JP5277557B2 - 清掃装置、像保持体装置および画像形成装置 - Google Patents
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請求項3,4に係る発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、結晶性樹脂を含むトナーを有する現像剤を用いた場合に、清掃部材にトナーが凝集しにくく、その固着を低減させることができる。
請求項5,6,7に係る発明によれば、本構成を有しない場合と比較して、結晶性樹脂を含むトナーを有する現像剤を用いた場合に、清掃部材にトナーが凝集しにくく、その固着を低減させることができる。
(1)実施形態の構成
まず、本発明の実施形態の構成について説明する。
図1は、本実施形態にかかる画像形成装置1において画像形成を行う要部の構成を示す図である。この画像形成装置1に搭載された感光体10の周囲には、帯電ロール20、露光器30、現像器40、転写ロール50及び感光体クリーナ60が配置されている。さらに、画像形成装置1は、これら各部の制御を司る制御部70を備えている。
図2(a)はこの現像剤Dの拡大図である。同図に示すように、現像剤Dは、トナーTとキャリアCとを主たる成分とする。キャリアCは、トナーTよりも大きい磁性体である。このトナーTは結晶性樹脂を含んでいる。結晶性樹脂を含むことで、融点が低くなったり、柔らかくなったりするという特徴を有するようになる。すなわち、図示せぬ定着装置が、図2(a)の現像剤D以外の現像剤で形成されたトナー像を定着させる場合よりも、図2(a)の現像剤Dで形成されたトナー像を定着させる場合のほうが、定着に要するエネルギーは小さくなる。
図2(b)は、トナーTの拡大図である。同図に示すように、トナーTの球面には複数の外添剤Sが添加されている。この外添剤Sは、その粒子径が1μm以下の微粒子であり、トナーTの流動性の向上、帯電特性の安定化、及びクリーニング性の向上などを目的として添加されるものである。この外添剤Sには、シリカやチタンなどが用いられる。
制御部70は、感光体10の回転速度を選択的に切り替えることで、感光体10の回転速度を制御する。
感光体クリーナ60は、清掃部材としてのクリーニングブレード61と、支持部材としての板ばね62とを備える。クリーニングブレード61は、感光体10の軸方向と概ね同じ奥行き幅を持つ板状の部材である。板ばね62は、クリーニングブレード61よりも大きな奥行き(長手方向)幅の板状の部材である。板ばね62の一方の面は、画像形成装置1の筐体に取り付けられた金属部材63に、接着又は所定の固定具によって固定されている。板ばね62の他方の面には、クリーニングブレード61が接着により固定されている。図3に示すように、板ばね62がクリーニングブレード61を支持することで、クリーニングブレード61の一角は、接触部Nにおいて、感光体10の表面に所定の圧力で押し当てられるようになっている。そして、感光体10が矢印A方向に回転することで、クリーニングブレード61は、感光体10の表面に残留した現像剤を掻きとる。クリーニングブレード61は、厚さ1〜3mmのポリウレタンゴムや、あるいは、厚さ50〜500μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)、PI(ポリイミド)、PC(ポリカーボネイト)といった樹脂など、粘弾性素材によって形成されている。板ばね62は、クリーニングブレード61よりも、貯蔵弾性率の大きさに対する損失弾性率の大きさを表す損失係数が小さくなるように、その素材や寸法が設計されている。損失係数については後で詳述する。本実施形態では、板ばね62として、厚さWが0.08mmのSUS(Steel Use Stainless)を用いる。
次に、感光体10の回転とクリーニングブレード61の歪みとの関係について説明する。
図4は、感光体10とクリーニングブレード61とが接触する部分の拡大図である。図4(a)に示したように、感光体10が回転していない場合には、クリーニングブレード61の一角が接触部Nにおいて感光体10の表面に接した状態となっている。
クリーニングブレード61の歪みの大きさは、クリーニングブレード61に加わる応力の大きさによって決まる。応力は弾性応力と粘性応力からなり、弾性応力は歪みと同位相の成分であり、粘性応力は弾性応力と位相がπ/2遅れた成分である。弾性応力は、クリーニングブレード61の歪の大きさに応じて一意に決まる。一方、粘性応力の大きさは歪みの速度に比例して大きくなる。つまり、感光体10の回転速度が大きい場合と小さい場合とで比較すれば、それぞれ弾性応力は同じであるが、粘性応力は前者の方が大きい。
