JP5780933B2 - 光学活性メントールの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、さらに短い製造工程で、すべての工程が触媒反応の工程で成り立っているために、環境を汚染する廃棄物が少なく、製造経費も節約できるような、光学活性メントールを製造する方法を提供することである。
すなわち本発明は以下の各発明を包含する。
以下の工程を含む光学活性メントールの製造方法。
A−1)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−1)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−1)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む光学活性メントールの製造方法。
A−2)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−2)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−2)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む光学活性メントールの製造方法。
A−3)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−3)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−3)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−3)工程D−3で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む光学活性メントールの製造方法。
A−4)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−4)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−4)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−4)工程D−4で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む[1]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−5)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−5)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−5)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む[2]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−6)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−6)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−6)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む[3]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−7)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−7)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−7)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−7)工程D−7で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む[4]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−8)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−8)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−8)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−8)工程D−8で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
以下の工程を含む[1]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−9)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−9)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
C−9)l−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。
以下の工程を含む[2]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−10)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−10)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
C−10)l−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。
以下の工程を含む[3]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−11)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−11)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
D−11)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のl−イソプレゴールを得る。
E−11)工程D−11で得たl−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。
以下の工程を含む[4]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−12)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−12)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
D−12)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のl−イソプレゴールを得る。
E−12)工程D−12)で得たl−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。
以下の工程を含む[1]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−13)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−13)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
C−13)l−イソプレゴールを水素化し光学純度70〜99%e.e.のl−メントールを得る。
以下の工程を含む[2]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−14)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−14)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%のl−イソプレゴールを得る。
C−14)l−イソプレゴールを水素化し光学純度70〜99%e.e.のl−メントールを得る。
以下の工程を含む[3]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−15)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−15)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
D−15)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行い光学純度98〜100%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
E−15)工程D−15で得たl−イソプレゴールを水素化し光学純度98〜100%e.e.のl−メントールを得る。
以下の工程を含む[4]に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−16)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−16)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
D−16)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行い光学純度98〜100%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
E−16)工程D−16で得たl−イソプレゴールを水素化し光学純度98〜100%e.e.のl−メントールを得る。
工程Aの不斉水素化反応において、水素ガス、及び少なくとも一種類の遷移金属と光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、[1]〜[16]のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
工程Aの不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(1)
工程Aの不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(2)
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R7とR8、R7とA、又はR8とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y1及びY2は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。]で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、[1]〜[16]のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
前記金属がニッケル、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム及び白金からなる群から選ばれる[17]〜[19]のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
工程Bの光学活性シトロネラールの閉環反応における酸性触媒がルイス酸性のアルミニウム触媒である、[1]〜[20]のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
前記ルイス酸性のアルミニウム触媒が、
下記一般式(3)で表されるトリアルキルアルミニウム類と、
下記一般式(4)で表される2,6−ジフェニルフェノール、下記一般式(5)で表される2,6,2’,6’−テトラフェニル−ビフェニル−4,4’−ジオール、下記一般式(6)で表される光学活性であっても良い1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオール、及び下記一般式(7)で表される光学活性であっても良い(2,2―ジメチル―1,3―ジオキソラン―4,5−ジイル)ビス(ジフェニルメタノール)から選ばれる少なくとも一種の化合物とを反応させて得られる有機アルミニウム化合物である[21]に記載の光学活性メントールの製造方法。
前記ルイス酸性のアルミニウム触媒が、
下記一般式(8)で表される鎖状アルミノキサン類、下記一般式(9)で表される環状アルミノキサン類及び式(10)で表されるビス(ジアルキルアルミニウムオキシ)アルキルボラン類から選ばれる少なくとも一種の有機アルミニウムオキシ化合物と、
下記一般式(11)で表されるジアリールフェノール類、下記一般式(12)で表されるビス(ジアリールフェノール)類、下記一般式(13)で表されるビアリールジオール類、下記一般式(14)で表されるジメタノール類及び下記一般式(15)で表されるシラノール類から選ばれる少なくとも一種のヒドロキシ化合物とを反応させて得られる有機アルミニウム触媒である、[21]に記載の光学活性メントールの製造方法。
oは0〜40の整数である。]
oは0〜40の整数である。]
R17は、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、又は置換基を有してもよい炭素数7乃至12のアラルキル基である。]
