JP2000007597A - 光学活性アルコールの立体選択的製造方法 - Google Patents

光学活性アルコールの立体選択的製造方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い光学純度の光学活性アルコールを効率よ
く製造する方法を提供する。 【解決手段】エポキシドと有機リチウム化合物との反応
により一般式3a或いは3bの光学活性アルコールを製
造する方法において一般式4の光学活性イミノアルコー
ル等を共存させる。 (R、Rは同一又は異なってC〜Cのアルキル
基或いはR、Rが一緒になってC〜Cのアルキ
レン基、Rは無置換或いは任意に置換した芳香族基ま
たは、無置換或いは任意に置換したビニル基、アセチレ
ン基を示す。) 一般式4のイミノアルコールの具体例には3.5−ジ−
t−ブチルサリチルアルデヒドとし−バリノールから調
整したイミノアルコールがある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、光学活性アルコ
ールの立体選択的あるいは立体特異的製造方法に関す
る。さらに詳しくは、光学活性トランス−2−フェニル
シクロヘキサノール等の不斉合成誘導試薬として有用な
光学活性アルコールの立体選択的或いは立体特異的な製
造法に関する。
【0002】
【従来の技術】 トランス−2−フェニルシクロヘキノ
ールの様な光学活性アルコールは不斉化合物製造に有用
であることが知られており、例えばケミカル・レビュ
ー、92巻、953ページ(1992年)には、トラン
ス−2−フェニルシクロヘキサノールが光学活性ベータ
ラクタム、α,β−エポキシカルボン酸誘導体等医薬品
中間体製造に極めて有用な不斉誘導試薬であることが開
示されている。
【0003】 しかし、この化合物は、該エポシキドと
有機リチウム試薬との組合せのみでは進行しないことが
報告されている。
【0004】この様な光学活性アルコールの製造方法と
して例えばKeay等は、シクロヘキセンオキシドを銅
触媒存在下フェニルマグネシウムブロミドと反応させト
ランス−2−フェニルシクロヘキサノールのラセミ体を
製造した後、リパーゼ等の酵素を用いラセミ体の一方を
選択的にエステル化した後、カラムクロマトグラフィ等
による精製を行い光学活性体を製造する方法を開示して
いる。(テトラヘドロンアシンメトリー,第7巻、31
07ページ、1996年)。また、ブラウン等は1−フ
ェニルシクロヘキセンのモノイソピノカンフェニルボラ
ンを用いたハイドロボレーションによる光学活性2−フ
ェニルシクロヘキサノールの製造方法を報告している
(ジャーナル オーガニック ケミストリー、47巻、
5074頁、1982年)。
【0005】前者の方法では、ラセミ体を製造しその
後、カラムクロマトグラフィによる分離操作が発生し、
必ずしも工業的に好ましい方法ではない。
【0006】後者は、高価な1−フェニルシクロヘキセ
ンを用い、そのハイドロボレーションでは、当量以上の
ホウ素化合物を用いなければならないという欠点を有
し、工業的に好ましい方法ではない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、工業的にも
容易に入手できる原料を用い、簡便に光学活性アルコー
ルを製造する方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(1) (ただし、R、Rは同一或いは互いに相異なって各
々C〜Cの低級アルキル基或いはR、Rが一緒
になってC〜Cのアルキレン基を示す。)で表され
るエポキシドと一般式(2) (ただし、Rは無置換或いは任意に置換してもよい芳
香族基または、無置換或いは任意に置換してもよいビニ
ル基、アセチレン基を示す。)で表される有機リチウム
化合物との反応で一般式(3a)或いは(3b) (ただし、R,R,Rは上記と同様のものを示
す。)で表されるアルコールの製造において、一般式
(4) (ただし、R,Rは同一或いは互いに相異なって各
々水素原子、C〜Cの直鎖或いは分岐したアルキル
基またはアルコキシ基を示し、R、Rは同一或いは
互いに相異なって各々水素原子、C〜Cの直鎖ある
いは分岐したアルキル基、或いはフェニル基を示す。)
で表される光学活性イミノアルコールまたは一般式
(5) (ただし、R,R,R,Rは各々前記と同様で
あり、RはC〜Cの低級アルキル基、芳香族基あ
るいは、2つのRが一緒になってC〜Cのアルキ
レン基として環を形成することができる。)で表される
光学活性イミノフェノールを共存させることを特徴とす
る一般式(3a)或いは(3b)の光学活性アルコール
の一方を立体選択的または立体特異的に製造する方法に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】 一般式(1)のR,Rとし
