JP2014136888A - 建築構造 - Google Patents

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【課題】構造解析モデルに関して従来のように様々な仮定を必要とせず、また、架構の構造を工夫することにより、高さ方向に一様な変形モードを実現することのできる建築構造を提供する。
【解決手段】この建築構造は、高さ方向の変形を一様とするように設計される複数階のうちの最下層の柱脚部CLと最上層の柱頭部CUとに半固定型の構造部11,12を設けたものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、高さ方向に一様な変形モードを形成する建築構造に関する。
地震時の建物の応答性状は、地震波形・地震動の強さ、建物の構造特性などによって変化する。一般的に地震時における層間変形は、建物の中層部が大きくなる傾向があり、この部分の層間変形角を抑制することが重要となる。建物の中間層の変形を抑えるためには、地震時における高さ方向の変形分布を均一化することが有効である。建物脚部に免震装置を設置し、上部構造が剛体変形する方法が最も一般的であるが、それ以外で現在までに研究や検討された高さ方向に変形分布を一様化させる方法には下記の三つの技術がある。
(1)応答変形制御設計
(2)エネルギーの釣り合いに基づいて各層の降伏せん断力を調整する方法
(3)ダンパー等を設置し最大層間変形角の応答改善を行う方法
また、特許文献1は、連層壁をロッキング運動させ、建築構造物に作用する地震のエネルギーを建築構造物の各層に分散して吸収することができる、連層壁を用いた制振構造を開示する。
特開2010-261297号公報
(1)応答変形制御設計
設計用地震動に対して応答変形を目標クライテリア以内に抑えるために建築物が保有すべき必要復元力特性を高さ方向に分布を定め、設計建物の応答値が必要復元力の範囲でクライテリアを満足していることを確認しなければならない。
(2)エネルギーの釣り合いに基づいて各層の降伏せん断力を調整する方法
この方法は、目標クライテリアを満足する設計を行うまでに次のように多くの手順を要する。
(a)多層建物の骨組モデルの静的弾塑性解析を行い各層のせん断力−層間変形関係を算出
(b)各層のせん断力−層間変形関係から動的解析に使用する復元力モデルを作成
(c)固有値解析を行い1次の固有周期を算出
(d)等価1質点系モデルに変換(骨格曲線の作成)
(e)エネルギーの釣り合いに基づき誘導された式を用いて必要なダンパー量を決定する
(3)ダンパー等を設置し最大層間変形角の応答改善を行う方法
建物を多質点あるいは立体フレームでモデル化し、動的弾塑性応答解析を行い、最大層間変形角を検討する。最大層間変形角が目標クライテリアを満足しない場合、骨組の断面変更あるいはダンパーを設置するなどして最大層間変形角がクライテリアを満足するまで繰返し検討することが必要である。
高さ方向に変形分布を一様化させる方法(1)〜(3)には上述のように構造解析モデルに仮定が必要で、解析に手間がかかっていた。また、連層壁を用いた制振構造では、連層壁やダンパや支承部が別途必要である。
本発明は、上述のような従来技術の問題に鑑み、構造解析モデルに関して従来のように様々な仮定を必要とせず、また、架構の構造を工夫することにより、高さ方向に一様な変形モードを実現することのできる建築構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態による建築構造は、高さ方向の変形を一様とするように設計される複数階のうちの最下層の柱脚部と最上層の柱頭部とに半固定型の構造部を設けたことを特徴とする。
この建築構造によれば、最下層の柱脚部と最上層の柱頭部とに半固定型の構造部を設けることで、地震時に、半固定型の構造部が他の通常の柱端に比べて早期に曲げ降伏モーメントに達し、半固定型の構造部でヒンジが形成されることにより、変形が中間層に集中せず高さ方向に一様に生じる。このように、架構の構造を工夫することにより、高さ方向に一様な変形モードを実現することができる。このため、構造解析モデルに関して従来のように様々な仮定を必要としない。
上記建物構造において前記半固定型の構造部として他の柱脚部・柱頭部に比べて断面2次モーメントが小さくなるように断面寸法が小さい部分または固定端に向けて徐々に小さくなるテーパ部を設けることで、半固定型の構造部を構成することができる。
また、前記半固定型の構造部が地震時に他の柱端に比べて早期に曲げ降伏モーメントに達しヒンジが形成されるとともに、前記半固定型の構造部以外では梁端部にヒンジが形成されるようなメカニズムとなるように設計された架構とすることが好ましい。
また、前記柱脚部および前記柱頭部はヒンジが形成されても耐力低下しない構造とされることが好ましい。
本発明の建築構造によれば、構造解析モデルに関して従来のように様々な仮定を必要とせず、また、架構の構造を工夫することにより、高さ方向に一様な変形モードを実現することができる。
本実施形態による半固定型構造部を有する柱頭部を示す図(a)、同じく柱脚部を示す図(b)、c-c線方向に切断してみた断面図(c)およびd-d線方向に切断してみた断面図(d)である。 本実施形態による別の半固定型構造部を有する柱頭部を示す図(a)、柱脚部を示す図(b)、c-c線方向に切断してみた断面図(c)およびd-d線方向に切断してみた断面図(d)である。 本実施形態の地震応答解析における解析対象の建物構造の平面図である。 図3の解析対象の建物構造を図3の方向IVAから見た図(a)および解析対象の建物構造の柱梁を魚骨形としたモデルを示す図(b)である。 本実施形態の解析において用いたコンクリートの応力−ひずみ関係を概略的に示すグラフ(a)、および鉄筋の応力−ひずみ関係を概略的に示すグラフ(b)である。 本実施形態の地震応答解析において想定した、各層の変形角がほぼ一様となる柱頭柱脚半固定モデルの変形概念図である。 本実施形態の解析において想定した従来の柱頭柱脚固定モデルの降伏機構を示す図(a)、および、同じく本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルの降伏機構を示す図(b)である。 本実施形態の解析で得られた従来の固定モデルと本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルの最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を比較したグラフである。 本実施形態の解析で得られた本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルと従来の固定モデルについて、町田の地盤増幅特性を反映したELCENTRO波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 同じくTAFT波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 同じくHACHINOHE波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 本実施形態の解析で得られた本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルと従来の固定モデルについて、富津の地盤増幅特性を反映したELCENTRO波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 同じくTAFT波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 同じくHACHINOHE波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を示すグラフである。 図2の柱脚の半固定型構造部に降伏機構分離型構造を設けた例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態による半固定型構造部を有する柱頭部を示す図(a)、同じく柱脚部を示す図(b)、c-c線方向に切断してみた断面図(c)およびd-d線方向に切断してみた断面図(d)である。
図1(a)に示すように、柱Cの柱頭部CUは、柱Cの上端と上部スラブ1との間に断面を縮小した半固定型構造部11を有する。同様に、図1(b)のように、柱の柱脚部CLは、柱の下端と下部スラブ2との間に断面を縮小した半固定型構造部12を有する。柱Cは、鉄筋コンクリート造であり、複数本の主筋R1,R3がコンクリート内部に配置され、また、せん断補強筋R2,R4が所定のピッチでコンクリート内部に配置されている。主筋R3が半固定型構造部11,12、スラブ1,2へと延びて、柱頭部CU、柱脚部CLの各柱端部が上部スラブ1,下部スラブ2に固定されて固定端となっている。なお、図1(a)(b)ではせん断補強筋R2,R4の図示を省略している。
