JP2005226419A - 橋梁の耐震安定 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の橋梁は上部工と下部工が単独に設計され,安定は下部工自重による抵抗モーメントと底面摩擦によっているので,地震荷重が大きくなるほど躯体を大きくして自重を増やさなければならなかった。また既設橋台を補強するには交通止めせざるを得ないので,実施にあたっては地域経済に及ぼす影響などの問題が生じた。
【解決手段】 上部工と下部工を弾性体などを介して接合し,橋軸方向地震に対しては上部工の支材作用を利用して水平力を対岸橋台に伝え,橋台背面の地盤反力で安定を計る。既設橋台の補強も安定には背面の地盤反力を利用するため,上部工接触面の改造だけとなり工事費が縮減され交通止めの必要もない。
【選択図】図5
【解決手段】 上部工と下部工を弾性体などを介して接合し,橋軸方向地震に対しては上部工の支材作用を利用して水平力を対岸橋台に伝え,橋台背面の地盤反力で安定を計る。既設橋台の補強も安定には背面の地盤反力を利用するため,上部工接触面の改造だけとなり工事費が縮減され交通止めの必要もない。
【選択図】図5
Description
本発明は橋梁の耐震安定に関する。
図1,図2のように橋梁は上部工1と下部工2とから成り立つ。上部工とは道路を通すための部分で,下部工とは上部工を支持し,上部工からの荷重と下部工に作用する荷重を基礎地盤に伝える部分で,橋台3と橋脚4に分けられる。
例えば図3のような単径間橋梁の一端は,地震荷重や制動荷重などによって水平方向に移動しないように固定支承5で支持し,他端は温度変化による橋長の伸縮が可能なように可動支承6で支持する。固定支承側の桁端には撓みによる桁の回転を妨げない程度の遊間7を設け,可動支承側の桁端には温度による伸びに余裕量を加えた長さの遊間を設ける。
上部工は自重のほか交通物が載荷したとき,各部分に生ずる応力度が許容応力度以下になるよう設計し,下部工は上部工からの荷重と下部工自体に作用する荷重に対して,地盤反力,滑動安全率,転倒安全率,躯体応力度が許容値以下になるよう設計し安全性を確保している。
図4のように橋台の安定を検討するときの荷重は,地震時における上部工からの鉛直力10および水平力11のほか,重心12に作用する橋台自重14と,自重に起因する慣性力13,浮力15,地震時主働土圧16の組合わせとする。水平荷重によって生ずる転倒モーメント17と滑動力40よりも,鉛直荷重によって生ずる抵抗モーメント18と底面摩擦力21の方が,夫々の安全率を含んで大きくなければならない。
上部工と下部工は固定支承と可動支承によって明瞭に区分されているため,上部工と下部工は単独に設計され,上部工は地震時安定には全く関与していない。安定に必要な抵抗モーメントと底面摩擦力は鉛直荷重によって生ずるものであるから,地震荷重が大きければ大きいほど躯体断面を大きくして自重を増やさなければならなかった。
既設下部工を補強するには,躯体断面を増やすため交通止めして周囲の地盤を掘削する必要があり,地域経済に及ぼす影響などから実施は極めて困難であった。
本発明は,このような従来の橋梁が有している問題を解決しようとするもので,新設橋梁の建設コスト縮減と,既設橋梁の補修補強を軽微なものにすると同時に,交通止めせずに施工できるのを目的とするものである。
橋軸方向の地震により橋台が転倒しようとするとき,図5のように上部工を支材21として力を対岸橋台に伝え,橋台背面に生ずる地盤反力22で安定を計る構造とする。従来は自重で安定を計っていたのに対し,これは地盤反力で安定を計るため,断面を増やす必要がなく第1の課題は解決される。
既設橋梁を補強するとき,安定には背面の地盤反力を利用するため,工事は上部工接触面の改造だけとなるので交通止めの必要がなく,第2の課題も解決される。
温度変化による橋長の伸縮は橋台背面地盤の変形で吸収する。
図6のように,橋台パラペット24と上部工を接合するとき,接触面にはゴムまたはエラスタイトなと25の弾性体を挿入し,緩衝材にすると同時に,交通物の撓みによる回転角を吸収する。
既設橋台パラペットの応力度を照査した結果,厚さが不足している場合や,新設橋梁で落橋防止装置を必要とするときは,図7のように上部工に突起部25,28を設け,下部工との接触面を沓座下面30とする。
支材作用は橋台上部に働くので,図8のように橋台の水平変位31は地表面が最大で下に行くほど小さい。地盤が弾性体なら,地盤反力=変位量×バネ定数 であるから地盤反力度32は地表面が最大で下に行くほど小さいが,受動土圧強度33はその逆である。地盤は塑性体のため地盤反力度32が受働土圧強度33を超えると塑性化する。従って図9のように地盤は地表から下に向かって順次塑性化し,地盤反力度32と受動土圧強度33が一致する点で収束する。収束点から上は塑性領域35,下は弾性領域36である。この安定計算は非線形弾塑性解析になるためコンピューター無しには解くことが困難である。
非線形弾塑性解析ブログラムにより各種ケースについて検討した結果,この構造の可能性と安全性を確認している。
1 上部工
2 下部工
3 橋台
4 橋脚
5 固定支承
6 可動支承
7 遊間
8 回転