よって、感光体10の回転速度が小さいほど、応力に対して粘性応力が小さいから、クリーニングブレード61はより大きく歪み、自励振動の振動振幅は大きくなる。反対に、感光体10の回転速度が大きいほど、応力に対する粘性応力が大きくなって、クリーニングブレード61の歪みを減衰させる。その一方で、弾性応力は感光体10の回転速度によらず一定であるから、クリーニングブレード61の歪が小さくなり、自励振動の振動振幅は小さくなる。
前述したように、本実施形態では、板ばね62の板厚は、クリーニングブレード61の板厚よりも小さく、且つ、板ばね62における損失弾性率の貯蔵弾性率に対する割合によって表される損失係数は、クリーニングブレード61の損失係数よりも小さくなるよう設定されている。このような性質を有する板ばね62によってクリーニングブレード61を支持する理由について説明する。
クリーニングブレード61の素材には、ゴム材や樹脂部材の粘弾性素材を用いることが一般的であるが、これらは粘性体としての性質が強い。一方、板ばね62には、上述したSUS等の金属や、セラミックなどの素材のものが用いられるから、粘性体としての性質は弱く、弾性体としての性質が強い。つまり、粘性体の性質が強い素材で形成されるクリーニングブレード61は、振動に対して減衰が大きく、クリーニングブレード61に付着したトナーを十分に除去して、固着を防ぐためのための振動を持続することが困難である。そこで、粘性体としての性質が弱い板ばね62によってクリーニングブレード61を支持することにより、クリーニングブレード61に生じる振動を持続できるようにするのである。
ここで図8に、各素材と損失係数との関係の実験結果をグラフに示す。なお、図においては、金属、セラミック、ガラス、木材、シリコーンゴム、ネオプレンゴム、ブチルゴムについての損失係数を示す。なお、それぞれの損失係数は25℃の環境において測定された値である。
E*=応力[Pa]/歪み率[%]
=[DF/S*ε{i(ω*t+δ)}]/{DD/L*ε(i*ω*t)}
=[DF/S*ε{cos(ω*t+δ)+i*sin(ω*t+δ)}]/[DD/L*ε{cos(ω*t)+i*sin(ω*t)}]
=(DF*L{cos(ω*t)+i*sin(ω*t)}/(DD*S)
|E*|=(DF*L)/(DD*S)
E*=E’+iE’’
E’=|E*|cosδ E’’=|E*|sinδ
tanδ=E’’/E’
図9は、発明者らの実験結果を基にして得られた、板ばね62の厚さWと、印刷枚数ごとの白抜けの発生の様子を説明した図である。図9では、白抜けが発生しないものを「○」で表し、白抜けが発生するものを「×」で表している。
この実験における、クリーニングブレード61と板ばね62の条件は以下の通りである。クリーニングブレード61は、静止状態で、厚さ(板ばね62の厚さ方向の長さ)が1.2mm、感光体10の軸方向の長さが330mm、幅の長さ(厚さ方向および感光体ドラム10の軸方向に直交する方向の長さ)が5mm、硬度が80度とする。また、板ばね62は、静止状態で、感光体10の軸方向の長さが330mm、幅が10mmで、材質はSUSである。このとき、図10にハッチングで図示したような、A4用紙に幅20mm、長さ150mm、画像密度100%(いわゆる、ベタ色)の画像を所定枚数作像した後、用紙全面に画像密度30%の画像を作像し、白抜けの有無を判断した。
なお、板ばね62の厚さWが0.10mmのとき、幅1mmあたりのバネ定数は5グラム重毎ミリメートルである。つまり、板ばね62のバネ定数が5グラム重毎ミリメートル以下であれば、クリーニングブレード61の振動振幅を大きくさせて、それを持続させることができるから、トナーの固着を低減させることが可能となる。
また、上述した結晶性樹脂を含むトナーを用いる場合、トナーが比較的柔らかいから、その形状によってはクリーニングブレード61にトナーが固着しやすく、清掃性能が低下してしまうことがある。ここでトナーの形状と、クリーニングブレード61へのトナーの固着のしやすさの関係について説明する。図11は、感光体10の表面のトナーTと、感光体10とクリーニングブレード61とを拡大して模式的に表した図である。
なお、以下ではトナー形状(球形の度合)は形状係数で表し、トナーの形状係数SFとは、トナーの投影面積と、それに外接する円との面積比を、複数のトナー粒子に対して算出し、その代表値を取ったものである。なお、算出式は下記(1)式によって表される。
(数1)
形状係数SF=((トナー径の絶対最大長)2/(トナーの投影面積)×(π/4)×100 ・・・(1)