R18、R19及びR20は、それぞれ独立してそのいずれもが、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、炭素数1乃至4のパーフロロアルキル基、炭素数1乃至8のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7乃至12のアラルキル基、ハロゲン原子、オルガノシリル基、置換基を有してもよい炭素数6乃至15のアリール基、炭素数2乃至8のジアルキルアミノ基、炭素数1乃至4のチオアルコキシ基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R18とR19又はR19とR20とは互いに結合して各々独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい。]
R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立してそのいずれもが、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、炭素数1乃至4のパーフロロアルキル基、炭素数1乃至8のアルコキシ基、置換基を有してもよい炭素数7乃至12のアラルキル基、ハロゲン原子、オルガノシリル基、置換基を有してもよい炭素数6乃至15のアリール基、炭素数2乃至8のジアルキルアミノ基、炭素数1乃至4のチオアルコキシ基、ニトロ基又はポリマー鎖あり、R21とR22又はR23とR24とは互いに結合して各々独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよく、R21若しくはR22及び/又はR23若しくはR24はA’と結合して芳香族環または非芳香族環を形成してもよく;
A’は、(1)置換基及び不飽和結合のうち少なくとも一方を有してもよい炭素数1乃至25の直鎖状若しくは分岐状及び/又は環状の炭化水素基;(2)置換基を有してもよい炭素数6〜15のアリーレン基;(3)置換基を有してもよい炭素数2〜15のヘテロアリーレン基;(4)−O−、−S−、−N(R25)−、−S(O)−、−C(O)−、−S(O)2−、−P(R25)−、−(R25)P(O)−及び−Si(R26R27)−の群から選択される官能基またはヘテロ元素である(ここで、R25〜R27は、それぞれ独立してそのいずれもが、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基、又は置換基を有してもよい炭素数6〜10のアリール基である。)。]
は、それぞれ独立してそのいずれもが、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数1乃至4のパーフロロアルキル基、炭素数1乃至8のアルコキシ基、炭素数5乃至8の脂環式基、置換基を有してもよい炭素数7乃至12のアラルキル基、ハロゲン原子、オルガノシリル基、置換基を有してもよい炭素数6乃至15のアリール基、炭素数2乃至8のジアルキルアミノ基、炭素数1乃至4のチオアルコキシ基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R28とR29、R29とR30、R30とR31、R31とR35、R32とR33、R33とR34又はR34とR35とは互いに結合して各々独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい。]
環Bはヘテロ元素を有してもよい3〜8員環である。]
前記ルイス酸性のアルミニウム触媒が、
下記一般式(8)で表される鎖状アルミノキサン類と、
下記一般式(4)で表される2,6−ジフェニルフェノール類、下記一般式(5)で表される2,6,2’,6’−テトラフェニル−ビフェニル−4,4’−ジオール、及び下記一般式(6)で表される光学活性であっても良い1,1’−ビナフチル−2,2’−ジオールから選ばれる少なくとも一種の化合物とを反応させて得られる有機アルミニウム触媒である、[21]に記載の光学活性メントールの製造方法。
本発明における不斉水素化触媒は、従来の不斉水素化触媒のように、触媒を調製するための反応工程を必要としない。単に、原料化合物、光学活性環状含窒素化合物、金属粉末又は金属担持物、及び酸を混合して不斉水素化するものである。このように操作も簡便であり、また、金属粉末又は金属担持物、及び光学活性環状含窒素化合物は回収して再使用でき、工業的にも有利である。
本願において“重量%”及び“重量部”は、それぞれ“質量%”及び“質量部”と同義である。
本発明である光学活性メントールの製造方法はScheme1に示した方法で行われる。*は不斉炭素を表わす。
次に、不斉水素化反応において使用されることが好ましい不斉水素化触媒について説明する。
本発明における不斉水素化用触媒は、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、光学活性環状含窒素化合物と、酸とを含むα,β−不飽和カルボニル化合物の不斉水素化用触媒である。
周期表における第8〜10族の金属としては、Ni(ニッケル)、Ru(ルテニウム)、Rh(ロジウム)、Ir(イリジウム)、Pd(パラジウム)及びPt(白金)が好ましく、特に好ましい金属はPdである。
続いて、一般式(1)及び一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物について説明する。
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただしR1とR2は同じ置換基になることはない。また、R1又はR2の一方が環Aと結合しさらに環を形成していてもよい。*は不斉炭素原子を表す。
環Aが、ベンゼン環などにより縮環構造となる場合の基本骨格としては、例えば、インドリン骨格、ジヒドロキノキサリン骨格、テトラヒドロイソキノリン骨格、ジヒドロキノキサリノン骨格等が挙げられる。これらの基本骨格に置換基が存在してもよい。
環A及び縮環した環Aの置換基の好ましい例としては、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有してもよい芳香族複素環基が挙げられる。
アルキル基に置換するシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等が挙げられる。
これらシクロアルキル基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前記のアルキル基の置換基の説明で述べたような置換基が挙げられる。
これらアルケニル基は置換基を有してもよく、該置換基としては、前記のアルキル基の置換基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらアリール基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の置換基の説明で述べたような基が挙げられる。
ルフェニル)メチル基、ジ(3−フェニルフェニル)メチル基、ジ(2−フェニルフェニル)メチル基、ジ(4−メシチルフェニル)メチル基、ジ(1−ナフチル)メチル基、ジ(2−ナフチル)メチル基、ジ(9−アントラニル)メチル基、ジ(9−フェナントリル)メチル基、ビス(3,5−ジフェニルフェニル)メチル基、トリフェニルメチル基、トリトリルメチル基、トリキシリルメチル基、トリメシチルメチル基、トリ(4−フェニルフェニル)メチル基、トリ(3−フェニルフェニル)メチル基、トリ(2−フェニルフェニル)メチル基、トリ(4−メシチルフェニル)メチル基、トリ(1−ナフチル)メチル基、トリ(2−ナフチル)メチル基、トリ(9−アントラニル)メチル基、トリ(9−フェナントリル)メチル基、トリス(3,5−ジフェニルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシフェニルメチル基、トリメチルシロキシジフェニルメチル基、トリメチルシロキシジトリルメチル基、トリメチルシロキシジ(4−t−ブチルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシジキシリルメチル基、トリメチルシロキシジ(2−フェニルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシジ(3−フェニルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシジ(4−フェニルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシビス(3,5−ジフェニルフェニル)メチル基、トリメチルシロキシジ(4−メシチルフェニル)メチル基及びトリメチルシロキシビス(3,5−ジトリフロロメチルフェニル)メチル基等が挙げられる。
これらアラルキル基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらアルコキシ基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらカルボキシ基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらアルコキシカルボニル基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらアミド基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これらシロキシ基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
これら芳香族複素環基は置換基を有してもよく、該置換基としてはアルキル基の説明で述べたような基が挙げられる。
なお、本発明の光学活性環状窒素化合物としては、アミノ酸は該当しない。
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R7とR8、R7とA、又はR8とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X1、X2、X3、X4、X5及びX6は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y1及びY2は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。
また、これらの中でも、R7〜R12としては、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましく、とくに水素原子、置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよいシクロヘキシル基が好ましい。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖である。
これらのヘテロ原子は置換基を有してもよく、該置換基としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基があげられ、これらの具体例としては、R1、R2の説明で列挙した基やR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基で列挙した基が挙げられる。
これらのヘテロ原子は置換基を有してもよく、該置換基としては、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、脂肪族複素環基、芳香族複素環基が挙げられ、これらの具体例としては、R1、R2の説明で列挙した基やR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基で列挙した基が挙げられる。
これらのアルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらのアリーレン基を含むアルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらのシクロアルキレン基を含むアルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR3〜R12の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらのヘテロ原子を含むアルキレン基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらの2価の脂肪族炭化水素環基は置換基を有してもよく、該置換基としては該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらの2価の脂肪族複素環基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらの2価の芳香族炭化水素基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
これらの2価の芳香族複素環基は置換基を有してもよく、該置換基としてはR1、R2の説明で述べたアルキル基の置換基が挙げられる。
ポリマー鎖としては、一般に使用されるものであれば使用できる。例えば、ポリスチレン、ポリエチレングリコール、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリペプチド等のポリマー鎖及びそれらの共重合体等が挙げられる。
次に、Y1、及びY2について説明する。Y1及びY2は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子、又は硫黄原子を表す。
X1、Y1、X5、及びX3の好ましい組み合わせとしては、例えば以下の表1に示すものが挙げられる。
X2、Y2、X6、及びX4の好ましい組み合わせとしては、例えば以下の表2に示すものが挙げられる。
