図1は、本発明の実施例による電子音楽装置1のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。電子音楽装置1は、例えば、キーボード等の電子楽器、音源装置、ミキサー、レコーダー等のPA機器やオーディオ機器であり、音楽に関連する処理を行う電子機器である。
電子音楽装置1のバス6には、RAM7、ROM8、CPU9、外部記憶装置15、検出回路11、表示回路13、MIDIインターフェイス16、音源回路18、効果回路19、通信インターフェイス(I/F)21が接続される。
RAM7は、バッファ領域、フラグ、レジスタ、各種パラメータ等を記憶するCPU9のワーキングエリアを有する。
ROM8には、各種パラメータ及び制御プログラム、又は本実施例を実現するためのプログラム等を記憶することができる。この場合、プログラム等を重ねて、外部記憶装置15に記憶する必要は無い。なお、ROM8として、通常のリードオンリーメモリの他に、書き換え可能なフラッシュメモリ等も含むこととする。
CPU9は、ROM8又は、外部記憶装置15に記憶されている制御プログラム等に従い、演算又は制御を行う。タイマ10は、CPU9に接続されており、基本クロック信号、割り込み処理タイミング等をCPU9に供給する。
ユーザは、検出回路11に接続されるパネル操作子12を用いて、各種入力及び設定をすることができる。パネル操作子12は、例えば、スイッチ、パッド、フェーダ、スライダ、文字入力用キーボード、マウス、ロータリーエンコーダ、ジョイスティック、ジョグシャトル等、ユーザの入力に応じた信号を出力できるものである。
なお、本実施例では、パネル操作子12として少なくとも後述する値設定用操作子121及びグループ別値設定用操作子122が用意されている。
演奏操作子22は、検出回路11に接続され、ユーザの演奏動作に従い、演奏情報を供給する。演奏操作子22として、演奏用の鍵盤、パッド等を用いることができる。なお、演奏操作子22はこれらに限らず、ユーザが演奏情報を入力できるものであればどのようなものでもよい。
表示回路13は、ディスプレイ14に接続され、各種情報をディスプレイ14に表示することができる。ディスプレイ14は、電子音楽装置1の設定のための選択情報、楽譜や歌詞などの楽曲情報を表示することができる。なお、ディスプレイ14に表示されるタッチ操作子画像は後述するタッチ操作子23と対応する。
タッチ操作子23は、ディスプレイ14表面に設けられるタッチパネル操作面に対するユーザの押下操作を検出し、被操作位置の位置情報(例えば、xy座標)を出力する操作子である。本実施例では、このタッチ操作子23から出力される位置情報と各種パラメータ(電子音楽装置1が実行するコマンドを含む)が関連付けられている。なお、位置情報とパラメータの関連付けは、ディスプレイ14に表示される情報に合わせてその都度変化する。なお、本実施例では、タッチ操作子23及びディスプレイ14の表示をあわせてタッチパネルと呼ぶ。
外部記憶装置15は、外部記憶装置用のインターフェイスを含み、そのインターフェイスを介してバス6に接続される。外部記憶装置15は、例えばフレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスクドライブ(FDD)、ハードディスクドライブ(HDD)、光磁気ディスク(MO)ドライブ、CD−ROM(コンパクトディスク−リードオンリィメモリ)ドライブ、DVD(Digital Versatile Disc)ドライブ、半導体メモリ等である。
外部記憶装置15として、ハードディスクドライブ(HDD)が接続されている場合には、制御プログラム又は本実施例を実現するためのプログラム等は、外部記憶装置15内のハードディスク(HDD)に記憶させることもできる。ハードディスクからRAM7に制御プログラム等を読み出すことにより、ROM8に制御プログラム等を記憶させている場合と同様の動作をCPU9にさせることができる。このようにすると、制御プログラム等の追加やバージョンアップ等が容易に行える。
また、ハードディスクドライブに加えて、CD−ROMドライブが接続されている場合には、制御プログラム又は本実施例を実現するためのプログラム等をCD−ROMに記憶させることもできる。CD−ROMからハードディスクに制御プログラムや本実施例を実現するためのプログラム等をコピーすることができる。制御プログラム等の新規インストールやバージョンアップを容易に行うことができる。
なお、本実施例では、外部記憶装置15又はROM8には、タッチパネル用のタッチ操作子画像の表示データ及び当該表示データの表示座標に関連付けられるコマンド及びパラメータを記憶する画面データを電子音楽装置1の種々の機能に合わせて複数組記憶している。さらに、外部記憶装置15又はROM8には、自動演奏データ及び関連データ(楽譜データ、運指情報等の楽曲データに関連するデータ)を複数記憶することができる。なお、画面データ内のコマンド及びパラメータは、表示データの表示座標ではなく、表示データそのものに関連付けるようにしてもよい。この場合、表示データの表示座標に変更があっても、表示データとコマンドの対応関係が保たれる。
MIDIインターフェイス(MIDI I/F)16は、MIDI機器17、その他の楽器、音響機器、コンピュータ等に接続できるものであり、少なくともMIDI信号を送受信できるものである。MIDIインターフェイス16は、専用のMIDIインターフェイスに限らず、RS−232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインターフェイスを用いて構成してもよい。この場合、MIDIメッセージ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。
MIDI機器17は、MIDIインターフェイス16に接続される音響機器及び楽器等である。MIDI機器17の形態は鍵盤楽器に限らず、弦楽器タイプ、管楽器タイプ、打楽器タイプ等の形態でもよい。また、音源装置、自動演奏装置等を1つの電子楽器本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別体の装置であり、MIDIや各種ネットワーク等の通信方法用いて各装置を接続するものであってもよい。
音源回路18は、外部記憶装置15、ROM8又はRAM7等に記録された音楽コンテンツ若しくは演奏操作子22又はMIDIインターフェイス16に接続されたMIDI機器17等から供給される演奏信号、MIDI信号等に応じて楽音信号を生成し、効果回路19を介して、サウンドシステム20に供給する。
効果回路19は、音源回路18から供給される楽音信号に対して、各種音楽的効果を付与する。サウンドシステム20は、D/A変換器及びスピーカ20s(図2)を含み、供給されるデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、発音する。
通信インターフェイス21は、LAN(ローカルエリアネットワーク)に接続可能であり、また、インターネット等の通信ネットワークに接続可能であり、該通信ネットワークを介して、各種サーバと相互に接続可能である。
なお、通信インターフェイス21及び通信ネットワークは、有線のものに限らず無線でもよい。また双方を備えていてもよい。また、通信インターフェイス21は、内蔵のものでも良いし、PCカード等の着脱可能なものでも良い。
図2は、本発明の実施例によるタッチパネルの一例を表す平面図である。図2(A)は、タッチパネルの第1の例を表し、図2(B)は、変形例を表す。本明細書では、ディスプレイ14とその画面上に表示される操作子画像及びディスプレイ14上に設置されユーザのタッチ操作を検出可能なタッチ操作子23をあわせてタッチパネルと呼ぶ。なお、図中、タッチ操作子23aは、選択状態を表し、タッチ操作子23bは、非選択状態を表す。
本実施例のタッチパネルには、図に示すように、ディスプレイ14上に複数のパラメータ画像が表示されている。パラメータ画像は、例えば、図に示すようにそれぞれがスイッチの形状をしている。なお、パラメータ画像はスイッチ形状に限らず、パラメータを表象する画像であっても良い。例えば、音色に関するパラメータであれば、当該音色に対応する楽器の映像を用いても良い。また、スイッチ形状である場合も、矩形状のボタン型に限らずフェーダー、ノブ等を模した画像としても良い。なお、図2では、説明の便宜上パラメータ画像中には「P1a」〜「P5d」のように、パラメータの種類及び当該パラメータの属するグループを表示しているが、この部分にはパラメータの値も表示することもできる。ここで、パラメータ画像中の「P1」、「P2」…等はパラメータの属するグループを表し、「a」、「b」等はパラメータの種類(名称)を表す。
