JP5028738B2 - 音響信号処理装置及びプログラム - Google Patents
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Description
また、指定したchの音響信号を強調する方法としては、強調したいch以外の音響信号の出力音量を、ゼロにしたり、あるいはコントラストダイヤルにより設定された所定の音量にしたりすることが考えられる。
このような技術に関しては、例えば特許文献1に記載されている。
この発明は、このような問題を解決し、ソロ出力の対象とするchとそれ以外のchとで音量に差をつけなくても、ソロ出力の対象とするchの出力を強調できるようにすることを目的とする。
さらに、上記ソロ指定受付手段が受け付けた指定に従い、上記ソロ出力を行うチャンネル以外の音響信号の音量を、設定されている値よりも所定量小さい値に変更する手段を設けるとよい。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータを音響信号処理装置として機能させ、同様な効果を得ることができる。
まず、この発明の音響信号処理装置の実施形態であるデジタルミキサについて説明する。図1は、そのデジタルミキサの概略構成を示すブロック図である。
このデジタルミキサ10は、入力する音響信号(波形データ)に対して各種の信号処理を行って出力する音響信号処理装置であり、図1に示すように、CPU11,ROM12,RAM13,通信I/F14,表示回路15,検出回路16,音響信号入出力部17,信号処理部(DSP:デジタル・シグナル・プロセッサ)18がシステムバス21によって接続されている。また、表示部19や操作子20を含むコンソール100を設け、このうち表示部19を表示回路15に、操作子20を検出回路16にそれぞれ接続している。
RAM13は、CPU11のワークメモリとして使用したり、一時的に使用するパラメータの値等を記憶したりする記憶手段である。
図2は、そのコンソールの構成を、この実施形態の特徴と関連する部分を中心に示す図である。
図2に示すように、デジタルミキサ10のコンソール100には、chストリップ120a〜120n(総称する場合は符号「120」を用いる)、液晶ディスプレイ131、カーソルキー132、コントラストダイヤル133、レイヤ選択キー134を設けている。
そして、各chストリップ120には、表示パネル121,パンスイッチ122,選択スイッチ123,ソロスイッチ124,オンスイッチ125,フェーダ127を設けている。なお、特定のchストリップ中のこれら各ユニットを指す場合には、そのユニットが属するchストリップと同じアルファベットを付した符号を用いるが、各chストリップのユニットを総称する場合には、アルファベットのない符号を用いる。
パンスイッチ122は、絶対位置に関係無く操作量と回転方向のみを検出するダイヤル式のスイッチであり、対応するchで処理する音響信号の音像を定位させる位置である音像定位位置(パン)を調整するパンニング調整に使用される。そして、パンスイッチ122及びその操作を検出する検出回路16が、パン指定受付手段である。
なお、このうちソロ出力は、詳細については後述するが、オンとなっているchの音響信号を、オフとなっているchの音響信号よりも強調して出力するようにすることを指定するためのパラメータである。そして、ソロスイッチ124及びその押下を検出する検出回路16が、ソロ指定受付手段である。
フェーダ127は、各chの音量を設定するためのスライドボリウム(可変抵抗器)による音量操作子であり、そのつまみ128を操作して適当な位置に移動させることにより、対応するchストリップが割り当てられたchの音量の値を定めることができる。
カーソルキー132は、液晶ディスプレイ131に表示させた画面上のカーソルやポインタを移動させたり、その画面上でパラメータの値を変更したりするための操作子である。
コントラストダイヤル133は、ソロ出力がオフになっているchの音響信号の音量を、フェーダ127によって設定されている音量よりもどの程度小さい値にするかを設定するための操作子であり、ここでは0デシベル(dB)から−96dBまでの倍率を設定できるようにしている。そして、ソロ出力がオフになっているchの音響信号については、フェーダ127によって設定されている音量に、コントラストダイヤル133により設定されている倍率を乗算した音量、すなわちフェーダ127によって設定されている音量よりユーザが定めた所定量だけ小さい音量で出力するようにしている。
図3に、デジタルミキサ10のCPU11がいずれかのソロスイッチ124が押下された場合に実行する処理のフローチャートを示す。なお、この図に示すのは、1つのchについてのみソロ出力をオンに設定できるようにした場合の処理例である。
