JP5279275B2 - ジアリールフェノキシアルミニウム化合物 - Google Patents

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Description

本発明は、式(I):
Figure 0005279275
で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドをアルキルアルミニウム化合物及び/または複合アルミニウム水素化物と反応させることにより得られ得るジアリールフェノキシアルミニウム化合物に関する。
本発明はまた、前記ジアリールフェノキシアルミニウム化合物の触媒としての使用に関する。
本発明は更に、シトロネラールを触媒としてのジアリールフェノキシアルミニウム化合物の存在下で環化することによるイソプレゴール及びイソプレゴールのジアステレオマー混合物の製造方法に関する。
量の点から、メントールは世界中で最も重要なアロマ化学物質である。メントールに対する需要は天然ソースからの単離によりかなり満たされ続けている。しかしながら、メントールの合成ルートもあり、時にラセミ形態で、時に天然エナンチオマーL−メントールの形態で得られる。
ラセミ及び光学活性なメントールを製造するための重要な中間体がイソプレゴールであり、これは通常シトロネラールのオキソ−エン反応をルイス酸触媒の存在下で環化することにより製造され、通常4つのジアステレオマー、すなわちイソプレゴール、イソ−イソプレゴール、ネオ−イソプレゴール及びネオイソ−イソプレゴールの混合物の形態で得られる。
上記したシトロネラールのイソプレゴールへの環化を実施するための適当な触媒として、不均一系触媒、例えばSiO、Al/SiO、SiO/ZrO、SiO/TiO混合触媒、モルデナイト、フォージャサイト、モンモリロナイト及びゼオライト;及び均一系触媒、例えばスルホン酸またはルイス酸(例:SnCl、ZnClまたはZnBr)が記載されている。
シトロネラールを環化するために工業的に使用されている触媒は臭化亜鉛である。しかしながら、この触媒を用いると、収率は約87%にすぎず、ジアステレオ選択率(イソプレゴールのイソプレゴールの他の異性体に対する比)は91:9である。
欧州特許出願公開第1225163号は、シトロネラールをトリス(2,6−ジフェニルフェノール)アルミニウム触媒の存在下でイソプレゴールに環化することを記載している。トリス(2,6−ジフェニルフェノール)アルミニウムは文献から公知であり、α,β−不飽和カルボニル化合物の選択的1,4−官能化及び特殊なクライゼン転位のための触媒として、例えばAngew.Chem.Int.Ed.,43:994(2004)に記載されている。
S.Saitoらは、Synlett,1:57−58においてアルミニウムトリスフェノキシドポリマーと、ジエノフィルとしてのα,β−不飽和アルデヒドとジエンのディールス−アルダー反応を実施するためのルイス酸触媒としてのその使用を記載している。特定のトリスフェノキシドポリマーは4,4’−(2,6,2’,6’−テトラフェニル)ビフェノールをトルエン中で超音波処理しながらトリメチルアルミニウムと反応させることにより得られる。記載されている所望ディールス−アルダー付加物の副生成物は下流ティシチェンコ反応の結果としてのダイマーエステルである。
特開平9−278817号は、アルミノキサンの代替物として適当なオレフィン重合用触媒に関する。この触媒は、(a)シクロペンタジエニル系または2つの架橋シクロペンタジエニル系に結合してなる元素周期表の4〜6族の遷移金属、(b)アルミニウムアルキル、及び(c)芳香環に結合してなるヒドロキシ基を少なくとも2個有する芳香族化合物からなる。
欧州特許出願公開第1225163号 特開平9−278817号 Angew. Chem. Int. Ed., 43:994(2004) S.Saitoら, Synlett, 1: 57-58
欧州特許出願公開第1225163号に従ってシトロネラールをトリス(2,6−ジフェニルフェノール)アルミニウム触媒の存在下でイソプレゴールに環化するための方法が最も近い先行技術と考えられるが、この方法で使用されている触媒複合体は高価であり、簡単に作成され得ない。均質相で実施する公知方法の欠点は、反応の完了後触媒複合体が加水分解されるので使用した触媒複合体を回収できないことである。方法中に遊離したリガンドを回収し、再利用し得ることは記載されていない。
従って、本発明の目的は、少なくとも公知の触媒系と同様にシトロネラールのイソプレゴールへの環化を触媒し、反応が完了したら技術的に簡単な方法で且つ高い純度及び収率で回収され、再利用され得るか、または反応を実施した後そのリガンドが技術的に簡単な方法で且つ高純度及び収率で回収され、再利用され得る触媒系を提供することである。
上記目的は、本発明に従って式(I):
Figure 0005279275
[式中、
Ar、Ar、Ar、Arは同一または異なり、各々相互に独立して6〜15個の炭素原子を有するアリール基または2〜15個の炭素原子を有するヘテロアリール基であり、これらは各々適当ならば1〜7個の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5a6a7a、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8a9a、−SR10a及び−NOの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく;
、R、R、Rは同一または異なり、各々相互に独立して水素、C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5b6b7b、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8b9b、−SR10b及び/または−NOであり、或いはRまたはR及び/またはRまたはRはAと一緒になって芳香族または非芳香族環を形成していてもよく;
Aは
(1)飽和、またはモノ−またはポリ不飽和及び/または部分的に芳香族であり得る1〜25個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状及び/または環状炭化水素基であり、適当ならば1個以上のヘテロ原子O、S及びNR11の群から選択される同一または異なるヘテロ原子及び/または1個以上の官能基C(O)、S(O)及びS(O)の群から選択される同一または異なる官能基を有していてもよく、適当ならば1個以上の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−10アシルオキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5c6c7c、置換または非置換のC6−10アリール、置換または非置換のC2−10ヘテロアリール、−NR8c9c、−SR10c、−NO、C1−12アシル及びC1−10カルボキシの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく;または
(2)6〜15個の炭素原子を有するアリール基または2〜15個の炭素原子を有するヘテロアリール基であり、これらは各々適当ならば1〜5個の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5d6d7d、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8d9d、SR10d及びNOの群から選択される置換基を有していてもよく;または
(3)−O−、−S−、−N(R11)−、−S(O)−、−C(O)−、−S(O)−、−P(R11)−、−(R11)P(O)−及び−Si(R1213)−の群から選択される官能基またはヘテロ原子であり;
基R5a、R6a、R7a、R8a、R9a、R10a〜R5d、R6d、R7d、R8d、R9d、R10d及びR11〜R13は各々相互に独立してC1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールであり、基R8aとR9a、R8bとR9b、R8cとR9c、R8dとR9dは各々相互に独立して一緒になって1個以上のO、S及びNR11a(ここで、R11aはR11について記載した意味を有し得る)の群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい2〜8個の炭素原子を有する環状炭化水素基を形成していてもよい]
で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを、式(II):
(R143−pAlH (II)
(式中、Alはアルミニウムであり、R14は1〜5個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状アルキル基であり、pは0または1〜3の整数である)
で表されるアルミニウム化合物、及び/または式(III):
MAlH (III)
(式中、Alはアルミニウムであり、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)
で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られ得るジアリールフェノキシアルミニウム化合物を提供することにより達成された。
本発明に従ってジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造するために使用される式(I)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドは2個のフェノール系を有し、このフェノール系は各々フェノール性ヒドロキシ基に対して両オルト位置で芳香族またはヘテロ芳香族(Ar〜Ar)により置換されており、構造エレメントAを介して連結されており、適当ならば更なる置換基(R〜R)を有していてもよい。
Figure 0005279275
芳香族またはヘテロ芳香族置換基Ar〜Arは相互に独立して同一でも異なっていてもよい。各フェノール系に結合している2個の置換基(Ar及びAr、またはAr及びAr)が対で同一であることが好ましい。4個の置換基Ar〜Arのすべてが同一であることが特に好ましい。
特定の置換基Ar〜Arは、6〜15個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有するアリール基、または芳香族環系に2〜15個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有するヘテロアリール基である。
6〜15個の炭素原子を有するアリール基の例としてフェニル、ナフチル、アントラセニルが挙げられ得、好ましくはフェニル及びナフチルである。
