JP5271497B2 - 橋梁 - Google Patents
橋梁 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5271497B2 JP5271497B2 JP2007000790A JP2007000790A JP5271497B2 JP 5271497 B2 JP5271497 B2 JP 5271497B2 JP 2007000790 A JP2007000790 A JP 2007000790A JP 2007000790 A JP2007000790 A JP 2007000790A JP 5271497 B2 JP5271497 B2 JP 5271497B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bridge
- pier
- girder
- bridge girder
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Foundations (AREA)
- Bridges Or Land Bridges (AREA)
Description
また、昨今の公共事業費の縮小傾向から、橋梁建設に係るコストの縮減は必須課題であり、新たに制振対策を講じるだけの予算確保が困難な傾向にある。
上記の理由から、既設の橋梁に対して新たに制振対策を講じる必要がないよう、当初の設計段階から耐風安定性を確保した橋梁設計が必要となる。
すなわち、本発明にかかる橋梁は、橋桁が渦励振にて振動した際に、橋桁の振動に伴って振動する橋脚を備え、前記橋桁および前記橋脚を含む振動系全体の振動エネルギーを質量換算した値である等価質量が、前記橋桁の渦励振の発現振幅を、前記橋桁の固有振動数から得られる許容振幅で除した値に、該橋桁の単位長さ当たりの質量の平均質量を乗じた値以上とされていることを特徴とする。
また、橋脚による橋桁の支持領域が広い基礎では、見かけの支間長が縮まることにより、橋梁の固有振動数も増加し、結果として渦励振の発生風速を上昇させることができる。
このように、橋脚によって耐風安定性を確保することにより、耐風付加部材の設置等の新たな制振対策をすることを必要とせず、コストの縮減を図ることが可能である。
以下に、本発明に係る橋梁の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る橋梁の概略構成を示した側面図である。
本実施形態に係る橋梁は、基礎1と、この基礎1に下方から支持される橋脚2a,2bと、橋脚2a ,2b上に支承3を介して下方から支持される橋桁4を備えている。前記橋梁の橋脚2aの中心と該橋脚2aに隣接する橋脚2bの中心との距離は、支間長Lとして表される。
本実施形態に係る橋梁は、基礎1と、橋脚2aと、支承3と、橋軸方向(紙面垂直方向)に延在する橋桁4を備えている。橋桁4の横断面の桁幅はB、桁高はDである。
Me≧αM・・・(1)
(1−1)式において、mは単位長さあたりの桁質量、φは着目する振動モード(全方向)、φhは着目する振動モード(鉛直たわみ方向)を表す。
なお、(1−1)式の分子は着目する振動モードの一般化質量、(1−1)式の分母は桁に関する振動モードの二乗の積分である。
まず、橋桁の許容振幅haは以下の(2)式の通り表される。
ha=0.04/fn・・・(2)
ここで、fnは橋桁の固有振動数であり、以下の(3)式の通り表される。
fn=100/L・・・(3)
(2)式に(3)式を代入すると、橋桁の許容振幅haは以下の(4)式の通り表される。
ha=L/2500・・・(4)
また、渦励振の発現振幅hcは以下の(5)式の通り表される。
hc=En EthρB3/(mδ)・・・(5)
ここで、Enは以下の(6)式で表される断面係数、Ethは気流の乱れの影響を補正する関数、δは橋桁の対数減衰率、Bは橋桁の幅員、mは橋桁の単位長さあたり質量、ρは空気密度、Dは橋桁の桁高、βdsは形状に関する補正係数を表している。
En=0.065βds/(B/D)・・・(6)
気流は一様流であることを想定して、気流の乱れの影響を補正する関数Ethを1、形状に関する補正係数βdsを1とすると、渦励振の発現振幅hcは以下の(7)式の通り表される。
hc=0.065ρB2 D/(mδ)
=0.065D/(mrδ)・・・(7)
ここで、mrは以下の(8)式で表される無次元質量である。
mr=m/(ρB2)・・・(8)
鋼桁の無次元質量mrは、実績より以下の(9)式で表される。
mr=200/(B/D)・・・(9)
(7)式に(9)式を代入すると、渦励振の発現振幅hcは以下の(10)式の通り表される。
hc=0.065B/(200δ)・・・(10)
δ=0.35/√L・・・(11)
(10)式に(11)式を代入すると、渦励振の発現振幅hcは以下の(12)式の通り表される。
hc=0.065B√L/(200*0.35)・・・(12)
したがって付加質量係数αは以下の(13)式の通り表される。
α=hc/ha
=2.321B/√L・・・(13)
つまり、本実施形態にかかる橋梁は、前記橋梁の橋軸方向に略直交する橋桁の横断面の外形状を包絡する包絡四角形の幅を幅員B、前記橋梁の橋脚の中心と該橋脚に隣接する橋脚の中心との距離を支間長Lとした場合に、前記橋梁の渦励振が発現する際の等価質量Meが、前記橋梁の橋桁の平均質量Mに2.321B/√Lを乗じた値以上となるように設計された、ゴム製の支承にて橋桁を支持する橋梁である。
したがって、本実施形態にかかる橋梁は、橋桁が固有モードにて振動した際に、橋桁の振動に伴って橋脚が振動することとなり、橋梁全体の振幅を低減させることが可能である。
次に本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態にかかる橋梁が、第1の実施形態と異なる点は、鋼製の支承にて橋桁を支持する橋梁について、設計条件を示している点である。
δ=0.75/√L・・・(14)