光学活性ジアリールメチルピロリジン化合物は、例えば、Tetrahedron 1993,49,5127−5132、及びTetrahedron:Asymmetry 1997,8,149−153に記載されている方法に従って合成することができる。該方法は、以下のScheme2及び3で表すことができる。
化合物17の合成は、(R)−又は(S)−プロリン(化合物16)と一般式M2CO3で表されるアルカリ金属化合物とを一般式R44OHで表されるアルコール化合物に溶解した溶液に、一般式ClCO2R43で表されるクロロ炭酸エステル化合物を0〜30℃の範囲で滴下して行うことができる。溶媒の使用量(L)は、基質である(R)−又は(S)−プロリンの重量(kg)に対して例えば1〜30倍容量〔L/kg〕、好ましくは5〜20倍容量〔L/kg〕である。
上記のようにして得られた化合物17は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
上記のようにして得られた化合物21は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
一般式R44OHで表されるアルコール化合物において、R44で表される基としては、前記R43の説明で列挙するアルキル基が挙げられる。
化合物18の合成は、化合物17のテトラヒドロフラン(以下THFと略す)等のエーテル溶液に、一般式ArMg(halogen)で表されるグリニヤ化合物のTHF等のエーテル溶液を不活性気体雰囲気下、−5〜20℃で滴下し、反応温度を最終的に70℃程度にまで上げ3〜6時間の範囲で保持して行われる。溶媒の使用量(L)は、基質である化合物17の重量(kg)に対して例えば1〜40倍容量〔L/kg〕、好ましくは5〜25倍容量〔L/kg〕である。
上記のようにして得られた化合物18は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
化合物22の合成は、化合物21のTHF等のエーテル溶液に、一般式ArMg(halogen)で表されるグリニヤ化合物のTHF等のエーテル溶液を不活性気体雰囲気下、−5〜20℃で滴下し、反応温度を最終的に70℃程度にまで上げ3〜6時間の範囲で保持して行われる。溶媒の使用量(L)は、基質である化合物21の重量(kg)に対して例えば1〜40倍容量〔L/kg〕、好ましくは5〜25倍容量〔L/kg〕である。
上記のようにして得られた化合物22は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
アリール基の具体例としては、一般式(1)及び一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物のR1〜R12の説明で列挙するアリール基が挙げられる。
アリール基に置換する置換基の具体例としては、一般式(1)及び一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物のR1〜R12の説明で列挙するアルキル基の置換基の説明で述べたような基が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、イソプロピルフェニル基、キシリル基、t−ブチルフェニル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、アダマンチルフェニル基、トリフロロメチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ビフェニル基、4−(2’−p−トリルプロピル)フェニル基等が挙げられる。
化合物23の合成は、化合物22のN,N−ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)等の非プロトン性極性溶液に、塩化銅(I)などのルイス酸触媒存在下、一般式RNCOで表されるイソシアネート化合物を不活性気体雰囲気下、室温付近で滴下し、1〜24時間撹拌することで行われる。溶媒の使用量(L)は、基質である化合物6の重量(kg)に対して例えば1〜20倍容量〔L/kg〕、好ましくは3〜10倍容量〔L/kg〕である。
上記のようにして得られた化合物23は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アミド基、芳香族複素環基、脂肪族複素環基が挙げられる。これらの基はいずれも置換基を有してもよい。
上記のようにして得られた化合物19の光学活性ジアリールメチルピロリジン化合物は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
上記のようにして得られた化合物24の光学活性ジアリールメチルピロリジン化合物は、例えば抽出、再結晶、各種クロマトグラフィー等の通常用いられる操作により、単離精製を行うことができる。
なおScheme2及び3中、*は不斉炭素原子を表す。
更に、本発明の工程A:シトラールの不斉水素化触媒においてはもう一つの触媒成分として酸を含む。
酸としては有機酸又は無機酸を用いることができるが、有機酸が好ましい。
具体的な無機酸の例としては、弗酸、塩酸、臭酸、ヨウ酸、硫酸、過塩素酸、燐酸及び硝酸等が挙げられる。
本発明では、前記した触媒の存在下にゲラニアール、ネラール又はシトラールを不斉水素化反応させることにより、光学活性シトロネラールが得られる。
溶媒の使用量(L)は、反応条件等により適宜選択することができるが、基質であるゲラニアール、ネラール又はシトラールの重量(kg)に対して例えば0〜20倍容量〔(L/kg)〕、好ましくは0〜5倍容量〔(L/kg)〕である。
反応温度は、−78〜100℃であり、好ましくは10〜70℃である。反応時間は、反応条件により異なるが、通常1〜30時間である。
本発明のスキーム1に示した工程Bは工程Aで得られた光学活性シトロネラールを閉環することにより、光学活性イソプレゴールを製造することにより成り立つ。
(有機アルミニウム触媒)
スキーム1の工程B:シトロネラール閉環触媒としては、アルミニウム触媒を用いることが好ましい。このアルミニウム触媒は、有機アルミニウム化合物とヒドロキシ化合物とを反応させて得られる。
アルミニウム触媒を製造するために使用される有機アルミニウム化合物は、一般式(3)で表されるトリアルキルアルミニウム類、又は、一般式(8)で表される枝分かれしていても良い鎖状アルミノキサン類、一般式(9)で表される枝分かれしていても良い環状アルミノキサン類及び一般式(10)で表されるビス(ジアルキルアルミニウムオキシ)アルキルボラン類から選ばれる少なくとも一種の有機アルミニウムオキシ化合物から選ばれることが好ましい。
R21、R22、R23及びR24は、それぞれ独立してそのいずれもが、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、炭素数1乃至4のパーフロロアルキル基、炭素数1乃至8のアルコキシ基、置換基を有していてもよい炭素数7乃至12のアラルキル基、ハロゲン原子、オルガノシリル基、置換基を有していてもよい炭素数6乃至15のアリール基、炭素数2乃至8のジアルキルアミノ基、炭素数1乃至4のチオアルコキシ基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R21とR22又はR23とR24とは互いに結合し各々独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよく、R21若しくはR22及び/又はR23若しくはR24はA’と結合して芳香族環または非芳香族環を形成してもよく;
A’は、(1)置換基及び/又は不飽和結合を有してもよい炭素数1乃至25の直鎖状若しくは分岐状及び/又は環状の炭化水素基;(2)置換基を有してもよい炭素数6〜15のアリーレン基;(3)置換基を有していてもよい炭素数2〜15のヘテロアリーレン基;(5)−O−、−S−、−N(R25)−、−S(O)−、−C(O)−、−S(O)2−、−P(R25)−、−(R25)P(O)−及び−Si(R26R27)−の群から選択される官能基またはヘテロ元素である(ここで、R25〜R27は、それぞれ独立してそのいずれもが、炭素数1乃至6のアルキル基、炭素数5乃至8の脂環式基、置換基を有してもよい炭素数7〜12のアラルキル基、又は置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基である。)
35は、それぞれ独立してそのいずれもが、水素原子、炭素数1乃至8のアルキル基、炭素数1乃至4のパーフロロアルキル基、炭素数1乃至8のアルコキシ基、炭素数5乃至8の脂環式基、置換基を有してもよい炭素数7乃至12のアラルキル基、ハロゲン原子、オルガノシリル基、置換基を有してもよい炭素数6乃至15のアリール基、炭素数2乃至8のジアルキルアミノ基、炭素数1乃至4のチオアルコキシ基、ニトロ基又はポリマー鎖であり、R28とR29、R29とR30、R30とR31、R31とR35、R32とR33、R33とR34又はR34とR35とは互いに結合して各々独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい。
独立に、縮合ベンゼン環、縮合置換ベンゼン環、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基又はトリメチレンジオキシ基を形成してもよい。
本発明では、前記した触媒の存在下に光学活性シトロネラールを閉環反応させることにより、光学活性イソプレゴールが得られる。
精製処理は、例えばイソプレゴールをアルカリ性化合物の水溶液で処理することで行われる。
具体的には、イソプレゴール単独またはイソプレゴールの有機溶媒溶液に、アルカリ性化合物の水溶液又はアリカリ性化合物と水とを加え混合溶液とする。アルカリ性条件の下、この混合溶液を加熱し、仕込んだアルカリ性化合物の水溶液又はアリカリ性化合物と水の総量の20〜70%程度の量の揮発物質を含む水分を流出させる。次いで、残部の水層と油層を分液した後、油層に固形のアルカリ成分を適量加えて、蒸留することによって精製処理を行うことができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどを挙げることができる。
また、アルカリ性化合物の水溶液は、5〜50%の濃度の範囲の水溶液、イソプレゴールに対して、0.1〜10倍容量[L・kg]の範囲である。
混合溶液の加熱処理温度は、約60℃以上とすればよく、好ましくは約80〜120℃で行うことが好ましい。
本発明のスキーム1に示した工程D−3,4,7,8,11,12,15及び16は工程Bで得られた光学活性イソプレゴールを、低温で晶析(深冷晶析)することにより、より高い化学純度、光学純度の光学活性イソプレゴールを製造することにより成り立つ。
光学活性イソプレゴールの深冷晶析は、例えば、日本国特許第3241542号公報に記載にされている[参照により、本明細書に組み込むものとする。]。
工程Bで得られた光学活性イソプレゴールを有機溶媒中に溶かした溶液を低温で晶析する(深冷晶析)ことにより化学純度及び光学純度がともに99.7%以上の光学活性イソプレゴールが得られる。
本発明のスキーム1に示した工程C−1,2,5,6,9,10,13,14及び工程E−3,4,7,8,11,12,15,16は、工程Bまたは工程Dで得られた光学活性イソプレゴールを、触媒を用いて水素化することにより、光学活性メントールを製造することにより成り立つ。
光学活性イソプレゴールの炭素―炭素二重結合部分を水素化する方法は、通常の方法でできる。すなわち、ラネーニッケル、Pd/C等の水素化能力のある触媒を、オートクレーブ中に投入し、光学活性イソプレゴールを無溶媒あるいは、溶媒存在化水素圧をかけて、水素化を行い光学活性メントールを製造できる。
精製処理は、例えばメントールをアルカリ性化合物の水溶液で処理することで行われる。
具体的には、メントール単独またはメントールの有機溶媒溶液に、アルカリ性化合物の水溶液又はアリカリ性化合物と水とを加え混合溶液とする。アルカリ性条件の下、この混合溶液を加熱し、仕込んだアルカリ性化合物の水溶液又はアリカリ性化合物と水の総量の20〜70%程度の量の揮発物質を含む水分を流出させる。次いで、残部の水層と油層を分液した後、油層に固形のアルカリ成分を適量加えて、蒸留することによって精製処理を行うことができる。
アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどを挙げることができる。
また、アルカリ性化合物の水溶液は、5〜50%の濃度の範囲の水溶液、メントールに対して、0.1〜10倍容量[L・kg]の範囲である。
混合溶液の加熱処理温度は、約60℃以上とすればよく、好ましくは約80〜120℃で行うことが好ましい。
使用分析機器:島津製作所製G2010ガスクロマトグラフ
カラム:
シトラールの転化率測定…Agilent社製DB−WAX(0.25mm x30m)
シトロネラールの光学純度測定…スペルコ社製β−DEX−225(0.25mm x 30m)
イソプレゴールの光学純度測定…スペルコ社製β−DEX−325(0.25mm x 30m)
検出器:FID
1H−NMR:Varian Inc.製300MHz
(R)−Proline−N−ethyl carbamate methyl esterの合成
2Lの四つ口フラスコに、(R)−プロリン35.54g(0.3mol)、無水メタノール600mL、炭酸カリウム41.46gを投入し攪拌した。氷冷下、この溶液にクロロ炭酸エチル71.62g(0.66mmol)を25℃以下で滴下し、0℃で12時間攪拌した。その後、メタノールを留去し水300mLを投入し、クロロホルム450mLで抽出、さらに水層をクロロホルム450mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去し、52.85g、87.5%の収率で目的物を得た。