半固定型構造部11,12は、図1(d)の断面を有し、図1(c)の柱Cの断面よりも小さく構成され、主筋の本数が少なく、他の半固定型構造部のない柱脚部・柱頭部に比べて断面2次モーメントが小さくなっている。
図2は本実施形態による別の半固定型構造部を有する柱頭部を示す図(a)、柱脚部を示す図(b)、c-c線方向に切断してみた断面図(c)およびd-d線方向に切断してみた断面図(d)である。
図2(a)(b)に示すように、柱Cの柱頭部CUは、柱Cの上端と上部スラブ1との間にテーパ状の半固定型構造部21を有し、柱Cの柱脚部CLは、柱Cの下端と下部スラブ2との間にテーパ状の半固定型構造部22を有する。
図2の半固定型構造部21,22は、それらの断面積を固定端に向けて徐々に小さくした点が図1と相違する。すなわち、半固定型構造部21,22は、図2(a)(b)(d)のように、図2(c)の柱Cの四隅おいて断面積が固定端に向けて徐々に小さくなるようなテーパ部21a,22aを有する。
本例では、図2(c)のように、図1(c)と同様に複数本の主筋R1(四隅の主筋R1’を含む),R3、せん断補強筋R2,R4,R5が配置されている。テーパ部21a,22aのある半固定型構造部21,22では、図2(a)(b)(d)のように、四隅の主筋R1’が折り曲げられて、スラブ1,2の近傍手前まで延びている。なお、図2(a)(b)ではせん断補強筋R2,R5の図示を省略している。
半固定型構造部21,22は、他の半固定型構造部のない柱脚部・柱頭部に比べて、四隅の主筋R1’がスラブ1,2まで延びていないため主筋の本数が少なく、テーパ部21a,22aのため断面2次モーメントが固定端に向かって徐々に小さくなっている。
また、図2の半固定型構造部21,22は、柱Cの四隅にテーパ部21a,22aが設けられているので、地震時の斜め水平力の入力による柱の固定端でのコーナ部の圧壊を防止することができる。なお、柱Cの四隅にテーパ部を設けたが、コーナ部以外にも設けることで、コーナ部以外でも損傷を軽減することができる。たとえば半固定型構造部21,22を円錐台状に構成して、テーパ部を全周に設けるようにしてもよい。
図1,図2の柱頭部CU、柱脚部CLに設けた半固定型構造部11,12,21,22による半固定型支持部において、半固定型構造部は固定支持部(半固定型構造部のない)と比べて断面2次モーメントが小さいので、より少ない作用モーメントで回転変形がし易くなっている。
図1,図2の柱頭部CU、柱脚部CLを有する柱Cから構成される建物構造において、地震時に、半固定型構造部11,12または21,22が他の通常の柱端に比べて早期に曲げ降伏モーメントに達し、半固定型構造部11,12または21,22でヒンジが形成されることにより、変形が中間層に集中せず高さ方向に一様に生じるようになる。
なお、ヒンジは、保有する断面性能以上の作用モーメントが働いた部分で、降伏ヒンジともいわれる。この部分は、作用モーメントがゼロになるのではなく維持されるが、作用モーメントの大きな増大が見込めない状態となっている。この部分を、以下ではヒンジ部ともいう。
また、本実施形態の建物構造の柱梁による架構は、地震時に、半固定型構造部11,12または21,22が曲げ降伏モーメントに達しヒンジが形成されるとともに、半固定型構造部11,12または21,22以外では梁端部にヒンジが形成されるようなメカニズムとなるように設計されることが好ましい。この梁端部にヒンジを形成させるために、一般的な構造設計法では、節点における上下階の柱の曲げ強度の合計(ΣcMu)と左右の梁の曲げ強度の合計(ΣbMu)との比が次式のような関係であれば梁ヒンジになるとされている。
ΣcMu≧1.4×ΣbMu
ここで、
ΣcMu:節点より上の階の柱脚部の曲げ強度と節点より下の階の柱頭部の曲げ強度の合計
ΣbMu:節点の左側梁端部の曲げ強度と節点の右側梁端部の曲げ強度の合計
次に、柱脚部と柱頭部とを半固定型構造とした建築構造について行った地震応答解析について説明する。解析は(株)構造計画研究所建築構造解析プログラムRESP-F3Tにより行った。
解析対象の建物構造は、5階建て鉄筋コンクリート造無限均等ラーメンであり、解析対象の平面は図3のハッチングで示すように、6m×6mで、柱1本当たりの支配面積は36m2、単位面積当たりの重量を12kN/m2とした。解析対象の柱梁を、図4(a)のハッチングで示し、図4(b)に魚骨形としたモデルを示す。解析対象の柱の半固定型構造としては、図1の断面縮小の半固定型構造部とし、図1のように、半固定型構造部の高さhを柱CのせいBの1/2とした。
