JP5274584B2 - フレキシブル基板と相手側部材の接続構造 - Google Patents
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Description
加えて、フレキシブル基板の穴をマイクロバンプに押し込んだシンプルな構成のため、フレキシブル基板を保持する力が弱く、耐衝撃に優れた信頼性の高い保持力を得ることが困難であるという問題がある。
さらに、フィルム状コネクタのプリント基板上への実装方法について、リジッドなプリント基板、ICチップその他の部品の場合と異なり、フレキシブルなフィルム状コネクタの裏側にはんだボール等を付けてBGA構造を得ることが難しい。したがって、携帯電話、携帯型デジタルオーディオプレーヤー、携帯ゲーム機等の民生携帯電子機器の安価なコネクタとしては、実質的に使用に耐えないという問題もある。
また、フレキシブル基板とプリント基板とを電気的に接続するさらに別の接続構造として、フレキシブル基板の接続部の導体面をプリント基板の接続部の導体面と対向させて圧接し、電気的接続を確立するために、薄板状のばね性部材からなるコンタクト圧接部材を使用する例が提案されている(特許文献3)。
他方、特許文献3のような接続構造は、プリント基板に接合された支持部を支点として作用する、ばね性部材の圧接部の比較的弱い圧接力を利用するため、フレキシブル基板を比較的容易に着脱できる反面、フレキシブル基板の導体部とプリント基板の導体部とのコンタクト保持力が弱いため、耐衝撃に優れた信頼性の高い保持力を得ることが困難であるという問題がある。
また、本発明の他の目的は、耐衝撃に優れた信頼性の高い保持力を有する接続構造を、安価に実現する、フレキシブル基板と相手側部材の接続構造を提供することにある。
13 第1の導体パッド
15 第1の貫通穴
20 相手方部材
23 第2の導体パッド
25 第2の穴
30 コネクタ本体
31 第3の基材
33 第1の突起
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る接続構造の、組み立て前の要部を示す拡大断面図、及び組み立て後の要部を示す拡大断面図である。
図1A及び図1Bに示す実施形態の接続構造は、第1の基材11に含まれる複数の第1の導体回路(図示せず)の各々に接続されている第1の導体パッド13を、一の面に含む、フレキシブル基板10と、第2の基材21に含まれる複数の第2の導体回路(図示せず)の各々に接続されている第2の導体パッド23を、一の面に含む、相手側部材20と、フレキシブル基板10と相手側部材20とを着脱可能に接続する、コネクタ本体30とを備えている。
なお、相手側部材20は、通常の硬質なプリント基板に限らず、セラミック基板、回路部品(例えば、ICチップ、LSIチップ)、多層リジッド・フレックス、及び、比較的厚いフレキシブル基板のいずれかであっても良い。
逆に、コネクタ本体30を引き上げて、第1の突起33を第1の貫通穴15及び第2の穴25から引き抜くことにより、フレキシブル基板10と相手側部材20との結合を解くことができる。
本実施形態の接続構造が、図1A及び図1Bに示す実施形態の接続構造と異なる点は、フレキシブル基板20が、実質的に径(サイズ)が等しい相手側部材20の第2の穴25及びコネクタ本体50の第1の突起34の下底の径(サイズ)よりも径(サイズ)が小さい、第1の貫通穴16を含んでいる点、及び、コネクタ本体50の上底の径(サイズ)が、第1の貫通穴16の径(サイズ)と実質的に等しい点である。この場合もまた、所望の最低限度の保持力を確保するために、第1の突起34が、円錐台の上底の径が円錐台の高さの1/4以上であるように構成されていることが好ましい。
