JP2002055582A - クリーニング装置 - Google Patents

クリーニング装置

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JP2002055582A
JP2002055582A JP2000242965A JP2000242965A JP2002055582A JP 2002055582 A JP2002055582 A JP 2002055582A JP 2000242965 A JP2000242965 A JP 2000242965A JP 2000242965 A JP2000242965 A JP 2000242965A JP 2002055582 A JP2002055582 A JP 2002055582A
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Hisataka Hisakuni
久高 久國
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    • G03G21/0005Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium
    • G03G21/0011Arrangements not provided for by groups G03G13/00 - G03G19/00, e.g. cleaning, elimination of residual charge for removing solid developer or debris from the electrographic recording medium using a blade; Details of cleaning blades, e.g. blade shape, layer forming
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 像担持体上でのトナー融着を防ぐとともに、
高いクリーニング性能を維持することができるクリーニ
ング装置を提供すること。 【構成】 像担持体2に当接されたクリーニングブレー
ド15によって像担持体2上に残留したトナーを除去す
るよう構成されたクリーニング装置13において、前記
クリーニングブレード15を、像担持体2上の付着物を
掻き取るためのエッジ部を含むクリーニング部15a
と、該クリーニング部15aを像担持体2に押圧するた
めの支持部15bとで少なくとも2層構造とするととも
に、前記クリーニング部15aを動的粘弾性試験によっ
て得られるtanδピーク温度が像担持体2の表面温度
付近である複合ゴム材料で構成し、前記支持部15bを
tanδピーク温度がクリーニング部15aのそれより
も低い複合ゴム材料で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真プロセス
を用いた静電複写機、静電プリンタ等の画像形成装置の
クリーニング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成装置において、転写時に像担持
体表面に形成されたトナー像のトナーを全て転写材に転
写させることは困難であり、若干のトナーが像担持体上
に残ることは避けられない。又、転写材が像担持体に接
するために生じる転写材粉等も像担持体上に付着する。
このため、転写後も像担持体上に残るトナーや転写材粉
(以下、これらをまとめて転写残トナーと称する)を転
写の都度十分にクリーニングする必要がある。
【0003】そこで、クリーニング装置として従来から
種々のものが提案されているが、ゴム等の弾性材料から
成るクリーニングブレードのエッジを像担持体に当接さ
せて転写残トナーを掻き落として転写残トナーを除去す
るようにしたものは構成が簡単で低コストであり、転写
残トナー除去機能も優れているため、既に広く実用に供
されている。
【0004】図5に従来のクリーニング装置の構成を示
すが、該クリーニング装置は回転円筒状の像担持体2に
近接配置されている。尚、像担持体2は図5の紙面垂直
方向に軸線を有し、その周辺には不図示の帯電器、現像
器、転写手段等が配設されている。
【0005】クリーニング装置は、像担持体2の方向に
開口部を備えたケーシング14を有しており、該ケーシ
ング14の開口部にはウレタンゴム等から成るクリーニ
ングブレード15が取着されており、該クリーニングブ
レード15の端縁のエッジは像担持体2に当接されてい
る。
【0006】而して、不図示の転写部位において発生し
た転写残トナーはクリーニングブレード15のエッジに