CPU11は、コンソール100においていずれかのソロスイッチ124が押下されると、図3のフローチャートに示す処理を開始する。
その後、操作ch(ソロ出力がオンのch)のパンを第1の位置に設定し、操作ch以外の全ch(ソロ出力がオフのch)のパンを第2の位置に設定する(S18,S19)。なお、第1の位置や第2の位置をどのように定めるかについては、後に詳述する。
なお、ステップS18乃至S21の処理においては、設定値を変更する必要がないchが予めわかる場合には、そのchに係る設定を改めて行う必要はない。例えば、図3の処理開始前から既にソロ出力モードであった場合、ソロ機能のオン/オフを変更していないchについては、パンや音量の値を変更する必要はない。
一方、ステップS12で操作chのソロ出力がオフでなければ(オンであれば)、操作chのソロ出力をオフに設定し(S22)、これでソロ出力がオンのchがなくなるので、ソロ出力モードを終了して通常の動作に戻るべく、全chのパンと音量の値をバッファに記録してある値に戻して(S23)処理を終了する。
また、複数のchについてソロ出力をオンに設定できるようにすることも考えられる。
この処理においても、ステップS31乃至S34は、図3のステップS11乃至S14の場合と同様である。そして、ステップS34でNOの場合、新たにソロ出力モードに移行すべく、ステップS35〜S37の処理を行う。これらの処理は、図3のステップS16,S19,S21の処理と同趣旨のものである。そしてその後、ステップS38〜S40に進み、図3のステップS17,S18,S20と同趣旨の処理により、操作chのソロ出力をオンに設定すると共に、パンや音量を適切な値に設定して処理を終了する。また、ステップS34でYESの場合には、特に他のchについての制御を行う必要はないので、そのままステップS38〜S40の処理を行い、処理を終了する。
以上のような処理を行うようにすれば、複数のchについてソロ出力オンを設定し、それらのchの音響信号に係る音と、ソロ出力がオフのchの音響信号に係る音とを、ユーザが容易に区別して認識できるようにすることができる。
図5及び図6は、ソロ出力のオン/オフに応じた音像定位制御について説明するための図である。そして、これらの図においては、デジタルミキサ10において音像を定位させられる位置の範囲を模式的にバーで示し、その下側に、各chの音像を定位させる位置を矢印で示している。また、「ソロch」は、ソロ出力のオンが設定されているchを示す。
そして、いずれかのchについてソロ出力がオンになった場合、図3及び図4を用いて上述したように、デジタルミキサ10はソロ出力モードに移行し、ソロchとソロch以外のchとで、異なる位置に音像を定位させるようにする。図5(b)乃至(e)に、この場合のパンの定め方の例を示している。
また、パンの位置を最も端にしなくても、(c)に示すように、ソロchのパンが中央よりも左側、それ以外のchのパンが中央より右側というように、ソロchとそれ以外のchとで、パンの位置が中央から見て左右に分かれていれば、音の識別は比較的容易である。もちろん、(d)に示すように、左右が逆でもよい。
図6には、この場合の例を示している。
(a)は、chBのみソロ出力をオンにした場合の例であるが、ここに示すように、ソロch以外のchのパンを、パンスイッチ122によって設定されているパンの相対的な位置関係を保ったまま、所定の範囲内に設定するようにしてもよい。この場合において、ch間の間隔の比も保つようにしてもよいし、単に順番だけ保つようにし、所定の範囲を等分割した位置に設定する等してもよい。もちろん、その他の配置にしてもよい。
また、パンを設定する範囲は、ソロchのパンを設定する範囲と、ソロch以外のchのパンを設定する範囲とが重ならなければ、パンを設定し得る位置の端から定める必要はない。そして、ソロchのパンを設定する範囲と、ソロch以外のchのパンを設定する範囲とが所定距離以上離れていたり(c,e)、中央から見て左右に分かれていたり(d)することが好ましいが、これらに限られることはない。
また、どの程度パンの位置が離れていれば音を区別できるかは耳の個人差、音の内容、スピーカの配置や特性等によって異なるから、上述の所定距離を始め、ソロ出力モードにおけるパンの位置の定め方をユーザが指定できるようにしてもよい。
また、ソロch又はソロch以外のchの一方のパンの位置を保ったまま他方のみを移動させて必要な条件を満たせるのであれば、各chのパンの位置をこのように定めてもよい。
例えば、この発明は、シンセサイザのような電子楽器にも適用することができる。このような電子楽器においては、「チャンネル」に代えて「パート」や「トラック」の呼称が用いられることも多いが、複数のチャンネルの音響信号に混合等の処理を行って出力する機能を設けることは行われており、このような場合には電子楽器も音響信号処理装置に該当する。
そして、このシンセサイザの場合でも、ソロ出力のオン/オフ、音量及びパンの設定内容に従って、上述したデジタルミキサの場合と同様な処理を行うことにより、同様な効果を得ることができる。
さらに、この発明が、アナログ信号処理を行うものも含め、上述したもの以外の音響信号処理装置に適用できることも、もちろんである。ソロ出力等のパラメータの設定が、外部のPC(パーソナルコンピュータ)によってなされるような構成であってもよい。
従って、ソロ機能の有用性が高い電子音楽装置を提供することができる。
Claims (6)
- 複数のチャンネルで音響信号を処理して出力する音響信号処理装置であって、
前記チャンネル中で、ソロ出力を行うチャンネルの指定を受け付けるソロ指定受付手段と、
該手段が受け付けた指定に従い、ソロ出力を行うチャンネルの音響信号の音像を、各チャンネルそれぞれに設定されていた位置から変更して第1の範囲に定位させると共に、ソロ出力を行うチャンネル以外のチャンネルの音響信号の音像を、各チャンネルそれぞれに設定されていた位置から変更して前記第1の範囲とは異なる第2の範囲に定位させる手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 複数のチャンネルで音響信号を処理して出力する音響信号処理装置であって、
前記チャンネル中で、ソロ出力を行うチャンネルの指定を受け付けるソロ指定受付手段と、
前記各チャンネルについて、そのチャンネルの音響信号の音像を定位させる位置である音像定位位置の指定を受け付けるパン指定受付手段と、
前記ソロ指定受付手段が受け付けた指定に従い、ソロ出力を行うチャンネルからなる第1のチャンネル群内の各チャンネルの音像定位位置の範囲である第1の範囲と、前記第1のチャンネル群以外のチャンネルからなる第2のチャンネル群内の各チャンネルの音像定位位置の範囲である第2の範囲とが、重ならないように、各チャンネルについて前記パン指定受付手段で受け付けた音像定位位置の前記各チャンネル群内での相対的な位置関係を維持したまま、各チャンネルに係る音像定位位置を定める手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 請求項1又は2記載の音響信号処理装置であって、
前記第1の範囲と前記第2の範囲の少なくとも一方の位置の指定を受け付ける手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - 請求項1乃至3のいずれか一項記載の音響信号処理装置であって、
前記ソロ指定受付手段が受け付けた指定に従い、前記ソロ出力を行うチャンネル以外の音響信号の音量を、設定されている値よりも所定量小さい値に変更する手段を設けたことを特徴とする音響信号処理装置。 - コンピュータを、複数のチャンネルで音響信号を処理して出力する音響信号処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記チャンネル中で、ソロ出力を行うチャンネルの指定を受け付けるソロ指定受付手段と、
該手段が受け付けた指定に従い、ソロ出力を行うチャンネルの音響信号の音像を、各チャンネルそれぞれに設定されていた位置から変更して第1の範囲に定位させると共に、ソロ出力を行うチャンネル以外のチャンネルの音響信号の音像を、各チャンネルそれぞれに設定されていた位置から変更して前記第1の範囲とは異なる第2の範囲に定位させる手段として機能させるためのプログラムを含むことを特徴とするプログラム。 - コンピュータを、複数のチャンネルで音響信号を処理して出力する音響信号処理装置として機能させるためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
前記チャンネル中で、ソロ出力を行うチャンネルの指定を受け付けるソロ指定受付手段と、
前記各チャンネルについて、そのチャンネルの音響信号の音像を定位させる位置である音像定位位置の指定を受け付けるパン指定受付手段と、
前記ソロ指定受付手段が受け付けた指定に従い、ソロ出力を行うチャンネルからなる第1のチャンネル群内の各チャンネルの音像定位位置の範囲である第1の範囲と、前記第1のチャンネル群以外のチャンネルからなる第2のチャンネル群内の各チャンネルの音像定位位置の範囲である第2の範囲とが、重ならないように、各チャンネルについて前記パン指定受付手段で受け付けた音像定位位置の前記各チャンネル群内での相対的な位置関係を維持したまま、各チャンネルに係る音像定位位置を定める手段として機能させるためのプログラムを含むことを特徴とするプログラム。
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