本実施形態の接続構造が、図2A及び図2Bに示す実施形態の接続構造と異なる点は、コネクタ本体60が、第3の基材31及び第1の突起34を有するが、第3の基材31の他の面に補強部材を有しない点である。上述のとおり、第1の突起34が、小さな第1の貫通穴16を貫通しかつ第2の穴25に挿入されるとき、第1の突起34が、第1の導体パッド13の内側縁部を第2の穴内25に押し込んで(17)、フレキシブル基板40と相手側部材20との摩擦結合を確立すると、コネクタ本体60は、摩擦結合に基づく自己保持能力を備えることになるため、第3の基材31の他の面の補強部材はこれを省略しても良い。ただし、コネクタ本体60の第1の突起34を、効率良くかつ安定した力で挿入させるために、組み立ての際に、相手側部材20とコネクタ本体60を両側から挟む適切な圧接工具を使用することが好ましい。
なお、本実施形態の接続構造におけるコネクタ本体60の厚さは、実質的に第3の基材31の厚さまで薄くできるので、より一層低い実装高さの接続構造が実現できる点で有利である。その他の利点は、図2A及び図2Bに示す実施形態の場合と同様である。
本実施形態の接続構造が、図2A及び図2Bに示す実施形態の接続構造と異なる点は、相手側部材70が、ブラインドビアホールを有する多層基板である点である。すなわち、相手側部材70は、第2の基材22の内部に複数層の導体回路を含む多層基板で構成され、また、相手側部材70は、第2の導体パッド23の面内でかつ相手側部材70の深さ方向に形成された、第2の導体パッド23の厚さよりも深い、ブラインドビアホールである、第2の穴27を含む。第2の穴27の内周面及び底面には導電材料がめっき処理され、所定厚さの導体層が形成されている。
本実施形態も、図2A及び図2Bに示す実施形態の場合と同様の利点を有する。
本実施形態の接続構造が、図2A及び図2Bに示す実施形態の接続構造と異なる点は、相手側部材80が、比較的薄い第2の基材24で構成されている点、及びコネクタ本体90の補強部材35に隣接して、第3の基材31を相手側部材80の他の面(裏側)に固定する固定部材37をさらに備えた、サンドイッチ構造とした点である。特に、本実施形態においては、固定部材37の一の端面が補強部材35の一の端面と所定間隔で隣接するよう配置され、固定部材37と補強部材35とが、第3の基材の部分38によってブリッジされ、この部分を軸としてコネクタ本体90が回転するヒンジ機構を構成している。
このようなヒンジ機構を適用することにより、コネクタ本体自体に開閉機構を持たせることができ、相手側部材80への実装と、フレキシブル基板40の挿入固定作業が容易となる。その他の利点は、図2A及び図2Bに示す実施形態の場合と同様である。
本実施形態の接続構造が、図2A及び図2Bに示す実施形態の接続構造と異なる点は、相手側部材82が、極薄い第2の基材26で構成されている点、及び、コネクタ本体92が、長さ方向中央部でくの字状にくびれた円柱形状の、第1の突起36を有する点である。
本実施形態の接続構造によると、相手側部材82が、フレキシブル基板のような極薄い部材であっても、第1の突起36のくびれ部分に相手側部材82の第2の穴が保持されるようにして、相手側部材82が脱落するのを有効に防止することができる。
本実施例において、図7、図8A及び図8Bに示すコネクタを構成した。図7はコネクタの平面図、図8Aは、図7の線A−A’についての断面図、図8Bは、図7の線B−B’についての断面図である。
このコネクタ100は、コネクタ本体130の補強部材135に隣接して、第3の基材131を相手側部材の一方の面に固定する固定部材150をさらに備えている。そして、固定部材150とコネクタ本体130の補強部材135を、固定部材150の一の端面が補強部材135の一の端面と所定間隔で隣接するよう配置し、固定部材150と補強部材135をブリッジする第3の基材131の部分を軸としてコネクタ本体130が回転するヒンジ機構140を構成している(図9A及び図9B参照)。ここで、固定部材150と補強部材135とが隣接するその他の面に沿って、第3の基材131を横切るスリット143が形成されている。
ほぼT字状の補強部材135は、ヒンジ機構140とは反対側に、一対の位置合わせ用の第2の突起137が形成されている。図9Aに示すように、フレキシブル基板10は、第1の導体回路(図示せず)及び第1の導体パッド13から離れて、位置合わせ用の第3の貫通穴19をさらに含み、相手側部材20は、第2の導体回路(図示せず)及び第2の導体パッド23から離れて、位置合わせ用の第4の穴29を含んでいる。位置合わせ用の第2の突起137は、第3の貫通穴19及び第4の穴29に対応する位置に設けられ、円錐台の下底の径(サイズ)は、第2の突起137が第3の貫通穴19を貫通しかつ第4の穴29に挿入されたとき、位置合わせ用の第4の穴29と結合するように設計されている。