ては、各々独立してメチル基、エチル基、n-プロピル
基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基等のC
〜Cの低級アルキル基、或いはRとRが一緒に
なって環を形成するC〜Cのアルキレン基を挙げる
ことができる。
【0010】 一般式(1)で表される具体的な化合物
としては、例えば、2−ブテンオキシド、2−ペンテン
オキシド、2−ヘキセンオキシド、3−ヘキセンオキシ
ド等の低級オレフィンエポキシド、シクロペンテンオキ
サイド、シクロヘキサンオキサイド、シクロヘプテンオ
キサイド等の環状オレフィンエポキシドを挙げることが
できる。本発明に用いるエポキシドには、その置換基の
結合形式によりシス及びトランスの異性体が存在する
が、光学活性なアルコールを製造するためには、出発物
質のエポキシドの立体構造はシスでなければならない。
【0011】 一般式(2)のRとしては、フェニル
基、トリル基、アニシル基、ピリジル基等の芳香族基、
ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、2−フ
ェニルエテニル基等のビニル基、エチニル基、2−フェ
ニルエチニル基等のアセチレン基を挙げることができ
る。具体的には、フェニルリチウム、トリルリチウム、
アニシルリチウム、ピリジルリチウム等の芳香族リチウ
ム化合物であるが、芳香族リチウム化合物は種々知られ
ており、芳香族リチウム化合物であれば特に制限はな
い。
【0012】 またビニルリチウムとしては具体的に
は、ビニルリチウム、1−プロペニルリチウム、1−ブ
テニルリチウム、2−フェニルエテニルリチウム等のビ
ニルリチウム化合物、エチニルリチウム、2−フェニル
エチニルリチウム等のアセチレンリチウムを挙げること
ができる。
【0013】 一般式(3)で表される光学活性アルコ
ールのR,R,Rは前記と同様なものを示し、そ
の具体例としては、3−フェニル−2−ブタノール、3
−フェニル−2−ペンタノール、3−ビニル−2−ブタ
ノール、3−ビニル−2−ペンタノール、3−エチニル
−2−ブタノール、3−エチニル−2−ペンタノール等
の鎖状アルコールおよび2−フェニルシクロペンタノー
ル、2−フェニルシクロヘキサノール、2−フェニルシ
クロヘプタノール、2−トリルシクロペンタノール、2
−トリルシクロヘキサノール、2−トリルシクロヘプタ
ノール、2−アニシルシクロペンタノール、2−アニシ
ルシクロヘキサノール、2−アニシルシクロヘプタノー
ル、2−ピリジルシクロペンタノール、2−ピリジルシ
クロヘキサノール、2−ピリジルシクロヘプタノール、
2−ビニルシクロペンタノール、2−ビニルシクロヘキ
サノール、2−ビニルシクロヘプタノール等の環状アル
コールを挙げることができる。Rとして置換基を持つ
芳香族基を用いた場合、その置換基の芳香族基への置換
位置により例えばo−,m−,p−等の異性体が存在す
るが、本発明はすべての置換体を含む。また、ピリジン
のような複素環芳香族化合物を用いる場合にも用いるリ
チウム化合物の置換位置により2,3,4位等の異性体
が存在するが、前期同様本発明にはすべての異性体を含
む。
【0014】さらに、本発明で製造するアルコールには
2つの不斉炭素が存在し、従ってその立体配置により、
光学活性アルコールとして、R,R体及びS,S体が存
在するが、本発明はそれらすべてを含む。
【0015】 これらの生成するアルコールの立体化学
の制御は、第三成分として用いる光学活性イミノアルコ
ールあるいはイミノフェノールの立体異性体を組み合わ
せることにより任意の立体異性体を立体選択的或いは立
体特異的に製造することができる。
【0016】 一般式(4)で表されるイミノアルコー
ルのR,Rは、例えば水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−ブチ
ル基、t−ブチル基、ペンチル基、s−ペンチル基、イ
ソペンチル基、2−メチル−2−ブチル基、ネオペンチ
ル基、ヘキシル基、2,3−ジメチル−2−ブチル基等
のC〜Cの低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基等の低級アルキシ基を挙げることがで
きる。Rとしてはイソプロピル基、イソブチル基、t
−ブチル基等のα位に枝分かれのあるアルキル基が好ま
しい。
【0017】 Rとしては、水素原子、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、s−
ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、s−ペンチル
