JP3847604B2 - 床版の打替工法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路橋等の路面を構成する合成桁床版を有する架橋において床版を打ち替える打替工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路橋等の路面を構成するコンクリート製床版には、合成桁床版や非合成桁床版がある。
合成桁は、床版と、この床版を支える鋼製の桁とを一体化したもので、走行する車両からの活荷重に抵抗する構造とされており、非合成桁は、桁自体の強度のみでも、車両からの活荷重に耐え得る構造とされている。
そして、近年では、道路橋等の路面を構成するコンクリート製床版の老朽化に伴い、既設の床版を除去し、新たな床版を架設する床版の打替工事が多く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、道路橋等における床版の打替工事では、全面通行止めを行って一括施工することが困難であるため、幅員方向を分割して、通行車両を片側交互通行などに規制して施工を行わなければならなかった。
しかしながら、合成桁床版を有する道路橋の場合、このように片側ずつ床版を除去して床版を打ち替える際に、除去した床版下の桁が非合成状態となるため、この桁の近くに車両を通すと桁が車両荷重に耐えられず座屈してしまう恐れがあった。
このため、このような合成桁床版における打替時には、桁の座屈を防ぐために、桁下面にベントを設けて支持することが行われているが、河川に架けられる橋梁等にあっては、河川、渓谷に架かる橋では、川底や谷が深い、水量が多い等の理由によりベントの設置が困難な場合や、跨線橋、跨道橋などでは桁下面を利用できないため、ベントの設置は不可能は場合が多かった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、桁に座屈等を生じさせることなく、極めて容易に、道路橋等を構成する合成桁床版を打ち替えることが可能な床版の打替工法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の床版の打替工法は、軸方向に沿って配設された複数の桁と床版とが一体化された合成桁床版を有する架橋において、前記床版を片側ずつ打ち替えることにより片側における交通を確保しつつ前記床版を打ち替える床版の打替工法であって、既設の前記床版を除去する際に、前記桁の軸方向略中央における下方に、ジャッキによって下方へ突出する緊張機構部を取り付け、前記桁の軸方向両端部近傍における下方に、定着部を設け、前記緊張機構部の下端部と前記定着部とを、鋼棒によって連結し、前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させてジャッキと前記桁下面を接触させ、各接点部の遊びが無い状態にすることにより、桁と緊張機構部および鋼棒とを一体構造とさせて、前記桁を補強することを特徴としている。
【0006】
つまり、床版を除去する際に、ジャッキを伸長させることにより、緊張機構部の下端と桁の両端部近傍における下方の定着部とに連結された鋼棒を緊張させると、この鋼棒と緊張機構部とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、桁をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版上を走行する車両による活荷重による桁の発生応力を低減し、たわみを減少できるが、この状態で桁に発生する応力度が許容応力度を超過する場合はさらにジャッキを伸長し桁に外力と逆のモーメントと軸力を与え桁の応力度を減少させ、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
また、ジャッキを伸長させて鋼棒との連結部分を桁から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、ベンドによるジャッキアップで桁の支点が浮き上がることもなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0007】
請求項2記載の床版の打替工法は、請求項1記載の床版の打替工法において、前記鋼棒に、長さ調整機構を設け、前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させる前に、前記長さ調整機構によって前記鋼棒を収縮しておくことを特徴としている。
【0008】
すなわち、緊張機構と桁の定着部とのそれぞれの接点と鋼棒を先に連結し、鋼棒の長さ調整機構により各鋼棒の連結長さを調整する。この方法により遊びが無くなり、各鋼棒を良好なバランスにて緊張させることができる。
【0009】
請求項3記載の床版の打替工法は、請求項1または請求項2記載の床版の打替工法において、前記桁上に新たに床版を敷設し、前記桁と合成させる前に、前記定着部に渡したPC鋼線を緊張させながら、前記緊張機構部の緊張力を抜き、徐々に桁に入れるプレロードをPC鋼線に入れ替え、完了後、桁と床版を合成させプレロード効果を完了後も持続させることを特徴としている。
