JP2635757B2 - 二重コンクリート床版を有する吊橋の補剛桁 - Google Patents

二重コンクリート床版を有する吊橋の補剛桁

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JP2635757B2 JP6214089A JP6214089A JP2635757B2 JP 2635757 B2 JP2635757 B2 JP 2635757B2 JP 6214089 A JP6214089 A JP 6214089A JP 6214089 A JP6214089 A JP 6214089A JP 2635757 B2 JP2635757 B2 JP 2635757B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は床版を二重コンクリート床版とした吊橋の補
剛桁に関する。
[従来の技術] 従来の吊橋の補剛桁の床版は、トラス形式、流線形箱
桁形式、プレートガーダ形式のそれぞれの補剛桁に対し
て、以下のそれぞれの各種床版が組み合わされる。
(イ)、トラス形式の補剛桁に対して、 a、Iビーム格子床版(グレーティング) b、鉄筋コンクリート床版 c、鋼床版 d、木材 (ロ)、流線形箱桁形式の補剛桁に対して、 a、鋼床版 b、質量付加方式として、とくにコンクリート床版の付
加 (ハ)、プレートガーダ形式の補剛桁に対して、 a、鉄筋コンクリート床版 b、鋼床版 c、特殊なものとして耐風安定性を向上させるために故
意に厚さを厚くしたコンクリート床版 [発明が解決しようとする課題] トラス形式および流線形箱桁形式に比べて、製作、架
設がプレートガーダ形式の方が経済的である。しかし、
通常のプレートガーダ形式は耐風安定性が劣っている。
すなわち、プレートガーダ形式の補剛桁において、従来
の鉄筋コンクリート床版や鋼床版では耐風性が問題とな
る。耐風安定性を改善するために、上記の如く、重い鉄
筋コンクリート床版とした例があり、重橋床吊橋と称
し、我国にも数橋存在する。しかし、重橋床吊橋にも次
の問題がある。
支間長100m程度の小吊橋ではよいが、長支間となる
と、架設作業中または床版のコンクリート打設が終るま
で、質量比が小さいすなわち全体が軽いことと、横断面
形状が空力的に不良であることとで、不安定となり、風
の影響を極めて受け易いことになる。さらに詳しくは、
空気密度に対する構造物の質量の比は、構造物の軽量化
により小さくなり、相対的に励振空気力が増加し、ま
た、架設中は構造物の可撓性が大きくなり、固有振動数
が低下して、風による各種の不安定な振動が低速風域で
発生しやすくなる。
[課題を解決するための手段] 上記耐風特性上の問題は、本発明によれば、次の二重
コンクリート床版を有する吊橋補剛桁によって、解決さ
れる。すなわち、 鉄筋コンクリートまたはプレストレストコンクリート
からなるプレキャスト下床版と、 下床版の上面に打設されたコンクリート製の上床版
と、 上床版と一体的に連結されたウェブおよび下床版の下
方に配設された横構を有し、ウェブおよび横構は上床版
と下床版とからなる二重コンクリート床版と協仂して擬
似ボックスを構成していることを特徴とする二重コンク
リート床版を有する吊橋の補剛桁。
[作用] 上記本発明の吊橋の補剛桁においては、床版が二重コ
ンクリート床版から成るので床版厚が増大するとともに
重量増加する。また、下床版とコンクリート打設によっ
て一体とされた上床版がプレートガーダのウェブと一体
的に連結されるとともに、横構と協仂して、ウェブ、横
構、二重コンクリート床版が擬似ボックスを構成してい
るので、補剛桁のねじり剛性、曲げ剛性が著しく大とな
る。これらによって、空気密度に対する構造物の質量比
が大となり、相対的に励振空気力が低下し、かつ、剛性
増加の効果によっても、吊橋は風を受けても振動しにく
くなる。
[実施例] 以下に、本発明に係る、二重コンクリート床版を有す
る吊橋の補剛桁の、望ましい実施例を図面を参照して説
明する。
第1図は、吊橋の補剛桁2の長手方向と直交する方向
の半断面を示している。補剛桁2は川の両岸に設けた主
塔間に張り渡した主ケーブル26(第2図参照)からハン
ガー4によって吊られ、両岸に延びる。補剛桁2は鋼製
プレートガーダ6を有し、プレートガーダー6は、縦、
横に延びる縦桁6a、横桁6b、床版受け6cを有する。プレ
ートガーダー6の上面には、鉄筋コンクリートまたはプ
レストレストコンクリートから成るプレキャスト下床版
8が取付けられる。14は高力ボルト等から成る下床版取
付けボルトである。下床版8の取付け後、下床版8の上
に現場打ちにて、鉄筋コンクリート上床版10が打設され
る。かくして、床版は、プレキャスト下床版8と場所打
ち上床版10との二重コンクリート床版12に構成される。
二重コンクリート床版12は、従来の床版より厚いものと
し、全厚の1/3〜1/2程度を下床版8とし、残りを上床版
10とする。上床版の上面のうち車道部分は路面舗装20と
される。下床版8の上面は、後からこの上に打設される
上床版10の付着をよくするような、たとえば凹凸等から
なる、シヤーコネクタ24を有し、また、縦桁6a、床版受
け6c等に取付けボルト14で取付けられる手段が施されて
いる。上床版12のプレートガーダー6に接する部分、す
なわちプレートガーダー6のウェブ6dや床版受け6cに
は、シヤーコネクター16やスタッドジベル等を設けて、
ウェブ6dのシヤーフローを流すようにしてある。プレー
トガーダー6の下方には、ウェブ6d間に、横構18が設け
られ、二重コンクリート床版12とプレートガーダー6の
ウェブ6dと横構18とは、擬似ボックスを構成し、補剛桁
2が大きな剛性を有するようにする。22は耐風安定上の
フェアリング手段である。
第2図から第5図までは、施工順を示している。ま
ず、第2図に示すように、プレートガーダー6から成る
鋼桁を架設する。次に、第3図に示すように、プレキャ
スト下床版8をプレートガーダー6上に載せ、取付けボ
ルト14でプレートガーダー6に締め付ける。ただし、地
上にてプレートガーダー6の一部分長に下床版8を取付
けておき、いわゆるブロック架設することもある。
下床版8は鋼桁(プレートガーター6)単独時に対し
て重みをつけ、補剛桁完成後は、上床版10と、一体とさ
れて活荷重(車両等からの荷重)に対する床版機能の一
部を分担する機能を有する。次に第4図に示すように、
作業台機能としてのプラットホームを組んだり、上床版
10打設のための鉄筋の形枠を組む。続いて、第5図に示
すように、上床版10形成のためのコンクリートを打設
し、上床版10を形成し、路面舗装20を施す。なお、横構
18の形成は、第2図から第5図の何れの時点で行なって
もよい。
[発明の作用・効果] 上記のように構成された吊橋の補剛桁2は、次のよう
な作用、効果を有する。
(1)施工上の観点から見た場合。
(i)鋼桁架設中に、初期の段階(第3図の段階)でプ
レキャスト下床版8を取付けるので、その後の鋼桁作製
の種々の作業を行なうに際し、下床版8が作動台となっ
て、作業が非常に容易となる。これに対し、Iビーム格
子床版やオール鋼床版はこれと同様の機能があるが、大
変高価である。
(ii)下床版8は上床版10のコンクリート打設のための
形枠の機能も果たす。すなわち、下床版8上に鉄筋を組
み立ててコンクリート打設すると、上床版10の形枠が不
要となって、高所作業がなくなり、かつ経済的となる。
(iii)鋼桁架設中、プレートガーダー構造は、前述の
ように、耐風安定性が不良であるが、下床版8による重
量を、鋼桁架設中に、早期から付加できるので、架設系
の桁の曲げとねじれの固有振動数を高くして安定化で
き、また、プレキャスト床版相互、それと縦桁間の内部
摩擦による構造減衰を若干でも大きくすることができ、
低風速域における風の各種の不安定振動の発生を抑える
ことができる。
(iv)補剛桁2にプレートガーダー6を用いるので、鋼
桁系の製作、架設の費用が安くなり、経済的である。
(2)吊橋の剛性の見地から。
吊橋は、その補剛桁自身の曲げ剛性EIにより、その活
荷重や風による変形を拘束する。しかし、その他に死荷
重(吊橋自身の重量等)によるケーブルの大きな水平張
力は、EIと同様に、変形を拘束する作用を増加させる効
果がある。いま、支点長をl、死荷重によるケーブルの
水平張力をHとすると、 EJ=EI+l2/2π・H となる。こでEJは換算曲げ剛性ともいうべきもので、H
が大であると、EJに寄与するところ大である。本発明
は、上床版10と下床版8との合計した重量によりHが大
となるのでEJも大となり、十分な剛性を有することにな
って、剛性のある、活荷重による変形の少ない優れた吊
橋となる。
(3)耐風安定性上の見地から。
耐風安定性をよくするためには、吊橋全体系の剛性を
高め固有振動数を大きくし、さらに減衰性を増すことが
有効であるとされている。本発明による二重コンクリー
ト床版12は、通常の吊橋の床版より著しく重量が大であ