基、イソペンチル基、2−メチル−2−ブチル基、ネオ
ペンチル基等のC〜Cの低級アルキル基、フェニル
基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の芳香族基を
挙げることができる。好ましくは水素原子である。
【0018】 Rとしてはアミノ酸残基を用いること
が有効であり、例えばメチル基、イソプロピル基、ブチ
ル基、イソブチル基、ベンジル基、ヒドロキシメチル
基、イミドイルメチル基等を挙げることができる。好ま
しくは、イソプロピル基である。
【0019】 この様なイミノアルコールはアルデヒ
ド、ケトンの様なカルボニル化合物と光学活性な第一級
アミノ基を持つアミノアルコールから容易に製造でき
る。その具体的な例として、イミノアルコールを形成す
るカルボニル化合物として、サリチルアルデヒド、3−
t−ブチルサリチルアルデヒド、3,5−ジ−t−ブチ
ルサリチルアルデヒド、3−t−ブチル−5−メチルサ
リチルアルデヒド、3−i−プロピルサリチルアルデヒ
ド、5−メチル−3−i−プロピルサリチルアルデヒ
ド、5−t−ブチル−3−i−プロピルサリチルアルデ
ヒド等のアルデヒド類、2−アセチル−6−t−ブチル
フェノール、2−アセチル−6−t−ブチルフェノー
ル、2−アセチル−6−i−プロピルフェノール、2−
アセチル−4−メチル−6−t−ブチルフェノール、2
−アセチル−4−メチル−6−i−プロピルフェノー
ル、2−ベンゾイルフェノール、2−ベンゾイル−6−
t−ブチルフェノール、2−ベンゾイル−6−i−プロ
ピルフェノール、2−ベンゾイル−4−メチル−6−t
−ブチルフェノール、2−ベンゾイル−4−メチル−6
−i−プロピルフェノール、2−ベンゾイル−4,6−
ジ−t−ブチルフェノール、2−ベンゾイル−4−t−
ブチル−6−i−プロピルフェノール等のケトンを挙げ
ることができる。光学活性アミノアルコールとしてはア
ラニノール、バニノール、2−フェニル−2−アミノエ
タノール、フェニルアラニノール、3,3−ジメチル−
2−アミノブタノール等の光学活性体を挙げることがで
きる。
【0020】 即ちこれらのアミノアルコールは不斉炭
素を持っており、その不斉炭素の立体構造によりL体及
びD体が存在する。本発明には、目的とする光学活性ア
ルコールを製造するため、目的に応じてD体或いはL体
を用いることができる。
【0021】 好ましくは、カルボニル成分として3−
t−ブチルサリチルアルデヒド、3,5−ジ−t−ブチ
ルサリチルアルデヒド、3−t−ブチル−5−メチルサ
リチルアルデヒド、3−i−プロピルサリチルアルデヒ
ド、5−メチル−3−i−プロピルサリチルアルデヒ
ド、5−t−ブチル−3−i−プロピルサリチルアルデ
ヒド等のアルデヒド類と光学活性なバニノール、3,3
−ジメチル−2−アミノエタノールの組合せにより製造
できるイミノアルコールである。
【0022】 一般式(5)のR,R,Rは前記
と同様のものであり、Rとしてはフェニル、トリル等
の芳香族基、メチル基、エチル基、プロピル基等の低級
アルキル基或いは、2つのRは一緒になってC〜C
のアルキレン基であるものを挙げることができる。好
ましくは、テトラメチレン基である。
【0023】 一般式(5)で表されるイミノフェノー
ルは、カルボニル化合物と1,2−ジアミン類との反応
により調製できるものである。カルボニル化合物として
は、前記一般式(4)に記載したカルボニル化合物を挙
げることができ、好ましくは、一般式(4)の場合と同
様3−t−ブチルサリチルアルデヒド、3,5−ジ−t
−ブチルサリチルアルデヒド、3−t−ブチル−5−メ
チルサリチルアルデヒド、3−i−プロピルサリチルア
ルデヒド、5−メチル−3−i−プロピルサリチルアル
デヒド、5−t−ブチル−3−i−プロピルサリチルア
ルデヒド等のアルデヒド類である。
【0024】 1,2−ジアミンとしては種々のものを
用いることができるが、具体的には、1,2−ジアミノ
−1,2−ジフェニルエタン、1,2−ジアミノ−1,
2−ジトリルエタン、1,2−ジアミノ−1,2−ジア
ニシルエタン、1,2−ジアミノ−1,2−ジ(クロロ
フェニル)エタン等の芳香族基が置換した1,2−ジア
ミン類、2,3−ジアミノブタン、3,4−ジアミノヘ
キサン、3,4−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン
等のアルキル置換1,2−ジアミン、1,2−ジアミノ
シクロペンタン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、
1,2−ジアミノシクロヘプタン、1,2−ジアミノシ
クロオクタン等の環状脂肪族ジアミンを挙げることがで
きる。