よって掻き取られて像担持体2の表面がクリーニングさ
れる。
【0007】又、クリーニングブレード15で掻き落と
されて滞留している転写残トナーが像担持体2の回転に
よってクリーニングブレード15のエッジに再び供給さ
れて像担持体2とクリーニングブレード15との間に介
在するため、クリーニングブレード15の摩擦力が低下
し、クリーニングブレード15のめくれ等のない安定し
たクリーニング性能を得ることができる。
【0008】ところで、像担持体上の転写残トナーを更
に良好にクリーニングするためにクリーニングブレード
を複数の層で構成し、該クリーニングブレードの像担持
体に当接する部位を硬質にする等、機能的に材質を選択
することが提案されている(例えば、特開昭56−55
979号公報参照)。
【0009】クリーニングブレードの像担持体への当接
部(当接ニップ)において転写残トナーはクリーニング
ブレードの摩擦力を下げると同時にクリーニングブレー
ドによって像担持体に押し付けられているため、像担持
体表面にトナーの融着が発生する場合がある。このトナ
ーの融着に対しては、クリーニングブレードを構成する
ゴム材料の粘弾性特性において粘性分を大きくすること
によって該クリーニングブレードの摺動時の振動を抑
え、これによってトナーの像担持体への融着を防ぐ提案
がなされている(特開平9−218625号公報参
照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
高画質化及び高速化を目的としてトナーの小粒径化や迅
速溶融化が図られてきている。このようなトナーに対し
てはクリーニングが困難であり、トナー融着が発生し易
いという問題がある。
【0011】像担持体上にトナー融着を発生させないた
めにクリーニングブレードの粘弾性特性における粘性分
を大きくする方法では、本来弾性的な性質により得られ
ていたクリーニングブレードの変形追随性や変形後の復
元力が小さくなる。このため、トナー融着をより発生さ
せないようにするためにクリーニングブレードの粘性分
を大きくし過ぎると、小粒径トナーに対しては、転写残
トナーに対するクリーニング能力が低下し、更にクリー
ニングブレードと像担持体とのニップ内にトナーが侵入
し易くなり、トナー融着が更に発生し易くなる。従っ
て、クリーニング装置の更なる性能向上が望まれてい
る。
【0012】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、像担持体上でのトナー融着を
防ぐとともに、高いクリーニング性能を維持することが
できるクリーニング装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、像担持体に当接されたクリ
ーニングブレードによって像担持体上に残留したトナー
を除去するよう構成されたクリーニング装置において、
前記クリーニングブレードを、像担持体上の付着物を掻
き取るためのエッジ部を含むクリーニング部と、該クリ
ーニング部を像担持体に押圧するための支持部とで少な
くとも2層構造とするとともに、前記クリーニング部を
動的粘弾性試験によって得られるtanδピーク温度が
像担持体表面温度付近である複合ゴム材料で構成し、前
記支持部をtanδピーク温度がクリーニング部のそれ
よりも低い複合ゴム材料で構成したことを特徴とする。
【0014】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記クリーニングブレードを数種のポリウ
レタンゴムから成る複合層構成を有するゴム部材で構成
したことを特徴とする。
【0015】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載の発明において、前記像担持体としてアモルファスシ
リコン感光体を用いることを特徴とする。
【0016】請求項4記載の発明は、請求項1,2又は
3記載の発明において、前記像担持体の表面温度を一定
に制御するようにした画像形成装置にクリーニング装置
を設けたことを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明は、請求項1〜3又は
4記載の発明において、前記クリーニングブレードのク
リーニング部のゴム材料のtanδピーク温度を像担持
体表面温度に対して±5℃以内に設定したことを特徴と
する。
【0018】一般にクリーニングブレードを構成するゴ
ム材料のtanδピーク温度が高い程、像担持体上での
トナー融着を防ぐ効果が得られ、tanδピーク温度が
低い程、クリーニングブレードの追随性が高くて高いク
