JP4300246B2 - フォトニック結晶を有する構造体及びそれを用いた面発光レーザ - Google Patents

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Description

本発明は、フォトニック結晶を有する構造体及びそれを用いた面発光レーザに関する。
近年、フォトニック結晶に関する研究が盛んに行われている。
フォトニック結晶とは、結晶中における電子状態にバンドギャップが存在するのと同様に、屈折率に周期構造をもたせることで、光の導波を抑制する波長帯(フォトニックバンドギャップ)が生じる構造である。
非特許文献1には、このようなフォトニック結晶を用いて、Guided Resonance(以下、これをGRと記す。)に関する検討がなされている。
上記GRとは、屈折率周期構造を面内方向に有するフォトニック結晶の面内方向に導波している導波モードの光が、放射モードに結合することにより、フォトニック結晶の外に放射されることをいう。
このGRを利用することにより、フォトニック結晶は、ミラーとして利用することができる。すなわち、フォトニック結晶の面内に対して垂直方向に入射した光がライトラインより上に位置するモードと結合することで、フォトニック結晶中を導波するモードに変換される。その後、この光が放射モードに結合することで再度フォトニック結晶外に放射される。そして、導波モードに結合せず直接反射する光と、一旦導波モードに結合して再度外部に放射される光との干渉により、特異な反射現象、例えば効率100%の反射が起こる。
一般的には、導波モードとは、フォトニック結晶層から光が漏れないという条件を満たすモードのことをいい、放射モードとは、フォトニック結晶層から光が漏れるモードのことをいう。
また、ライトラインとは、導波層(この場合はフォトニック結晶層)に隣接する媒質中を伝播する光の分散関係を示すものである。このライトラインは、w=ck/n(w:角周波数、c:光速、n:屈折率、k:波数)で定まる直線で示すことができる。一般的に、ライトラインよりも高周波数の領域は、光がフォトニック結晶から漏れやすい領域となっている。
このように、GRを利用するミラーは、フォトニックバンドギャップを利用したミラーとは動作原理が異なるものである。
従って、図2(a)で示されるフォトニック結晶に垂直に入射する入射光の波長を、前記GRによって反射率が著しく増大する波長に合わせた場合、入射した光は高い反射率で反射されることとなる。
上記非特許文献1においては、つぎのような条件のもとで、実際にシミュレーションが行われている。
すなわち、断面形状が円であるピラーの半径r=0.4a(aは格子の周期)、高さh=0.9aとしている。そして、該ピラーを構成する材料の屈折率nphc=4.47、ピラーに隣接する領域の屈折率は、1.0として、シミュレーションが行われている。
その結果、図2(b)に示すGRが生じることが示されている。
Appl.Phys.Lett.87,091102(2005)
ところで、フォトニック結晶における上記GRを利用して、レーザ等に適用されるミラーを作製する場合、フォトニック結晶層と隣接するクラッド層との屈折率差が非常に小さい条件で構成せざるを得ない場合がある。
例えば、波長670nmの面発光レーザにおいては、フォトニック結晶層をAl0.5Ga0.5Asで構成し、それに隣接するクラッド層をAl0.93Ga0.07Asなどで構成することが想定される。この場合、波長670nmの光に対するAl0.5Ga0.5Asの屈折率は3.446、Al0.93Ga0.07Asの屈折率は3.130であるため、両者の比屈折率差(Δn(=(nphc−nclad)/nphc))は、約0.09(約9%)である。
このような場合、前記非特許文献1に記載の構成をそのまま適用したのでは、上記GRが生じ難く、フォトニック結晶をミラーとして使用することは難しいことが想定される。
このようなことから、本発明者らは、図3(a)に示す構成により、同様にシミュレーションを行い、上記GRが存在し得るかを確認した。
少なくとも、ピラーからなるフォトニック結晶層と、それに隣接するクラッド層として機能する基板との比屈折率差Δn(=(nphc−nclad)/nphc)が、0.35(35%)以上では、上記GR効果が生じ得る。
しかし、少なくとも0.13(13%)以下では、上記GR効果が生じ無いことが確認された。実際のシミュレーション結果を図3(b)に示す。
そこで、本発明は、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれない場合であっても、上記GRにより反射機能を発揮し得る新規な構造体、及びそれを用いた面発光レーザの提供を目的とする。
本発明に係る構造体は、フォトニック結晶層を有する構造体であって、平板状の第1の部材と、該第1の部材上に二次元周期的に配列した複数のピラーとから構成され、且つ第1の屈折率(n)を有する第1の材料からなるフォトニック結晶層と、該フォトニック結晶層に隣接し、該第1の屈折率よりも低い第2の屈折率(n)を有する第2の材料からなる低屈折率層と、を備え、前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との比屈折率差Δn(=(n−n)/n)が0.04以上0.13以下であり、前記フォトニック結晶層の層厚tに対する前記ピラーの高さhは、0.10t以上0.70t以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る面発光レーザは、上記に記載の構造体からなる第1のミラーと、活性層と、第2のミラーとを含み構成されることを特徴とする。
本発明によれば、フォトニック結晶層とそれに隣接するクラッド層との屈折率差が十分にとれない場合であっても、上記GRにより反射機能を発揮し得る新規な構造体、及びそれを用いた面発光レーザを実現することができる。
(実施形態1)
実施形態1として、ミラーとして使用する構造体について説明する。
図1に、本実施形態1に係るフォトニック結晶を有する構造体を説明するための図を示す。図1(a)は上記構造体の構成を説明するための模式的斜視図であり、図1(b)は図1(a)におけるa−a’断面図である。
図1(a)において、1000は、フォトニック結晶層である。当該フォトニック結晶層は、平板状の第1の部材1015と、該第1の部材上に二次元周期的(すなわち、面内方向に周期的)に配列した複数のピラー(柱状構造体)1010から構成される。
ピラー(柱状構造体)1010と第1の部材1015とは同じ材料(第1の屈折率n)から構成される。
そして、第1の屈折率(n)を有する第1の材料からなる第1の部材1015に隣接し、該第1の屈折率よりも低い第2の屈折率(n)を有する第2の材料からなる低屈折率層1020(クラッド層と呼ばれる場合もある。)が設けられている。
本実施形態に係る構造体は、図1に記載した、フォトニック結晶層1000の厚さ方向(平板状の第1の部材の面内に対して垂直方向)に入射する光を反射するように、当該入射光の波長に対して、上記GRを生じるように設計される。
斯かる場合、フォトニック結晶層1000に入射した光は回折され、一旦、フォトニック結晶層内を伝播する。そして、この伝播した光は放射モードと結合し、外部に放射される。この伝播して放射された光が、フォトニック結晶内を伝播せずに反射した光と干渉することにより、上記構造体はミラーとして機能する。
ここで、前記第1の屈折率と第2の屈折率との屈折率差Δn(=(n−n)/n)は0.04以上0.13以下である。なお、Δnがゼロということはありえないので、実際のデバイスを構成するという観点からの現実的な下限値が0.04である。
ピラーを利用したフォトニック結晶の場合は、ピラーの断面径を大きくすればする程、下層の低屈折率層との屈折率差を大きくできるので好ましい。
フォトニック結晶層の層厚tに対するピラーの高さhの関係について述べる。
以下の表は、t=1.2a、屈折率差0.10の場合に、GR効果が確認できるか否かを示したものである。表の中で、○はGR効果が確認できることを意味し、×はGR効果が確認できないことを意味する。
Figure 0004300246
このように、ピラーの高さhは、0.10t以上0.70t以下の範囲でGR現象が生じる。
