JP2003038962A - アルデヒド二量化によるカルボン酸エステル類の合成触媒とカルボン酸エステル類の製造方法 - Google Patents

アルデヒド二量化によるカルボン酸エステル類の合成触媒とカルボン酸エステル類の製造方法

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JP2003038962A
JP2003038962A JP2001226910A JP2001226910A JP2003038962A JP 2003038962 A JP2003038962 A JP 2003038962A JP 2001226910 A JP2001226910 A JP 2001226910A JP 2001226910 A JP2001226910 A JP 2001226910A JP 2003038962 A JP2003038962 A JP 2003038962A
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alkyl group
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JP2001226910A
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Yasushi Kuroda
黒田  靖
Tetsuo Nakajo
哲夫 中條
Keiji Maruoka
啓二 丸岡
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Original Assignee
Showa Denko KK
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  • Catalysts (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルデヒド類の二量化により効率良くカルボ
ン酸エステルを製造する触媒を提供し、該触媒を用いた
カルボン酸エステルの製造方法を提供することを課題と
する。 【解決手段】 本発明の芳香環を有する特殊な有機金属
触媒を用いれば、アルデヒド類の二量化により効率良く
カルボン酸エステルを製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒド二量化
によるカルボン酸エステルの合成触媒と製造方法に関す
るものである。特に、アセトアルデヒドをニ量化して酢
酸エチルを製造する触媒及び製造法にも適用できる。酢
酸エチルは、近年の環境問題からBTX代替溶剤として
注目されている。
【0002】
【従来の技術】アルデヒド二量化によるエステルの合成
は、ティシェンコ(Tishchenko)反応として古くから知ら
れている。この反応に用いられる触媒は、ナトリウムな
どのアルカリ金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金
属あるいはアルミニウムなどのアルコキシドであり、液
相系での反応が知られている。(化学の領域18巻47
0頁(1955)、続人名有機反応集108頁(195
5)朝倉書店)
【0003】不均一系触媒ではバリウムやストロンチウ
ムなどのアルカリ土類金属の酸化物が用いられている。
(日本化学雑誌1845頁(1973))
【0004】最近では、希土類(特開平7-82214号)
や、ルテニウム錯体(特公昭56-38138号、特開平6-9290
0号)やビナフトールを用いるアルミニウムフェノキシ
ド(特公平3−64494号)なども報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ナトリウム、マグネシ
ウム、アルミニウムなどのアルコキシド化合物を触媒と
して用いると、副生物が多く、そのため室温以下の反応
温度に低く抑える必要がある。そのため極めて活性が低
い。低温で製造することは、工業的には用役費がかさむ
原因になるという欠点があった。
【0006】不均一系のアルカリ土類金属触媒は、芳香
族アルデヒド類への適用であり、その場合でも十分な選
択性を持たない。またα水素を持つ化合物では、アルド
ール縮合反応などが併発し、また劣化が激しく工業的観
点からは極めて水準が低い。
【0007】希土類、ルテニウム錯体やビナフトールを
用いるアルミニウムフェノキシド触媒は、また触媒調製
が特殊であったり、触媒活性点あたりの目的生成物量
(TN)が工業的に使用しえるレベルには達していないな
ど問題点を有していた。
【0008】本発明は、低温条件を避け、選択性良くア
ルデヒド類を二量化する触媒を提供することを課題の一
つとし、該触媒を用いたカルボン酸エステル類の製造方