表1に解析対象の柱断面の詳細を示す。コンクリートの非線形特性は、New RCモデルを用いた。図5(a)にコンクリートの応力−ひずみ関係を示す。鉄筋の非線形性能はMasing型バイリニアモデルを用い、降伏後の剛性は初期剛性の1/1000とした。図5(b)に鉄筋の応力−ひずみ関係を示す。
Figure 2014136888
表2に解析対象の梁断面の詳細を示す。梁の復元力特性は武田モデルとし、降伏剛性低下率を0.3,ひび割れモーメントは降伏モーメントの1/3とした。
Figure 2014136888
表3に解析対象の柱脚・柱頭の半固定型構造部の詳細を示す。
Figure 2014136888
地震動は、解放工学的基盤における平成12年建設省告示1461号に規定された「極めて稀に発生する地震動」の加速度応答スペクトルに適合した告示波を用い、文献(平石久廣、金子雅子、平塚高広「地震増幅特性の影響を考慮した建築物の地震応答予測に関する研究」日本建築学会構造系論文集、第641号、1303-1309、2009.07)よりSHAKEを用い、第二種地盤に相当する東京都町田市の地盤増幅特性を反映した地震動を採用した。
図6は、本実施形態の地震応答解析において想定した、各層の変形角がほぼ一様となる柱頭柱脚半固定モデルの変形概念図である。柱頭柱脚半固定モデルとは、本実施形態の半固定型構造部を最下層柱脚および最上層柱頭に設けたものである。
図6のように、最下層柱脚および最上層柱頭の半固定型構造部にできたヒンジ部で同じ回転角を生じ、ヒンジ部以外は弾性で、この弾性変形に伴う層の回転角の増分はないとしている。図6において、各層の層間変位角Riはヒンジ部の回転角θpと、柱の反曲点位置での弾性変形角θeとを用いて下記の式(1)により得られる。なお、この変形モデルでは、柱の反曲点位置での弾性変形角が各層で大きく異なる場合には、各層の変形角は一様にはならないか、塑性化が進展すると、この弾性変形角はヒンジ部の回転角に比べかなり小さくなり、その差異はさほど大きな影響を及ぼさないと考えられる。
Ri=θp+θe
ただし、
θp:最下層柱脚および最上層柱頭のヒンジ部(ここでは、半固定型構造部の領域とした)の回転角
θe:ヒンジ部以外の変形による柱の変形角(柱の弾性可撓長さの1/2高さを反曲点とする)
図7(a)に本実施形態の解析において想定した従来の柱頭柱脚固定モデルの降伏機構を、図7(b)に同じく本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルの降伏機構を示す。
図8は、本実施形態の解析で得られた従来の固定モデルと本実施形態の柱頭柱脚に半固定型構造部を設けた柱頭柱脚半固定モデルの最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を比較したグラフである。図8のように、従来の固定モデル(柱頭固定・柱脚固定)に比べ、本実施形態の柱頭柱脚半固定モデル(柱頭半固定・柱脚半固定)の1層の最大層間変形角は約15.00%、5層の最大層間変形角は約16.95%増大したが、2層から4層までの最大層間変形角は約22.30%、25.59%、8.13%低減した。
以上のように、本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルを用いることにより、従来の固定モデルの結果と比べると、層間変形角の最大応答値を全体として低減することができ、かつ、最大層間変形角をほぼ一様化することができたという解析結果であった。
次に、地震動が異なる場合について同様に解析を行った。地震動は、上記平成12年建設省告示1461号に規定された「極めて稀に発生する地震動」の加速度応答スペクトルに適合した告示波を用い、位相特性は、観測波(代表3波ELCENTRO、TAFT、HACHINOHE)の位相3種類とした。そして、上記文献よりSHAKEを用い、代表3波をそれぞれ第二種地盤に相当する東京都町田市と第一種地盤に相当する千葉県富津市の二種類の地盤増幅特性を反映した地震動(計6種)を柱頭柱脚半固定モデルの性能を検証する地震動として採用した。
本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルと従来の固定モデルにおいて、町田の地盤増幅特性を反映したELCENTRO波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図9に、TAFT波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図10に、HACHINOHE波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図11に示す。
また、本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルと従来の固定モデルにおいて、富津の地盤増幅特性を反映したELCENTRO波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図12に、TAFT波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図13に、HACHINOHE波を用いた各層最大層間変形角(時刻歴中での最大値)を図14に示す。
図9〜図14のように、地震動の異なるスペクトル場合にも従来の固定モデルでは、2層、3層の最大変形角が大きくなるのに対して、本実施形態の柱頭柱脚半固定モデルでは2層、3層の最大変形角が抑えられ、変形一様化の機能がほぼ保持されているといえる。
次に、本実施形態の半固定型構造部を有する柱脚部・柱頭部にヒンジが形成されても耐力が低下しない構造とした例について図15を参照して説明する。図15は図2の柱脚の半固定型構造部に降伏機構分離型構造を設けた例を示す図である。
図15のように、柱脚部CLの半固定型構造部22において主筋R5の周囲にコンクリートの付着除去区間GPを設けることで降伏機構分離型構造を構成している。区間GPで主筋R5とコンクリートとの付着が除去され、半固定型構造部22で主筋Gがコンクリートから分離しているので、コンクリートの損傷を低減できる。すなわち、地震時に、主筋R5が降伏することで地震のエネルギーを吸収する一方、空隙GPがあるためコンクリートの損傷を回避できる結果、地震により半固定型構造部22で大きな変形が生じても耐力はほとんど低下しない。なお、図2の柱頭部CUの半固定型構造部21においても上述と同様の降伏機構分離型構造を構成している。
以上のように本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。たとえば、図1の柱脚部の半固定型構造部11と、柱頭部の半固定型構造部12は、必ずしも同一の断面形状を有する必要はなく、たとえば、解析例(表3)のように、柱脚部の半固定型構造部11の断面が柱頭部の半固定型構造部12の断面よりも大きくしてもよい。
また、図2の柱脚部の半固定型構造部21と、柱頭部の半固定型構造部22は、それらの鉛直方向の長さおよびテーパ部21a、22aの傾斜角が同一である必要はなく、適宜変更可能である。
また、図1の柱脚部の半固定型構造部11および柱頭部の半固定型構造部12において図15と同様の降伏機構分離型構造を構成してもよいことはもちろんである。
1 上部スラブ
2 下部スラブ
11,12,21,22 半固定型構造部
21a,22a テーパ部
C 柱
CL 柱脚部
CU 柱頭部
GP 付着除去区間
R1,R1’,R3 主筋
R2,R4,R5 せん断補強筋
R5 主筋

Claims (4)

  1. 高さ方向の変形を一様とするように設計される複数階のうちの最下層の柱脚部と最上層の柱頭部とに半固定型の構造部を設けたことを特徴とする建築構造。
  2. 前記半固定型の構造部として他の柱脚部・柱頭部に比べて断面2次モーメントが小さくなるように断面寸法が小さい部分または固定端に向けて徐々に小さくなるテーパ部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の建築構造。
  3. 前記半固定型の構造部が地震時に他の柱端に比べて早期に曲げ降伏モーメントに達しヒンジが形成されるとともに、前記半固定型の構造部以外では梁端部にヒンジが形成されるようなメカニズムとなるように設計された架構とすることを特徴とする請求項1または2に記載の建築構造。
  4. 前記柱脚部および前記柱頭部はヒンジが形成されても耐力低下しない構造とされていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の建築構造。
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