図12に示したように、形状係数SFが122や135の場合には、印刷枚数が18000枚に達した場合でも、形成された画像に白抜けが発生しておらず、クリーニングブレード61へのトナーの固着が低減されていることを確認した。この理由は、形状係数SFの値が大きいほど、トナーが楕円球のような形状となるから、転がり抵抗が大きくなり、転がりにくいからである。一方、トナーの形状係数SFが110の場合には、印刷枚数が5000枚の時点で、白抜けの発生を確認しており、クリーニングブレード61に清掃性能を低下させるようなトナーの固着が発生していることを確認した。この理由は、形状係数SFの値が小さいほど、トナーが球形に近い形状となり、転がり抵抗が小さく、転がりやすいからである。つまり、この実験結果によれば、トナーの形状係数をおよそ120以上とすれば、クリーニングブレード61へのトナーの固着を低減することが期待できるできることを確認した。
次に、本実施形態で説明した結晶性樹脂を含むトナーの作成方法について具体的に説明する。
<樹脂合成例>
<結晶性樹脂>
合成例1<樹脂C1の合成>
テトラデカン2酸248重量部、1,6−へキサンジオール118.2重量部、ジブチルスズオキシド0.12重量部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧にしながら4時間攪拌し、重量平均分子量Mw=25500の結晶性樹脂C1を得た。融点は75℃であった。
結晶性樹脂C1(50重量部)を酢酸エチル250重量部に溶解し、アニオン界面活性剤ダウファックス2重量部をイオン交換水200重量部に溶解した液を加え、ウルトラタラックスを用い、8000回転で10分間攪拌した後、酢酸エチルを留去し、体積平均粒子径0.20μmの結晶性樹脂ラテックス(F1)を得た。
非結晶性ポリエステル合成
合成例2<樹脂A1(低分子量体)の合成>
テレフタル酸ジメチル97.1重量部、イソフタル酸58.3重量部、無水ドデセニルコハク酸53.3重量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物94.9重量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物241重量部、ジブチルスズオキシド0.12重量部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧にしながら220℃で5時間攪拌し、分子量が30000程度になったら、無水トリメリット酸8重量部を加えさらに2時間攪拌した。重量平均分子量Mw=45900の非結晶性ポリエステル(A1)を得た。ガラス転移点は63℃であった。
非結晶性ポリエステルA1(50重量部)を酢酸エチル250重量部に溶解し、アニオン界面活性剤ダウファックス2重量部をイオン交換水200重量部に溶解した液を加え、ウルトラタラックスを用い、8000回転で10分間攪拌した後、酢酸エチルを留去し、体積平均粒子径0.18μmの非結晶性樹脂ラテックス(D1)を得た。
テレフタル酸ジメチル97.1重量部、イソフタル酸38.8重量部、無水ドデセニルコハク79.9重量部、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物94.9重量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物241重量部、ジブチルスズオキシド0.12重量部を窒素雰囲気下で、180℃で6時間攪拌した。その後減圧にしながら220℃で2時間攪拌し、分子量が12000程度になったら、無水トリメリット酸9重量部を加えさらに1時間攪拌した。重量平均分子量Mw=14500の非結晶性ポリエステル(B1)を得た。ガラス転移点は61℃であった。
非結晶性樹脂(非結晶性ポリエステル)B1(50重量部)を酢酸エチル250重量部に溶解し、アニオン界面活性剤ダウファックス2重量部をイオン交換水200重量部に溶解した液を加え、ウルトラタラックスを用い、8000回転で10分間攪拌した後、酢酸エチルを留去し、体積平均粒子径0.17μmの非結晶性樹脂ラテックス(E1)を得た。
<顔料分散液の調製>
下記組成のものを混合溶解し、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)と超音波照射とにより分散し体積平均粒径150nmの青顔料分散液を得た。
・サイアン顔料 C.I.Pigment Blue15:3
(銅フタロシアニン、大日本インキ化学社製) ・・・・・50重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC ・・・・・5重量部
・イオン交換水 ・・・・・200重量部
下記組成のものを混合し、97℃に加熱した後、ホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)にて分散した。その後、ゴーリンホモジナイザー(盟和商事製)で分散処理し、105℃、550kg/cm2の条件で20回処理して微粒子化することにより、体積平均粒径190nmの離型剤分散液を得た。
・ワックス(WEP−5、日本油脂社製) ・・・・・50重量部
・アニオン性界面活性剤ネオゲンSC ・・・・・5重量部
・イオン交換水 ・・・・・200重量部
<作製例1>
−電子写真用トナー(1)の作製−
下記の組成のものを、丸型ステンレス製フラスコ中でホモジナイザー(IKA製、ウルトラタラックスT50)で混合分散した後、フラスコ内の内容物を攪拌しながら45℃まで加熱攪拌し、45℃で30分間保持した。
・非結晶性樹脂ラテックス(D1) ・・・・・195重量部
・非結晶性樹脂ラテックス(E1) ・・・・・195重量部
・結晶性樹脂ラテックス(F1) ・・・・・52重量部
・イオン交換水 ・・・・・250重量部
・顔料分散液 ・・・・・33.5重量部
・離型剤分散液 ・・・・・67.5重量部
・10%硫酸アルミニウム水溶液 ・・・・・75重量部
その後、追加の非結晶性樹脂ラテックス(D1)105重量部、および(E1)105重量部を添加し、約30分攪拌した。得られた内容物を光学顕微鏡で観察すると、粒径が約6.5μmの凝集粒子が生成していることが確認された。水酸化ナトリウム水溶液で、pHを7.5に調整し、その後、温度を上げて90℃にしたのち2.5時間攪拌を続けて凝集体を合一させ、冷却後、ろ過し、イオン交換水で充分洗浄後、乾燥して、電子写真用トナー(1)を得た。この電子写真用トナー(1)の粒径を測定すると、体積平均粒径は6.4μmであった。FPIAを用いた形状係数SFは135であった。
−電子写真用トナー(2)の作製−
作製例1において、90℃での攪拌時間を、4時間にした以外は、同様にトナーを作製した。粒径を測定すると、体積平均粒径は6.4μmであった。形状係数SFは120であった。
本実施形態におけるトナーの動的粘弾性の測定には、レオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。該動的粘弾性測定では、通常を錠剤に成形した後、25mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に、6.28rad/sの振動周波数で正弦波振動を与える。
測定サンプルは、前記パラレルプレートの間隙を2.0mmにセットし、90℃を始点として行った。温度の制御は、測定システム内の温度制御をもって行った。測定時間インターバルは30秒、測定開始後の温度調整精度は±1.0℃以下とした。また、測定中は各測定温度においてひずみ量を維持し、適正な測定値が得られるように調整する。該動的粘弾性測定ではひずみ量により発生する応力は比例関係にあり、任意の温度において応力をひずみ量で割ったものは一定の値を示す。一方で本実施形態のトナーのような樹脂の場合、ひずみ量により発生する応力は測定温度が低いほど少ないひずみ量で大きな応力が測定され、測定温度が高いほど大きいひずみ量を加えないと適当な応力が測定されない。該動的粘弾性測定装置には測定可能な応力に上下限が存在するため、一般に測定温度が変化する条件下においては、全温度領域で測定感度が高い状態で測定するために、ひずみ量を低温度では小さく、高温度では大きくする。該動的粘弾性測定はこのひずみ量の設定を自動でおこなった。
形状係数SFの算出式は、上述した式(1)に示したとおりである。形状係数SFは、主に顕微鏡画像または走査電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。スライドガラス上に散布したトナーの光学顕微鏡の画像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個以上のトナー粒子の最大長と投影面積を求め、上記式によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。即ち、本実施形態における形状係数SFは、光学顕微鏡にて観察した画像をルーゼックス画像解析装置にて解析することで算出されたものである。