リーニング性が得られる。従って、本発明によれば、ク
リーニングブレードを少なくともクリーニング部と支持
部を含む複合構造とするとともに、像担持体上の付着物
を掻き取るためのエッジ部を含むクリーニング部をta
nδピーク温度が像担持体表面温度付近である複合ゴム
材料で構成したために像担持体でのトナーの融着が防が
れ、又、クリーニング部を像担持体に押圧するための支
持部をtanδピーク温度がクリーニング部のそれより
も低い複合ゴム材料で構成したためにクリーニングブレ
ードに高い追随性が確保されて高いクリーニング性能が
維持される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は本発明に係るクリーニング装置を備
える画像形成装置の概略断面図、図2はクリーニング装
置の断面図、図3はクリーニングブレードの斜視図、図
4はクリーニング装置の作用説明図である。
【0021】(画像形成装置)図1に示す画像形成装置
1は電子写真方式を採用する複写機であって、これは不
図示のコンピュータ等から送られる画像信号に従って記
録媒体に画像を形成するものである。
【0022】画像形成装置1の像担持体2が帯電手段3
によって一様に帯電され、この像担持体2に画像信号に
従ってレーザ発振器4から光線が照射される。すると、
像担持体2上の光線が照射された部分には静電潜像が形
成され、この静電潜像は現像装置5によって現像剤であ
るトナーによって現像されてトナー像として可視像化さ
れる。
【0023】一方、カセット6には記録媒体であるシー
トが積載されており、カセット6内のシートは給送ロー
ラ7によって1枚ずつ分離されて給送され、レジストロ
ーラ対8によって斜行を矯正された後に像担持体2に送
られる。
【0024】而して、像担持体2に担持されている前記
トナー像は転写手段9によってシートに転写され、トナ
ー像が転写されたシートは搬送ベルト10によって定着
装置11に送られ、定着装置11において熱と圧力によ
ってトナー像の定着を受けた後、排出ローラ対12によ
って機外に排出される。尚、トナー像をシートに転写し
た後の像担持体2上に残留するトナーは本発明に係るク
リーニング装置13によって除去され、像担持体2は再
び画像形成に供される。
【0025】ところで、像担持体2としてはセレン感光
体やOPC感光体等の種々の材料が用いられるが、表面
が硬いアモルファスシリコン感光体の場合には本発明の
効果が大きいことから本実施の形態では像担持体2とし
てアモルファスシリコン感光体を用いた。尚、像担持体
には中間転写体も含まれる。
【0026】(クリーニング装置)次に、本発明に係る
前記クリーニング装置13について説明する。
【0027】図2に示すように、クリーニング装置13
は像担持体2側に開口部を有するケーシング14を備え
ており、該ケーシング14の開口部に複合ゴム材料(ポ
リウレンタゴム)から成るクリーニングブレード15が
支持部材16によって取り付けられている。
【0028】上記クリーニングブレード15は一端のエ
ッジが像担持体2に当接しており、転写手段9によって
シートに転写し切れなかった転写残トナーがクリーニン
グブレード15のエッジに達すると、該転写残トナーが
クリーニングブレード15によって掻き落とされる。
尚、ケーシング14の下部にはすくいシート17が取り
付けられており、クリーニングブレード15によって像
担持体2から掻き落とされたトナーはすくいシート17
によってケーシング14内に落下せしめられ、トナーが
像担持体2に大量に逆流するのが防がれる。
【0029】又、ケーシング14内には転写残トナーを
排出するための搬送手段としてのスクリュー18が配置
されており、ケーシング14内に落下した転写残トナー
はスクリュー18によって図2の紙面垂直方向に搬送さ
れてクリーニング装置13から排出される。このように
構成することによって、転写残トナーによってケーシン
グ14内が詰まることはない。
【0030】ところで、像担持体2に対するクリーニン
グブレード15の設定はクリーニング性を決定する大き
な要因となる。
【0031】図2に示すように、クリーニングブレード
15を像担持体2に当接させる設定条件としては、当接
圧と当接角度β、自由長L及びクリーニングブレード1
5の板厚tが挙げられる。本実施の形態では、クリーニ
ングブレード15の像担持体2への当接圧を安定化させ
るために該クリーニングブレード15をばね19によっ
て加圧する方式を採用している。尚、従来例と比較する
ため、像担持体2に対してクリーニングブレード15を
25gf/cmの当接圧で当接させ、クリーニングブレ
ード15の板厚tを3mm、自由長Lを5mmとした。
【0032】而して、本実施の形態において用いたクリ
ーニングブレード15は、図3に示すように、厚み方向
に2層を成すクリーニング部15aと支持部15bとで
構成されている。ここで、クリーニングブレード15を
構成するクリーニング部15aと支持部15bは共にポ
リウレタンゴムで構成されており、ポリウレタンゴムの
物性値をJISの加硫ゴム試験方法に従って実測したと
ころ、そのA硬度は70°であった。
【0033】尚、クリーニングブレード15の材質とし
ては、耐摩耗性の観点から、ポリエステル系ポリオール
を分子骨格としたポリウレタンゴムが好適であり、アジ
ペート系やラクトン系のポリオールやこれらの混合物系
等のポリオールとポリイソシアナート類及び鎖延長剤と
してのグリコール類、アミン類、架橋剤としての多官能
ポリオール類やポリアミン類が用いられ、所望のブレー
ド機能を満足するポリウレタンを分子設計して合成し、
成形してブレード形状に形成したものが用いられる。
【0034】又、クリーニングブレード15を構成する
クリーニング部15aと支持部15bとは一体加温成
形、通常の接着剤による張り合せ等によって貼り付けら
れる。
【0035】更に、ポリウレタンゴムの硬度について
は、転写残トナーのクリーニング性の観点から、クリー
ニングブレード15を所定以上の距離及び荷重で所定の
圧力になるよう像担持体2に押し当てるよう設定される
が、硬度が低過ぎると圧力不足やゴムの腰が弱くなって
クリーニングブレード15が大きな面で像担持体2に接
するようになり、摺動時の摩擦力が増加して摺動性が悪
くなるため、JIS−Aで40°以上の硬度が好まし
い。逆に、クリーニングブレード15の硬度が高過ぎる
と像担持体2の表面への傷付きの原因となるため、JI
S−Aで90°以下が好ましく、より好ましくはJIS
−Aで50°〜80°に設定すべきである。
【0036】又、動的粘弾性試験機を用いてtanδの
ピーク温度を測定した。
【0037】ここで、ゴム材料の物性値の1つであるt
anδとは動的粘弾性試験によって得られる数値であ
り、ゴム材料の粘性分(損失弾性率E”)を弾性分(貯
蔵弾性率E’)で割った数値(=E”/E’)である。
【0038】而して、tanδが大きいと粘性分が大き
く、ゴム材は振動減衰性に優れた特性を示し、tanδ
が小さいと弾性分が大きく、ゴム材は良く弾む特性を示
す。
【0039】ゴム材は低温域から高温域に温度を上昇さ
せると貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”は共に低下し、
ガラス状態からゴム状態に変化する。その変化に伴い、
貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”とが最も接近する温度
においてtanδがピークを示す。即ち、ゴム材におい
てtanδピーク温度の上側(高温側)は弾性領域であ
り、下側(低温側)は非弾性領域である。
【0040】tanδピーク温度の測定はレオメトリッ
クス・ファーイースト株式会社製の動的粘弾性測定機R
SAII(ソフト;Rhios)を使用し、ゴム試験片
(断面:1.5mm×6mm、長さ:22.5mm)を
その両端から6mmの位置で測定機に固定し、一定荷重
(200g)の張力を加え、10Hzの周波数で歪を掛
けて試験片に生じる応力を測定し、測定された応力を弾
性応力と粘性応力に分解し、これから貯蔵弾性率E’と
損失弾性率E”を算出し、E”をE’で割った値E”/
E’がtanδとして求められ、この測定を低温域から
高温域まで0.1℃/分で昇温させながら、各温度にお
けるtanδ値を計測して最大値を示す温度をtanδ
ピーク温度とした。尚、ゴムの試験片に掛ける歪は、予
め加えられている200gの張力に±agの張力を10
Hz周期で加えることによって生じさせるものであり、
agの値は測定温度により変化させるものであって、オ
ートストレインモードで設定される。
【0041】ここで、本発明に係るクリーニング装置1
3の作用を図4に基づいて説明する。
【0042】クリーニングブレード15が像担持体2に
当接する部位の接線方向(摺動方向)とクリーニングブ
レード15を像担持体2に押圧する法線方向(押圧方
向)とに分けて説明する。
【0043】像担持体2に当接するクリーニングブレー
ド15のクリーニング部15aは像担持体2の表面温度
付近ではその粘弾性特性における弾性成分を減らして粘
性分を増やすために、像担持体2とクリーニングブレー
ド15との摺動時に発生する像担持体2の接線方向に作
用する摩擦力によって生じるスティックスリップの周期
と振幅が小さくなること等から、像担持体2とクリーニ