ところで、0.10t未満の層厚では、屈折率周期の振幅が小さくなることで回折効率が落ち、従ってGR現象が生じ難くなり好ましくない。
また、0.70tを超えると、フォトニック結晶層の実効的な屈折率が低下し、下層の低屈折率層との屈折率差が小さくなり、GR現象が生じ難くなってしまう場合がある。かかる点からも、hの範囲は、上記範囲にしておくことが好ましい。
つぎに、本実施形態に係るミラーとしての構造体を構成する第1の部材、第2の部材について、説明する。
第1の屈折率nとしては、例えば2.15から3.50の範囲である。具体的な材料としては、TiOなどの高屈折率誘電体、GaN、InGa1−xN、AlGa1−xAs、(AlGa1−xIn1−yPなどの半導体を選択的に用いることができる。また、第2の屈折率nとしては、例えば1.90から3.30の範囲である。具体的な材料としては、AlGa1−xN、AlGa1−xAsなどの半導体、ITO(Indium Tin Oxide;インジウム錫酸化物)などの透明導電材料を選択的に用いることができる。
ここで、Δnが0.13以下となる構成としては、例えば第1の部材をAl0.5Ga0.5Asとし、第2の部材をAl0.93Ga0.07Asとする場合がある。周期構造を実現するための、ピラーの断面形状は円、四角などである。また、格子の形としては、四角格子や三角格子などがある。フォトニック結晶層の層厚tは、例えば、aから2.0aの範囲が好ましい。
(実施形態2)
実施形態2として、実施形態1で説明した構造体を用いた面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図4に、本実施形態に係る面発光レーザ(VCSEL)の構成を説明するための断面模式図を示す。
図4において、401は基板、402は下部共振器ミラー(第2のミラー)、403は下部クラッド層、404は活性層、405は上部クラッド層、406は電流狭窄構造、407は上部共振器ミラー(第1のミラー)である。
本実施形態に係るVCSELにおいては、共振器を構成するミラーの一方、または両方についてフォトニック結晶を有する構造体を用いて構成している。
どちらの構成をとるにしても、図4の下部共振器ミラーをフォトニック結晶を用いて構成する場合には、プロセスに張り合わせなどを用いる必要がある。
従って、プロセス難易度の観点では、一方のミラー、それも上部共振器ミラーのみにフォトニック結晶を用いることが好ましい。図4では、便宜的にそのような構成を記載している。
フォトニック結晶を有する構造体以外のもう一方のミラーとしては、例えば半導体または誘電体で構成された分布ブラッグ反射ミラー(DBRミラー)を用いることができる。
上部共振器ミラーにフォトニック結晶を用いた場合について、前述したように、フォトニック結晶層と上部クラッド層との屈折率差を小さくせざるを得ない場合がある。
この時、上部クラッド層はフォトニック結晶層よりも屈折率が小さくなる。実施形態1でのミラーを用いた場合、とれる屈折率差の範囲は上述したとおりである。
さらに、VCSELのミラーとして適用することを考えると、フォトニック結晶を有する構造体の反射帯域は、広いほど好ましい。
上記実施形態1でのミラーは、ピラー同士が接触しない範囲においては、大きい程GRの帯域(半値幅)が広くなる傾向がある。
従ってVCSELに用いる場合には、ピラーの半径は、ピラー同士が接触しない範囲で可能な限り大きいことが好ましい。
さらにこのような状況の場合、フォトニック結晶の実効的な屈折率を大きくとることができるため、低い屈折率差においてGRを発現させるためにも好ましい。以上の点より、上記実施形態1でのミラーを用いた本実施形態に係る面発光レーザ(VCSEL)は、ミラーとクラッドの低屈折率差およびミラーの広帯域化の2つの利点を同時に持ち合わせている。
次に、本実施形態に係る面発光レーザ(VCSEL)における、レーザ共振器について説明する。共振器長Lは、共振波長λに対してL=mλ/2(m:整数)の関係を満たす。但し、ここで用いている共振器長とは、共振器ミラーにおける位相シフトの量を含めた実効的な共振器長である。