【0010】
このように、桁に床版を一体化させる前にPC鋼線に緊張させ、桁にプレストレスを導入した後、床版と合成させることにより桁にはプレストレスが入り、外力により桁に発生する応力度を減少させる。もしも合成後にPC鋼線を緊張させると、発生するプレストレスは床版に対して引張り力として働くため有害だが、合成前に導入しているため、床版には発生しない。以上の効果により、床版の耐荷力を損なわず橋梁の耐荷力を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例の床版の打替工法を図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、道路橋(架橋)である。この道路橋1は、両側部に、高欄部2が立設された合成桁床版3を有している。
この合成桁床版3は、両側部における下方に設けられた外桁部4及び中央部における下方に設けられた中桁部5の上部に、床版6が一体的に設けられた構造とされている。
ここで、この合成桁床版3を有する道路橋1の床版6を打ち替える場合、片側車線の通行を確保しなければならないときには、片側車線のみ車両を通行させながら床版6の中央部付近、中桁部5の上フランジ側面に沿って、床版6を橋軸方向に切断し、片車線ずつ打ち替える。
【0012】
上記のように、片側車線での交通を確保しつつ床版6の打ち替えを行う場合、図2に示すように、床版6の最初に取り除く車線側における中桁部5近傍に、支持桁10を設置するとともに、中桁部5に、桁補強機構11を設置し、床版6をその中央付近のカッターラインLにて、軸方向へ切断する。
この桁補強機構11は、片側床版を打替え、交通を切り回し残りの床版打替え時中桁部5真上の床版を撤去する。その時中桁部5を補強するものである。
【0013】
つまり、この種の合成桁床版3にあっては、外桁部4及び中桁部5と床版6とが一体化されて強度が確保されるものであり、したがって、中桁部5上の床版6を撤去すると、中桁部5は非合成状態となり、強度が合成状態に比べ大幅に低下してしまう。このため、片側ずつ床版6を打ち替える場合、その強度を補う目的で、前述した桁補強機構11が必要になる。
【0014】
また、支持桁10は、床版6を切断した際に、床版6が脱落しないように支持するものであり、打替え完了後、状況に応じて撤去する場合としない場合がある。
【0015】
ここで、桁補強機構11について詳述する。
図3に示すように、桁補強機構11は、中桁部5の軸方向中央部における下面に設けられた緊張機構部12と、中桁部5の軸方向両端部における下面に設けられた定着部13と、これら定着部13と緊張機構部12とに架け渡された緊張材14とから構成されている。
【0016】
緊張機構部12は、図4及び図5に示すように、中桁部5の下面に固定される支持柱21と、この支持柱21の先端部に設けられて前記緊張材14が連結される連結固定部22とを有しており、支持柱21には、連結固定部22を、下方へ突出させるジャッキ23が設けられている。
連結固定部22には、両端に、孔部24を有する互いに対向させて配置された一対の連結板25からなる連結部26が設けられている。
【0017】
定着部13は、図6に示すように、中桁部5の下面に固定された固定板31と、この固定板31の両側部に設けられて互いに対向させて配置された定着板32とを有しており、この定着板32は、その一端側が、孔部33を有する連結部34とされている。
また、この定着部13には、その後端側に、挿通孔35が形成されたPC鋼線定着板部36が設けられており、このPC鋼線定着板部36に、PC鋼線37が挿通されるようになっている。
【0018】
緊張材14は、中間部に、長さ調整機構41を有する一対の鋼棒14aからなるもので、その両端部には、図7に示すように、連結孔42を有する定着部材43が設けられている。
この定着部材43は、緊張機構部12を構成する連結固定部22の連結部26及び定着部13の連結板25同士の間及び定着板32同士の間に配置されるようになっている。そして、このように定着部材43を連結板25同士の間及び定着板32同士の間に配置させると、この定着部材43の連通孔42がそれぞれの孔部24、33と連通され、この状態にて、図示しない連結ピンを挿通させることにより、緊張材14の両端が、緊張機構部12及び定着部13にそれぞれ連結されるようになっている。
【0019】
また、鋼棒14aは転造によりネジをつけるため、逆ネジは難しい。したがって、長さ調整機構41は、鋼板で作ったボックスの両側に鋼棒14aを通す穴をあけ、これら穴にそれぞれの鋼棒14aの先端を入れ、ボックスのフランジを利用し、ナットを介して鋼棒14aの先端を固定する構造となっている。そして、ネジ長さを長くしておくことで、長さ調整が可能となっている。
【0020】
また、中桁部5には、その下面に沿ってPC鋼線37が設けられており、このPC鋼線37の両端が、中桁部5の軸方向両端部に設けられた定着部13に定着固定されるようになっている。
なお、中桁部5には、その下面側に、軸方向へ沿って間隔をあけて防振装置52が設けられており、この防振装置52に、PC鋼線37が支持されて、PC鋼線37が振れないようにされている。
【0021】
次に、上記構造の桁補強機構11を用いて道路橋1の床版6を打ち替える場合について、その手順に沿って説明する。
(1)片側車線での交通を確保しつつ床版6の打ち替えを行う場合、前述したように、まず、図2に示したように、床版6の最初に取り除く車線側における中桁部5近傍に、支持桁10を設置するとともに、中桁部5に、桁補強機構11を設置し、この桁補強機構11によって中桁部5の補強を行う。
【0022】
ここで、この桁補強機構11によって中桁部5の補強を行うには、まず、桁補強機構11の鋼棒14aからなる緊張材14を、長さ調整機構41によってある程度緊張させておき、この状態にて、緊張機構部12のジャッキ23を伸長させる。
【0023】
このようにすると、緊張機構部12の連結固定部22が下方へ突出されることとなり、この連結固定部22の連結部26と定着部13の連結部34に連結された緊張材14が緊張され、これにより、中桁部5と桁補強機構11とが一体となる。中桁部5が受ける外力は緊張機構部12を通して鋼棒に伝わり、中桁部5のたわみを減少させ、中桁部5に発生する外力による応力度を軽減させる。
この補強効果でも発生応力度が許容応力度を超過する場合は、ジャッキ23をさらに伸長させ、中桁部5を上方に反らせ、中桁部5にプレ応力を発生させる。この応力は外力による応力と反対方向であるため打ち消し合う。
この効果は前記効果に加わり補強効果を向上させる。
これらの効果により、中桁部5が非合成状態であっても、残された床版6で車両を通すことにより発生する活加重を含む外力に耐え得ることが可能となる。
【0024】
なお、緊張機構部12のジャッキ23を伸長させて中桁部5の下面を押し上げる際には、中桁部5と支持柱21との間に設けた荷重計51の検出結果を見ながら行い、適切な圧縮力が導入されるようにする。
【0025】
(2)次いで、床版6をその中央付近のカッターラインLにて、軸方向へ切断し、床版6の片側車線を確保しつつ、床版6の一側部側を除去する。
【0026】
(3)床版6の一側部側を除去したら、図8に示すように、この一側部側にプレキャスト床版等の新たな床版61を敷設する。
ここで、桁補強機構11の緊張機構部12のジャッキ23を進退させて、緊張材14による緊張力を調整することにより、中桁部5の高さ位置を、新設した床版61の高さに容易に合わせることもできる。
【0027】
(4)上記のように、一側部側に新設の床版61を設置したら、図9に示すように、この新設の床版61上にて、車両の通行を確保しつつ、残された既設の床版6を撤去し、新たな床版61を敷設する。
【0028】
(5)床版6全て敷設した後、中桁部5にセットされたPC鋼線37を定着部13の片側に図示しないジャッキにより緊張させ、中桁部5にプレストレスを導入する。
同時に、桁補強機構11の緊張機構部12のジャッキ23を収縮させて、緊張材14の緊張を解除し、この緊張材14の両端部を連結部26、34に連結している連結ピンを取り外し、緊張材14を撤去する。
【0029】
(6)その後、図10に示すように、中桁部5の下面に設置した桁補強機構11の緊張機構部12を取り外す。
【0030】
このように、上記の床版の打替工法によれば、床版6を除去する際に、ジャッキ23を伸長させることにより、緊張機構部12の下端と中桁部5の両端部近傍における下方の定着部13とに連結された鋼棒14aからなる緊張材14を緊張させると、この緊張材14と緊張機構部12とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、中桁部5をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版6上を走行する車両による活荷重による中桁部5の発生応力を低減し、たわみを減少させることができ、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
【0031】
また、ジャッキ23を伸長させて緊張材14との連結部分を中桁部5から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、ジャッキアップによる中桁部5の支承部が浮き上がるなどの不具合もなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0032】
桁補強機構11は桁下に搬入して取り付けるため、多くの作業が人力になる。したがって、部材の重量は軽い方がよく、鋼棒も径を細くし、本数を多くした。多くすると、設置長さの誤差により力が均一に伝達できなくなるため、鋼棒を定着部13と緊張機構部12の間で分割し、長さ調整機構41を取り付けることにした。桁補強機構11を設置後、鋼棒の長さ調整機構41で調整し、遊びのない状態にする。この方法により鋼棒をバランスよく緊張させることができる。
【0033】
さらには、中桁部5と新たな床版61を敷設後、中桁部5上の目地コンクリート打設前に中桁部5にPC鋼線によりプレストレスを導入する。その後、床版61と中桁部5を合成するため、目地コンクリートを打設する。この方法により床版61の耐久性を落とすこと無しに、橋梁の耐荷力をアップできる。
【0034】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の床版の打替工法によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載の床版の打替工法によれば、床版を除去する際に、ジャッキを伸長させることにより、緊張機構部の下端と桁の両端部近傍における下方の定着部とに連結された鋼棒を緊張させると、この鋼棒と緊張機構部とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、桁をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版上を走行する車両による活荷重による桁の発生応力を低減し、たわみを減少させることができ、さらにジャッキを伸長させることにより、桁にプレロードを導入でき、活荷重を含む外力により発生する応力を減少できるため、これらの効果により、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
また、ジャッキを伸長させて鋼棒との連結部分を桁から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、桁の浮き上がりなどの不具合もなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0035】
請求項2記載の床版の打替工法によれば、緊張機構と桁の定着部とのそれぞれの接点と鋼棒を先に連結し、鋼棒の長さ調整機構により各鋼棒の連結長さを調整する。この方法により遊びが無くなり、各鋼棒を良好なバランスにて緊張させることができる。
【0036】
請求項3記載の床版の打替工法によれば、中桁部と新たな床版を敷設後、中桁部上の目地コンクリート打設前に中桁部にPC鋼線によりプレストレスを導入し、その後、床版と中桁部を合成するために、目地コンクリートを打設する。この方法を導入することにより床版の耐久性を落とすこと無しに、橋梁の耐荷力をアップできる。
桁に床版を一体化させた後に、定着部同士の間にPC鋼線を緊張させて新たな床版にプレストレスを導入するので、新設の床版における耐活荷重性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例の床版の打替工法が適応される合成桁床版を有する道路橋の断面図である。
【図2】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図3】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構が施された中桁部の側面図である。
【図4】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構が施された中桁部の断面図である。
【図5】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の緊張機構部の側面図である。
【図6】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の定着部の正面図である。
【図7】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の緊張材の端部における側面図である。
【図8】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図9】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図10】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【符号の説明】
1 道路橋(架橋)
3 合成桁床版
5 中桁部(桁)
6 床版
12 緊張機構部
13 定着部
14 緊張材(鋼棒)
14a 鋼棒
23 ジャッキ
37 PC鋼線
41 長さ調整機構
61 床版
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路橋等の路面を構成する合成桁床版を有する架橋において床版を打ち替える打替工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、道路橋等の路面を構成するコンクリート製床版には、合成桁床版や非合成桁床版がある。
合成桁は、床版と、この床版を支える鋼製の桁とを一体化したもので、走行する車両からの活荷重に抵抗する構造とされており、非合成桁は、桁自体の強度のみでも、車両からの活荷重に耐え得る構造とされている。
そして、近年では、道路橋等の路面を構成するコンクリート製床版の老朽化に伴い、既設の床版を除去し、新たな床版を架設する床版の打替工事が多く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、道路橋等における床版の打替工事では、全面通行止めを行って一括施工することが困難であるため、幅員方向を分割して、通行車両を片側交互通行などに規制して施工を行わなければならなかった。
しかしながら、合成桁床版を有する道路橋の場合、このように片側ずつ床版を除去して床版を打ち替える際に、除去した床版下の桁が非合成状態となるため、この桁の近くに車両を通すと桁が車両荷重に耐えられず座屈してしまう恐れがあった。
このため、このような合成桁床版における打替時には、桁の座屈を防ぐために、桁下面にベントを設けて支持することが行われているが、河川に架けられる橋梁等にあっては、河川、渓谷に架かる橋では、川底や谷が深い、水量が多い等の理由によりベントの設置が困難な場合や、跨線橋、跨道橋などでは桁下面を利用できないため、ベントの設置は不可能は場合が多かった。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、桁に座屈等を生じさせることなく、極めて容易に、道路橋等を構成する合成桁床版を打ち替えることが可能な床版の打替工法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の床版の打替工法は、軸方向に沿って配設された複数の桁と床版とが一体化された合成桁床版を有する架橋において、前記床版を片側ずつ打ち替えることにより片側における交通を確保しつつ前記床版を打ち替える床版の打替工法であって、既設の前記床版を除去する際に、前記桁の軸方向略中央における下方に、ジャッキによって下方へ突出する緊張機構部を取り付け、前記桁の軸方向両端部近傍における下方に、定着部を設け、前記緊張機構部の下端部と前記定着部とを、鋼棒によって連結し、前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させてジャッキと前記桁下面を接触させ、各接点部の遊びが無い状態にすることにより、桁と緊張機構部および鋼棒とを一体構造とさせて、前記桁を補強することを特徴としている。
【0006】
つまり、床版を除去する際に、ジャッキを伸長させることにより、緊張機構部の下端と桁の両端部近傍における下方の定着部とに連結された鋼棒を緊張させると、この鋼棒と緊張機構部とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、桁をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版上を走行する車両による活荷重による桁の発生応力を低減し、たわみを減少できるが、この状態で桁に発生する応力度が許容応力度を超過する場合はさらにジャッキを伸長し桁に外力と逆のモーメントと軸力を与え桁の応力度を減少させ、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
また、ジャッキを伸長させて鋼棒との連結部分を桁から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、ベンドによるジャッキアップで桁の支点が浮き上がることもなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0007】
請求項2記載の床版の打替工法は、請求項1記載の床版の打替工法において、前記鋼棒に、長さ調整機構を設け、前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させる前に、前記長さ調整機構によって前記鋼棒を収縮しておくことを特徴としている。
【0008】
すなわち、緊張機構と桁の定着部とのそれぞれの接点と鋼棒を先に連結し、鋼棒の長さ調整機構により各鋼棒の連結長さを調整する。この方法により遊びが無くなり、各鋼棒を良好なバランスにて緊張させることができる。
【0009】
請求項3記載の床版の打替工法は、請求項1または請求項2記載の床版の打替工法において、前記桁上に新たに床版を敷設し、前記桁と合成させる前に、前記定着部に渡したPC鋼線を緊張させながら、前記緊張機構部の緊張力を抜き、徐々に桁に入れるプレロードをPC鋼線に入れ替え、完了後、桁と床版を合成させプレロード効果を完了後も持続させることを特徴としている。
【0010】
このように、桁に床版を一体化させる前にPC鋼線に緊張させ、桁にプレストレスを導入した後、床版と合成させることにより桁にはプレストレスが入り、外力により桁に発生する応力度を減少させる。もしも合成後にPC鋼線を緊張させると、発生するプレストレスは床版に対して引張り力として働くため有害だが、合成前に導入しているため、床版には発生しない。以上の効果により、床版の耐荷力を損なわず橋梁の耐荷力を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例の床版の打替工法を図面を参照して説明する。
図1において、符号1は、道路橋(架橋)である。この道路橋1は、両側部に、高欄部2が立設された合成桁床版3を有している。
この合成桁床版3は、両側部における下方に設けられた外桁部4及び中央部における下方に設けられた中桁部5の上部に、床版6が一体的に設けられた構造とされている。
ここで、この合成桁床版3を有する道路橋1の床版6を打ち替える場合、片側車線の通行を確保しなければならないときには、片側車線のみ車両を通行させながら床版6の中央部付近、中桁部5の上フランジ側面に沿って、床版6を橋軸方向に切断し、片車線ずつ打ち替える。
【0012】
上記のように、片側車線での交通を確保しつつ床版6の打ち替えを行う場合、図2に示すように、床版6の最初に取り除く車線側における中桁部5近傍に、支持桁10を設置するとともに、中桁部5に、桁補強機構11を設置し、床版6をその中央付近のカッターラインLにて、軸方向へ切断する。
この桁補強機構11は、片側床版を打替え、交通を切り回し残りの床版打替え時中桁部5真上の床版を撤去する。その時中桁部5を補強するものである。
【0013】
つまり、この種の合成桁床版3にあっては、外桁部4及び中桁部5と床版6とが一体化されて強度が確保されるものであり、したがって、中桁部5上の床版6を撤去すると、中桁部5は非合成状態となり、強度が合成状態に比べ大幅に低下してしまう。このため、片側ずつ床版6を打ち替える場合、その強度を補う目的で、前述した桁補強機構11が必要になる。
【0014】
また、支持桁10は、床版6を切断した際に、床版6が脱落しないように支持するものであり、打替え完了後、状況に応じて撤去する場合としない場合がある。
【0015】
ここで、桁補強機構11について詳述する。
図3に示すように、桁補強機構11は、中桁部5の軸方向中央部における下面に設けられた緊張機構部12と、中桁部5の軸方向両端部における下面に設けられた定着部13と、これら定着部13と緊張機構部12とに架け渡された緊張材14とから構成されている。
【0016】
緊張機構部12は、図4及び図5に示すように、中桁部5の下面に固定される支持柱21と、この支持柱21の先端部に設けられて前記緊張材14が連結される連結固定部22とを有しており、支持柱21には、連結固定部22を、下方へ突出させるジャッキ23が設けられている。
連結固定部22には、両端に、孔部24を有する互いに対向させて配置された一対の連結板25からなる連結部26が設けられている。
【0017】
定着部13は、図6に示すように、中桁部5の下面に固定された固定板31と、この固定板31の両側部に設けられて互いに対向させて配置された定着板32とを有しており、この定着板32は、その一端側が、孔部33を有する連結部34とされている。
また、この定着部13には、その後端側に、挿通孔35が形成されたPC鋼線定着板部36が設けられており、このPC鋼線定着板部36に、PC鋼線37が挿通されるようになっている。
【0018】
緊張材14は、中間部に、長さ調整機構41を有する一対の鋼棒14aからなるもので、その両端部には、図7に示すように、連結孔42を有する定着部材43が設けられている。
この定着部材43は、緊張機構部12を構成する連結固定部22の連結部26及び定着部13の連結板25同士の間及び定着板32同士の間に配置されるようになっている。そして、このように定着部材43を連結板25同士の間及び定着板32同士の間に配置させると、この定着部材43の連通孔42がそれぞれの孔部24、33と連通され、この状態にて、図示しない連結ピンを挿通させることにより、緊張材14の両端が、緊張機構部12及び定着部13にそれぞれ連結されるようになっている。
【0019】
また、鋼棒14aは転造によりネジをつけるため、逆ネジは難しい。したがって、長さ調整機構41は、鋼板で作ったボックスの両側に鋼棒14aを通す穴をあけ、これら穴にそれぞれの鋼棒14aの先端を入れ、ボックスのフランジを利用し、ナットを介して鋼棒14aの先端を固定する構造となっている。そして、ネジ長さを長くしておくことで、長さ調整が可能となっている。
【0020】
また、中桁部5には、その下面に沿ってPC鋼線37が設けられており、このPC鋼線37の両端が、中桁部5の軸方向両端部に設けられた定着部13に定着固定されるようになっている。
なお、中桁部5には、その下面側に、軸方向へ沿って間隔をあけて防振装置52が設けられており、この防振装置52に、PC鋼線37が支持されて、PC鋼線37が振れないようにされている。
【0021】
次に、上記構造の桁補強機構11を用いて道路橋1の床版6を打ち替える場合について、その手順に沿って説明する。
(1)片側車線での交通を確保しつつ床版6の打ち替えを行う場合、前述したように、まず、図2に示したように、床版6の最初に取り除く車線側における中桁部5近傍に、支持桁10を設置するとともに、中桁部5に、桁補強機構11を設置し、この桁補強機構11によって中桁部5の補強を行う。
【0022】
ここで、この桁補強機構11によって中桁部5の補強を行うには、まず、桁補強機構11の鋼棒14aからなる緊張材14を、長さ調整機構41によってある程度緊張させておき、この状態にて、緊張機構部12のジャッキ23を伸長させる。
【0023】
このようにすると、緊張機構部12の連結固定部22が下方へ突出されることとなり、この連結固定部22の連結部26と定着部13の連結部34に連結された緊張材14が緊張され、これにより、中桁部5と桁補強機構11とが一体となる。中桁部5が受ける外力は緊張機構部12を通して鋼棒に伝わり、中桁部5のたわみを減少させ、中桁部5に発生する外力による応力度を軽減させる。
この補強効果でも発生応力度が許容応力度を超過する場合は、ジャッキ23をさらに伸長させ、中桁部5を上方に反らせ、中桁部5にプレ応力を発生させる。この応力は外力による応力と反対方向であるため打ち消し合う。
この効果は前記効果に加わり補強効果を向上させる。
これらの効果により、中桁部5が非合成状態であっても、残された床版6で車両を通すことにより発生する活加重を含む外力に耐え得ることが可能となる。
【0024】
なお、緊張機構部12のジャッキ23を伸長させて中桁部5の下面を押し上げる際には、中桁部5と支持柱21との間に設けた荷重計51の検出結果を見ながら行い、適切な圧縮力が導入されるようにする。
【0025】
(2)次いで、床版6をその中央付近のカッターラインLにて、軸方向へ切断し、床版6の片側車線を確保しつつ、床版6の一側部側を除去する。
【0026】
(3)床版6の一側部側を除去したら、図8に示すように、この一側部側にプレキャスト床版等の新たな床版61を敷設する。
ここで、桁補強機構11の緊張機構部12のジャッキ23を進退させて、緊張材14による緊張力を調整することにより、中桁部5の高さ位置を、新設した床版61の高さに容易に合わせることもできる。
【0027】
(4)上記のように、一側部側に新設の床版61を設置したら、図9に示すように、この新設の床版61上にて、車両の通行を確保しつつ、残された既設の床版6を撤去し、新たな床版61を敷設する。
【0028】
(5)床版6全て敷設した後、中桁部5にセットされたPC鋼線37を定着部13の片側に図示しないジャッキにより緊張させ、中桁部5にプレストレスを導入する。
同時に、桁補強機構11の緊張機構部12のジャッキ23を収縮させて、緊張材14の緊張を解除し、この緊張材14の両端部を連結部26、34に連結している連結ピンを取り外し、緊張材14を撤去する。
【0029】
(6)その後、図10に示すように、中桁部5の下面に設置した桁補強機構11の緊張機構部12を取り外す。
【0030】
このように、上記の床版の打替工法によれば、床版6を除去する際に、ジャッキ23を伸長させることにより、緊張機構部12の下端と中桁部5の両端部近傍における下方の定着部13とに連結された鋼棒14aからなる緊張材14を緊張させると、この緊張材14と緊張機構部12とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、中桁部5をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版6上を走行する車両による活荷重による中桁部5の発生応力を低減し、たわみを減少させることができ、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
【0031】
また、ジャッキ23を伸長させて緊張材14との連結部分を中桁部5から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、ジャッキアップによる中桁部5の支承部が浮き上がるなどの不具合もなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0032】
桁補強機構11は桁下に搬入して取り付けるため、多くの作業が人力になる。したがって、部材の重量は軽い方がよく、鋼棒も径を細くし、本数を多くした。多くすると、設置長さの誤差により力が均一に伝達できなくなるため、鋼棒を定着部13と緊張機構部12の間で分割し、長さ調整機構41を取り付けることにした。桁補強機構11を設置後、鋼棒の長さ調整機構41で調整し、遊びのない状態にする。この方法により鋼棒をバランスよく緊張させることができる。
【0033】
さらには、中桁部5と新たな床版61を敷設後、中桁部5上の目地コンクリート打設前に中桁部5にPC鋼線によりプレストレスを導入する。その後、床版61と中桁部5を合成するため、目地コンクリートを打設する。この方法により床版61の耐久性を落とすこと無しに、橋梁の耐荷力をアップできる。
【0034】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明の床版の打替工法によれば、下記の効果を得ることができる。
請求項1記載の床版の打替工法によれば、床版を除去する際に、ジャッキを伸長させることにより、緊張機構部の下端と桁の両端部近傍における下方の定着部とに連結された鋼棒を緊張させると、この鋼棒と緊張機構部とによってトラス構造の補強材が施された状態となり、桁をベントによって支持したときと同様に確実に補強して、片側の床版上を走行する車両による活荷重による桁の発生応力を低減し、たわみを減少させることができ、さらにジャッキを伸長させることにより、桁にプレロードを導入でき、活荷重を含む外力により発生する応力を減少できるため、これらの効果により、座屈を生じさせることなく、活荷重に耐え得る状態にて施工を行うことができる。
また、ジャッキを伸長させて鋼棒との連結部分を桁から離れる方向へ突出させるので、小さな力にて十分な補強力を確保することができる。
さらに、川底などの地表からベントを立設させる場合のように、下面側にて障害物となることもなく、また、桁の浮き上がりなどの不具合もなく、しかも、ベントを立設するための基礎なども不要であり、工事費の大幅な削減を図ることができる。
【0035】
請求項2記載の床版の打替工法によれば、緊張機構と桁の定着部とのそれぞれの接点と鋼棒を先に連結し、鋼棒の長さ調整機構により各鋼棒の連結長さを調整する。この方法により遊びが無くなり、各鋼棒を良好なバランスにて緊張させることができる。
【0036】
請求項3記載の床版の打替工法によれば、中桁部と新たな床版を敷設後、中桁部上の目地コンクリート打設前に中桁部にPC鋼線によりプレストレスを導入し、その後、床版と中桁部を合成するために、目地コンクリートを打設する。この方法を導入することにより床版の耐久性を落とすこと無しに、橋梁の耐荷力をアップできる。
桁に床版を一体化させた後に、定着部同士の間にPC鋼線を緊張させて新たな床版にプレストレスを導入するので、新設の床版における耐活荷重性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例の床版の打替工法が適応される合成桁床版を有する道路橋の断面図である。
【図2】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図3】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構が施された中桁部の側面図である。
【図4】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構が施された中桁部の断面図である。
【図5】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の緊張機構部の側面図である。
【図6】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の定着部の正面図である。
【図7】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する桁補強機構の緊張材の端部における側面図である。
【図8】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図9】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【図10】 本発明の実施形態例の床版の打替工法を説明する道路橋の断面図である。
【符号の説明】
1 道路橋(架橋)
3 合成桁床版
5 中桁部(桁)
6 床版
12 緊張機構部
13 定着部
14 緊張材(鋼棒)
14a 鋼棒
23 ジャッキ
37 PC鋼線
41 長さ調整機構
61 床版
Claims (3)
- 軸方向に沿って配設された複数の桁と床版とが一体化された合成桁床版を有する架橋において、前記床版を片側ずつ打ち替えることにより片側における交通を確保しつつ前記床版を打ち替える床版の打替工法であって、
既設の前記床版を除去する際に、
前記桁の軸方向略中央における下方に、ジャッキによって下方へ突出する緊張機構部を取り付け、
前記桁の軸方向両端部近傍における下方に、定着部を設け、
前記緊張機構部の下端部と前記定着部とを、鋼棒によって連結し、
前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させてジャッキと前記桁下面を接触させ、各接点部の遊びが無い状態にすることにより、桁と緊張機構部および鋼棒とを一体構造とさせて、前記桁を補強することを特徴とする床版の打替工法。 - 前記鋼棒に、長さ調整機構を設け、前記ジャッキによって前記緊張機構部を伸長させる前に、前記長さ調整機構によって前記鋼棒を収縮しておくことを特徴とする請求項1記載の床版の打替工法。
- 前記桁上に新たに床版を敷設し、前記桁と合成させる前に、前記定着部に渡したPC鋼線を緊張させながら、前記緊張機構部の緊張力を抜き、徐々に桁に入れるプレロードをPC鋼線に入れ替え、完了後、桁と床版を合成させプレロード効果を完了後も持続させることを特徴とする請求項1または請求項2記載の床版の打替工法。
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