【0025】 本ジアミン類はアミノ基が置換している
炭素が不斉炭素となっており、それにより立体異性体が
存在する。本発明に用いるジアミン類は、光学活性アル
コールを製造するという目的から、アミノ基が置換して
いる炭素の立体配置はR,R或いはS,Sの立体構造を
持つジアミン類を目的とする光学活性アルコールの立体
構造に基づき選択することができる。1,2−ジアミン
として好ましくは、その入手の容易さからR,R−或い
はS,S−1,2−ジアミノシクロヘキサンである。
【0026】 従って、イミノフェノールとして好まし
いものは、R,R−或いはS,S−1,2−ジアミノシ
クロヘキサンと3−t−ブチルサリチルアルデヒド、
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒド、3−t−
ブチル−5−メチルサリチルアルデヒド、3−i−プロ
ピルサリチルアルデヒド、5−メチル−3−i−プロピ
ルサリチルアルデヒド、5−t−ブチル−3−i−プロ
ピルサリチルアルデヒド等のアルデヒド類とから製造で
きるイミノフェノールである。
【0027】 本発明に従えば、光学活性アルコール
は、不活性気体中、溶媒及びイミノアルコール或いはイ
ミノフェノール存在下、有機リチウムとエポキシドを−
50℃〜100℃で1〜100時間反応させることによ
り製造できる。
【0028】反応温度の好ましい範囲は、0℃〜50℃
であり、反応時間の好ましい範囲は1〜48時間であ
る。
【0029】 本発明に用いることができる不活性気体
としては窒素、アルゴンを挙げることができる。反応に
用いる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエ
ーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができ
る。
【0030】 好ましくは、ペンタン、ヘキサン、ヘプ
タン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、
キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒である。
【0031】 溶媒量に特に制限はなくエポキシド1容
量部に対し3容量部以上用いればよい。反応に用いる有
機リチウムはエポキシド1モルに対して1モル当量以上
用いればよく特に制限はないが、経済的理由から、有機
リチウムはエポキシド1モルに対し1〜5倍モル当量用
いることが好ましい。
【0032】 一般式(4)或いは一般式(5)で表さ
れるイミノアルコール或いはイミノフェノールは、エポ
キシド1モルに対し、1モル%以上存在させることによ
り反応を進行させることができるが、目的物の収量及び
光学純度を向上させるため3モル%以上用いることが好
ましい。
【0033】 本発明により得られる例えば光学活性2
−フェニル−1−ヘキサノールはヘキサンからの再結晶
等の容易な操作により光学活性99%以上の光学活性体
とすることができる。
【0034】 本発明に用いたイミノアルコール及びイ
ミノフェノール類は、たとえは反応終了後反応液を酸性
イオンクロマト等で処理し、イオン交換樹脂に吸着させ
た後、例えばクエン酸のような酸で溶出させることによ
り容易に回収できる。
【0035】以下実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0036】
【実施例】実施例1 アルゴン置換したシュレンク管に、トルエン5mlと
3,5−ジ−t−ブチルサリチルアルデヒドとL−バリ
ノールから調製したイミノアルコール0.23mmol
を0℃で加えて20分間攪拌した後、フェニルリチウム
1.8mmolを滴下した。滴下終了後同温度で1時間
攪拌した後、シス−シクロヘキセンオキシド1.15モ
ルの5mlトルエン溶液を滴下した。滴下終了後24時
間同温度で攪拌を行った。反応終了後2N塩酸20ml
を加えた後、エーテルで抽出を行った。有機層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下に溶媒を溜去した。
残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキ
サン:酢酸エチル=8:2)で精製し、2−フェニルシ
クロヘキサノールを得た。収率は56%であった。合成
した2−フェニルシクロヘキサノールの光学純度を光学
活性カラム(CHIRALCEL OD-H:ダイセル社製)を用いてHP
LCで測定したところ(1S、2R)−2−フェニルシ
クロヘキサノールの光学純度は74%e.e.であっ
た。
【0037】なお、溶媒を流去した残渣をヘキサンに溶
解させ、再結晶を行うと目的物が光学純度99%e.