法を提供することを課題の一つとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討した結果、アルデヒド二量化
によるエステル合成に用いる、式(1)の有機金属触媒
を見出した。この触媒を用いる事で目的とするエステル
化合物を高選択的且つ高活性に製造することを見出し、
本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明を例示すれば下記項目か
らなる。
【0011】[1]アルデヒド二量化によるエステル合
成に用いる、式(1)の有機金属触媒。
【化4】 (Mは金属原子を示す。Rは、炭素数1〜8個の枝分か
れしていてもよいアルキル基、ベンジル基または置換基
を有していてもよい芳香族基を示し、nは0〜4の整数
を示す。Lは、芳香環を一つ以上有し、X、X、Mと合
わせて、5〜7員環を形成することが可能な有機構造体
を示す。Xは、−O−、−NR1−、−N(SO22
−、−S−、−P(Ar)2−および−AsR1 2−から選
ばれる原子または原子団を示す。Arはハロゲン原子が
置換していてもよい芳香族基を示し、R1はハロゲン原
子が置換していてもよい炭素数1〜8の枝分かれしてい
ても良いアルキル基を示し、R2はハロゲン原子が置換
していてもよい炭素数1〜10の枝分かれしていてもよ
いアルキル基を示す。)
【0012】[2] Lが式(2)で表される中のいず
れかの構造を有し、その任意の位置に炭素数1〜8の枝
分かれしていてもよいアルキル基、炭素数1〜8の枝分
かれしていてもよいアルコキシ基およびハロゲン原子か
ら選ばれる一種以上の置換基を有していてもよい有機構
造体であることを特徴とする[1]に記載の有機金属触
媒。
【化5】 (但し、Bは、−CH2−、−(CH22−、−CH=C
H−、−SiR3 2−、−O−、−S−および−NR3
から選ばれる一つの原子または原子団を示し、R3はハ
ロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜10の枝分
かれしていてもよいアルキル基を示す。Cベンゼン環の
任意の隣接した位置で縮合環構造を形成する−(CH
2m−(但し、mは3、4、5の整数を示す。)また
は、−CH=CH−CH=CH−(ナフタレン環を形成
する。)で示される原子団を表す。)
【0013】[3] Lが下記構造式の中から選ばれる
いずれか一つであることを特徴とする[1]に記載の有
機金属触媒。
【化6】
【0014】[4] Xが−O−、−NR1−、−N
(SO22)−および−S−から選ばれる原子または原
子団(但し、R1はハロゲン原子が置換していてもよい
炭素数1〜8の枝分かれしていても良いアルキル基を示
し、R2はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1
〜10の枝分かれしていてもよいアルキル基を示す。)
のいずれかであることを特徴とする[1]〜[3]のい
ずれかに記載の有機金属触媒。
【0015】[5] Xが−NR1−または−N(SO2
2)−(但し、R1はハロゲン原子が置換していてもよ
い炭素数1〜8の枝分かれしていても良いアルキル基を
示し、R2はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数
1〜10の枝分かれしていてもよいアルキル基を示
す。)であることを特徴とする[1]〜[4]に記載の
有機金属触媒。
【0016】[6] 金属原子が周期律表第3族(希土
類)から第6族までの金属原子、Zn、Al、Ga、I
nおよびSnの中から選ばれるいずれかの金属原子であ
ることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の
有機金属触媒。
【0017】[7] 金属原子が周期律表第3族(希土
類)または第4族の金属原子、Zn、Al,Ga、In
およびSnの中から選ばれるいずれかの金属原子である
ことを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の有
機金属触媒。
【0018】[8] 金属原子が周期律表第4族の金属
原子、AlおよびGaの中から選ばれるいずれかの金属
原子であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか
に記載の有機金属触媒。
【0019】[9] Xが−O−である[1]〜
[4]、[6]〜[8]のいずれかに記載の有機金属触
媒。
【0020】[10] [1]〜[9]のいずれかに記
載の有機金属触媒を用いてアルデヒド類の同種または異
種を原料としてニ量化することによるカルボン酸エステ
ル類の製造方法。
【0021】[11] [9]に記載の有機金属触媒を
用いてアルデヒド類の同種または異種を原料として二量
化することによるカルボン酸エステルを製造するに際
し、反応温度を5℃〜200℃で行うことを特徴とする
カルボン酸エステル類の製造方法。
【0022】[12] [9]に記載の有機金属触媒を
用いてアルデヒド類の同種または異種を原料として二量
化することによるカルボン酸エステルを製造するに際
し、反応温度を15℃〜150℃で行うことを特徴とす
るカルボン酸エステル類の製造方法。
【0023】[13] 原料として使用するアルデヒド
類がアセトアルデヒドであり、カルボン酸エステルが酢
酸エチルである[10]〜[13]のいずれかに記載の
カルボン酸エステル類の製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明においてアルデヒドとは「R4−CHO」
で表される化合物でR4は脂肪族化合物、芳香族化合
物、複素環化合物などが含まれる。脂肪族化合物にはア
ルケニル、アルキル、アルキニル基を含む。アルケニル
基としてはエチニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニ
ル基を含み、アルキル基としてはメチル、エチル、プロ
パニル、ブタニル、ペンタニル、シクロペンチル、シク
ロヘキシル基があげられる。芳香族化合物としてはフェ
ニル基、トリル基、キシレニル基、ナフチル基、アント
ラセニル基や2、6ジクロロトリル基などのようにハロ
ゲンが置換されていても良い。複素環化合物としてはア
ルキルピリジニル、メチルチアゾイル基などがあげられ
る。
【0025】これらのアルデヒドは特別な高純度品を必
要とはしないで工業グレードで入手可能なものをそのま
ま使用できる。しかしながら、水分やアルコールは少な
い方が好ましい。一般にはどちらも1%以下、好ましく
は数1000ppm以下が良い。更に好ましくは100
0ppm以下が触媒寿命を延ばす。
【0026】本発明における「アルデヒド二量化による
エステルの合成」とは、同種のアルデヒドの場合は単一
のエステルを与えるが、異種のアルデヒドを用いれば、
多種類のエステルが生成することを意味する。(例えば
4CHO+R4'CHO→R4CO2CH24'+R4CO2
CH24+R4'CO2CH24'+R4'CO2CH24
【0027】具体的に式(1)のLを例示すると、下記
式(2)に示すものがあげられる。これらは、その任意
の位置に炭素数1〜8の枝分かれしていてもよいアルキ
ル基、炭素数1〜8の枝分かれしていてもよいアルコキ
シ基およびハロゲン原子から選ばれる一種以上の置換基
を有していてもよい。
【化7】 (但し、Bは、−CH2−、−(CH22−、−CH=C
H−、−SiR3 2−、−O−、−S−および−NR3
から選ばれる一つの原子団を示し、R3はハロゲン原子
が置換していてもよい炭素数1〜10の枝分かれしてい
てもよいアルキル基を示す。Cはそれぞれ、ベンゼン環
の任意の隣接した位置で縮合環構造を形成する−(CH
2m−(但し、mは3、4、5の整数を示す。)また
は、−CH=CH−CH=CH−(ナフタレン環を形成
する。)で示される原子団を表す。)
【0028】好ましい例をあげれば、例えば以下に示す
構造式が挙げられる。
【化8】
【0029】式(1)のXは、−O−、−NR1−、−
N(SO22)−、−S−、−P(Ar)2−および−A
sR1 2−から選ばれる原子または原子団を示す。Arは
ハロゲン原子が置換していてもよい芳香族基を示し、R
1はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜8の
枝分かれしていても良いアルキル基を示し、R2はハロ
ゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜10の枝分か
れしていてもよいアルキル基を示す。−NR1−、−N
(SO22)−、−P(Ar)2−または−AsR1 2−に
対し、中心の金属に強固な配位をさせる場合は、電子供
与基を導入し、弱い配位をさせる場合はハロゲンに代表
される吸引基または嵩高くして立体障害を導入すること
もできる。
【0030】Xは好ましくは−O−、−NR1−および
−N(SO22)から選ばれる原子または原子団であ
る。R1、R2は前述の置換基を表す。
【0031】好ましい構造体であるLとXの組み合わせ
は、中心金属、反応条件、反応基質により異なる。
【0032】本発明における金属原子(式(1)のM)
は、周期律表第3族(希土類)からから第6族までの金
属原子、Zn、Al、Ga、InおよびSnの中から選
択される。好ましくは、周期律表第3族(希土類)また
は第4族の金属原子、Zn、Al,Ga、InおよびS
nの中から選択される。更に好ましくは周期律表第4族
の金属原子、AlおよびGaの中から選択される。特に
Alは好適である。
【0033】本発明における有機金属触媒のアルコキシ
「(OR)n」のRは炭素数1〜8のアルキル基、ベン
ジル基またはフェニルのようなアリル(芳香族)基を表
す。具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブ
トキシ、ペントキシ、芳香族化合物で置換したベンジル
オキシ(PhCH2O-)などであり、フェノキシ、ナフトキ
シ、更にはフェノキシ、ナフトキシ等の芳香環にハロゲ
ンやメトキシなど置換基を導入してもよい。アルコキシ
の数は中心金属の価数により変化する。すなわち、nは
金属原子の価数からXの数の2を引いた数字となる。例
示をすればアルミニウムではn=1である。亜鉛のよう
な二価金属ではn=0である。
【0034】本発明の触媒の製造方法を例示すれば、金
属アルコキシドを原料に有機構造体L(XH)2を添加
し下記反応式に従って、合成する方法がある。
【化9】
【0035】またアルミニウムの様にアルキル金属が入
手できる場合には、アルキル金属と有機構造体L(X
H)2を反応させた後、残ったアルキル基をROH(但
し、Rは、炭素数1〜8個の枝分かれしていてもよいア
ルキル基、ベンジル基または置換基を有していてもよい
芳香族基を示す。)で置換する方法も可能である。
【0036】アルミニウムで例示すれば下記の反応式の
様になる。
【化10】
【0037】生成した有機金属触媒をカルボン酸エステ
ル類の製造に用いる場合には、そのまま反応に用いても
良いし、精製した後、用いても良い。
【0038】本発明で使用する触媒原料に対しては、純
度が高い方が好ましい。触媒製造後の精製に手間取るば
かりでなく、収量も減ってしまう。好ましくは95%以
上の純度の原料を用いる。また、本発明の触媒製造法で
は一般には、アルゴン、窒素、ヘリウムなどのイナート
雰囲気下に取り扱う。使用する溶媒も脱水した試薬を用
いる方がよい。
【0039】次に本発明で調製した触媒を用いたエステ
ルの製造法の代表的例について説明する。 1.触媒調製工程;前述のように触媒調製を行う。触媒
は一般には1〜50%溶液、好ましくは5〜40%溶液
に調製する。溶媒は種々使えるが、溶解度の問題や触媒
毒にならないよう選択する。また工業的観点からは、生
成物であるエステルを用いるのが好ましい。
【0040】2.反応工程;原料のアルデヒドをそのま
ま、または溶媒で希釈し前工程で調製した触媒と接触さ
せ反応させる。発熱反応であるので除熱する反応方式に
する。回分式であるなら、原料のアルデヒドを反応熱の
上昇を見ながら徐々に加えていく。流通系であるなら、
反応温度制御しながら、原料を供給する。触媒と生成物
とは分離し、触媒は再び反応器へ循環し利用する。
【0041】反応溶液の濃度は基質によるが、1〜50
%、好ましくは3〜40%である。あまり低濃度では経
済性に課題があり、高濃度では副生成物の割合が増加す
る。
【0042】反応温度、圧力も基質によるが反応温度は
通常5℃〜200℃であり、好ましくは15℃〜150
℃、より好ましくは25℃〜100℃である。低温は冷
凍機などの用役費がかさみ経済性で問題があり、高温で
は副生成物が増加する。反応圧力は、基質自身の物性と
溶液濃度などにより変化するが、特に制約はなく、常圧
〜10MPaであるが、好ましくは常圧〜1Mpaであり、通
常は常圧で反応させることでかまわない。
【0043】連続流通方式で長時間反応させると、触媒
はわずかながらも活性低下し、転化率が低下してくる。
その場合、反応温度や接触時間を調整し転化率を一定に
保つことは有効な手段である。また一部の触媒を抜き出
し、抜き出した触媒量を新規に供給する方法もありえ
る。
【0044】3.精製工程;生成物のうち、高沸点生成
物、目的製品、低沸点生成物を分離し一部の原料アルデ
ヒドは回収し反応器へ循環する。目的製品は規格に合わ
せて精密精製する。
【0045】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、何ら本発明
を限定するものではない。
【0046】触媒製造例1(2,2’−ビフェノールA
l(OiPr)触媒の製造法)
【化11】 2,2’−ビフェノール(2mmol)を乾燥した二つ
口フラスコ中で20mlの塩化メチレンに溶解し、Al
(OiPr)3 (2mmol)を塩化メチレン20m
lに溶解して、アルゴン雰囲気下、撹拌しながら添加し
た。この混合物を1時間加熱還流し反応させた。溶媒等
を減圧下留去した後、残渣に塩化メチレン40mlを加
え、触媒溶液を製造した。
【0047】触媒製造例2(2,2’−ビフェノールA
l(OiPr)触媒の製造法) 溶媒留去後に加えた塩化メチレンを脱水処理した酢酸エ
チル40ml(水分300ppm以下)とした以外は触
媒製造例1と同様に触媒溶液を製造した。