本実施例では、各パラメータ画像は、電子音楽装置1の各種機能を制御するためのパラメータの1つに対応しており、各パラメータは、少なくともパラメータの種類を特定するパラメータ識別情報(パラメータ名称、識別子等)、パラメータ値(数値又は文字列)、パラメータグループ情報(以下単にグループ情報とする)を含んで構成される。
パラメータ種類(a、b・・・)としては、音量、音色、エフェクト種類、エフェクトに関する各種パラメータ(効果の深さ等)、パン、楽曲データの名称等であり、電子音楽装置1の各種機能を制御するための各種パラメータである。
グループ情報は、各パラメータが属するグループ(P1、P2…)を特定するための情報である。各パラメータは1〜複数のグループに属することができる。ここで、グループは、例えば、チャンネル、楽曲データ、トラック、フレーズ、音色の種類、ユーザ(レッスンなどで登録されるもの等)等が考えられる。例えば、同一トラックに関するパラメータは同一グループに属するものとしてのグループ情報が与えられている。なお、グループがチャンネルの場合には、チャンネル番号から自動的にグループを検出するようにしてグループ情報を省略しても良い。また、同様にトラックの場合はトラック番号、フレーズの場合はフレーズ番号、音色の場合は音色番号等の固有の番号や識別子を用いて自動的にパラメータの属するグループを判別するようにしてグループ情報を省略しても良い。
図2(A)に示す例では、複数のパラメータ画像(タッチ操作子23)が、複数行複数列に渡り行列上に配置されている。この例では、同一列表示されるパラメータは同一グループに属し、同一行に表示されるパラメータは同一のパラメータ種類である。
パラメータ画像の配列は、図2(A)に示すように行列状の配列に限らず、円周上に並べたり、矩形状に並べたりしても良い。また、例えば、図2(B)に示すようにランダム配列しても良い。また、非線形的に配列しても良い。例えば、パラメータ画像全体で絵のように見えるように配列しても良い。
図2においては、選択状態のパラメータ(タッチ操作子23a)は、斜線を施して、非選択状態のパラメータ(タッチ操作子23b)と区別しているが、選択状態を表す表示態様はこれに限らず、反転表示や、非選択状態(初期状態)と色、濃淡、明暗等を異ならせるような表示等、非選択状態(初期状態)との違いが視覚的に認識できるものであれば良い。
パラメータの選択操作は、例えば、非選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23b)を一つ一つ順次選択することにより、選択状態(タッチ操作子23a)とするようにしても良いし、表示されている複数の非選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23b)の上を指等でなぞって選択しても良いし、タッチパネル上に指等で円や矩形を描くことにより、当該円や矩形の内部に含まれるパラメータを選択状態とするようにしても良いし、これらを組み合わせても良い。
パラメータの選択解除操作は、例えば、選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23a)を再度押下することにより行う。また、タッチパネル上若しくは、その近傍に「解除ボタン」を設け、当該「解除ボタン」を押下した後に選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23a)を再度押下することにより行う。また、タッチパネル上若しくは、その近傍に「クリアボタン」を設け、当該「クリアボタン」を押下することにより、全ての選択パラメータの選択状態を解除するようにしても良い。
パラメータの追加選択操作は、単に、非選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23b)を選択することにより行っても良いし、例えば、タッチパネル上若しくは、その近傍に「追加ボタン」を設け、当該「追加ボタン」を押下した後に非選択状態のパラメータ画像(タッチ操作子23b)を押下することにより行っても良い。
選択されたパラメータは、例えば、図1の外部記憶装置15又はRAM7の一時記憶領域内に生成・記憶される選択パラメータリストに登録される。選択パラメータリストは、少なくとも選択状態にある複数のパラメータの識別情報、パラメータ値を記録する。また、選択パラメータのグループ情報をあわせて記憶しても良い。なお、選択解除されたパラメータは選択パラメータリストから削除される。
値設定用操作子121は、タッチパネル近傍に配置され、選択状態にあるパラメータの値を一度に設定・変更するための操作子である。ユーザが値設定用操作子121を操作すると、当該操作結果(操作後の値や、操作量等)に従い、選択状態にあるパラメータの値が一度に変更される。なお、値設定用操作子121は図に示すようなダイヤル型に限らず、フェーダー、ノブ、UP/DOWNキー等の値の増減を制御できるものであれば良い。また、値設定用操作子121をもタッチパネル上に配置するようにしても良い。
複数のパラメータが選択された状態で、値設定用操作子121が操作されると、選択状態にあるパラメータ(この例では、P1a、P1c、P2b、P2c、P3a、P3d、P4c、P5a、P5b、P5c)の値が連動して一度に変更される。
パラメータ値の変更は、例えば、操作子の操作量に応じた値を選択状態の各パラメータの値に加算(減算)することにより行われる。例えば、図2(A)に示す例において、P1a、P1c、P2b、P2c、P3a、P3d、P4c、P5a、P5b、P5cの値が、それぞれ10、20、30、20、10、40、50、20、30、10である時に、操作子の操作量が「+10」であると、各パラメータの値は、それぞれ20、30、40、30、20、50、60、30、40、20となる。
また、例えば、複数個のパラメータのいずれか1つを基準となるパラメータとして、当該基準となるパラメータの値と同じ値(またはそれに相当する値や文字列)に設定するようにしてもよい。例えば、P1aを基準となるパラメータとした場合に、P1aの値が20に変更されると、その他の選択パラメータの値は、全て20となる。
基準となるパラメータとは、例えば、選択パラメータリストに最初に登録されたパラメータや、最後に登録されたパラメータ、最大又は最小値のパラメータ、全選択パラメータの平均パラメータに最も近い値を持つパラメータ等のいずれかである。また、予め各パラメータに優先順位を付与し、当該優先順位に基づいて基準となるパラメータを決定しても良い。また、ユーザが手動で基準となるパラメータを決定しても良い。
なお、設定可能範囲が異なるパラメータを連動して一度に変更する場合は、基準となるパラメータの値に対応する値にそれぞれのパラメータ値を変更する。例えば、選択状態で編集対象となったパラメータが音量と音色であり、音量が基準となるパラメータとなった場合は、音色番号は音量値に相当するものに変更する。
また、パラメータ内容が、数値でなく文字列である場合は、例えば、内部的に文字列の種類に識別番号を付与し、操作子操作量に相当する数値に対応する識別番号を有する文字列が設定されるようにする。
グループ別設定用操作子122は、タッチパネル近傍に配置され、選択状態にあるパラメータのうち当該グループ別設定用操作子122に対応する同一グループに属するパラメータの値のみを一度に設定・変更するための操作子である。ぞれぞれのグループ別設定用操作子122は、複数のパラメータグループの内のいずれかに対応している。
ユーザがグループ別値設定用操作子122を操作すると、当該操作結果(操作後の値や、操作量等)に従い、選択状態にあるパラメータのうち当該グループ別設定用操作子122に対応する同一グループに属するパラメータの値のみ一度に変更される。
なお、グループ値設定用操作子122は図に示すようなUP/DOWNキーに限らず、フェーダー、ノブ、ダイヤル等の値の増減を制御できるものであれば良い。また、値設定用操作子122をもタッチパネル上に配置するようにしても良い。
さらに、この例では、グループごとに対応するグループ別設定用操作子122を設けたが、1つのグループ別設定用操作子122と、グループ切り替え用の操作子を設けて、当該切り替え用操作子の操作に従いグループ別設定用操作子122を各グループに対応させるようにしてもよい。また、値設定用操作子121を切り替え操作子によりグループ別設定用操作子122として用いるようにしてもよい。
なお、複数のパラメータの一括設定手法は、上述した値設定用操作子121が操作された場合と同様である。上述の値設定用操作子121と異なる点は、選択状態にあるパラメータのうち操作されたグループ別設定用操作子122に対応するグループに属するパラメータの値のみが変更される点である。すなわち、図2(A)に示す例で、グループ「P3」に対応するグループ別設定用操作子122が操作された場合、「P3a」と「P3d」のパラメータの値のみが連動して一度に変更される。
例えば、グループ「P1」が、「楽曲データ」で、パラメータ「a」〜「d」が、当該楽曲データに含まれるフレーズ1〜4の音量や音色である場合には、複数のパラメータを選択して一度に設定することが好ましいと考えられるので、本実施例によるグループ別設定用操作子122により、当該操作が簡単に実行できる。
図3は、本実施例によるメイン処理を表すフローチャートである。このメイン処理は、電子音楽装置1の電源投入後、割り込み周期(例えば、30ms)ごとに起動される。なお、以下のフローチャートでは、1組のパラメータ群のみをタッチパネルに表示することとして説明するが、複数組のパラメータ群を用意して、各パラメータ群を所定の操作により切り替えてタッチパネル上に表示させることも可能である。複数組のパラメータ郡を切り替えてタッチパネル上に表示させる場合にも、各パラメータ群についての処理は以下のフローチャートと同様である。
ステップSA1で、メイン処理をスタートし、初期化を行う。ここでは、例えば、各種フラグ、バッファ、レジスタ等を初期化する。
ステップSA2では、タッチパネル上に各パラメータ(パラメータ名称、パラメータ値等)を表示する。各パラメータのグループ情報は予め設定されており、パラメータを参照すると当該パラメータの属するグループを識別できる。
ステップSA3では、選択パラメータリストを初期化する。選択パラメータリストは、例えば、図1のRAM7内に設けられる一時記憶領域に記憶されるテーブルであり、ユーザのタッチパネル操作により選択されたパラメータ(以下、単に選択パラメータと呼ぶ)のリストである。選択パラメータリストには、少なくとも選択パラメータの名称、値、グループ情報が記録される。
ステップSA4では、パラメータの選択操作が終了したか否かを判断する。個々での判断は、例えば、タッチパネル上にタッチ操作子23又は電子音楽装置1の操作パネル上にパネル操作子12として設けられる「確定」ボタンの操作を検出した場合や、タッチパネルへの操作が所定時間(例えば、10秒程度)検出されない場合に、パラメータ選択操作が終了したと判断する。パラメータ選択操作が終了したと判断した場合は、YESの矢印で示すステップSA8に進み、終了していないと判断した場合は、NOの矢印で示すステップSA5に進む。
ステップSA5では、パラメータの選択操作を検出したか否かを判断する。個々での判断は、例えば、タッチパネル(図1のタッチ操作子23)の操作を検出して行う。パラメータの選択は、非選択状態にあるパラメータ表示画像(図2のタッチ操作子23b)上をユーザがタッチ(押下)することにより行う。なお、ここでの選択操作は選択パラメータの選択解除操作も含む。選択解除操作は、選択状態にあるパラメータ表示画像(図2のタッチ操作子23a)上をユーザが再度タッチ(押下)することにより行う。選択操作(又は選択解除操作)を検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA6に進み、検出しない場合は、ステップSA4に戻る。
ステップSA6では、ステップSA5で選択操作が検出されたパラメータを選択パラメータリストに追加する。なお、ステップSA5で選択解除操作が検出された場合は、当該パラメータを選択パラメータリストから削除する。
ステップSA7では、ステップSA5で検出した操作に基づきタッチパネル上の各パラメータの選択状態の表示を更新する。すなわち、ステップSA5で選択操作が検出されたパラメータに関しては、その表示を選択状態(例えば、図2に示す斜線を施した状態)に変更し、ステップSA5で選択解除操作が検出された場合は、当該パラメータの表示を非選択状態(初期状態)に変更する。なお、選択状態の表示は、図2に示すものに限らず、反転表示や、非選択状態(初期状態)と色、濃淡、明暗等を異ならせるような表示等、非選択状態(初期状態)との違いが視覚的に認識できるものであれば良い。表示の更新後、ステップSA4に戻る。
ステップSA8〜ステップSA13は、値設定用操作子121が操作された場合の処理である。
ステップSA8では、値設定用操作子121(図2)の操作を検出したか否かを判断する。操作を検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA9に進み、検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA14に進む。値設定用操作子121は、選択パラメータリストに登録された全パラメータの値を一度に設定・変更するための操作子である。
ステップSA9では、ステップSA8で操作を検出した値設定用操作子121の操作量を抽出する。なお、操作量は操作直前の値設定用操作子121が表す値と操作後の値との差分値(プラス及びマイナスのいずれの値もとり得る)又は変化率(0〜1の範囲の値)、操作後の絶対値のいずれかの予め設定された値又はユーザが選択した値である。
ステップSA10では、選択パラメータリストより基準となるパラメータを抽出する。ここで、基準となるパラメータとは、例えば、ステップSA6で最初に登録されたパラメータや、最後に登録されたパラメータ、最大又は最小値のパラメータ、全選択パラメータの平均パラメータに最も近い値を持つパラメータ等のいずれかである。また、予め各パラメータに優先順位を付与し、当該優先順位に基づいて基準となるパラメータを決定しても良い。また、ユーザが手動で基準となるパラメータを決定しても良い。
ステップSA11では、ステップSA9で抽出した値設定用操作子121の操作量に基づきステップSA10で抽出した基準となるパラメータのパラメータ値を更新して、基準パラメータ値とする。なお、基準となるパラメータのパラメータ値の更新は、当該パラメータ値にステップSA9で抽出した値設定用操作子121の操作量に基づく値が差分値である場合は、基準となるパラメータのパラメータ値に当該差分値を加算(操作量がマイナスの場合は減算)することにより行う。また、操作量に基づく値が変化率である場合は、基準となるパラメータのパラメータ値に当該変化率を乗算することにより行う。さらに、操作量に基づく値が絶対値である場合は、基準となるパラメータのパラメータ値を当該絶対値に対応する値に変更する。
ステップSA12では、選択パラメータリストに登録された各パラメータの値をステップSA11で決定した基準パラメータ値に変更する。その後、ステップSA13に進む。
なお、ステップSA10〜SA12は、全パラメータの全体変更処理の一例(以下、全体一括変更処理)であり、上述した以外の変更処理を行っても良い。例えば、ステップSA10〜SA12の代わりに、ステップSA9で抽出した値設定用操作子121の操作量に基づく値により、選択パラメータリストに登録された各パラメータの値を個別に変更しても良い。例えば、選択パラメータリストに登録された各パラメータの値にそれぞれ値設定用操作子121の操作量に基づく値を加算、減算又は乗算しても良い(以下、全体個別変更処理と呼ぶ)。なお、全体一括変更処理と全体個別変更処理のいずれか一方のみを可能としても良いし、双方を可能とし、選択スイッチを設け、ユーザに逐次選択させるようにしても良い。なお、上記2つの処理方法以外の方法を組み合わせても良い。
ステップSA13では、タッチパネル上の選択状態の各パラメータの値の表示を更新する。その後、ステップSA23に進みメイン処理を終了する。
ステップSA14〜ステップSA22は、グループ別値設定用操作子122が操作された場合の処理である。
ステップSA14では、グループ別値設定用操作子122(図2)の操作を検出したか否かを判断する。操作を検出した場合は、YESの矢印で示すステップSA15に進み、検出しない場合は、NOの矢印で示すステップSA23に進みメイン処理を終了する。グループ別値設定用操作子122は、選択パラメータリストに登録されたパラメータうち当該グループ別値設定用操作子122に対応付けられたグループに属するパラメータの値のみを選択的に設定・変更するための操作子である。
ステップSA15では、ステップSA14で操作を検出したグループ別値設定用操作子122のグループ情報を抽出し、当該グループ別値設定用操作子122が属するグループを検出する。
ステップSA16では、ステップSA15で抽出したグループ別値設定用操作子122のグループ情報と一致するグループ情報を有するパラメータを選択パラメータリストから抽出する。以降、このステップ抽出されたパラメータを抽出パラメータと呼ぶ。
ステップSA17では、ステップSA16で抽出したパラメータ(抽出パラメータ)の数が「0」であるか否かを判断する。抽出パラメータの数が「0」である場合は、YESの矢印で示すステップSA23に進みメイン処理を終了する。抽出パラメータの数が「1」以上である場合は、NOの矢印で示すステップSA18に進む。
ステップSA18では、ステップSA14で操作を検出したグループ別値設定用操作子122の操作量を抽出する。なお、操作量は操作直前のグループ別値設定用操作子122が表す値と操作後の値との差分値(プラス及びマイナスのいずれの値もとり得る)又は変化率(0〜1の範囲の値)、操作後の絶対値のいずれかの予め設定された値又はユーザが選択した値である。
ステップSA19では、抽出パラメータより基準となるパラメータを抽出する。なお、この処理はステップSA10での処理と同等の処理であり、ステップSA10では抽出元のパラメータが選択パラメータリストに登録されたパラメータであるのに対して、ここでは、抽出パラメータを抽出元としている点で異なる。
ステップSA20では、ステップSA18で抽出したグループ別値設定用操作子122の操作量に基づきステップSA19で抽出した基準となるパラメータのパラメータ値を更新して、基準パラメータ値とする。なお、基準となるパラメータのパラメータ値の更新は、ステップSA11と同様の手法で行う。
ステップSA21では、抽出パラメータに属する各パラメータの値をステップSA20で決定した基準パラメータ値に変更する。その後、ステップSA22に進む。
ステップSA22では、タッチパネル上の選択状態にある各パラメータの内の抽出パラメータに属するパラメータの値の表示を更新する。その後、ステップSA23に進みメイン処理を終了する。
なお、ステップSA19〜SA21は、全パラメータの全体変更処理の一例(以下、全体一括変更処理)であり、上述した以外の変更処理を行っても良い。例えば、ステップSA10〜SA12の処理の場合と同様に、ステップSA19〜SA21の処理の代わりに、ステップSA18で抽出したグループ別値設定用操作子122の操作量に基づく値により、抽出パラメータに属する各パラメータの値を個別に変更しても良い。また、例えば、抽出パラメータに属する各パラメータの値にそれぞれグループ別値設定用操作子122の操作量に基づく値を加算、減算又は乗算しても良い。なお、全体一括変更処理と全体個別変更処理のいずれか一方のみを可能としても良いし、双方を可能とし、選択スイッチを設け、ユーザに逐次選択させるようにしても良い。なお、上記2つの処理方法以外の方法を組み合わせても良い。
以上、本発明の実施例によれば、タッチパネル上のパラメータを複数選択し、選択された複数のパラメータの値を値設定用操作子で一度に連動して設定することができる。したがって、画面の切り替えやグループ化等の操作を必要とせずに、直感的な操作で、当該選択した複数のパラメータを一度に設定することができる。
また、本発明の実施例では、選択したいパラメータを順次選択するだけで複数のパラメータを選択できるので、複数の編集対象を簡単に選択することができる。
また、複数のパラメータを選択し、当該選択したパラメータを連動して設定することができるので、効率的なパラメータ編集が行える。すなわち、複数のパラメータが連動して設定されるので、同様な値設定操作を繰り返す必要がない。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
1…電子音楽装置、3…通信ネットワーク、6…バス、7…RAM、8…ROM、9…CPU、10…タイマ、11…検出回路、12…設定操作子、13…表示回路、14…ディスプレイ、15…外部記憶装置、16…MIDI I/F、17…MIDI機器、18…音源回路、19…効果回路、20…サウンドシステム、21…通信I/F、22…演奏操作子、23…タッチ操作子