(S)−Proline−N−ethyl carbamate methyl esterの合成
1Lの四つ口フラスコに、(S)−プロリン23.03g(0.2mol)、無水メタノール400mL、炭酸カリウム27.64gを投入し攪拌した。氷冷下、この溶液にクロロ炭酸エチル47.75g(0.44mmol)を25℃以下で滴下し、0℃で12時間攪拌した。その後、メタノールを留去し水200mLを投入し、クロロホルム300mLで抽出、さらに水層をクロロホルム300mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去し、35.85g、89.1%の収率で目的物を得た。
(R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例1〜6の光学活性環状含窒素化合物の合成)
窒素置換した1L反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム12.55g(469mmol)、無水THF50mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液に4−t−ブチルフェニルブロモベンゼン100g(469mmol)のTHF500mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
1H−NMR(CD3OD):δ=1.10〜1.50、m、19H δ=1.60〜1.85、m、3H δ=2.65〜2.80、m、1H δ=2.80〜2.95、m、1H δ=3.65、d、1H δ=3.70〜3.85、m、1H δ=7.10〜7.35、m、8H
(S)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例7の光学活性環状含窒素化合物の合成)
窒素置換した300mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム2.55g(105mmol)、無水THF50mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液に4−t−ブチルフェニルブロモベンゼン21.31g(100mmol)のTHF30mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
1H−NMR(CD3OD):δ=1.10〜1.50、m、19H δ=1.60〜1.85、m、3H δ=2.65〜2.80、m、1H δ=2.80〜2.95、m、1H δ=3.65、d、1H δ=3.70〜3.85、m、1H δ=7.10〜7.35、m、8H
(S)−2−(bis−(4’−i−propylphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例8の光学活性環状含窒素化合物の合成)
窒素置換した300mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム2.55g(105mmol)、無水THF50mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液に4−i−プロピルフェニルブロモベンゼン19.91g(100mmol)のTHF30mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
1H−NMR(CD3OD):δ=1.05〜1.20、m、12H δ=1.20〜1.35、m、1H δ=1.60〜1.80、m、3H δ=2.65〜2.95、m、4H δ=3.60、d、1H δ=3.70〜3.85、m、1H δ=7.00〜7.30、m、8H
(R)−2−(bis−(4’−(1’’−Methylcyclohexyl)phenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例9の光学活性環状含窒素化合物の合成)
硫酸231g (2.36mol)のベンゼン溶液225.6mL(2.53mol)に、0℃にて1−メチル−1−シクロヘキセン75.0mL(632mmol)と ベンゼン56.4mL(632mmol)の混合溶液を1.5時間かけて滴下し、0℃にて1.5時間撹拌した。反応液に水300mLを加えてクエンチし、水層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100mL、水100mLおよび飽和食塩水100mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮して粗1−メチルシクロヘキシルベンゼンを得た。得られた粗1−メチルシクロヘキシルベンゼンを減圧蒸留(110−113℃/10mmHg)で精製し、40.2g の目的物を得た。収率36.5%。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.20、s、3H δ=1.30〜1.70、m、8H δ=1.90〜2.10、m、2H δ=7.10〜7.40、m、5H
上記(合成例6−1)で得られた1−メチルシクロヘキシルベンゼン20.0g(115mmol)に鉄279mg(5.00mmol)およびヨウ素198mg(0.78mmol)を加え0℃にて臭素17.8g(111mmol)を1.5時間かけてゆっくり滴下し、その温度で1.5時間、室温で20時間撹拌した。反応液を冷却後、飽和亜硫酸ナトリウム水溶液30mLでクエンチし、ヘキサン50mLにて3回抽出した。合わせた有機層を亜硫酸ナトリウム水溶液30mLおよび水30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、溶媒を減圧回収して粗ブロミド27.9g を得た。得
られた粗ブロミドを減圧蒸留(117−120℃/2mmHg)で精製し、収率 80.3%で目的物を得た。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.15、s、3H δ=1.30〜1.70、m、8H δ=1.90〜2.10、m、2H 2H δ=7.15〜7.50、m、4H
Tetrahedron: Asymmetry,Vol.8,No.1,149−153の(S)−2−(diphenylmethyl)pyrrolidineの合成法に従って合成した。
窒素置換した100mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム535mg(22.0mmol)、無水THF4mLを投入し攪拌した。室温にて、この溶液に上記(合成例6−2)で得られた4−(1’−メチルシクロヘキシル)ブロモベンゼン5.06g(20mmol)のTHF25mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
得られた(5R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−(1’’−Methylcyclohexyl)phenyl)−bicyclooctaneに、メタノール35mL、THF35mL、10重量%Pd/C 1.10gを投入し攪拌、水素置換した。50℃で7.5時間反応した後、Pd/Cをろ過にて除去、濃縮を行い、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色結晶の目的物を1.50g,35.0%の収率で得た。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.10〜1.20、s、6H δ=1.25〜2.20、m、24H δ=2.70〜3.00、m、2H δ=3.70〜3.95、m、2H δ=7.10〜7.40、m、8H
(R)−2−(bis−(p−1’−adamantylphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例11の光学活性環状含窒素化合物の合成)
窒素置換した200mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム0.591g(24.3mmol)、無水THF10mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液にp−1−アダマンチルフェニルクロロベンゼン5.00g(20.3mmol)のTHF30mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
得られた(5R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(p−1’−adamantylphenyl)−bicyclooctaneに、メタノール36mL、THF36mL、10%重量Pd/C 1.18gを投入し攪拌、水素置換した。50〜60℃で70時間反応した後、Pd/Cをろ過にて除去、濃縮を行い、アルミナカラムクロマトグラフィーにて精製し、無色結晶の目的物を1.45g,31.6%の収率で得た。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.40〜2.20、m、30H δ=2.60〜2.80、br、1H δ=3.05〜3.90、m、2H δ=4.10〜4.90、m、2H δ=7.00〜7.50、m、8H
(R)−2−(bis−(4’−(2’’−p−tolylpropyl)phenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例12の光学活性環状窒素化合物の合成)
硫酸44.1g(450mmol)のトルエン溶液59.9mL(470mmol)に、0℃にてp−クロロメチルスチレン21.5mL(150mmol)と トルエン20mL(280mmol)の混合溶液を1時間かけて滴下し、0℃にて2.0時間撹拌した。反応液に水100mLを加えてクエンチし、水層を分離した。得られた有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液50mLおよび水50mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を濃縮して粗クロリドを得た。得られた粗クロリドを減圧蒸留(120−130℃/1mmHg)で精製し、31.8g の目的物を得た。収率86.7%。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.80、s、6H δ=2.45、s、3H δ=7.20〜7.45、m、8H
Tetrahedron: Asymmetry,Vol.8,No.1,149−153の(S)−2−(diphenylmethyl)pyrrolidineの合成法に従って合成した。
窒素置換した100mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム535mg(22.0mmol)、無水THF4mLを投入し攪拌した。室温にて、この溶液に上記(合成例8−1)で得られた4−(2’−p−トリルプロピル)クロロベンゼン4.90g(20mmol)のTHF20mL溶液を還流条件下でゆっくり滴下し、還流条件下で6時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
0gの(5R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−(2’’−p−tolylpropyl)phenyl)−bicyclooctaneを得た。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.30〜2.00、m、4H δ=1.60、s、12H δ=2.30、s、6H δ=2.70〜3.00、m、2H δ=3.75〜3.90、m、2H δ=7.00〜7.30、m、16H
(S)−2−(bis−(4’−trifloromethylphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例13の光学活性環状窒素化合物の合成)
窒素置換した300mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム2.55g(105mmol)、無水THF50mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液に4−トリフルオロメチルフェニルブロモベンゼン22.5g(100mmol)のTHF30mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
(5S)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−trifloromethylphenyl)−bicyclooctaneを得た。
36.11%の収率で得た。
1H−NMR(CD3OD):δ=1.25〜1.50、m、1H δ=1.70〜1.95、m、3H δ=2.80〜2.90、m、1H δ=2.90〜3.05、m、1H δ=3.90〜4.05、m、1H δ=7.45〜7.65、m、8H
(S)−2−(bis−(p−biphenyl)methyl)pyrrolidineの合成(実施例14の光学活性環状窒素化合物の合成)