e.以上で収率65%で得られた。
【0038】実施例2 反応温度を20℃とした以外は実施例1とほぼ同様にし
て、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノール
を68%の収率で得た。光学純度は74%e.e.であ
った。
【0039】実施例3 反応温度を40℃とした以外は実施例1とほぼ同様にし
て、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノール
を84%の収率で得た。光学純度は68%e.e.であ
った。
【0040】実施例4 溶媒をジエチルエーテルとした以外は実施例1とほぼ同
様にして(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノ
ールを24%の収率で得た。光学純度は27%e.e.
であった。
【0041】実施例5 溶媒をヘキサンとし、用いるフェニルリチウム量をシク
ロヘキセンオキシドの2倍モル当量とした以外は実施例
2とほぼ同様にして(1S、2R)−2−フェニルシク
ロヘキサノールを定量的に得た。光学純度は81%e.
e.であった。
【0042】実施例6 イミノアルコールを3,5−ジ−t−ブチルサリチルア
ルデヒドとS−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノー
ルから調製したものを用いた以外は、実施例5とほぼ同
様にして(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノ
ールを収率92%で得た。光学純度は86%e.e.で
あった。
【0043】実施例7 イミノアルコールを2−ベンゾイル−4,6−ジ−t−
ブチルフェノールとL−バリノールから調製したものを
用い、反応温度を0℃とした以外は実施例5とほぼ同様
にして、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノ
ールを収率16%で得た。光学純度は12%e.e.で
あった。
【0044】実施例8 イミノアルコールを3−t−ブチル−5−メトキシサリ
チルアルデヒドとL−バリノールから調製したものを用
い、溶媒としてトルエンを用いた以外は実施例5とほぼ
同様にして、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキ
サノールを収率60%で得た。光学純度は50%e.
e.であった。
【0045】実施例9 イミノアルコールを3−t−ブチルサリチルアルデヒド
とL−バリノールから調製したものを用いた以外は実施
例5とほぼ同様にして、(1S、2R)−2−フェニル
シクロヘキサノールを収率80%で得た。光学純度は7
8%e.e.であった。
【0046】実施例10 イミノアルコールとフェニルリチウムの使用量をそれぞ
れシクロヘキセンオキシドの5モル%、当量モルとした
以外は実施例5とほぼ同様にして、(1S、2R)−2
−フェニルシクロヘキサノールを収率64%で得た。光
学純度は84%e.e.であった。
【0047】実施例11 フェニルリチウムの使用量をシクロヘキセンオキシドの
1.3倍モル当量とした以外は実施例10とほぼ同様に
して、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノー
ルを収率80%で得た。光学純度は85%e.e.であ
った。
【0048】実施例12 フェニルリチウムの使用量をシクロヘキセンオキシドの
1.6倍モル当量とした以外は実施例10とほぼ同様に
して、(1S、2R)−2−フェニルシクロヘキサノー
ルを収率92%で得た。光学純度は85%e.e.であ
った。
【0049】実施例13 エポキシドをシクロペンテンオキシドとした以外は、実
施例11とほぼ同様にして、(1S、2R)−2−フェ
ニルシクロペンタノールを収率78%で得た。光学純度
は78%e.e.であった。
【0050】実施例14 イミノアルコールを3,5−ジ−t−ブチルサリチルア
ルデヒドとS−2−アミノ−3,3−ジメチルブタノー
ルから調製したものを用いた以外は、実施例12とほぼ
同様にして(1S、2R)−2−フェニルシクロペンタ
ノールを収率16%で得た。光学純度は78%e.e.