また、本実施形態に係るVCSELに電極を設け(図4には不図示)、電流注入により駆動する場合は、電流狭窄構造を設けることが好ましい。用いることができる構造には、例えば酸化狭窄による狭窄層、イオン注入による高抵抗化を利用した狭窄層などがある。
本実施形態に係る面発光レーザ(VCSEL)において、用いることのできる材料は、フォトニック結晶を有する構造体、およびクラッド層に関しては上述したような材料である。
また、DBRミラーに関しては、半導体では上述したような材料を用いることができる。また、誘電体では上述した材料に加え、SiO、HfO、ZrOなどを用いることが可能である。
活性層404は、例えば半導体の多重量子井戸構造、ひずみ量子井戸構造などを用いることができる。この場合材料は、発振させる波長に応じて、AlGa1−xN、GaN、InGa1−xN、AlGa1−xAs、(AlGa1−xIn1−yP、InGa1−xN、ZnSe、ZnOなどの半導体である。
基板401には、例えば半導体GaAs、GaN、または誘電体Sapphireなどを用いることができる。
なお、本実施形態ではVCSELのミラーとして用いる構造体について説明したが、実施形態1で説明した構造体はDFB型のレーザの回折格子としても用いることができる。つまり、活性層の近くに上記構造体を配置して、構造体に入射した光を面内方向に共振させ、構造体の外部に取り出すという構成も取り得る。なお、DFB型のレーザは、下部共振器ミラーが必ずしも必要でない点において、VCSELとは異なるものである。
以下に、本発明の実施例について説明する。
[実施例1]
実施例1においては、図1に記載のピラー型のフォトニック結晶を用いて、シミュレーション上、確認したGR現象について説明する。
それぞれの材料は、フォトニック結晶層1000の屈折率が3.446(波長670nm付近におけるAl0.5Ga0.5Asの屈折率)である。
また、クラッド層1020が3.130(波長670nm付近におけるAl0.93Ga0.07Asの屈折率)である。
フォトニック結晶のパラメータとしては、格子定数a210nm、半径95nm(0.45a)、厚さt320nm(1.53a)、ピラー高さh160nm(0.5t)として、上述の転送行列法を用いて計算している。
計算結果を図5に示す。これは上記のフォトニック結晶を有する構造体に平面波を入射したときの透過率スペクトルである。波長675nm付近で透過率が0となり、100%反射のミラーとして機能していることがわかる。本実施例におけるフォトニック結晶−クラッド間の屈折率差Δnはおよそ0.09であり、屈折率差の低い状況で上記GR効果が発現している。
本実施例では、パラメータをある一定値に固定した時の計算結果を示したが、上述した通り、これ以外にも所定のパラメータ範囲内において上記GR効果を発現させることができる。
まず、本実施例では、屈折率差Δnを0.09としているが、フォトニック結晶層の厚さ、ピラーの高さなどのパラメータを適当に設定することにより、最大でΔn0.04程度まで上記GR効果を発現させることが可能である。
さらに、フォトニック結晶の厚さtについては、それぞれのパラメータの関係で多少上下するが、およそ0.9a以上であれば上記GR効果が発現する。それ以上においては、厚ければ厚いほど上記GR効果は発現しやすくなる傾向がある。
このとき、ある最適値において、上記GR効果の半値幅は最大となり、それ以上厚くすると、半値幅は徐々に小さくなってくる。
また、ピラーの高さに関しては、フォトニック結晶層の厚さtに対して、およそ0.1t〜0.7tの間でGRが発現する。理由は上述のとおりである。
また、ピラーの半径については、上述したように、ピラー同士が接触しない範囲においては、大きい程、上記GR効果の帯域(半値幅)が広くなる傾向がある。さらに、このような状況の場合、フォトニック結晶の実効的な屈折率を大きくとることができるため、低い屈折率差において上記GR効果を発現させるのにも適した構成となる。
最後にミラーを構成する材料に関して説明する。本実施例では、材料をある組成のAlGa1−xAsにしている。しかし、フォトニック結晶層1000を構成する物質の屈折率と、低屈折率層1020を構成する物質の屈折率の関係が同様であれば、実施形態1の項で述べたような材料では、どのような材料においても上記GR効果は発現する。