9 伸び
10 上部工からの鉛直力
11 上部工からの水平力
12 重心
13 下部工躯体の慣性力
14 下部工躯体自重
15 浮力
16 地震時主動土圧
17 転倒モーメント
18 抵抗モーメント
19 滑動力
20 底面摩擦力
21 支材
22 地盤反力
23 上部工慣性力
24 パラペット
25 ゴムまたはエラスタイトなど
26 鉄筋コンクリート突起
27 アンカー鉄筋
28 鋼製突起
29 アンカーボルト
30 沓座下面
31 変位
32 地盤を弾性体とした時の地盤反力
33 受動土圧
34 地盤の弾塑性反力
35 塑性領域
36 弾性領域
2 下部工
3 橋台
4 橋脚
5 固定支承
6 可動支承
7 遊間
8 回転
9 伸び
10 上部工からの鉛直力
11 上部工からの水平力
12 重心
13 下部工躯体の慣性力
14 下部工躯体自重
15 浮力
16 地震時主動土圧
17 転倒モーメント
18 抵抗モーメント
19 滑動力
20 底面摩擦力
21 支材
22 地盤反力
23 上部工慣性力
24 パラペット
25 ゴムまたはエラスタイトなど
26 鉄筋コンクリート突起
27 アンカー鉄筋
28 鋼製突起
29 アンカーボルト
30 沓座下面
31 変位
32 地盤を弾性体とした時の地盤反力
33 受動土圧
34 地盤の弾塑性反力
35 塑性領域
36 弾性領域
Claims (1)
- 横軸方向の地震に対し,上部工と下部工を弾性体などを介して接合することにより,上部工の支材作用によって生ずる対岸橋台の地盤反力を,転倒および滑動抵抗力として利用する単径間橋梁。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004066322A JP2005226419A (ja) | 2004-02-10 | 2004-02-10 | 橋梁の耐震安定 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004066322A JP2005226419A (ja) | 2004-02-10 | 2004-02-10 | 橋梁の耐震安定 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005226419A true JP2005226419A (ja) | 2005-08-25 |
JP2005226419A5 JP2005226419A5 (ja) | 2007-12-27 |
Family
ID=35001352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004066322A Pending JP2005226419A (ja) | 2004-02-10 | 2004-02-10 | 橋梁の耐震安定 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005226419A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169543A (ja) * | 2007-01-05 | 2008-07-24 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 橋梁 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0716724Y2 (ja) * | 1989-06-20 | 1995-04-19 | 大成建設株式会社 | 橋桁の免震支承装置 |
JP2002088714A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-03-27 | Matsuo Engineering Kk | Rcホロースラブ桁の支承補修工法 |
-
2004
- 2004-02-10 JP JP2004066322A patent/JP2005226419A/ja active Pending
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0716724Y2 (ja) * | 1989-06-20 | 1995-04-19 | 大成建設株式会社 | 橋桁の免震支承装置 |
JP2002088714A (ja) * | 2000-09-20 | 2002-03-27 | Matsuo Engineering Kk | Rcホロースラブ桁の支承補修工法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008169543A (ja) * | 2007-01-05 | 2008-07-24 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 橋梁 |
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A521 | Written amendment |
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