であった。
【0051】実施例15 イミノアルコールの代わりに1,2−トランス−シクロ
ヘキサンジアミンとサリチルアルデヒドから調製した
N,N−ビス(2‘−ヒドロキシベンジリデン)1,2
−ジアミノシクロヘキサン20モル%用いた以外は実施
例5とほぼ同様にして、(1S、2R)−2−フェニル
シクロペンタノールを収率19%で得た。光学純度は6
%e.e.であった。
【0052】実施例16 シクロヘキサンジアミンとサリチルアルデヒドからなる
ジイミン化合物として、N,N−ビス(2‘−ヒドロキ
シ−3’−t−ブチルベンジリデン)1,2−ジアミノ
シクロヘキサン5モル%用い、反応時間を6時間とした
以外は実施例1とほぼ同様にして、(1S、2R)−2
−フェニルシクロペンタノールを収率73%で得た。光
学純度は80%e.e.であった。この生成物を少量の
ヘキサンに溶解させ、0℃に冷却する事により結晶を得
た。
【0053】この結晶を単離したところ、光学純度10
0%のものが収率75%で得られた。
【0054】実施例17 シクロヘキサンジアミンとサリチルアルデヒドからなる
ジイミン化合物として、N,N−ビス(2‘−ヒドロキ
シ−3’,5‘−ジ−t−ブチルベンジリデン)1,2
−ジアミノシクロヘキサン20モル%用いた以外は実施
例5とほぼ同様にして、(1S、2R)−2−フェニル
シクロペンタノールを収率45%で得た。光学純度は6
4%e.e.であった。
【0055】実施例18 ジイミン化合物として、N,N−ビス(2‘−ヒドロキ
シ−3’−t−ブチルベンジリデン)−スレオ−1,2
−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン20モル%用い
た以外は実施例5とほぼ同様にして、(1S、2R)−
2−フェニルシクロペンタノールを収率30%で得た。
光学純度は6%e.e.であった。
【0056】実施例19 ジイミン化合物として、N,N−ビス(2‘−ヒドロキ
シ−3’,5‘−ジ−t−ブチルベンジリデン)−スレ
オ−1,2−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン20
モル%用いた以外は実施例5とほぼ同様にして、(1
S、2R)−2−フェニルシクロペンタノールを収率2
2%で得た。光学純度は12%e.e.であった。
【0057】実施例20 エポキシドとして、シス−2−ブテンオキシドを用いた
以外は、実施例1とほぼ同様にして、(2R、3S)−
3−フェニル−2−ブタノールを収率63%、光学純度
76%e.e.で得た。
【0058】実施例21 エポキシドとして、シス−2−ブテンオキシドを用いた
以外は、実施例16とほぼ同様にして、(2R、3S)
−3−フェニル−2−ブタノールを収率34%、光学純
度69%e.e.で得た。
【0059】
【発明の効果】本発明に従えば、これまで多段階で複雑
な操作により製造されていた光学活性2−アリルシクロ
ヘキサノールを容易に製造することができる。特に本発
明は、不斉炭素誘導試薬として有用な光学活性2−フェ
ニルシクロヘキサノールの製造に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 33/20 C07C 33/20 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(1) (ただし、R、Rは同一或いは互いに相異なって各
    々C〜Cの低級アルキル基或いはR、Rが一緒
    になってC〜Cのアルキレン基を表す。)で表され
    るエポキシドと一般式(2) (ただし、Rは無置換或いは任意に置換してもよい芳
    香族基または、無置換或いは任意に置換してもよいビニ
    ル基、アセチレン基を示す。)で表される有機リチウム
    化合物との反応で一般式(3a)或いは(3b) (ただし、R,R,Rは上記と同様のものを示
    す。)で表されるアルコールの製造において、一般式
    (4) (ただし、R,Rは同一或いは互いに相異なって各
    々水素原子、C〜Cの直鎖或いは分岐したアルキル
    基またはアルコキシ基を示し、R、Rは同一或いは
    互いに相異なって各々水素原子、C〜Cの直鎖ある
    いは分岐したアルキル基、或いはフェニル基を示す。)
    で表される光学活性イミノアルコールまたは一般式
    (5) (ただし、R,R,R,Rは各々前記と同様で
    あり、RはC〜Cの低級アルキル基、芳香族基あ
    るいは、2つのRが一緒になってC〜Cのアルキ
    レン基として環を形成することができる。)で表される
    光学活性イミノフェノールを共存させることを特徴とす
    る光学活性アルコールの立体選択的製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007297285A (ja) * 2006-04-27 2007-11-15 Kobe Univ 光学活性なヒドロキシ化合物の製法

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