まず、第3の基材131として厚さ0.050mmのポリイミドフィルムを用い、フィルムの片面に厚さ0.200mmのステンレススチール板、反対側には厚さ0.100mmのステンレススチール板を直接熱ラミネートし、フォトリソグラフィ/エッチングプロセスにより、前者をアレイ状に配置した第1の突起133、位置合わせ用の第2の突起137、及び固定用の第3の突起153として、後者をコネクタ本体130の補強部材135及び固定部材150として、それぞれ一体加工し、次いで外形を機械的にカットし、コネクタ用素材として仕上げた。第3の基材131のベースフィルムの一部を直線状に残して、後者のステンレススチール板をスリット状にエッチング除去することにより、ほぼT字型のコネクタ本体130と、ほぼU字状の固定部材150と、両者をブリッジする第3の基材131のヒンジ機能140を構成することができた。ヒンジ機能140のスリット幅は0.2mmで、±90°の回転が可能である。
まず、相手側部材20としての硬質プリント基板の上に、第3の突起153の先端部(上底)の径が0.015〜0.017mmの固定部材150を、イソシアネート系の接着剤で固定した。第3の突起153の裾野部分(下底)の径が0.3mm以上であれば、相手側部材20に形成された第5の穴(図示せず)に対して、手作業で位置合わせをすることができた。次いで、ヒンジ機構140を曲げてコネクタ本体130を開き、その中にフレキシブル基板10を入れ、コネクタ本体130を戻して、押圧により固定した。フレキシブル基板10の位置合わせのために、エッジ合わせと、位置合わせ用の第4の穴29合わせを用いたが、両者とも個別に機能することを確認した。
本実施例において、図10、図11A及び図11Bに示すコネクタを構成した。図10は、コネクタの平面図、図11Aは、図10の線C−C’についての断面図、図11Bは、図10の線D−D’についての断面図である。
このコネクタ200は、コネクタ本体230が、ストリップ状の第3の基材231の一の面に、アレイ状に配置された第1の突起233が、10×5=50の配列で、ピッチ0.8mmで形成された構造を有する。アレイ状の第1の突起233の、(図10の上下方向)両サイドには、それぞれ、第1の突起233と同一寸法の、位置合わせ用の第2の突起237が、3個ずつ一列に形成されている。
第3の基材231として厚さ0.050mmのポリイミドフィルムを用い、フィルムの片面に厚さ0.250mmのステンレススチール板を直接熱ラミネートし、フォトリソグラフィ/エッチングプロセスにより、アレイ状に配置した第1の突起233、位置合わせ用の第2の突起237として一体加工し、次いで、外形を機械的にカットし、補強部材のないコネクタ本体として仕上げた。
実施例1と同様に、エッチング加工された第1の突起233の断面は、きれいな富士山状(逆すり鉢状)の形状をしていた。エッチング条件を変えることにより、先端部(上底)の大きさ、裾野部分(下底)の大きさなどを変えられることも確認した。
まず、相手側部材20としての硬質プリント基板の上に、ピンガイド(図示せず)を使ってフレキシブル基板40を重ね、その上から、第1の突起233の先端部(上底)の径が0.20〜0.22mmのコネクタ200を合わせて、圧接工具を使って押し込んだ。このような第1の貫通穴16及び第2の穴25の寸法、第1の突起233の寸法の組み合わせであれば、接合構造として機械的な自己保持能力を持つことが確認できた。
上記実施例1の接続構造は、図13に示すような接続構造に変形することができる。