窒素置換した300mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム2.13g(87.5mmol)、無水THF10mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液にp−ブロモビフェニル19.1g(81.9mmol)のTHF54mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.43〜1.89、m、5H δ=2.86〜3.12、m、2H δ=3.85〜3.89、m、2H δ=7.25〜7.56、m、18H
(2R,4R)−4−Hydoxyproline−N−ethyl carbamate methyl esterの合成
300mLの四つ口フラスコに、(2R,4R)−ヒドロキシプロリン(渡辺化学工業株式会社製)25.0g(191mmol)、無水メタノール150mL、炭酸カリウム26.4g(191mmol)を投入し攪拌した。氷冷下、この溶液にクロロ炭酸エチル40.2mL(420mmol)を25℃以下で滴下し、0℃で24時間攪拌した。反応液をろ過後、メタノールを留去し水150mLを投入し、クロロホルム150mLで抽出、さらに水層をクロロホルム150mLで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後溶媒を留去し、36.5g、94.0%の収率で目的物を得た。
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−hydroxybicyclooctaneの合成
窒素置換した500mL反応フラスコに、窒素気流下、マグネシウム2.41g(99mmol)、無水THF15mLを投入し攪拌した。室温にてこの溶液に4−t−ブチルフェニルブロモベンゼン19.2g(90mmol)のTHF75mL溶液を滴下し、室温で1時間攪拌した(グリニヤ化合物の合成)。
−4−Hydoxyproline−N−ethyl carbamate methyl ester 6.10g(30mmol)のTHF125mL溶液を10℃以下にて滴下して反応させた。その後、3時間加熱還流したのち冷却し、飽和アンモニウムクロライド水溶液100mLに反応液を投入した。THFを回収後、濃縮物を酢酸エチル200mLで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた濃縮物を酢酸エチル・ヘキサン中から再結晶し、8.24gの目的物を得た。
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−(butylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(butylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例15,20及び26で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3OD):δ=0.80〜0.95、t、3H δ=1.20〜1.30、s、18H δ=1.15〜1.55、m、6H δ=2.05〜2.20、m、1H δ=2.90〜3.10、m、4H δ=3.70〜3.95、m、2H δ=4.90〜5.05、bs、1H δ=7.10〜7.35、m、8H
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−(t−butylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(t−butylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例21及び27で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3Cl3):δ=1.20、s、9H δ=1.22、s、9H δ=1.25、s、9H δ=1.20〜1.30、m、1H δ=1.50〜1.65、m、1H δ=2.10〜2.30、m、1H δ=2.90〜3.00、m、2H δ=3.70〜3.40、m、2H δ=5.00〜5.20、bs、1H δ=7.10〜7.40、m、8H
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−(ethylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(ethylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例16及び22で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3Cl3):δ=1.05〜1.20、t、3H δ=1.25、s、18H δ=1.30〜1.60、m、2H δ=2.15〜2.30、m、1H δ=2.95〜3.25、m、4H δ=3.80、bs、2H δ=4.60、bs、1H δ=5.10、bs、1H δ=7.10〜7.30、m、8H
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−(octylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(octylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例17及び23で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3OD):δ=0.80〜0.95、t、3H δ=1.00〜1.60、m、14H δ=1.10、s、18H δ=2.00〜2.20、m、1H δ=2.90〜3.20、m、4H δ=3.70〜4.00、m、2H δ=5.00〜5.10、bs、1H δ=7.10〜7.40、m、8H
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−bis−(4’−t−butylphenyl)−7−(diphenylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(diphenylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例18及び24で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3OD):δ=δ=1.20〜1.35、s、18H δ=1.45〜1.60、m、1H δ=2.00〜2.20、m、1H δ=2.90〜3.00、m、1H δ=3.10〜3.20、m、1H δ=3.35〜3.45、m、1H δ=3.85〜4.00、m、1H δ=5.15〜5.25、m、1H δ=6.90〜7.50、m、18H
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−diphenyl−7−hydroxybicyclooctaneの合成
窒素置換した500mL反応フラスコに、窒素気流下、合成例11で得られた(2R,4R)−4−Hydoxyproline−N−ethyl carbamate methyl ester 5.10g(23mmol)のTHF50mL溶液を投入し10℃以下に冷却した。この溶液に、滴下漏斗よりフェニルマグネシウムブロミドの1.08mol/L THF溶液64mLを滴下して反応させた。その後、3時間加熱還流したのち冷却し、飽和アンモニウムクロライド水溶液100mLに反応液を投入した。THFを回収後、濃縮物を酢酸エチル200mLで2回抽出し、合わせた有機層を飽和食塩水で2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し、得られた濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィーで単離精製し、3.43gの目的物を得た。
(5R,7R)−[3,3,0]−1−aza−2−oxo−3−oxa−4,4−diphenyl−7−(butylcarbamoyloxy)bicyclooctaneの合成
(2R,4R)−2−diphenylmethyl−4−(butylcarbamoyloxy)pyrrolidineの合成(実施例19及び25で使用した光学活性環状含窒素化合物の合成)
1H−NMR(CD3OD):δ=0.90〜0.96、t、3H δ=1.30〜1.59、m、5H δ=2.10〜2.21、qui、1H δ=3.00〜3.11、m、4H δ=3.86〜4.05、m、2H δ=5.00〜5.05、m、1H δ=7.14〜7.41、m、10H
10mL反応フラスコに、シトラール2g(13.14mmol)、5重量%Pd/硫酸バリウム 25mg(シトラールに対して1.25重量%)、(R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)pyrrolidine 80mg(0.23mmol。シトラールに対して4.0重量%)、トリフルオロ酢酸26.1mg(0.23mmol)、10重量%含水t−BuOH4mLを入れ攪拌し、水素雰囲気(0.1MPa(大気圧))とした。40℃にて21時間攪拌した後、触媒をろ過後、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、シトラールからシトロネラールへの転化率は51%で、得られたシトロネラールはd体であり、その光学純度は84.9%e.e.であった。
なお、使用したシトラールのゲラニアール:ネラールの混合割合は50:50(モル比)であった(以降の実施例も同様)。
実施例2は25℃での反応、実施例3は50℃での反応、実施例4は60℃での反応、実施例14は25℃でトルエン中での反応とし、その他条件は、光学活性環状含窒素化合物、酸を変更した以外は、全て実施例1と同様に反応を行なった。なお、光学活性環状含窒素化合物は80mg、酸は光学活性環状含窒素化合物に対して同モルを使用した。結果を表3〜6に示す。
50mL反応フラスコに、シトラール2g(13.14mmol)、5重量%Pd/硫酸バリウム 25mg(シトラールに対して2.5重量%)、(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(butylcarbamoyloxy)pyrrolidine110mg(0.24mmol。シトラールに対して5.5重量%)、トリフルオロ酢酸27.0mg(0.24mmol)、10重量%含水t−ブタノール2mLをいれ攪拌し、水素雰囲気とした。50℃にて21時間攪拌した後、触媒をろ過後、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、シトラールからシトロネラールへの転化率は78.0%で、得られたシトロネラ−ルはd体であり、その光学純度は90.3%e.e.であった。
光学活性環状含窒素化合物を変更した以外は、全て実施例15と同様に反応を行なった。なお、光学活性環状含窒素化合物は110mg、酸は光学活性環状含窒素化合物に対して同モルを使用した。結果を表7に示す。
50mL反応フラスコに、シトラール2g(13.14mmol)、5重量%Pd/硫酸バリウム 25mg(シトラールに対して2.5重量%)、(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(butylcarbamoyloxy)pyrrolidine110mg(0.24mmol。シトラールに対して5.5重量%)、トリフルオロ酢酸27.0mg(0.24mmol)、10重量%含水t−ブタノール2mLをいれ攪拌し、水素雰囲気とした。60℃にて21時間攪拌した後、触媒をろ過後、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、シトラールからシトロネラールへの転化率は100%で、得られたシトロネラ−ルはd体であり、その光学純度は89.6%e.e.であった。
光学活性環状含窒素化合物を変更した以外は、全て実施例20と同様に反応を行なった。なお、光学活性環状含窒素化合物は110mg、酸は光学活性環状含窒素化合物に対して同モルを使用した。結果を表8及び9に示す。
50mL反応フラスコに、シトラール2g(13.14mmol)、5重量%Pd/硫酸バリウム 25mg(シトラールに対して2.5重量%)、(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(butylcarbamoyloxy)pyrrolidine50mg(0.11mmol、シトラールに対して2.5重量%)、トリフルオロ酢酸12.3mg(0.11mmol)、10重量%含水t−ブタノール2mLをいれ攪拌し、水素雰囲気とした。60℃にて21時間攪拌した後、触媒をろ過後、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、シトラールからシトロネラールへの転化率は98.9%で、得られたシトロネラ−ルはd体であり、その光学純度は90.5%e.e.であった。
光学活性環状含窒素化合物を変更した以外は、全て実施例26と同様に反応を行なった。なお、光学活性環状含窒素化合物は50mg、酸は光学活性環状含窒素化合物に対して同モルを使用した。結果を表10に示す。
窒素雰囲気下、50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール493mg(2.0mmol)を入れ、窒素置換した後、ヘプタン10mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.58mL(10重量%、1.00mmol)を順次加え、室温にて終夜攪拌した後、溶媒を留去して白色固体を得た。