2〜15個の炭素原子を有する特定のヘテロアリール基は、1〜約6個、通常1〜3個のヘテロ原子O、S及びNの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有する。その例として、以下のヘテロアリール基:2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル及び1,3,4−トリアゾール−2−イル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル及び1,2,4−トリアジン−3−イル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、5−ピラゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル及び1,3,4−トリアゾール−2−イル、2−ピリジニル、3−ピリジニル、4−ピリジニル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、2−ピラジニル、1,3,5−トリアジン−2−イル及び1,2,4−トリアジン−3−イル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、カルバゾリル、ピリジル、キノリル、イソキノリル及びピラジルを挙げることができる。好ましいヘテロアリール基は、例えば2−フリル、2−ピリジル、2−イミダゾリルである。
Ar〜Arに関して上に特定したアリールまたはヘテロアリール基は各々相互に独立して非置換であっても、または1〜約7個、好ましくは1〜3個、特に1または2個の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5a6a7a、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8a9a、−SR10a、−NOの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、ここで、基R5a、R6a、R7a、R8a、R9a、R10a及びR11〜R13は各々相互に独立してC1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールであり、基R8a及びR9aは相互に独立して1個以上のO、S及びNR11a(ここで、R11aはR11に関して上記した意味を有し得る)の群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい2〜8個の炭素原子を有する環状炭化水素基を形成していてもよい。
これに関連して、本発明の範囲内の特定の置換基は以下に例として記載する意味を有し得る:
1−6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、シクロペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル,ヘキシル、シクロヘキシル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチル−1−メチルプロピル及び1−エチル−2−メチルプロピル;
1−6ペルフルオロアルキル、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ヘプタフルオロイソプロピル、ノナフルオロブチル;
1−6アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、1−メチルエトキシ、ブトキシ、1−メチルプロポキシ、2−メチルプロポキシ及び1,1−ジメチルエトキシ、ペントキシ、1−メチルブトキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、1,1−ジメチルプロポキシ、1,2−ジメチルプロポキシ、2,2−ジメチルプロポキシ、1−エチルプロポキシ、ヘキソキシ、1−メチルペントキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、4−メチルペントキシ、1,1−ジメチルブトキシ、1,2−ジメチルブトキシ、1,3−ジメチルブトキシ、2,2−ジメチルブトキシ、2,3−ジメチルブトキシ、3,3−ジメチルブトキシ、1−エチルブトキシ、2−エチルブトキシ、1,1,2−トリメチルプロポキシ、1,2,2−トリメチルプロポキシ、1−エチル−1−メチルプロポキシ及び1−エチル−2−メチルプロポキシ;
7−12アラルキル、例えばベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル;
1−10アシルオキシ、例えばアセチルオキシ、プロピオニルオキシ;
1−10カルボキシル、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロピルオキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル;
1−10アシル、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル。
用語「置換または非置換のC6−10アリール」は、1個以上、通常1〜約3個の同一または異なる置換基(ここで、置換基は例えば上及び下に特定するような置換基、C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、シリル、ジアルキルアミノ及びニトロから選択され得る)を有する上に特定したアリール基を意味とすると理解されたい。
本発明の範囲内で、用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素、好ましくはフッ素及び塩素を意味すると理解されたい。
本発明の範囲内で、置換基−SiR5a6a7a〜−SiR5d6d7dの各々は、相互に独立して3個の基C1−6アルキル、C7−12アラルキル、及び置換または非置換のC6−10アリールから選択される同一または異なる基を有するシリル置換基である。シリル置換基の例としてトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル及びtert−ブチルジフェニルシリルを挙げることができる。
本発明の範囲内で、置換基−NR8a9a〜−NR8d9dの各々は、相互に独立して上記した基C1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールから選択される2個の同一または異なる基、好ましくは2個の同一の基を有するアミノ置換基である。アミノ置換基の例として、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジアリルアミノ、ジイソプロピルアミノを挙げることができる。本発明の範囲内で、基R8a及びR9a〜R8d及びR9dの各々は、相互に独立して1個以上のO、S、NR11aの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい2〜8個の炭素原子を有する環状炭化水素基を形成していてもよい。基R11aは上記したC1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールであり得る。これらの環状置換基R8a及びR9a〜R8d及びR9dの例としてピペリジニル、モルホリニル、N−メチルピペラジニル、N−ベンジルピペラジニルを挙げることができる。
置換基−SR10a中の基R10aは、上記したC1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールであり、好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、フェニル、ベンジルである。
本発明の範囲内で好ましい芳香族またはヘテロ芳香族置換基Ar、Ar、Ar、Arの例として、フェニル、4−メチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、ナフチル、2−フルオロフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2−メチルフェニル、4−メチルフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−tert−ブチルフェニル、4−n−ブチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−アリールフェニル、3−ニトロフェニルを挙げることができ、好ましくは4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルである。好ましい実施形態の範囲内で、基Ar、Ar、Ar、Arは同一であり、好ましくは4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルであり、特に好ましくはフェニルである。
本発明によれば、フェノール性ヒドロキシ基の各々に対してメタまたはパラ位にある置換基R、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、同一であることが好ましく、各々相互に独立して水素及び/または上記したC1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5b6b、R7b、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8b9b、−SR10b及び/または−NOである。
好ましい基R、R、R、Rとして、メチル、エチル、イソプロピル、ハロゲン(特に、フッ素及び/または塩素)、トリフルオロメチル、フェニル、メトキシ、ニトロを挙げることができる。好ましくは、基R、R、R、Rは同一であり、特に好ましくは水素である。
基RまたはR及び/またはRまたはRは、構造エレメントAと一緒になって環状芳香族または非芳香族環を形成していてもよい。この場合、本発明に従って使用される式(I)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドは三環式基本構造、例えば式(X)を有するアントラセン基本構造またはタイプ(XI)の基本構造を有する。
Figure 0005279275
適当ならば、基本構造中にヘテロ原子を有するものを含めたこれらの三環式基本構造の更なる構造修飾は当業者に公知であり、本発明に従って使用され得るビス(ジアリールフェノール)リガンドのグループに属する。
式(I)中の構造エレメントAは、飽和またはモノ−もしくはポリ不飽和(通常,1〜約6不飽和)であり得及び/または部分的に芳香族であり得る1〜25個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状及び/または環状炭化水素基であり得る。特定の炭化水素基は、適当ならば1個以上、通常1〜3個のヘテロ原子O、S及びNR11の群から選択される同一または異なるヘテロ原子及び/または1個以上の官能基C(O)、S(O)及びS(O)の群から選択される同一または異なる官能基を有していてもよく、適当ならば1個以上の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−10アシルオキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5c6c7c、置換または非置換のC6−10アリール、置換または非置換のC2−10ヘテロアリール、−NR8c9c、−SR10c、−NO、C1−12アシル及びC1−10カルボキシの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよい。
式(I)中の構造エレメントAが飽和またはモノ〜トリ不飽和であり得及び/または部分的に芳香族であり得る1〜25個、好ましくは1〜15個、特に好ましくは1〜10個の炭素原子を有する直鎖状もしくは分岐状及び/または環状炭化水素基であることが好ましい。好ましい炭化水素基は、適当ならば1個以上、通常1〜3個のヘテロ原子O、S及びNR11の群から選択される同一または異なるヘテロ原子及び/または1個以上のC(O)基を有していてもよく、適当ならば1個以上の置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−10アシルオキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、置換または非置換のC6−10アリール、−NO、C1−12アシル及びC1−10カルボキシの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよい。
式(I)中の構造エレメントAの例として以下の構造エレメント1〜44を非限定的に挙げることができる。波線は各々本明細書開示の範囲内のように各リガンド構造の残りに対する結合部位を示す。
Figure 0005279275
示されている構造エレメント1〜44は、各々上記した置換基を有していてもよく、適当ならば更に通常1または2個のエチレン性二重結合を有していてもよい。
構造エレメントAは、6〜15個、好ましくは6〜10個の炭素原子を有するアリール基、具体的にはフェニレン、ナフチレンまたはアントラセニレン基;または2〜15個、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する上記したヘテロアリール基であり得る。
特定のアリール及びヘテロアリール基の各々は、適当ならば1〜5個の上記した置換基C1−6アルキル、C1−6ペルフルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C7−12アラルキル、ハロゲン、−SiR5d6d、R7d、置換または非置換のC6−10アリール、−NR8d9d、SR10d及びNOの群から選択される置換基を有していてもよい。
更に、構造エレメントAは、−O−、−S−、−N(R11)−、−S(O)−、−C(O)−、−S(O)−、−P(R11)−、−(R11)P(O)−、−OP(O)O−、−OP(O)O−及び−Si(R12)(R13)−(ここで、基R11、R12、R13の各々は相互に独立して上記したC1−6アルキル、C7−12アラルキル及び/または置換または非置換のC6−10アリールである)の群から選択される官能基またはヘテロ原子でもあり得る。このグループの範囲内で、構造エレメントAが−O−、−S−、−S(O)−、S(O)−または−Si(R12)(R13)−であることが好ましい。
本発明の範囲内で好ましいジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、式(Ia):
Figure 0005279275
で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得ることができるものである。
式(Ia)で表されるリガンドも2個のフェノール系を有し、これらのフェノール系の各々はフェノール性ヒドロキシ基に対して2つのオルト位置で芳香族またはヘテロ芳香族(Ar〜Ar)により置換されており、構造エレメントAを介して連結されており、適当ならば更なる置換基(R〜R)を有していてもよい。前記構造エレメントAはフェノール性ヒドロキシ基に対してパラ位で2つのフェノール系に連結されている。ここで、基Ar、Ar、Ar、Ar、基R、R、R、R及び構造エレメントAは式(I)に関して上で特定したのと同一の意味を有し得る。
本発明によれば、特に好ましいリガンドは、アリール基Ar、Ar、Ar及びArが同一であり、式(I)に関して上記した好ましい意味を有するものである。特に好ましいアリール基Ar〜Arはフェニル、ナフチル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、3−クロロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、4−メチルフェニル、3−トリフルオロメチルフェニル、4−トリフルオロメチルフェニルであり、更に特に好ましくはフェニルである。
本発明に従って好ましい式(Ia)で表されるリガンドにおいて、基R、R、R、Rは同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一であり、好ましくは水素、ハロゲン(特に、フッ素または塩素)、メチル、トリフルオロメチル、イソプロピル、tert−ブチル、フェニル、ニトロである。
式(Ia)中の構造エレメントAは、式(I)について上に特定した意味を有する。式(Ia)中の好ましい構造エレメントAは特に特定の方法で置換されていてもよい構造エレメント1〜44である。
特に好ましいリガンドは、式(Ia)〜(Ia)(式中の特定の基Ar〜Ar、R〜R及びR15〜R18は好ましくは例えば表にリストした意味を有する)を有するものである。
Figure 0005279275
Figure 0005279275
Figure 0005279275
Figure 0005279275
Figure 0005279275
Figure 0005279275
表1〜3中、Phはフェニル基であり、C(O)は本発明の範囲内であるようにカルボニル基である。一般的に、基R15、R16及びR17は相互に独立して上記したC1−6アルキル、C1−10アシル、C1−10カルボキシまたはC6−10アリールであり得、これらの特定基は1個以上の同一または異なるハロゲン及び/またはNO置換基を有していてもよく、基R16及びR17が一緒になって環状構造エレメント、好ましくはアルキレン架橋を形成していてもよい。
本発明に従ってジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造するために使用され得る式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドは、それ自体当業者に公知の方法により容易に製造され得る。構造タイプ(Ia)の化合物は、例えば特にZ.Y.Wang、A.S.Hay,Synthesis,471−472(1989)または米国特許第3,739,035号に記載されているように対応のビス−オルト−アリールフェノールをルイス酸(例えば、AlCl)の存在下でアルデヒドR15CHOと反応させることにより得られ得る。構造タイプ(Ia)のリガンドは、例えば米国特許第3,739,035号に記載されているように対応のビス−オルト−アリールフェノールを式R16C(O)R17で表される適当なケトンと反応させることにより得られ得る。構造タイプ(Ia)のリガンドは、例えばF.F.Blickeら,J.Am.Chem.Soc.,60:2283−2285(1938);CH 350461またはG.Maierら,Chem.Ber.,118:704−721(1985)に記載されているように対応のフェノールまたはO−保護フェノールをジカルボン酸クロリドを用いてフリーデル−クラフツアシル化することにより得られ得る。構造タイプ(Ia)のリガンドを製造する別の方法は、例えばドイツ特許出願公開第25 34 558号に記載されているように第3級ジオールを用いて、または例えばJ.Zavada,Collect.Czech.Chem.Commun.,41:1777−1790(1976)に記載されているようにジハライドを用いて対応のフェノールをフリーデル−クラフツアルキル化することからなる。
本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、例えば上記した式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(II):
(R143−pAlH (II)
[式中、R14は1〜5個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチルまたはネオペンチル)であり、指数pは0または1〜3の整数であり、好ましくは1または0、特に好ましくは0である]
で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られる。式(II)で表される好ましい化合物は、例えばトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウムであり、特に好ましくはトリメチルアルミニウム及びトリエチルアルミニウムである。
この代替として、本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、上記した式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(III):
MAlH (III)
(式中、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)
で表されるアルミニウム化合物と反応させることによっても得られる。従って、上記した式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを反応させることにより本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造するためには水素化アルミニウムリチウム、水素化アルミニウムナトリウム及び水素化アルミニウムカリウム、並びにその混合物が適当である。また、上記した式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドと反応させることにより本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造するために式(II)及び(III)で表される特定化合物の混合物も適当である。
上記した式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドの1つを式(II)及び(III)で表される化合物と接触させるように反応を実施するのが有利である。反応は有利には不活性有機溶媒(例えば、トルエン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、酢酸エチル、ペンタン、ヘキサン、ジクロロエタン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等)中で実施され、予め乾燥させるかまたは無水溶媒を使用することが特に有利であると見なされる。反応は通常約−100〜約100℃、好ましくは約−50〜約50℃、特に好ましくは約−30〜約30℃で実施される。
本発明に従ってジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造している間、使用する式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドのフェノール性ヒドロキシ基を式(II)及び(III)で表される1種または複数の化合物と反応させる。理論的には、各アルミニウム原子が1〜3個のフェノール性ヒドロキシ基と反応し得る。使用する式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドの立体特性または要件を考慮すると、線状構造またはネットワークのような高分子量構造が形成され得る。