図13において、コネクタ300は、コネクタ本体330の横方向両端部をL字状に曲げて形成した、フック部付きの固定部材350を備えており、これが相手側部材20に設けた第6の穴229を貫通して、相手側部材20の他の面(裏面)にロックされたときに、第1の突起333が、フレキシブル基板10の第1の貫通穴を貫通し、相手側部材20の第2の穴に挿入される。このような構成においても、第6の穴229と、フック部付きの固定部材350との位置合わせができる。
Claims (10)
- フレキシブル基板と相手側部材の接続構造であって、
複数の第1の導体回路の各々に接続されている第1の導体パッドを、少なくとも一の面に含む、フレキシブル基板と、
複数の第2の導体回路の各々に接続されている第2の導体パッドを、少なくとも一の面に含む、相手側部材と、
前記フレキシブル基板と前記相手側部材とを着脱可能に接続する、コネクタ本体と、
を備え、
前記フレキシブル基板は、前記第1の導体パッドの面内でかつ前記フレキシブル基板の厚さ方向に前記フレキシブル基板を貫通する、第1の貫通穴を含み、
前記相手側部材は、前記第2の導体パッドの面内でかつ前記相手側部材の深さ方向に形成された、前記第2の導体パッドの厚さよりも深い第2の穴を含み、
前記コネクタ本体は、第3の基材の一の面に、前記フレキシブル基板の第1の貫通穴及び前記相手側部材の第2の穴に対応する、第1の突起を有し、
前記第1の導体パッドを前記相手側部材の対応する第2の導体パッドに対向するように配置させた前記フレキシブル基板に対して、前記コネクタ本体を押し付け、前記コネクタ本体の第1の突起を前記フレキシブル基板の第1の貫通穴を貫通させかつ前記相手側部材の第2の穴に挿入して、前記フレキシブル基板を前記相手側部材に機械的に結合させ、及び、前記第1の導体パッドと第2の導体パッドとの電気的接続を圧接により確立する、
接続構造。 - 前記相手側部材の第2の穴が、穴の内面に導体層を有する両面スルーホール又はブラインドホールである、
請求項1記載の接続構造。 - 前記第1の導体パッドが、前記フレキシブル基板の一の面にアレイ状に配置された導体パッドであり、前記第2の導体パッドが、前記相手側部材の一の面にアレイ状に配置された導体パッドであり、前記第1の突起が、前記第1の導体パッドの第1の貫通穴及び前記第2の導体パッドの第2の穴に対応して、前記コネクタ本体の前記第3の基材の一の面にアレイ状に配置された突起である、
請求項1又は2記載の接続構造。 - 前記コネクタ本体の第3の基材の他の面に、前記アレイ状に配置された第1の突起に外力を作用させる補強部材を設けた、
請求項3記載の接続構造。 - 前記フレキシブル基板は、前記第1の導体回路及び第1の導体パッドから離れて、位置合わせ用の第3の貫通穴をさらに含み、
前記相手側部材は、前記第2の導体回路及び第2の導体パッドから離れて、位置合わせ用の第4の穴をさらに含み、
前記コネクタ本体は、前記第3の貫通穴及び第4の穴に対応する、位置合わせ用の第2の突起を、前記第3の基材の一の面に有する、
請求項3記載の接続構造。 - 前記フレキシブル基板が、実質的にサイズが等しい前記相手側部材の第2の穴及び前記コネクタ本体の第1の突起よりもサイズが小さい、前記第1の貫通穴を含み、
前記第1の突起が前記第1の貫通穴を貫通しかつ前記第2の穴に挿入されるとき、前記第1の突起が、前記第1の導体パッドの内側縁部を前記第2の穴内に押し込んで、前記フレキシブル基板と前記相手側部材との摩擦結合を確立する、
請求項1又は2記載の接続構造。 - 前記第1の突起が円錐台の形状を有し、上底の径が円錐台の高さの1/4以上である、
請求項6記載の接続構造。 - 前記コネクタ本体の補強部材に隣接して、前記第3の基材を前記相手側部材に固定する固定部材をさらに備える、
請求項4記載の接続構造。 - 前記固定部材と前記コネクタ本体の補強部材を、前記固定部材の一の端面が前記補強部材の一の端面と所定間隔で隣接するよう配置し、前記固定部材と前記補強部材をブリッジする前記第3の基材の部分を軸として前記コネクタ本体が回転するヒンジ機構を構成した、
請求項8記載の接続構造。 - 前記固定部材が、前記相手側部材にかみ合う第3の突起をさらに有する、
請求項8又は9記載の接続構造。
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