JP5280031B2 - 滑り止め材およびこれを備えた建設機械 - Google Patents
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Description
特許文献1には、建設機械、作業車両、産業機械等の通路や床面等に設けられ、泥水や油等が付着しても優れた滑り止め効果を有する滑り止め材について開示されている。
すなわち、上記公報に開示された滑り止め材は、金属板を加工することによって形成されるため、製造コストが大きくなりやすいという問題を有している。
これにより、複数の段差部によって滑り止め効果を向上させることができる。よって、例えば、摩耗や経年劣化等によって突起部の端部が擦り減ってしまった場合でも、その下段の段差部によって滑り止め機能を担保することができる。
ここでは、平面部の表面に形成された滑り止め加工として、シボ加工を用いている。
ここでは、滑り止め材を樹脂の一体成形品として形成している。
ここでは、シート状の平面部における突起部が形成された表面とは反対の裏面側に、粘着部を設けている。
これにより、裏面に設けられた粘着部によって車体フレーム等に固定することで、滑り止め材を容易に設置することができる。また、金属製の滑り止め材と比較して、耐摩耗性に劣る樹脂製の滑り止め材を採用した場合でも、粘着シートによって固定されているだけであるため、容易に交換することができる。
ここで、傾斜部は、上述した平面部や突起部等との一体成形時に形成してもよいし、一体成形後のトリミング加工等によって形成してもよい。
これにより、上述したように、製造コストを抑制しつつ、優れた滑り止め効果を持つ滑り止め材によって、車体フレーム上において作業を行うオペレータの転倒を従来以上に効果的に防止することができる。
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台(車体フレーム)3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジンルーム6と、機器室9と、キャブ10と、滑り止め材20a〜20e(図2等参照)と、を備えている。
作業機4は、ブーム11と、ブーム11の先端に取り付けられたアーム12と、アーム12の先端に取り付けられたバケット13とを含むように構成されている。そして、作業機4は、図示しない油圧回路に含まれる各油圧シリンダ11a,12a,13a等によって、ブーム11やアーム12、バケット13等を上下に移動させながら、土砂や砂礫等の掘削を行う土木工事の現場において作業を行う。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。
本実施形態では、上述したように、旋回台3上における通路部分に沿って、その場所ごとに適切な大きさで成形された複数の滑り止め材20a〜20eを設けている。また、滑り止め材20a〜20eは、熱可塑性で結晶性のポリエステル系樹脂であるPBT(ポリブチレンテレフタレート)を用いて、後述する成形用金型51,52(図13参照)内に溶融した樹脂を注入する射出成形によって一体成形されている。なお、射出成形には、一般的な射出成形機を用いることができる。ここで、PBTは、比較的機械的強度も大きく、熱劣化や熱変形しにくく耐熱性、寸法安定性、成形性に優れるという特性を有している。このため、滑り止め材20a〜20eの表面に形成された突起部22a〜22e等の細かい部分まで正確に成形することができる。さらに、旋回台3上における通路部分という、直射日光にさらされ、かつエンジンルーム6等の熱が伝達される過酷な環境下において使用される場合でも、熱による変形等を抑制することができる。
ここでは、上述した滑り止め材20a〜20eの詳細な構成について、滑り止め材20dを例として挙げて以下で説明する。なお、他の滑り止め材20a〜20c,20eについても、基本的な構成は滑り止め材20dと同様であるから、それぞれの説明については省略する。
(1)
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)は、図9および図10に示すように、シート状の平面部21dと、平面部21dの表面から突出する突起部22dと、を備えている。そして、平面部21dの表面には、シボパターンが滑り止め加工部として形成されている。さらに、シボパターンを含む平面部21dおよび突起部22dは、一体成形されている。
この結果、旋回台3上に雨水や雪がある状況下においても、安価な構成により十分な滑り止め効果を有する滑り止め材20dを得ることができる。
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)では、図10および図11に示すように、平面部21dの表面から突出する突起部22dが、複数の段差部22d1〜22d3を積層して形成されている。
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)は、図9に示すように、平面部21dの表面に形成されたシボパターンによって滑り止め加工されている。
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)は、図9等に示すように、シボパターンを含む平面部21dや突起部22dとともに、樹脂によって一体成形されている。
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)は、図8および図10に示すように、裏面側に粘着シート24dを有している。
本実施形態の滑り止め材20a〜20e(例えば、滑り止め材20d)は、図10および図12に示すように、平面部21dの外周端に沿って、外周側に向かって薄肉化する傾斜部23dを備えている。
これにより、オペレータの靴が外縁部に引っ掛かってしまうことを防止して、滑り止め材20dが剥がれてきてしまうことを回避することができる。
本実施形態の油圧ショベル1は、図1および図2に示すように、上述した滑り止め材20a〜20eを、旋回台3における上面に設けている。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記実施形態では、滑り止め材20a〜20eの一例として、表面に突起部22dが8個形成されている滑り止め材20dを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
この場合には、突起部122が密集しているため、平面部121の表面における突起部122が形成されていない領域にシボパターン等の滑り止め加工が形成されていない場合でも、十分な滑り止め効果を得ることができる。
上記実施形態では、滑り止め材20a〜20eの表面に形成された突起部22dとして、3段の段差部22d1〜22d3を有するものを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ただし、複数段の突起部を形成することで、先端が摩耗していく過程においても十分な滑り止め効果を得ることができるという点では、上記実施形態のような複数段の突起部の構成を採用することが好ましい。
上記実施形態では、平面部22dの表面に加工された滑り止め加工として、シボパターンを例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、シボパターン以外にも、溝や凹凸を形成することで滑り止め加工としてもよい。
上記実施形態では、滑り止め材20dの裏面側に粘着シート24dを設け、粘着シート24dを介して滑り止め材20dを旋回台3の上面に貼り付けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
ただし、摩耗や経年劣化等によって滑り止め材を交換する必要がある場合を考慮すれば、引き剥がし作業や貼付け作業が容易な粘着シートを用いて固定することがより好ましい。
上記実施形態では、滑り止め材20a〜20eの成形材料として、PBTを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
また、滑り止め材20a〜20eの成形材料としては、樹脂に限定されるものではなく、例えば、金属によって一体成形してもよい。
上記実施形態では、油圧ショベル1の旋回台3上における、カウンタウェイト5の上面5a、バッテリケースの上面30a、燃料タンクの上面30b、バルブカバーの上面30c、およびキャブ後方の上面30d等に滑り止め材20a〜20eをそれぞれ設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、大型の建設機械等に設置される階段のステップ部分等のように、オペレータが移動する必要がある他の通路部分に対して、滑り止め材が設定されていてもよい。
上記実施形態では、本発明に係る滑り止め材20a〜20eが貼り付けられる建設機械として、油圧ショベル1を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
2 下部走行体
3 旋回台(車体フレーム)
4 作業機
5 カウンタウェイト
5a 上面
6 エンジンルーム
9 機器室
10 キャブ
11 ブーム
11a 油圧シリンダ
12 アーム
12a 油圧シリンダ
13 バケット
13a 油圧シリンダ
14 エンジンフード
20a〜20e 滑り止め材
21a〜21e 平面部
22a〜22e 突起部
22d1〜22d3 段差部
23d 傾斜部
24d 粘着シート(粘着部)
30a バッテリケースの上面
30b 燃料タンクの上面
30c バルブカバーの上面
30d キャブ後方の上面
51,52 成形用金型
51a,52a ボルト穴
51b,52b 成形面
120 滑り止め材
121 平面部
122 突起部
P 履帯
Claims (6)
- シート状の平面部と、
前記平面部における所定の位置に、前記平面部の表面から突出するように形成されている突起部と、
前記突起部が設けられていない前記平面部における表面領域に形成された滑り止め加工部と、を備え、
前記平面部と前記突起部と前記滑り止め加工部とが一体成形されているとともに、
前記突起部は、略円柱状の部分を複数段積層して形成された複数の段差部を有している、
滑り止め材。 - 前記滑り止め加工部は、シボ加工によって形成されている、
請求項1に記載の滑り止め材。 - 樹脂によって一体成形されている、
請求項1または2に記載の滑り止め材。 - 前記平面部の裏面側に設けられた粘着部をさらに備えている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の滑り止め材。 - 前記平面部は、外周部分に沿って、外縁側に向かって薄肉化していく傾斜部を有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の滑り止め材。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の滑り止め材が上面に貼り付けられた車体フレームを備えている、建設機械。
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