(10)式に(14)式を代入すると、渦励振の発現振幅hcは以下の(15)式の通り表される。
hc=0.065B√L/(200*0.75)・・・(15)
したがって付加質量係数αは以下の(16)式の通り表される。
α=hc/ha
=1.083B/√L・・・(16)
図3は、本実施例に係る橋梁の橋桁の概略構成を示した横断面図である。
本実施形態に係る橋梁は、橋軸方向(紙面垂直方向)に延在する鋼管11と鋼管11によって下方から支持される床版12とを備えている。鋼管11及び床版12によって構成される橋梁の橋軸方向に略直交する横断面の桁幅はB、桁高はD、鋼管の外径はRである。
また前記橋梁は、例えば、図示しない複数の橋脚によって支持されている。
図4はジャケット基礎を備え、かつ図3に示す形状の橋桁を有する橋梁についての平面図を、図5は該橋梁の側面図を、図6は該橋梁の正面図を表している。
図7は杭基礎を備え、かつ図3に示す形状の橋桁を有する橋梁についての側面図を表している。
なお、ジャケット基礎を有する前記橋梁は、外径Rが1400mmの鋼管を備えており、杭基礎を有する前記橋梁は外径Rが1500mmの鋼管を備えている。
図12によると、ジャケット基礎を有する前記橋梁の固有振動数は2.09Hz、等価質量は6.019kg/m、スクルートン数は60.7である。一方で、杭基礎を有する前記橋梁の固有振動数は1.04Hz、等価荷重は1.253kg/m、スクルートン数は11.3である。
これより、ジャケット基礎を有する前記橋梁は、杭基礎を有する前記橋梁に比べ、固有振動数は約2倍、等価質量は約4.8倍であることがわかる。
ここで、スクルートン数とは、次の式(17)で表される無次元数であり、振動の減衰を表している。
Sc=2Meδ/(ρD2)・・・(17)
上記式(17)において、Meは対象振動モードの等価質量、δは橋桁の対数減衰率、ρは空気密度、Dは橋桁の桁高を表している。また無次元振幅は、渦励振により振動した場合の振幅を桁高Dにて除した値を表している。
同図より、ジャケット基礎を有する前記橋梁の無次元振幅は0.01であり、杭基礎を有する前記橋梁の無次元振幅は0.116となることがわかる。
これより、ジャケット基礎を有する前記橋梁は、杭基礎を有する前記橋梁に比べ、共振振幅は1/10程度であることがわかる。
具体的には、桁の単純支持の曲げ振動の固有振動数は支間長の2乗に反比例することから、鋼管の外径Rを1500mmとした場合の固有振動数f1500、支間長L1500を用いて、以下のように固有振動数f1400を算出した。
f1400=f1500*(L1500/L1400)2
=1.04*(49.5/60)2
=0.71
なお、等価質量Me1400については、橋脚が振動しない事から桁の平均質量を想定する。
図13は、杭基礎を有する前記橋梁について上記方法により算出した値およびジャケット基礎を有する前記橋梁の固有振動数、等価質量を表している。
図13によると、ジャケット基礎を有する前記橋梁の固有振動数は2.09Hz、等価質量は6.019kg/m、スクルートン数は60.7である。一方で、杭基礎を有する前記橋梁の固有振動数は0.71Hz、等価荷重は1.126kg/m、スクルートン数は11.3である。
これより、ジャケット基礎を有する前記橋梁は、杭基礎を有する前記橋梁に比べ、固有振動数は約3倍であることがわかる。
同図によると、ジャケット基礎を有する前記橋梁は風速28m/sにて無次元振幅が最大値0.01を示す。一方で、杭基礎を有する前記橋梁は風速10m/sにて無次元振幅が最大値0.116を示し、渦励振が発生していることがわかる。
このように、橋梁の基礎の設計によって耐風安定性を確保することにより、耐風付加部材の設置等の新たな制振対策をすることを必要とせず、コストの縮減を図ることが可能である。
2a ,2b 橋脚
3 支承
4 橋桁
11 鋼管
12 床版
Claims (5)
- 橋桁が渦励振にて振動した際に、橋桁の振動に伴って振動する橋脚を備え、
前記橋桁および前記橋脚を含む振動系全体の振動エネルギーを質量換算した値である等価質量が、前記橋桁の渦励振の発現振幅を、前記橋桁の固有振動数から得られる許容振幅で除した値に、該橋桁の単位長さ当たりの質量の平均質量を乗じた値以上とされている橋梁。 - 前記橋桁は、前記橋脚上にゴム製の支承を介して支持され、
橋軸方向に略直交する前記橋桁の横断面の外形状を包絡する包絡四角形の幅を幅員B、前記橋脚の中心と該橋脚に隣接する橋脚の中心との距離を支間長Lとした場合に、
前記橋梁の等価質量の値が、前記橋桁の平均質量に2.321B/√Lを乗じた値以上とされている請求項1記載の橋梁。 - 前記橋桁は、前記橋脚上に鋼製の支承を介して支持され、
橋軸方向に略直交する前記橋桁の横断面の外形状を包絡する包絡四角形の幅を幅員B、前記橋脚の中心と該橋脚に隣接する橋脚の中心との距離を支間長Lとした場合に、
前記橋梁の等価質量の値が、前記橋桁の平均質量に1.083B/√Lを乗じた値以上とされている請求項1記載の橋梁。 - 前記橋桁は、鋼箱桁断面を有する請求項2および請求項3記載の橋梁。
- 前記橋脚を支持するジャケット基礎またはトラス基礎を備えている請求項1から4のいずれかに記載の橋梁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007000790A JP5271497B2 (ja) | 2007-01-05 | 2007-01-05 | 橋梁 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007000790A JP5271497B2 (ja) | 2007-01-05 | 2007-01-05 | 橋梁 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2008169543A JP2008169543A (ja) | 2008-07-24 |