トナーの粒径の測定は次のように行った。測定装置としてはコールターマルチサイザー−II型(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を1.0mg加える。これを前記電解液100ml中に添加して試料を懸濁した電解液を作製した。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で1分間分散処理を行い、前記コールターカウンターTA−II型により、アパーチャー径として50μmアパーチャーを用いて1〜30μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。測定する粒子数は50000であった。
また測定する粒子が2μm未満の場合、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定した。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とした。
特定の分子量分布は、以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
結晶性樹脂の融点およびトナーのガラス転移温度は、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークより求めた。
主体極大ピークの測定には、パーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
以上に説明した本実施形態に係る画像形成装置1と、従来の画像形成装置(すなわち、板ばね62を有さない構成)とに、上記結晶性樹脂を含むトナーを用いた場合の、所定の印刷枚数毎に画像形成時に発生する白抜けの発生の有無について説明する。図13は、発明者らの実験結果を基にして得られた、トナーの形状係数SFと、印刷枚数ごとの白抜けの発生の様子を説明した図である。図13では、白抜けが発生しないものを「○」、白抜けが発生するものを「×」で表し、白抜けが発生しても、一時的なものですぐ消滅するものを「△」で表している。
図13に示したように、印刷枚数が10000枚まではいずれの場合も白抜けは発生しないことを確認できた。印刷枚数が14000枚に達すると、従来の画像形成装置では一時的に白抜けが発生しはじめていることを確認し、クリーニングブレード61にトナーの固着が発生しはじめている。一方、本実施形態の画像形成装置1においては、白抜けは発生しておらず、清掃性能を低下させるようなクリーニングブレード61へのトナーの固着は発生していない。印刷枚数が18000枚に達すると、従来の画像形成装置では白抜けが断続的に発生することが確認でき、クリーニングブレード61へトナーが固着している。一方、本実施形態の画像形成装置1においては、白抜けを確認せず、清掃性能を低下させるような、クリーニングブレード61へのトナーの固着は低減されている。
以上に説明した実施形態の内容を以下のように変形してもよい。
上述した実施形態では、支持部材をSUS等の損失係数が10-2以下となるように形成し、清掃部材をゴム材等の損失係数が10-2よりも大きい素材のもので形成していた。板ばね62は、クリーニングブレード61がより大きく歪むように設けられるものであるから、板ばね62の損失係数がクリーニングブレード61の損失係数よりも小さければ、クリーニングブレード61の自励振動の振動振幅を大きくすることに寄与する。よって、それぞれの部材の組み合わせは、上述した実施形態のものに限定されない。
Claims (1)
- 回転する像保持体と、
前記像保持体の表面を帯電させる帯電手段と、
前記帯電手段により帯電させられた像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
前記像保持体の表面に形成された静電潜像を、結晶性樹脂を含むことで、含まない場合と比較して柔らかいトナーを有する現像剤によって現像する現像手段と、
前記現像手段によって現像された像を転写する転写手段と、
清掃部材と、前記像保持体の表面に前記清掃部材を接触させるように、当該清掃部材を支持する支持部材とを有し、当該像保持体の表面を清掃する清掃手段と、
前記現像及び前記転写によって像を形成しないときであって、前記清掃手段によって前記像保持体の表面を清掃するときの前記像保持体の回転速度を、前記帯電、前記潜像の形成、前記現像及び前記転写によって像を形成するときの前記像保持体の回転速度よりも遅くするよう制御することで、前記像保持体の回転に伴う前記清掃部材の振動の振幅を大きくする制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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