り、それによるケーブルの張力増大は、補剛桁2の曲げ
剛性を大きくしたと同じ効果があることは上記した通り
である。このことは吊橋完成系においてもあてはまり、
大きな重量によって固有振動数が大となることや、二重
コンクリート床版の構造減衰性が大であることなど、す
べて耐風安定性の見地から好ましいものである。
(4)吊構造の耐久性。
ハンガー4、プレートガーダー6、二重コンクリート
床版12、床組など一括して吊構造というが、これは吊橋
に載る重車両通過による直接的な動的な影響が繰返し与
えられることになる。そのため、それらの構造各部は疲
労を受けることになるが、この場合、この活荷重応力の
変動率が小さいほうがよいとされている。本発明の場
合、二重コンクリート床版12の通常より大きい重量によ
って、この変動率が小さくなり、疲労の影響が小さくな
るので、各部の耐久性が優れたものとなる。
(5)二重コンクリート床版の経済性について。
床版を重くすると、ケーブル、塔、アンカレッジの費
用が増加する。しかし、補剛桁2はプレートガーダー6
などの簡単な構造形式であることと、活荷重による曲げ
モーメントが大幅に減少することによって著しく費用は
減少する。この補剛桁2の費用ほ減少は、ケーブル等の
費用の増加を十分に補なって余りあるものである。そこ
で、この二重コンクリート床版12の重量増加つまり床版
全厚を、全体の費用のバランスを勘案した上で決定すれ
ば、経済的な吊橋が得られることになる。これは、他か
らの制約があまりなく、一義的に決定できるので、設計
上有利である。
(6)補剛桁のねじり剛性の増大。
補剛桁2のねじれ剛性は、吊橋の耐風安定に寄与する
ところ大であるとされている。プレートガーダー6のね
じり剛性は非常に小さいが、上床版10とプレートガーダ
ー6のウェブ6dとを剛に結合し、プレートガーダー6の
なるべく下方に設けられた横構18と、つまり二重コンク
リート床版12、ウェブ6d、横構18とで構成される擬似ボ
ックスは、かなり大きいねじり剛性を有することにな
る。したがって、耐風安定性を向上させることになる。
(7)床版との合成による補剛桁の曲げ合成の増大。
二重コンクリート床版12がプレートガーダー6と剛性
されるので、桁の曲げ剛性が著しく大となる。補剛桁6
が正の曲げモーメントで、コンクリートの圧縮応力度は
30Kg/cm2位である。負の曲げモーメントを受ける場合は
引張応力となり具合悪いが、今、考えているようなプレ
ートガーダー形式では、負の曲げモーメントは正の曲げ
モーメントの30%程度となるので10Kg/cm2以下の応力度
となり、十分引張応力にも耐えることができて、安定で
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る、二重コンクリート床
版を有する吊橋の補剛桁の、吊橋長手方向と直交方向に
みた、半断面図、 第2図は第1図の吊橋の建設途中段階における鋼桁架設
段階の吊橋の断面図、 第3図は第2図の鋼桁に下床版を取付けた段階の吊橋の
断面図、 第4図は第3図の段階からさらに下床版上にコンクリー
ト打設用の鉄筋を組んだ状態の吊橋の断面図、 第5図は第4図の段階からさらにコンクリートを打設し
て上床版を形成した状態の吊橋の断面図、である。 2……補剛桁 6……プレートガーダー(鋼製) 6d……ウェブ 8……下床版(鉄筋コンクリート又はプレストレストコ
ンクリート) 10……上床版(現場打ち鉄筋コンクリート) 12……二重コンクリート床版(下床版+上床版) 18……横構(鋼製)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄筋コンクリートまたはプレストレストコ
    ンクリートからなるプレキャスト下床版と、 下床版の上面に打設されたコンクリート製の上床版と、 上床版と一体的に連結された補剛桁ウェブおよび下床版
    の下方に配設された横構を有し、ウェブおよび横構は上
    床版と下床版とからなる二重コンクリート床版と協仂し
    て擬似ボックスを構成している、ことを特徴とする二重
    コンクリート床版を有する吊橋の補剛桁。
JP6214089A 1989-03-16 1989-03-16 二重コンクリート床版を有する吊橋の補剛桁 Expired - Lifetime JP2635757B2 (ja)

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