使用する式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドと使用する式(II)及び/または(III)で表される化合物とのモル比を、式(II)及び/または(III)で表される未反応化合物の量ができるだけ少ないように選択することが有利である。好ましくは、式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(II)及び/または(III)で表される化合物と接触させた後、式(II)及び/または(III)で表される未反応化合物がもはや存在しないように特定の比率を選択する。コストを考慮すると、使用する式(I)または(Ia)で表されるリガンドの過剰を低くすることが推奨される。式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンド及び式(II)及び/または(III)で表される化合物を約4:1〜約1:1のモル比、特に好ましくは約3:1〜約1.5:1、最も好ましくは約1.5:1のモル比で使用することが特に好ましい。
本発明の好ましい実施形態の範囲内で、本発明に従うジアリールフェノキシアルミニウム化合物の製造は、まず溶解度に応じて式(I)または(Ia)で表される特定リガンドを適当な有機溶媒(例えば、トルエン)中に含む約0.001〜約1モル溶液を約−10〜約30℃の温度で導入し、式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物を好ましくは溶液(例えば、トリメチル−またはトリエチルアルミニウムのトルエン溶液)の形態で添加することを含む。
使用する式(I)または(Ia)で表されるリガンドと式(II)及び/または(III)で表される化合物の反応は通常迅速に生じ、選択した反応条件に応じて約10分〜約2時間後、多くの場合約1時間後ほぼ完了する。低反応性反応物質を使用する場合には、反応混合物の温度を一時的に上昇させることが有利であり得る。
選択した反応条件、特に反応させようとする式(I)または(Ia)で表されるリガンド及び式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物の特定溶媒中の溶解度、濃度及び反応温度に応じて、本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は固体の形態、使用した溶媒または溶媒混合物中の懸濁液または溶液の形態で得られる。こうして得た本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は更に、得られた形態のままでまたは使用した溶媒を分離し、除去した形態で使用され得る。
単離は、有利であると見られ、当業者に公知の方法により実施され得る。本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の単離、貯蔵及び更なる処理を酸素及び水分を十分に排除しながら実施することが好ましい。
本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、化学反応、特に有機化合物の反応または変換を実施するための触媒として格別に適している。従って、本発明の更なる態様は、式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(II)及び/または(III)で表される化合物と反応させることにより得られ得る本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の触媒としての使用に関する。本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、酸またはルイス酸により触媒され得る反応を実施するための触媒として特に適している。例えば、芳香族カルボニル化合物の転位、異性化、環化、脱離、脱芳香族化求核官能化、α,β−不飽和カルボニル化合物の共役付加、ディールス−アルダー反応といった反応タイプが挙げられ得るが、これらに限定されない。
特定の反応をできるだけ乾燥させた非プロトン性条件で、酸素をできるだけ十分に排除しながら実施することが有利である。
反応を実施した後、使用したジアリールフェノキシアルミニウム化合物を慣用の分離方法を用いて(例えば、濾過、遠心により)反応混合物から少なくとも部分的に単離し、その後再使用してもよい。或いは、式(I)または(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドは通常有利な物理的特性(例えば、良好な結晶化能力)を有しているので、リガンドも粗なまたは後処理済みの反応混合物から適当ならば反応生成物及び/または副生成物を分離した後容易に回収され得る。
本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、分子内反応を実施するため、特に環化反応を実施するための触媒として格別に適している。
本発明によれば、本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物をラセミまたは非ラセミシトロネラールをラセミまたは非ラセミイソプレゴールに環化するための触媒として使用することが特に好ましい。これに関連して、本発明によれば式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られ得るジアリールフェノキシアルミニウム化合物が特に好ましい。式(Ia)〜(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを反応させることにより得られ得るジアリールフェノキシアルミニウム化合物をシトロネラールをイソプレゴールに環化するための触媒として使用することが非常に特に好ましい。
従って、本発明は、式(IV):
Figure 0005279275
で表されるイソプレゴールの製造方法であって、式(V):
Figure 0005279275
で表されるシトロネラールを触媒の存在下で環化することを含む方法に関し、ここで前記触媒が、式(I):
Figure 0005279275
(式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R及びAは式(I)に関して上記した意味を有する)
で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを、式(II):
(R143−pAlH (II)
(式中、Alはアルミニウムであり、R14は1〜5個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状アルキル基であり、pは0または1〜3の整数である)
で表されるアルミニウム化合物、及び/または式(III):
MAlH (III)
(式中、Alはアルミニウムであり、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)
で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られ得るものであることを特徴とする。
上記方法は、式(IVa):
Figure 0005279275
で表される光学活性なイソプレゴールの製造であって、式(Va):
Figure 0005279275
(式中、()は各々不斉炭素原子を指す)
で表される光学活性なシトロネラールを環化することを含む製造にも適している。
特に好ましくは、本発明の方法は、D−(+)−シトロネラールを環化してL−(−)−イソプレゴールを製造するのに適している。
本発明の方法の範囲内で好ましい触媒は、式(Ia):
Figure 0005279275
(式中、基Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R及びAは式(Ia)に関して上記した意味を有する)
で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを反応させることにより得られ得るものである。これらの中で、上記した式(Ia)〜(Ia)で表されるリガンドが好ましい。本発明の方法の範囲内で非常に特に好ましいリガンドは、化合物Ia−1、Ia−4、Ia−5、Ia−1及びIa−3である。
本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物は、上記したリガンドから式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物、好ましくは式(II)で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られる。
イソプレゴールを製造するために本発明の方法を実施するためには、まず本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物を上記した適当な溶媒中に含む溶液を用意することを含むことが有利である。本発明によれば、次いでこの溶液に環化しようとするラセミまたは非ラセミシトロネラールを添加する。シトロネラールをそのまままたは溶液の形態で添加してもよいが、上記した適当な溶媒の1つ中の溶液の形態が有利である。本発明の方法の好ましい実施形態の範囲内で、まず式(I)または(Ia)で表される特定リガンドをトルエン中に含む溶液を調製した後、有利には撹拌しながら式(II)及び/または(III)で表される特定アルミニウム化合物、好ましくはトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムのトルエン溶液を添加する。
本発明の環化方法を実施するのに適した出発材料は、任意の方法で製造され得るシトロネラールである。約90〜約99.9重量%、特に好ましくは約95〜約99.9重量%の純度を有するシトロネラールを使用することが好ましい。
環化しようとするシトロネラールの添加を約−40〜約40℃、好ましくは約−20〜約20℃の範囲の温度で実施するのが有利である。このためには、本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の調製した溶液をこの範囲の温度、例えば−10〜10℃の範囲の温度に冷却することが有利であり、予冷したシトロネラールまたは予冷したシトロネラール溶液を添加する。
シトロネラールまたはその溶液を、全量を一度に添加するかまたは調製した触媒溶液に少しずつまたは連続的に添加するように添加してもよい。適当な溶媒は上記した溶媒、特にトルエンである。環化しようとするシトロネラールをそのまま、すなわち更に溶媒を添加することなく使用することが好ましい。溶媒を使用する場合、(触媒調製のため及び環化反応を実施するための)溶媒の総量を反応させようとするシトロネラール/溶媒の容量比が約2:1〜約1:20、好ましくは約1.5:1〜約1:10であるように選択することが有利である。
反応させようとするシトロネラールの量と使用する本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の量の量的比率は、その製造に使用するための式(I)または(Ia)で表される化合物及び式(II)及び/または(III)で表される化合物の量により、すなわち使用するリガント/使用する式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物の量的比率により決定される。