従って、これらを用いて屈折率差Δn0.13〜0.04の間でGRを発現させることができる。
なお、上述したシミュレーションは、文献Physical Review B68,155101(2003)に記載の転送行列法を用いて行っている。
[実施例2]
実施例2では、本発明を適用して構成した面発光レーザ(VCSEL)について説明する。
図6に、本実施例に係る面発光レーザを説明するための断面模式図を示す。図6において、601は基板、602は下部共振器ミラー、603は下部クラッド層、604は活性層、605は上部クラッド層である。また、606は酸化電流狭窄層、607は電流狭窄酸化層、608は上部共振器ミラー光閉じ込め層、609は上部共振器ミラー、610はn電極、611はp電極である。
以下に、本実施例における面発光レーザ(VCSEL)の各部位の機能、構成、材料に関して説明する。
本実施例では、共振器を構成するミラーは一方がフォトニック結晶を有する構造体、もう一方がDBRミラーである。
上部共振器ミラー609はフォトニック結晶を有する構造体であり、p−Al0.5Ga0.5Asで構成されている。
構造パラメータは実施例1におけるミラーと同様である。上記ミラーは、本実施例におけるVCSELの発振波長である670nmの光を反射する。
ミラーのフォトニック結晶部の大きさは7μmΦであり、およそ30周期分のピラーが円形状に並べられている。
上部共振器ミラー光閉じ込め層608は、実施例1におけるミラーのクラッド層と同様、光をフォトニック結晶に閉じ込める役割をする。材料はp−Al0.93Ga0.07Asである。厚さは428nm(2波長分)である。
下部共振器ミラーは、DBRミラーであり、n−Al0.5Ga0.5As/n−Al0.93Ga0.07Asのペアよりなり、層数は70ペアである。それぞれの層の厚さは、光路長換算でそれぞれ発振波長のλ/4となっている。本実施例では、発振波長は670nmの赤色光であるため、それぞれの層は48nm、53nmである。また、共振器の下部クラッド層に近い順にn−Al0.5Ga0.5As/n−Al0.93Ga0.07Asの順番で積層されている。
活性層604は、ノンドープの(Al0.5Ga0.50.5InP/In0.5Ga0.5Pの多重量子井戸構造となっており、井戸数は3層、それぞれの層厚は7nm、9nmである。井戸とクラッドの境界は、12μmの(Al0.5Ga0.50.5InP層となっている。
下部クラッド層603、上部クラッド層605は、それぞれn、p−(Al0.73Ga0.270.5InPで構成されている。厚さはそれぞれ119nmである。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)の共振器は、下部および上部クラッド層、活性層、上部共振器ミラー光閉じ込め層で構成されている。それぞれの厚さは(下部クラッド層+活性層+上部クラッド層)=(1.5波長分)、上部共振器ミラー光閉じ込め層=(2波長分)であり、合計3.5波長分となっている。
また、活性層は、下部共振器ミラーから0.75波長離れて導入されており、共振光の定在波の腹の部分に位置するようになっている。
p電極は、上部共振器ミラーの、フォトニック結晶のピラー構造が設けられている領域の周囲に形成されているリング電極である。
材料はAu−Ge−Niである。n電極はAu−Znであり、基板の裏側全域に形成されている。
酸化電流狭窄層606、電流狭窄酸化層607は厚さ20nm、酸化電流狭窄層の大きさおよび形状は、5μmΦの円形である。
基板601はn−GaAsであり、厚さは525μmである。
次に、本実施例における面発光レーザ(VCSEL)の製造プロセスについて説明する。
本実施例の面発光レーザ(VCSEL)は、基本的には公知のAlGaInP、AlGaAs系の面発光レーザ(VCSEL)製造において用いられているプロセスを用いて製造することができる。
具体的には、結晶成長、フォトリソグラフィー、ドライエッチング、電極蒸着・スパッタリングを組み合わせたプロセスで製造することができる。フォトニック結晶の部分は、EBリソグラフィーとドライエッチングにより作製する。
