例では、実施例1に対してフォトニック結晶の欠陥導波路の幅(本実施例では10.4μm)が異なっているため、酸化狭窄層の径が異なる。本実施例では、酸化狭窄層の径は11μmΦである。それ以外のデバイスパラメータは、すべて実施例1と同様である。
図7のグラフには、本発明の実施例2の面発光レーザ(VCSEL)により形成される導波路における、空孔の深さごとの規格化周波数と単一モード状態を決定する実効VパラメータVeffとの関係が示されている。
実施例1と孔径は異なっているものの、やはり活性層より最も遠い位置では単一モードとなっていることが分かる。
本実施例では、実施例1に対してフォトニック結晶の欠陥導波路の幅(本実施例では10.4μm)が異なっているため、酸化狭窄層の径が異なる。本実施例では、酸化狭窄層の径は11μmΦである。それ以外のデバイスパラメータは、すべて実施例1と同様である。
つぎに、本実施例における面発光レーザ(VCSEL)の作製方法に関して説明する。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)は、基本的な作製プロセスは実施例1と同様である。
但し、本実施例においては、実施例1でFIBで形成していたフォトニック結晶空孔を、EB(Electron Beam)リソとRIE(Reactive Ion Ectching)ドライエッチングにより形成する。
ドライエッチングのレートは、空孔径により異なるため、空孔径の大きい周縁部ほど空孔の深さは大きくする必要がある。
このようにすることで、フォトニック結晶パターンをFIBではなく、EBリソによりパターニングしたRIEで一括に形成することができる。
本実施例におけるレーザ素子に通電すると、670nmの赤色波長で発振する。フォトニック結晶の空孔の深さを中央の欠陥部の周りから徐々に深くしていくことにより、上述したような理由から、大出力で単一モードのレーザ光を得ることができる。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)は、基本的な作製プロセスは実施例1と同様である。
但し、本実施例においては、実施例1でFIBで形成していたフォトニック結晶空孔を、EB(Electron Beam)リソとRIE(Reactive Ion Ectching)ドライエッチングにより形成する。
ドライエッチングのレートは、空孔径により異なるため、空孔径の大きい周縁部ほど空孔の深さは大きくする必要がある。
このようにすることで、フォトニック結晶パターンをFIBではなく、EBリソによりパターニングしたRIEで一括に形成することができる。
本実施例におけるレーザ素子に通電すると、670nmの赤色波長で発振する。フォトニック結晶の空孔の深さを中央の欠陥部の周りから徐々に深くしていくことにより、上述したような理由から、大出力で単一モードのレーザ光を得ることができる。
また、本実施例でも、フォトニック結晶の空孔径が欠陥部から遠ざかるにつれて徐々に大きくなっている分、実効屈折率変化の割合が大きくなりやすく、その分変換効率は下がる。
しかしながら、フォトニック結晶の空孔径が漸近的に大きくなっていくことから、欠陥部への光閉じ込めが緩やかになるという特徴がある。
従って、単一モードの条件が緩やかになり、より大口径で、単一モードの出力を得ることができる。
また、更に光を欠陥に緩く閉じ込めるために、実施例1で述べた、欠陥部に近づくほど結晶の周期を大きくして行く構成を併用して用いることもできる。
しかしながら、フォトニック結晶の空孔径が漸近的に大きくなっていくことから、欠陥部への光閉じ込めが緩やかになるという特徴がある。
従って、単一モードの条件が緩やかになり、より大口径で、単一モードの出力を得ることができる。
また、更に光を欠陥に緩く閉じ込めるために、実施例1で述べた、欠陥部に近づくほど結晶の周期を大きくして行く構成を併用して用いることもできる。
101:基板
102:下部ミラーを構成する下部DBR層
103:下部クラッド層
104:活性層
105:上部クラッド層
106:電流狭窄構造
107:上部ミラーを構成する上部DBR層
108:フォトニック結晶空孔
109:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
110:n電極
111:p電極
301:基板
302:下部ミラーを構成する下部DBR層
303:下部クラッド層
304:活性層
305:上部クラッド層
306:酸化電流狭窄層
307:上部ミラーを構成する上部DBR層
308:フォトニック結晶空孔
309:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
310:抗酸化用キャップ層
311:n電極
312:p電極
313:素子のメサ部
314:フォトニック結晶空孔
315:欠陥部
601:基板
602:下部ミラーを構成する下部DBR層
603:下部クラッド層
604:活性層
605:上部クラッド層
606:酸化電流狭窄層
607:上部ミラーを構成する上部DBR層
608:フォトニック結晶空孔
609:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
610:抗酸化用キャップ層
611:n電極
612:p電極
613:素子のメサ部
614:フォトニック結晶空孔
615:欠陥部
102:下部ミラーを構成する下部DBR層
103:下部クラッド層
104:活性層
105:上部クラッド層
106:電流狭窄構造
107:上部ミラーを構成する上部DBR層
108:フォトニック結晶空孔
109:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
110:n電極
111:p電極
301:基板
302:下部ミラーを構成する下部DBR層
303:下部クラッド層
304:活性層
305:上部クラッド層
306:酸化電流狭窄層
307:上部ミラーを構成する上部DBR層
308:フォトニック結晶空孔
309:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
310:抗酸化用キャップ層
311:n電極
312:p電極
313:素子のメサ部
314:フォトニック結晶空孔
315:欠陥部
601:基板
602:下部ミラーを構成する下部DBR層
603:下部クラッド層
604:活性層
605:上部クラッド層
606:酸化電流狭窄層
607:上部ミラーを構成する上部DBR層
608:フォトニック結晶空孔
609:発光領域であるフォトニック結晶欠陥部
610:抗酸化用キャップ層
611:n電極
612:p電極
613:素子のメサ部
614:フォトニック結晶空孔
615:欠陥部
Claims (8)
- 下部DBR層と、上部DBR層と、これらの間に介在する活性層と、を少なくとも有する面発光レーザであって、
前記上部DBR層は、レーザ光を外部に出力する放射エリアの中央部以外の領域にフォトニック結晶構造を備え、
前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、マルチモード発振を抑制して単一横モード発振が可能に実効屈折率を変化させた屈折率周期構造を有していることを特徴とする面発光レーザ。 - 前記屈折率周期構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に向けて、前記上部DBR層の面内方向と垂直な方向に形成された複数の空孔を有し、
前記複数の空孔の深さが、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って深くなる構造とされていることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。 - 前記下部DBR層、上部DBR層及び活性層を含み構成される面発光レーザにおける共振器が、AlGaAs、AlGaInP系の化合物半導体によって形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザ。
- 前記空孔の深さは、該深さの割合が前記実効屈折率に応じて調整されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記空孔の深さは、最も深いものにおいて活性層の直上までとされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記空孔に、前記上部DBR層を構成する媒質と屈折率差を有する媒質が充填されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、前記空孔の孔径が大きくなる構造とされていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記フォトニック結晶構造は、前記放射エリアの中央部から周辺方向に離れるに従って、結晶周期が短くなる構造とされていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011238929A (ja) * | 2010-05-10 | 2011-11-24 | Toshiba Corp | 半導体素子、及び半導体素子製造方法 |
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JP2013518429A (ja) * | 2010-01-29 | 2013-05-20 | ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. | マルチモード垂直共振器面発光レーザアレイ |
-
2007
- 2007-04-27 JP JP2007119586A patent/JP2008277563A/ja active Pending
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