本発明によれば、反応させようとするシトロネラールの、使用する式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物に対する量は、モル比が約5:1〜約1000:1、好ましくは約10:1〜約500:1、特に好ましくは約50:1〜約200:1であるように選択される。
これに関係なく、使用する式(I)または(Ia)で表されるリガンドと使用する式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物の比は、本発明に従ってジアリールフェノキシアルミニウム化合物を製造するために上に特定した限定の範囲内で変更可能である。
本発明に従うシトロネラールのイソプレゴールへの環化は通常迅速に起こり、通常反応物質及び反応条件の選択に応じて約0.5〜約10時間後、しばしば約5時間後に大体完了する。反応の進行はそれ自体当業者に公知の方法により、例えばクロマトグラフィー方法(具体的には、ガスクロマトグラフィー方法)またはHPLC方法により容易にモニターされ得る。
シトロネラールを上記したジアリールフェノキシアルミニウム化合物の存在下で環化してイソプレゴールを製造するときにある一定のシトロネラールグレード(例えば、シトロネラール中にシトロネロール不純分が存在する場合)を使用すると、特に反応を工業的規模で実施する場合には望ましくない二次反応がやっかいな程度生ずる恐れがあることが時々観察された。これは、式(XII):
Figure 0005279275
で表されるシトロネリルシトロネレートまたは他の高沸点不純物の形成であり、これらの不純物は工業的規模で実施しようとする方法の上記反応に対して課される収率、選択率及び安定性についての高い要件の点で許容され得ない。
本発明の方法の好ましい実施形態の範囲内で、シトロネラールのイソプレゴールへの環化は酸、好ましくは有機酸の存在下で実施される。有利に使用され得る有機酸の例は、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸であり、好ましくは酢酸である。特定の酸を反応させようとするシトロネラールの量に基づいて約0.5〜約10重量%の量で使用することが有利である。反応混合物に酸をシトロネラールと一緒に、例えば混合物の形態で添加することが有利である。
特に好ましい実施形態では、シトロネラールを環化してイソプレゴールを製造するための本発明の方法は無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及びビニルエーテルの群から選択される少なくとも1つの化合物の存在下で実施する。
前記した物質のクラスの各化合物は個別にまたは相互の混合物の形態で使用され得る。混合物の場合、1つの物質クラスからの化合物から構成される混合物を使用することが好ましい。個別の化合物を使用することが特に好ましい。下記するように特定の化合物を使用すると、通常式(XII)で表される望ましくない副生成物の形成がかなり抑えられ得る。
好ましい実施形態の範囲内で、本発明の環化方法は式(VI):
Figure 0005279275
[式中、基R20及びR20’は同一でも異なっていてもよく、好ましくは同一であり、分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上、通常1〜約3個のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R20及びR20’が一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のO、S及びNR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bはR11について上記した意味を有し得る]
で表される無水カルボン酸の存在下で実施する。
更に好ましい実施形態の範囲内で、本発明の環化方法は式(VII):
Figure 0005279275
[式中、基R21は分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上、好ましくは1〜3個のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R10e、R10f、R8e及びR9eはR11について上記した意味を有し得る]
で表されるアルデヒドの存在下で実施する。
更に好ましい実施形態の範囲内で、本発明の環化方法は式(VIII):
Figure 0005279275
[式中、基R22及びR23は各々同一でも異なっていてもよく、分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、C6−10アリール基、或いはC1−6アルコキシカルボニル基であり、これらの基は各々1個以上、好ましくは1〜3個のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R22及びR23は一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のO、S、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bはR11について上記した意味を有し得る]
で表されるケトンの存在下で実施する。
本発明の方法の範囲内で、前記カルボニル化合物の代わりに、一般式(IX):
Figure 0005279275
[式中、基R24、R25、R26及びR27は各々相互に独立して同一でも異なっていてもよく、分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上、好ましくは1〜3個のオキソ、OR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R25及びR26は一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上、通常1または2個のO、S、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bはR11について上記した意味を有し得る]
で表されるビニルエーテルを使用することもできる。
本明細書においてC1−12アルキルは上記したC1−6アルキルであり、更に例えばヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。2個のアルキル基が一緒になって環を形成している場合、アルキル基はアルキレニル基と理解されたい。C7−12アラルキル基及びC6−10アリール基は、例えば上記した意味を有し得る。例えば、C1−6アルコキシカルボニル基の例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル及びイソプロポキシカルボニルを挙げることができ、好ましくはメトキシカルボニル及びエトキシカルボニルである。
好ましい実施形態の範囲内で、本発明の環化方法は、式(VI)(式中、基R20及びR20’は同一であり、分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、R20及びR20’が一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のOR10e、SR10f、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f及びR11bは相互に独立してR11について上記した意味を有し得る)で表される無水カルボン酸の存在下で実施する。
基R20及びR20’が同一であり、分岐状もしくは非分岐状C1−12アルキル基またはC6−10アリール基である無水カルボン酸を使用することが特に好ましい。本発明に従って特に好ましく使用され得る無水カルボン酸の例として、無水酢酸、プロピオンアルデヒド、無水ピバル酸及び無水安息香酸を挙げることができる。
式(VII)で表されるアルデヒドも本発明に従って好ましく使用され得るが、その例はアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及びクロラール(トリクロロアセトアルデヒド)である。
更に好ましい実施形態の範囲内で本発明の環化方法を式(VIII)で表されるケトンの存在下で実施する場合、活性化(すなわち、低電子)カルボニル官能基を有するものを使用することが有利である。本発明の方法の範囲内で使用するのに特に適しているケトンの例として、1,1,1−トリフルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロアセトフェノン、ヘキサフルオロアセトン、ピルビン酸メチル及びピルビン酸エチルを挙げることができる。
式(IX)で表されるビニルエーテルも本発明に従って好ましく使用され得るが、その例はメチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル及び3,4−ジヒドロ−2H−ピランである。
本発明の方法のこの好ましい実施形態の範囲内で特定クラスの化合物が良好な結果で等しく使用され得る。高い反応速度のような実用的な見地から、アルデヒド及び/または低電子ケトンを使用することが有利であることが判明している。
本発明に従って使用される無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテルの量は広範囲で変更可能であり、使用する物質の種類及び純度またはより正確に同定されていない不純物の存在により異なる。通常、特定化合物及びその混合物は、シトロネラールの使用量に基づいて約0.01〜約5モル%、好ましくは約0.1〜約2モル%で使用される。
反応手順のタイプ及び方法、例えば反応器の構造または各反応物質を添加する順序は、酸素及び水を十分に排除しながら反応手順が確保されるならば特定の要件は課されない。
この好ましい実施形態の範囲内の本発明の方法を実施するための手順では、まず本発明に従って使用しようとするジアリールフェノキシアルミニウム化合物を上記した適当な溶媒中に含む溶液を用意することが有利である。次いで、この溶液に本発明に従って環化しようとするラセミまたは非ラセミシトロネラールと選択した無水カルボン酸、アルデヒド、活性化ケトン及び/またはビニルエーテルの混合物を添加することが好ましい。或いは、例えば、本発明に従って使用されるジアリールフェノキシアルミニウム化合物の溶液を適当ならば選択した無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテルと混合した後、環化しようとするシトロネラールを添加することも可能である。
触媒溶液または反応混合物にシトロネラールまたはシトロネラールと選択した化合物の混合物を約30分〜約6時間以内、好ましくは約2〜約4時間以内で計量供給することが有利であることが判明した。シトロネラールをそのまま添加してもよく、または溶液の形態で、有利には上記した適当な溶媒の1つ中に含む溶液の形態で添加してもよい。本発明の方法の好ましい実施形態の範囲内で、まず式(I)または(Ia)で表される特定リガンドをトルエン中に含む溶液を調製した後、有利には撹拌しながら式(II)及び/または(III)で表される特定アルミニウム化合物、好ましくトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムをトルエン溶液として添加する。
環化しようとするシトロネラールまたはシトロネラールと選択した無水カルボン酸、アルデヒド、活性化ケトン及び/またはビニルエーテルの混合物の添加は本発明のこの実施形態の範囲内で、有利には約−40〜約40℃、好ましくは約−20〜約20℃の範囲の温度で実施する。このために、本発明のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の調製した溶液または懸濁液をこの範囲の温度、例えば−10〜10℃の範囲の温度に冷却し、他の反応物質を予冷した形態で添加することが有利である。
シトロネラールと選択した追加化合物の混合物の添加は、シトロネラールの全量を一度に添加するかまたは調製した触媒溶液に少しずつまたは連続して添加するように実施され得る。適当な溶媒は、好ましくは上記した溶媒、特にトルエンである。溶媒を更に添加することなく環化しようとするシトロネラールを選択した無水カルボン酸、アルデヒド、活性化ケトン及び/またはビニルエーテルとの混合物の形態で使用することが好ましい。溶媒を使用する場合、反応させようとするシトロネラール:溶媒の容量比が約1:1〜約1:20、好ましくは約1:1〜約1:10であるように溶媒の総量を選択することが有利である。
通常触媒複合体の一部が反応中失活することが判明した。これは、特に使用したジアリールフェノキシアルミニウム化合物の各々で使用した式で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドと環化の結果として形成するイソプレゴールとのリガンド交換プロセスに起因する。活性なポリマー触媒とは対称的に、失活した形態の触媒は通常使用した溶媒の選択に応じて反応混合物に溶解し得る。
好ましい実施形態では、触媒の失活部分を反応混合物の残りと一緒に分離するために簡単な物理的方法(例えば、なお活性な触媒の濾過または遠心分離)が使用され得る。所望により、好ましくはシトロネラールのイソプレゴールへの本発明の更なる環化反応の過程で、触媒の保持されているなお活性な部分に新鮮な触媒をつぎ足し、活性の低下が無視できる程度で再利用してもよい。
或いは、触媒の使用量は、本発明の環化反応中または前記反応の完了後使用した触媒複合体の全部が失活し、よって透明な反応混合物から分かるように溶解し得るように選択され得る。これに関連して、この場合上記したリガンド交換プロセスのため、使用した式(I)で表されるビス−(ジアリールフェノキシ)リガンドが別の加水分解を実施しなくても遊離され得ることに特に注目されたい。
更に、使用した溶媒(好ましくは、トルエン)及び適当ならば使用した追加化合物を蒸留除去すると、使用したジアリールフェノキシアルミニウム化合物を前もって加水分解することなく環化生成物のイソプレゴールが反応混合物から高純度で留去され得ることが判明した。これに関連して、認識できない望ましくないまたはやっかいな副生成物が通常蒸留ボトム中に形成されている。蒸留前に適当な不活性高沸点溶媒、好ましくはイソプレゴールよりも高い沸点を有する溶媒(例えば、1−メチルナフタレン、1−デカノール、トリデカン、1,2−プロピレンカーボネート、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル及びジベンジルエーテル)を添加すると、使用した高温の高沸点成分中に遊離リガンドが溶けた溶液が蒸留ボトム中に生ずる。リガンドはこの高温溶液から単に冷却するだけで晶出され、濾過することにより高純度で回収され得る。このように回収されたビス−(ジアリールフェノキシ)リガンドを通常更なる精製ステップを経ることなく新しいバッチとして式(II)または(III)で表される対応のアルミニウム化合物と反応させると、反応性触媒複合体が生じ得る。このように回収された触媒複合体の場合反応性は殆どまたは無視できる程度にしか低下していない。更に、加水分解により上記残渣として得られた母液から更なる量のイソプレゴール及び使用したビス−(ジアリールフェノキシ)リガンドが得られ得る。この好ましい実施形態の範囲内で、本発明のシトロネラールをイソプレゴールに環化する方法は、
a)上記した方法に従って得た生成物の混合物から適当ならば使用した溶媒及び適当ならば使用した追加化合物(すなわち、無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテル)を蒸留除去するステップ、
b)ステップa)で得た残渣に高沸点溶媒を添加するステップ、
c)ステップb)で得た混合物からイソプレゴールを蒸留分離するステップ、
d)ステップc)で得た蒸留ボトムを冷却し、使用した式(I)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを結晶化させるステップ
を含む。
反応が所望通り進行したら、本発明の環化反応を通常の方法で、例えば水性試薬(例:水酸化ナトリウムまたはカリウム溶液のような水性アルカリ溶液)を添加するかまたは水を添加することにより停止させてもよい。その後、後処理及び単離を当業者に公知の方法により実施してもよい。
適当ならば使用した添加剤、すなわち使用した無水カルボン酸、ケトン、アルデヒドまたはビニルエーテルはその物性(例えば、沸点)に応じて、例えば十分に反応させた混合物から蒸留することにより、適当ならば反応さえされていない程度に回収し得る。
本発明の方法中、イソプレゴールは通常イソプレゴール:式(XIII)のイソプレゴール、式(XIV)のネオ−イソプレゴール、式(XV)のネオイソ−イソプレゴール及び式(XVI)のイソ−イソプレゴールのジアステレオマーの混合物の形態で得られる。
Figure 0005279275
本発明によれば、式(XII)または式(IVa)で表される主ジアステレオマーのイソプレゴールが少なくとも約85%、好ましくは少なくとも約90%、特に好ましくは少なくとも約95%、非常に特に好ましくは少なくとも約98%を占めるイソプレゴールのジアステレオマー混合物を生ずる本発明の方法の実施形態が好ましい。
本発明の方法は、上記したようにラセミ及び非ラセミ、すなわち光学活性なシトロネラールを環化してラセミ及び非ラセミイソプレゴールを得るために等しく適している。好ましい実施形態では、本発明の方法はD−(+)−シトロネラールを環化してL−(−)−イソプレゴールを製造するために使用される。
このようにした製造したラセミ及び非ラセミイソプレゴールは、世界中で最も重要なフレグランスまたはアロマの1つであるラセミまたは非ラセミメントールを製造するための貴重な中間体である。メントールは、イソプレゴールからそれ自体当業者に公知の水素化方法により、特に例えばPickardら,J.Chem.Soc.,1253(1920);Ohloffら,Chem.Ber.,95:1400(1962);Paviaら,Bull.Soc.Chim.Fr.,24(1981);Otsukaら,Synthesis,665(1991);または欧州特許出願公開第1053974号に記載されているように適当な遷移金属触媒を用いて接触水素化することにより得られ得る。選択した反応条件が適切ならば、使用したイソプレゴールの相対または絶対配置はほぼ保持され、多くの場合完全に保持される。
従って、本発明は、上記した方法により製造したラセミまたは非ラセミイソプレゴールから出発してラセミまたは非ラセミメントールを製造し、その後そのエチレン性二重結合を水素化する方法に関する。特に、本発明は、D−(+)−シトロネラールの本発明に従う環化により上記した方法により製造したL−(−)−イソプレゴールから出発するL−(−)−メントールの製造方法に関する。
下記実施例は、本発明を決して限定することなく本発明を説明するのに役立つ。
ガスクロマトグラフィー分析は以下の方法により実施した:
30m DB−WAX、ID.:0.32mm、FD.:0.25μm;80〜230℃、3℃/分;Rf(シトロネラール)=10.5;Rf(ネオ−イソプレゴール)=13.24;Rf(イソプレゴール)=13.58;Rf(ネオイソ−イソプレゴール)=14.64;Rf(イソ−イソプレゴール)=15.28;Rf(シトロネリルシトロネレート)=39.80。生じた反応生成物の反応溶液中の濃度(各々重量%)を内部標準を用いてGC分析により確認した。更に報告されている対応の質量データ(各々g)を濃度から計算により推定し、従って僅かな偏差を有している。ジアステレオ選択率は4つのジアステレオマーのそれぞれのGC面積%から確認した。
リガンドIa −1から製造した触媒の存在下及び無水酢酸の存在下でのシトロネラールのイソプレゴールへの環化
Figure 0005279275
加熱乾燥したフラスコにリガンドIa−1(1.05ミリモル)及び無水トルエン(10ml)を装入した。室温で透明な溶液にトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む25%濃度溶液(350μl,0.66ミリモル、1モル%)を添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、0℃に予冷したシトロネラール(10.15g,65.8ミリモル)及び無水酢酸(シトロネラールに基づいて1重量%)の混合物を6時間かけて添加した。反応混合物を撹拌し、サンプルを定期的に採取し、8%濃度のNaOHを用いて加水分解した。この間、存在するアルミニウムは水酸化物として沈澱し、まず懸濁液が生じた。しばらくすると、2つの透明相が形成された。有機相をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表4に示す。
Figure 0005279275
環化反応により、イソプレゴールがすべてのイソプレゴール異性体に基づいて90%の選択率で生じた。ジアステレオ選択率(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.4:99.4:0.2:0.0であった。
リガンドIa −4(無水酢酸と共に)を用いる環化
Figure 0005279275
リガンドIa−4(大規模で)を用い、他の点は同一の条件で実施例1を繰り返した。結果を表5に示す。
Figure 0005279275
24時間の反応後、シトロネラールの変換はすべてのイソプレゴール異性体に対して90%の選択率で完了した。ジアステレオ選択率(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.6:99.0:0.3:0.1であった。
リガンドIa −1(添加剤なし)を用いる環化
Figure 0005279275
加熱乾燥したフラスコにリガンドIa−1(640mg,1.0ミリモル)及び無水トルエン(10ml)を装入した。室温で透明な溶液にトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む0.66M溶液(350μl,0.65ミリモル,シトロネラールに対して1モル%)を添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、−15℃に冷却したシトロネラール(10.2g,65.8ミリモル)を6時間かけて添加した。反応混合物を0℃で更に18時間撹拌し、サンプルを定期的に採取し、8%濃度のNaOHを用いて加水分解した。この間、存在するアルミニウムは水酸化物として沈澱し、まず懸濁液が生じた。しばらくすると、2つの透明相が形成された。有機相をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表6に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は1.6:96.7:1.2:0.4であった。
