JP4123176B2 - 音響信号処理装置 - Google Patents
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Description
このようなミキサは、例えば、ドラムセット、グランドピアノ等の大型楽器や、コーラス(声楽)、ストリングス(弦楽奏団)等の多人数による演奏音を集音し、ミキシング等の編集を行う際に用いられる。そして、このような場合、複数のマイクロフォンを用いて集音した音をそれぞれミキサの入力チャンネル(ch)に入力し、ミキサで各入力chのフェーダを操作して音量バランスを取ることが定石である。
しかしながら、実際に音響信号を処理しながら操作を行う場合には、設定画面を表示させる操作は煩雑であり、困難である場合もあるという問題があった。一方で、操作しようとする操作子又はその操作子と対応するchがグループ化されているか否か、グループ化されているとすればどの操作子がその操作子と連動して制御されるようになっているのかを常に確認したいという要求もあった。
また、この発明は、複数のチャンネルから入力する音響信号に信号処理を施す音響信号処理装置において、複数の操作子と、上記複数の操作子それぞれに対応した複数の表示手段と、上記操作子のグループ化を設定する手段と、あるグループに属する操作子が操作された場合に、その操作子と同じグループに属する操作子に対応する前記表示手段を、そのグループを示すパターンにて点滅させる表示制御手段を設けた音響信号処理装置も提供する。
さらに、前記表示手段を、その操作子群内の操作子に対応するパラメータの値を表示するパラメータ値表示手段とし、上記表示制御手段が、そのパラメータ値表示手段を、上記パラメータの値に応じたパターンであってかつ上記グループを示すパターンにて点滅させることにより、そのパラメータ値表示手段に、上記パラメータの値の表示と同時に上記グループの情報の表示も行わせるようにするとよい。
まず、この発明の音響信号処理装置の実施形態であるデジタルミキサについて説明する。図1は、そのデジタルミキサの概略構成を示すブロック図である。
このデジタルミキサは、入力する音響信号(波形データ)に対して各種の信号処理を行って出力する音響信号処理装置であり、図1に示すように、CPU11,メモリ12,外部機器I/F13,コンソール14,波形入出力部(I/O)17,信号処理部(DSP:デジタル・シグナル・プロセッサ)18がシステムバス19によって接続されている。
メモリ12は、ROM,RAM,ハードディスク等によって構成され、CPU11が実行する制御プログラムや必要なデータ、あるいはユーザが作成した設定データ等を記憶したり、CPU11のワークメモリとして使用したりする記憶手段である。
そして、操作子15は、このデジタルミキサに対する種々の設定指示や操作指示を受け付けるためのものであり、フェーダやロータリーエンコーダを始め、種々のスイッチやダイヤル、ボタン等によって構成されている。また、表示部16は、液晶ディスプレイやLED(発光ダイオード)等によって構成され、各種パラメータを設定するための設定画面、そのパラメータの設定内容、各種メッセージやこのデジタルミキサの動作状態等の表示を行う。もちろん、後述するchのグループ化に関する設定内容の表示も行う。
図2に示すように、コンソール14には、chストリップ20a〜20n(総称する場合は符号「20」を用いる)、液晶パネル31、カーソルキー32、レイヤ選択キー33、設定操作子34を設けている。
そして、各chストリップ20には、表示パネル21,ロータリーエンコーダ22,選択スイッチ23,ソロスイッチ24,オンスイッチ25,フェーダ27を設けている。なお、特定のchストリップ中のこれら各ユニットを指す場合には、そのユニットが属するchストリップと同じアルファベットを付した符号を用いるが、各chストリップのユニットを総称する場合には、アルファベットのない符号を用いる。
ロータリーエンコーダ22は、絶対位置に関係無く操作量と回転方向のみを検出するダイヤル式のスイッチであり、ユーザによる設定内容に応じて、パンニング調整やイコライザパラメータの調整等に使用される。
カーソルキー32は、液晶パネル31に表示させた画面上のカーソルやポインタを移動させたり、その画面上でパラメータの値を変更したりするための操作子である。
設定操作子34は、その他の設定を行うための操作子であり、キー、ボタン、エンコーダ等の種々の操作子によって構成することができる。
このデジタルミキサにおいては、chをグループ化し、グループ内の各chのパラメータの値を連動して変化させるようにすることができる。そして、このグループの設定は、設定操作子34の操作により液晶パネル31に図4に示すようなグループ設定画面40を表示させて行うことができる。
なお、このように連動させて変更するパラメータを、一部のパラメータのみに限定したり、ユーザの好みに応じて選択できるようにしたりすることもできる。
また、フェーダ27の操作によりパラメータが変更されると、同様に同じグループのchに割り当てられたchストリップのフェーダを操作されたフェーダに追従させて移動させることになる。なお、25〜28番目の入力chについては、chストリップ20が割り当てられていないため、chストリップ20における表示の変更はない。
この場合CPU11は、グループ化されたあるフェーダ27iへの操作を検出すると、表示制御手段として機能し、図に示したようなON用点滅シーケンス及びOFF用点滅シーケンスを生成する。そして、これらの点滅シーケンスに従って、操作されたフェーダ27iと同じグループのフェーダと対応するLED26を点滅させ、同じグループに属するフェーダを示させる。
また、LED26は、通常は割り当てられたchの出力ON/OFFを表示する表示部として機能させていることから、グループに関する表示を行わせる際にも出力ON/OFFに関する表示内容を維持させるため、出力ONのchと対応するLED26はON用点滅シーケンスに従って、出力OFFのchと対応するLED26はOFF用点滅シーケンスに従って点滅させる。