ングブレード15との当接ニップにトナーを挟み込みに
くいためにトナー融着が発生しにくく、トナー融着が発
生したとしてもクリーニングブレード15による掻き落
とし性も高いためにトナーをすぐに除去することができ
る。
【0044】又、クリーニングブレード15を像担持体
2に押圧している支持部15bはクリーニング部15a
に比べてその粘弾性特性における粘性成分を減らし弾性
成分が増大しているため、像担持体2とクリーニングブ
レード15との摺動時に発生する摩擦力が大きくなり過
ぎたときに発生する像担持体2の法線方向である押圧方
向へのクリーニングブレード15の跳ね上りに対して追
随性が高いため、瞬時に復元して良好なクリーニング性
能を得ることができる。
【0045】本発明における像担持体2としては、寿命
や像担持体2の表面を強く掻き落とすことができる等の
理由から、非常に硬質であるアモルファスシリコン感光
体を使用するのが望ましい。
【0046】又、像担持体2の表面温度を一定に調整す
る装置を備えることによって、装置が使用される環境温
度を考慮することなく本発明の効果を得ることができ
る。
【0047】<実施例1>本実施例では、本発明に係る
クリーニング装置13を備える図1に示す複写機「商品
名:NP6060(キヤノン社製)」を用いて常温常湿
(温度24℃、相対湿度55%)で像担持体2の表面温
度が雰囲気温度付近になる状態で通紙10万枚の耐久テ
ストを行った。その画像評価を行った結果を表1に示
す。
【0048】
【表1】 表1に示すように、本発明に係るクリーニングブレード
15を用いると、像担持体2上にクリーニングブレード
15のクリーニング部15aにおけるtanδのピーク
温度が像担持体2の表面温度である環境雰囲気温度に近
いためにトナー融着が発生することがない。尚、本実施
の形態では、クリーニングブレード15のクリーニング
部15aのゴム材料のtanδピーク温度を像担持体2
の表面温度に対して±5℃以内に設定した。
【0049】又、クリーニングブレード15を像担持体
2に押圧する支持部15bのtanδピーク温度が低い
ため、像担持体2とクリーニングブレード15との摺擦
により発生する摩擦力による変形への追随性が高く、転
写残トナーを長期に亘って良好にクリーニングすること
ができる。
【0050】<実施例2>本実施例では、クリーニング
ブレード15の2層構造におけるクリーニング部15a
のゴム材の物性値がJIS−A硬度70°、tanδピ
ーク温度が35℃であり、支持部15bのゴム材の物性
値がJIS−A硬度70°、tanδピーク温度が5℃
であるポリウレタンゴムで構成されたクリーニンブレー
ド15を用い、更に、像担持体2に不図示のヒータを設
けて像担持体2の表面温度を40〜45℃に制御した以
外は実施例1と同じ実験を行った。
【0051】本実施例で示したクリーニングブレード1
5を用いて実施例1と同様に像担持体2の表面温度を制
御するようにした複写機を用いた10万枚の通紙耐久に
よる画像評価結果を表1に示す。
【0052】表1から明らかなように、本実施例でも、
実施例1と同様に像担持体2上のトナー融着が発生せ
ず、転写残トナーを良好にクリーニングすることができ
る。又、像担持体2の表面温度を制御することによっ
て、環境温度が大きい場合でもゴム材質の温度特性によ
らず本実施の形態の効果が発揮される。
【0053】<比較例1>本比較例では、クリーニング
ブレード15が単層で構成されており、そのゴム材の物
性値をゴム硬度を70°、tanδピーク温度を35℃
とし、像担持体2の表面温度を40〜45℃に制御して
いる。
【0054】本比較例の構成を用いて実施例1と同様に
複写機による10万枚の通紙耐久を行った場合の画像評
価結果を表1に示す。本比較例ではクリーニングブレー
ド15のゴム材質のtanδピーク温度が像担持体2の
表面温度に近いために像担持体2上にトナー融着は発生
しないが、転写残トナーをクリーニングし切れないでク
リーニング不良が発生した。
【0055】<比較例2>本比較例では、比較例1と同
様に単層のクリーニングブレード15を用い、そのゴム
材の物性値をゴム硬度を70°、tanδピーク温度を
5℃とし、像担持体2の表面温度を40〜45℃に制御
している。
【0056】本比較例の構成を用いて実施例1と同様に
複写機による10万枚の通紙耐久を行った場合の画像評
価結果を表1に示す。本比較例ではクリーニングブレー
ド15のゴム材質のtanδピーク温度が像担持体2の
表面温度よりも低いために像転写残トナーを除去する効
果は高く、クリーニング不良は発生しなかったが、トナ
ー融着が発生した。
【0057】<比較例3>本比較例では、実施例2と同