リガンドIa −1(無水酢酸と共に)を用いる環化
加熱乾燥したフラスコにリガンドIa−1(640mg,1.0ミリモル)及び無水トルエン(10ml)を装入した。室温で透明な溶液にトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む0.66M溶液(350μl,0.65ミリモル,シトロネラールに対して1モル%)を添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、−15℃に冷却したシトロネラール(10.2g,65.8ミリモル)及び無水酢酸(0.1g,シトロネラールに基づいて1重量%)の混合物を6時間かけて添加した。反応混合物を0℃で更に18時間撹拌し、サンプルを定期的に採取し、8%濃度のNaOHを用いて加水分解した。この間、存在するアルミニウムは水酸化物として沈澱し、まず懸濁液が生じた。しばらくすると、2つの透明相が形成された。有機相をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表7に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.8:98.5:0.4:0.3であった。
リガンドIa −3から製造した触媒の存在下及び無水酢酸の存在下でのシトロネラールの環化及びその後の後処理及びリガンドの回収
Figure 0005279275
リガンドIa−3(8.0g,13.6ミリモル)をアルゴン下室温でトルエン(140ml)中に溶解した。トリエチルアルミニウムをトルエン中に含む25%濃度溶液(4.78ml,9.09ミリモル)を添加した後、混合物を1時間撹拌した。生じた触媒懸濁液を0℃に冷却し、シトロネラール(70.0g,0.45モル)及び無水酢酸(0.7g,6.86ミリモル,シトロネラールに対して1重量%)の混合物を5時間かけて添加した。混合物を0℃で1時間撹拌し、室温で12時間撹拌した。実験の終わりに、8%濃度の水酸化ナトリウム溶液(100ml)を添加し、相を分離した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。粗な生成物を短カラムを用いて1ミリバールで蒸留した。58℃の上部温度で、68.4gの以下の組成(各々GC面積%)を有するイソプレゴールが得られた:イソプレゴール:98.4%、ネオ−イソプレゴール:0.6%、ネオイソ−イソプレゴール:0.4%。これは、すべてのジアステレオマーに基づいて97%の化学収率及び99:1のジアステレオ選択率(イソプレゴール:他のジアステレオマー)に相当する。
蒸留が終了したときに残留している蒸留ボトムは淡黄色固体であり、その量は7.7gであり、その構成は95重量%の使用した式Ia−3で表されるリガンド及び5重量%のイソプレゴールであった。
実施例6〜13は、リガンドIa−3を用いる環化において添加剤として各種カルボニル化合物を用いたシトロネラールの環化であった。
添加剤なしの環化
加熱乾燥したフラスコにリガンドIa−3(580mg,1.0ミリモル)及び無水トルエン(20ml)を装入した。室温で透明な溶液にトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む0.66M溶液(350μl,0.65ミリモル,シトロネラールに対して1モル%)を添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、−15℃に冷却したシトロネラール(10.2g,65.8ミリモル)を3時間かけて添加した。反応混合物を0℃で更に4時間撹拌し、サンプルを定期的に採取し、8%濃度のNaOHを用いて加水分解した。この間、存在するアルミニウムは水酸化物として沈澱し、まず懸濁液が生じた。しばらくすると、2つの透明相が形成された。有機相をガスクロマトグラフィーにより分析した。結果を表8に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.4:99.0:0.5:0.1であった。
アセトアルデヒドの添加
シトロネラールを添加する前に0.4重量%のアセトアルデヒドをシトロネラールに添加する以外は実施例6のように実験を繰り返した。結果を表9に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.4:99.1:0.5:0.0であった。
ニトロベンズアルデヒドの添加
シトロネラールを添加する前に1.3重量%のニトロベンズアルデヒドをシトロネラールに添加する以外は実施例6のように実験を繰り返した。結果を表10に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.4:99.2:0.4:0.0であった。
クロラールの添加
シトロネラールを添加する前に1.3重量%の無水クロラールをシトロネラールに添加する以外は実施例6のように実験を繰り返した。結果を表11に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.5:99.3:0.2:0.0であった。
ピルビン酸エチルの添加
シトロネラールを添加する前に1.0重量%のピルビン酸エチルをシトロネラールに添加する以外は実施例6のように実験を繰り返した。結果を表12に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.5:99.5:0.0:0.0であった。
トリフルオロアセトンの添加
シトロネラールを添加する前に1.0重量%の1,1,1−トリフルオロアセトンをシトロネラールに添加する以外は実施例6のように実験を繰り返した。結果を表13に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.8:98.9:0.3:0.0であった。
水素化により製造した粗なシトロネラール(シトロネロール含量は高い)を用いて実施例6のように実験を繰り返した。結果を表14に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.5:99.5:0.0:0.0であった。
シトロネラールを添加する前に1.0重量%の1,1,1−トリフルオロアセトンをシトロネラールに添加する以外は実施例12のように実験を繰り返した。結果を表15に示す。
Figure 0005279275
ジアステレオマー比(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴール)は0.5:99.0:0.3:0.2であった。
リガンドIa −3との触媒複合体の回収
加熱乾燥したフラスコにリガンドIa−3(2.93g,4.99ミリモル)及び無水トルエン(100ml)を装入した。室温で透明な溶液にトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む0.66M溶液(1.75ml,3.33ミリモル,シトロネラールに対して5モル%)を添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、−15℃に冷却したシトロネラール(10.2g,65.8ミリモル)を1時間かけて添加した。反応混合物を0℃で更に1時間撹拌した。反応混合物を濾過により固体触媒から分離した。濾液を通常通り後処理し、トルエンを蒸留により除去し、生じた粗な生成物を分析した。結果を表16に示す。
Figure 0005279275
濾別した触媒を更にトルエン(100ml)中に懸濁させた。このようにした生じた触媒懸濁液を0℃に冷却し、−15℃に冷却したシトロネラール(10.2g,65.8ミリモル)を6時間かけて添加した。反応混合物を0℃で更に18時間撹拌し、その後通常通り後処理し、分析した。結果を表17に示す。
Figure 0005279275
リガンドIa −3の回収方法
室温でトリエチルアルミニウムをトルエン中に含む0.66M溶液(14ml,26.4ミリモル,シトロネラールに対して1モル%)をリガンドIa−3(23.44g,40ミリモル)を無水トルエン(800ml)中に含む溶液に添加した。溶液を25℃で1時間撹拌した。数分後、触媒のゲル様懸濁液が生じた。触媒懸濁液を0℃に冷却し、(406g,2.64モル)及びトリフルオロアセトン(4.06g,シトロネラールに基づいて1モル%)の混合物を−15℃に冷却し、3時間かけて添加した。その後、混合物を0℃で更に4時間撹拌すると、透明な溶液が生じた。トルエンを大気圧下15cm Vigreuxカラムを用いて留去させた。透明溶液に高沸点成分として1−メチルナフタレン(80g)を添加し、全部で364gのイソプレゴールを10ミリバールで留去させた。これは87%の収率に相当する。冷却すると、ボトムから白色結晶が晶出した。濾過により、全部で20.0gの白色固体が生じた。これは、分析により約5%の1−メチルナフタレンで汚染されているリガンドIa−3と同定され得た。こうして、簡単な結晶化によりリガンドIa−3の81%が回収され得た。1−メチルナフタレンを留去させることにより更に3.1gのリガンドIa−3を純粋な形態で得ることができた。
部分変換を伴う、酢酸の存在下でのリガンド45とトリエチルアルミニウムとの触媒を用いるシトロネラールの環化(本発明に従わない)
Figure 0005279275
純度98.8%のリガンド36(618mg,1.2ミリモル)をトルエン(30g)中に溶解した。25%濃度のトルエン溶液の形態のトリエチルアルミニウム(0.342g,0.74ミリモル)をゆっくり添加した。ゲル様生成物が形成した後、混合物を20℃で更に40分間撹拌した。次いで、触媒溶液を0℃に冷却し、ラセミシトロネラール(11.7g,74.4ミリモル)及び酢酸(61mg)をトルエン(24g)中に含む溶液を6回に分けて添加した、各添加後、混合物を約50分間撹拌した。次いで、反応混合物を8%濃度の水酸化ナトリウム溶液(10ml)と共に撹拌し、有機相を分離し、ガスクロマトグラフィーにより分析した。以下の結果が得られた:シトロネラール:63.9%、ネオ−イソプレゴール:0.2%、イソプレゴール:24.9%、ネオイソ−イソプレゴール:0.1%、イソ−イソプレゴール:0.07%、シトロネリルシトロネレート:7.3%。
34.1%の変換率で、イソプレゴールの選択率は74.2%であった。以下の異性体分布を有する生成物が得られた(ネオ−イソプレゴール:イソプレゴール:ネオイソ−イソプレゴール:イソ−イソプレゴールは0.8:98.5:0.4:0.3であった)。

Claims (26)

  1. 式(Ia):
    Figure 0005279275

    [式中、
    Ar、Ar、Ar、Arはフェニルであり、
    、R、R、Rは水素であり、
    Aはトリフルオロメチル基またはメチル基を有していてもよいメチレン基である]
    で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを、式(II):
    (R143−pAlH (II)
    (式中、Alはアルミニウムであり、R14は1〜5個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状アルキル基であり、pは0または1〜3の整数である)
    で表されるアルミニウム化合物、及び/または式(III):
    MAlH (III)
    (式中、Alはアルミニウムであり、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)
    で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られるジアリールフェノキシアルミニウム化合物。
  2. 式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンド及び式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物を10:1〜1:1のモル比で使用する請求項1に記載のジアリールフェノキシアルミニウム化合物。
  3. 式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンド及び式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物を3:2のモル比で使用する請求項1または2に記載のジアリールフェノキシアルミニウム化合物。
  4. シトロネラールのイソプレゴールへの環化のための請求項1〜3のいずれか1項に記載のジアリールフェノキシアルミニウム化合物の触媒としての使用。
  5. 式(IV):
    Figure 0005279275


    で表されるイソプレゴールの製造方法であって、式(V):
    Figure 0005279275

    で表されるシトロネラールを触媒の存在下で環化することを含み、前記触媒は式(Ia):
    Figure 0005279275

    (式中、Ar、Ar、Ar、Ar、R、R、R、R及びAは請求項1に記載の式(Ia)について上記した意味を有する)
    で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを、式(II):
    (R143−pAlH (II)
    (式中、Alはアルミニウムであり、R14は1〜5個の炭素原子を有する分岐状もしくは非分岐状アルキル基であり、pは0または1〜3の整数である)
    で表されるアルミニウム化合物、及び/または式(III):
    MAlH (III)
    (式中、Alはアルミニウムであり、Mはリチウム、ナトリウムまたはカリウムである)
    で表されるアルミニウム化合物と反応させることにより得られるものである、前記方法。
  6. 式(IVa):
    Figure 0005279275

    で表される光学活性なイソプレゴールを製造するための請求項に記載の方法であって、式(Va):
    Figure 0005279275

    (式中、()は各々不斉炭素原子を指す)
    で表される光学活性なシトロネラールを環化することを含む、前記方法。
  7. D−(+)−シトロネラールを環化することを含むL−(−)−イソプレゴールを製造するための請求項またはのいずれか1項に記載の方法。
  8. 使用するアルミニウム化合物が式(II)で表される化合物である請求項のいずれか1項に記載の方法。
  9. 使用するアルミニウム化合物がトリメチルアルミニウムまたはトリエチルアルミニウムである請求項のいずれか1項に記載の方法。
  10. 式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンド及び式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物を10:1〜1:1のモル比で使用する請求項のいずれか1項に記載の方法。
  11. 式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンド及び式(II)及び/または(III)で表されるアルミニウム化合物を1.5:1のモル比で使用する請求項10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 環化を有機酸の存在下で実施する請求項11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 使用する有機酸が酢酸である請求項12に記載の方法。
  14. 環化を無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及びビニルエーテルの群から選択される少なくとも1つの化合物の存在下で実施する請求項13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 環化を、式(VI):
    Figure 0005279275

    (式中、R20、R20’は同一または異なり、分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R20及びR20’は一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のO、S、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bは相互に独立してR11であり、ここで、R11はC1−6アルキル、C7−12アラルキルまたは置換もしくは非置換のC6−10アリールである)
    で表される無水カルボン酸の存在下で、または式(VII):
    Figure 0005279275

    (式中、R21は分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R10e、R10f、R8e及びR9eは相互に独立してR11について記載した意味を有し得る)
    で表されるアルデヒドの存在下で、または式(VIII):
    Figure 0005279275

    (式中、R22及びR23は同一または異なり、各々分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、C6−10アリール基、或いはCアルコキシカルボニル基であり、これらの基は各々1個以上のOR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R22及びR23は一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のO、S、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有する5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bは相互に独立してR11について記載した意味を有し得る)
    で表されるケトンの存在下で、または一般式(IX):
    Figure 0005279275

    (式中、R24、R25、R26、R27は同一または異なり、各々相互に独立して分岐状もしくは非分岐状のC1−12アルキル基またはC7−12アラルキル基、或いはC6−10アリール基であり、これらの基は各々1個以上のオキソ、OR10e、SR10f、NR8e9e及びハロゲンの群から選択される同一または異なる置換基を有していてもよく、R25及びR26は一緒になって1個以上のエチレン性二重結合及び1個以上のO、S、NR11bの群から選択される同一または異なるヘテロ原子を有していてもよい5〜8員環を形成していてもよく、R10e、R10f、R8e、R9e及びR11bは相互に独立してR11について記載した意味を有し得る)
    で表されるビニルエーテルの存在下で実施する請求項14に記載の方法。
  16. 環化を無水酢酸、プロピオンアルデヒド、無水ピバル酸及び/または無水安息香酸の存在下で実施する請求項14または15に記載の方法。
  17. 環化をアセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、クロラール、1,1,1−トリフルオロアセトン、1,1,1−トリフルオロアセトフェノン、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチルまたはヘキサフルオロアセトンの存在下で実施する請求項14または15に記載の方法。
  18. 無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテルをシトロネラールの使用量に基づいて0.01〜5モル%の量で使用する請求項1417のいずれか1項に記載の方法。
  19. 触媒の溶液または懸濁液をまず導入し、反応させようとするシトロネラールと無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテルの混合物を添加する請求項1418のいずれか1項に記載の方法。
  20. 反応させようとするシトロネラールと無水カルボン酸、アルデヒド、ケトン及び/またはビニルエーテルの混合物を30分〜6時間の範囲内で添加する請求項1419のいずれか1項に記載の方法。
  21. 反応を実施後、使用した式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを回収する請求項20のいずれか1項に記載の方法。
  22. a)生成物混合物から適当ならば使用した溶媒及び適当ならば使用した他の化合物を蒸留除去するステップ、
    b)ステップa)で得た残渣に高沸点溶媒を添加するステップ、
    c)ステップb)で得た混合物からイソプレゴールを蒸留分離するステップ、及び
    d)ステップc)で得た蒸留ボトムを冷却し、使用した式(Ia)で表されるビス(ジアリールフェノール)リガンドを結晶化するステップ
    を含む請求項21に記載の方法。
  23. 反応を実施後、触媒として使用したジアリールフェノキシアルミニウム化合物を回収する請求項20のいずれか1項に記載の方法。
  24. 請求項23のいずれか1項に記載の方法に従って式(IV)で表されるイソプレゴールを製造した後、このようにして得たイソプレゴールのエチレン性二重結合を水素化することを含むメントールの製造方法。
  25. a)請求項24のいずれか1項に記載の方法に従って式(IVa)で表される光学活性なイソプレゴールを製造するステップ、及び
    b)このようにして得た光学活性なイソプレゴールのエチレン性二重結合を水素化するステップ
    を含む光学活性なメントールを製造する請求項24に記載の方法。
  26. a)請求項25のいずれか1項に記載の方法に従ってL−(−)−イソプレゴールを製造するステップ、及び
    b)このようにして得た光学活性なL−(−)−イソプレゴールのエチレン性二重結合を水素化するステップ
    を含むL−(−)−メントールを製造する請求項25に記載の方法。
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