本実施例における面発光レーザ(VCSEL)に通電すると、670nmの赤色光がレーザ発振する。上部共振器ミラーであるフォトニック結晶を有する構造体と、下部共振器ミラーであるDBRミラーで構成されている共振器が、面発光レーザ(VCSEL)の垂直共振器として働く。
本実施例においては、活性層およびクラッドに(AlGa1−xIn1−yP、共振器ミラー、および上部共振器ミラー光閉じ込め層にAlGa1−xAsを用いたが、その他の材料を用いることもできる。用いることのできる材料は、実施形態1、実施形態2で述べたとおりである。
但し、上部共振器ミラーと上部共振器ミラー光閉じ込め層間の屈折率差は、0.13〜0.04の間となる。
本実施形態1に係るフォトニック結晶を用いた構造体を説明するための図であり、(a)は上記構造体の構成を説明するための模式的斜視図、(b)は上記(a)におけるa−a’断面図である。 非特許文献1における、ピラー型フォトニック結晶とその透過率スペクトルを示した図である(非特許文献1より抜粋)。(a)ピラー型フォトニック結晶の形態を示した斜視図である。(b)ピラー型フォトニック結晶の透過率スペクトルを示した図である。 非特許文献1における、ピラー型フォトニック結晶に、基板を設けた場合の検討に用いた、シミュレーション構造と結果を示した図であり、(a)シミュレーション構造を示した図、(b)シミュレーション結果を示した図である。 本発明の実施形態2に係る面発光レーザ(VCSEL)の構成を説明するための断面模式図である。 本発明の実施例1に係るフォトニック結晶を有する構造体の透過スペクトルを示したグラフである。 本発明の実施例2に係る面発光レーザを説明するための断面模式図である。
符号の説明
1000 フォトニック結晶層
1010 ピラー
1015 平板状部材
1020 基板

Claims (5)

  1. フォトニック結晶層を有する構造体であって、
    平板状の第1の部材と、該第1の部材上に二次元周期的に配列した複数のピラーとから構成され、且つ第1の屈折率(n1)を有する第1の材料からなるフォトニック結晶層と、
    該フォトニック結晶層に隣接し、該第1の屈折率よりも低い第2の屈折率(n2)を有する第2の材料からなる低屈折率層と、を備え、
    前記第1の屈折率と前記第2の屈折率との比屈折率差Δn(=(n1−n2)/n1)が0.10以上0.13以下であり、
    前記フォトニック結晶層の層厚tに対する前記ピラーの高さhは、0.10t以上0.70t以下であり、
    前記フォトニック結晶層の格子定数aに対する前記フォトニック結晶層の層厚tは、0.9a以上であり、
    前記フォトニック結晶層の格子定数aに対する前記ピラーの半径rは、0.45a以上であることを特徴とする構造体。
  2. 前記第1の屈折率n1が、2.15から3.50の範囲の中から選択される屈折率を有し、前記第2の屈折率n2が、1.90から3.30の範囲の中から選択される屈折率を有することを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 前記第1の材料が、TiO2、GaN、InxGa1−xN、AlxGa1−xAs、(AlxGa1−x)yIn1−yP、の中から選択されるいずれかの材料からなり、前記第2の材料が、AlxGa1−xN、AlxGa1−xAs、インジウム錫酸化物、の中から選択されるいずれかの材料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の構造体。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の構造体からなる第1のミラーと、活性層と、第2のミラーとを含み構成されることを特徴とする面発光レーザ。
  5. 前記第2のミラーが、請求項1から3のいずれかに記載の構造体、または分布ブラッグ反射ミラーによって構成されることを特徴とする請求項4に記載の面発光レーザ。
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