JP5271497B2 true JP5271497B2 (ja) | 2013-08-21 |
Family
ID=39697889
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007000790A Expired - Fee Related JP5271497B2 (ja) | 2007-01-05 | 2007-01-05 | 橋梁 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5271497B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102261040B (zh) * | 2011-04-28 | 2013-05-22 | 西南交通大学 | 一种高桥墩防风施工装置 |
JP5820618B2 (ja) * | 2011-05-24 | 2015-11-24 | 東日本旅客鉄道株式会社 | 強風時微動を利用した橋脚健全度評価方法 |
JP6390046B2 (ja) * | 2015-07-02 | 2018-09-19 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | 構造物の固有振動数推定方法および構造物の固有振動数推定プログラム |
CN110807222A (zh) * | 2019-11-06 | 2020-02-18 | 苏交科集团股份有限公司 | 一种主梁断面静气动力系数的快速识别方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004011130A (ja) * | 2002-06-03 | 2004-01-15 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | ジャケット構造体およびその施工方法 |
JP2005226419A (ja) * | 2004-02-10 | 2005-08-25 | Shunichiro Hanzawa | 橋梁の耐震安定 |
JP4280208B2 (ja) * | 2004-06-30 | 2009-06-17 | 前田建設工業株式会社 | 高架橋の架替工法 |
-
2007
- 2007-01-05 JP JP2007000790A patent/JP5271497B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2008169543A (ja) | 2008-07-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5271497B2 (ja) | 橋梁 | |
JP2020002610A (ja) | 露出型柱脚構造及び建物 | |
JP5792153B2 (ja) | 制振構造物 | |
WO2011122466A1 (ja) | 吊橋の補剛桁および吊橋の補剛桁の施工方法 | |
JPH0849215A (ja) | 吊橋のケーブル構造 | |
JP2008031735A (ja) | 塔状構造物の制振装置 | |
JP2008175003A (ja) | 壁構造 | |
KR20120127951A (ko) | 폐합구조의 연결부재가 일체로 형성된 프리캐스트 세그먼트 및 이를 이용한 스트레스 리본교의 시공방법 | |
JP2006233591A (ja) | 橋梁における固定支承部の支承構造及び既設橋梁の耐震補強方法 | |
JP5458374B2 (ja) | 制振システム | |
JP6895274B2 (ja) | 床構造 | |
JP5291784B2 (ja) | 橋梁の設計方法 | |
Fiebig | Reduction of vibrations of pedestrian bridges using tuned mass dampers (TMD) | |
JP5619594B2 (ja) | 並列橋の制振構造 | |
JP2001193013A (ja) | 端箱桁橋梁 | |
JP2017139890A (ja) | 発電システム | |
JP6924599B2 (ja) | 床構造 | |
JP2010180609A (ja) | 並列橋 | |
JP2005314921A (ja) | 吊形式の橋梁 | |
JP2635757B2 (ja) | 二重コンクリート床版を有する吊橋の補剛桁 | |
JP2003041806A (ja) | 個材振動の防止構造 | |
JP5316882B2 (ja) | 梁の振動低減機構 | |
JPH01214608A (ja) | 橋梁主塔の渦励振に対する制振方法 | |
JP2014136888A (ja) | 建築構造 | |
Ogawa et al. | Aerodynamic stability of a cable-stayed bridge with girder, tower and cables |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20081225 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100621 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110104 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20110913 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130213 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130513 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |