JP2005090115A - 小梁による既設床版の補強工法 - Google Patents

小梁による既設床版の補強工法 Download PDF

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Abstract

【課題】 施工に伴って交通規制等の必要がなく、死荷重の増加が少なく、かつ床版の維持管理が容易な小梁による既設床版の補強工法を提供すること。
【解決手段】 既設床版下面の小梁設置位置にコンクリートとの付着性を確保するための前処理を行う前処理工程と、前記前処理工程で前処理を行った床版部分に既設構造物との連続性を確保しつつ鉄筋、補強材、セパレータ等を配置するとともに、側枠、底枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠内にコンクリートを充填する小梁形成工程とから成るので、施工に伴って交通規制等の必要がなく、死荷重の増加が少なく、かつ床版の維持管理が容易である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、戦後急激な社会復興とともに多数架設された、鉄筋コンクリート橋梁、プレストレスコンクリート橋梁、鋼製橋梁の補強工法に関するものである。
戦後、急速に橋梁整備された多くの橋梁は、架設当時の車輌も小さく交通量の少ない時代から、急速なモーターリゼーションの発達によって、車輌が大型化するとともに交通量の増大に伴って、建設当時には予想もしなかった重交通に晒されている。このため、橋梁の疲労損傷やその他に外力による劣化が顕在化しており、特に荷重を直接受けるコンクリート床版の損傷が著しい。また、一部の橋梁では床版の抜け落ちも生じており、重大な事故に繋がる可能性を有している。
一般に、既設コンクリート床版の劣化は、橋軸直角方向のひび割れ発生→橋軸のひび割れ発生(格子状ひび割れ)→ひび割れ幅の拡大と本数増加→抜け落ち(破壊)という過程をたどる。
従来の補強工法としては、例えば、床版下面に板状の補強材を貼りつける工法や、床版の下面や上面にコンクリートを増し打ちして床版厚を増すという工法が提案されている。また、根本的な解決工法として、劣化した床版をはつり、あるいは撤去して、新たなコンクリート床版に打ち替える(あるいは置き換える)工法も提案されている。
しかし、上記従来の補強工法において、床版の打ち替え工法や、上面増厚工法は、施工時に一時的な橋面交通の規制(通行止め)を必要とする。また、床版劣化を生じるのは比較的交通量が多い橋梁であるため、現実には交通規制が難しいことが多い。
また、床版の下面増厚工法は、橋面交通を規制する必要がないものの、全面的に床版厚を増して剛性を確保する関係上、比較的大きな死荷重の増加が避けられない。また、補強材料として、鋼板や炭素繊維が用いられる場合、床版と補強材の一体化は樹脂接着によって行われる。この場合、死荷重の増加もほとんどない。床版下面に板状の補強材を貼りつける工法では、橋面交通を規制する必要がない。しかし、全面に補強材を貼りつけた場合は床版が見えないため、維持管理が困難である。また、樹脂接着のため、漏水がある場合は、樹脂が膨潤して接着力が失われることもある。また、補強材の上に水が溜まると床版の劣化を加速する。更に近年、格子状に補強材を貼りつける工法も用いられるが、樹脂劣化の問題は解決されていないと云う欠点が存在した。
この発明は上記に鑑み提案されたもので、施工に伴って交通規制等の必要がなく、死荷重の増加が少なく、かつ床版の維持管理が容易な小梁による既設床版の補強工法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、既設床版下面の小梁設置位置にコンクリートとの付着性を確保するための前処理を行う前処理工程と、前記前処理工程で前処理を行った床版部分に既設構造物との連続性を確保しつつ鉄筋、補強材、セパレータ等を配置するとともに、側枠、底枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠内にコンクリートを充填する小梁形成工程とから成ることを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明において、前記小梁形成工程は小梁を主桁と平行な縦方向に形成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明において、前記小梁形成工程は小梁を主桁と垂直な横方向に形成することを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明において、前記小梁形成工程は小梁を主桁と平行な縦方向と主桁と垂直な横方向に形成することを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明は、前記小梁形成工程において小梁にプレストレスを付与することを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明は、前記小梁形成工程において、小梁を形成する前にプレテンションを加えた状態で小梁を形成することを特徴としている。
また、請求項7に記載の発明は、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後にポストテンションを加えることを特徴としている。
また、請求項8に記載の発明は、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁を挟んだ主桁間に横締めプレストレスを付与することを特徴としている。
また、請求項9に記載の発明は、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁部にデビエータを構築し、該デビエータを介してポストテンションを加え、横締めプレストレスと鉛直分力を既設床版に付与することを特徴としている。
この発明は上記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
請求項1に記載の発明では、既設床版下面の小梁設置位置にコンクリートとの付着性を確保するための前処理を行う前処理工程と、前記前処理工程で前処理を行った床版部分に既設構造物との連続性を確保しつつ鉄筋、補強材、セパレータ等を配置するとともに、側枠、底枠を設置する型枠設置工程と、前記型枠内にコンクリートを充填する小梁形成工程とから成るので、交通の遮断がほとんどないとともに、死荷重の増加が少なく、かつ床版の維持管理が容易な既設床版の補強が可能である。
請求項2に記載の発明では、前記小梁形成工程は小梁を主桁と平行な縦方向に形成するので、構築した小梁によって床版の強度を増すことができる。
請求項3に記載の発明では、前記小梁形成工程は小梁を主桁と垂直な横方向に形成するので、構築する小梁によって床版の耐荷力を増大することができる。
請求項4に記載の発明では、前記小梁形成工程は小梁を主桁と平行な縦方向と主桁と垂直な横方向に形成するので、床版の剛度が増してより大きな車輌荷重に抵抗するすることができる。更に、小梁は、格子状に設置されるため、補強後も既設床版の下面が観察でき維持管理性に優れている。また、漏水などが生じた場合、床版内に水が溜まる心配もない。また、格子桁のため、床版下面の全面増厚に比べて自重増加が少ない。
請求項5に記載の発明では、前記小梁形成工程において小梁にプレストレスを付与するので、補強後のひび割れの発生やひび割れの拡大を防止できる。
請求項6に記載の発明では、前記小梁形成工程において、小梁を形成する前にプレテンションを加えた状態で小梁を形成するので、補強後のひび割れの発生やひび割れの拡大を防止できる。
請求項7に記載の発明では、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後にポストテンションを加えるので、補強後のひび割れの発生やひび割れの拡大を防止できる。
請求項8に記載の発明では、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁を挟んだ主桁間に横締めプレストレスを付与するので、補強後のひび割れの発生やひび割れの拡大を防止できる。また、自重増加が少なくて済む。
請求項9に記載の発明では、前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁部にデビエータを構築し、該デビエータを介してポストテンションを加え、横締めプレストレスと鉛直分力を既設床版に付与するので、床版下面に車輌荷重に対抗する圧縮力を付加することができる。つまり、床版支間中央に偏向点(デビエータ)を設け上向きの鉛直力を作用させ、荷重による曲げ応力と逆向きの応力を導入することで、荷重による曲げ応力を相殺することができる。
主桁間に小梁を構築し、床版の剛性を向上させるとともに、主桁或いは小梁にプレストレスを導入するので、荷重による曲げ応力を相殺した補強ができる。
以下、本発明に係る小梁による既設床版の補強工法の一例を図1〜図10に基づいて説明する。本実施例は、小梁部材を設けた後にプレストレスを導入する(ポストテンションタイプ)ものである。図1は、本発明に係る小梁による既設床版の補強工法の一例により完成した床版を示す説明図、図2〜図10は、本発明の小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。図1において、既設床版10の下面に構築された主桁11の間に小梁12、13が格子状に形成されている。
図2に示すように、前処理工程において、先ず設計計算に基づき、小梁設置位置に墨出しを行い、小梁設置位置の床版10の下面を、ウオータージェット、コンクリートブレーカ、タガネなどを用いてはつる。はつりによって、床版10の下端筋14を露出させるか、小梁を設ける位置の床版底面を粗面に(荒らし加工)して、後で設ける小梁との接着を容易にする。はつりの替わりに、表面荒らし加工であってもよい。
次に、図3に示す穿設作業により、主桁11の横締めケーブル挿入位置をコンクリートドリル、コアカッター、ウオータージェット等を用いて削孔し、貫通孔15を穿設する。
図4に示すアンカー取り付け作業では、前記前処理工程ではつりを行った床版部分10aを下面からドリルなどにより所定長を削孔し、当該削孔に後施工アンカー16などを取り付ける。また、後施工アンカー16に鉄筋17を更に取り付ける。また、ここで使用するアンカーは、後施工アンカー16の代わりにケミカルアンカーであってもよい。更に、主桁11の小梁13を形成する位置にドリルなどにより削孔し、後施工アンカー18及び鉄筋19を取り付ける。
図5に示す型枠設置工程において、後施工アンカー16に鉄筋17、或いは長ボルトを取りつける。また、鉄筋17にセパレータ20を取り付けるとともに、セパレータ20を利用して側枠21を取り付け、適切な間隔で(吹付けコンクリート・モルタル注入部を開口する)底枠22を設置する。また、型枠内にシース23を配置してもよい。シース23を配置する場合には、PC鋼材24をシース23の中に挿入・配置する。
図6に示す小梁形成工程において、型枠21、22内にコンクリートあるいはモルタルを吹付け、小梁12を形成する。小梁用のコンクリート或いはモルタルは、プレストレストコンクリート構造体としての剛性を有するよう、高強度の方が望ましい。また、既設床版10との付着性が確保できるよう、コンクリート等にポリマーが混入されたものの方が好ましい。
図7に示す張力導入工程において、充填したコンクリート或いはモルタルの圧縮強度が所定の強度に達したら、PC鋼材24を緊張してプレストレスを導入する。プレストレス導入後、グラウトを行い施工が完了する。
図8は、小梁13を構築するための型枠設置工程である。後施工アンカー18に鉄筋19、或いは長ボルトを取りつける。また、鉄筋19を利用して型枠25を取り付ける。また、適切な間隔で(吹付けコンクリート、モルタル注入部を開口する)を設置する。また、型枠25内にシース26を配置し、シース26内にPC鋼材27を挿入・配置する。
図9は、小梁13を形成する為の小梁形成工程である。型枠25内にコンクリートあるいはモルタルを吹付け、小梁13を形成する。小梁用のコンクリート或いはモルタルは、プレストレストコンクリート構造体としての剛性を有するよう、高強度の方が望ましい。また、既設床版10との付着性が確保できるよう、コンクリート等にポリマーが混入されたものの方が好ましい。
図10は、小梁13における張力導入工程である。充填したコンクリート或いはモルタルの圧縮強度が所定の強度に達したら、PC鋼材27を緊張してプレストレスを導入する。小梁13の両端には、PC鋼材定着部28が形成される。プレストレス導入後、グラウトを行い施工が完了する。
以上の工程により、既設床版10の下面に格子状に小梁12、13が形成され、プレストレスにより既設床版10に圧縮力や曲げ応力を導入することで、補強することができる。また、既設床版10は、RC構造、PC構造であっても適用可能である。更に、既設床版の下面に格子桁を設ける為に、床版の曲げ剛性の増大を期待することができる。また、格子桁は補強すべき程度に応じてRC構造、PC構造とすることが可能である。一般に、床版コンクリートのひび割れは、引張応力がコンクリートの引張強度を超えるために生じるが、本施工法ではプレストレスにより、あらかじめコンクリートに圧縮応力を与えることで引張応力を相殺し、補強後のひび割れ発生や、ひび割れ幅の拡大を防止することができる。
図10、図11は、本発明の小梁による既設床版の補強工法において、小梁部材を設ける前にプレストレスを導入する場合を示す説明図である。本実施例では、先ず主桁11にPC鋼材27を挿通する貫通孔15を穿設する。貫通孔15にPC鋼材27を挿通した後、一端に緊張用治具29を取り付けるとともに、他端に緊張用治具29及びジャッキ30を取り付け緊張する。このようにして、床版10にプレストレスを導入した後、図12に示すように小梁13を充填する。
以上のように構成した場合にも、あらかじめコンクリートに圧縮応力を与えることで引張応力を相殺し、補強後のひび割れ発生や、ひび割れ幅の拡大を防止する。
本発明の他の実施の形態として、小梁部材を主桁11に平行に設けた後にプレストレスを導入する(ポストテンションタイプ)場合について、図13、14にしたがって説明する。先ず、設計計算に基づき、横締め位置に墨出しを行う。次に、小梁設置位置の床版10の下面を、ウオータージェット、コンクリートブレーカ、タガネなどを用いてはつる。はつり作業は、床版の下面を荒らして粗面にする程度のものから、下端筋を露出させるものまで必要に応じて採用する。
横締めケーブル31の挿入位置の主桁ウエブ11をコンクリートドリル、コアカッター、ウオータージェットなどを用いて削孔し、貫通孔15を設ける。はつり作業を行った床版10に、下面からドリルなどにより必要長を削孔し、ケミカルアンカーや後施工アンカーなどを取りつける。アンカーに鉄筋あるいは長ボルトを取りつけ、セパレータ及び型枠を取りつける。また、鉄筋を配置する。
型枠内にコンクリートあるいは、モルタルを吹付け、小梁12を形成する。小梁用のコンクリート・モルタルは剛性を有するよう、高強度の方が望ましく、また、既設床版10との付着が確保できるよう、ポリマーが混入されたものの方が好ましい。小梁12の形成後、横締めケーブル31を緊張し、既設床版10にプレストレスを導入する。
以上のように構成した場合、主桁11に平行な小梁12を各主桁間に設置し、横締めケーブル31によって主桁11の幅方向にプレストレスを導入することができる。したがって、既設床版の程度に応じた補強施工が可能となる。また、自重の増加が少なくて済む。
図15は、本発明の小梁による既設床版の補強工法において、縦桁とデビエータをPC鋼材により緊張する場合を示す説明図である。本実施例においては、図13、14に示す実施例において、小梁12の上にデビエータ32を設置するとともに、主桁11に主桁デビエータ33を設置する。PC鋼材24は、デビエータ32及び主桁デビエータ33を介して緊張される。既設床版10には、PC鋼材24を緊張することにより、デビエータ32部分に鉛直分力が作用する。
したがって、本実施例によれば床版支間中央に設けたデビエータ32が偏向点として作用し、上向きの鉛直力を作用させる。このため、荷重による曲げ応力と逆向きの応力を導入することができ、荷重による曲げ応力を相殺することができる。
次に、本発明による補強効果を検討する。
1)概要
桁構造のコンクリート床版部は板構造であるため、精度の高い解析結果を得るためには平板理論や有限要素(FEM)法による解析となるが、低減効果の確認では梁理論を適用しても実用上問題はない。コンクリート桁橋の床版部は両端を主桁で拘束された、図16に示す両端固定の梁モデルで検討を行う。
2)小梁部材を設ける工法
(1)概要
小梁を設け床版部の補強は、床版部に補強部材を追加することにより、たわみ剛性を向上させ、活荷重(車両荷重)によるたわみを小さくする。活荷重によるたわみを小さくすることにより床版の曲率を小さくし、コンクリート床版に発生する断面力の低減効果を期待する。
(2)検討モデル
RC構造の床版を想定する。RC構造の床版支間は最大4mと道路橋示方書に規定されている。既設構造物の建設された時期によっては、この規定の適用範囲以外の構造も存在するが、本検討では、図17(a)(b)(c)に示すRC構造の最大支間4000mmを有する床版を対象とする。
床版支間 L=4m
活荷重(T荷重) P=100kN
集中荷重(T荷重)の分布角度は45°とする。
小梁(横梁)の間隔は集中荷重の分布角度より4mとする。両端固定の梁モデルの最大たわみは、以下の(1)式となる。
Wmax=PL3/(192×EI) −−−−−(1)
ここで、E:床版コンクリートの弾性係数
I:床版の断面2次モーメント(床版の剛性)
既設のたわみの計算(W(1)max)
また、図18(a)(b)(c)、図19に示すように、小梁で補強した場合のたわみの計算(W(2)max)は、
E=3.0 ×104 N/mm2
I=28.3 × 109mm4 (断面2次モーメントが幅B4000mm、高さH300mmの矩 L=4000mm 形断面に幅300mm高さ450mmのウエブを加えたT型断面)
P=100×103N
W(2)max=0.04mm
補強によるたわみの低減
W(2)max/W(1)max=0.04/0.12=0.33
したがって、活荷重によるたわみを1/3に低減できる。
本発明による補強効果
(1)式より、活荷重とたわみは直線関係にあることから、補強効果(活荷重の低減率)も直線関係となる。コンクリートの劣化が進行していない場合で2/3(約66%)の効果が期待できる。また、コンクリートが劣化している場合でも、相当の効果が期待できる。
3)横締めのみの工法の場合
この方法は、橋軸直角方向にPC鋼材を配置し、床版部にプレストレスを導入する。このプレストレスにより、床版に発生する応力を低減するものである。PC鋼材は床版の下側に配置することから、プレストレスの軸力による圧縮力とPC鋼材の偏心配置による曲げ応力の圧縮力を期待できる。
プレストレスによる圧縮応力は、下式による。
σc=P/A+P×ep/Z −−−−−(2)
ここで、P:床版の橋軸方向単位長さ当たりのプレストレス(kN /m)
A:床版の橋軸方向単位長さ当たりの断面積(m2 /m)
Z:断面係数を示す。 Z=I/Y Y:部材中立軸から縁端までの距離
以上のように構成された小梁による既設床版の補強工法は、プレストレスにより既設床版に圧縮力や曲げ応力を導入することで、補強することができる。また、既設床版はRC構造或いは、PC構造であっても適用可能である。また、既設床版の下面に格子桁を設ける場合は、床版の曲げ剛性も増大することができる。
また、本発明では補強すべき程度応じて格子桁を、RC構造、PC構造とすることが可能である。更に、コンクリートのひび割れは、引張応力がコンクリートの引張強度を超えるために生じるが、本工法ではプレストレスにより、あらかじめコンクリートに圧縮応力を与えることで引張応力を相殺し、補強後のひび割れ発生や、ひび割れ幅の拡大を未然に防止できる。
更に、プレストレスだけでは十分な補強効果が得られない場合には、橋軸直角方向、さらに必要あれば橋軸方向の小梁を橋梁下面に設ける。これにより、支間短縮効果による曲げモーメントの減少と、剛性の向上による曲げ応力の軽減を図ることができる。また、本施工法では、既設床版にプレストレスを導入するため、耐荷力不足が大幅でない場合は、補強材貼り付けなどの応力負担材料を必要としない。
図1は、本発明に係る小梁による既設床版の補強工法の一例を示す説明図である。 図2は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図3は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図4は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図5は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図6は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図7は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図8は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図9は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図10は、同小梁による既設床版の補強工法の施工手順を示す説明図である。 図11は、同小梁による既設床版の補強工法において、小梁部材を設ける前にプレストレスを導入する場合を示す説明図である。 図12は、同小梁による既設床版の補強工法において、小梁部材を設ける前にプレストレスを導入する場合を示す説明図である。 図13は、同小梁による既設床版の補強工法において、縦桁とPC鋼材による横締めのみの場合を示す説明図である。 図14は、図13の縦断面図である。 図15は、同小梁による既設床版の補強工法において、縦桁とデビエータをPC鋼材により緊張する場合を示す説明図である。 図16は、本発明の小梁による既設床版の補強工法における補強効果の検討モデルを示す説明図である。 図17(a)(b)(c)は、同小梁による既設床版の補強工法において、小梁と小梁の間に集中荷重を受けた場合の検討モデルである。 図18(a)(b)(c)は、同小梁による既設床版の補強工法において、小梁部分に集中荷重を受けた場合の検討モデルである。 図19は、同小梁による既設床版の補強工法における、解析モデルを示す説明図である。
符号の説明
10 既設床版
11 主桁
12 小梁
13 小梁
14 下端筋
15 貫通孔
16 後施工アンカー
17 鉄筋
18 後施工アンカー
19 鉄筋
20 セパレータ
21 側枠
22 底枠
23 シース
24 PC鋼材
25 型枠
26 シース
27 PC鋼材
28 PC鋼材定着部
29 緊張用治具
30 ジャッキ
31 横締めケーブル
32 デビエータ
33 主桁デビエータ

Claims (9)

  1. 既設床版下面の小梁設置位置にコンクリートとの付着性を確保するための前処理を行う前処理工程と、
    前記前処理工程で前処理を行った床版部分に既設構造物との連続性を確保しつつ鉄筋、補強材、セパレータ等を配置するとともに、側枠、底枠を設置する型枠設置工程と、
    前記型枠内にコンクリートを充填する小梁形成工程とから成ることを特徴とする小梁による既設床版の補強工法。
  2. 前記小梁形成工程は、小梁を主桁と平行な縦方向に形成することを特徴とする請求項1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  3. 前記小梁形成工程は、小梁を主桁と垂直な横方向に形成することを特徴とする請求項1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  4. 前記小梁形成工程は、小梁を主桁と平行な縦方向と主桁と垂直な横方向に形成することを特徴とする請求項1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  5. 前記小梁形成工程において、小梁にプレストレスを付与することを特徴とする請求項1〜4の何れか1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  6. 前記小梁形成工程において、小梁を形成する前にプレテンションを加えた状態で小梁を形成することを特徴とする請求項5に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  7. 前記小梁形成工程において、小梁を形成した後にポストテンションを加えることを特徴とする請求項5に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  8. 前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁を挟んだ主桁間に横締めプレストレスを付与することを特徴とする請求項1〜7の何れか1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
  9. 前記小梁形成工程において、小梁を形成した後に小梁部にデビエータを構築し、該デビエータを介してポストテンションを加え、横締めプレストレスと鉛直分力を既設床版に付与することを特徴とする請求項1〜7の何れか1に記載の小梁による既設床版の補強工法。
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