この場合CPU11は、グループ化されたあるフェーダ27iへの操作を検出すると、例えば3つのグループを区別して表示するための表示シーケンスとして、図に示すような第1乃至第3のON用点滅シーケンス及びOFF用点滅シーケンスを生成する。そして、初めに操作されたフェーダ27iと同じグループのフェーダと対応するLED26を、そのうち1つのON用点滅シーケンス及びOFF用点滅シーケンスに従って点滅させる。また、同時にあるいはその後他のグループに属するフェーダが操作された場合には、そのフェーダと同じグループのフェーダと対応するLED26を、別のON用点滅シーケンス及びOFF用点滅シーケンスに従って点滅させる。
また、第1乃至第3の点灯シーケンスは、周期と点灯デューティーは共通とし、シーケンスの位相(点灯タイミング)が異なるものとするとよい。対応するON用とOFF用のシーケンスの関係は、上記図5(a)の場合と同様とするとよい。
また、ここでは3種類までのグループを区別して表示できるようにした例を示したが、区別して表示するグループ数がこれに限られないことは言うまでもない。ただし、あまり種類を多くすると表示を区別しづらくなるし、あまり多数のグループを区別できるようにしたいという要求もないので、3種類程度とすることが好ましい。
そして、まず、処理対象となっているi番目のフェーダ27iがグループ化されたものでない場合には、対応するオンスイッチ25iの設定状態に応じて、すなわち割り当て先のchについて設定されている出力ONパラメータの値に応じて対応するLED26iの点灯を制御する(S3,S10)。そして、図7のステップS14に進み、フェーダ27iが最後のフェーダでなければステップS3に戻って次のフェーダを対象として処理を繰り返し(S15)、最後のフェーダであれば処理を終了する。
また、既にグループ番号が登録されていれば、登録先のGROUPNO変数を特定し、後の表示の際にその情報を利用できるようにする(S9)。
そして、次のフェーダがあればステップS3に戻って処理を繰り返す(S14,S15)。
ステップS18でグループ番号が設定されていなければ、フェーダ27iのグループ番号は既に図6のステップS8の処理で上書きされてしまっていると考えられるので、そのままステップS10に進み、以降の処理を続ける。
また、ステップS16で操作終了を検出しなかった場合、フェーダ27iには特に操作状態に変化がなかったことになるので、それまでの表示と同様な表示を続けるべく、ステップS20に進む。そして、ステップS17でNOだった場合と同様、以降の処理を行ってLED26iの点灯をGROUPNO変数の登録内容に応じて制御する。
この場合において、グループ化されているフェーダの表示は、そのフェーダと同じchストリップに含まれるLEDを用いて行うため、フェーダとの対応関係が把握し易く、またフェーダの近傍で表示できるため、操作中のフェーダに注目している場合でも視認し易い表示が可能である。また、オンスイッチ25によって設定する出力オンパラメータの値の表示に使用するLED26に、グループ化の状態の表示も行わせるようにしているので、グループ化の状態を表示するための新たな表示部を設けることは不要であり、コストアップを避けることができる。
また、グループ化に関する情報の表示は、ランプの点滅だけでなく、点灯有無、点灯色、輝度、点灯位置、点灯範囲等によって行ってもよい。また、文字や図形によって表示することも可能である。例えば、表示パネル21に各フェーダ27のグループ番号を表示するようにしてもよい。
また、出力オフが設定されているchに割り当てられているフェーダについては、グループ化に関する情報の表示を行わないようにしてもよい。このようなchについては、フェーダを操作しても出力内容が変わるわけではないので、表示に対する要求が小さいためである。
さらにまた、デジタルミキサの構成も、上述した実施形態のものに限られることはなく、操作子や表示部の配置や構成、グループ化の設定内容や設定方式を適宜変更することも可能である。例えば、chではなく、操作子に直接グループを設定し、操作子のグループ化の状態を表示させるようにすることも考えられる。
また、デジタルミキサだけでなく、アナログミキサや電子楽器等、他の音響信号処理装置にこの発明を適用することも当然可能である。さらに、その他の信号処理装置あるいは電子装置であっても、操作子及び表示部を備え、それらの操作子のグループ化を設定可能な装置であれば、適用可能である。
また、以上のような変形を適宜組み合わせて適用可能であることも、もちろんである。
Claims (4)
- 複数のチャンネルから入力する音響信号に信号処理を施す音響信号処理装置であって、
前記チャンネルに割り当てる複数の操作子と、
前記複数の操作子それぞれに対応した複数の表示手段と、
前記チャンネルのグループ化を設定する手段と、
あるグループに属するチャンネルに割り当てられた操作子が操作された場合に、そのチャンネルと同じグループに属するチャンネルに割り当てられている操作子に対応する前記表示手段を、そのグループを示すパターンにて点滅させる表示制御手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 複数のチャンネルから入力する音響信号に信号処理を施す音響信号処理装置であって、
複数の操作子と、
前記複数の操作子それぞれに対応した複数の表示手段と、
前記操作子のグループ化を設定する手段と、
あるグループに属する操作子が操作された場合に、その操作子と同じグループに属する操作子に対応する前記表示手段を、そのグループを示すパターンにて点滅させる表示制御手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 請求項1又は2記載の音響信号処理装置であって、
特定種類の操作子のセットからなる操作子群を複数設け、
前記表示手段を、前記操作子群毎に該操作子群の近傍又は内部に設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 請求項3記載の音響信号処理装置であって、
前記表示手段は、該操作子群内の操作子に対応するパラメータの値を表示するパラメータ値表示手段であり、
前記表示制御手段が、該パラメータ値表示手段を、前記パラメータの値に応じたパターンであってかつ前記グループを示すパターンにて点滅させることにより、該パラメータ値表示手段に、前記パラメータの値の表示と同時に前記グループの情報の表示も行わせるようにしたことを特徴とする音響信号処理装置。
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