様に2層のクリーニングブレード15を用い、像担持体
2の表面温度を40〜45℃に制御しており、2層のク
リーニングブレード15のクリーニング部15aのゴム
物性値を硬度70°、tanδピーク温度35℃として
いる。
【0058】本比較例の構成を用いて実施例1と同様に
複写機による10万枚の通紙耐久を行った場合の画像評
価結果を表1に示す。本比較例ではトナー融着もクリー
ニング不良も共に悪化した。クリーニング不良が発生し
易いのは、像担持体2の表面を掻き取るエッジを押圧す
るクリーニングブレード15の支持部15bのゴム物性
値のtanδピーク温度が高く、像担持体2とクリーニ
ングブレード15との摩擦力によるクリーニングブレー
ド15の押圧方向への変形が復元しにくいためにトナー
を蓄積し易く、クリーニングブレード15の像担持体2
への当接圧が不均一となってクリーニング不良が発生し
易いためである。
【0059】又、上述のようにクリーニング不良が発生
し易いためにトナーをクリーニングブレード15が像担
持体2に押し付けてトナー融着が発生し易くなっている
ところへ、クリーニング部15aのゴム材のtanδピ
ーク温度が低いために像担持体2の表面のトナー融着を
防ぐする効果が低く、このためにトナー融着が発生した
ものと考えられる。
【0060】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、像担持体に当接されたクリーニングブレードに
よって像担持体上に残留したトナーを除去するよう構成
されたクリーニング装置において、前記クリーニングブ
レードを、像担持体上の付着物を掻き取るためのエッジ
部を含むクリーニング部と、該クリーニング部を像担持
体に押圧するための支持部とで少なくとも2層構造とす
るとともに、前記クリーニング部を動的粘弾性試験によ
って得られるtanδピーク温度が像担持体表面温度付
近である複合ゴム材料で構成し、前記支持部をtanδ
ピーク温度がクリーニング部のそれよりも低い複合ゴム
材料で構成したため、像担持体上でのトナー融着が防が
れるとともに、クリーニング装置に高いクリーニング性
能を維持することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクリーニング装置を備える画像形
成装置の概略断面図である。
【図2】本発明に係るクリーニング装置の断面図であ
る。
【図3】本発明に係るクリーニング装置のクリーニング
ブレードの斜視図である。
【図4】本発明に係るクリーニング装置の作用説明図で
ある。
【図5】従来のクリーニング装置の断面図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置 2 像担持体 13 クリーニング装置 15 クリーニングブレード 15a クリーニング部 15b 支持部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体に当接されたクリーニングブレ
    ードによって像担持体上に残留したトナーを除去するよ
    う構成されたクリーニング装置において、 前記クリーニングブレードを、像担持体上の付着物を掻
    き取るためのエッジ部を含むクリーニング部と、該クリ
    ーニング部を像担持体に押圧するための支持部とで少な
    くとも2層構造とするとともに、前記クリーニング部を
    動的粘弾性試験によって得られるtanδピーク温度が
    像担持体表面温度付近である複合ゴム材料で構成し、前
    記支持部をtanδピーク温度がクリーニング部のそれ
    よりも低い複合ゴム材料で構成したことを特徴とするク
    リーニング装置。
  2. 【請求項2】 前記クリーニングブレードを数種のポリ
    ウレタンゴムから成る複合層構成を有するゴム部材で構
    成したことを特徴とする請求項1記載のクリーニング装
    置。
  3. 【請求項3】 前記像担持体としてアモルファスシリコ
    ン感光体を用いることを特徴とする請求項1又は2記載
    のクリーニング装置。
  4. 【請求項4】 前記像担持体の表面温度を一定に制御す
    るようにした画像形成装置に設けられることを特徴とす
    る請求項1,2又は3記載のクリーニング装置。
  5. 【請求項5】 前記クリーニングブレードのクリーニン
    グ部のゴム材料のtanδピーク温度を像担持体表面温
    度に対して±5℃以内に設定したことを特徴とする請求
    項1〜3又は4記載のクリーニング装置。
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