図1に2,6−ジフェニルフェノールとメチルアルミノキサンの1H−NMRスペクトルを、図2に図1の1H−NMRスペクトルの低磁場側を拡大した図を、図3に2,6−ジフェニルフェノールの1H−NMRスペクトルを、図4に図3の1H−NMRスペクトルの低磁場側を拡大した図を示す。
実施例28−1に従って合成した有機アルミニウム化合物に、窒素雰囲気下にてトルエン4.6mLを加えて系内温度を0〜5℃に冷却し、d−シトロネラール1.54g(10mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率70.5%、イソプレゴール選択率は82.4%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は97.1:2.9であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール197mg(0.80mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン9.3mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.12mL(10重量%、0.20mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌して触媒溶液を得た。
実施例29−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール3.09g(20.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率59.7%、イソプレゴール選択率は87.0%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は98.1:1.9であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール197mg(0.60mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌して触媒溶液を得た。
実施例30−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール1.54g(10.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率82.2%、イソプレゴール選択率は71.5%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は95.5:4.5であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール370mg(1.50mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌して触媒溶液を得た。
実施例31−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール1.54g(10.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率81.9%、イソプレゴール選択率は82.0%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は96.5:3.5であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール148mg(0.60mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、40℃にて終夜撹拌して触媒溶液を得た。
実施例32−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール1.54g(10.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率64.8%、イソプレゴール選択率は84.8%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は98.1:1.9であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール370mg(1.50mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、40℃にて終夜撹拌して触媒溶液を得た。
実施例33−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール1.54g(10.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率22.3%、イソプレゴール選択率は84.2%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は97.6:2.4であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール148mg(0.60mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌して触媒溶液を得た。
実施例34−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、l−シトロネラール((S)−シトロネラール)1.54g(10.0mmol、光学純度96.6%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率89.2%、イソプレゴール選択率は88.1%で、d−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は96.9:3.1であった。
50mLシュレンク管に2,6−ジフェニルフェノール148mg(0.60mmol)を入れ、窒素置換した後、塩化メチレン4.6mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.17mL(10重量%、0.30mmol)を順次加え、40℃にて終夜撹拌して触媒溶液を得た。
実施例35−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール1.54g(10.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率98.8%、イソプレゴール選択率は93.3%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は98.2:1.8であった。
50mLシュレンク管に(S,S)−2,2−ジメチル−α,α,α’,α’−テトラ(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4,5−ジメタノール(以下、(S,S)−1−ナフチルタドール又は(S,S)−1−NAPHTADDOLともいう)400mg(0.60mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン9.3mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.35mL(10重量%、0.60mmol)を順次加え、室温にて1時間撹拌して触媒溶液を得た。
実施例36−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール3.09g(20.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率94.8%、イソプレゴール選択率は91.8%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は90.8:9.2であった。
50mLシュレンク管に(R)−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル(以下、(R)−BINOL)ともいう)275mg(1.60mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン9.3mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.35mL(10重量%、0.60mmol)を順次加え、40℃にて終夜撹拌して触媒溶液を得た。
実施例37−1で得られた触媒溶液を0〜5℃に冷却した後、d−シトロネラール3.09g(20.0mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率83.7%、イソプレゴール選択率は84.8%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は87.8:12.2であった。
有機アルミニウム触媒の調製はSynlett No.1,P57−58,1999の方法に従い行った。
200mL反応フラスコに、Tetrahedron Letters No.47,P4241−4243,1965の方法に従って合成した3,3‘,5,5’−テトラビフェニル−4,4‘−ジオール9.81g(20.0mmol)を入れ、窒素置換した後、トルエン93mL、トリエチルアルミニウム・トルエン溶液12.1mL(15重量%、1.1mol/L、13.3mmol)を順次加え、20分程室温にて超音波照射した後、濾過して淡黄色固体を得た。
1L反応フラスコに実施例38−1で得られた触媒を10.05g(13.2mmol)入れ、窒素置換した後、窒素雰囲気下にてトルエン463mLを加えて系内温度を0〜5℃に冷却し、d−シトロネラール154.3g(1mol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水20mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率93.5%、イソプレゴール選択率は91.2%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は98.5:1.5であった。
有機アルミニウム触媒の調製はSynlett No.1,P57−58,1999の方法に従い行った。
1L反応フラスコに、Tetrahedron Letters No.47,P4241−4243,1965の方法に従って合成した3,3‘,5,5’−テトラビフェニル−4,4‘−ジオール11.8g(24.0mmol)を入れ、窒素置換した後、ヘプタン93mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液11.7mL(10重量%、20mmol)を順次加え、2時間室温にて超音波照射した後、溶媒を減圧留去して淡黄色固体を得た。
実施例39−1で得られた触媒に窒素雰囲気下にてトルエン463mLを加えて系内温度を0〜5℃に冷却し、d−シトロネラール154.3g(1mol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で終夜撹拌した。反応終了後、この溶液に水20mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率72.8%、イソプレゴール選択率は89.2%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は96.8:3.2であった。
窒素雰囲気、50mLシュレンク管に(R)−BINOL286mg(1.00mmol)を入れ、窒素置換した後、ヘプタン11mL、メチルアルミノキサン・トルエン溶液0.58mL(10重量%、1.00mmol)を順次加え、40℃にて16時間撹拌した後、溶媒を留去して白色固体(有機アルミニウム化合物)を得た。
実施例40−1で得られた固体に窒素雰囲気下にてヘプタン6mLを加えて系内温度を0〜5℃に冷却し、d−シトロネラール1.54g(10mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、0〜5℃で2時間撹拌した。反応液を30分程静置させ、上澄み液をシリンジにて4.5mL採取後、水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した結果、基質転化率99.6%、イソプレゴール選択率は96.8%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は93.4:6.6であった。
二回目の反応としてシュレンク管内の残渣にヘプタンを4.5mL添加し、攪拌を再開しつつ系内を再び0〜5℃に冷却した。d−シトロネラール1.54g(10mmol、光学純度97.8%e.e.)を滴下し、滴下終了後サンプルを採取してガスクロマトグラフィーにて分析し、更に0〜5℃で3時間撹拌した。反応液を30分程静置させ、上澄み液をシリンジにて4.5mL採取後、水2mLを加えて、有機層をガスクロマトグラフィーで分析した。
二回目反応において滴下直後の系内における基質転化率38.2%、3時間反応後の基質転化率97.8%、イソプレゴール選択率は95.7%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は94.8:5.2であった。
三回目の反応として二回目と同様の方法で反応を行った。
三回目反応において滴下直後の系内における基質転化率27.8%、3時間反応後の基質転化率96.9%、イソプレゴール選択率は95.4%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は95.1:4.9であった。
四回目の反応として二回目と同様の方法で反応を行った。
四回目反応において滴下直後の系内における基質転化率31.1%、5時間反応後の基質転化率92.9%、イソプレゴール選択率は94.8%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は95.5:4.5であった。
五回目の反応として二回目と同様の方法で反応を行った。
五回目反応において滴下直後の系内における基質転化率25.4%、7時間反応後の基質転化率90.9%、イソプレゴール選択率は92.9%で、l−n−イソプレゴールとその他の異性体の比率は94.5:5.5であった。
3L反応フラスコに、窒素雰囲気下、シトラール500.0g(3.28mol)を、5重量%Pd/硫酸バリウム2.50g(シトラールに対して0.5重量%)、(2R,4R)−2−(bis−(4’−t−butylphenyl)methyl)−4−(ethylcarbamoyloxy)pyrrolidine10.0g(22.9mmol、シトラールに対して2.0重量%)、トリフルオロ酢酸2.6g(22.9mmol)、10重量%含水t−ブタノール500mLをいれ攪拌し、水素雰囲気(0.1MPa(大気圧))とした。60℃にて21時間攪拌した後、触媒をろ過後、ガスクロマトグラフィ−で分析したところ、シトラールからシトロネラールへの転化率は99.4%で、その光学純度は90.9%e.e.であった。得られた粗d−シトロネラールを蒸留して純度98%のd−シトロネラールを398g(2.58mol、78.6%収率)得た。
1L四つ口フラスコに、窒素雰囲気下、実施例41で得られたd−シトロネラール308.5g(2.0mol)と、特許文献6に記載されているトリス(2,6−ジフェニルフェノキシ)アルミニウム触媒15.26g(20mmol)、トルエン300mLを加え、5℃で、5時間撹拌し、反応溶液を蒸留してl−イソプレゴール(99.5%n−体、90.6%e.e.)276.5g(1.79mol、89.6%収率)を得た。
500mLのオートクレーブに、窒素雰囲気下、実施例42で得られたl−イソプレゴール100.0g(0.65mol)と、ラネーニッケル0.4gを投入し、水素圧2.5MPa、70℃で10時間水素化を行った。反応液をろ過し、蒸留をすることによってl−メントール92.3g(0.59mol、90.0%e.e.)を得た。
1Lセパラブルフラスコに、窒素雰囲気下、実施例42で得られたl−イソプレゴール154.3g(1.00mol)とヘプタン154mLを投入し、徐々に冷却し−13℃でイソプレゴールの結晶が析出するのを確認、さらに冷却し−44℃まで冷却した。析出した結晶を吸引ろ過にて分離し、得られた結晶を溶解、溶媒回収、蒸留することにより、高純度l−イソプレゴール(100%n−体、100%e.e.)117.3g(0.76mol、76.0%収率)を得た。
500mLのオートクレーブに、窒素雰囲気下、実施例44で得られたl−イソプレゴール100.0g(0.65mol)と、ラネーニッケル0.4gを投入し、水素圧2.5MPa、70℃で10時間水素化を行った。反応液をろ過し、蒸留をすることによってl−メントール94.8g(0.61mol、100%e.e.)を得た。
また、本発明において用いられるシトロネラールの閉環反応触媒は、アルキルアルミニウム化合物と特定のアルコール類を混合するだけで、シトロネラール、及び光学活性シトロネラールを簡便に閉環し、高いn−選択性のイソプレゴール、及び光学活性イソプレゴールを製造することができる。
得られた光学活性イソプレゴールを深冷晶析して高純度の光学活性イソプレゴール、又は、深冷晶析しない光学活性イソプレゴールを通常用いられる炭素−炭素二重結合の水素化触媒を用いて水素化し、光学活性メントールを製造することができる。
以上のように、本発明の光学活性メントールの製造方法は、非常に短い工程で成り立っており、すべての工程が触媒反応の工程で成り立っている。従って、この製造方法は、環境を汚染する廃棄物が少なく、製造経費も節約できる。
さらに、本発明に使用するすべての触媒は、反応溶液に可溶性ではないものが使用できるため、反応系内から金属又は金属担持物、光学活性環状含窒素化合物、閉環触媒及び閉環触媒用配位子を容易に回収して再利用でき工業的にも有利である。
Claims (25)
- 以下の工程を含み、工程A−1の不斉水素化反応において、水素ガス、及び少なくとも一種類の遷移金属と光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−1)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−1)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−1)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含み、工程A−1の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(1)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−1)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−1)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−1)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(1)中、環Aは3〜7員環で、置換基を有してもよく、炭素、窒素、硫黄、酸素、及び燐からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を含む。環Aは縮環構造となっていてもよい。R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただしR 1 とR 2 は同じ置換基になることはない。また、R 1 又はR 2 の一方が環Aと結合しさらに環を形成していてもよい。*は不斉炭素原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−1の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−1)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−1)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−1)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(2)中、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 、は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただし、R 3 とR 4 は、互いに異なる置換基である。R 5 とR 6 は、互いに異なる置換基である。
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R 7 とR 8 、R 7 とA、又はR 8 とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 及びX 6 は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y 1 及びY 2 は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−2の不斉水素化反応において、水素ガス、及び少なくとも一種類の遷移金属と光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−2)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−2)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−2)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含み、工程A−2の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(1)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−2)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−2)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−2)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(1)中、環Aは3〜7員環で、置換基を有してもよく、炭素、窒素、硫黄、酸素、及び燐からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を含む。環Aは縮環構造となっていてもよい。R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただしR 1 とR 2 は同じ置換基になることはない。また、R 1 又はR 2 の一方が環Aと結合しさらに環を形成していてもよい。*は不斉炭素原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−2の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−2)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−2)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−2)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(2)中、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 、は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただし、R 3 とR 4 は、互いに異なる置換基である。R 5 とR 6 は、互いに異なる置換基である。
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R 7 とR 8 、R 7 とA、又はR 8 とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 及びX 6 は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y 1 及びY 2 は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−3の不斉水素化反応において、水素ガス、及び少なくとも一種類の遷移金属と光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−3)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−3)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−3)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−3)工程D−3で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含み、工程A−3の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(1)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−3)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−3)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−3)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−3)工程D−3で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(1)中、環Aは3〜7員環で、置換基を有してもよく、炭素、窒素、硫黄、酸素、及び燐からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を含む。環Aは縮環構造となっていてもよい。R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただしR 1 とR 2 は同じ置換基になることはない。また、R 1 又はR 2 の一方が環Aと結合しさらに環を形成していてもよい。*は不斉炭素原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−3の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−3)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−3)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−3)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−3)工程D−3で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(2)中、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 、は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただし、R 3 とR 4 は、互いに異なる置換基である。R 5 とR 6 は、互いに異なる置換基である。