【0048】触媒製造例3(2,2’−ジ(トリフルオ
ロメチルスルフォニルアミノ)ビフェニルAl(OiP
r)触媒の製造法)
【化12】 2,2’−ビフェノールの代わりに2,2’−ジ(トリ
フルオロメチルスルフォニルアミノ)ビフェニルを用い
た以外は触媒製造例1と同様に触媒溶液を製造した。
【0049】2,2’−ジ(トリフルオロメチルスルフ
ォニルアミノ)ビフェニルは、ジフェニックアシド(Di
phenic acid; 2,2'-biphenyldicarboxylic acid)のカ
ルボキシル基をCrutius転位反応でアミノ化し、トリフ
ルオロメチルスルフォニル振る尾ライドでトリフルオロ
メチルスルフォニル化し、製造した。
【0050】触媒製造比較例1(ビナフトールAl(O
iPr)触媒の製造法) 2,2’−ビフェノールの代わりにビナフトールを用い
た以外は触媒製造例1と同様に触媒溶液を製造した。
【0051】触媒製造例4(カテコールAl(OiPr)
触媒の製造法) 2,2’−ビフェノールの代わりにカテコールを用いた
以外は触媒製造例2と同様に触媒溶液を製造した。
【0052】触媒製造比較例2(有機構造体を用いない
例) 2,2’−ビフェノール(2mmol)を用いない以外
は触媒製造例1と同様に触媒溶液を製造した。
【0053】実施例1〜4と比較例1〜2 (アセトアルデヒドから酢酸エチルの製造)反応は常圧
回分式で3口フラスコに温度計、滴下ロート、アルゴン
ガスの導入3方コックを付けた冷却管を装備した。用い
る触媒溶液と同じ溶媒を100ml導入し、アセトアル
デヒド4.4g(100mmol)を溶解させた。触媒
製造例で製造した触媒溶液を30〜31℃に保持するよ
うに滴下した。滴下終了後、さらに120分間攪拌し反
応液を1N塩酸溶液に入れエーテルで抽出しガスクロマ
トグラフィーで分析した。
【0054】 表1 触媒溶液 アセトアルデヒド転化率 酢酸エチル収率 実施例1 触媒製造例1 86% 83% 実施例2 触媒製造例2 90% 86% 実施例3 触媒製造例3 71% 65% 実施例4 触媒製造例4 22% 16% 比較例1 比較調製例1 4% 2%比較例2 比較調製例2 0% 0%
【0055】実施例5(イソブチルアルデヒドの例) 実施例1と同様にアセトアルデヒドの代わりにイソブチ
ルアルデヒドを用いて実験した。分析の結果、イソブチ
ルアルデヒド転化率は53%であり対応するエステル収
率は51%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07F 5/06 C07F 5/06 E (72)発明者 丸岡 啓二 滋賀県大津市一里山3−20−39 Fターム(参考) 4G069 AA06 AA08 BA27A BA27B BC16A BC16B BC17A BC18A BC22A BC35A BE05A BE05B BE37A BE37B CB46 DA02 4H006 AA02 AC48 BA09 BA43 BA44 BC10 4H039 CA66 CF30 4H048 AA03 AB40 VA80 VB10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アルデヒド二量化によるカルボン酸エステ
    ル類の合成に用いる、式(1)の有機金属触媒。 【化1】 (Mは金属原子を示す。Rは、炭素数1〜8個の枝分か
    れしていてもよいアルキル基、ベンジル基または置換基
    を有していてもよい芳香族基を示し、nは0〜4の整数
    を示す。Lは、芳香環を一つ以上有し、X、X、Mと合
    わせて、5〜7員環を形成することが可能な有機構造体
    を示す。Xは、−O−、−NR1−、−N(SO22
    −、−S−、−P(Ar)2−および−AsR1 2−から選
    ばれる原子または原子団を示す。Arはハロゲン原子が
    置換していてもよい芳香族基を示し、R1はハロゲン原
    子が置換していてもよい炭素数1〜8の枝分かれしてい
    ても良いアルキル基を示し、R2はハロゲン原子が置換
    していてもよい炭素数1〜10の枝分かれしていてもよ
    いアルキル基を示す。)
  2. 【請求項2】 Lが式(2)で表される中のいずれかの
    構造を有し、その任意の位置に炭素数1〜8の枝分かれ
    していてもよいアルキル基、炭素数1〜8の枝分かれし
    ていてもよいアルコキシ基およびハロゲン原子から選ば
    れる一種以上の置換基を有していてもよい有機構造体で
    あることを特徴とする請求項1に記載の有機金属触媒。 【化2】 (但し、Bは、−CH2−、−(CH22−、−CH=C
    H−、−SiR3 2−、−O−、−S−および−NR3
    から選ばれる一つの原子または原子団を示し、R3はハ
    ロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜10の枝分
    かれしていてもよいアルキル基を示す。Cベンゼン環の
    任意の隣接した位置で縮合環構造を形成する−(CH
    2m−(但し、mは3、4、5の整数を示す。)また
    は、−CH=CH−CH=CH−(ナフタレン環を形成
    する。)で示される原子団を表す。)
  3. 【請求項3】 Lが下記構造式の中から選ばれるいずれ
    か一つであることを特徴とする請求項1に記載の有機金
    属触媒。 【化3】
  4. 【請求項4】 Xが−O−、−NR1−、−N(SO2
    2)−および−S−から選ばれる原子または原子団(但
    し、R1はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1
    〜8の枝分かれしていても良いアルキル基を示し、R2
    はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1〜10の
    枝分かれしていてもよいアルキル基を示す。)のいずれ
    かであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の有機金属触媒。
  5. 【請求項5】 Xが−NR1−または−N(SO22
    −(但し、R1はハロゲン原子が置換していてもよい炭
    素数1〜8の枝分かれしていても良いアルキル基を示
    し、R2はハロゲン原子が置換していてもよい炭素数1
    〜10の枝分かれしていてもよいアルキル基を示す。)
    であることを特徴とする請求項1〜4に記載の有機金属
    触媒。
  6. 【請求項6】 金属原子が周期律表第3族(希土類)か
    ら第6族までの金属原子、Zn、Al、Ga、Inおよ
    びSnの中から選ばれるいずれかの金属原子であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機金属
    触媒。
  7. 【請求項7】 金属原子が周期律表第3族(希土類)ま
    たは第4族の金属原子、Zn、Al,Ga、Inおよび
    Snの中から選ばれるいずれかの金属原子であることを
    特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の有機金属触
    媒。
  8. 【請求項8】 金属原子が周期律表第4族の金属原子、
    AlおよびGaの中から選ばれるいずれかの金属原子で
    あることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の
    有機金属触媒。
  9. 【請求項9】 Xが−O−である請求項1〜4、6〜8
    のいずれかに記載の有機金属触媒。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれに記載の有機金
    属触媒を用いてアルデヒド類の同種または異種を原料と
    してニ量化することによるカルボン酸エステル類の製造
    方法。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の有機金属触媒を用い
    てアルデヒド類の同種または異種を原料として二量化す
    ることによるカルボン酸エステルを製造するに際し、反
    応温度を5℃〜200℃で行うことを特徴とするカルボ
    ン酸エステル類の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の有機金属触媒を用い
    てアルデヒド類の同種または異種を原料として二量化す
    ることによるカルボン酸エステルを製造するに際し、反
    応温度を15℃〜150℃で行うことを特徴とするカル
    ボン酸エステル類の製造方法。
  13. 【請求項13】 原料として使用するアルデヒド類がア
    セトアルデヒドであり、カルボン酸エステルが酢酸エチ
    ルである請求項10〜12のいずれかに記載のカルボン
    酸エステル類の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005116202A (ja) * 2003-10-03 2005-04-28 Daikin Ind Ltd 放電装置及び空気浄化装置
CN114210327A (zh) * 2021-12-28 2022-03-22 润泰化学(泰兴)有限公司 采用异丁醛Tishchenko缩合反应制备异丁酸异丁酯的催化剂的制备方法

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