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R 7 とR 8 、R 7 とA、又はR 8 とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 及びX 6 は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y 1 及びY 2 は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−4の不斉水素化反応において、水素ガス、及び少なくとも一種類の遷移金属と光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−4)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−4)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−4)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−4)工程D−4で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含み、工程A−4の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(1)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−4)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−4)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−4)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−4)工程D−4で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(1)中、環Aは3〜7員環で、置換基を有してもよく、炭素、窒素、硫黄、酸素、及び燐からなる群より選ばれる少なくとも一種の原子を含む。環Aは縮環構造となっていてもよい。R 1 及びR 2 は、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただしR 1 とR 2 は同じ置換基になることはない。また、R 1 又はR 2 の一方が環Aと結合しさらに環を形成していてもよい。*は不斉炭素原子を表す。] - 以下の工程を含み、工程A−4の不斉水素化反応において、周期表における第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属の粉末又は第8〜10族金属より選ばれる少なくとも一種の金属が担体に担持された金属担持物と、下記一般式(2)で表される光学活性環状含窒素化合物と酸とを含む触媒を用いる、光学活性メントールの製造方法。
A−4)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学活性シトロネラールを得る。
B−4)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−4)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−4)工程D−4で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。
[式(2)中、R 3 、R 4 、R 5 、R 6 、R 7 、R 8 、R 9 、R 10 、R 11 及びR 12 、は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよいシロキシ基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、又は置換基を有してもよい脂肪族複素環基を表す。ただし、R 3 とR 4 は、互いに異なる置換基である。R 5 とR 6 は、互いに異なる置換基である。
h、i、j、k、l及びmは0または1の整数を表す。nは0〜3の整数を表す。*は不斉炭素原子を表す。
Aは、n=0のとき、水素原子、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアラルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいカルボキシル基、置換基を有してもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアミド基、置換基を有してもよい芳香族複素環基、置換基を有してもよい脂肪族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表し、n=1〜3のとき、置換基を有してもよいヘテロ原子、置換基を有してもよいアルキレン基、アリーレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、シクロアルキレン基を含み置換基を有してもよいアルキレン基、ヘテロ原子を含み置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよい2価の脂肪族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の脂肪族複素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族炭化水素環基、置換基を有してもよい2価の芳香族複素環基、オリゴマー鎖又はポリマー鎖を表す。
R 7 とR 8 、R 7 とA、又はR 8 とAは、互いに結合して環をなしていてもよい。
X 1 、X 2 、X 3 、X 4 、X 5 及びX 6 は、それぞれ独立して酸素原子、窒素原子、燐原子又は硫黄原子を表す。
Y 1 及びY 2 は、それぞれ独立して炭素原子、珪素原子又は硫黄原子を表す。] - 以下の工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−5)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−5)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−5)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−6)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−6)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
C−6)光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−7)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−7)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−7)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−7)工程D−7で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−8)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.の光学活性シトロネラールを得る。
B−8)酸性触媒による光学活性シトロネラールの閉環反応によって光学活性イソプレゴールを得る。
D−8)光学活性イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のイソプレゴールを得る。
E−8)工程D−8で得た光学活性イソプレゴールを水素化し光学活性メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−9)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−9)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
C−9)l−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−10)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−10)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
C−10)l−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−11)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−11)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
D−11)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のl−イソプレゴールを得る。
E−11)工程D−11で得たl−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−12)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化によりd−シトロネラールを得る。
B−12)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によってl−イソプレゴールを得る。
D−12)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行いさらに高い純度のl−イソプレゴールを得る。
E−12)工程D−12)で得たl−イソプレゴールを水素化しl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−13)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−13)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
C−13)l−イソプレゴールを水素化し光学純度70〜99%e.e.のl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項4〜6のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−14)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−14)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
C−14)l−イソプレゴールを水素化し光学純度70〜99%e.e.のl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項7〜9のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−15)ゲラニアール及びネラールのうち少なくとも一方の不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−15)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
D−15)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行い光学純度98〜100%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
E−15)工程D−15で得たl−イソプレゴールを水素化し光学純度98〜100%e.e.のl−メントールを得る。 - 以下の工程を含む請求項10〜12のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
A−16)ゲラニアールとネラールを90:10〜10:90のモル比で含むシトラールの不斉水素化により光学純度70〜99%e.e.のd−シトロネラールを得る。
B−16)酸性触媒によるd−シトロネラールの閉環反応によって光学純度70〜99%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
D−16)l−イソプレゴールを深冷によって再結晶を行い光学純度98〜100%e.e.のl−イソプレゴールを得る。
E−16)工程D−16で得たl−イソプレゴールを水素化し光学純度98〜100%e.e.のl−メントールを得る。 - 前記金属がニッケル、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム及び白金からなる群から選ばれる請求項1〜24のいずれか1項に記載の光学活性メントールの製造方法。
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